活动剧情

Color of Myself!

活动ID:11

第 1 话:配信スタート!

雫の部屋
雫:……98……99……100
雫:ふぅ。これで朝のトレーニングはおしまいね
雫:(今日はいよいよ、MORE MORE JUMP!の 初めての生配信の日……)
雫:(……しっかりやらないと)
宮益坂女子学園 屋上
愛莉:よし! スマホの位置は、ここでオッケーね! みんな、髪型とメイクは大丈夫?
遥:うん。問題ないよ
雫:緊張するけど、みんなで頑張りましょうね
愛莉:台本も作ったし、練習どおりにやれば大丈夫よ! まあ——
みのり:……うう……
愛莉:大丈夫じゃなさそうなのもいるけど
雫:みのりちゃん、大丈夫?
みのり:ひ、羊が1匹……羊が2匹……
遥:みのり、手に書いて飲みこむなら 『羊』じゃなくて『人』じゃない?
愛莉:アンタねぇ……。 ……ま、正直、緊張してるのはわたしも一緒だけど
愛莉:こういう形でアイドルに戻ることに、 否定的なファンは多いでしょうし
愛莉:でも、やるって決めたからには覚悟を決めなくちゃね!
遥:そうだね。この初配信で、 私達の想いを精一杯伝えよう!
雫:ええ!
みのり:が、がんばりますっ!
遥:——みんな、こんにちは。桐谷遥です
愛莉:桃井愛莉よ! 今日は配信を見にきてくれて、ありがとう!
コメント:『ほんとに遥ちゃんがまた見れた!』 『意外なメンツなんだけど、何が始まるの??』 『引退したと思ってた!』
みのり:わ、コメントがいっぱいついてる……!
雫:すごいわね……
愛莉:ちょっとふたりとも、早く挨拶しなさいよ
雫:あ、そうね……!
雫:日野森雫です、よろしくお願いします
コメント:『雫ちゃんだ~!』 『雫様……今日も美しい……』
みのり:わ、わたし、花里みのりです! よろしくお願いします!
コメント:『誰?』 『知らない子だ』 『遥ちゃん映して~』
みのり:うう……
愛莉:ま、最初はこんなもんよ
遥:今日は、私達からみんなに伝えたいことがあるの
コメント:『なになに?』 『なんだろ』
遥:——突然アイドルを辞めてしまって、 本当にごめんなさい
遥:私達がアイドルを辞めたことで、 みんなに心配させちゃったと思う。 だからまず、そのことについて少し説明させてほしいの
コメント:『それ気になってた』 『なんで辞めたの?』
雫:私達がアイドルを辞めた理由は、 みんなそれぞれ違うけれど——
雫:共通して言えることは、 アイドルを続けていく自信がなくなってしまったからなの
雫:でも、今ここにいるメンバーのおかげで、 またアイドルをやりたいって思えるようになったのよ
コメント:『じゃあ、アイドル復帰するの!?』 『やったー!』
コメント:『みんな、前のグループに戻るの?』
愛莉:……ごめんなさい。 元のグループには、もう戻らないことにしたの
愛莉:わたし達は、この4人でアイドルを始めることにしたから
コメント:『え? なんで?』 『今まで一緒に頑張ってきたメンバーがかわいそう』 『前のグループを捨てるの?』
遥:……そうだね、そう思われるのは仕方ないと思う
遥:これまで支えてくれたメンバーにはすごく感謝してるし、 私も応援していきたいと思ってる
遥:でも、前のグループのメンバーとは 何度か話しあいをして、別々の道へ進むことに決めたんだ
コメント:『なんで?』 『もしかしてみんな、実はメンバーと揉めて戻れないとか?』
雫:……!
コメント:『そういえば雫ちゃんも変な噂流れてたよね』 『おいお前らそういうコメントやめろよな』 『いじめられて追い出されたって本当?』
雫:……それは……
みのり:ち、違うよっ!
みのり:遥ちゃんも、雫ちゃんも愛莉ちゃんも! 3人とも、アイドルを続けるかすっごく悩んで いっぱい悩んで……でも……!
みのり:ファンのみんなに希望を届けたいって、 だから4人でがんばろうって決めたの!
コメント:『ていうか誰?w』
みのり:う、うう~……
遥:みのりは、大切なメンバーのひとりだよ
遥:アイドルの経験はないけど、 きっと私達以上に輝くアイドルになるから みんな、応援しててね
みのり:遥ちゃん……
コメント:『実はすごいアイドルなのか?』 『全然オーラないけど……』
コメント:『これからどうするの?』
遥:これからは、私達の活動を配信して、 みんなに私達のことを知ってほしいと思ってるの
愛莉:みんなも知りたいことがあったら教えてほしいわ! 答えられる範囲で答えていくわよ
コメント:『事務所は? モリプロとか?』
愛莉:事務所には所属しないで、 フリーで活動するつもりよ
コメント:『え! 事務所に入らないんだ!』 『フリーでアイドルってできるの?』
雫:ええ。きっと大変なこともたくさんあると思うわ
雫:でも、みんなの応援があれば きっとなんでもできるって思うの
遥:今度こそ、ファンのみんなと この4人で走り抜けるよ
遥:だからみんなも、私達—— MORE MORE JUMP!を応援してほしいの
コメント:『私は、遥ちゃんが見れるなら嬉しいよ!』 『雫ちゃん、応援してるよ』 『頑張れ愛莉~!』
雫:あ……!
みのり:よかった……!!
遥:みんな、配信お疲れさま
愛莉:やっぱり、台本どおりにはいかなかったわね
遥:うん。急に辞めてまた戻ってきたんだから、 みんなが戸惑うのも当然だと思う
遥:だからこれから、私達を信じてもらえるように頑張ろう。 応援してよかった、って思ってもらえるように
みのり:うんうん! がんばろう!
愛莉:それじゃ、明日はセカイで打ち合わせしない?
愛莉:これからMORE MORE JUMP!で どんな動画を配信していくか、 きっちり詰めていきたいし
雫:そうね。ミクちゃん達の意見も聞きたいし
みのり:うんっ、賛成! もっともっともーっと、がんばるぞー!
雫:ふう……
雫:(緊張したけど、ちゃんと伝えられてよかったわ)
雫:(……うまく答えられないところもあって、 不安にさせちゃったかもしれないけれど)
雫:(でも遥ちゃんの言うとおり、これからも 応援してもらえるように頑張らなくちゃ)
生徒A:あっ! あそこにいるの、日野森先輩じゃない? 今日も、すっごく綺麗だよね~!
生徒B:いつ見ても完璧って感じだよね~。 きっと普段からそうなんだろうな
雫:あ……
プロデューサー:——やっぱり、雫ちゃんはこの路線で売り出そう
雫:……!
雫:(……みんなが求めているのは“完璧”な私)
雫:(そうね。ちゃんと、ファンのイメージを守らないと……)

第 2 话:セカイの新アイドル!?

ステージのセカイ
みのり:ミクちゃーん! リンちゃーん! ……あれ、いないのかな?
愛莉:ふたりともいないなんて、珍しいわね
雫:もしかしてお夕飯の時間かしら?
遥:さすがにまだ早いと思うけど……。 というか、夕飯?
ミク:みんな、いらっしゃい!
みのり:わ……っ、ミクちゃん! びっくりした~
雫:なんだかいつもと様子が違うわね、どうしたの?
ミク:ふふっ♪ 今日はみんなに、紹介したい子がいるんだ!
遥:紹介したい子?
リン:うん! このセカイで、わたし達と一緒に アイドルをする新メンバーだよ♪
みのり:えっ、それって……!
ミク:では、お披露目でーすっ
ルカ:はじめまして。 巡音ルカよ
みのり:ル……ルカさん!?
ルカ:ふふ、そうよ
ルカ:これからミクちゃんやリンちゃんと一緒に、 素敵なステージを作っていこうと思うわ
ルカ:みんな、よろしくね♪
みのり:わああ、アイドルオーラがすごい……! キラキラしててまぶしいよぉ~!
ルカ:ふふ、大げさよ。みのりちゃん
みのり:えっ、わたしの名前、もう知ってるんですか!?
ルカ:ええ、ミクちゃんとリンちゃんから いろいろ話を聞いていたの
ルカ:みんなで見つけた“本当の想い”の話とか、 4人でアイドルグループを結成した話……
ルカ:あと——ここじゃ言えない ちょっぴり恥ずかしい話もね?
愛莉:えっ!? 恥ずかしい話って何!?
みのり:も、もしかして……。 昨日の夜、サインの練習してるのを こっそり見られちゃったとか……!?
遥:みのり、そんなことしてたんだ
ルカ:ふふっ、冗談よ♪ みんなをびっくりさせたかっただけ
ルカ:みんなのことは、これから少しずつ 知っていきたいって思ってるわ。 いろいろと教えてちょうだいね
愛莉:もう……恥ずかしい話なんて言うから びっくりしちゃったじゃない
雫:ルカさんって、とてもお茶目ね
ルカ:ふふ、ありがとう。 でも……私だけ『さん』っていうのも寂しいわね。 よかったら『ルカちゃん』って呼んでくれないかしら?
雫:え? それじゃあ……ルカちゃん?
ルカ:ええ、よろしくね。雫ちゃん♪
雫:ふふ、なんだか友達になれたみたいで嬉しいわ
ミク:ルカちゃんは、歌もダンスもトークも得意なんだよ♪
リン:うんうん♪ な~んでもできちゃうんだっ!
遥:なんとなく、ルカってなんでもできるお姉さんってイメージが あったけど、本当にそうだったんだね
みのり:うん! アイドルオーラ全開だし、 カリスマアイドルって感じがするね!
雫:そうね、憧れるわ
みのり:え? でも雫ちゃんだって、いつもキラキラしてて 歌もダンスも上手だし、なんでもできてすごいよ!
雫:なんでもできる、なんて……そんなことないわ
雫:実は私、歌もダンスも覚えるのに 時間がかかっちゃうほうだから
みのり:えっ、そうなの!?
愛莉:雫は努力型って感じよね。 センスでパパッとできちゃうタイプじゃない分、 コツコツがんばってるっていうか
みのり:そうだったんだ……。 なんだか意外だなぁ
雫:…………
雫:それより、次の配信の打ち合わせをしない? ルカちゃんも相談に乗ってくれると嬉しいわ
ルカ:ええ、もちろんよ
リン:わあ、動画配信始めたんだね!
愛莉:ええ、まだ最初の挨拶をしただけだけど、 これからいろんな配信をしていこうと思うの
リン:ねえねえ、生配信ってどうだった?
遥:リアルタイムでみんなの声が 聞けるから、すごくよかったよ
遥:本当は、大事なおしらせだから 失敗しないように動画を撮って 編集することも考えてたんだけど……
遥:結果的には、生の声を届けられたからこそ、 私達の想いが伝わった気がする
みのり:わたしもそう思う! ちょっと厳しいコメントもあったけど……
みのり:でも、見てくれるみんなのコメントがその場で届くと、 わたし達の気持ちが伝わった気がして、すっごく嬉しいの!
ルカ:うふふ、それは素敵ね
愛莉:ええ、MORE MORE JUMP!の活動に 生配信は合ってるかもって思ったわ
遥:うん、私もそう思う。 今後しばらくは、生配信を軸にしてみようか
雫:……!
雫:(生配信を、軸に——)
雫:(この前は挨拶だけでよかったから、 何事もなく終わることができたけれど……)
雫:(ずっと生配信が続いたら、私は——)
ルカ:みんな、どんな配信をやりたいとか案はあるの?
みのり:うーん、やってみたいことはいっぱいあるんだけど まとまらないんだよね。 雫ちゃんは何かある?
雫:あ、そうね……ええと…… ごめんなさい。思いつかなくて
ルカ:……?
リン:そうだよねー。ミクちゃんはどう思う?
ミク:うーん、そうだね。 ちゃんとしたアイディアは、わたしも思いつかないけど……
ミク:でも、やっぱりファンのみんなが 喜んでくれそうなことがいいんじゃないかな?
みのり:ファンのみんなが喜んでくれそうなこと……
みのり:あ! はいっ! 思いつきました!
愛莉:はい、みのり早かった! 期待してるわよ~
みのり:はい! えっと、普段のみんなを見てもらうのはどうかな?
遥:普段の私達?
みのり:うん! ファン心理からしますと、 カメラを意識してない自然体の顔を見れるのは 特別感がすごいというか!
みのり:普段、テレビやステージの上じゃ見れない顔を見ると 新しい一面を発見できた気がして もっともっとその子を好きになれるといいますか……!
雫:テレビやステージの上じゃ、見れない顔……
遥:たしかに、オフショットとかを 喜んでくれるファンは多いね
雫:……でも
雫:あんまり普段の様子がわかりすぎると、 がっかりしちゃう人もいるんじゃないかしら……
愛莉:……たしかにそれはあるわね。 プライベートはあんまり知りたくないっていう ファンもそれなりにいるし……
みのり:そ、そうなの? わたしは嬉しいんだけどなぁ……
リン:わたしも、おもしろいと思うよ! MORE MORE JUMP!のみんなは いつでもとーってもかわいいし♪
雫:そう……かしら……
遥:悩むなら、いくつかアイディアを出してから また改めて、話し合って決めようか
雫:…………
雫:(ファンのみんなは、“完璧な私”を望んでいるはずだから、 オフショットでも気を抜くことはできないわ)
雫:(……でも、私の事情でみんなの活動を狭めたくない。 せっかくアイドル活動がスタートしたんだもの)
雫:(私が、頑張って“完璧な私”を演じきることができれば……)
愛莉:…………
雫:……ううん、私の考えすぎかもしれないわ。 みのりちゃんのアイディア、素敵だと思う
愛莉:本当に大丈夫なの?
雫:うん、大丈夫。 心配させてごめんなさい
遥:じゃあ、1回その方向で考えてみようか。 ミク、リン、ルカ。相談に乗ってくれてありがとう
ミク:どういたしまして! 配信、楽しみにしてるね♪
みのり:うんうん、きっとファンのみんなも喜んでくれるよ!
雫:……そうね
雫:(ファンのみんなをがっかりさせないためにも、 私が頑張らないと——)
愛莉:…………

第 3 话:崩れる“完璧”

宮益坂女子学園 屋上
遥:じゃあ今日の配信は、いつもみたいに ダンスと歌の練習をしながらトークを挟む感じにしようか
遥:前に決めた流れだけ守ってもらえれば、 基本的には自由にやっていいからね
みのり:はいっ、がんばります!
愛莉:みのり、力入りすぎ。 普段の様子を見てもらうんだから、 もうちょっとリラックスしなさいよね
みのり:は、はぁい
雫:…………
愛莉:ねえ、雫……
雫:あ。愛莉ちゃん……
愛莉:このあいだから、なんか様子が変だけど……
愛莉:もしかして、チアデの頃のイメージを 守れるかどうかってことを気にしてるんじゃない?
雫:あ……それは……
雫:……うん。 少し心配なの
愛莉:アンタのファンって、強火な子が多いもんね。ライブでも、 『雫様ー!』って叫んでる女の子とかよく見かけたし
愛莉:でも、雫は雫よ。 いつもどおりがんばる雫なら、 きっとみんなも応援してくれるわ
愛莉:もし何かあったらわたしがフォローするわ。 だから、いつもどおりがんばりましょ
雫:……うん。ありがとう、愛莉ちゃん
雫:(そうよね。これから何回も生配信していくんだもの。 しっかり頑張らなくちゃ)
遥:こんにちは。 みんな、今日もきてくれてありがとう!
コメント:『遥ちゃーん!』 『きたよー』 『今日も可愛い』
愛莉:今日はみんなに、わたし達の日常を ちょっぴりお届けしようと思うわ!
遥:うん、今回はダンスの練習だね。 いつもどんな風にやっているのか、見てもらいたいな
コメント:『ダンス練習見たーい!』 『みんなのダンス楽しみ!』 『がんばれー!』
みのり:はいっ! 一生懸命がんばりますっ!
コメント:『誰だっけ?』 『そういえばいたね』 『雫ちゃん映してーーー』
みのり:うう……
雫:(精一杯やらなくちゃ。……失敗しないように)
遥:ワン、ツー、スリー、フォー!
遥:愛莉、ちょっと早い! みのりはワンテンポ遅れてるよ
愛莉:おっけー!
みのり:は、はいっ!
雫:(次は移動して、センターでターン……)
雫:…………っ
遥:雫、今のターンすごくいい!
雫:(よかった……!)
みのり:はぁ、はぁ……っ
遥:みんな、お疲れさま。 すごく息が合ってきたよ
愛莉:今日は特に雫が良かったわね。 完璧だったわ!
コメント:『雫ちゃんはダンス得意だからね』 『いやいや雫ちゃんは全部完璧だから』 『雫様ーー!』
遥:ほら、みんなもたくさんコメント書いてくれてるよ
雫:ふふ、ありがとう
愛莉:じゃ、休憩してから 歌の練習に入りましょうか
みのり:さんせーい! もう喉がカラカラだよ~……
みのり:ふう……お水お水、っと
みのり:……って、わぁあっ! 手が滑っちゃった!
愛莉:ちょ、大丈夫!?
みのり:うう……わたしは大丈夫だけど、 お水が全部こぼれちゃった……
コメント:『新メンバー、ドジっこ?』 『今のはおもしろかったw』 『愛莉、わけてあげて』
愛莉:しょうがないわねぇ……。 あ、でもわたし全部飲んじゃってたわ
雫:じゃあ、私のでよければ飲まない? まだ水筒に半分残ってるから
みのり:えっ、本当?
コメント:『雫ちゃん優しい……』 『いいな~! 雫ちゃんのお水飲みたい!』
みのり:ありがとう、雫ちゃん……!
雫:うふふ、冷めないうちにどうぞ
みのり:冷めないうちに? あったかいお茶とか?
雫:ううん、お味噌汁よ
みのり:え、ええっ!? お味噌汁!?
愛莉:練習のあとに味噌汁はないでしょ、さすがに!
雫:そうかしら? 疲れた時に飲むとほっとするし、 汗で冷えた体があったまるからいいと思うけれど……
遥:た、たしかにそうかもしれないけど、 私も練習のあとは、水とかスポーツドリンクがいいかな……
愛莉:ま、雫らしいけどね
みのり:あははっ、そうだね!
みのり:あれ? コメントが……
コメント:『雫ちゃんってこんな感じだったっけ?』
みのり:え?
雫:あ……!
コメント:『なんかイメージしてたのとキャラ違うな』 『イメージチェンジ?』
雫:…………っ
愛莉:し、雫ってば冷え性だから、 温かいもののほうが好きなのよね! だから……
コメント:『え、これはこれでおもしろくない?』 『そういうキャラ雫ちゃんに求めてない』 『もっとしっかりしてる子だと思ってたのに』
コメント:『お前らコメント欄でケンカすんな』 『味噌汁てwwこれはさすがに狙ってんだろww』
みのり:どうしよう、コメントが止まらないよ……!
コメント:『雫ちゃんじゃない』
雫:あ……私……
プロデューサー:——やっぱり、雫ちゃんはこの路線で売り出そう
プロデューサー:いいかい? テレビに出たら笑ってるだけでいいから。 ステージでも、トークは他の子に任せること
プロデューサー:そっちのほうが、ファンがつくからね
雫:あんなに気をつけてたのに……
雫:やっぱり私は——“完璧”にはなれないわ……

第 4 话:作られたイメージ

宮益坂女子学園 屋上
雫:みんな、ごめんなさい。 私のせいで、生配信が台無しになっちゃって……
みのり:ううん、雫ちゃんのせいじゃないよ!
みのり:だって、雫ちゃんのダンスすごかったし、 トークだって、いつもどおりおもしろかったし……!
雫:“いつもどおり”——
雫:いつもどおりじゃ、駄目だったの
みのり:えっ……?
愛莉:……フォローできなくてごめんなさい、雫。 わたしの考えが甘かったわ……
愛莉:チアデの頃の雫のイメージの強さを、 もっと考えておかなきゃいけなかったのに——
遥:それって、どういうこと?
雫:……私のファンには、 Cheerful*Daysの頃の私のイメージが 強く残ってるの
遥:チアデの頃のって……?
雫:綺麗で、なんでもできて、みんなが憧れるアイドル——。 それが『Cheerful*Daysの日野森雫』だったわ
遥:あ……
雫:Cheerful*Daysの頃は、そのイメージを守るために、 いろんな人が動いてくれていたの
雫:演技指導があったり、動画編集をしてもらったり……
雫:とにかく、ファンの前では完璧なアイドルになるように 徹底されていたわ
愛莉:…………
雫:Cheerful*Daysから応援してくれていたみんなが 求めていたのは、そんな私の姿だったの
雫:だから、私は…… そのイメージを崩しちゃいけなかった
雫:“いつもどおり”の私を、出しちゃいけなかったの
みのり:雫ちゃん……
雫:みんな、本当にごめんなさい
遥:……もう謝らないで、雫
遥:私も愛莉も、雫と同じように 元のグループのイメージがあるから
遥:今の自分達とファンのイメージが ズレる可能性があることもわかる。 それは仕方ないよ
遥:だから、少しずつMORE MORE JUMP!としての 私達のイメージを確立していけばいいと思ってたんだけど……
遥:……まさか、雫に対するファンのイメージが ここまで固まってたとは思わなかった
遥:これは企画の時点で、こうなるってリスクを 想定しきれてなかった私の責任もあるよ
雫:…………
愛莉:こうなると、何か対策を立てる必要があるわね……
遥:チアデの時は、事務所の人とか番組スタッフの人が 雫のイメージを作ってたんだよね?
雫:……ええ、テレビに出た時は、 私がイメージに合わない発言をしたところを 編集でカットしてくれたりしていたの
雫:ライブでは台本があって、できるだけ他のメンバーに しゃべってもらうようになっていて……
愛莉:別のメンバーに全部振る、っていうのは難しいわね。 チアデみたいな大所帯のグループならともかく、 4人の中で雫だけしゃべらなかったら不自然だし
遥:……でも、動画編集ならできるかも
遥:動画の編集は今までやったことないから、プロのスタッフさん みたいにうまくできるのかわからないけど、 次の配信までには覚えておくよ
愛莉:ただそうすると……生配信はできなくなるわね
雫:…………
雫:(編集をすれば、私のイメージは守られるかもしれない)
雫:(けど代わりに、MORE MORE JUMP!として ファンに声を届ける方法が少なくなってしまう)
雫:(もちろん、生じゃない動画配信だけでも、 みんなに声を届けることはできるかもしれないけど……)
コメント:『ダンス練習見たーい!』 『みんなのダンス楽しみ!』 『がんばれー!』
雫:(私達の今の姿を見てもらうためには—— みんなに希望を届けるためには、 この方法が合ってるって私も思う)
雫:(だから……ちゃんと私が決めなくちゃ)
雫:(ファンのために『日野森雫』のイメージを守るか、 それとも、MORE MORE JUMP!として ファンに希望を届けるために、ベストな方法を選ぶのか)
雫:…………
雫:……ごめんなさい。 少し、考えさせてもらってもいいかしら
雫:必ず……答えを出すから
遥:……うん、わかった。待ってるよ
みのり:雫ちゃん……

第 5 话:望まれない“私”

遥:リアルタイムでみんなの声が 聞けるから、すごくよかったよ
みのり:でも、見てくれるみんなのコメントがその場で届くと、 わたし達の気持ちが伝わった気がして、すっごく嬉しいの!
コメント:『なんかイメージしてたのとキャラ違うな』 『イメージチェンジ?』
コメント:『え、これはこれでおもしろくない?』 『そういうキャラ雫ちゃんに求めてない』 『もっとしっかりしてる子だと思ってたのに』
コメント:『雫ちゃんじゃない』
スクランブル交差点
雫:…………
雫:(どうすればいいのかしら)
雫:(ファンのことを考えたら、Cheerful*Daysの頃の イメージを守ったほうがいい)
雫:(今までどおり、完璧な日野森雫を守っていけば、 ファンのみんなは、喜んでくれる)
雫:(でも……)
雫:…………
通行人A:あっ、あそこにいるのって 日野森雫じゃない!?
雫:っ……!
通行人B:本当だ! すっごく綺麗! 芸能人オーラすごいね!
通行人A:普段からあんなキラキラしてるなんてすごいよね。 ね、声かけてみない?
雫:あ……!
雫:(……いつもどおりに、笑ってサインができれば……でも……)
コメント:『雫ちゃんじゃない』
雫:(だめ……。 きっと、今の私じゃ、がっかりさせちゃう……)
雫:…………っ
宮益坂
通行人達:あ! 日野森雫だ!
通行人達:嘘でしょ? うわ、ラッキー!
雫:あっ……
通行人達:え、なになに?
通行人達:日野森雫がいるんだって
雫:(どうしよう、このまま逃げても また見つかっちゃう……)
神山通り
雫:どこか……
雫:あ……
雫:ごめんなさい——!
ステージのセカイ
雫:……逃げてきちゃった
雫:セカイをこんな風に使うなんて、 みんなに怒られちゃうわね……
ルカ:——あら、雫ちゃん?
雫:……っ、ルカちゃん……
ルカ:どうしたの? そんな悲しそうな顔をして。 そんな雫ちゃんも素敵だけどね
雫:素敵、なんかじゃ……
ルカ:……何かあったみたいね
ルカ:もし雫ちゃんが嫌でなければ、 話を聞かせてもらってもいいかしら
ルカ:ミクちゃんもリンちゃんも練習しているところだから、 今は私しかいないしね
雫:…………
ルカ:……そうよね。まだ知りあって間もないし、 自分のことを話すのは難しいわよね
ルカ:仲良くなるためには、もっとお互いのことを 知らなくちゃいけないでしょうし……
ルカ:あ、いいこと思いついたわ!
雫:え……?
ルカ:雫ちゃんに、私の秘密を教えるわ。 ミクちゃん達には内緒にしてね?
雫:ル、ルカちゃんの、秘密……?
ルカ:そう。実は私——
ルカ:ほっぺたがすごく柔らかいの
雫:……え? ほっぺた?
ルカ:ええ。見ていて。 ……ほら、こんなに伸びるのよ!
雫:あ、本当……! すごいわ……!
ルカ:ね? びっくりするれひょう?
雫:……ふふっ。うふふふっ
雫:ルカちゃんって、本当にお茶目さんなのね
ルカ:……ふふ、思ったとおりね
ルカ:やっぱり笑っている雫ちゃんのほうが、素敵だわ
雫:あ……。 ……ありがとう、ルカちゃん
雫:——もしよかったら、私の話も聞いてもらえないかしら
ルカ:……そう、そんなことがあったのね
雫:ええ。MORE MORE JUMP!として ファンのみんなに希望を届けたいのに、 私のせいで活動の幅が狭まってしまいそうで……
雫:でも、私の行動で、たくさんのファンを がっかりさせてしまうのは……もう……
ルカ:そうね……ファンをがっかりさせてしまうのは、嫌よね
雫:……子供の頃からそうだったの
雫:周りの人は、みんな私にとてもよくしてくれたわ。 でも……
雫:いつも私がぼんやりしているから、 知らないうちに、がっかりさせてしまっているの
雫:『美人なのにもったいない』って、 いつも、いろんな人に言われていて……
ルカ:そんな……
雫:ううん。本当のことだから、仕方ないの
雫:『オーラがある』『存在感がある』って言ってもらえる こともあったけど
雫:いつも、私の中身が追いつかなくて
ルカ:…………
雫:それでも、アイドルになって頑張れば、 誰かの期待に応えられると思ったんだけど
雫:でも結局……今までと同じね。 ファンの子達の期待にも、応えることができなかった
ルカ:……そうだったのね
ルカ:アイドルって、大変よね。 たくさんの人の想いを受け止める存在だからこそ、 考えなきゃならないことがあるもの
ルカ:それで……雫ちゃんは、どうしようと思うの?
雫:……わからないの
雫:アイドルとして望まれる自分を演じると、 ファンのみんなは喜んでくれるし、応援してくれる
雫:それが嬉しかったし、 期待に応えられているって思えてたわ
雫:でも私は、ひとりじゃそれができない……
雫:私のイメージを守るために、 活動の幅を狭めてしまうのは嫌だけど
雫:でも、ありのままの私を見せたら、 またファンをがっかりさせてしまうから……
ルカ:…………
ルカ:本当に、ありのままの雫ちゃんだと ダメなのかしら?
雫:え……?
ルカ:“明日頑張る希望を届けたい”——
ルカ:それが、MORE MORE JUMP!のみんなが 願っていることよね
雫:ええ、そうだけど……
ルカ:それは今のままの雫ちゃんだと、できないことなのかしら?
雫:……でも
雫:でも、今の私は、みんなに望まれていないわ……
ルカ:そうかしら?
ルカ:今のあなたを応援してくれる人は、 きっといるはずよ
雫:今の私を、応援してくれる人……?
ルカ:ええ、もっと周りに目を向けてみて
ルカ:きっと見つかるはずだから

第 6 话:飾らない言葉で

宮益坂女子学園 屋上
みのり:雫ちゃん、大丈夫かなぁ……
みのり:今日も、『もう少し考えたい』って お休みしてるし……
遥:きっと、まだ悩んでるんだと思う。 雫が答えを出すまで、もう少し待っていよう
愛莉:…………
雫:綺麗で、なんでもできて、みんなが憧れるアイドル——。 それが『Cheerful*Daysの日野森雫』だったわ
雫:Cheerful*Daysから応援してくれていたみんなが 求めていたのは、そんな私の姿だったの
雫:だから、私は…… そのイメージを崩しちゃいけなかった
雫:“いつもどおり”の私を、出しちゃいけなかったの
愛莉:(求められるイメージを守る……か)
みのり:愛莉ちゃん、どうしたの?
愛莉:えっ? ああ、ちょっとね
愛莉:雫の気持ち、わかるなって思って
みのり:え……?
愛莉:QTにいた頃、わたしに来ていたのは バラエティの仕事ばっかりだったわ
愛莉:“バラエティの桃井愛莉”は、強気で、遠慮がなくて、 何を言われても勢いよくツッコんでいくお笑い要員で……
愛莉:そんな風にしていたら、当たり前なんだけど、 世間からも『そういう子』ってイメージがついたのよね
愛莉:だから、歩いてると酷いこと言われたりもしたのよ。 『愛莉ならツッコむか、笑い飛ばすかしてくれるだろう』 って思われてね
みのり:そうだったんだ……
愛莉:イメージって、本当にすごい力を持ってるわよね
愛莉:……ま、わたしの場合一番しんどかったのは、ファンも事務所も “バラエティの桃井愛莉”を求めたってことなんだけどね
愛莉:“アイドルの桃井愛莉”なんて、 誰も求めてないって言われてるみたいで…… やっぱり、キツかったわ
遥:愛莉……
愛莉:わたしは、そんな“桃井愛莉”が嫌で アイドルを辞めちゃったけど
愛莉:でも、ずっと考えてたの。 あの決断は、本当に正しかったのかって
愛莉:わたしが辞めたことで、バラエティのわたしが好きな人も、 アイドルのわたしが好きな人も、 悲しんでいたから
愛莉:わたしは、ちゃんとファンのことを 考えられてなかったんじゃないかって……
遥:……難しいね。 期待されるイメージに応えるって
愛莉:でも、わたしの場合は向いてないわけじゃないからよかったわ。 体張るのも、トークも、それ自体は嫌いじゃなかったし
愛莉:だけど雫は……本当の自分とは違うアイドル像を 作られて苦しんでるから、もっと深刻なのよね
みのり:…………
みのり:Cheerful*Daysの雫ちゃんは、 歌もダンスもうまくて、ミステリアスな雰囲気もあって
みのり:どんなにがんばっても手が届かない雲の上の人って感じが、 すっごく、すっごーくステキだったけど……
みのり:でもわたし……今の雫ちゃんのほうが好きだな
愛莉:みのり……
みのり:機械が苦手なところも、ちょっと天然でかわいいところも、 一生懸命努力してるところも……
みのり:テレビで見れなかったそのままの雫ちゃんのほうが、 とってもステキだなって思うの
みのり:きっとファンのみんなも、雫ちゃんのことを知ったら もっともっと好きになってくれると思うんだけどな……
愛莉:……ふふっ
みのり:え、どうしたの? わたし、なんか変なこと言っちゃった!?
愛莉:ううん。その言葉、雫が聞いたら喜ぶだろうなって
遥:……みのりは、素でそういうことを 言えるのがいいところだよね
遥:飾らない言葉っていうか。 人を元気づける才能があるんだね、きっと
みのり:わ、きゅ、急に褒められた……!
愛莉:でも、みのりみたいに感じてくれる人が 増えてくれたらいいわよね
みのり:っ! そうだよね!
みのり:今の雫ちゃんの魅力をもっと伝えられたら、 そんな配信ができたら、きっと——!
遥:みのり、ストップ!
みのり:えっ?
遥:たしかに、雫の魅力を配信で伝えるのはいい案だと思う
遥:でも、それは雫が“答え”を出してからだよ
みのり:答え……
愛莉:そうね。チアデの頃のイメージを守っていくか、 それとも、今の雫を見せていくか
愛莉:その答えを出すのは雫自身で、わたし達じゃないわ
みのり:……そっか、そうだよね……
みのり:でも……待ってるだけじゃなくて わたしも雫ちゃんのために、何かしたい!
みのり:雫ちゃんが答えを出す前でも、 わたしにできることって何かないかな?
遥:——そうだね。 雫がどんな答えを出してもいいように、 私達は私達で、準備をしておこうか
みのり:うんっ!
愛莉:そうね。 …………

第 7 话:決断

雫:でも、今の私は、みんなに望まれていないわ……
ルカ:そうかしら?
ルカ:今のあなたを応援してくれる人は、 きっといるはずよ
雫:今の私を、応援してくれる人……?
ルカ:ええ、もっと周りに目を向けてみて
ルカ:きっと見つかるはずだから
宮益坂女子学園 2年D組
雫:……ルカちゃんは、ああ言ってくれたけど。 でも、今の私を応援してくれる人なんて……
愛莉:雫、いるー?
雫:あっ、愛莉ちゃん……!
雫:ごめんね、練習休んじゃって
愛莉:いいのよ、気持ちがまとまらないと 練習しても身が入らないでしょうし
愛莉:で、今日は雫と一緒に帰ろうと思って。 予定がなければ、どう?
雫:……うん、ありがとう
宮益坂
愛莉:なんだか久しぶりね。 雫とふたりで帰るの
雫:ふふ、練習したあとは、 いつもみんなで一緒に帰ってたものね
雫:…………
愛莉:……どうしたいのか、決まった?
愛莉:考えてたんでしょ? これからどんな自分を見せていくのか
雫:……まだ、わからないの
雫:MORE MORE JUMP!で、みんながやりたいことが できなくなってしまうのは嫌だわ
雫:……けど、応援してくれてるファンのことを考えたら Cheerful*Daysの頃のイメージを壊すのは……
愛莉:応援してくれるファン……ね
愛莉:でも、その中にだって、 今の雫を応援してくれる人はいるんじゃない?
雫:え?
雫:でも……今の私を応援してくれる人なんて……
愛莉:いるわよ。案外近くにね
雫:え……?
愛莉:アンタも知ってるんじゃないかしら? みのり、っていう子なんだけど
愛莉:その子、チアデの頃の雫も好きだし、 今の雫も好きなんですって
愛莉:だからファンの子達にも アンタのよさをわかってもらいたいって、 めちゃくちゃ熱く語ってたんだから
雫:みのりちゃんが……
愛莉:あと、アンタは今の自分に魅力がない みたいに言うけど——
愛莉:わたしは好きよ、今の雫
愛莉:なんていうか……白鳥みたいで
雫:白鳥?
愛莉:ほら、よく言うでしょ。 白鳥って優雅に泳いでるように見えるけど、 実は水中で必死に足をバタバタさせて進んでるって
愛莉:そういうとこ、アンタに似てるじゃない
愛莉:歌もダンスも完っ璧で、 キラキラした笑顔でステージに立ってるけど、 裏では誰より必死にがんばって練習してる、そんなアンタにね
雫:あ……ふふっ。 なんだか恥ずかしいな
愛莉:他にも、雫のいいとこはたくさんあるわよ
愛莉:しっかりしてそうなのにちょっと抜けてて、 でもなんだかんだ周りを和ませてるところとか
愛莉:あとは、道に迷って困るくせに散歩したがるところとか……。 はた迷惑な時もあるけど、なんか目が離せないのよね
雫:ふふ。愛莉ちゃん、私のことたくさん知ってるんだね
愛莉:当たり前でしょ? わたし達はMORE MORE JUMP!の仲間なんだから
雫:愛莉ちゃん……
ルカ:今のあなたを応援してくれる人は、 きっといるはずよ
雫:……そうね。一番近くで応援してくれる人達を、 心配させちゃだめよね
雫:ありがとう、愛莉ちゃん。 私——決めたわ
宮益坂女子学園 屋上
みのり:雫ちゃん、今日も来ないのかな
愛莉:大丈夫よ。 今日は委員会で遅くなるって言ってたから そっちが終わったら、すぐ来るでしょ
遥:そうなの?
雫:みんな、ごめんなさい……! 遅くなっちゃって
愛莉:ほらね
みのり:雫ちゃん!
遥:雫、大丈夫?
雫:ええ。みんな、待たせちゃってごめんなさい
雫:でも、おかげで決意できたわ
雫:今の——このままの私を、みんなに見てもらうことにしたの
みのり:雫ちゃん……!
遥:そっか……。 雫がそう決めたなら、私は全力でサポートするよ
遥:動画編集もしなくて大丈夫?
雫:ええ、大丈夫よ
雫:でも、配信の一番最後に少し時間をもらいたいの。 ファンのみんなに、今の私の気持ちを伝えたいから
遥:うん、わかった。 その時間も考えて撮っていこう!
遥:それで、今回の配信内容なんだけど…… みのりから提案があるの
雫:みのりちゃんから?
みのり:あ、えっと……! 雫ちゃんのよさが ファンのみんなに伝わるようなアイディアを 遥ちゃん達と一緒に、考えてみたんだ!
遥:雫がどんな答えを出してもいいように、 いくつかパターンを出したんだよね
愛莉:みのり、すっごく一生懸命だったんだから。 下校時間過ぎて、鍵閉めるから帰れって言われてるのに 『もうちょっと待って下さい!』って先生に詰め寄ったりして
遥:あれはびっくりしたね
みのり:だ、だって、もうちょっとでいいアイディアが 出てきそうだったから……!
愛莉:ふふっ! まあ、そういうとこもみのりらしいけどね
雫:みんな……ありがとう。 私のために……
愛莉:本当よ! ここまで待たせたんだから、 次の配信は、最高の雫を見せなさいよね
雫:うん……っ
雫:今度こそ、ファンのみんなに希望を届けるわ
愛莉:みんな、こんにちは! MORE MORE JUMP!の桃井愛莉よ!
愛莉:3回目の配信は——ズバリ! 『地獄のダンス特訓』っ!
愛莉:このあいだより難しいダンスにみんなで挑戦! マスターするまで踊り続けるわよ~!
コメント:『みんながんばれ!』 『今回は遥ちゃんも踊るの?』 『愛莉も頑張れ~!』
遥:振り付けは配信前に確認しておいたけど、 本当に難しいよね、この曲……
みのり:えっ、遥ちゃんでも!?
遥:うん、相当練習しないと マスターは難しいかな
愛莉:でも、やるからにはがんばるしかないでしょ! ね、雫!
雫:ええ、頑張りましょう
コメント:『雫ちゃんダンス得意だからね』 『雫ちゃんなら余裕でしょ!』 『みんな頑張れ~!』
雫:……ええ、ありがとう。 頑張るから応援していてね、みんな
雫:(やり切らなくちゃ、今度こそ。 みんなに希望を届けるために——!)

第 8 话:ありのまま、あるがままに

宮益坂女子学園 屋上
遥:ワン、ツー、ターン!
雫:(腕をクロスしたあとにスウィングして……っ)
みのり:ひゃあっ!
遥:みのり、大丈夫?
みのり:う、うん。ごめんね、 みんなはちゃんと踊れてたのに……
遥:ううん。みのりもかなりついてこれてるよ。 一緒に頑張ろう!
コメント:『ていうかこれ、かなり難しくない?』 『10分でバテる自信ある』 『今日中に終わる?』
愛莉:アイドルは根性! ここからもっとキツくなってくるけど、 絶対に踊りきるわよ!
みのり:うん! がんばります!
雫:(次は愛莉ちゃんの後ろに回って——)
雫:っきゃ……!
愛莉:雫、大丈夫!?
雫:うん、ごめんなさい。 足がもつれちゃって……
愛莉:いいのよ、もう一度やりましょ!
雫:(……っ、今度こそ……)
雫:あっ……!
みのり:雫ちゃん!
コメント:『え、また間違えた?』 『ていうか、雫ちゃんより愛莉のほうがダンスうまくない?』 『意外……』
雫:はぁ……はぁ……
遥:……みんなバテてきたし、休憩する?
雫:……ええ、そうね。 みんなは休んでいてくれるかしら
みのり:えっ? 雫ちゃんは……
雫:私は、ちょっとだけ練習してるわ
みのり:で、でも休まないと——
雫:ふふ、心配しないで。ちょっとだけだから
みのり:でも、雫ちゃ……っ
愛莉:みのり
愛莉:……大丈夫よ。雫はいつもああなの
愛莉:最初は全然踊れなくて……。 でもだからこそ、陰で努力してる
愛莉:それで、少しずつ近づいていくの。 みんながステージの上で見てる“完璧”な雫に
みのり:…………
コメント:『雫ちゃんの自主練、見たいなー』
みのり:あっ……
コメント:『コケてるのあんまり見たくないんだけど……』 『私は見たい! 雫ちゃん見せて!』 『雫ちゃんにカメラ向けて~』
みのり:遥ちゃん、愛莉ちゃん!
遥:うん、見てもらおう
愛莉:ええ……! 勝手に見せちゃうのは気がひけるけど、 きっと雫も許してくれるわ
みのり:じゃあ、カメラをこっち側に……っと
コメント:『陰でこんなに頑張ってたんだ』 『いつも涼しい顔してるから意外』 『めっちゃ必死顔w』
コメント:『雫ちゃんはなんでも完璧にできると思ってた』 『当たり前だけど、こんなに頑張ってステージに立ってるんだな』 『やっぱりイメージ違うけど……』
コメント:『こうやって一生懸命努力した雫ちゃんが、 あの完璧な雫ちゃんになっていくって考えると なんだか感慨深いな』
コメント:『私も、もっと頑張ろうって思えるなぁ』
愛莉:…………! 雫……っ
雫:——あ、ごめんなさい。集中しちゃってて
雫:でも、もう大丈夫よ。 今度こそ、うまく踊れるわ
愛莉:……ええ、そうね。 努力の成果、見せてちょうだい!
遥:ワン、ツー、スリー、フォー!
雫:(……っ次、決めなきゃ……)
雫:(踊りきって……ファンのみんなに見てもらいたい)
雫:(みんなが今まで応援してくれていたことを後悔しないように。 私は完璧じゃないけど——みんなに希望を届けられるように!)
愛莉:次、最後よ!
雫:うんっ!
雫:はぁ、はぁ……っ
雫:踊り、きれた……
遥:おめでとう、みんな。 最後まで踊りきれたね
みのり:も、もう、ダメ……。 一歩も動けないよ~
遥:あ、みのり! 大丈夫……!?
愛莉:ちょっと休ませてあげましょ。 いきなりこんなハードなダンス、よくやりきったわよ
雫:ふふ、そうね。 みのりちゃんはすごいわ
愛莉:みのりもだけど、今日のMVPは雫よ
雫:え……?
遥:雫、みんなに言いたいことがあるんじゃない?
雫:あ、そうね……!
雫:…………
雫:あのね、みんな……聞いてほしいの
コメント:『どうしたの?』 『聞いてるよ~』
雫:Cheerful*Daysの頃の私は、 今よりも、もっと素敵なアイドルだったと思うわ
雫:でもそれは、いろいろな人のサポートがあって 生み出せた姿で…………本当の私じゃないの
愛莉:雫……
雫:本当は……本当なら、前の私のほうが、 みんなは喜んでくれるかもしれない
雫:けれど……ごめんなさい。 それはもう無理なの
雫:みんなが期待するような、完璧な姿は もう見せられないけれど——
雫:でも、今の私で精一杯、みんなに希望を届けるわ
雫:だから、どうか……。 こんな私でよければ、もう少しだけ見ていてほしいの
愛莉:…………っ
コメント:『私、どんな雫ちゃんでも大好きだよ!』
雫:あ……
コメント:『話してくれてありがとう!』 『もちろんこれからも推すよ~』 『イメージとは違ったけど、応援したくなった』
雫:みんな……!
雫:……これから私達はMORE MORE JUMP!として、 新しい一面をみんなに見せていけると思うわ
雫:今まで以上に、みんなの期待に応えられるように頑張るから—— これからもよろしくね
コメント:『期待してるよ』 『みんな応援してる!』 『一緒に頑張ろう!!』
雫:……みんな、ありがとう
雫:…………はあ、よかった
愛莉:雫! お疲れさま! 無事にやりきれたわね
雫:愛莉ちゃん……
雫:ありがとう、みんなのおかげよ
雫:みのりちゃんも、ありがとう
みのり:えっ、わたしは何もしてないよ?
雫:そんなことないわ
雫:みのりちゃんが、ありのままの私を好きだって 応援してくれていたから、最後まで頑張れたの
雫:みのりちゃんに、すごく勇気をもらったわ。 本当にありがとう
みのり:そ、そうかな……。 雫ちゃんの力になれてたなら、嬉しいな
愛莉:それより雫! さっきの配信、一緒に見直しましょ。 いいコメントがたーっくさんついてるわよ!
雫:うん!