活动剧情

水底に影を探して

活动ID:112

第 1 话:25時、ナイトコードで。

25時
奏:——『みんな、いる?』
瑞希:『いるよー』
絵名:『もう作業してるよ。雪は?』
まふゆ:『いる』
奏:『じゃあ、今日も始めようか』
まふゆ:『……ミックスが終わったから、共有するね』
瑞希:『はーい! ……って、今回雪がやったんだ!』
まふゆ:『……うん』
奏:『もともと雪がミックスしてくれてたし、 しばらくやってもらおうと思って』
瑞希:『あ、そっか。……シンセのことがあってから 歌詞だけやってたけど、Kの家ならできるもんね』
絵名:『いいんじゃない? その分、Kも作曲に集中できるだろうし』
瑞希:『だね! じゃあ雪のミックスで どうなったか聴いちゃお~っと!』
瑞希:『……わ~! この音、なんか久々って感じするな。 すっごく雪って感じ!』
絵名:『わかる。冷たくて重いけど、 Kのメロディーのあたたかさが際立つっていうか』
まふゆ:『……問題ないなら、歌詞を書くね』
奏:『うん、よろしく』
絵名:『それじゃ私も始めよっかな。 インスピレーションわいてきたし、いい絵描けそう』
瑞希:『ボクもボクも! やっぱり夜にみんなで作業すると、いいアイディア浮かぶよね!』
まふゆ:…………
奏:(……最近、歌詞を書く時苦しそうだな)
奏:(……詞を書いてると、 いろいろ思い出しちゃうのかもしれないな。 これまでのことや——お母さんのことも)
奏:まふゆ——
奏:『わっ、ミク?』
絵名:『え、どうしたの?』
ミク:『みんな、どうしてるかなって思って』
瑞希:『いつもどおりだよ! 雪のおかげで、今回の曲は早く仕上がりそうなんだ~』
ミク:『そうなんだ……』
ミク:『まふゆ、大丈夫?』
まふゆ:『……うん』
まふゆ:『みんなと一緒に作業してる時は、気が紛れるから』
奏:『……そっか』
ミク:(まふゆ……。 まだ、苦しそう)
ミク:(でも……)
ミク:(……あの時のまふゆは、もう少しで心が壊れそうだった)
ミク:(今は奏と——みんなのおかげで、 前よりは少し落ちついてきてるみたい)
ミク:(きっと、……いつまでも このままじゃいられないけど)
ミク:(今は、この時間だけは——)
ミク:(まふゆが、穏やかにいられるといいな……)

第 2 话:進みたい、進めない

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数日後
まふゆ:——まだ、帰りたくない
まふゆの父:……そうか
まふゆ:……ごめんなさい
まふゆの父:体調に変わりはないか? もし、何か必要なものがあれば持ってくるよ
まふゆ:……大丈夫。間に合ってるから……ありがとう
まふゆの父:……わかった
まふゆの父:宵崎さん、まふゆをよろしくお願いします
奏:はい、わかりました
まふゆの父:まふゆ、また来週来るから、 何かあったらすぐに連絡してくれ
まふゆ:……うん……
奏:——はい、まふゆ。 お茶いれたよ
まふゆ:……ありがとう
まふゆ:…………いい香り
奏:よかった
奏:えっと……ベルガモットなんだけど、 リラックス効果があるからって 望月さんが持ってきてくれたんだ
まふゆ:そうなんだ
まふゆ:……少し、落ち着いた
まふゆ:——ごめん
奏:あ……ううん、わたしは大丈夫。 気にしないで
まふゆ:…………ありがとう
まふゆ:……それじゃあ、作業に戻るね
奏:……わかった
奏:わたしは、お父さんのお見舞いに行ってくるよ。 すぐ帰ってくるから
まふゆ:うん、いってらっしゃい
奏の部屋
まふゆ:(ここ……このメロディーなら……)
まふゆ:……絡まった糸に足はもつれて……
まふゆ:……っ
まふゆ:……足が……もつれて……
まふゆ:(進めない……)
数週間前
奏:あ……来たみたい。 時間どおりだね
奏:まふゆ……大丈夫?
まふゆ:……うん……
奏:……何かあったら、わたしがあいだに入るから
まふゆ:……ありがとう
奏:……はじめまして。 宵崎奏です
まふゆの父:はじめまして、宵崎さん。 私、朝比奈まふゆの父です
まふゆの父:ここ数日、まふゆがお世話になっているようで…… 本当にありがとうございます
まふゆの父:出張で気づけず、ご挨拶が遅れてしまってすみません
まふゆの父:それで、まふゆは——
まふゆ:……お父さん……
まふゆの父:まふゆ……! よかった、心配したよ
まふゆ:……ごめんなさい……
まふゆの父:いや、いいんだ。 まふゆの顔が見れて安心したよ
まふゆの父:それと……お母さんから話は聞いているよ
まふゆ:…………
まふゆの父:……お母さんも、よくなかったね。 まふゆのためとはいえ、スマホを預かろうとするなんて
まふゆの父:でも、お母さんもまふゆを想ってのことだったんじゃないかな
まふゆ:…………
まふゆの父:うちに帰ってちゃんと話をしよう。 話せばきっと、わかりあえるはずだから
まふゆ:私は……
まふゆ:————ッ!
まふゆ:…………ごめんなさい
まふゆ:うちには、帰りたくない
まふゆの父:え……
まふゆの父:ど、どうして……?
まふゆの父:お母さんのことなら、本当に大丈夫だよ。 お父さんが話をしてあげるから
まふゆ:————ごめんなさい
まふゆ:本当に……できないの
まふゆの父:できない……?
まふゆ:私も、帰りたい
まふゆ:帰って……お母さんと話さなきゃって、思ってる
まふゆ:でも……
まふゆ:でも、無理なの……っ
まふゆ:あの場所には……私は……
まふゆの父:だ、大丈夫か? まふゆ……!
まふゆ:…………っ
奏:——大丈夫だよ、まふゆ。 落ちついて
まふゆの父:まふゆ……
まふゆの父:……わかった
まふゆの父:——何があったのかはわからないが、 今は、時間が必要なんだな……
まふゆの父:……宵崎さん
奏:……! はい……
まふゆの父:……親として情けないが、 まふゆがここまで悩んでいることに気づけなかった
まふゆの父:大変申し訳ありませんが—— もう少しだけ、まふゆのことをお願いしてもいいでしょうか
奏:……はい、もちろんです
まふゆの父:……ありがとうございます。 後ほど、荷物とまふゆの生活費をお送りします
まふゆの父:——まふゆ
まふゆの父:また、会いに来るから。 落ちついたら……お父さんと話してくれるか?
まふゆ:……うん……
まふゆ:(お父さんに、心配かけてる)
まふゆ:(あの時から……今日まで、ずっと)
まふゆ:(私の……せいで……)
まふゆ:(きっと——私が、奏の家にいる限り)
まふゆ:(それに、勉強もそうだけど……受験もある)
まふゆ:(……帰らなきゃ、いけない)
まふゆ:(いけない、けど)
まふゆの母:——まふゆ、お願い。 お母さんが悪かったから……帰って、ふたりで話しましょう
まふゆの母:ねえ、まふゆ——!
まふゆ:————!!
まふゆ:(……胸が、冷たい……)
まふゆ:(苦しい……)
まふゆ:…………っ
誰もいないセカイ
まふゆ:……ミク、どこ……?
まふゆ:(……苦しい、誰か——)
まふゆ:…………っ
???:……まふゆ、ちゃん?
まふゆ:……え……

第 3 话:水底に沈むもの

レン:ま、まふゆちゃん……! 大丈夫……!?
まふゆ:…………
まふゆ:……胸が、冷たくて……
レン:あ……
レン:え、えっと……どこかで休む? 横になれそうなところに——
まふゆ:…………大丈夫。 じっとしてれば、落ち着くから
レン:そ、そっか……
KAITO:——家のことを考えていたのか
まふゆ:…………!
まふゆ:それ、は……
レン:か、カイトさん……。今は……
KAITO:——まふゆ、ひとつだけ覚えておけ
まふゆ:え……
KAITO:今、お前が抱えてる感情から逃げるな
KAITO:その悩みも、痛みも、本当のお前を見つけ出すために 必要なものだ
まふゆ:本当の、私を……
KAITO:——手放すなよ
まふゆ:…………
まふゆ:曲……?
レン:……向こうから、聴こえてくるね。 なんだろう?
まふゆ:……これ……
まふゆ:……あたたかい……
レン:……でも、どこから聴こえるんだろ? 奏ちゃんの作る曲に似てるけど……
まふゆ:わからない、けど……
まふゆ:……行ってみたい
レン:まふゆちゃん……
レン:……うん、ぼくも行く
KAITO:……俺はいい
レン:えっ? で、でも……
KAITO:もう十分だろ。 俺が言いたいことは言った
レン:あ……か、カイトさん!
レン:……行っちゃった
まふゆ:……行こう
レン:……うん!
???
まふゆ:……あ……
ミク:……まふゆ、来てたんだね
まふゆ:ミク……
まふゆ:ここは?
ミク:わからない。 わたしも、さっき見つけたの
まふゆ:そうなんだ……
レン:でも……今まではこんな場所なかったのに、なんでだろう
ミク:……そうだね
ミク:はっきりしたことはわからないけど……
ミク:まふゆの想いが、この場所を生んだような気がする
まふゆ:私の、想いが——
レン:あ……奏ちゃんの曲、 湖の中から聴こえてくるよ
まふゆ:湖の、中から……?
まふゆ:…………
まふゆ:(澄んだ水なのに……底がよく見えない)
まふゆ:(でも……レンの言うとおり、ここから聴こえてる気がする)
まふゆ:…………
まふゆ:……あ、何か……
レン:え、何かあったの?
まふゆ:うん……
ミク:これは……絵本?
まふゆ:……でも、どうして……
ミク:わからない
ミク:でも——この湖が、まふゆの想いで 作られた場所だからかもしれない
レン:えっと……まふゆちゃんの想いと関係のあるものだから、 この湖から出てきたってこと?
ミク:うん
まふゆ:私の、想いと……
まふゆ:…………
まふゆ:(綺麗なのに、何も見えない……。 でも、まだ中に何か……)
ミク:何か、見つけた?
レン:本……?
まふゆ:……医学部の、参考書……
まふゆ:————ッ!
ミク:まふゆ……!
レン:ま、まふゆちゃん、大丈夫?
まふゆ:……苦、しい……
レン:……あ……!
レン:(もしかして……まふゆちゃんの想いからできてるから お母さんのことも——)
まふゆ:(……苦しい……)
まふゆ:(怖い……っ)
レン:ま、まふゆちゃん……
まふゆ:…………帰る
まふゆ:ここには、もう……来たくない…………
ミク:あ…………
ミク:……うん、わかった
ミク:でも——いつか、見つけてあげて
まふゆ:見つ、ける……?
ミク:うん……
ミク:この場所が生まれたのには、きっと意味がある。 まふゆにとって、大事なものがここにある
ミク:……そんな気が、するから
まふゆ:…………
まふゆ:…………うん
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第 4 话:逃げた、その先は

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瑞希の部屋
瑞希:んー……
瑞希:(やっぱり、ここはエフェクト抑えて 動きを出したほうがインパクトありそうだなー)
瑞希:(昨日、絵名からもらった素材をもう少し動かして……)
瑞希:——こんな感じかな。 じゃあ1回頭から流してっと……
瑞希:……うん、いい感じ! これで奏達に見てもらお~っと
瑞希:(それにしても……よかったな)
瑞希:(まふゆが、『逃げる』って選択ができて……)
瑞希:(少し前までは、すごく追い詰められてて…… 本当に心配だったけど——)
瑞希:(ボクの言葉も、少しはまふゆの役に立てたみたいだし)
瑞希:(でも……逃げたからって、 問題そのものが解決するわけじゃない)
瑞希:(まふゆ自身も、きっと……いろいろ考えてるだろうし)
瑞希:(ボクも——これからのこと、ちゃんと考えなきゃな)
瑞希:(まふゆに逃げるって選択肢を教えたのは、ボクなんだから ……その責任は果たさないと)
瑞希:……だけど……
瑞希:…………
瑞希:——逃げたあとのことに向き合えてないボクに これ以上、何ができるんだろ
瑞希:……ちょっと休憩しようかな。 画面見すぎて目が痛くなってきちゃったし
瑞希:そうだ! この前、いい感じのリボン見つけたんだった。 リンにつけてもらいに行こっかな
瑞希:(……いい気分転換になりそうだしね)
誰もいないセカイ
瑞希:えーっと、リンは……
瑞希:……あ
瑞希:メイコ!
MEIKO:……瑞希、どうかしたの?
瑞希:リンを探してるんだー。 どこにいるか知らない?
MEIKO:リンなら、少し遠くに行っているわ
瑞希:遠く?
MEIKO:ええ、セカイに新しい場所ができたから
瑞希:え、新しい場所?
瑞希:へー、どんな場所なんだろ ボクも見に行ってみよっかなあ
MEIKO:……何かあったの?
瑞希:え? な、なんで?
MEIKO:いつもと様子が違う気がしたから
MEIKO:……何か悩んでいることでもあるのかしら
瑞希:あ……
瑞希:んー……そうだね
瑞希:悩んでる、って程じゃないけど…… モヤモヤはしてたかも
MEIKO:……モヤモヤ?
瑞希:うん、えっと……まふゆのことを考えてたんだ。 逃げられてよかったなって
瑞希:奏が支えてくれてるおかげで、 前より元気になった感じもするし
MEIKO:そうね
瑞希:うん
瑞希:それで……ボクも、改めてまふゆを支えなきゃなって思ったんだ。 逃げていいって言ったのはボクだしさ
瑞希:でも……
瑞希:——ボクはここまでしか知らないから…… 少し不安になったんだ
MEIKO:……ここまで?
瑞希:うん。……逃げたあと、どうすればいいのか ボクは知らないから
MEIKO:…………
瑞希:逃げるのって、一時的なものでしかないからさ。 いつかどうにかする方法を考えなくちゃいけないでしょ?
瑞希:でも、……ボク自身、まだ向き合えてるわけじゃない
瑞希:だから——これ以上、まふゆのために 何ができるのかなって思うと……わかんなくなっちゃって
MEIKO:……わからないのなら、向き合えばいいんじゃないかしら
瑞希:え……
MEIKO:逃げたあと、どうすればいいのかわからないのなら—— 逃げることをやめて、問題に向き合えばいい
瑞希:…………!
瑞希:……でも、それは……
MEIKO:……そうね、向き合うことは難しいことだとは思うわ
MEIKO:だけど、まふゆのためにと思うのなら—— 今が向き合える時なんじゃないかしら
MEIKO:向き合って——その時、得たものを伝えれば、 それがまふゆの力になるかもしれないでしょう
MEIKO:前のようにね
瑞希:…………
瑞希:(……たしかに、あの時は ボクだから伝えられることを伝えられた)
瑞希:(逃げた先の……こと。 ボクが向き合うことで、またわかることがあるとしたら……)
瑞希:(……それに……)
瑞希:(絵名にも……甘えっぱなしだ……)
瑞希:(あの日から、絵名は……ボクのことを待ってくれてるのに)
瑞希:(まだ……ちゃんと向き合えるか、わからない)
瑞希:(わからないけど——)
瑞希:……ありがとう、メイコ
瑞希:おかげで、ちょっとスッキリしたよ
MEIKO:……そう。よかったわね

第 5 话:やさしい言葉

誰もいないセカイ
瑞希:んーっ、メイコに話聞いてもらったら なんだかスッキリしたな~!
瑞希:それじゃ、さっそく新しい場所に行ってみよっかな。 メイコも一緒に——
MEIKO:私は行かないわ
瑞希:え~!
瑞希:でもでも、ボク場所知らないし迷子になっちゃうよ!? それでもいいの!?
MEIKO:ここをまっすぐ行った場所にあるから 迷わないはずよ
瑞希:それだけじゃわかんないって! ねーねー、一緒に行こうよ~!
瑞希:えーん、メイコはボクのこと嫌いなんだー
瑞希:ボクが迷子になっていなくなっても メイコはどうでもいいんだ~
MEIKO:…………
MEIKO:……はあ……
MEIKO:行くわ
瑞希:え~~~~~~! ホントについてきてくれないの!?
MEIKO:……だから、行くと言ったでしょう
瑞希:えっ
MEIKO:早くしないと、置いていくわよ
瑞希:あ……
瑞希:も~! 『行く』って言うから、 てっきりどこかに行っちゃうのかと思ったよ~!
瑞希:メイコって、実は優しいよね~
MEIKO:……本当に置いていくわよ
瑞希:わわっ! ちょっと待ってよ~! ほらほら、一緒に行こ♪
???
瑞希:へえ……! ここがセカイにできた新しい場所か……
瑞希:これって……湖だよね?
MEIKO:そうみたいね
瑞希:ふーん……。結構遠くまで続いてるんだね。 もしかしたら、向こうにも何かあるのかな!?
MEIKO:さあ、わからないわ
瑞希:もう、ちょっとくらい一緒に考えようよ~!
MEIKO:……それより、リンを探していたんじゃなかった?
瑞希:あ、そうだった! えーっと……
瑞希:おーい! リン、ミク!
リン:……あ……
ミク:瑞希、来てたんだ
瑞希:うん、びっくりしちゃったよ! こんな場所が急にできちゃうなんてさ
瑞希:……って、ふたりとも何読んでるの?
ミク:えっと……絵本だよ。 湖の中から、出てきたの
瑞希:え? えーっと、どういうこと?
MEIKO:このセカイには、まふゆの想いが反映されているわ。 だからきっと、この湖もそう
MEIKO:湖は透明でも、奥までは見えない……。 この湖の下には、まふゆの想いが隠れてるんでしょうね
瑞希:まふゆの、想いが……
瑞希:じゃあこの絵本も、何か意味があるのかな
ミク:うん、そうだと思う
瑞希:そっか……
瑞希:ねえ、それってどんな話なの? 一緒に読んでもいい?
リン:いいよ
瑞希:やった~! じゃ、あいだに入れて入れて♪
瑞希:ふむふむ、えーっと……
瑞希:『あるところに、うさぎの女の子がいました』
瑞希:『うさぎの女の子は、おかあさんうさぎと おとうさんうさぎと一緒に、なかよく幸せに過ごしていました』
瑞希:へえ……カワイイね。 このうさぎ、映像で動かしてみたいな~
ミク:ちょっと、見てみたい
瑞希:お、じゃあ作っちゃおっか! イラストは絵名に描いてもらおーっと
リン:続き、読まないの?
瑞希:あ、そうだった。えーっと——
瑞希:『うさぎの女の子は、とてもやさしいうさぎでした』
瑞希:『だれかが笑顔になってくれることがうれしくて、 いつもだれかのお手伝いをがんばっていました』
瑞希:『おかあさんうさぎと、おとうさんうさぎが 喜んでくれるのがとてもうれしくて、 いつも一生けんめいでした』
瑞希:『おかあさんうさぎにおそうじを頼まれたら、 お部屋がピカピカになるまで一生けんめい おそうじしました』
瑞希:『おとうさんうさぎにおつかいを頼まれたら、 カゴをかかえてぴょんぴょんはねて、 いそいで買い物に行きました』
瑞希:『もっと勉強ができるようになったら もっとうれしいと言われたので、勉強もがんばりました』
瑞希:『そうして、うさぎさんは、いろんなことが できるようになっていきました』
瑞希:『だけど——』
瑞希:あ……
瑞希:——『がんばるうちに、うさぎさんは つかれてしまいました』
瑞希:これって……
ミク:…………
瑞希:『それでも、うさぎさんはみんなに喜んでもらいたくて がんばって、がんばって、がんばりましたが——』
瑞希:『どうしてがんばっているのか、 何がしたかったのかわからなくなってしまいました』
瑞希:『つかれて、苦しくて、動けなくなっても、 みんなのためにがんばり続けました』
瑞希:『でも、がんばればがんばるほど、 うさぎさんの胸のなかは冷たくなっていきました。 そうして、だんだんと、動けなくなっていきました』
瑞希:……まふゆ……
リン:あ……。 瑞希、次……
瑞希:え?
ミク:——『そんな時です。 いぬさん、はりねずみさん、ねこさんが うさぎさんを助けてくれました』
瑞希:『いぬさんは、あたたかい音楽を』
瑞希:『はりねずみさんは、迷いながら進むうさぎさんの絵を』
瑞希:『ねこさんは、やさしい言葉をくれました』
瑞希:……言葉……?
瑞希:『いぬさんの音楽のおかげで、 うさぎさんはもう一度、目をひらけるようになりました』
瑞希:『はりねずみさんの絵のおかげで、 うさぎさんは前を向けるようになりました』
瑞希:『ねこさんの言葉のおかげで——』
瑞希:『ねこさんの言葉のおかげで、 うさぎさんは今の場所から飛び出せるようになりました』
瑞希:『かなしいし、さみしいし、とても、苦しいけど』
瑞希:『うさぎさんは、いっしょにいてくれるみんなのおかげで 守りたいものを、守れました』
瑞希:『そして、うさぎさんは』
瑞希:……あれ? これで終わり?
ミク:うん、後ろのページは真っ白だった
瑞希:そっか……
瑞希:……あはは、なんだか不思議だね。 まふゆの状況に似てるっていうか……
瑞希:これも、やっぱりまふゆのセカイから見つかったから、なのかな
ミク:……多分、そうだと思う
ミク:もしかすると—— まふゆが感じている想いが、お話になったのかもしれない
瑞希:まふゆの、想いが……
MEIKO:……その絵本のうさぎには、友達がいてくれてよかったわね
MEIKO:きっと、助かったはずよ
瑞希:あ……
瑞希:(……あの絵本では、 いぬは音楽を、はりねずみは絵を、 ねこは——やさしい言葉をくれたって書いてあった)
瑞希:(じゃあ、ボクの言葉も……まふゆの力になれたんだ)
瑞希:——メイコ、ありがとね
瑞希:ボクも、ちゃんとボク自身と向き合っていこうと思う
瑞希:うさぎさんに負けられないしね
MEIKO:……そう
MEIKO:いいんじゃないかしら
瑞希:うん!
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第 6 话:目指したい場所

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絵画教室
絵名:…………
絵名:(今回は果物の静物画……。 家でも練習してるから、前よりは描けてると思う)
絵名:(……ここに通い始めた時は、酷かったな)
絵名:(パースも取れてないし、線も歪んでて…… 講評であれだけ言われるのもわかるっていうか)
絵名:(それに比べたら、だいぶよくなってると思うけど)
絵名:(——まだまだ、足りない)
絵名:(まだ、少しブランクを埋められただけで、 教室のみんなには追いついてない)
絵名:……やらなきゃ
絵名:(1枚1枚、丁寧に、真剣に描いて—— 少しでも、うまくならなきゃ)
レン:『……ここが、絵画教室?』
リン:『そうみたい』
リン:『……この前も課題で悩んでたみたいだから、 気になって見に来たけど……』
リン:『……みんな、真剣に描いてる』
レン:『う、うん。なんだか怖いくらいだね……』
レン:『絵名ちゃん……』
リン:『……よかった』
レン:『え?』
リン:『前までは、いつも苦しそうに絵を描いてたけど……』
リン:『今日は少し違うみたい』
絵名:……はあ……
絵名:(今日も酷評されちゃったな……。 まあ、いつものことだけど)
絵名:(……でも、細かい部分を指摘してくれるように なってる気がする)
絵名:(前は、そもそも全部描き直さなきゃいけないレベルで 指摘されてたし……)
リン:——『絵……』
???:絵名ちゃん!
絵名:え……
二葉:絵名ちゃん、お疲れさま! 今日ってこのあと、あいてる?
二葉:よかったら、一緒に帰らない? おいしいチーズケーキのお店見つけたんだ
絵名:え……チーズケーキ?
絵名:んー……せっかくだし行こっかな
二葉:やった! じゃあ、行こう!
レン:『……絵名ちゃんの友達、かな?』
リン:『たぶん。少し、様子を見てみようか』
カフェ
絵名:ん~! このチーズケーキ、すっごく美味しい……!
絵名:フルーツがいっぱいのってて映えるし チーズも濃厚で口の中がしあわせ……
絵名:二葉、連れてきてくれてありがとう!
二葉:ううん、前から絵名ちゃんと来たいなって思ってたんだ。 だから今日はすっごく嬉しい!
絵名:そんなに喜ぶ? まあ、悪い気はしないけど……
絵名:でも、なんだか懐かしいよね。 前はこうやって、ふたりで寄り道して帰ったっけ
二葉:うん! 教室が終わる時間って、ちょうどお腹がすく頃なんだよね
二葉:雪平先生はすごく厳しくて、いつも大変だけど…… 絵名ちゃんとの寄り道が楽しみで がんばって通ってたなあ
絵名:まあ、昔から空気重かったし。 いいガス抜きになってたよね
二葉:うん! でも……これからは、 もっと空気が重くなっちゃうかもね
絵名:え?
二葉:ほら、もうすぐ受験でしょ?
二葉:だから、美大を目指してる人は 受験のためにもっと必死になるだろうし……
二葉:私も、今よりもっとがんばらないとなって思ってるんだ
絵名:あ……
絵名:(そっか……。 二葉はもう、考えてるんだ)
二葉:ねえ、絵名ちゃんは大学どうするの?
絵名:え、私?
二葉:うん。私……絵名ちゃんの絵好きだから。 いかないのはもったいないなあって思って
絵名:あー……
絵名:(美大、か——)
絵名:(正直、まだいける未来が見えないな……)
絵名:(絵の勉強はしていきたいし、……いけるならいきたい)
絵名:(でも……今の私に、その資格があるのかな)
絵名:(ずっと、中途半端で、教室だってようやく復帰して……)
絵名:(そもそも、私に受かるの? 合格するためには、もっとうまくならなきゃいけないのに……)
二葉:あ……ごめんね、絵名ちゃん。 まだ考えてる途中だった?
絵名:ああ……まあ、そんな感じ。 ていうか、今はまだちゃんと考えられてなくてさ
絵名:それより、デザートも注文しない? 季節のケーキって何か気になるんだよね
絵名:ふたりでシェアしようよ!
二葉:ふふ、そうだね。 じゃあ注文しよっか
二葉:すみません、注文いいですか?
住宅街
絵名:……はあ……
絵名:(そうだよね……。 これから先のこと、考えなきゃいけない時期、か……)
絵名:(……でも……)
絵名:(私にはまだ画力も……多分、覚悟も足りてない)
絵名:(教室のみんなには全然追いつけてないし、 ニーゴの曲も表現しきれてない)
絵名:(画家にはなりたいけど—— 今のままじゃ、きっと、なれない)
絵名:(……こんな私が、みんなと同じように美大になんて……)
???:『——絵名』
絵名:えっ……ふたりとも、どうしたの?
リン:『絵名の様子を見に来たの』
レン:『あ、えっと、絵名ちゃんの絵を描いてるところ また見たいなあって思って』
絵名:そうだったんだ。 ……あんまりいいところは見せられなかったと思うけど
リン:『……そんなことない』
リン:『絵名、かっこよかった』
リン:『それに——強くなってる』
絵名:え……
リン:『さっき、絵を描いてる絵名を見て思ったの。 真剣に描いてるって』
絵名:そりゃ真剣に描くでしょ。周りのみんなだって……
リン:『そうじゃない。わたしが見てた絵名は—— ずっと、苦しそうに描いてたから』
絵名:あ……
リン:『苦しそうで、悩みながら……描いてた』
リン:『でも、今日はそれだけじゃなかった』
リン:『真剣に、絵と向き合ってた』
リン:『苦しいことに向き合えて……絵名は、強いなって思ったよ』
絵名:リン……
絵名:ありがとう。 ……いつも見ててくれて
絵名:……それじゃ、もっと頑張らなきゃな
レン:『え?』
絵名:さっき、考えてたんだ
絵名:この先も、絵は描き続けるつもりだけど…… 私が絵の道を目指していいのかなって
リン:『どうして?』
絵名:んー……前よりマシになったとはいえ、 二葉や周りの子達に比べると、全然だし ニーゴの絵も、納得できるものはまだ描けてないからさ
絵名:今のままの私が、みんなと同じ場所にいって、勉強して—— その先の夢を目指すなんて……いいのかなって
リン:『絵名……』

第 7 话:届いていたもの

リン:『……わたしは、絵のことはよくわからない』
リン:『わからないけど……絵名を見てると、 わたしが思うよりもずっと——大変なのかなって思う』
リン:『でも……ちょっと、絵名らしくない』
絵名:……え?
リン:『今までの絵名なら、“いいのかな”って思うんじゃなくて—— “やるんだ”って思って、絵を描くと思うから』
絵名:あ……
絵名:……私、そんな脳筋なイメージ?
絵名:まあ……そりゃ、うまくなるんなら 描くしかないけどさ
レン:『描くしか……』
レン:『あ……』
レン:『じゃあ、絵名ちゃん。 その……ぼく達を、描いてくれない?』
絵名:え、レン達を……?
レン:『う、うん。この前、まふゆちゃんをモデルに描いた時、 何か掴めたって言ってたでしょ?』
レン:『だから、ぼく達も力になれるかもって』
絵名:レン……
絵名:……ふふ、ありがと。 それならせっかくだし、スケッチさせてもらおっかな
レン:『うん、任せて……!』
絵名:じゃあ、どこで描こっか。 ちゃんとスケッチするなら、やっぱりセカイに——
リン:『……それなら、あそこに行くのは?』
絵名:あそこ?
レン:『あ……そうだね。 絵名ちゃんの練習になるかも……!』
絵名:ちょっと、どこのこと言ってるの? 全然わかんないんだけど
リン:『来たらわかる』
レン:『セカイで待ってるね……!』
誰もいないセカイ
???
絵名:え……何、ここ。 こんな場所なかったよね?
レン:この前、セカイに新しくできたみたいなんだ
リン:うん
リン:絵名、前に水を描くのは難しいし、 勉強になるって言ってたから
絵名:あ……
絵名:そういえば、リン達には話してたっけ
絵名:じゃあ、ここで描かせてもらおっかな。 不思議な景色だし、練習になりそう
絵名:リンとレンは湖の近くにいてくれる? ポーズは任せるから
リン:任せられると、困る
絵名:んー、じゃあ座って!
レン:……わ、わかった
絵名:(……やっぱり、不思議な場所だな)
絵名:(いきなり、こんな場所ができるなんて)
絵名:(……でも、そうだよね)
絵名:(母親とのことで、 まふゆもいろいろ考えてるみたいだし……)
絵名:(こういう場所ができるくらい、 想いの変化があったのかな)
レン:……絵名ちゃん、どうしたの?
絵名:なんでもない。 ていうか、ポーズ変えちゃだめ!
リン:絵名が早く描かないから
絵名:今描いてるってば
絵名:……あれ?
絵名:なんか……聴こえる……?
レン:え……?
絵名:これって……奏の曲? 湖から聴こえてくるけど……
レン:あ……うん。 湖の中から、ときどき聴こえるんだよ
絵名:え、湖の中から? でも、なんで……そんなこと、あるの?
絵名:もしかして、中に何かあるのかな。 プレイヤーとか……
絵名:……あ……
絵名:湖の中に——
レン:絵名ちゃん。 そんなに乗り出したら危ないよ
絵名:わかってる。でも……
絵名:湖の中に、私の絵が見えたような……
リン:絵……? 何も、見えないけど……
絵名:私も見えたのは一瞬だけだけど、たしかにあれは……
絵名:ちょっと、確認してみる
絵名:っと、掴めるかな……
絵名:……ダメ。全然、指にも引っかからない
絵名:んー、絶対そうだと思ったんだけど……。 見間違いだったのかな
リン:それって、どんな絵だったの?
絵名:え? えっと、前にまふゆをデッサンしたやつだけど……
レン:あ……まふゆちゃんが、絵名ちゃんの家に 泊まった時に描いた、あの絵?
絵名:うん、多分それ。 それが湖の中にあるなんて、 現実的に考えるとあるわけないんだけど……
リン:…………
リン:もしかすると——まふゆの心の中に 絵名の絵があるから、かもしれない
絵名:え……?
リン:この湖は、まふゆの想いでできた場所だから
リン:まふゆが、その絵を見て 何か心に響いたものがあったのなら—— 想いから生まれたこの湖に、反映されたのかも
絵名:私の絵が、まふゆの心に……
絵名:ほんと、不思議なセカイ
絵名:(……まだ足りない、もっとうまくならないと 先のことも考えられない、って思ってたけど……)
絵名:(もし、本当に……まふゆの心の中に、私の絵があるのなら)
絵名:(まふゆの心に、響く絵を描けたのなら——)
絵名:(私の絵は……誰かの心に届くんだ)
絵名:(それなら——)
絵名:……一歩ずつ、進んでいこう
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第 8 话:もどかしい想い

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宵崎家 キッチン
穂波:——宵崎さん、今日のお掃除終わりました
穂波:作り置きも、ふたり分作っておきましたので 召し上がってください
奏:ありがとう、望月さん。 最近仕事が増えちゃってごめん
穂波:いえ、そんなに負担になっていないので大丈夫ですよ。 それにその分、お給料はいただいていますし
穂波:それでは、わたしはこれで——
穂波:えっと……朝比奈先輩は、大丈夫ですか?
奏:うん、今日は作業中に寝ちゃっただけだから。 具合が悪いとかじゃないよ
穂波:そうですか、よかった……
穂波:って、すみません! 差し出がましいことを言ってしまって
穂波:——朝比奈先輩にも、よろしくお伝えください
奏:……わかった。ありがとう
奏:(……ありがたいな)
奏:(望月さん、まふゆがしばらくうちにいるって聞いた時は すごく驚いてたけど……)
穂波:朝比奈先輩……
奏:——そういうわけで しばらくのあいだ、まふゆがうちに泊まることになったんだ
穂波:ええと…… しばらくのあいだ、というと……
奏:……何日くらいになるのか、まだわからないんだ
奏:でも……ちょっと長めに、うちにいることになるかもしれない
穂波:そう、なんですか……
奏:……ごめん。あんまり詳しいことは話せないんだけど……
穂波:…………
穂波:……何か、そうせざるを得ない事情がある、ということでしょうか
奏:……うん
穂波:——そういうことでしたら、わかりました
穂波:これから、朝比奈先輩の分も作らせてもらいますね
奏:あ……。ありがとう、望月さん
穂波:いえ、気になさらないでください
穂波:朝比奈先輩も——もし他に何か助けが必要なことがあったら、 いつでも言ってくださいね
まふゆ:……ありがとう
奏の部屋
奏:……よかった。 ゆっくり眠れてるみたい
奏:(……まふゆがうちに来て、結構経ったな)
奏:(作業してる時は、落ち着いて見えるけど…… ときどき、すごく沈んでる)
奏:(状況が状況だから、仕方ないけど——)
奏:(……今のわたしにできることって、なんだろう)
奏:(まふゆのお母さんやお父さんと話して、 望月さんにも協力してもらって—— なんとか、ここでまふゆが暮らしていけるようになった)
奏:(でも——まふゆはずっと、ここにいられるわけじゃない)
奏:(落ちついたら、また…… お父さんや——あのお母さんと向き合わなきゃいけない)
奏:(きっと……まふゆにとっては、すごく苦しいはずだ)
奏:(だからわたしも——支えたい)
奏:(今のわたしにできることは…… やっぱり、曲を作り続けること)
奏:(だけど——)
奏:(……それで、本当にまふゆを救えるのかな)
奏:(曲を聴いても、今の状況が変わるわけじゃない。 ……あの人からまふゆをどうにかできるわけじゃない)
奏:(曲を作るだけじゃだめなら……)
奏:(もっと、何か——)
???:『……奏』
奏:……え、ルカ? どうしたの?
ルカ:『いつもならデモを持ってくる頃合いなのに、 ずっとセカイに来ないから気になったの』
奏:あ……
奏:ごめん。まだ納得できるものを作れてなくて
ルカ:『ふうん……』
ルカ:『悩んでる理由は、それだけ?』
奏:え……
ルカ:『ふふ、まあいいわ』
ルカ:『行き詰まっているのなら、こっちに遊びにきたらどうかしら。 実は、ちょっと変わった場所ができたのよ』
奏:変わった……場所?
ルカ:『ええ、奏はまだ行ったことがないでしょう? 良いインスピレーションを受けるかもしれないわ』
奏:…………
奏:……そうだね
まふゆ:…………
奏:まふゆ、すぐに戻るから。 行ってくるね
誰もいないセカイ
奏:新しい場所って、どういうところなの?
ルカ:このセカイでは珍しい風景ね。 見たらびっくりするんじゃないかしら
奏:そうなんだ……
奏:……あれ? この曲って……
ルカ:奏が作った曲でしょう? ときどき、あの場所から流れてくるのよ
奏:え、そうなの? でも、どうして……
ルカ:さあ? でも……これを聴いてると、感じるわ
ルカ:まふゆが、奏の曲を必要としている……って
奏:……まふゆが……
ルカ:……何か、思うところがあるみたいね
奏:…………
奏:……今、わたしの曲は、まふゆの力になれてるのかな
ルカ:まふゆの力に?
奏:うん……。 今まで作った曲は、少しだけまふゆを楽にできてたかもしれない
奏:でも……結局、救うことはできてない
奏:今のまふゆのためには 曲だけじゃなくて、それ以外でも 何かできるのか考えないと——
奏:……ねえ、ルカ……
奏:……ルカ?
奏:……あれ、どこに行っちゃったんだろう
???:——ぐすっ、……うっ……
奏:……え……
奏:泣き声……? どこから……
???:うっ、うっ……
奏:あ……
奏:(小さい、女の子……?)
奏:(どうして、ここにいるんだろう。 セカイにわたし達以外の誰かがいるなんて……)
奏:(でも、泣いてるし……何か事情があるのかも。 助けないと……)
奏:ねえ……大丈夫?
女の子:…………!

第 9 话:一緒に探そう

誰もいないセカイ
奏:(……とりあえず、泣き止んでくれてよかったな)
奏:(でも、この子……迷子なのかな。 ……というか、どうやって入ってきたんだろう)
奏:えっと……あなた、どこから来たの?
女の子:わかんない……
女の子:お昼寝してたんだけど…… 気づいたら、ぬいぐるみがなくなってて 探しても見つからなくって……
奏:そっか……
女の子:うん……
奏:(……どうして迷い込んできたのかわからないけど、 早くあっちの世界に戻してあげないと)
奏:(でも……どうやって戻したらいいんだろう?)
奏:(Untitledで一緒に帰れるのかな……? でも、変な場所に戻しちゃったら大変だし……)
女の子:うっ、うう……
女の子:うさちゃん……どこ行っちゃったんだろう……
奏:あ……
奏:(そうだ。ぬいぐるみをなくしちゃったって言ってたし、 探してあげなきゃ)
奏:えっと、ぬいぐるみ…… どの辺りに落としたか、わかる?
女の子:……わかんない……
奏:そっか……
奏:……えっと……
奏:……不思議な場所にいて、びっくりしなかった?
女の子:うん……こわかった、けど……
女の子:……音楽が鳴ってたから、がんばれた
奏:え? 音楽?
女の子:うん、今きこえてる、音楽
女の子:あったかくて……ちょっとほっとしたの
奏:…………!
奏:……そっか……
奏:あ……。 えっと、目が覚めた時も、この音楽は聞こえてた?
女の子:うん。最初は、もっと大きかった
奏:(大きかった、ってことは…… 曲が鳴ってるほうに行ったら、 この子が目覚めたところに着けるかも)
奏:(その辺りを探していけば、 ぬいぐるみも見つけられるかもしれない)
奏:あっちのほうは探してみた?
女の子:ううん、まだ
奏:……じゃあ、行ってみようか
女の子:うん……
???
奏:ここは……
女の子:……!
奏:……透明で、綺麗な湖だな。 でも、曲はどこから——って、あれ?
女の子:…………
奏:どうしたの?
女の子:……ここ、怖い……
奏:え、怖い……? どうして?
女の子:わかんない、けど……
奏:そっか……。 じゃあ、向こうのほうに行こうか
奏:あ、でも……ぬいぐるみだけ、落ちてないか探してみるね。 ちょっと待ってて
女の子:うん……
奏:……見当たらないな……
奏:(この辺りにはないかも……。 それか、もっと湖の近くにあるとか……?)
奏:(そういえば、曲は湖の中から聴こえるみたい。 ……中にプレイヤーとかがあるのかな)
奏:あ……
奏:(もしかしたら、ぬいぐるみも湖に落としちゃってたり……)
奏:…………! 今、何か……
女の子:お姉ちゃん、大丈夫……?
奏:うん、大丈夫。 もう少しだけ調べてみるね
奏:(……中に入るのは危なそうだな。 でも、もしかしたら手で掴めるかも……)
奏:(……何も掴めない。でも……)
奏:(さっき見えた影……。 あれがぬいぐるみなら——)
奏:もう少し……っ、あ……!
女の子:お姉ちゃん、危ない!
奏:っ、ご、ごめん。 でも、もう少しで届くかもしれないから——
女の子:……お姉ちゃん……
奏:……あれ? さっきの影、どこだっけ……
奏:おかしいな、この辺りにあったと思ったのに……
女の子:……お姉ちゃん、もういいよ
奏:え……?
女の子:私のせいで、お姉ちゃんがあぶなくなるのは、嫌だよ……
奏:わたしは大丈夫だよ。 さっきはちょっと滑っちゃったけど、次は気をつけるから——
女の子:ううん、もういいの
女の子:本当に湖の中にあるなら、絶対に取れないし…… こんなに探してもないんだもん
女の子:きっと、もう見つからないよ
奏:……あ……
奏:……そんなことないよ
奏:きっと、どこかにある
奏:湖の中を探す方法だってあるかもしれないし、 ここになくても、違うところにあるかもしれない
女の子:でも……
奏:——大丈夫、見つけよう
女の子:え……
奏:どこにあるか、まだわからないし…… 探すのも大変だと思う
奏:でも——もういい、なんて言わないで
奏:もし湖の中にあっても、わたしが一緒に見つけるから
奏:一緒に、探す方法を考えよう
女の子:お姉ちゃん……
女の子:うん……!
女の子:——いつも、ありがとう。 お姉ちゃん
奏:え……?
???:——奏、……奏
奏:……っあ……
奏:あれ……わたしの、部屋?
奏:(でも、なんで……? あれは……夢、だったのかな)
まふゆ:……奏、どうしたの?
奏:あ……ううん、ちょっとうたた寝しちゃってたみたい
奏:まふゆは作業してたの?
まふゆ:私も、さっき起きた。 今から歌詞仕上げるね
奏:そっか、じゃあわたしも少しやろうかな。 完成したら見せてくれる?
まふゆ:……うん
まふゆ:……——♪
奏:……!
奏:(この曲、さっき夢の中で流れてた……)
奏:まふゆ、その曲……
まふゆ:え……
まふゆ:……あ、私、歌ってた……?
奏:う、うん……。 でも、どうして……
まふゆ:…………
まふゆ:……あまり覚えてないんだけど、 さっき夢で……この曲を聴いてたような気がする
奏:え……?
まふゆ:ひとりで、知らない場所にいて。 何かをなくしたような気がして、怖くて……
まふゆ:でも、この曲が聴こえてきて
まふゆ:少し……安心した
奏:あ……
女の子:うん、今きこえてる、音楽
女の子:あったかくて……ちょっとほっとしたの
奏:(そういえば、あの女の子…… 少し、まふゆに似てたような——)
奏:(もしかして……)
奏:……まふゆ、夢の中でなくしたものって なんだったか覚えてる?
まふゆ:……覚えてない
奏:そっか……
まふゆ:どうして、そんなこと聞くの?
奏:あ、ごめん。わたしも、さっき似たような夢を見てたんだ
奏:女の子と一緒に、ぬいぐるみを探してたんだけど……
まふゆ:……そうなんだ
奏:……うん。不思議だね
奏:(あれは、ただの夢かもしれない)
奏:(でも——あの女の子と同じように、 まふゆも、わたしの曲を必要としてくれているのなら)
奏:(やっぱり、わたしは……曲を作り続けよう)
奏:まふゆを、救うために——
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第 10 话:いつか、進むために

25時
奏の部屋
奏:『——うん、Amiaありがとう。 これならもうそろそろアップできそうかな』
瑞希:『よかった~! エフェクトをちょっと抑えたんだけど、 それが正解だったっぽいね!』
絵名:『私もいいと思う。 メロウな感じの雰囲気にもハマってるし』
瑞希:『お、ホント!? えななんも褒めるってことは相当いいんだろうな~♪』
瑞希:『こうなると雪からの褒めも欲しくなっちゃう! 雪はどう思う!?』
まふゆ:『……いいと思う』
瑞希:『ありがとうございま~す!』
絵名:『あんたねえ……。ま、今回はいっか』
奏:『ふふ……』
奏:『……そうだ。新しい曲のデモもできたから、聴いてほしい』
絵名:『本当? じゃあ、セカイに行ってミク達と聴こうよ』
瑞希:『だね! ……あっ、そういえば セカイに新しい場所ができたの知ってる?』
奏:『え……?』
絵名:『あ、私もそこ行った! 湖っぽい場所だよね』
瑞希:『そうそう! Kの曲が水の中から聴こえてきて 不思議な感じだったな~』
奏:『わたしの……』
絵名:『K、どうしたの?』
奏:『あ……えっと、そういう場所に行った夢を見たんだけど、 あれって本当のことだったのかも、と思って』
瑞希:『夢? へえ……、どんな夢だったの?』
奏:『えっと、女の子がなくしたぬいぐるみを探す夢で…… その時に、一緒に湖まで行ったんだ』
絵名:『ぬいぐるみ?』
奏:『うん。どう説明すればいいのかわからないんだけど……』
瑞希:『そっか……。 じゃあ、ホントに夢と一緒の場所か見てみようよ!』
奏:『……そうだね、行ってみよう』
まふゆ:…………
誰もいないセカイ
???
奏:……やっぱり、あの夢の……
瑞希:お! じゃあもしかして、夢じゃなくてホントに来てたとか——
ミク:——みんな、来たんだ
瑞希:ミク! それにみんなも、ここにいたんだ!
ルカ:ここなら、多少は暇つぶしができるもの
絵名:まあ、そうかもね。 湖でも遊べるし、ペンがあれば写生もできるし
リン:絵名、今度持ってきて
絵名:はいはい
ミク:まふゆ……大丈夫?
まふゆ:……うん
絵名:そういえば……あの湖、ちょっと変わってるよね。 この前来た時、中に何か見えた気がしたっていうか
絵名:……気のせいかもしれないんだけど、 私が描いた絵があったような気がしたの
瑞希:絵名の絵?
絵名:あー……うん。 まふゆをスケッチした絵……
まふゆ:…………
瑞希:あ! ミク達と読んだ絵本もたしか、 湖の中から見つかったんだよね?
ミク:……うん
絵名:え、そうなんだ
絵名:奏の曲も、湖の中から聴こえるし…… やっぱりここには何かあるのかも
瑞希:うーん……。 ねえミク、その絵本ってどうやって中から取ったの?
ミク:……まふゆが、湖の中から取った
瑞希:え、まふゆが?
ミク:……うん
まふゆ:…………
ミク:……もしかしたら、まふゆにしか触れないのかも
まふゆ:え……
MEIKO:そうね。この湖がまふゆの想いで出来ているから—— 想いの持ち主じゃないと、沈んでいるものに 触れられないのかもしれないわ
奏:あ……
絵名:じゃあ、まふゆ。何かないか探してみたら?
まふゆ:…………できない
瑞希:え……
絵名:できない、って…… 何かあったの?
まふゆ:…………ごめん
まふゆ:でも……
ミク:まふゆ……
ルカ:できないのなら、しょうがないけれど……
ルカ:これも、本当のまふゆを探す手がかりになるかもしれないわよ
まふゆ:……!
ルカ:きっと、この湖には—— あなたを形成するものが沈んでいる
ルカ:そこには、まふゆにとって思い出したくないものも あるかもしれないけれど
ルカ:湖の中から聴こえる奏の曲や、うさぎの絵本のような とても大切な——まふゆに必要なものもあるでしょう?
ルカ:それを見つけることは、 本当の自分を見つける糸口になるかもしれないわ
まふゆ:……本当の……
まふゆ:でも……
奏:まふゆ……
女の子:きっと、もう見つからないよ
奏:——大丈夫だよ
まふゆ:え……
奏:もしかしたら、まふゆにとって よくないものが見つかるかもしれないけど——
奏:わたし達が、一緒にいる
奏:だから——大丈夫
まふゆ:……奏……
まふゆ:…………
まふゆ:…………わかった
まふゆ:…………っ
絵名:何か見つけた?
まふゆ:……あ……
絵名:それって……
瑞希:絵名が描いたまふゆの絵だ……! へえ、画像では見せてもらったけど ちゃんと実物見たの初めてかも
奏:本当に、湖の中にあったんだ
絵名:しかも全然濡れてないし……。 ……ホント、不思議
まふゆ:…………
まふゆ:……今度は、ニーゴの楽譜
瑞希:しかも、結構前のやつじゃん!
奏:懐かしいな……。 この頃も、まふゆにミックスしてもらってたね
まふゆ:……うん、覚えてる
まふゆ:あの頃……本当の私を探してて…… ひとりじゃ、見つからなかったけど——
まふゆ:……奏と曲を作っていけば、見つかるかもって思えた
奏:……まふゆ……
ルカ:……もしかしたら、他にも何か 沈んでいるのかもしれないわね
まふゆ:それなら……もう1回……
まふゆ:……あ……
奏:どうしたの?
まふゆ:……何か、掴めた……
まふゆ:(なんだろう、これ……。 丸くて、つるつるしてる……)
瑞希:なになに? 次はどんなのかな!?
絵名:まふゆ、引き上げてみてよ
まふゆ:……うん
まふゆ:……ッ! これ……
まふゆ:(りんご——)
まふゆの母:ちゃんと食べられる? まだ、起きるのはつらいかしら
まふゆの母:……しょうがないわね。 はいまふゆ、あーんして
まふゆの母:……ふふっ。今日のまふゆは甘えん坊さんね
まふゆの母:ほら、ねーんね……。 まふゆは、いいこ……
まふゆ:……お母さん……
まふゆ:(……あたたかい……)
まふゆ:(でも、苦しい……っ)
まふゆ:(お母さんは……私を……)
まふゆ:(私を——)
絵名:——あれ? それって……りんご?
瑞希:みたいだね。 でも、なんでりんごなんだろ?
奏:そういえば……まふゆが風邪を引いた時、 りんごをすりおろして食べてもらったっけ
奏:あの時は、いろいろ慣れなくて手間取っちゃったけど…… まふゆがりんごを食べてくれて、安心したな
まふゆ:……あ……
まふゆ:(どうしてだろう——)
まふゆ:(苦しいのに……)
まふゆ:(考えたく、ないのに……)
まふゆ:(このりんごは……捨てたくない)
まふゆ:(わからない——)
まふゆ:(わからない、けど……きっと……)
まふゆ:……もっと、寄り添いたい……
まふゆ:苦しんでる人の、すぐそばで……
まふゆ:(私が……私でいるために、必要な気がする)
まふゆ:(だから——)
奏:……それが、まふゆに必要なものなんだね
まふゆ:……うん……
まふゆ:わからないけど……多分……
絵名:へえ……
瑞希:え、なになに?
リン:あ……
レン:あそこに……ドアが……
瑞希:えっ!? ホントだ! 今までなかったよね!?
奏:うん……
絵名:なんだろ。 ちょっと近くまで行ってみる?
瑞希:んー……。 見た感じ、普通のドアっぽいね
絵名:このドアも、まふゆの想いでできたってこと?
ミク:そうだと思う
まふゆ:…………
まふゆ:……開かない……
奏:壊れてるのかな
絵名:ていうか、ドアだけって……なんで? こんなところで開けても意味ないじゃない
瑞希:いやいや、もしかするとドアを開けたら 違う場所にワープしちゃうのかも!
絵名:いや、アニメじゃないんだから
奏:……でも、なんのためのドアなんだろう
瑞希:んー……わかんないけど、 出てきたってことはやっぱ意味があるんじゃない?
まふゆ:意味……
ルカ:……もしかしたら、またまふゆの心に変化があったら 何か変わるのかもしれないわね
ルカ:この場所ができて、ドアが現れたみたいに
まふゆ:変化が……
奏:……変わるのは、きっと…… すごく、怖いと思う
瑞希:……そうだね
瑞希:でも、ボク達も一緒だよ
絵名:ま、今更だけど。 あんたがいなくなるのは困るしね
奏:うん。——怖いことがあっても、一緒に受け止める
まふゆ:…………!
奏:だから、一緒に……変わっていこう
まふゆ:みんな……
まふゆ:……うん……
レン:……みんな、よかったね
ミク:うん。少しだけど……まふゆも、楽になったみたい
ルカ:少しずつだけど、進展しているみたいね
リン:……あ、ねえ。 湖のそば……何かある
ミク:え? あ……
MEIKO:……何かの双葉、みたいね
ルカ:湖ができたと思ったら、植物が生えるなんて。 これも想いの変化かしら
KAITO:……多少は、いい兆しが見えてるのかもな
ミク:……大きく、育つといいな
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