活动剧情
その手導くぬくもりは
活动ID:111
第 1 话:さらなる躍進のために
スクランブル交差点
愛莉:は~、今日の仕事もなかなかハードだったわね!
雫:でも、楽しかったわ。 まさかドッキリの仕掛け人ができるなんて
みのり:うんっ、わたしも収録中ずーっとワクワクだったよ!
みのり:でも…… ドッキリとしては、ちょっと失敗だったよね
遥:そうだね。 『お化け屋敷のオバケがアイドルだったら』ってことで、 遊園地でみんなでオバケになってみたけど……
遥:雫は挙動不審ですぐバレちゃった上に、 少し騒ぎになってお化け屋敷が握手会会場になっちゃったし
雫:遥ちゃん達は、オバケ役を熱演しすぎて お客さんに全然気づかれないまま終わっちゃったのよね
愛莉:とはいえ、ドッキリ系の番組って こういうハプニングも織り込んでの企画だし……
愛莉:プロデューサーさんは喜んでくれてたから、 仕事としては大成功だと思うわ!
雫:ふふ、よかった
雫:最近、こういう映像メディア系のお仕事も 増えてきてて、嬉しいわね
遥:たしかにね。 ネット配信とかローカル局が多いけど、おかげで 私達のことを知ってる人が、またちょっと増えた感じするし——
遥:この調子で、これからも頑張っていこう
みのり:うんっ! 『目指せドームライブ!』だね!
愛莉:まあ、そうは言ってもドームライブにはまだまだ遠いから、 あせらず一歩ずつ、着実にいきましょ
雫:着実に……。 次の私達の目標は、武闘館よね
遥:うん。武闘館のキャパは約15000人…… そこに向けて露出は増やしてるし、 うまくいってる感覚はあるけど……
遥:今の私達がライブしたら、 どれくらいのお客さんが来てくれるかな
愛莉:チャンネル登録者数やSNSのフォロワーも増えてきてるけど、 実際にやってみないとわからないところはあるわよね
みのり:実際に……
みのり:じゃあ、やってみたらいいんじゃないかな!?
雫:えっ?
みのり:そしたら、わたし達のライブに来てくれるお客さんが どれくらいいるかわかるし……
みのり:最近、配信のコメントでも 『次のイベントはいつですか』って書き込みをよく見かけるから、 みんな、楽しみに待ってくれてるんじゃないかなって!
遥:たしかに、ワンマンからも、そこそこ時間経っちゃってるしね
愛莉:……まあ、わたし達的にも、 そろそろまたファンのみんなの顔を見たいものね
愛莉:それじゃあ——久々に計画してみる!?
みのり:やったやった~!!
雫:それなら、会場のこととかセトリをどうするのかとか…… いろいろ考えないといけないわね
みのり:うんうんっ! せっかくだから、みんなを驚かせちゃうようなことやりたいよ! どんなのがいいかな~っ
遥:詳細を詰めたいところだけど……。 今日はもういい時間だし、みんなも仕事終わりでクタクタだよね
愛莉:そうね。……ひとまず、それぞれやりたいことを考えておいて、 また改めて話し合いましょ!
雫:ええ!
数日後
レンタル会議室
斎藤:なるほど…… それで私に相談してくださったんですね
遥:はい。企画の内容とか会場の運営に関しては 斎藤さんに手伝っていただくのが一番だと思ったので
雫:一応私達でやりたいことを洗い出してみたんですけど…… 実現できるかどうかとか、率直な意見をもらってもいいですか?
斎藤:もちろんです! 資料、拝見させていただきますね!
斎藤:えーっと……
斎藤:どの企画も、おもしろそうですし、 実現自体は問題なくできると思いますよ!
雫:よかった……
斎藤:ただ……みのりちゃんが提案してくれてる 『おみやげの手渡し』っていうのは、 ちょっとコストが高いかもしれませんね
斎藤:前みたいな規模のイベントならいいんですけど、 今のモモジャンは前よりファンが多くなってるので……
斎藤:全員に手渡しするとなると、皆さんの負担も大きい上に、 お客さん側で混乱も生まれかねないと思うんですよね
斎藤:そうなるとスタッフや警備員を増やす必要があるので、 人件費がかかっちゃいそうだなって
みのり:た、たしかに、おっきなアイドルイベントだと 警備員さんたくさんいるよね!
みのり:でも、わたし達のイベントでも、 そこまで警備員さんが必要なんて……考えてもみなかったなあ
愛莉:ファンのみんなのことは信頼してるけど、 万が一ってこともあるものね
遥:そうだね……。 お客さんと触れあうイベントって楽しいけど、 問題も起きやすいから
みのり:わたし達のこともあるけど、 ファンのみんなもケガさせたくないしね!
雫:ええ。来てくれるみんなにも最後まで楽しんでもらえるように、 しっかり準備しておきたいわ
斎藤:でも、皆さんにお土産をもらえたら お客さんはすごく嬉しいでしょうし、 予算的に問題なければやってみていいと思いますよ
斎藤:まだ会場も決まってないですし、 そっちを先に決めて全体の費用感が見えてから 考えるでもいいかなと
みのり:なるほど~……
愛莉:斎藤さんには、いつも具体的な提案をもらえて助かるわ! 本当にありがとうございます!
斎藤:いえ、ちょうどこの前バイトで 企画の多いイベントの設営スタッフをやったので、 その経験が役に立ってよかったです!
雫:……なんだか、いつも私達の相談に乗ってもらって 申し訳ないわね
遥:イベントのことだけじゃなくて、 テレビの仕事が入り始めた時は スケジュール管理のこともアドバイスもらってたもんね
遥:本当に、いつもありがとうございます
斎藤:そんな……モモジャンの運営に関われるのは すごく光栄なので本当に気にしないでください!
斎藤:今回話をもらった時も、 『またイベントをやるんだ!』って、すっごく嬉しくて……!
斎藤:……あっ、ごめんなさい、 これは完全なファン目線なんですけど
愛莉:ふふ、そう言ってもらえて嬉しいわ
斎藤:——さて、お客さん気分はここまでにして、 イベントの話に戻りますね!
斎藤:さっきもチラっとお話ししたんですけど、 私はまず先に会場をどうするか 決めたほうがいいと思ってるんですよね
斎藤:皆さんのほうで目星をつけてる会場ってありますか? もし予約がまだなら私のほうで交渉しようと思うんですけど
みのり:わあ、すっごくありがたいです!
みのり:でも、会場については、どうしようか悩んでて……
雫:実は私達、結構先までスケジュールが詰まってるんです
雫:なので、そもそも開催日をいつにするのか、 その日にあいてる会場はあるのか…… 今日みんなでスケジュール見ながら考えようって話してたのよね
斎藤:そうだったんですね! えっと……、そのスケジュール、私も見ても大丈夫ですか?
遥:もちろん、問題ないです。 これなんですけど……
斎藤:わ……本当にびっしりですね! 数カ月先まで埋まってるなんて……
斎藤:これって……
遥:どうかしましたか?
斎藤:あ……すみません、 この週の金曜日に入ってるスケジュールなんですけど……
斎藤:『ふわっトーク・打ち合わせ』と 『ラ部アイドル・インタビュー』の開始時間、かなり近いですよね
斎藤:ふわっトークの打ち合わせが赤坂で、 ラ部アイドルの集合場所が横浜ってありますけど…… 移動時間、大丈夫そうでしょうか?
みのり:えっ……!
愛莉:……たしかに。 ふわっトークの打ち合わせが19時終了予定で、 ラ部アイドルのインタビューが20時開始となると——
雫:1時間で移動しなくちゃいけないわよね。 赤坂から横浜はだいたい電車で40分くらいで……
雫:そのあと集合場所に向かうまでに道に迷ったりしたら、 遅れちゃうかもしれないわ
遥:……そうだね。 そもそも、19時に打ち合わせが終わらなかったらアウトだから かなり厳しいスケジュールかも
愛莉:——ごめんなさい。 スケジュール調整した、わたしのミスだわ。 すぐ連絡して、時間変えられないか聞いてみる
雫:愛莉ちゃん……
愛莉:……ふう。まだ先の予定だったこともあって、 快く時間変更してもらえたわ……
雫:よかった……
愛莉:ごめんなさいね。 わたしのミスで、みんなにも心配かけちゃって
遥:ううん。 私達も任せきりにしてごめん
みのり:次からは一緒にチェックするね!
遥:そうだね。 みんなで確認するようにしよう
愛莉:そうしてもらえると助かるわ。 でも……
愛莉:……斎藤さんが気づいてくれなかったら、 大変なことになってたかもしれないわよね。 本当にありがとうございます
斎藤:いえ、私はたまたま見つけられただけなので…… 大事にならなくてよかったです
斎藤:でも、これだけのスケジュールを自分達で管理するのって 本当に大変そうですね
愛莉:ええ、実際少し前からパンク気味で……。 近いうち、マネージャーを雇うべきだとは思ってたんです
愛莉:でも、雇うにあたってやらなきゃいけないことや、 どんな人にやってほしいかっていうのを考えると、 なかなか手が回らなくて
斎藤:……そうですよね。 特に今はかなり仕事も入ってきてて、皆さん忙しいでしょうし
遥:それに、私達って会社じゃないから、 芸能事務所みたいに社員って形で雇うわけにもいかないし
遥:そうなると業務委託でお願いすることになると思うけど…… その条件で引き受けてくれる人は限られてきそうだよね
みのり:た、たしかに……
愛莉:とはいえ、こっちとしては、 わたし達のことをよく理解してくれていて、 信用できる人にお願いしたいって気持ちもあるじゃない
みのり:た、たしかに~っ……!
愛莉:——とまあ、そんなことをいろいろ考えてたら、 腰が重くなっちゃってたんです
斎藤:そうだったんですね……
雫:(私達のことをよく理解してくれていて、 信用できる人……)
雫:(それでいてマネージャーにふさわしい人……)
雫:(それって……)
雫:——それなら、斎藤さんがピッタリじゃないかしら?
斎藤:えっ……
雫:斎藤さんは今までずっと私達を支えてきてくれたし、 いろいろな相談にも乗ってくれて、とっても頼りになるわ
雫:さっきもスケジュールを見ただけで すぐに問題点を見つけてくれたし……
雫:斎藤さん以上に、 私達のマネージャーに向いてる人はいないと思うの
斎藤:わ……
斎藤:私……ですか!?
第 2 话:信頼できる、あなたに
レンタル会議室
斎藤:私が、モモジャンのマネージャーに……!?
遥:たしかに、雫の言うとおりかもね
斎藤:えっ……
みのり:そうだね! 斎藤さんには今まで、本当にずーーっと いろんなことで相談に乗ってもらってるし……
みのり:わたし達のやりたいこともわかってくれて、 いっつもすごいピッタリのアドバイスくれるもんね!
愛莉:……そうね。 わたしも、斎藤さんになら安心して任せられるわ
愛莉:どうでしょうか、斎藤さん。 この件……考えてみてくれませんか?
雫:突然こんな話を持ち掛けてしまってごめんなさい
雫:でも、私は——私達は、 斎藤さんにぜひ、お願いしたいと思うんです
斎藤:私に……
雫:……たしか斎藤さん、ワンマンの時、 最近マネージャーの勉強も始めて—— 『アイドルの手伝いをするのが夢だ』って話してましたよね
斎藤:あ……
斎藤:実は、前のイベントを手伝わせてもらってから、 将来はアイドルをお手伝いする仕事をしたいって 強く思うようになりまして……
斎藤:それで、もっとちゃんとやってみよう!って、 前よりイベントのバイトも積極的に入れて経験積みながら、 タレントのマネージャーの勉強も始めてみたんです!
雫:だから、斎藤さんの夢と、私達の夢——
雫:一緒にかなえられたら、とても素敵だなって思うんです
斎藤:一緒に……
遥:あ……もちろん急な話ですし、 すぐに返事をしてもらわなくても大丈夫です
愛莉:そうね。 わたし達もかなり、いきあたりばったりで話しちゃったし、 条件も提示した上で改めてこっちから相談を——
斎藤:……いえ。 私の答えは決まってるので、 今ここで、お返事させていただきたいと思います
遥:え……
斎藤:……すごく、光栄です。 大好きな皆さんに、私の今までの仕事を こんな風に、最高の形で評価していただけて
斎藤:これは本当に現実なのかなって……、 まるで夢みたいって思えて……本当に嬉しいです
雫:それじゃあ……!
斎藤:——でも
斎藤:ごめんなさい。 その話を受けるのは……難しいです
雫:え……
遥:そうですよね。 斎藤さんにも、斎藤さんの都合がありますよね
遥:でも……よかったら、理由を聞かせてもらえませんか?
斎藤:…………。 ちょっと、家の事情があって……
遥:家……?
斎藤:——いや、たいしたことじゃないんです!
斎藤:私にとって、もったいないくらいのお話で、 お受けできないことが本当に申し訳ないんですけど……
斎藤:今回のイベントも絶対にいいものにさせていただきますので、 ライブの話、今できる限りまとめちゃいましょう!
斎藤:えっと、スケジュールは——
雫:斎藤さん……
ステージのセカイ
愛莉:ってことで、次のライブの会場とか日程とか そういうことは順調に決まったんだけど——
みのり:マネージャーの件は、受けてもらえなかったんだよね
ミク:そうだったんだ……
KAITO:残念だね。 いろいろとみんなの力になってくれてた人みたいだったし…… マネージャーになってくれたら心強かったのに
レン:でも、事情があるっていうなら仕方ないよね
遥:……『家の事情が』って言ってたっけ。 あんまり話したくないみたいだったけど
リン:『家の事情』……なんだろ~? 家族に何かあったのかな?
ルカ:なんにせよ、話したくないことなら あまり深く聞くわけにはいかないわよね
愛莉:そうね……。 わたし達としても斎藤さんにお願いしたかったけど、 事情があって難しいってことなら、仕方ないわ
愛莉:探すのは難しいと思うけど…… 別の人にお願いすることを考えたほうがいいかもしれないわね
みのり:そうだね……
雫:(……愛莉ちゃんの言うとおり、 無理にお願いすることはできないわ)
雫:(でも……)
雫:(あの時の斎藤さん…… なんだか少し、苦しそうな感じだった)
雫:(マネージャーの件は抜きにしても…… もし何か悩んでることがあるのなら、力になれないかしら……)
ミク:みんな……
KAITO:——話は変わるんだけど、 そういえばもうすぐだよね、あの日!
みのり:あの日?
KAITO:ほら、今度ロケで遠出するって言ってたでしょ?
レン:あ……
レン:そうだったね。 当日行って帰ってくるのは大変そうだから、 前日から旅館に泊まるって言ってたっけ?
リン:いいなーっ、楽しそう! お仕事もあるけど、それってみんなで旅行するってことだもんね!
遥:……ふふ、そうだね。 着いたらみんなにも声かけるから、一緒に楽しもう
リン:やった~! わたし達も旅館でお泊りだ~っ♪
リン:見て見て、衣装部屋から旅行コーデ持ってきてたんだ! これで準備はバッチリだよね♪
レン:リン、可愛いけど…… ちょっと帽子が曲がってるよ
リン:わ、レン、ありがとー!
ルカ:でも、ちょっと気が早いんじゃない? みんなが行くまではまだ数日あるはずよ?
リン:だってだって、待ちきれないんだもん!
リン:旅館って、どんな感じなのかな~? 料理とか絶対おいしいよね!
レン:その土地ならではの名物が出ることが多いって 前に貸してもらった雑誌で読んだよ
MEIKO:あと、何より温泉がいいらしいわよ。 美容にもいいって聞くし、わたしも入ってみたいわ~
みのり:う~ん、スマホは持ち込めないから、 さすがに温泉には連れていけなそうだけど……
雫:きっと旅館の雰囲気は味わってもらえると思うわ。 楽しみにしていてね
レン:ふふ、当日が待ち遠しいな
愛莉:ちょっとちょっと。 わかってると思うけど、遊びに行くんじゃないんだからね?
愛莉:あくまで宿泊はオマケ! メインはロケなんだから、仕事はしっかりバッチリやるわよ!
みのり:もちろん、そのつもりだよ! やる気はいつもどおり——
みのり:ううん、いつも以上にモリモリですからっ!
遥:どんな撮影になるのか楽しみだね
雫:ええ!
雫:(カイトさん…… 私達が落ち込んでるのに気づいて、話題を変えてくれたのかしら)
雫:(……優しいみんなの期待に応えるためにも、 今度のロケも頑張らなくちゃ)
雫:(ただ……斎藤さんのことは、やっぱり気になるわ)
雫:(次の打ち合わせは、ロケのあとだったわよね。 その時には、元気になってくれてるといいんだけど……)
第 3 话:思いがけぬ再会
数日後
柳水荘 ロビー
雫:『柳水荘』…… ここで間違いなさそうね
遥:思った以上に山の中だね。 自然がいっぱいで、すごくいい雰囲気だな
愛莉:それにしても、最終バスに乗れて本当によかったわね。 危うく駅からここまで歩きになっちゃうところだったわ
みのり:ううっ、ごめんね! わたしが切符どこにやったかわかんなくなっちゃったせいで 駅から出られなくなっちゃって……!
遥:ちゃんとポケットから出てきたし、よかったよ
雫:私もたまに同じことをやってしまうから…… 帰りはお互い、どこに切符をしまったか確認しましょう
みのり:それすっごくいいアイディアだよ~! よろしくお願いします、雫ちゃんっ!
リン:『みんな~っ、もしかしてもう着いた!?』
ミク:『わあ、旅館ってこんな感じなんだね……! 和風のお屋敷って感じで、なんだかワクワクしちゃうなあ』
愛莉:あら、気づくのが早いわね。 でも、お楽しみはこれからよ!
雫:そうね。 きっとお部屋も素敵だと思うから、みんなで——
???:あらあら、こんばんは! こんな山奥まで、ようこそおいでくださいました
みのり:あっ……
MEIKO:『お宿の人かしら?』
ルカ:『とりあえず、今は静かにしてましょうか』
愛莉:こんばんは! 今日から2泊でお世話になる桃井です。 チェックインが遅くなってしまってすみません
???:桃井様、お待ちしておりましたよ! 皆さんもういらっしゃってたのに、 気づくのが遅くなっちゃってごめんなさいねえ
女将:私が柳水荘の女将、斎藤でございます。 どうぞゆっくりしていってくださいね
みのり:ありがとうございます、 3日間お世話になりますっ!
雫:(斎藤さん……)
雫:(よくある苗字だけど、なんだかドキッとしちゃったわ)
女将:さてさて、それじゃ荷物はこちらで運ぶので、 どうぞおあがりになってください
女将:——彩香~! お客さんのお荷物運ぶの手伝ってくれる~?
???:はーい、今行きまーす!
斎藤:こんばんは、柳水荘へようこそ! 今、お荷物だけ運ばせて——
みのり:えっ……
愛莉:ど……どうして、斎藤さんがここに!?
斎藤:み、皆さんこそ、なんで……
みのり:わたし達は明日、この近くでロケがあって……
遥:スケジュール的に当日入りは厳しいから、 お泊りしようと思って、ここを予約させてもらったんです
斎藤:そ……、そうだったんですね……
雫:……あの、私も少し聞いていいかしら?
雫:女将さんの名前も『斎藤さん』ってことは、 もしかして、この旅館って……
斎藤:……はい。 うちの家業です
斎藤:この時期は近くで有名なお祭りがあって、繁忙期なので…… 毎年、手伝いに帰ってきてるんですよ
愛莉:そうだったんですね……
女将:まあ、皆さん、彩香のお知り合いなんですか? こんな山奥の小さな宿に……すごい偶然ねえ
女将:桃井さん達とは、どういうつながりなの? 大学のお友達?
斎藤:ううん。 皆さんは私の……、その、仕事先の人っていうか
斎藤:ほら、前にちょっと話したことあるでしょ? アイドルグループのイベント運営手伝わせてもらってるって
斎藤:そのアイドルっていうのが、桃井さん達なの
女将:ああ~! じゃあもしかして、桃井さんが彩香の憧れの!?
愛莉:いえ、斎藤さんの憧れは、こっちの子です! ……ほら、雫
雫:あ、ええと……はじめまして、日野森雫です。 いつも斎藤さんにはお世話になっております
女将:まあっ、あなたが! ……たしかにこうして見ると、 この世のものとは思えないほどの、べっぴんさんだわ!
女将:彩香が憧れるのも納得しちゃうわねえ。 同じ美人族の私でさえ惚れ惚れしちゃうんだから!
斎藤:お、お母さん、恥ずかしいこと言わないでよ
斎藤:……すみません、皆さん。 うちの母、本当にテレビに興味なくて、 アイドルやタレントのこと全然知らないんです
女将:ごめんなさいねえ。 どうもテレビの前にジッと座ってるってことができなくて
遥:いえ。私達も気兼ねなく接してもらったほうがくつろげるので、 むしろありがたいです
女将:よかったわあ、皆さんが優しくて。 それにしても……
女将:どうかしら? 皆さんとお仕事をしてて、 彩香がご迷惑をかけたりしていませんか?
斎藤:ちょ、ちょっとお母さん!
みのり:ご迷惑どころか、 むしろすっごーーーく助けてもらっちゃってます!
遥:無理をお願いしてるのはこっちというか……、 本当に細かいことまで相談に乗ってもらってて、 申し訳ないと思ってるくらいなんです
雫:ええ。斎藤さんがいなかったら ここまでしっかりとした活動はできていなかったと思います
雫:なので、私達にとって斎藤さんは…… 仕事以上に、一緒にイベントを作る仲間として、 とても大切な存在なんです
斎藤:皆さん……
女将:……そうなんですね
女将:この子が家を出て、 都会でどんなことをしているのか心配だったけど…… そういうお話が聞けて、安心しました
雫:(あ……)
雫:(女将さん……とっても優しい顔をしているわ)
雫:(本当に斎藤さんのことを想っているのね。 ……ふふっ、素敵なご家族だわ)
女将:ここまで言ってもらえるなんて…… 彩香、本当にいい仕事をしてるのね
女将:これなら、安心して旅館を任せられるわ
雫:え……
斎藤:あ……
みのり:旅館を任せる、って……?
女将:ふふ、実は彩香は大学を出たら 若女将になるって言ってくれてるんですよ
女将:親バカなんですけど、この子はなかなか要領がよくてねえ……
女将:きっとうちを、もっといい旅館にしてくれると思うから 家族で、その日を楽しみにしてるんです
雫:(あ……)
雫:(……大学を出たら、ここを継ぐ……)
雫:(この前斎藤さんが言ってた『家のこと』って、もしかして——)
女将:……って、ごめんなさいね。 皆さん到着されたばかりでお疲れでしょうに、 こんなところで長話をしてしまって
女将:彩香、皆さんをお部屋にご案内してくれる?
斎藤:——うん
斎藤:お荷物お持ちしますので、こちらへどうぞ
みのり:あ……
遥:……とりあえず、行こうか
雫:……ええ……
第 4 话:語られた事情
柳水荘 牡丹の間
愛莉:はあ……
愛莉:普段だったら、『広くてすてきな部屋ね~!』とか 喜んでたと思うけど……
ルカ:『それより、気になることができちゃったわね……』
雫:……ええ。 まさかここが、斎藤さんのおうちの旅館だったなんて
みのり:……女将さん、斎藤さんが大学を出たら この旅館を継ぐことになってるって言ってたよね
リン:『もしかして、斎藤さんが みんなのマネージャーになるのを断ったのって、 これが理由だったのかな?』
遥:多分、そうだと思う
レン:『でも、斎藤さんは前に、 アイドルやタレントに関わる仕事をするのが夢だって 言ってたんだよね?』
雫:ええ。でも、旅館を継ぐことが決まっていたなんて——
雫:考えてみたら私、斎藤さんのことを何も知らないのね
ミク:『雫ちゃん……?』
雫:あっ……ごめんなさい。 今みんなが話してたこととは逸れちゃうけれど……
雫:どこの大学に通って、どんな勉強をしてるのかとか、 ご家族がどんなお仕事をしているのかとか——
雫:聞けるタイミングはたくさんあったはずなのに、 あんまり聞いたことがなかったなと思って
遥:……たしかにそうだね。 私達、いつも仕事の話をするためだけに集まってたし
雫:……それなのに私、斎藤さんの事情もよく知らないまま ピッタリだなんて言って、マネージャーに誘ってしまって……
雫:とても、考えなしだったわ……
愛莉:雫……
斎藤の声:失礼します。 お茶をお持ちしました
リン:『あ……斎藤さんだ!』
MEIKO:『わたし達は隠れてるわね』
遥:あ……どうぞ
斎藤:お休みのところすみません。 お茶とあわせて、この辺りの名物の 温泉まんじゅうもお持ちしたので、ぜひ食べてみてください
斎藤:おまんじゅうって結構どれも似た味ってイメージありますけど、 これは中の餡が格別で、オススメなんですよ!
愛莉:へえ、それは楽しみね
リン:『おまんじゅう……いいなあ~……』
KAITO:『リンちゃん、しー』
斎藤:それで——
斎藤:今から、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか
斎藤:皆さん、気になってると思うので…… 私のこと、ちゃんとお話させてもらいたくて
みのり:斎藤さん……
雫:ええ、ぜひ聞きたいです。 斎藤さんが、話してもいいと思ってくれているなら
斎藤:……ありがとうございます
斎藤:この前、マネージャーに誘っていただいた時に ちゃんと説明をしなくて、本当にすみませんでした
斎藤:私のことで皆さんにご心配をおかけしたくなくて、 つい伏せてしまって……
斎藤:結論から言うと、私はさっき母が言っていたとおり、 この旅館を継ごうと思っています
斎藤:なので、大学を出たら東京からも離れて…… 皆さんのお手伝いをすることもできなくなると思います
愛莉:そう……なんですね
斎藤:はい。だから…… マネージャーの件は、お断りさせていただきました
雫:…………
雫:……でも、前に斎藤さん、言っていましたよね
雫:『アイドルを手伝う仕事がしたい』って……
斎藤:……っ、それは——
雫:あの時の言葉…… 私には、本心に思えたわ
雫:だから……それでも旅館を継ぐのを選んだってことは、 何か事情があるってことかしら……?
斎藤:……実は私、一人娘なんです
斎藤:だから……、私がここを継がないと、 たたむことになってしまうかもしれなくて
遥:えっ……
みのり:このすてきな旅館を……!?
斎藤:——はい
斎藤:ここは祖父が建てた旅館なので、 そんなに歴史は長くないんですが……
斎藤:私にとっては、とても大切な場所なんです
愛莉:大切な……
斎藤:小さい旅館だけど、 毎年楽しみに来てくれてる常連さんもいて——
斎藤:私も小さい頃から接客を手伝っているんですけど、 お孫さんが生まれたら見せにきてくれるお客さんもいて、 本当にみんなに愛されてる場所だと思っています
斎藤:でも……
斎藤:私が私の夢を追ったら、 そんな大切な場所が、なくなっちゃうかもしれなくて
雫:あ……
斎藤:だったら……、だったら、私は——
斎藤:自分の夢は、諦めてもいいかって思ったんです
みのり:斎藤さん……
斎藤:聞いてくれて、ありがとうございました
斎藤:この前お話をもらった時から ずっと気持ちの踏ん切りがつかなかったんですけど…… 皆さんと話して、ようやく整理ができた気がします
斎藤:私は、この旅館を継ぎます。 母達も期待してくれてるし…… 何より、私はこの旅館のことが好きだから
愛莉:…………
斎藤:お力になれずに、すみません
斎藤:——でも、皆さんと一緒に過ごせた時間は私にとって宝物です!
斎藤:こんなに夢中になって、 『大変でも頑張ろう』って思えるようなことって、 もしかしたらこの先ないかもしれないなって思います
斎藤:だから——
斎藤:いちアイドルファンだった私に夢を見せてくれて、 本当にありがとうございました
斎藤:皆さんは、本当に私にとってアイドルです。 これまでも……これからも、ずっと!
雫:斎藤さん……
斎藤:本当に、長話ばっかりしちゃってすみません。 明日、お昼から撮影なんですよね
斎藤:今日はゆっくりお休みになってください。 朝ごはん、とびきり美味しいのご用意しますので!
雫:あ——
斎藤:それじゃ、また明日。 ……おやすみなさい!
愛莉:……こんな事情があったなんてね
遥:家族や、お客さんのために……か。 すごく斎藤さんらしいって思うし、応援したいけど……
みのり:うん……
みのり:これで……本当にいいのかな……
雫:(斎藤さんの夢がどんなものでも、 私はそれを応援したいと思うわ)
雫:(でも、もし斎藤さんが夢を追いかけることで、 大切な人達を悲しませてしまうかもしれないのなら……)
雫:(『夢を諦めてほしくない』なんて……簡単には言えない)
雫:どうしたらいいのかしら……
第 5 话:始まりのぬくもり
翌日
柳水荘 牡丹の間
みのり:ふい~! 今日の撮影、おもしろかったけど大変だったね~!
愛莉:キャンプ特集とは聞いてたけど、 薪割りは思ったよりハードだったわね……
KAITO:『でも、見ていてすごく楽しかったよ』
ミク:『うんうん。 今回もおもしろい番組になりそうだよね!』
雫:ふふ、ミクちゃん達がそう言ってくれてよかったわ
雫:それにしても…… たくさん動いて、汗びっしょりになっちゃったわ
雫:私、お風呂に入ってこようと思うんだけど…… みんなも一緒に行く?
みのり:わたしも行きたいけど、 ちょっと荷物整理しないとゴチャゴチャで……
遥:たしかにみのり、荷物全部広げてるもんね……
遥:私も自分の整理しなきゃって思ってたから、 先に行ってていいよ
愛莉:わたしもちょっと返したいメールがあるから、 それだけ片づけたら追いかけるわ
雫:わかったわ。 それじゃあ、先に行ってるわね
リン:『いいな~、お風呂! 温泉っていうの、わたしも入りたいよ~!』
ルカ:『私も、お肌ツルツルになりたかったわ~。 お湯だけでも持って帰ってきてもらえないかしら?』
雫:それは難しいけれど……代わりに美味しいおまんじゅうを お土産にするから、楽しみにしててね
リン:『えっ!? それって、昨日斎藤さんが持ってきてくれてたやつだよね!?』
リン:『やった~! いい子に待ってま~すっ♪』
MEIKO:『まったく、調子いいんだから』
雫:(大浴場の場所は……こっちだったわね。 ちゃんと案内が書いてあって助かるわ)
雫:(……それにしても、本当にいい旅館ね。 お部屋も落ち着いてるし、女将さん達も感じがよくて——)
雫:(あのあと、みんなとも少し話したけれど……)
雫:(斎藤さんが旅館を継ぐって決めてるなら、 その気持ちを尊重しよう、ってことになったのよね)
雫:(私も……そうは思うけど……)
???:——もしかして、日野森雫さんかしら
雫:えっ……
???:ああ、やっぱりそうだ。 孫がいつもお世話になっております
大女将:ご挨拶が遅れてごめんなさいね。 私は、この旅館の大女将——彩香の祖母です
雫:斎藤さんの、おばあさま……!?
雫:こちらこそ、斎藤さんにはいつもお世話になっています
大女将:ふふ、ご丁寧にありがとうございます。 こうしてご挨拶ができて、本当に嬉しく思っていますよ
大女将:しかし……話には聞いていたけれど、あの子は本当に 日野森さん達と一緒にお仕事をしているんですねえ……
大女将:あの子がイベントスタッフのアルバイトを始めたきっかけは、 あなただったから……運命のいたずらに驚いてしまいますよ
雫:え……私が……?
大女将:おや、聞いていないですかね?
雫:あ……ずっと私のファンでいてくれてることは 知っていたんですけど……
雫:イベントのスタッフの仕事を始めたきっかけが 私だったというのは、聞いたことがなかったので
大女将:あら……そうだったんですね
大女将:たしか、あれは…… もう、3年くらい前のことになりますかねえ
大女将:『握手会』というイベントに行って…… 初めてあなたと会ったって言っていました
雫:3年くらい前の、握手会……
雫:あ…… もしかして、3期生のお披露目イベントかしら
大女将:詳しいことは、私にはよくわかりませんがね。 その時、彩香はこの旅館でちょっとした失敗をして 落ち込んでいたそうなんです
大女将:それで、その時—— あなただけが、それに気づいて声をかけてくれたそうですよ
雫:え……
雫:こんにちは! 今日は来てくれてありがとう!
雫:あら……どうしたの? なんだか少し、表情が暗い気がするわ
雫:——でも、大丈夫! この握手で、笑顔になれるおまじないをしちゃうから
雫:こうして……えいっ!
雫:この手を離した時、あなたは前を向いて歩けるはずよ。 だから……元気を出してね
大女将:そのあと、あの子はイベントスタッフに興味を持ち始めたんです
大女将:イベントに人の心を動かす力があるって、 実感したからなんでしょうね
雫:……斎藤さん……
大女将:でもまさか、あなたと一緒に仕事をすることになるなんて 夢にも思っていなかっただろうねえ
大女将:そうそう、あなた達のイベントを最初に手伝った時、 すごく嬉しそうに電話をかけてきたんですよ
大女将:そのあとも、あなたの『努力する姿が好き』とか、 『モモジャンの全員を応援してる!』とか たびたび、そういう連絡があって
大女将:何より、自分が関わったイベントが成功した時は、 本当に楽しそうに報告してくれました
雫:あ……
斎藤:実は、前のイベントを手伝わせてもらってから、 将来はアイドルをお手伝いする仕事をしたいって 強く思うようになりまして……
斎藤:あのイベントをやりきったあと、 『やっぱり楽しいな』『こういうのを仕事にしたいな』って すっごく強く思ったんです
斎藤:皆さんがお客さんに希望を与えているステージに 自分も関われたって実感があって、嬉しくて……!
雫:……そうですよね。 私達も、斎藤さんの気持ちを聞いたことがあります
雫:あの時、斎藤さんは本当にこういう仕事が好きなんだなって…… なんだか、すごく嬉しくなったんです
大女将:ええ、ええ。わかりますよ。 だから私も一度聞いてみたんです
大女将:そんなに好きなら、 そっちの道を目指すことは考えてないのかって
雫:…………!
雫:……その時、斎藤さんは……?
大女将:あの子は——
斎藤:えっ……
斎藤:お——おばあちゃん、何言ってるの? 旅館でお客さんをお迎えするのが、私のやりたいことだよ!
斎藤:だから、私はこの旅館を継ぐ。 今やってるイベントのバイトは、 社会経験のためにやってるだけだから
大女将:……でも、お前はイベントのスタッフの話をする時、 いつも楽しそうにしているじゃないか
大女将:もしこの旅館のことを心配して 本当にやりたいことを我慢しているなら、 そんなことは気にしなくていいんだよ
大女将:私達は、旅館がどうなることよりも、 お前の幸せを一番に思っているんだから
斎藤:……私の幸せを、一番に……
大女将:だから、やりたいことがあるのなら…… それがお前の夢なら、そっちのほうに進みなさい
斎藤:だから、考えすぎだって!
斎藤:私がなりたいのは、この旅館の若女将なの! 小学生の時からずーーっと、そう決めてるんだから!
斎藤:おばあちゃんは何も心配しなくていいよ
斎藤:大学卒業したら、すぐこっちに戻ってくるから!
大女将:…………。 私が心配してるのは、お前の——
大女将:……そのあとも、話は堂々巡りでねえ
大女将:最終的には、そんなに強く言うなら、 『彩香の夢は本当に旅館を継ぐことなんだ』って納得したけれど
大女将:本当のところはどうなのか…… まだ、わからないままなんですよ
雫:ちなみにこの話……女将さんはご存じなんですか?
大女将:いいや。 女将は芸能関係のことに疎くてねえ。 あの子の仕事の話を聞くのは私の役目だったから
大女将:それに——
斎藤:今おばあちゃんと話したこと…… お母さんには言わないでね
斎藤:余計な心配かけたくないから……お願い
大女将:そう言われてしまっていたから…… あの時のことは、彩香と私の秘密になっているんですよ
雫:ふたりの秘密に……
大女将:……もし、女将があの子の話を聞いたら 私と同じことを言うでしょうね
雫:え……
大女将:子の幸せを願わない親なんて、いやしませんから
雫:(……そうよね)
雫:(斎藤さんは、大切な人達が悲しまないように 自分の夢を諦めようとしているけど……)
雫:(大切な人達は、斎藤さんが夢を追いかけることを望んでいて…… それが一番幸せだと思ってくれてる)
雫:(お互いがお互いを想っているのに…… すれ違ってしまっているんだわ)
大女将:——おや、もうこんな時間だ。 家の話につきあわせてしまってすみませんねえ
大女将:お風呂に行くところでしたでしょう? うちのお湯は健康にも美肌にもいいって評判なんです。 ゆっくりつかっていってくださいね
雫:あ——
第 6 话:私に伝えられること
柳水荘 牡丹の間
レン:『あれ? 雫ちゃん、もう帰ってきちゃったの?』
愛莉:ずいぶん早いわね。 もしかして、お風呂まだやってなかった?
雫:……そういうわけじゃないの
雫:ただ、みんなと少し話したいことがあって
ルカ:『……何かあったの?』
雫:……ええ、実は——
遥:……そっか。 おばあさん達は、斎藤さんの幸せのためなら 旅館を継がなくてもいいって思ってくれてるんだ
愛莉:それなら、斎藤さんは自分の夢を追いかけても いいんじゃないかしら
みのり:でも……斎藤さんはおばあさんの気持ちを知ってて、 旅館を継ぐって言ってるんだよね
雫:そうなの。だから…… どうしたらいいのかなって思って
雫:ご家庭の問題に口をはさむのもどうかと思うけれど…… このままにしておくのはきっと、 斎藤さんのためにも、斎藤さんのご家族のためにもならないから
愛莉:そうね……
MEIKO:『でも、どうして斎藤さんは それでも家を継ぐって言ってるのかしら?』
ミク:『うーん……女将さんが斎藤さんが若女将になるの 楽しみにしてるって言ってたし、 その期待に応えたいんじゃないかな?』
レン:『それもあると思うけど、 責任を感じてるっていうのもあるんじゃないかな』
レン:『この旅館に来て、最初に部屋で話した時…… 斎藤さん、“一人娘だから”って言ってたでしょ?』
雫:期待と、責任……
雫:……斎藤さんの気持ち、わかる気がするわ
遥:え……?
雫:私もCheerful*Daysにいた頃、 ずっと『みんなの期待に応えないと』とか 『自分の責任を果たさなくちゃ』と思っていたから
KAITO:『あ……』
雫:アイドルになる前の私は、 愛莉ちゃんみたいにハッキリとしゃべれないし、 何かを決めるのにも、人より時間がかかってしまっていて……
雫:そんな感じだったから、 今みたいに自分のことを認めてあげられずにいたの
雫:……でも、友達がアイドルのオーディションに応募してくれて、 そこでグランプリなんて素晴らしい賞をもらって——
雫:こんな私でも、アイドルの活動をとおして 誰かの力になれるのかもしれないって思えたの
MEIKO:『雫ちゃん……』
雫:だから、あの頃は 『その人達の期待に応えなきゃ』って思っていて……
雫:そのあとセンターに選ばれて、 『その責任も果たさなきゃ』って想いも強くなって、 その気持ちは、私の力にもなってたことがあったんだけど
雫:みんなも知っているとおり、 そのふたつだけではうまくいかなかったわ
KAITO:『……そうだったね』
雫:……私は、私と同じ気持ちを 斎藤さんに味わってもらいたくないの
雫:だから、みんなが幸せになれるのなら、 私も斎藤さんは自分の夢を追いかけてほしいって思うんだけど……
レン:『その気持ちを、そのまま斎藤さんに伝えてみたらどうかな』
雫:え……
遥:……そうだね。 今の雫の言葉なら、斎藤さんに届くと思う
愛莉:……むしろ、雫にしか届けられないんじゃないかしら。 だから、ちゃんと話したほうがいいと思うわ
雫:私にしか……
雫:——そうね。 斎藤さんと、話をしてみる
ロビー
斎藤:もう、こんな時間か……
斎藤:(そういえば、ビールの在庫って大丈夫なんだっけ。 休憩おわったら管理表確認しておかなくちゃ)
斎藤:(あとは、朝食の仕込みもやらないと。 ……明日の朝食は鮭を出す予定だったよね。 きっと、みのりちゃんが喜んで——)
斎藤:(やっぱり、油断すると余計なことばっかり考えちゃう)
斎藤:……昨日は吹っ切れたと思ったのに
斎藤:…………
斎藤:(ちょっと前まではイベントの設営のバイトなんかも、 半分遊びみたいなものだったのにな)
斎藤:(雫ちゃんと握手した時に衝撃を受けて、 そういう仕事をするのもいいなって思って……)
斎藤:(いずれ旅館を継がなくちゃならないことはわかってたから、 バイトだけでもやってみるかって感じで始めて。でも……)
斎藤:(ステージで輝いてるみんなや、お客さんの反応を見て…… 『もっとやってみたい』って……『全力でやりたい』って思った)
斎藤:(それでマネージャーの勉強とか始めて…… 気づいたら本気になってた。家のことも忘れて——)
斎藤:(——ううん。本当は忘れてなんかなかった。 見ないふりしてただけだ)
斎藤:……ツケが回ってきたんだろうな
斎藤:(やらなきゃいけないことを後回しにして…… 自分のやりたいことばっか優先してた)
斎藤:(そんなのダメだって……、 いつか終わりがくるって、本当はわかってたはずなのに)
斎藤:(……こうなった以上、切り替えなきゃ。 私はこの旅館の一人娘なんだから)
斎藤:(私の代でここをつぶすわけにはいかないし、 お母さん達も期待してくれてる)
斎藤:(だから……これでいいんだ。 私だって、この旅館をたたみたくないし)
斎藤:(そう、これでいい)
斎藤:(はず、なのに——……)
小さい子:ねえ、お父さん、もう明日帰るの~!?
父親:ああ、ここに泊まれるのは明日の朝までだから、 明日はまた車に乗っておうちに帰るよ
小さい子:え~っ、やだ! わたし、ここにずっといたい!
小さい子:ごはんもおいしいし、お風呂もヌメヌメでおもしろいもん! 帰りたくないよ!
父親:あはは、それは難しいなあ。 ……でも、来年またこよう。 きっとその時は、今日と違うごはん食べられるぞ~!?
小さい子:えっ……ホント!? じゃあわたし、来年でもいい!
斎藤:……戻らなくちゃ
斎藤:在庫確認と朝食の仕込み…… 今日のうちにやっておかないと——
???:斎藤さん!
斎藤:え……
雫:今、少しお話ししてもいいかしら?
斎藤:雫ちゃん……?
第 7 话:前に進めるように
柳水荘 ロビー
斎藤:雫ちゃん……?
斎藤:どうかしたんですか?
リン:『……雫ちゃん、大丈夫かな』
愛莉:きっと大丈夫よ
愛莉:こういう時の雫は頼りになるんだから!
遥:……そうだね
MEIKO:『ひとまず、わたし達はここで見守りましょう』
MEIKO:『雫ちゃんの言葉が、斎藤さんに届くかどうか……』
雫:聞いてほしいことがあるんです
雫:斎藤さんの、夢のことについて……
斎藤:……!
斎藤:そのことは、もう——
雫:お願い、話だけでいいから聞いて。 大切なことなの
斎藤:雫ちゃん……
雫:おばあさまから聞いたんです
雫:おばあさま達は、斎藤さんが自分の夢を追いかけてくれることが 一番の幸せだと思ってるって
斎藤:……それは……
雫:それを聞いて、私は——
雫:それなら、斎藤さんは自分の気持ちに 素直になっていいんじゃないかって
雫:斎藤さんの、『アイドルを支える仕事をしたい』って夢を—— 追いかけてもいいんじゃないかって思いました
斎藤:っ……
斎藤:わかってます。 おばあちゃんも——お母さんもお父さんも、 本気で私の幸せを願ってくれてることは
斎藤:でも……
斎藤:私には責任があるんです。 私がここを継がなきゃ、誰も——!
雫:ええ。私にもわかるわ
雫:私もCheerful*Daysの頃はずっと、 斎藤さんと似た気持ちを持っていたから
斎藤:あ……
雫:でも、斎藤さんも知ってるとおり、 それだと、うまくいかなかったんです
雫:その原因は、たくさんあるんですけど……
雫:そのひとつに、『責任を果たさなくちゃ』とか、 『期待に応えよう』って気持ちだけでやってきたから…… っていうのがある気がするんです
雫:だから——
雫:本当にアイドルが好きで、 心の底からアイドルに向き合っている人達とは違って、 限界がきてしまったのかなって
斎藤:雫ちゃん……
雫:——だから、もしも斎藤さんが昔の私みたいに、 責任感と使命感だけでやっていこうって思ってるなら 少しだけ立ち止まってほしいんです
雫:それで、『本当に今進もうとしてる道でいいのか』って……、 『その道で本当に前向きに進んでいけるのか』って
雫:周りの人とも相談しながら、 ゆっくり考えて、答えをだしてほしいんです
雫:私には、『もしかしたらそうすれば もっといい方向に進んでたのかも』って後悔があるから……
斎藤:——たしかに、そうかもしれません
雫:斎藤さん……
斎藤:雫ちゃんの言ってること……わかります。 ……わかるっていうか、言われて気づいたって感じなんですけど
斎藤:たしかに私は、責任感と使命感に駆られて 旅館を継ぐって言ってたと思うし——
斎藤:それだけじゃ、いつかうまくいかなくなるかも っていうのも……理解できます
雫:……じゃあ……
斎藤:——それでも、私はここをつぶすわけにはいかないんです
雫:……!
斎藤:やりたいです、本当は……。 私のやりたい仕事を——、皆さんの手伝いを、 これからも、ずっとずっとやっていきたいです
斎藤:でも、その気持ちと同じくらい、私にとってこの旅館は大切で——
斎藤:私や家族だけじゃなくて、 お客さんにとっても、思い出の詰まった場所なんです
斎藤:そんな……、 そんな場所を、私のわがままで奪うわけには——
大女将:——そんなのは、わがままなんて言わないよ
斎藤:おばあちゃん……と、お母さん……! 聞いてたの……!?
みのり:あの人が、斎藤さんの……
リン:『女将さんと同じで、優しそうな人だね』
大女将:やりたいことをやりたいって言うことが 『わがまま』だって、お前はそう思うのかい?
大女将:それは違う。 わがままなんかじゃない——
大女将:大切な、お前の『夢』だろう
斎藤:そ——
斎藤:それがなんなの? どっちだって、変わらないよ。私はこの旅館を——
大女将:そんな中途半端な気持ちで、ここは継げやしないよ
斎藤:……!
大女将:さっき日野森さんが言っていたように、 ここでの仕事は責任と使命感だけでやっていけるもんじゃない
大女将:お客さんをおもてなししたいという心だったり、 この旅館を大切にしたいという気持ちがないと 成立しないものなんだ
斎藤:……そんなの……
斎藤:そんなの、私にだってあるよ! お客さんも旅館も大切にしたいと思ってる!
斎藤:だから、こんなに悩んでるんだよ! 大切じゃなかったら、こんなに悩まないでしょ!
大女将:悩んでるってことは、夢を諦めきれてないってことだろう?
斎藤:っ……! それ、は——
女将:彩香。 夢を否定するのは、やめなさい
斎藤:お母さん……
女将:……ごめんね。 話はおばあちゃんから全部聞いたよ
女将:私達がいきすぎた期待をかけたせいで あんたの道をふさいでしまったことは、本当に悪いと思ってる
女将:でも、あんたは、あんたのいきたい道を選んでいいんだよ。 私は——夢を捨ててまで継いでほしいとは思ってない
斎藤:そんなに簡単に、選べないよ
斎藤:私がここを継がなかったら、 みんなが大切にしてる旅館がなくなっちゃうかもしれないんだよ
斎藤:そんなの、私——
女将:誰かの幸せを犠牲にしてまで、 この旅館を続ける必要なんてないよ
斎藤:え……
大女将:そうだねえ。 この柳水荘は、みんなに癒しや幸せを届けるためにできた場所だ
大女将:それは、お客さまだけじゃなく…… ここで働いてるお前にも当てはまることなんだよ
斎藤:私、にも……
女将:それに、まだまだ私も現役だし、 跡継ぎがいないならいないで、これから探せばいいんだから
女将:別に家族が継ぐことにこだわる必要もないしねえ。 外からうちを継ぎたい人を募集する方法だってあるでしょう?
大女将:言っておくけれど、私達はお前が思ってるほどヤワじゃないよ。 だから、心配することは何もない
大女将:やりたいことがあるんなら その道に向かってまっすぐ全力で進みなさい
斎藤:お母さん、おばあちゃん……
雫:……本当に、素敵なご家族だわ
雫:それぞれが、それぞれのことを想いあっていて…… この旅館のあたたかい雰囲気は、 きっと斎藤さんご一家の気持ちが現れているんですね
斎藤:雫ちゃん……
雫:あとは、斎藤さんが決めることだと思います。 でも——
雫:私は、斎藤さんが後悔しない道を 選んでほしいって思います
斎藤:私……私は、ここを守りたくて……
斎藤:でも……私じゃなくても、平気なら…… 私が進みたい方向に、いってもいいのなら……
斎藤:やっぱり……、やっぱり、 アイドルをお手伝いする仕事がしたい
斎藤:私が雫ちゃんに会った時みたいな最高のイベントを作って、 誰かを——たくさんの人を、元気にしたい……!
斎藤:ごめんね、お母さん、おばあちゃん……!
大女将:……やっておいで。 でも、一度やるって決めたんなら、戻ることは許さないよ。 だから、『ダメだったら帰る』なんて甘い考えは持たないことだね
大女将:——でも、彩香ならきっと夢を叶えられるはずだ。 お前が好きなことに一途なのは、私もよーく知ってるから
女将:応援しているよ。 あんたが、あんたらしく輝ける道をね
斎藤:……うん
斎藤:ありがとう……!
雫:(……斎藤さんが前向きになってくれてよかったわ)
雫:(あの時のこと……今でも、 『うまくやれたらよかった』って思うこともあるけれど)
雫:(あの経験のおかげで、斎藤さんの夢への背中を押せたなら——)
雫:(私も、また一歩……。前に進めた気がするわ)
第 8 话:夢に導くぬくもりは
翌日
柳水荘 ロビー
雫:みんな、忘れ物はないかしら?
みのり:うん、大丈夫! ミクちゃん達にも確認してもらったから!
ミク:『帰りの切符も、ちゃんとポケットに入れてたもんね!』
愛莉:ふふ、それじゃ準備は万全!ってことで、 名残惜しいけど行きましょうか
愛莉:斎藤さんにも挨拶して——
斎藤:皆さん、もうお帰りですか?
雫:あっ、ちょうどよかったわ! 今、斎藤さんに挨拶したいって話してたところなんです
遥:3日間、お世話になりました。 ごはんも美味しくて、お風呂も素敵で、 仕事で来たのを忘れるくらい癒されました
みのり:お仕事がなくても、また来たいです!
斎藤:ふふ、そう言っていただけると女将も喜びます。 こちらこそ、ご宿泊いただきありがとうございました
愛莉:……それじゃあ、わたし達は、おいとまさせてもらうけど 斎藤さんはいつ頃東京に戻ってくるんですか?
斎藤:お祭りが終わったら客足も落ち着いてくるので、 その頃に帰ろうと思ってます
雫:ふふ、頑張ってくださいね。 それと——
雫:戻られた時に改めて、 マネージャーのことについて、お話をさせてください
雫:今度は、ちゃんと報酬とか…… 契約条件をまとめたものをお渡しするので
斎藤:雫ちゃん……
愛莉:あ、もちろん 『MORE MORE JUMP!のマネージャーになる』って道が 斎藤さんの進みたい道と違ったら、断ってくれてかまいません
遥:そうだね。 私達にとって、斎藤さんが夢をかなえてくれるのが一番だから
斎藤:皆さん……
斎藤:本当に、ありがとうございました
斎藤:きっと雫ちゃんだけじゃなくて、 皆さんにも心配をおかけしていましたよね
斎藤:でも——
斎藤:——おかげで、覚悟できました
雫:え……
斎藤:……条件を、聞くまでもありません
斎藤:私に——、皆さんのマネージャーをやらせてください!
みのり:ええっ!?
愛莉:ちょ、ちょっと待ってください。 最初に見切り発車で頼んだわたし達が言うのもなんだけど——
愛莉:さすがに、条件を聞かないで受けるのは……。 まずは、わたし達のほうで詳細を出すので——
斎藤:どんな条件だって、かまいません! 皆さんには、返しきれないご恩がありますから!
雫:ご恩だなんて、そんな大きなことをしたつもりはないけれど……
斎藤:いえ、そんなことありません!
斎藤:私のあいまいだった夢を形にしてくれたのも、 さらに先に進みたいって思わせてくれたのも——
斎藤:そして今回、夢に踏み出す勇気をくれたのも、 モモジャンの皆さんです
斎藤:皆さんからもらったものは、 私にとって本当にかけがえのないもので——
斎藤:私は、その恩を返すためなら、 なんだってやろうって思ってます!
雫:斎藤さん……
斎藤:な、なんて、ちょっと重かったですかね? とにかく——
斎藤:マネージャーの仕事が軽いものだとは思っていません。 今までのように、イベントの時だけヘルプに入る気持ちじゃ やっていけないのもわかってます
斎藤:……私には実績もないし、 勉強してるとはいえ、ただの学生で実務経験もありません。 でも——
斎藤:私が皆さんのマネージャーになったら必ず、 MORE MORE JUMP!を、もっとたくさんの人に 知ってもらえるように尽力します
雫:斎藤さん……
斎藤:経験がないことに甘えようなんて思いません。 皆さんがやりたい仕事があるのなら、 どんなところからでも取ってこようと思ってます
斎藤:そして、皆さんの夢がかなうその時まで——
斎藤:……いいえ、その先も。 皆さんと同じ景色を、一緒に見ていきたいです
雫:っ……
斎藤:なので——
斎藤:私を、マネージャーにしてください! どうか、お願いします!
雫:ありがとうございます、斎藤さん。 そう言ってくれて、とても嬉しいです
斎藤:……! それじゃあ——
雫:私達のほうこそ、よろしくお願いします
雫:斎藤さんがたくさん悩んで決めてくれた道を、 私も大切にしたいなって思うし……
雫:一緒に歩んでいけるって思うと、 本当にワクワクしてます
雫:だから、ここからは——
雫:斎藤さんの夢と、私達の夢…… どっちもかなえられるように、頑張っていきましょう!
斎藤:雫ちゃん……
斎藤:はい、よろしくお願いします!
ルカ:『ふふっ、よかったわね』
レン:『……うん』
愛莉:……とはいえ、条件については、 あとでちゃんと一緒にすり合わせましょうね
みのり:もしお給料ゼロとかだったら、 斎藤さん生活できなくなっちゃいますよ!
遥:さすがに、そんな条件にはしないけどね
斎藤:ふふ、ありがとうございます。 東京に戻ったら、すぐ連絡しますね
雫:ええ、待ってるわ!
みのり:……えへへ、嬉しいなあ! 斎藤さんがマネージャーになってくれて!
みのり:次のライブも、絶対すごいのになるよね!
遥:そうだね。 細かいことについては、これから相談していこう
斎藤:会場については先方に打診中ですが、 返答を待つあいだに、企画についても少し詰めていきたいですよね
斎藤:……早速なんですが、皆さんのスケジュール、 改めて共有してもらっていいでしょうか? 次の打ち合わせに使う場所をおさえたいと思うので
雫:まあ…… そんなことまでしてくれるんですね!
愛莉:正直、めちゃくちゃありがたいわ。 仕事の合間に貸会議室の手配とかするの、結構大変だったから
みのり:予約いっぱいで取れない!ってこともあったもんね……。 そういう時は他のお店探さなきゃいけないけど、 その検索も結構大変だし……
斎藤:たしかに、そういう雑務って意外に時間とりますもんね。 今後、そういうのは私に任せてくださって大丈夫ですよ!
斎藤:でも本当は、貸会議室も練習場も、 自由に使える場所があるといいですよね。 大手の事務所だと、専用のビルがあったりするんですけど
遥:そこは、やっぱり個人活動の弱いところではありますよね
雫:そうね……。 私達でそんな建物を建てるわけにはいかないし……
愛莉:わたし達で、建てる……
愛莉:——いや、できるんじゃないかしら!?
雫:えっ!?
みのり:い、家を建てるってこと!?
愛莉:さすがにそれは無理だけど、 建物は買うだけじゃなくて借りることだってできるでしょ
愛莉:だから……賃貸だったら、実現できるんじゃないかしら
愛莉:練習場や会議室、動画撮影に編集まで わたし達の活動に必要なすべてを包括する、 MORE MORE JUMP!の拠点——
愛莉:名付けて、『モアモアハウス』の創設を!
遥:もっ……
みのり:モアモアハウス~~っ!?!?