活动剧情
Take the Best Shot!
活动ID:120
第 1 话:あのチョコを渡すために
昼休み
宮益坂女子学園 2年A組
こはね:……ふう
こはね:(英語の予習、思ったより早く終わりそうだな。 残りの単語も急いで覚えちゃおう)
こはね:(……この単語、いろんな意味があるんだ。 どういう風に使い分けるんだろう……ちょっと調べてみようかな)
こはね:(あ……)
こはね:(チョコレートの広告だ……)
こはね:(……そっか。もうすぐバレンタインだもんね)
こはね:(忙しくて全然考えられてなかったけど…… 今年もみんなにチョコ渡したいな。 甘いもの食べたら練習の息抜きになるかもしれないし)
こはね:あ、このうさぎのチョコ、志歩ちゃんが好きそう。 こっちのお花のチョコはみのりちゃんが喜びそうかも
こはね:わ……このチョコレートボンボン、オシャレだな。 それに、すごく美味しそう……!
こはね:ブランドは……『クロレ・ショコラ』っていうんだ。 ……あれ? どこかで聞いたことがあるような……
こはね:あ……!
杏:ねえ見てこはね! この記事にのってるチョコすごくない?
こはね:え? これ、チョコレートなの? メイクパレットみたいだね
杏:そうなの! チョコとコスメのブランドが コラボして作ったんだって!
こはね:あ、本当だ……! チョコブランド『クロレ・ショコラ』と コスメブランド『コローレ・ミー』のコラボって書いてある
こはね:こっちはリップの中身がチョコになってるんだ。可愛いね
杏:でしょでしょ? こういうのってあんまり興味なかったけど、 これは可愛いな~って思ったんだよね
杏:しかもここのチョコ、美味しいって有名らしいんだ
杏:1回食べてみたいな~。 あ、でもこんな可愛かったらもったいなくて飾っちゃうかも
こはね:『クロレ・ショコラ』って、あの時杏ちゃんが 話してたチョコブランドだ……!
こはね:まだコラボチョコ売ってるかな? えっと、ホームページは……
こはね:あ……
こはね:もう、完売しちゃってる……
こはね:(そっか……。有名なブランドのコラボみたいだし、 欲しい人はたくさんいるよね)
こはね:(うう……もっと早く調べてればよかった)
こはね:(残念だけど、他のチョコを探すしかないかな……)
放課後
こはね:(——よし、今日も練習頑張ろう)
こはね:(でも、まだ待ち合わせには早いから 今日出るイベントについて調べておこうかな)
生徒A:——あれ? 石井、なんか今日メイク気合い入ってない?
生徒B:しーっ! 先生には内緒にしてね!
生徒B:実は、今からフォトコンテストに出す写真を撮ろうと思ってて。 さっきこっそり直してきたんだ!
生徒A:フォトコンテスト?
生徒B:うん! 入賞賞品がすっごく豪華でさ!
生徒B:ほら、見て! なんと——『クロレ・ショコラ』と『コローレ・ミー』の コラボチョコがもらえるの!
こはね:えっ……?
生徒A:わ、このチョコ、コスメみたいでめっちゃ可愛い! しかも、『コローレ・ミー』のコラボコスメもついてくるじゃん!
生徒B:そうそう! 他にも、各ブランドの看板商品までついてくるんだよ!
生徒A:へ~、私も応募してみようかな
こはね:(……聞き間違えじゃないよね? 『クロレ・ショコラ』のコラボチョコがもらえるって……)
こはね:(し、調べてみよう……!)
こはね:(あ……これだ! 本当に、コラボチョコとコスメが コンテストの賞品になってる……)
こはね:(じゃあ、これで入賞すれば 杏ちゃんにあのチョコを渡せるんだ……)
こはね:(帰ったら、もっと詳しく見てみよう……!)
数時間後
こはねの部屋
こはね:えっと、フォトコンテストのルールは……
こはね:『参加者は“コローレ・ミー”のコスメを使ってメイクし、 写真を撮って専用サイトにアップしてください』
こはね:『順位は一般投票で決まります。 上位入賞者には、豪華賞品をプレゼント!』、か……
こはね:(メイクして、自分の写真をサイトに……。 うう、それはちょっと恥ずかしいな……)
こはね:(それに、メイクってほとんどやったことないし、 写真を撮るのは好きだけど、自分の写真は……)
こはね:……ううん
こはね:メイク道具は持ってないから…… 写真だけでも、ちょっと練習してみようかな
こはね:(えっと……一眼レフを使ってもいいけど、 近い距離で自撮りするならスマホのほうがやりやすいかも)
こはね:えっと、人差し指と小指でスマホを持って 親指でシャッターを——
こはね:あ、あれ……? 押そうとすると、手元がブレちゃう……
こはね:……うう、指がつりそう……!
こはね:(あ……シャッターを押すのに集中しすぎて、 全然カメラ目線になってないや……)
こはね:(次はちゃんと、カメラを見て——)
こはね:(……今度は、カメラは見れてるけど表情が硬いな……)
こはね:(笑顔、笑顔……)
こはね:うう……すごく引きつっちゃってる……
こはね:(で、でも、杏ちゃんのために頑張らないと……!)
こはね:(そうだ。次はタイマーを使って撮ってみよう……!)
こはね:はあ……
こはね:(角度をつけてみたり、ポーズをとってみたりしたけど、 やっぱりうまくいかないな……)
こはね:(なかなかカメラに目線を合わせられないし、 笑顔もぎこちない……)
こはね:……やっぱり、私には難しいのかな……?
第 2 话:チーム結成!
翌日
crase cafe
こはね:こんにちは
MEIKO:いらっしゃい、こはねちゃん
MEIKO:練習お疲れさま。 今日はすごく根詰めてたみたいね
こはね:はい。気になるところを練習してたら、 いつの間にか時間が経っちゃってて……
MEIKO:それじゃあ、疲れを癒やすのにぴったりの 新作ドリンクがあるんだけど、よかったら試してみない?
こはね:わ……いいんですか?
ルカ:メイコ~! やってるー?
MEIKO:何言ってるの。 この時間はいつもやってるでしょ
KAITO:そうじゃなくて、あれだよあれ! 新作ドリンク!
MEIKO:え、どうして知ってるの? 新作のこと、まだ話してなかったはずだけど……
KAITO:メイコ、最近いろいろ試してるみたいだったからさ。 そろそろ完成してるかな~って思って!
ルカ:たまたま冬弥くんも来てたから、一緒に様子見に来たんだ~!
MEIKO:そういうことね。 まったく、こういう鼻はいいんだから
MEIKO:——はい、新ドリンクのチョコレートスペシャルよ
こはね:わあ、美味しそう……! クリームとチョコチップのトッピングも可愛いな
MEIKO:冬弥くんのは、甘さ控えめにしてあるからね
冬弥:ありがとうございます。 ……カカオのいい香りがして、とても落ち着きますね
MEIKO:もうすぐバレンタインだから、 チョコレートを使ったコーヒーにしてみたの
こはね:あ……
こはね:(……杏ちゃんへのチョコ、 結局どうするか決められてないな……)
冬弥:バレンタイン……もう、そんな時期なんですね
ルカ:美味しいものが増える時期だよね~♪ この新作ドリンクも最高!
MEIKO:はいはい、喜んでもらえてよかったわ
MEIKO:そうだ、こはねちゃんは 今年もみんなにチョコを渡すの?
こはね:はい、そのつもりです。 杏ちゃん達と、友達と、セカイのみんなと……
KAITO:え、ボク達にもくれるの? 楽しみだな~
ルカ:チョコはもうどんなのか、決まってたりするの?
こはね:はい。みんなの分はもう選び終わってます
こはね:……でも……
冬弥:小豆沢?
MEIKO:何かあったの?
こはね:あ、えっと……。 実は——
KAITO:なるほど……杏ちゃんに贈りたいチョコが、 フォトコンテストの賞品になってるんだね
冬弥:『クロレ・ショコラ』か……。 そこのチョコレートはとても美味しいらしいな。 前に彰人が話していた
ルカ:それに、これすっごく可愛いね! 杏ちゃんにあげたくなるのわかるな~
こはね:はい。でも、試しに自分で写真を撮ってみたんですけど、 うまくできなくて……
冬弥:そうなのか? 小豆沢は写真を撮るのが得意だと思っていたが……
こはね:誰かを撮るのは好きなんだけど、 撮られる側になるのは、ちょっと苦手なんだ
冬弥:そうだったのか……
こはね:うん……。だから、私には難しいのかなって思っちゃって
ルカ:んー……
ルカ:ねえ、こはねちゃん! それってさ、自分の写真じゃないとダメなの?
こはね:え? あ……自撮りをアップしてる人が多かったけど、 そういう決まりはなかったと思います
ルカ:じゃあ、誰かにモデルになってもらえばいいんじゃない? そうすれば、こはねちゃんは写真を撮るのに専念できるし!
KAITO:たしかに、そのほうがこはねちゃんの特技を活かせていいかもね
MEIKO:でも、モデルなんてそう簡単に見つかるかしら?
ルカ:——そうだ! 冬弥くんにお願いすればいいんじゃない!?
こはね:えっ?
冬弥:俺、ですか?
KAITO:いいね! 冬弥くんかっこいいし、写真映えしそう!
ルカ:でしょ? モデルをする機会なんてなかなかないから、 いい経験になるかもしれないし!
冬弥:…………
冬弥:小豆沢の力になりたいとは思うが…… メイクはしたことがないし、写真を撮られるのも 慣れていないからな。俺に務まるだろうか……
こはね:あ……
こはね:わ、私は青柳くんが協力してくれたら すごく嬉しいなって思うよ
こはね:メイクは……私も慣れてないけど、 青柳くんに似合うメイクができるように、勉強してみる。 だから……お願いできないかな?
冬弥:そうか……。 小豆沢がそう言ってくれるのなら、協力しよう
こはね:……!
こはね:ありがとう、青柳くん! でも、本当にいいの?
冬弥:ああ
冬弥:代わりと言ってはなんだが……よければ、 賞品のチョコレートを少し譲ってもらえないだろうか?
冬弥:彰人がまた食べたいと言っていたのを思い出してな
こはね:あ……うん! じゃあ、入賞したら看板商品のチョコレートボンボンも もらえるみたいだから、そっちは東雲くんにプレゼントしよう
ルカ:おー、チーム結成だね!
KAITO:頑張ってね、ふたりとも!
こはね・冬弥:『はい!』
こはね:(メイクはあんまりしたことがないし、不安もあるけど……)
こはね:(協力してくれる青柳くんのためにも、 杏ちゃんと東雲くんに美味しいチョコを プレゼントできるように——)
こはね:(全力で頑張ろう……!)
冬弥:撮影はいつがいいだろうか? 投稿の締め切りにもよるだろうが……
こはね:えっと……締め切りは来週の土曜日みたい
こはね:でも、メイクとか撮影場所とか いろいろ考えなくちゃいけないことはあるし、 来週は練習がないの土曜日だけだから……
冬弥:……ギリギリになってしまうが、 締め切り当日に撮影するしかなさそうだな
冬弥:では、俺もいろいろと調べておこう
こはね:うん! 一緒に頑張ろうね!
絵名の部屋
絵名:——よし、注文完了っと!
絵名:……このチョコ、まだ残っててよかった。 自分でも食べてみたいって思ってたやつだし
絵名:それにしても瑞希ってば、 いきなりセカイでバレンタインパーティーしたいって 言い出すなんて……
絵名:まあ、いろんなチョコが食べれるのは嬉しいし、 ネットで買えちゃったからいいけど
絵名:それにしても……
絵名:『コローレ・ミー』と『クロレ・ショコラ』のコラボコスメ、 欲しかったなあ……
絵名:競争率高いとは思ってたけど、あそこまで瞬殺なんて
絵名:チョコレート柄のアイシャドウとか、 ハート型のチークとか、絶対映えたのに……
絵名:……ん?
絵名:フォトコンテスト——?
第 3 话:頼りになる助っ人
数日後
宮益坂女子学園 2年A組
教師:——では、今日はここまでにします。 次は宿題の解説から入るから、ちゃんとやってきてくださいね
こはね:(……メイクする時は、 まず肌を整えて、そのあとベースメイクをして……)
こはね:(えっ……。 下地、ファンデーション、コンシーラー…… ベースメイクだけでもこんなにやることがあるんだ)
こはね:(休み時間で勉強しようと思ったけど、結構大変そうだな……)
こはね:(でも、せっかく青柳くんが協力してくれるんだし、 撮影までにひとつずつ覚えていこう……!)
遥:——こはね、今大丈夫?
こはね:え……遥ちゃん? どうしたの?
遥:急にごめんね。 借りてたノートを返しに来たんだ
こはね:あ……そっか。わざわざありがとう
遥:ううん、こちらこそ。 すごく綺麗にまとめられてて助かったよ
遥:おかげで、仕事で出られなかった授業の分も挽回できそう
こはね:ふふ、よかった
遥:そういえば——さっき、すごく真剣に読んでたのって……
遥:……メイク雑誌?
こはね:あっ、えっと、これは……
遥:あ、ごめん。 こはね、いつもはメイクしてないからちょっと意外で
こはね:う、ううん。大丈夫だよ
こはね:その……ちょっと事情があって、 ちゃんとメイクできるようになりたくて……
遥:……そっか。 そのフォトコンテストに応募するために、 メイクの勉強をしてたんだね
こはね:うん、私が青柳くんにメイクすることになったんだけど……
こはね:そろえるものも多いし、塗るのも難しそうだから、 ちゃんとできるかちょっと不安なんだ
遥:そうだったんだ……
こはね:でも、杏ちゃん達のために…… それに、手伝ってくれる青柳くんのためにも、 頑張って勉強しなきゃ……!
遥:そのコンテスト、よかったら手伝おうか?
こはね:えっ?
遥:メイクなら昔スタイリストさんに習ったから、教えられると思うよ
遥:それに、ポージングも撮影のために勉強してるから、 ちょっとはアドバイスできると思うしね
こはね:え…………ええっ!?
こはね:すっごく心強いけど……。 でも、いいの? お仕事で忙しいんじゃ……
遥:さっきこはね、土曜日に写真を撮るって言ってたよね?
遥:その日はちょうどオフだから、大丈夫だよ。 最近マネージャーがついてくれたおかげで、 スケジュールに少し余裕が出てきたんだ
こはね:そうなんだ……
こはね:……じゃあ、お願いしてもいいかな? ごめんね、せっかくのお休みなのに
遥:いいよ。こはねには、こんな風にノート貸してもらったり、 いつも助けてもらってるから。 たまにはお返しさせて?
こはね:遥ちゃん……
こはね:ありがとう……! 協力してもらう分、私ももっと頑張るね
撮影当日
ショッピングモール
こはね:……あ! 遥ちゃん、こっちだよ!
遥:こはね! それと……青柳くん、でしたっけ
冬弥:はい、お久しぶりです。 俺は、モデルに関してはまったく経験が無いので…… 桐谷さんが来てくれてとても心強いです
冬弥:今日は、よろしくお願いします
遥:こちらこそ。 力になれるように頑張りますね
遥:それじゃあ……まずは、 コンテストについておさらいさせてもらってもいいかな?
冬弥:そうだな。俺も確認しておきたい
こはね:うん! 今、サイトの説明を読むね
こはね:えっと…… 『参加者は“コローレ・ミー”のコスメでメイクを施した写真を 専用サイトに投稿してください』……
こはね:あ……他の会社のコスメも使っていいみたいだけど、 アイシャドウとかリップは必ず“コローレ・ミー”のを 使わないといけないんだって
遥:なるほどね。そのあたりは、 あとでコスメを選ぶ時に詳しく確認しようか
こはね:うん。じゃあ、続きを読むね。 『メイクのテーマは“バレンタイン”です』……
冬弥:バレンタイン……? メイクでバレンタインを表現するということか?
遥:多分、いわゆる『バレンタインメイク』をしてくださいって ことだと思います
遥:ビターチョコをイメージした ちょっと大人っぽいメイクとか、 甘さを意識したピンク系のメイクが多いかな
遥:どんな雰囲気でまとめるかは、 あとで実際にコスメを見ながら考えようか
こはね:う、うん……!
冬弥:流石、プロの方だな。頼りになります
遥:メイクのプロってわけじゃないから、 基礎的なことしか言えないですけどね
遥:それでこはね、さっきの続きは?
こはね:あ、えっと……『写真は3枚まで投稿でき、 最終的な順位は“いいね”の合計数で決まります』
こはね:『投票者が“いいね”を押せるのは5回までですが、 もっといいなと思う写真が見つかれば、 押し直すこともできます』、だって
冬弥:……ふむ。こういったものは、 早く写真を投稿したほうが有利になると思っていたが……
冬弥:投票し直せるルールなら、 時間をかけてでもクオリティの高い写真を 撮ったほうがよさそうだな
遥:そうですね。 焦らずに、時間をたっぷり使っていきましょう
遥:締め切りはいつなんだっけ
こはね:えっと……写真投稿の締め切りが今日の17時で、 投票の締め切りが21時だよ
こはね:その時点での“いいね”の獲得数で順位が決まるんだって
冬弥:なるほど……では、今日中に結果が出るんだな
こはね:うん……! 入賞は10位までだから、頑張ろう……!
遥:それじゃあ、時間もないしさっそく始めようか。 まずはコスメをそろえないとね
遥:ここの化粧品フロアは男女兼用のパウダールームもあるから、 そこでメイクまで終わらせちゃおう
こはね:うんっ!
化粧品コーナー
遥:えっと……『コローレ・ミー』のコスメはこの辺かな
冬弥:……! これは、すごいな……
こはね:どうしたの? 青柳くん
冬弥:あ……いや。遠目には見たことがあったが、 実際にこういった場所に入るのは初めてで、驚いてしまった
冬弥:化粧品には本当にいろいろな種類があるんだな。 ペンのような形のものだけで かなりのバリエーションがあるようだが、なぜこんなに……
遥:ふふ、たしかに最初はびっくりしますよね
遥:実はこれ、見た目は似てるけどそれぞれ使いかたが違うんです。 眉毛を描く用だったり、アイラインを引く用だったり
遥:あとは、『リキッド』とか『ジェル』とか、 素材によって描き心地が違ったりもするんですけど…… そのあたりは選びながら説明しますね
冬弥:なるほど……
こはね:あ……遥ちゃん。 このアイシャドウパレット、バレンタイン限定の色みたいだよ
遥:本当だ。チョコレートみたいな色で可愛いな。 バレンタインメイクにもぴったりだし、 今回はこれを使ってみようか
冬弥:ブラウン系とオレンジ系の2色があるのか。 しかし、どうやって選べば……
遥:そうだね……。青柳くんはクールな印象があるから、 ブラウン系でビターチョコレートっぽい雰囲気に まとめるといいかもしれないですね
遥:肌色的にも、落ち着いた色のほうが似合いそうですし
冬弥:肌の色……そういったことまで考える必要があるのか。 やはり、お詳しいですね
遥:ふふ、仕事柄勉強しているので。 役に立ってよかったです
遥:それじゃあ、残りのコスメも選ぼうか
パウダールーム
こはね:必要なものは全部買えてる、かな……
遥:うん、じゃあさっそくメイクしていこう
冬弥:——すみません、それなんですが……
冬弥:もしよければ、自分でやらせてもらってもいいですか
遥:え?
冬弥:うまくできるかはわかりませんが…… こういう経験は初めてですし、できればやってみたいなと
遥:もちろんいいですよ じゃあ、私がお手本を見せるので 真似してやってみてください
冬弥:はい。よろしくお願いします
遥:……うん。 アイシャドウ、綺麗なグラデーションになってますね
冬弥:本当ですか? よかったです
こはね:すごい……アイシャドウを入れるだけでも、 こんなに印象が変わるんだ
遥:影が入ると、立体感が出て目元がはっきりするからね。 アイラインを引くと、もっとメリハリがつくと思うよ
冬弥:アイライン……たしか、 まつ毛の生え際や目尻に線を引くんでしたね。 俺にできるだろうか……
遥:ジェルタイプのペンは失敗しにくいので、 そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。 簡単な引きかたもあって——
遥:最後に、ブラシで取ったリップを薄く塗って完成です
冬弥:はい——
冬弥:……これで、どうでしょうか
遥:うん、いい感じですね!
冬弥:で、できた……
こはね:お疲れさま、青柳くん!
冬弥:ああ……。 メイクとは、想像以上に神経を使うんだな
遥:細かい作業も多いですからね。 でも、初めてなのにすごく綺麗に仕上がってると思いますよ
冬弥:桐谷さんが教えてくれたおかげです。 本当に、ありがとうございました
遥:ふふ、どういたしまして
遥:それじゃあ……次はいよいよ撮影だね
こはね:うん……!
こはね:(遥ちゃん、すごいな……)
こはね:(バレンタインっていうテーマに合ってるだけじゃなくて、 青柳くんに似合ってるメイクを考えてくれて……)
こはね:(それに、青柳くんのメイクも すごく完成度が高く仕上がってる)
こはね:(ふたりが頑張ってくれた分、 私もいい写真を撮れるように頑張ろう……!)
冬弥:撮影場所は、小豆沢が考えてくれているんだったな
こはね:うん! いくつか候補があるんだけど、このメイクに合わせるなら——
第 4 话:衝撃の1枚
神山通り
冬弥:——ここが、最初の撮影場所か
遥:……なんだか、普通の道に見えるけど どうしてここにしたの?
こはね:えっと、今回の青柳くんのメイクは ビターチョコをイメージした クールで落ち着いた感じのメイクだよね
こはね:だから、その『大人っぽいかっこよさ』が強調されるように 撮りたいなって思ってるんだ
遥:『大人っぽいかっこよさ』か……
こはね:うん。この路地は落ち着いた雰囲気があるから、 イメージどおりの写真を撮れると思って
こはね:それに、この時間だと……あ、あそこ!
こはね:あの壁に光があたって、すごくオシャレなんだ
冬弥:なるほど……。 流石、小豆沢はよく考えているな
こはね:えへへ……ありがとう
遥:コンセプトもいいね。 サイトを見た感じ、可愛らしさをアピールしてる 写真が多かったから差別化できそう
冬弥:では、ポーズも『大人っぽいかっこよさ』を表現できる ものにしたほうがよさそうだな
冬弥:雑誌で見たものなんだが……こんな感じでどうだろうか
こはね:あ……私はいいと思うな。 なんとなく余裕を感じられるっていうか……
遥:うん、路地の雰囲気にも合ってる
遥:ただ……もう少しメイクに視線を誘導できるポーズに したほうがいいかもしれません。 例えば、顔の近く……口元に手を添えてみるとか
冬弥:口元、となると……
こはね:あ……
こはね:すごい……ちょっと手を添えただけなのに、 自然と顔に目がいくようになったよ
冬弥:本当か? よかった……
遥:ポーズはバッチリだし、 あとはカメラマンにお任せかな
こはね:そ、そうだね……!
こはね:じゃあ、撮るよ
こはね:(えっと……光は、メイクが見えるように 正面から当てたほうがいいかな)
こはね:(あ……でも、サイドから当てて 片側だけはっきり見えるようにしてもいいかも)
こはね:(……うん、影がかかって雰囲気が出てるし、 このアングルでいこう)
こはね:(構図は……いったん、青柳くんが中央に来るように……)
こはね:(……うん。メイクに目がいきやすいし、よさそうだな)
こはね:(次は、背景をボケさせて——)
こはね:(あ……全体が柔らかい印象になりすぎちゃったかも。 『かっこよさ』を出すなら、もう少しはっきりめに撮ろう)
こはね:——うん、イメージどおりに撮れた……!
こはね:青柳くん、チェックするからちょっと待ってて
冬弥:わかった
遥:……こはね、なんだかかっこいいね
こはね:えっ!? か、かっこいい……?
遥:うん、プロのカメラマンさんみたいでびっくりしちゃった。 さっき細かく調節してたのって、どんな意味があるの?
こはね:えっと……レンズに入る光の量を調整して、 背景にボケを入れてたんだ
こはね:さっきは2枚目と3枚目に入れてみたんだけど…… こんな風に、ボケ具合も変えられるんだよ
遥:本当だ……。 カメラ、すごく詳しいんだね
こはね:えへへ。お父さんが好きだから、 その影響で……
こはね:じゃあ……次は、別の角度から撮ってみようかな。 青柳くん、こっちに目線をもらってもいい?
冬弥:ああ
こはね:……うん、簡単にだけどレタッチ終わったよ!
冬弥:これは……すごいな、全体が鮮やかな色になっている
遥:うん。加工前よりパキッとしてて、コンセプトどおり 『大人っぽいかっこよさ』がよく出てるって思うよ
こはね:ふふ、よかった。 それじゃあ、さっそく写真をサイトに投稿してみるね
こはね:……どんな反応が来るか、楽しみだな
カフェ
愛莉:わ~、この抹茶パフェ、白玉が猫の顔になってるじゃない!
雫:私のあんみつは、うさぎさんの白玉が乗ってるわ。 とっても可愛いわね♪
絵名:でしょ? ふたりともこういうの好きそうだから、 一緒に来たかったんだよね
愛莉:ふふ、今日は誘ってくれてありがとうね、絵名
愛莉:それじゃ、さっそくいただきましょうか!
絵名:あ、ちょっと待って! こんなに映えるんだから、食べる前に写真を——
絵名:(あ……フォトコンテストのサイト、開きっぱなしだった)
絵名:(今の順位は……10位か。 ふふ、ギリギリだけど入賞できそうじゃん)
愛莉:あら? なんだか機嫌良さそうじゃない
雫:何かいいことでもあったの?
絵名:まあ、ちょっとね
絵名:実は今、『バレンタインフォトコンテスト』 っていうのに参加してるんだ
愛莉:フォトコンテスト?
絵名:そ。このサイトにメイクした写真をアップして、 『いいね』の数で順位を競うの
絵名:賞品のコスメが欲しかったから 試しに1枚アップしてみたんだけど、 それが思ったより伸びてて
愛莉:え、すごいじゃない! その写真、見てもいい?
絵名:うん。これなんだけど
雫:まあ……! とっても可愛いわね!
愛莉:流石、表情作るのうまいわね。 メイクも似合ってるし……特にこのピンクブラウンのリップとか、 絵名にぴったりだわ
絵名:ふふ、ありがと。 私もこの写真、まあまあ気に入ってるんだ
雫:あら? この、写真の上に書いてある数字は何かしら?
絵名:それは今の順位。 10位までに入ると賞品をもらえるの
絵名:3枚まで投稿できるから、 構図とかこだわればもっと上にいけそうだけど…… 今のままでも入賞できそうだし、このくらいでいいかなって
愛莉:なるほどね……あら? でも、絵名の写真11位になってるわよ
絵名:えっ!? 嘘っ?
絵名:……本当だ。さっき見た時は10位だったのに
絵名:(一体、どんな写真に抜かされて……)
絵名:——はぁっ!?
愛莉:ちょっと、どうしたのよ
絵名:み、見てこの写真!
愛莉:……えっ、これって——
愛莉:もしかして、冬弥くん!?
雫:まあ、本当ね
絵名:しかも10位って……。 ていうか、なんで冬弥くんが参加してるわけ!?
愛莉:事情はわからないけど……。 これは、上位に入るのも納得ね
愛莉:冬弥くんに似合うメイクができてるし、 写真の角度や光源にもこだわりを感じるわ
雫:ポージングも、とっても上手よね。 どこを一番見てほしいのか ちゃんと考えられている感じがするし
絵名:……たしかに。 びっくりしてちゃんと見れてなかったけど、 かなりクオリティ高いかも……
絵名:でも、冬弥くんがこういうの得意なんて聞いたことないし…… プロに頼んでるとか?
雫:わからないけど……このままじゃ、10位に入るのは……
絵名:……っ!
絵名:(そうだ、入賞できなくなっちゃう! 賞品のコラボコスメ、可愛いし映えそうだから 欲しかったのに……!)
愛莉:ねえ、絵名。 まさか、ここで終わるつもりじゃないわよね?
絵名:え……?
愛莉:負けっぱなしなんて、アンタらしくないじゃない
絵名:……当然! 本気出せば、私だってもっと伸びる写真撮れるんだから!
絵名:冬弥くんよりいい写真撮って、絶対賞品を手に入れてやる!
愛莉:ふふ、そうこなくっちゃ!
愛莉:それじゃ、わたしも協力するわ!
絵名:えっ、愛莉が?
愛莉:ええ、親友のピンチは見逃せないもの。 それに、いい写真を見てアイドル魂に火がついちゃったわ
雫:私も協力させてほしいわ。 ポージングのことなら、少しはアドバイスできると思うから
絵名:ふたりとも……! ありがとう!
愛莉:そうと決まれば、さっそく作戦会議よ! まずはメイクね
絵名:あ、テーマは『バレンタイン』だから、甘い感じがいいかも。 新色のモーヴピンクのリップ使ったり……
愛莉:いいわね! リップがその色なら、アイシャドウは——
第 5 话:ライバル出現!
1時間後
乃々木公園
こはね:わ……! さっき投稿した写真、10位になってる……!
こはね:それに、みんなコメントで『かっこいい』って 褒めてくれてるね!
冬弥:なんだかくすぐったい気もするが…… 小豆沢や桐谷さんのおかげだな
遥:ふふ、みんなで協力した成果が出てよかったですね
こはね:でも、ここまで伸びるなんて思わなかったな……
遥:投票してくれた人がSNSでも感想をシェアしてくれてるから、 それもあって伸びてるみたい
遥:この調子なら、入賞できるかも……
冬弥:……だが、最終日だからか駆け込みの投稿が増えていて、 順位の変動が激しい。 できればもう少し上位に入りたいな
遥:そうですね。 納得いくものが撮れたら2枚目も投稿してみよう
こはね:うん! ここには写真映えしそうな場所がたくさんあるから、 いろいろ試して——
???:ねえ、この体勢キツすぎない? 足プルプルしてきちゃったんだけど
???:空気椅子みたいになってるものね……
???:もうちょっと耐えて、絵名! 今、ちょうど顔に木漏れ日がかかっていい感じだから!
???:わ、わかったから早くして……!
???:じゃあ、撮るわよ……!
遥:ん? この声——
遥:愛莉、雫!
愛莉・雫:『えっ?』
冬弥:絵名さん?
絵名:と、冬弥くん!? なんでここに……うわぁ!
愛莉:ちょっと絵名、大丈夫!?
絵名:う、うん……。 びっくりしたらバランス崩しちゃって……
絵名:じゃなくて、どうして冬弥くんがここにいるの? それに……小豆沢さんと、桐谷さんまで……
絵名:って……! その服装に、カメラ……! もしかして、フォトコンテスト用の写真を撮ってたの!?
遥・こはね・冬弥:『えっ?』
こはね:えっと、どうしてフォトコンテストのことを……
雫:実は、私達も参加してるのよ
遥:そうだったの?
愛莉:冬弥くんの写真、やけにクオリティが高いと思ったら アンタがついてたのね、遥
雫:写真はこはねちゃんが撮ったのかしら? とっても上手でびっくりしたわ
こはね:あ、ありがとうございます……!
絵名:——でも、次は負けないから!
こはね:えっ?
絵名:実は、もともとアップしてた写真、 冬弥くんに抜かされちゃったんだ
冬弥:あ……すみません。 絵名さんも参加されてるとは知らず……
絵名:別に謝ることじゃないってば。 とにかく……ここからリベンジさせてもらうから!
愛莉:わたし達も絵名を全力でサポートするから、 勝ち逃げは許さないわよ
遥:ライバル出現だね。手強そうだな
こはね:う、うん……!
こはね:(でも……)
こはね:……私も、負けません!
絵名:——お互い、頑張ろうね
こはね:はい……!
絵名:ねえ、この花と一緒に撮ったら映えそうじゃない?
雫:あら、可愛いお花ね。 絵名ちゃんにとっても似合いそう
愛莉:でも……地面の近くで咲いているから 一緒に撮るのは難しいんじゃないかしら
雫:そうねえ。座っても、うまく映えるように撮るのは難しそうだわ
絵名:……じゃあ、地面に寝っ転がって撮るのはどう?
愛莉:その手があったわね! 撮影風景はちょっとアレだけど……写真がきれいに写れば 問題ないわ。やってみましょ!
愛莉:あ、横になった上から花びらを降らせたら、 幻想的な雰囲気になりそうじゃない?
絵名:え、それすっごくいい!
雫:じゃあ、落ちている花びらを集めましょう
冬弥:あ……
冬弥:すまない……日光がまぶしくて目を瞑ってしまった
遥:この場所、ちょっと日射しが強いですもんね
こはね:それなら、反対を向いて撮ってみようか
冬弥:反対を……太陽に背を向けるということか。 助かるが、それでは逆光になってしまうのでは……
こはね:逆光も、うまく使えば雰囲気のある綺麗な写真になるんだ
こはね:こんな風に、少しだけレンズに光を入れると……
遥:わ……すごい。 髪や服に光が透けて綺麗だね
遥:それに、光と影のコントラストがしっかりしてるから、 メリハリがあって目を引く写真になってる気がするな
こはね:うん。でも、顔に影がかかりすぎちゃってるから、 次は少しアングルを変えて——
数時間後
こはね:2枚目の写真、あんまり『いいね』されてないね……
遥:そうだね……。 1枚目と同じくらい、いい写真だと思ったけど…… やっぱり投稿タイミングとか、運もあるのかも
冬弥:他の駆け込み投稿が増えているので、 すぐ流されてしまうのも影響していそうですね
冬弥:1枚目の写真も順位が落ちてきているし…… 最後の3枚目で挽回したいところだな
こはね:……うん……!
絵名:——小豆沢さん、調子はどう?
こはね:あ……皆さん! どうしたんですか?
絵名:2枚目の写真をアップし終わったから、 ちょっと様子を見に来たんだ
愛莉:どうやら苦戦してるみたいね
遥:まあ、そう簡単にはいかないよね
冬弥:俺が、もっとうまくポーズを取れればいいんですが……
雫:……あら? 青柳くん、そのポーズにするなら もう少し顎を引いたほうが綺麗に見えると思うわ
冬弥:ありがとうございます。 ……こうですか?
雫:ええ、バッチリよ
愛莉:ちょっと雫、なに敵に塩送ってんの!
雫:あっ、そうよね……! ごめんなさい
冬弥:いえ、謝るのは俺のほうです
冬弥:すみません、桃井さん。 俺がふがいないばかりに、 日野森さんにアドバイスをさせてしまい……
愛莉:ちょっ……! もう、そんな空気出されたら何も言えなくなっちゃうじゃない!
絵名:まったく……ふたりとも天然すぎない?
こはね:あ、あの……絵名さん達は、どんな写真を撮ったんですか?
絵名:ああ、今見せるから、ちょっと待ってね
絵名:——はい、こんな感じだよ
こはね:わあ……絵名さん、可愛い……!
こはね:それに、画面いっぱいに花びらが舞ってて綺麗だな
絵名:ふふ、ありがと。 ま、ちょっと頑張ったしね
愛莉:花びら集めたり、団扇で風おこしたりね。 扇ぎながらブレないように撮るの めちゃくちゃ大変だったわ……
冬弥:なるほど……。 この1枚のために、様々な工夫をされたんですね
遥:うん……すごいな
絵名:ま、まあ……表情とかポーズとかは、 プロのアイドルからしたら甘いって思うかもしれないけどね?
遥:——そんなことないです
絵名:えっ?
遥:瞳が潤んでいるような表情づくりや、繊細な指の動き……。 守りたくなるような可愛さが伝わってきました
遥:画面の向こうの人を意識した、素敵な1枚だと思います
遥:愛莉から、自撮りがうまいって聞いてましたけど…… 想像以上でした。流石ですね
絵名:ま、まぶしっ!?
絵名:ちょ……何これ!? ちょっとドキドキしちゃったんだけど……
愛莉:遥はこれがデフォルトなのよ。 ホント、恐ろしいわよね
絵名:う、うん……
絵名:(みのりちゃんが桐谷さんを推してる理由、 ちょっとわかったかも……)
こはね:あ……
こはね:(絵名さん達の写真、すごい勢いで伸びてる……)
こはね:(こんなに素敵な写真だし、 たくさん『いいね』されるのもわかるな)
こはね:(でも……2枚目の写真はもう抜かされちゃってるし、 このままだと、最初に投稿した写真も……)
こはね:(……大丈夫。 まだ、最後のチャンスが——3枚目がある)
こはね:(これで絶対、10位以内に入ろう!)
こはね:(入賞して、杏ちゃん達に 賞品のチョコを食べてもらうんだ……!)
こはね:(……そのためには、絵名さん達に負けないくらい いい写真を撮らないと)
遥:……私達も、まだまだ負けていられないね
こはね:……うん!
こはね:あの……次は、もっといい1枚を撮ります! 絵名さん達にも、負けません……!
愛莉:ふふ、そうこなくっちゃね!
絵名:こっちも頑張ろう、愛莉、雫
雫・愛莉:『ええ!』
第 6 话:あの日の写真は
数十分後
乃々木公園
こはね:(えっと、まだ試してないのは…… あっ、煽りの角度も見てみたいな)
こはね:青柳くん、次は下の位置で構えるから、 見下ろす感じで目線をもらってもいい?
冬弥:わかった
こはね:(うーん……。 悪くは、ないんだけど……)
冬弥:どうだ、小豆沢
こはね:あ……綺麗に撮れたと思うよ。 ちゃんと『大人っぽくてかっこいい』写真になってると思うし……
こはね:でも……2枚目はそれだけじゃダメだったから。 もっといい写真にしなきゃって……
遥:……たしかに、今までと違うことを試してみてもいいかもね
遥:例えば……愛莉達みたいに『映え』—— 一目でグっと注目を引けるような写真にしてみるとか……
こはね:『映え』か……
こはね:そういえば……目を引くような写真にしたいとは思ってたけど、 絵名さん達みたいな画作りまでは考えられてなかったな
こはね:じゃあ私達も、小物を使ってみるとか? でも、何かいいアイディアがあるかっていうと……
遥:……ちょっと休憩を入れようか。 リフレッシュしたほうが、いいアイディアが出るかもしれないし
こはね:あ……そうだね。 ありがとう、遥ちゃん
冬弥:では、俺は飲み物を買ってこよう
遥:それなら私も行こうかな。 こはねは?
こはね:私は大丈夫だよ。 いってらっしゃい
こはね:(『映え』って、どうすれば作れるんだろう? 何かアイディアを出さないと……)
こはね:(でも、つけ焼刃じゃ絵名さん達には敵わないだろうし)
こはね:(今から急いで試した方法で、 本当にもっといい写真になるのかな……)
こはね:……リフレッシュしようって言ってもらったのに、 どうしても考えちゃうな……
???:『やっほー、こはねちゃーん!』
こはね:えっ?
こはね:ルカさん、カイトさん!
ルカ:『急にごめんね~。 今日コンテストの写真を撮るって言ってたから、 気になって見に来ちゃった!』
KAITO:『調子はどう? 何か悩んでるみたいだったけど……』
こはね:えっと……はい。 それなりにいい写真は撮れてると思うんですけど、 どうしても入賞できるラインに届かなくて……
こはね:だから、もっといい写真を撮りたいんですけど、 どうすればいいのかわからないんです
ルカ:『もっといい写真か……』
ルカ:『じゃあ、よかったら今までの写真見せてくれない? 何かアドバイスできるかもしれないし!』
こはね:あ……はい! ぜひ、お願いします……!
こはね:えっと、こんな感じなんですけど……
ルカ:『わあ~! 冬弥くんかっこいい~!』
KAITO:『すっごく決まってるね! 光の感じとかも綺麗だし』
KAITO:『う~ん。ボクはこのままでも 十分素敵な写真だと思うけどな~』
ルカ:『私も私も!』
ルカ:『……でも、こはねちゃんはもっといい写真にしたいって 思ってるんだよね』
ルカ:『……ねえ、こはねちゃん。 こはねちゃんが思う“いい写真”って、どんな写真なの?』
こはね:え?
ルカ:『それがわかれば、何かヒントが 見つかるんじゃないかと思って!』
こはね:えっと……
こはね:私が思う、いい写真は……
こはね:(……言葉にするの、難しいな)
こはね:(構図とか光の使いかたがうまい写真は よく参考にしてるけど、 真似してもいい写真になるとは限らないし……)
こはね:(そういうのを無視してても、 『いいな』って感じる写真はたくさんあった)
こはね:(いい写真って、なんなんだろう……)
こはね:…………
ルカ:『こはねちゃん、そんなに難しく考えなくて大丈夫だよ!』
こはね:すみません、うまく言葉にできなくて……
KAITO:『仕方ないよ。ボクも、いい歌ってどんな歌?って聞かれても パッとは答えられないし』
ルカ:『……あ! じゃあ、こはねちゃんがいい写真撮れたな~って 思った時のことを思い出してみたら?』
こはね:私が……? えっと……
こはね:あ……
こはね:……初めて、いい写真を撮れたって思ったのは、 フェニランのショーを撮った時かもしれません
ルカ:『フェニランって、こはねちゃんが大好きな遊園地だよね?』
こはね:はい!
こはね:中学生の時だったんですけど…… 私、その時初めてお父さんにもらったカメラで写真を撮ったんです
こはね:フェニランのショーはすっごくキラキラしてて、 胸がドキドキして……気づいたら、夢中で写真を撮ってました
こはね:その写真は、ぼやけてたりブレてたりで、 全然上手じゃなかったんですけど……
こはね:でも、すごく気に入ってて……、 今見てもいい写真だなって思うんです
ルカ:『へえ、それってなんでなの?』
こはね:それは……
こはね:理由になるかわからないんですけど…… あの写真を見てると、すごくわくわくするんです
こはね:キャストさんのまぶしい笑顔とか、 キラキラした照明の光を見た時の気持ちを思い出して
KAITO:『そっか……じゃあ、その写真には こはねちゃんの感動がたくさん詰まってるんだね』
こはね:あ……はい。 きっと、そうだと思います
ルカ:『……でも、こはねちゃんが撮る写真って、 どれもそんな感じがするよね。 見てるとわくわくするっていうか……』
こはね:え……そうですか?
ルカ:『うん! この花、堂々と咲いてて綺麗だな~とか 猫の家族、仲良しでほっこりするな~とか……』
ルカ:『その景色を見て、こはねちゃんが何を感じたのか 伝わってくる気がするんだ』
ルカ:『だから私、こはねちゃんの写真大好きだし、 “いい写真”だな~って思うよ』
こはね:ルカさん……
こはね:(嬉しいな……私が感じたこと、 ちゃんとルカさんにも伝わってたんだ)
こはね:(……あ……)
こはね:(私が写真を撮るのは—— 素敵な物を見た時の感動を残したいから……)
こはね:(それで、その感動を思い出したり、 誰かと共有したりできるから……こんなに写真が好きなんだ)
こはね:じゃあ、私にとってのいい写真は——
こはね:……ありがとうございます。 おかげで、私にとっての“いい写真”がわかった気がします
KAITO:『お、本当に?』
こはね:はい。私……自分の心が動いた瞬間を残したいです
こはね:それで、その気持ちが見てる人にも伝わるような…… そういう写真を撮りたいなって
こはね:それが、たくさん『いいね』をもらえる写真なのかは わからないですけど……
KAITO:『いいんじゃない? こはねちゃんらしい、いい写真が撮れるなら!』
ルカ:『うん! まずは自分がいい写真だな~って思わないと、 見てくれた人もそう思ってくれないだろうし!』
KAITO:『でも……そうなると、 こはねちゃんが“いいな”って感じる冬弥くんの瞬間を 撮るってことになるよね』
ルカ:『う~ん。それって、どんな冬弥くんなんだろう?』
こはね:……あ……
ルカ:『なになに? 何か思いついた?』
こはね:えっと……笑ってるところはどうかなって
KAITO:『笑ってるところ?』
こはね:はい。青柳くんって、チームを組んだばかりの頃は あまり表情が変わらなかったんです
こはね:でも、一緒にいるうちに、 少しずつ表情が柔らかくなって、笑うことも増えてきて……
こはね:そんな青柳くんを見てたら、 仲間として心を許してくれてるのかなって 少し嬉しくなったのを思い出したんです
こはね:……だから、そういうあったかい気持ちが 見てくれた人にも伝わるような写真にしたいなって思って……
ルカ:『いいね、すっごく素敵な写真になりそう!』
ルカ:『……じゃあ、最後は冬弥くんの笑顔の写真で決まりかな?』
こはね:はい……!
こはね:笑ってる青柳くんを撮って、 今日で一番いい写真にしてみせます!
第 7 话:最高の1枚
乃々木公園
遥:青柳くんの笑顔を撮りたい、か……
遥:……うん、いいと思う。 これまでとは違う魅力を引き出せるかもしれないし
冬弥:小豆沢がいい写真になると考えているなら、 俺も異論はない
こはね:ありがとう……!
こはね:時間もないし、これがラストチャンスになると思うから、 集中して頑張ろう
遥・冬弥:『うん!』 『ああ!』
冬弥:しかし……うまく笑えるだろうか。 あまり、意識して笑ったことがないのだが……
こはね:急に笑ってって言われても困っちゃうよね。 私もそういうの苦手だから、気持ちはわかるよ
こはね:でも、なるべく自然な青柳くんを撮りたいなって思ってるんだ。 だから、リラックスしてほしいな
冬弥:リラックス……
冬弥:……わかった。ひとまずやってみよう
こはね:じゃあ、夕陽がすごく綺麗に差してるから、 光が入るようにこの辺りに立ってもらえる?
冬弥:こうか?
こはね:うん! そのまま笑ってみてくれないかな
冬弥:ああ
冬弥:…………これで、どうだろうか?
こはね:え、えーっと……
遥:……さっきまでと、あまり変わってないかもしれませんね
冬弥:そうですか……
冬弥:……リラックスというのは、難しいな
遥:笑おうとすると、逆に力が入っちゃうみたいですね
遥:じゃあ——無理に笑おうとしないで、 心から楽しいとか、嬉しいって思った記憶を 思い出してみるといいかもしれません
冬弥:記憶を……
遥:はい。私はその方法で笑えるようになったので
こはね:え? 笑えるようにって……
遥:実は私も、小さい頃はうまく笑えなかったんだ
こはね:遥ちゃんが?
冬弥:意外ですね。アイドルの方は、そういったものは得意分野かと……
遥:ふふ。もちろん今はすごく得意ですよ?
遥:でも、あの頃は、笑おうとしても全然笑えなくて……
遥:そんな時、あるアイドルのお姉さんが ショッピングモールのイベントで、 私をステージに立たせてくれたんです
遥:お姉さんと踊るのが楽しくて…… それに、お客さんが私を見て喜んでくれたのが、 すっごく嬉しくて
遥:——気づいたら、笑顔になれてました
こはね:そうだったんだ
遥:うん。それからは、その時のことを思い出したら 自然と笑えるようになったんだよ
遥:だから青柳くんも、自分が笑顔になれた時のことを思い出せば 自然に笑えるかもって思って
冬弥:笑顔になれた時のこと……ですか
こはね:あ……そうだ。 青柳くん、みんなでキャンプに行った時はどうかな?
こはね:テントを立てたり、野菜を切ったりしてる時の青柳くん、 すごく楽しそうだったよ
冬弥:……そうだな
冬弥:あの時は、みんなと力を合わせて、 初めてのことをたくさん経験して——
冬弥:自分の世界が広がっていくようで、とても楽しかった
遥:ふふ、大切な思い出なんですね
冬弥:ああ。それから……初めて曲を完成させた時も、 心から笑顔になれていた気がする
こはね:たしか、颯真さんに教えてもらってトラックを作ったんだよね
こはね:あの曲、好きだな。 力強くて……でも、そっと背中を押してくれるみたいな 優しさもあって
冬弥:仲間達への想いを込めて作った曲だからな。 そう言ってもらえて嬉しい
こはね:(あ……青柳くん、さっきより表情が柔らかくなってきてる)
こはね:……杏ちゃんと東雲くんが進級した時も、 青柳くんすごく嬉しそうだったね
冬弥:そうだったな。 彰人達が赤点を取って進級が危ぶまれた時は、肝が冷えたが……
冬弥:ふたりの頑張りが報われて、 無事に進級テストに合格してくれた時は 本当に嬉しかった
こはね:(……! 青柳くん、すごく自然に笑ってる)
こはね:(今なら……! ピントを合わせて——)
冬弥:……テストと言えば、 まだふたりにテストの結果を聞いていなかったな
遥:えっ?
冬弥:また赤点を取るようなことになっていなければいいが……
こはね:あ、青柳くん……! 眉間にシワが寄っちゃってるよ……!
冬弥:……! す、すまない……。 つい考え込んでしまった
こはね:ううん、私もごめんね。 テストの話はしないほうがよかったね……
遥:でも、さっきの青柳くん 自然に笑えてましたよ
冬弥:本当ですか……?
遥:はい。すごくいい表情をしてました
遥:——杏から話は聞いてましたけど、 みんな本当に仲がいいんですね
遥:それだけじゃなくて…… 同じ方向を向いて走ってる感じがするっていうか
冬弥:同じ方向を……
冬弥:……はい、たしかにそうですね
冬弥:みんなでひとつの夢に向かって、 いろんなことを一緒に経験して、乗り越えて…… ここまでやってきました
冬弥:彰人も、白石も、小豆沢も—— 俺にとってかけがえのない、大切な仲間です
こはね:青柳くん……
こはね:(あ……! この顔……)
こはね:(……うん。これなら……!)
こはね:オッケーだよ、青柳くん!
冬弥:……! 今のでいいのか? 特に何もしていなかったと思うが……
遥:ふふ。自覚がないってことは、 それだけ自然に笑えてたってことですね
こはね:うん。私が撮りたいなって思ってた 青柳くんの笑顔を撮れたよ
こはね:ふたりのおかげで、最高の1枚になったと思う。 本当に、ありがとう……!
数十分後
こはね:……ふう。投稿、間に合った……!
冬弥:あとは結果を待つだけだな
こはね:そうだね。 でも、今までで一番いい写真になってると思うし、 どんな結果になっても大丈夫だよ
絵名:——みんな、お疲れさま
こはね:あ……絵名さん!
雫:もう締め切りだけど……最後の写真、間に合ったかしら?
遥:うん、今ちょうど投稿したところ
愛莉:絵名ってば、こはねちゃん達が なかなかアップしないから心配してたのよ
絵名:ちょ、ちょっと……! 心配っていうか、お互い出し切った状態で勝ちたいなって 思ってただけだから
こはね:絵名さん……
こはね:気にかけてくれてありがとうございます。 ちゃんと満足のいく写真が撮れました!
絵名:そっか……
絵名:でも、小豆沢さん達のおかげで 私達もいい感じの写真が撮れたよ
こはね:え……私達の?
絵名:うん。そっちの写真がすっごくよかったから、 もっといい写真を撮ろうって頑張れたし
愛莉:まあ、そのために今回も無茶な姿勢で撮って、 結構大変だったけど……
絵名:もう、いい写真が撮れたんだからいいでしょ?
こはね:あ……
冬弥:どんな写真が撮れたんですか?
絵名:ん、これだよ
こはね:わ……!
遥:この写真も、すごくいいですね
遥:隣から絵名さんに話しかけてもらってるみたいで 親しみやすさを感じるし、悪戯っぽい表情も可愛いな
絵名:ふふ、ありがと。 シチュエーションとかも考えて画作り頑張ってみたんだ
冬弥:すごくいいですね。 そういえば、彰人もプリシを撮る時は ポーズのつけかたや落書きにセンスがあったな
絵名:彰人と一緒にされるとムカつくけど……って、何? プリシ? あいつそんなの撮ってたの?
冬弥:あ……! すみません、今のは忘れていただいてもいいでしょうか
雫:ふふっ。こはねちゃん達は、どんな写真を撮ったの?
こはね:私達は……これです
愛莉:わ……すっごくいい写真ね!
雫:ええ。青柳くんの表情、とっても素敵だわ
絵名:うん。夕陽の優しい光も綺麗だな
絵名:それに—— なんだか、心があったかくなる写真だね
絵名:冬弥くんがすっごく幸せそうに笑ってるから、 こっちまで嬉しくなってきちゃうっていうか……
こはね:あ……
こはね:ありがとうございます……!
愛莉:これじゃ、こはねちゃん達が勝っても何も言えないわね
絵名:だね。ていうか、 この写真が10位以内に入らないのはおかしいでしょ
絵名:……まあでも、私達の写真だって負けてないと思うし、 結果が楽しみだね
雫:ええ!
遥:そうだ。せっかくここまで一緒に頑張ったんだし、 結果もみんなで見ない?
遥:発表は夜だから、それまでどこかのお店に入って 待つことになりそうだけど……
愛莉:いいわね! ちょうど、そっちはどうやって撮影してたのか 詳しく聞きたいと思ってたの
冬弥:俺も是非お聞きしたいです。 そちらの写真は、目を引きつけるために様々な工夫がされていて とても興味深かったので
絵名:まあ、大したことはしてないけど。こっちは——
こはね:あ……
こはね:……そうだ——
こはね:……ふふ。いい写真だな
第 8 话:戦いのあとで
数時間後
ファミリーレストラン
こはね:(——投票も締め切られた。 じゃあ、もうすぐ……)
絵名:……! サイトの更新入った!
愛莉:ということは……やっぱり! 結果、出てるわよ!
遥:えっと、入賞者は……
こはね:あった……! 私達のアカウントの名前、のってるよ!
冬弥:本当か……!
遥:やったね、こはね!
こはね:うん……! ふたりとも、本当にありがとう!
こはね:あ、でも……
絵名:……おめでとう、小豆沢さん。 冬弥くんと、桐谷さんも
愛莉:わたし達は12位だったわ。 あと一歩だったんだけどね
雫:ええ……残念ね。 絵名ちゃん、撮影すごく頑張ってたから……
絵名:……でも、結果には納得かな。 小豆沢さん達の写真、すごくよかったし
絵名:まあ、すっごく悔しいけどね?
こはね:絵名さん……
こはね:あの、絵名さん。 よかったら……賞品のコスメ、もらってくれませんか?
絵名:えっ?
こはね:絵名さん達が一緒に戦ってくれなかったら、 私達もここまでいい写真は撮れなかったと思います
こはね:だから、お礼に受け取ってほしいなって……
絵名:小豆沢さん……
絵名:……でも、本当にいいの?
こはね:はい。それに、私達はチョコが目的だったので。 コスメは、絵名さんが使ってくれたら嬉しいです
絵名:……入賞できなかったのに賞品をもらっちゃうのは ちょっとかっこ悪いけど——
絵名:小豆沢さんの気持ちを受け取らないのは、 もっとかっこ悪いか
愛莉:ふふ、そうね
絵名:……ありがとう、小豆沢さん。大事に使わせてもらうね
こはね:はい……!
愛莉:……にしても、盛りだくさんの1日だったわね。 最初はカフェでゆっくりするつもりだったのに、 まさかこんなことになるなんて
絵名:ホントに。冬弥くん達と戦うことになるなんて、 昨日の自分に言っても絶対信じないだろうな
冬弥:そうですね……。 ですが、貴重な経験になりましたし、とても楽しかったです
こはね:あ……
こはね:(そういえば……)
こはね:あの……みんなに見せたいものがあるんですけど、いいですか?
愛莉:あら、何かしら?
こはね:この写真なんですけど……
遥:これって……撮影が終わったあと、みんなで話してた時の……
雫:撮ってくれてたのね。 みんな笑顔で、とっても素敵だわ
こはね:はい。私もそう思って、気づいたら撮ってたんです
絵名:……ねえ、小豆沢さん。 よかったら、この写真のデータもらってもいい?
こはね:え?
絵名:ちょっと苦労もしたけど…… この写真見てたら、小豆沢さん達と戦ったの なんだかんだ楽しかったなって改めて思ったから
こはね:絵名さん……
遥:私も、楽しかったな。 こはねや青柳くんと写真を撮ったり、絵名さん達と戦ったり……
遥:……こはね、私ももらっていい?
冬弥:俺ももらいたい
こはね:……うん! じゃあ、レタッチしたら皆さんに送りますね!
こはね:(……こんな風に、大切な瞬間を思い出したり、 誰かと共有したりできて……)
こはね:(……やっぱり、写真っていいな)
絵名:ねえ、せっかくだし最後にみんなで撮らない? この写真、小豆沢さん写ってないし
愛莉:いいわね! じゃあみんな、絵名が撮りやすいようにこっちに寄りましょ
遥:こはねも、もっとこっち来て
こはね:う、うんっ!
絵名:いくよ? 3、2、1——
バレンタイン当日
誰もいないセカイ
瑞希:あ……絵名! バレンタインパーティーのチョコ、ちゃんと持ってきてくれた?
絵名:当たり前でしょ、そのために集まったんだから。 はい、これ
瑞希:わ、包装カッワイイ~! ていうかこれ、ちょっとお高めのやつじゃん!
絵名:まあね。私も気になってたし…… 瑞希はみんなでたくさん食べれる感じのに するって言ってたから、量より質で選ぼうと思って
瑞希:さっすが絵名! これは、ますますパーティーが楽しみだな~♪
瑞希:ところで……
瑞希:絵名、なんかいつもと雰囲気違くない? ……あっ、もしかしてメイク変えた!?
絵名:ふふ、気づいた? 今日は新しいアイシャドウ使ってるんだ
瑞希:やっぱり! めっちゃカワイイじゃん! どこのやつ?
絵名:『コローレ・ミー』ってブランド。 まあ、これは『クロレ・ショコラ』とコラボしてるやつ なんだけど
瑞希:ええっ!? それ、予約が殺到してすぐ売り切れてなかった?
絵名:そうそう。でも、いろいろあって譲ってもらったんだ。 小豆沢さんにね
瑞希:え? 小豆沢さん……って、こはねちゃんのことだよね? なんで?
絵名:ふふ、実は——
ステージのセカイ
みのり:ええーっ!? みんな、フォトコンテストに参加してたの!?
愛莉:ええ、しかも成り行きで遥とバトルすることになってね
遥:びっくりしたよね。 愛莉達は絵名さんを撮ってたんだけど、 表情の作りかたが本当にうまかったんだ
みのり:そうなんだ……!
リン:いいなあ。 みんなのお友達の写真、わたしも見てみたいなあ
愛莉:じゃあ、見せてもいいか聞いてみましょうか。 まあ、間違いなくオーケーでしょうけど
雫:でも、本当に楽しかったわね。 最後はみんなでご飯もたべて
遥:うん。それに……嬉しかったな。 これまでアイドルとして頑張った経験が こはねの——友達の役に立って
ミク:遥ちゃん……
雫:その気持ち、わかるわ。 私も絵名ちゃんが満足できる写真を撮れたって喜んでくれて、 すごく嬉しかったもの
ミク:……ふふ、とってもいい1日になったんだね♪
遥:うん
遥:あ、それで今日は賞品のチョコレートを持ってきたんだ。 練習前にみんなでどうかな
レン:僕達までいいの? ありがとう、遥ちゃん
ルカ:とっても楽しみね♪
ストリートのセカイ
crase cafe
杏:ううっ……
杏:すっごく可愛いし、美味しそう……
杏:でも……っ
彰人:…………!
彰人:……やっぱうまいな、ここのチョコ
ルカ:だね~! こんなに美味しいチョコ初めて食べたかも!
KAITO:コーヒーにもすっごく合うなあ
杏:うう~、目の前で美味しそうに食べられると、誘惑が……!
彰人:んなこと言ってないで、食えばいいだろ
杏:えーでも、食べたらなくなっちゃうじゃん……!
こはね:えっと……私は、 杏ちゃんも食べてくれたら嬉しいなって思うけど……
杏:うん、ちゃんと食べるよ! 絶対食べる……!
杏:……でもやっぱり、しばらく記念にとっておきたいんだ
杏:チョコが可愛いってのもあるけど…… こはねが私のために——このチョコを頑張って取ってくれたのが すーっごく嬉しいから!
こはね:杏ちゃん……
杏:ほんっとうにありがと! こはね!
こはね:えへへ……うん!
こはね:でも、入賞できたのは協力してくれたみんなのおかげだよ。 青柳くん、手伝ってくれて本当にありがとう
彰人:フォトコンテストに参加したって聞いた時は驚いたが…… オレからも、ありがとな
冬弥:ああ
こはね:(……杏ちゃん達が喜んでくれて、本当によかった)
こはね:(青柳くんと遥ちゃんにたくさん助けられちゃったけど…… フォトコンテスト、挑戦してよかったな)
こはね:(それに……)
こはね:(これからも、大切な瞬間をたくさん撮って、 写真に残していきたいな)
レン:——ねえ、こはね! こはねが撮った冬弥の写真、見せてもらってもいい?
リン:あ、わたしも見たーい! コンテストの話も、もっと聞きたいな!
こはね:うん! 撮影の様子とかも撮ってるから、見せながら話すね
こはね:じゃあ……まずは、この写真から——