活动剧情
あっちこっち飼育員体験!
活动ID:115
第 1 话:飼育委員として!
宮益坂女子学園 中庭
みのり:ふう~っ……
みのり:よーしっ! これでピッカピカになったね!
志歩:小屋が綺麗になったから、ウサギ達も喜んでるみたいだね
志歩:ありがとう、みのり。 掃除の効率的な順番とかいろいろ教えてくれて
みのり:えへへ、どういたしまして!
みのり:ていうか、志歩ちゃんまだ慣れてないって言ってたのに、 すっごく手際よかったよ!
みのり:わたしなんて、初めて掃除した時は、 みんなのごはんひっくり返しちゃったり、 水で滑って転んだり……結構大変だったから
志歩:それは手際以前の問題だと思うけど
志歩:——って、そろそろ戻らなきゃ。 これから飼育委員の集まりがあるでしょ
みのり:あーっ、そうだった! 早く行かなくちゃ!
みのり:よく見たらもう時間ないし、急げ急げ~っ!
志歩:あっ……ちょっと、みのり! 集まる教室はあっちでしょ!
空き教室
教師:——ということで、活動報告は以上になります
教師:続いて、今月の連絡事項ですが…… 今日は少し特別なお知らせがあります
みのり:特別……ですか?
教師:はい。 配ったプリントの最後の項目を見てください
みのり:最後……
みのり:って、『お台場アニマルランド飼育員職業体験、参加者募集』!?
教師:『学生さん達に、飼育員としてお世話をする体験を通じて、 動物愛護精神を養ってもらいたい』——
教師:そういう趣旨で、 都内の高校を対象に参加者を募っているようです
2年生の生徒A:へえ、おもしろそう! 『お台場アニマルランド』って、たしか屋内動物園だったよね
2年生の生徒B:そうそう、珍しいよね。 アルマジロが人気だって、テレビで見た!
1年生の生徒:アルマジロかわいいですよね! 最近ペットとしても人気らしいですよ!
みのり:へえ、そうなんだ……!
みのり:楽しそうだなあ! 飼育員さんの体験なんてめったにできないし、 やってみたいかも……
みのり:ね、志歩ちゃん!
志歩:……まあ、興味なくはないけど
教師:参加希望者は、私まで声をかけてください。 今週末まで募集していますので
3年生の生徒A:うーん、できれば行きたいけど…… その日、塾のテストなんだよね……
3年生の生徒B:私も部活の大会ある日だ! 残念すぎる~!
みのり:(わたしも最近はお仕事たくさん入ってるし、難しいかなあ)
みのり:(えーっと、プリントには職業体験の日は 再来週の土曜日って——)
みのり:(あっ! この日ってたしか、元々入ってたお仕事が キャンセルになったんじゃなかったっけ)
みのり:(スケジュール、スケジュール……)
みのり:(——やっぱり、あいてる! これなら……)
みのり:ねえねえ、志歩ちゃんは職業体験の日、あいてる? もしあいてたら、わたしと——
志歩:いや、その日は自主練しようかなって思ってたんだ
みのり:え~~~っ!!!
みのり:で……でもでもでもでもっ! さっき『興味なくはない』って言ってたし、 ちょっと息抜きに行くとか……ダメかなっ!?
みのり:きっとかわいい動物いっぱいいるよ! ほら、アルマジロとか……、 アルマジロとか、いるって言ってたし!
志歩:……アルマジロしか知らないじゃん
みのり:と、とにかく……まだ自主練やるって決めてないなら、 考えていただけませんかっ!?
みのり:絶対楽しいし、小さい動物にも触れるよ、きっと!
志歩:……小さい動物に、触れる……
志歩:…………まあ……
志歩:最近ちょっと練習詰めてるし、 息抜きしてもいいかも……
みのり:やったやった~!! 志歩ちゃんと一緒に飼育員体験だ~っ!
みのり:——ってことで、先生先生っ! わたし達行きますっ、参加させてくださ~いっ!
2年生の生徒A:いいなー、私も行きたかった~!
3年生の生徒B:くっ、大会さえ被ってなければ……
教師:わかりました。 では、花里さん達のことは動物園にお返事しておきますね
教師:集合場所や時間など、 詳しいことはまた連絡するので待っていてください
みのり:ありがとうございます!
みのり:宮益坂女子学園の飼育委員の名に恥じぬよう、花里みのり—— バッチリ務めを果たしてまいりますっ!
みのり:——あっ、志歩ちゃんも、 きっとそのつもりですので!
志歩:……ちょっと。 変なことに巻き込まないで
教師:ふふ、それじゃあふたりとも、よろしくお願いしますね
教師:……では、今日の委員会はここまでですね。 皆さん、お疲れさまでした
みのり:お疲れさまでした!
第 2 话:当日に向けて
放課後
ステージのセカイ
みのり:と、いうことがありまして——
みのり:今度、志歩ちゃんと一緒に 動物園の飼育員体験に行くことになったんだ~!
雫:まあ、しぃちゃんと?
リン:いいないいな~! 飼育員さんになれるなんて、すっごく楽しそう!
レン:どんなことをやるのかは、もう決まってるの?
みのり:詳しいことは、その日に教えてもらえるみたいなんだけど…… 動物のいるスペースを掃除したり、 ごはんをあげたりできるらしいんだ!
ルカ:あら、素敵ね! 私も大きな動物に、ごはんをあげてみたいわ
KAITO:大きな動物か……。 キリンとかゾウと会えたら楽しそうだね!
みのり:うーん、どうなんだろ? 屋内だから、そんなに大きいのはいなそうだけど……
遥:でも、バクとかエミューはいるって 前にテレビで見たことあるよ
愛莉:へえ、そうなのね!
愛莉:普通に生活してて触れ合える動物じゃないし、 貴重な体験になりそうじゃない
みのり:うん! いつもはサモちゃんとか、 飼育小屋のウサギしか触ることないから、 すっごく楽しみなんだ~♪
遥:……その職業体験って、再来週の土曜日なんだっけ?
みのり:うん、そうだよ! ちょうどお仕事がキャンセルになった日だったから、 『行ける!』ってなったんだ!
遥:そっか……なるほどね
ミク:遥ちゃん?
遥:ふふ、みのりのお土産話、楽しみにしてるよ
みのり:えへへ、話だけじゃなくて 普通のお土産も買ってくるから待っててね!
愛莉:期待してるわよ!
MEIKO:楽しんできてね、みのりちゃん!
職業体験 当日
お台場アニマルランド
スタッフ:——さて、皆さんおそろいですね
スタッフ:本日は、職業体験にご参加いただきありがとうございます。 まずは私から、全体の流れを説明させていただきますので よろしくお願いいたします
学生達:『よろしくお願いします!』
みのり:つつつつついに始まったね、職業体験!
志歩:落ち着きなよ。 というか、他の学校の人も結構いるんだね
みのり:飼育員の体験なんてめったにできないし、人気なんじゃないかな? わたし達も来れてラッキーだったよね!
スタッフ:えー、それではまず、今回は学校ごとに 担当エリアを振り分けさせていただきましたので、 お手元の『職業体験のしおり』の2ページ目をご覧ください
志歩:……へえ、いろんな学校の名前が書いてある
みのり:上から五十音順みたいだね! えーっと、『宮益坂女子学園』は、『み』だから——
みのり:……あった! ハシビロコウとリスのいる 『草原地帯エリア』の担当だって!
志歩:……リス……
スタッフ:今回のプログラムは前半の部と後半の部があり、 前半の部では、担当エリアの動物達のお世話をしていただきます
スタッフ:そのあと、一度休憩を挟んでから 後半の部ではバックヤードの見学をしていただき、 終わり次第解散、という流れを予定しています
みのり:なるほど……!
スタッフ:では、さっそく前半の『動物のお世話』に 入ってもらいたいと思うのですが…… 移動する前に、もう少し詳しく内容を説明させてください
スタッフ:このあとやっていただく作業は、 『エサやり』と『各スペースの掃除』となります
志歩:エサやりと掃除……
スタッフ:エサやりでは、それぞれの動物が食べる量を量るところから 実践していただきたいと思っています
スタッフ:担当する動物によっては、 お肉を切ったりする必要があるかもしれません
志歩:へえ、そこまでやらせてもらえるんだ。 本当に『飼育員』って感じ
みのり:リスは木の実とか食べそうだけど…… ハシビロコウは何食べるんだろう?
みのり:大きい鳥だし、魚とかかな? ダチョウとかは、なんでも食べてる気がするけど……
志歩:まあ、そのへんはあとでわかるんじゃない?
スタッフ:エサが準備できたら実際に動物に与えていただき、 それが終わったら動物のいるスペースの掃除をして、 前半の部は終了となります
志歩:エサの準備と、エサやりと、掃除か……。 意外とやることあるね
みのり:ウサギ小屋の掃除でも、結構時間かかるもんね……
スタッフ:簡単ではありますが、 全体の流れの説明は以上となります
スタッフ:詳しい手順は各エリアの担当飼育員から伝えますので、 それぞれのエリアに移動をお願いいたします
みのり:よし……! ついにわたし達の飼育員としての第一歩が始まるんだね!
みのり:待っててね、リスちゃん、ハシビロコウちゃん! わたしが今日1日、みんなのお世話係になるからっ!!
志歩:ちょ、そんなに大声出したら——
学生達:ふふ、あの子張り切ってるね
学生達:……っていうか、あの子の顔、どっかで見たような……?
みのり:あ……
志歩:……ちょっと声抑えたら? みのりの場合、いろんな意味で目立つとマズいでしょ
みのり:た、たしかにそうかも……。 ありがとう、志歩ちゃん!
第 3 话:ドキドキ飼育員体験
数分後
草原地帯エリア バックヤード
みのり:はじめまして! 宮益坂女子学園から来ました、花里みのりですっ!
志歩:日野森志歩です
みのり:今日は飼育員体験をさせていただけるとのことで……、 よっ、よろしくお願いします!!
志歩:よろしくお願いします
中澤:はい、よろしくお願いします。 私は、この『草原地帯エリア』の 動物達のお世話をしている、飼育員の中澤です
中澤:今日1日おふたりと一緒に作業をしていきますので、 わからないことがあったら、なんでも聞いてくださいね
みのり:は、はい! ありがとうございます!
中澤:すでに確認されていると思いますが、 今日おふたりに担当していただく動物は、 ハシビロコウとリスになります
中澤:ではエサの計量から始めていこうと思うのですが…… まずは、ハシビロコウのほうからやっていきましょうか
みのり:でたっ、ハシビロコウ!
志歩:やっぱり、魚を食べるんですか?
中澤:ええ、動物園ではニジマスやコイをあげるんですが、 野生の子達はナマズやハイギョという魚を主食にしているんですよ
志歩:え……ナマズって、結構大きいよね
みのり:すごいなあ、そんな魚まるごと食べれるなんて……! わたし、3回くらいにわけないとたぶん無理だよ~!
志歩:そこ張りあうところじゃないでしょ
中澤:ふふ、驚きポイントはそれだけじゃないですよ。 実はハシビロコウは、ヘビやカエル、それに…… ワニの子供なんかも食べちゃいます
みのり:ワニの子供をっ!?
中澤:しかも歯がないので、丸のみしちゃうんですよ。 豪快で、おもしろい動物ですよね
志歩:……なんか、ハシビロコウのイメージ変わったかも
みのり:このあとのエサやり、大丈夫かな……!? わたしもパクっといかれちゃったりして……!
中澤:人間が食べられた報告はないので大丈夫ですよ。 それに、ハシビロコウはかなりおとなしい動物ですから
みのり:そ、そうなんですか……?
中澤:はい! ハシビロコウ——うちのハシビロくんの性格は、 きっとエサやりの時にわかってもらえると思いますよ
中澤:じゃあ、ニジマスの用意をしていきましょうか。 実は、ハシビロコウは他の動物達に比べたら そこまで食べる量は多くなくて——
みのり:最後の1匹をバケツにいれて——
みのり:よし、これで終わりだね! ハシビロくんのエサ、ちゃんと用意できたよ!
志歩:魚をバケツに移すだけだったし、 『よし』っていうほど大変な作業でもなかったけどね……
中澤:リスの食事の準備も特に大変な作業があるわけではないので、 このエリアの動物達は、エサやりに関しては比較的楽ですね
中澤:この先にコビトカバがいるんですが、 そっちの担当の子達は大変だと思いますよ。 15キロほどのエサを2~3回用意しなくちゃいけませんから
みのり:そ、そんなに食べるんですかっ!?
中澤:実はそれでも少ないほうなんです。 ゾウはその5倍くらいは食べますから
みのり:ひょえ~……! やっぱり体が大きいと、ごはんの量もモリモリなんだね!
志歩:こっちの担当でよかったかも
中澤:ただ、エサやりのあとの掃除に関しては、 どの動物が担当でも大変だと思うので覚悟しておいてください
みのり:は、はい! 掃除については飼育委員でもたくさんやってるので 少しは自信ありますっ!
志歩:広さは学校の飼育小屋と全然違うけどね
中澤:それは心強いですね! ……あ、そうだ、掃除に関してなんですが……
中澤:おふたりにはハシビロくんとリスの展示場を、 別々に掃除してもらいたいと思ってます
中澤:どっちを担当するかは、 ふたりで相談して決めてもらって大丈夫ですので、 好きなほうを選んでください
みのり:わ……!
みのり:どうする、志歩ちゃん!? わたしはどっちでも——
志歩:リスがいい
みのり:えっ?
志歩:リスの展示場がいい!
みのり:わ、わかった! じゃあ志歩ちゃんがリスで、わたしはハシビロくんね!
中澤:エサやりが終わるまでに決めてもらえばよかったんですけど…… すぐ決まりましたね
中澤:じゃあ、準備も終わったことだし、 まずはハシビロくんに会いに行きましょうか!
みのり:わあ……ついにハシビロくんに会えるんだ!
みのり:楽しみだねっ、志歩ちゃん!
志歩:……うん
ハシビロコウ 展示場
みのり:こ、この子が、ハシビロくん……
みのり:大きな鳥だなあって思ってたけど…… 近くで見ると、ホントにホントにおっきいね! わたしの肩くらいまであるよ!
志歩:……うん。 それに、なんだか——
ハシビロくん:………………
志歩:肝が据わってるって感じ。 私達が入ってきても、全然驚いたりしなかったし
みのり:ううっ、わたしなんか知らない人が楽屋に挨拶に来るだけで 『わ~~!!』ってなっちゃうのにっ!
志歩:いや、だからなんでそこ張りあおうとしてるわけ……
中澤:では、ハシビロくんと対面していただいたところで——
中澤:今日一番のお楽しみポイント! エサやりを、さっそくやっていきましょうか
みのり:つ、ついにハシビロくんのごはんタイム……!
志歩:どうやってあげるんですか?
中澤:直接手であげていきますよ! ニジマスを手に乗せて、 ハシビロくんの前に差し出してみてください
志歩:……手で直接あげるんだ
みのり:だだだだ大丈夫かな~!? ワニの子供食べるくらいだし、 指までパクッ!っていかれちゃうかも……!
中澤:そうなったとしても、この子には歯がないですし、 本気で噛みつかれたりしなければ大丈夫ですよ
中澤:ひとりずつやってもらおうと思いますが…… どっちからいきますか?
みのり:うっ……わたし……わたしは……
志歩:私からやる
みのり:し、志歩ちゃん!? 大丈夫なの!?
志歩:……すごくおとなしいし、きっと大丈夫。 それに、こんな経験めったにできないしね
中澤:ふふっ、わかりました! ……では勇気ある日野森さん、ニジマスをどうぞ!
志歩:ありがとうございます
志歩:……ふう
志歩:——はい、ハシビロくん。 ごはんだよ
ハシビロくん:………………
みのり:っ……!
ハシビロくん:………………
ハシビロくん:………………パクッ
みのり:わあっ……!
第 4 话:動じないハシビロくん
お台場アニマルランド
ハシビロコウ 展示場
みのり:し、志歩ちゃん……
みのり:——食べてるよ! ハシビロくん、志歩ちゃんがあげた魚食べてるよ~っ!
志歩:う、うん……食べてる……
中澤:上手にあげられましたね! ハシビロくんもすごく喜んでますよ!
志歩:……そのわりには、表情変わってない気がしますけど
志歩:でも、ちょっと……楽しいかも
みのり:志歩ちゃん……
みのり:はいはいっ、わたしもやりますっ!
志歩:そんなに主張しなくても、次はみのりの番だよ
中澤:じゃあ、花里さんも このニジマスを持っていってあげてください
みのり:ありがとうございます! いってまいります!
ハシビロくん:…………
みのり:——さあっ、ハシビロくん! お魚のおかわりをお持ちしました!
みのり:どうぞ、お食べくださいっ!
ハシビロくん:………………
みのり:……あれっ? お魚、見えてないのかな?
みのり:——どうぞどうぞ!! ごはんはここですよ、さあさあっ!!
ハシビロくん:………………。 ……………………
ハシビロくん:………………
みのり:……あれ~?
志歩:これって……
中澤:さっきの日野森さんの分で、 お腹いっぱいになっちゃったかな?
みのり:えーーっ!?
志歩:……もう1回あげてみようかな。 お腹いっぱいだったら食べないはずだけど——
ハシビロくん:パクッ
志歩:あ、食べた
みのり:なんで~~~~っ!?!?
みのり:お、お魚ならこっちにもありますよっ!? わたしのお魚もおいしいですよ~っ!?
ハシビロくん:………………
志歩:完全に無視されてるね
中澤:おかしいですね……。 いつもなら、もっと食べるはずなんですけど……
みのり:そ……
みのり:そんな~~~!!!
数十分後
シマリス 展示場
中澤:さて、以上で『草原地帯エリア』のエサやりはおしまいです! ふたりとも、お疲れさまでした!
みのり:お疲れさまでした~っ!
みのり:ふう~、ハシビロくんは全然食べてくれなかったけど、 リスはいっぱい木の実食べてくれてよかった~
みのり:小さい口でモグモグしててかわいかったよね、志歩ちゃん!
志歩:………………
みのり:志歩ちゃん? ……志歩ちゃ~ん?
志歩:あ……ごめん、ぼーっとしてた
志歩:私の手に乗って木の実を食べるリスを見てたら、 いろいろ考えちゃって……
志歩:今、人間の手のひらの上にいるの わかってるのかな、とか……
志歩:こんな……小さくて可愛いフォルムで 野生でどうやって生きていくのかな、とか、心配になって……
みのり:と……とりあえず、 志歩ちゃんが楽しめたみたいでよかったよ!
みのり:それで、え~っと……。 このあとは、お掃除するんでしたよね?
中澤:はい、飼育員体験としては、ここからが山場ですね! 結構体力を使うことになるので……
志歩:リスとハシビロくんの展示場を それぞれ掃除するんですよね。 ……具体的に、どんなことをやるんですか?
中澤:作業としては、そんなに難しくないですよ。 スペースの中を、デッキブラシで隅から隅まで ゴシゴシ擦っていくだけですね
みのり:それなら、いつもウサギ小屋でやってるのとおんなじだね!
みのり:じゃあ、さっそくやってこ~! 志歩ちゃんはリスのとこで——
みのり:……わたしは、ハシビロくんのとこだったよね……
志歩:なんでそんなに落ち込んでんの
みのり:だってだって! わたし、ハシビロくんに嫌われてるみたいなんだもん!
みのり:志歩ちゃんの魚は食べてくれたけど、 わたしのは最後まで食べてくれなかったし……
志歩:たまたまでしょ。 食べたいタイミングと合わなかっただけだよ
みのり:そうなのかな~!? でも、でも……!
志歩:……まあ、仮に嫌われてたとしても、 みのりなら大丈夫じゃない
志歩:誰かと仲良くなるのは、みのりの得意分野だし
みのり:わたしの……?
志歩:どんなにそっけなくされたって、 諦めずに突っ込んでいくでしょ
志歩:そのおかげで、私もみのりとこうしていられてるわけだし
みのり:志歩ちゃん……
志歩:まあ、だから……掃除しながらでも 様子見て近づいてみたりすればいい……と思う
みのり:うんっ!!
みのり:……そうだよね。 たしかに仲良くなろうって気持ちでぶつかっていかなきゃ ずっと嫌われたまんまだよね
みのり:それに、今は『宮益坂女子学園の飼育委員』っていう 仮の姿だけど、わたしの真の姿は MORE MORE JUMP!の花里みのり——
みのり:そう、わたしはアイドル! みんなと心を通わせて希望を届けるのがお仕事だから……
みのり:がんばりますっ! ハシビロくんに、希望を届けられるようにっ!
志歩:……わけわかんないテンションは気になるけど、 いいんじゃない
中澤:ふふ、気合い十分なようなので、 そろそろ掃除を始めましょうか
中澤:流れだけ軽く説明したら、 私は少し離れたところで作業していますので、 何かあったら呼んでください
みのり:わかりましたっ!
志歩:よろしくお願いします
第 5 话:思いがけない見学者
数十分後
ハシビロコウ 展示場
みのり:失礼しますっ! お部屋の掃除をさせていただきますっ!
ハシビロくん:………………
みのり:(ううっ……なんかやっぱり冷たい視線を 向けられてる気がするけど……めげちゃダメだよね!)
みのり:(掃除は、飼育委員で慣れてるし! ピッカピカにしてハシビロくんをびっくりさせちゃうんだから!)
みのり:まずは、水場だよね。 ここで水を飲んだりもするみたいだし、きれいにしなきゃ!
みのり:えーっと、まずは水を抜くんだっけ。 ここの栓を外して、っと……
ハシビロくん:………………
みのり:よし、このまま流しちゃう水を使って水場の中を洗おう! 水も節約できて一石二鳥だし!
みのり:あ、この場合、一石二ハシビロくんかな!? なんちゃって!
ハシビロくん:………………
みのり:う、さっきからすっごく見られてる気がする
みのり:それに、ちょっとずつ近づいてきてるような……
ハシビロくん:………………
みのり:……気のせいだよね! とりあえず、水場の掃除をどんどんやっちゃって——
ハシビロくん:………………
みのり:わあっ!?!? 突然お友達の距離感にっ!?
みのり:ななな、なんでしょうか! なんでツンツンするんでしょうか~!?!?
???:『まあ、とっても大きな鳥さんね』
みのり:えっ? この声って……
ルカ:『くちばしも立派ね。 私も、みのりちゃんみたいにツンツンされてみたいわ♪』
みのり:ルカちゃん! どうしてここに……
ルカ:『みのりちゃんが動物園に行くって話を聞いた時から、 どんな動物がいるのかしら~って、気になってたの』
ルカ:『だから…… つい、見に来ちゃった♪』
みのり:そ、そうだったんだ……!
みのり:今は飼育員さんも志歩ちゃんもいないからいいけど、 びっくりしちゃったよ!
ルカ:『ふたりがいないタイミングを狙ってたから安心して♪ 戻ってきたらまた隠れるわ』
ルカ:『それにしても…… ハシビロコウのハシビロさん……だったかしら?』
ルカ:『近くで見ると本当に大迫力で、食べられちゃいそうだわ』
みのり:今のルカちゃんはスマホから出てきてて小さいから、 ほんとにおっきく見えてそうだね
みのり:でも、聞いてたかもしれないけど、ホントにおとなしいんだよ! さっきはなぜかツンツンしてきてたけど…… ごはんあげた時は、すっごくじっとしてて!
ルカ:『そうみたいね。 私が出てきても、全然びっくりしてないし——』
ルカ:『これは、アイドルの素質があるわね』
みのり:ええっ、どういうこと!?
ルカ:『どんな歴戦のアイドルだって、 ステージにあがれば、少しは緊張するでしょう?』
ルカ:『でも、ハシビロさんは どんなステージでも、どっしりかまえていられる気がするの』
みのり:た、たしかに……! わたしも見習わなくちゃ……!
ルカ:『ふふっ、でもハシビロさんがアイドルになるには、 ちょっと笑顔がたりないかもしれないわね』
ハシビロくん:………………
みのり:……なんだろう。 何か言いたそうな顔してる気がするんだ
ルカ:『あら、ごめんなさい』
ルカ:『まだはじめましての挨拶もしていないのに、 こんなことを言うのは失礼だったわよね』
ルカ:『私は巡音ルカよ。こうして会えて嬉しいわ。 よろしくね、ハシビロさん』
ハシビロくん:…………、……
みのり:えっ……!?
みのり:い、今…… ハシビロくんもペコッておじぎしなかった?
ルカ:『たしかに…… そんな仕草をしているように見えたわ』
みのり:偶然……だよね? でも、それにしては——
中澤:花里さん、ハシビロくんと打ち解けたみたいですね!
みのり:えっ……えっと、打ち解けたっていうのは……?
中澤:ハシビロコウは、親愛の証におじぎをするんですよ! だから、仲良くなった人ならおじぎをすれば、 ちゃんと返してくれるんです
みのり:そ、そうだったんだ……! ハシビロコウって、そんなことするんですね……!
中澤:ふふ、おもしろいでしょう。 実は、他にも親愛を示す行動があるんですよ
中澤:きっと、ハシビロくんは、 花里さんが部屋を掃除してくれて、感謝してるんですね!
みのり:え……えへへ……。 でも、さっきのはわたし向けのおじぎじゃないっていうか、 なんていうか……
中澤:わたし向けじゃない?
みのり:あっ、えーっと、つまり偶然で……!
みのり:ほら、お魚もわたしのは食べてくれなかったので!
中澤:ああ、それについて考えてたんですけど…… ハシビロコウは結構慎重な動物なんですよ
中澤:なので、花里さんの魚を食べる時は、 『これ食べれるのかな』『どうしようかな』 『今食べていいのかな』ってたくさん考えてたんだと思います
みのり:そ、そうなんですか……?
中澤:はい。思えばあの時、花里さんは魚を振って動かしていたので、 より『どう食べようかな』って悩んでたんだと思います
みのり:(そういえば……志歩ちゃんは魚をスッて差し出したら、 そのまま動かしてなかったかも)
中澤:いずれにせよ今この子は、花里さんが ここを綺麗にしてくれてることに感謝してると思いますよ
中澤:試しに、またおじぎしてみてください。 きっと返してくれると思います
みのり:わたしに、おじぎを……
みのり:(うう、ホントかな……。 さっきはルカちゃんだから返したような気がするけど……)
みのり:(でもでも! もしかしたら、もしかするかもしれないし、わたしも——!)
みのり:わっ……わたしと仲良くしてくださいますかっ!?
中澤:ふふ、おじぎというより、礼って感じですね
ハシビロくん:………………
みのり:(うっ……やっぱり、わたしじゃ、ハシビロくんの心には……)
ハシビロくん:………………
ハシビロくん:…………、……
みのり:わあ…………!!!
草原地帯エリア
志歩:みのり、遅いな……
志歩:(ハシビロくんのスペースのほうが広いから、大変だったかな。 ……ちょっと押しつけるみたいになっちゃって悪かったかも)
志歩:(ハシビロくんも、警戒してるみたいだったし もしかして、あの大きなくちばしでつつかれてたりして——)
みのり:し~~ほ~~ちゃあ~~~ん!!
志歩:何があったの? ものすごく顔緩んでるけど……
みのり:えへへへ、わたしハシビロくんと、 す~~~っごく仲良くなったんだよ!
みのり:もう友達っていうか……、 そう、マブダチって感じなんだっ!
志歩:マブダチって……最近聞かなくない?
志歩:ま、仲良くなれたならよかったけど
みのり:うんっ! すっごく楽しかったよ!
みのり:志歩ちゃんのほうはどうだった? ちゃんと掃除できた?
志歩:うん。 みんないい子だったからやりやすかったし——
志歩:……すっごく、可愛かった
みのり:ふふっ、よかったね!
中澤:ふたりとも、ありがとうございました! おかげでどちらの展示場もピカピカになりました!
みのり:あ……中澤さん!
志歩:こちらこそ、丁寧に教えてくださってありがとうございました。 いろいろ勉強になりました
中澤:いえいえ。ふたりとも動物に好かれていて、 とても飼育員としての才能があると思いました
中澤:これで、飼育員体験の実践編は終了ですが、 よかったら、また手伝いにきてくださいね!
みのり:はいっ、ありがとうございます!
中澤:それではここでいったん休憩時間になります。 指定の時間に最初に説明を聞いた場所に集まってください
中澤:あ、休憩後はバックヤードの見学がメインとなりますので、 私服に着替えていただいて大丈夫ですよ
志歩:わかりました
みのり:中澤さん、ありがとうございました!
第 6 话:まぶしすぎるオーラ
お台場アニマルランド
みのり:は~、楽しかったね、飼育員体験!
志歩:うん。このあとのバックヤード見学も楽しみだな
みのり:そうだね! それに、休憩中に園内自由に見て回っていいなんて最高だよ~!
みのり:どこ行くどこ行くっ!? わたし、『サバンナエリア』が結構気になってるんだ!
志歩:たしかに、どんな動物がいるのか興味あるかも。 じゃあまずは、そこから——
みのり:えっ、ちょっと待って!!
志歩:……何、急に大声出して
みのり:あそこに立ってる女の子なんだけど……
みのり:あの、スラリとしたスタイルときれいな姿勢……
みのり:シンプルな服装なのに じんわりと滲み出る“普通じゃない”オーラ……
みのり:間違いないよ! あれは日々進化し続ける日本一のカリスマアイドル—— 遥ちゃんだよっ!
志歩:……いや、さすがにないでしょ。 たしかに背格好は似てるけど、そんな偶然——
一歌:おまたせ、遥! レジ並んでて時間かかっちゃって……
志歩:一歌!?
みのり:わっ、一歌ちゃんもいたんだ!
一歌:あっ……!
みのり:ふたりとも~! なんでここにいるの~!?
遥:みのり……! と、日野森さんも……
一歌:うーん……。 見つかっちゃったらしょうがないね
遥:ふたりが今日ここで職業体験するって聞いたから、 終わる頃に待ち伏せして、驚かせちゃおうって計画してたんだ
一歌:咲希も誘ったんだけど、用事があってこれなくて
みのり:そ、そうだったんだ……。 そんな計画してたなんて、全然気づかなかったよ!
遥:でも、失敗しちゃったな。 職業体験が終わるのが、こんなに早いなんて思わなかった
志歩:いや、実はまだ終わってないんだよね。 今は休憩時間で、園内自由に見てきていいよって言われてるだけで
一歌:え、そうなんだ
みのり:うん。 だから、時間になったら戻らなきゃいけないんだ
みのり:でも、それまでなら時間があるから、 休憩終わるまで、みんなで園内回ろうよ!
遥:そうだね。 せっかくだし、ふたりがいいならそうしたいな
一歌:もともと、ふたりが終わるまで 園内を回ってるつもりだったしね
みのり:よかった~!
みのり:それじゃ、行こ行こ!
みのり:は~! 『サバンナエリア』おもしろかったね!
遥:うん。サーバルとかカラカル、可愛かったな
一歌:あの子達って肉食獣なんだね。 モグラも食べるなんて……びっくりしたな
みのり:ねえねえ、次はどうする!? パンフレット見ると、近いのは『湿地帯エリア』みたいだよ!
みのり:魚とかカエルとか……それと鳥もいるみたい! 植物もいろいろ展示されてて——
お客さん達:わああああっ、出た~っ!
お客さん達:おおっ、すごい! 本当に走りまわってる!
みのり:な、何かあったのかな? 急にみんなザワザワし始めたけど——
みのり:えっ……どうしたの? みんな、そんなビックリした顔して
志歩:……いや、だって……
遥:みのり、足元……
みのり:足元……?
謎の生物:………………
みのり:ひょええええええ!? どどどど、どちらさまですか~~っ!?
常連のおばさま:あらあら…… マジロちゃんったら、また脱走しちゃったのね
みのり:だっ……脱走!?
常連のおばさま:ええ。マジロちゃんはよく自分の檻を抜け出して ひとりで園内をおさんぽしてるのよ
常連のおばさま:まあ、すぐに飼育員さんに見つかって 追いかけられちゃうんだけど…… その追いかけっこも、最近ここの名物になっているの
志歩:ここの名物…… 『マジロちゃん』……
2年生の生徒A:へえ、おもしろそう! 『お台場アニマルランド』って、たしか屋内動物園だったよね
2年生の生徒B:そうそう、珍しいよね。 アルマジロが人気だって、テレビで見た!
志歩:……そっか。 この子が人気の子なんだ
一歌:初めて見た……
遥:ねえ、いつも飼育員さんが追いかけにきてるってことは、 ここにいるって伝えたほうがいいんじゃないかな
みのり:そうだね! わたしも1日飼育員として見逃せないよっ!
みのり:……さあっマジロちゃん、おうちに帰ろう! わたしが抱っこしてあげるから、スタッフさんに——
マジロちゃん:…………!
みのり:あっ! マジロちゃん、逃げ——
みのり:わあああああっ!
一歌:わっ……みのり、大丈夫?
みのり:……う、うん。 それより……
みのり:今の走りかた、見たっ!? ちょこちょこちょこ~って走ってて、 すっごくかわいかったよね!!
志歩:いや、感動してる場合じゃないでしょ
志歩:……とりあえず、みのりと私であの子追いかけよう。 悪いんだけど、桐谷さんはスタッフに知らせてきてくれない?
遥:うん、任せて
一歌:え、えっと、私は……
みのり:じゃあ、一歌ちゃんは隊員で! わたし達の『マジロちゃん捕獲大作戦』手伝って!
一歌:捕獲大作戦……? それに、隊員って……
みのり:さあ、行くよっ!
一歌:わっ、ちょ、待って……!
みのり:はあっ……はあっ……
みのり:思ったより、すっごく足速い! 全然追いつけないよ!
志歩:それに結構人が多いから、視界も悪い……
一歌:うん。今はギリギリ見えるけど、 人のあいだに入っちゃうと、見えなく——……って
みのり:わあっ、ホントに見えなくなっちゃった! どこ行っちゃったの!?
一歌:さ、さっきまでこっちに向かって走ってたし、 まだ遠くには行ってないはずだけど……
???:『右の通路よ!』
みのり:…………!
一歌:え、右……?
一歌:あ、ホントだ! 向こうにいるよ!
志歩:……追いかけないと
みのり:(ふたりは、周りのお客さんの声だって 思ったみたいだけど、今のって……)
みのり:(やっぱり、ルカちゃんだったんだ!)
みのり:(……ルカちゃんも力になってくれるなら、百人力だよね!)
みのり:(『マジロちゃん捕獲大作戦』……絶対に成功させるぞ~!)
第 7 话:マジロちゃん捕獲大作戦
お台場アニマルランド
一歌:そっち行ったよ!
みのり:うん、追いかける!
お客さん達:ねえ、なんかあの子、見たことない?
お客さん達:うん。たしか、アイドルの子だったような……。 ……なんでマジロちゃん追いかけてるんだろう
志歩:……なんかみのり、 身バレしてるみたいだけど大丈夫なの?
みのり:大丈夫……じゃないけど、 今は飼育員の花里みのりとして マジロちゃん捕獲大作戦を優先しなきゃ!
一歌:あ……見て! 行き止まりだよ!
マジロちゃん:…………!
みのり:大チャ~~ンス!
みのり:——ふっふっふ。 こうなったら袋のネズミならぬ、袋のアルマジロだよ!
志歩:はあ……もう逃がさないからね
一歌:だ、大丈夫だよ。 怖いことしないから、じっとして——
マジロちゃん:…………!!
みのり:あっ、逃げちゃう!
志歩:一歌、前っ! 道塞いで!
一歌:う、うんっ…………!!
みのり:あ~~~っ、逃げられた~っ!
志歩:かすってたけど……惜しかったね。 やっぱり、すばしっこいな
一歌:…………
志歩:……一歌? どうかしたの?
一歌:……なんか、マジロちゃんの体……
一歌:ざらざらしてて……すごかった
志歩:だから、感動してる場合じゃないでしょ
みのり:はあ……はあ……
みのり:……あれから、結構走ってるけど……
みのり:マジロちゃん、全然捕まってくれないね……
志歩:っていうか、そろそろ園内1周したんじゃない? ……ほら、『草原地帯エリア』に戻ってきてる
一歌:本当だ……
ハシビロくん:…………
みのり:……なんだろう、ハシビロくんが 冷たい目でわたし達のこと見てるような……
みのり:もしかして、『まだ捕まえられないのか』って 呆れられちゃってるのかも……!?
志歩:仲良くなったんじゃなかったの?
遥:みんな、大丈夫?
みのり:あ、遥ちゃん!
一歌:スタッフさん達、呼んでこれた?
遥:うん。 捕まえるための網とかも持ってきてくれてるし、これできっと——
飼育員達:マジロちゃん、じっとしててくれよ~!
飼育員達:網、そっち持って! ……いや、そっちじゃなくて、こっちだって!
志歩:………………
志歩:……私達も、まだ協力したほうがよさそう
一歌:そうだね……って
飼育員達:あっ、マジロちゃん! そっち行かないで~!
みのり:……! マジロちゃんが、わたしのほうに……!?
志歩:みのりにまっすぐ向かってる……! 今なら捕まえられるんじゃない?
みのり:えっ、えっ!?
遥:みのりならいけるよ! タイミングあわせて、ブロックして!
みのり:た、たたたた、タイミングと言われましてもっ……!
ルカ:『みのりちゃん、私が合図を出すわ』
みのり:ルカちゃん……!
みのり:(そうだ、ルカちゃんにアシストしてもらえたら、きっと……!)
マジロちゃん:………………!
ルカ:『さあ……おいで、マジロちゃん……』
ルカ:『まだ遠いわね。 あと少し……もう少しだけ引きつけて……』
ルカ:『——今よ!』
みのり:え~~~~~~~いっ!!
一歌:あっ
志歩:避けられた……!?
みのり:うううう、タイミングはぴったりだったのに……!
遥:……なかなか手ごわいね。 スタッフさんも、もっと呼んできたほうが——
ハシビロくん:………………
一歌:えっ、今の何!?
みのり:じゅ、銃撃戦みたいな音が……
マジロちゃん:………………!?
志歩:(驚いてマジロちゃんの動きが止まってる……)
志歩:(今なら——!)
みのり:あっ、志歩ちゃん——
志歩:…………よし
志歩:捕まえた!
みのり:や……
みのり:やったよ志歩ちゃん!! すごいよ志歩ちゃん~~!!
お客さん達:おお~、追いかけてた女の子が捕まえた!
お客さん達:すごいわね! あんなすばしっこいアルマジロをつかまえるなんて
遥:お手柄だね、日野森さん
志歩:私だけの手柄じゃないけどね。 ……不思議な音のおかげもあるし
みのり:たしかに、さっきの音のおかげで マジロちゃんがびっくりして止まった感じだったよね
一歌:あの音……なんだったんだろう? すごく大きかったけど……
中澤:あれは、ハシビロくんの『クラッタリング』っていうものですね
みのり:中澤さん……!
中澤:ハシビロくんにはおじぎの他にも親愛の行動があるって、 さっき少しお話ししましたけど……
中澤:今の音も、そのひとつなんです。 ハシビロコウはあまり声を出さない代わりに、 くちばしを鳴らして挨拶するんですよ
みのり:挨拶……ってもしかして……
志歩:……みのりにしたんじゃない?
みのり:そ、そうなのかな!?
遥:へえ、みのり、あの子と仲良くなったの?
みのり:そ、それは…… わたしは友達だと思ってますけど……!
ハシビロくん:………………
みのり:本当に、わたしに挨拶してくれてたならありがとう! おかげでマジロちゃんを捕まえられたよ
ハシビロくん:………………
ハシビロくん:……、……
一歌:わ……! みのりにおじぎしてる……!
志歩:へえ……。 そんなに仲良くなってたんだ
みのり:うん——
みのり:ハシビロくんは、わたしの大親友ですからっ!
第 8 话:大活躍の飼育員!
数日後 始業前
宮益坂女子学園 屋上
愛莉:へえ、すごいじゃない。 みのり達のこと、本当にネットニュースになってるのね
愛莉:『MORE MORE JUMP!の花里みのりと桐谷遥、 脱走したアルマジロを見事な連携プレーで捕獲——』
愛莉:『園内ではその捕獲劇に拍手がわき起こった』 ……ですって
みのり:マジロちゃんを捕まえたのは、 わたしじゃなくて志歩ちゃんだけどね
遥:少し脚色されてるけど…… まあ、悪いこと書かれてなくてよかったかな
雫:そうね。職業体験も大成功だったみたいだし……
雫:そのあとも、とっても楽しかったって、 しぃちゃんが嬉しそうに話してたわ
愛莉:ふふ、よかったじゃない
みのり:うん! それにね、終わったあと遥ちゃん達と 休憩時間に見れなかったところを回ったんだ!
みのり:ふれあい広場にも行けたし…… 志歩ちゃん、かわいい動物に触れて嬉しそうだったなあ
遥:でも日野森さん、ふれあい広場を出る時は すごく寂しそうにしてたっけ
みのり:ロップイヤーの赤ちゃん、気に入ってたもんね……
みのり:そういえば、志歩ちゃんと遥ちゃん、 そのあとペンギンの話で盛り上がってたよね!
遥:日野森さんも、ペンギン好きだからね。 今度、また一緒にペンギンカフェ行こうねって約束したんだ
愛莉:ふふ、趣味の合う者同士、ゆっくり話せてよかったわね
雫:飼育員体験ができて、園内も楽しめて…… 本当に盛りだくさんの日だったのね
みのり:——あ、盛りだくさんといえば、 あの日ルカちゃんも来てくれてたんだよ!
遥:え、そうだったの?
みのり:うん。マジロちゃん捕まえる時も、 こっそり合図を送ってくれてたんだ!
みのり:……まあ、結局捕まえられなかったんだけど
ルカ:『仕方ないわ。 まさかマジロちゃんがジャンプをするとは思わなかったもの』
みのり:えっ?
ミク:『いいなあ、ルカちゃん。 わたしもマジロちゃんに会ってみたかったな』
リン:『そうだよ~! わたし達も誘ってくれたらよかったのに!』
みのり:ルカちゃんに……みんなも!
ルカ:『こんにちは、みのりちゃん。 また覗きに来ちゃったわ♪』
リン:『わたしも覗きに行けばよかったなあ~。 そうすれば、いろんな動物と会えたかもしれないのに……』
ルカ:『ごめんね、リンちゃん。 大勢で行くと、みのりちゃん達の邪魔になっちゃうかもと思って』
愛莉:それなら、今度はわたし達と一緒に行かない?
ミク:『えっ?』
雫:そうね。ふたりの話を聞いてたら、 私も行ってみたくなっちゃったわ
リン:『ホント!? じゃあ行こ! 今すぐ行こ~!』
KAITO:『さすがに今すぐは難しいと思うけど…… 僕も参加させてほしいな』
MEIKO:『大型の動物だけじゃなくて、小さいのもいるんでしょ? わたし、カエルを見てみたいのよね。 綺麗な柄の子とかいるって聞いたから!』
レン:『カエルを……? ……僕は、遠慮しておこうかな』
愛莉:ふふ、みんな興味津々ね。 じゃあ、日程は——
雫:あら、チャイムだわ
みのり:わわっ、今日って全校集会の日じゃなかったっけ!? 早く体育館行かなくちゃ!
リン:『え~、行っちゃうの!? 動物園の日決めたかったのになぁ』
レン:『リン、みんなを困らせたらダメだよ』
遥:ふふ、動物園は逃げないから大丈夫だよ。 またあとで話そう
KAITO:『それじゃあ、またセカイでね。 ……いってらっしゃい、みんな!』
みのり:うんっ、またね~!
体育館
校長先生:……というわけで本日は、 我が校出身の作家のお話をさせていただきました。 皆さんも興味が出たら、ぜひ彼女の作品を読んでみてください
みのり:(うーん……。 なんで校長先生の話って、眠くなっちゃうんだろう)
みのり:(ためになることを言ってるのはわかってるんだけど、 全然、頭に入ってこないよ~……)
教師:では次に、表彰の時間に移らせていただきます
教師:毎月学内で活躍した委員会や部活に贈られる賞の発表ですが……
教師:今日は外部からお礼状が届いているので、 紹介させていただきます
教師:……2年B組、日野森志歩さん。 2年D組、花里みのりさん、壇上にどうぞ
志歩:え……
みのり:にねん……はなさと……
みのり:——って、わ、わたしですかっ!?
志歩:(もしかして、飼育員体験のこと? とにかく——)
志歩:(早く壇上に行かなきゃ)
校長先生:……えー、ふたりには『お台場アニマルランド』より 職業体験のお礼状が届いております
校長先生:『先日の飼育員職業体験にて、 おふたりは与えられた仕事をこなすだけではなく——』
校長先生:『動物達に寄り添い、愛情をたっぷり注いで、 動物園の安全を守ってくれました』
みのり:安全……って
志歩:マジロちゃんの捕獲のことじゃない?
校長先生:『その功労とご厚意に、心より感謝の意を表します。 本当にありがとうございました』……とのことです。 よく頑張りましたね
みのり:あ……
みのり:ありがとうございますっ!
志歩:……まさか、こんなことになるなんてね
みのり:うん……でも、役に立てたみたいでよかったな。 わたしもハシビロくんと仲良くなれて、嬉しかったし——
みのり:志歩ちゃんも、リスに触れて『ほわ~』ってなって すっごく楽しそうだったもんね! これからも、飼育委員がんばろ~っ!
遥:あ……
愛莉:……ものすごく、マイクに拾われてるわね……
みのり:あっ……! えっと、ちょっと声大きかったかな……
志歩:べ……
志歩:別に、私はリスがどうとか関係ないから!!
みのり:ご、ごめんね志歩ちゃん~!