活动剧情
リラックスティータイム
活动ID:123
第 1 话:お世話になっている人達に
奏の部屋
奏:……うん。 Cメロからラスサビ、いい感じにつなげられた
奏:これなら、まふゆが学校から帰ってくる前に デモが用意できるかも
奏:よし、あともう少し——
奏:あっ……
奏:(今日……お昼食べてなかった……)
奏:(何か食べようかな……。 でも、このまま最後まで仕上げたいし……)
奏:あ……そうだ
奏:(たしか、バレンタインにみんなにもらったチョコが…… あ、あった)
奏:ん、美味しい……
奏:(チョコ、いろんな人からもらったな)
奏:(絵名に、瑞希……あと望月さんからも……。 どこかでちゃんとお礼しないと)
奏:……あ、そういえば——
奏:そろそろホワイトデー……か
奏:もらった分のお返しを用意しなきゃ。 えっと、絵名達の分と……望月さんの分……
奏:……そうだ
奏:ちょうどいい機会だし…… いつもお世話になってる人達にも贈ろうかな
奏:じゃあ、ミク達と……それから星乃さんにも……
奏:……うん、贈る人は、こんなところかな
奏:あれ、でも……
奏:……お返しって、何を贈ればいいんだろう
翌朝
宵崎家 キッチン
奏:ごちそうさま
まふゆ:……ごちそうさま
奏:食器はわたしが洗っておくから、そのままで大丈夫だよ
まふゆ:……わかった。ありがとう
奏:あ……まふゆ、もう学校に行く? 時間があるなら、聞きたいことがあるんだけど……
まふゆ:……聞きたいこと?
奏:今度のホワイトデーに、お世話になってる人にお返しを したいなって思ってるんだけど……何を贈ろうか迷ってて
奏:まふゆは、どういうものを贈るか考えてる?
まふゆ:私は、お店に売ってるお菓子を買うつもり。 この時期なら、どこもホワイトデーのフェアをやってるから
奏:そっか……。どこのお店で買うの?
まふゆ:……まだ決めてない。 その時人気のお店とか、目に付いたお店で買うと思う
奏:……なるほど……
奏:ありがとう、参考になった
まふゆ:うん
奏:(市販品を贈る、か。みんなそうしてるのかな……)
奏:(前に望月さん達とアロマキャンドルを作った時みたいに、 手作りにしてもいいと思うけど……)
奏:(わたしひとりで何かを作る自信ないし…… 今はみんなで集まって作業するのも難しいよね)
奏:(それなら、やっぱりお店で売ってるものがいいのかな)
奏:(でも……いらないものを渡されても困るだろうし、 ちゃんと喜んでもらえるものがいいな)
奏:——よし、みんなに何が欲しいか聞いてみよう
数時間後
瑞希:『んーっ! キリもいいし、そろそろあがろっかな~』
絵名:『私もラフまではできたし、今日はもう寝ようかな』
奏:『ふたりとも、お疲れさま』
奏:『あ、そうだ……落ちる前に、少し聞いてもいい?』
絵名:『え、どうしたの?』
奏:『ホワイトデーにみんなにお返しをしようって思ってるんだけど、 何か欲しいものってある?』
瑞希:『え~迷っちゃうな~!』
絵名:『んー、いつもならチーズケーキなんだけど……。 せっかくKからもらうなら……何かな……』
瑞希:『あ、じゃあボクは金仙堂の 限定チョコレートケーキがいいかな~♪』
奏:『えっと……金仙堂の限定チョコレートケーキ……と』
絵名:『ちょっとAmia! それ毎年10個限定のやつじゃない! そんなの買えるわけないでしょ』
奏:『え、そうなの……?』
瑞希:『あはは、ごめんごめん! 言うだけならタダかなって思ってさ~』
瑞希:『実際のとこ、ボクはKからもらえるならなんでも嬉しいかな』
絵名:『私も。Kが好きに選んでくれていいから』
奏:『そっか……わかった。ありがとう』
奏:『あ、雪はどう?』
まふゆ:『私も、なんでもいい』
奏:『わ、わかった……ありがとう』
奏:…………
奏:(3人とも、なんでもいい……か)
奏:(……どうしようかな……)
瑞希:『じゃあ、そろそろボクは落ちるね。お疲れさま~!』
絵名:『私も。Kと雪もほどほどにね』
奏:『あ……お疲れさま』
まふゆ:『おやすみ』
まふゆ:……ちょっとお茶いれてくるね
奏:うん、わかった
奏:(お返しのこと、考えないとな……)
奏:メッセージ? こんな時間に、誰からだろう……
奏:……え? 星乃さん?
第 2 话:助っ人登場
翌日
ファミリーレストラン
奏:——キックドラムにパンチ感を出す方法としては、 こんなところかな
一歌:……そっか。そういう方法があるんですね
奏:うん。あとキックは低音にいらない音があることが多いから、 イコライザーでカットしていくと全体が引き締まるよ
奏:そうだ、この本……よかったら読んでみて。 今話したことも詳しく書いてあるから
一歌:わ、ありがとうございます! それじゃあ少しだけお借りします
一歌:急に連絡したのに……こんなに丁寧に教えてくれて すごく助かりました
奏:ううん。わたしも星乃さんの力になれて嬉しいから。 ……DTMでの作曲は、慣れてきた?
一歌:そうですね、まだわからないことが多くて…… 昨日も夜更かしして頑張ってたんですけど
一歌:私も早く、奏さんみたいにイメージを スムーズに形にできるようにしたいです
奏:星乃さんなら、きっと大丈夫だよ
奏:また何かあったらいつでも聞いて。 わたしに答えられることだったら、できるだけ教えるから
一歌:……はい!
一歌:あ……すみません、お腹がすいてきちゃったみたいです
奏:じゃあ、軽く何か食べようか
一歌:ありがとうございます! えっと、メニューは……ん?
一歌:ホワイトデー限定メニュー……
奏:ホワイトソースのグラタン、焼きマシュマロのケーキ、 クリームたっぷりのタルト……いろいろあるんだね
一歌:そうですね……
一歌:…………
奏:……星乃さん、どうしたの?
一歌:あ、えっと……。 ホワイトデーって聞いて、いろいろ考えちゃって
奏:え?
一歌:実は……ホワイトデーにお返しをしたいなって 思ってたんですけど、 何にするかまだ決まってなくて
奏:星乃さんも?
一歌:え? 私もって、どういう……
奏:実は…… わたしもホワイトデーに何を贈ろうかなって悩んでたんだ
一歌:奏さんもだったんですか?
奏:うん。いざ贈るとなると悩んじゃって……
一歌:わかります。私も友達に欲しいものを聞いたら 『なんでも嬉しい』って言われちゃって
奏:あ……それ、わたしも
一歌:ふふ、一緒ですね
奏:うん……。 たしかに、わたしも贈り物をしてくれるってなったら、 なんでも嬉しいって答えると思うけど
一歌:自分が贈る側だと、どうしても悩んじゃいますね。 ……なんだか不思議だな
奏:そうだね……
???:話は聞かせてもらいましたっ!
奏:え……
一歌:みのり……! それに桃井先輩も……! いつからいたんですか?
愛莉:盗み聞きみたいになっちゃってごめんなさい
愛莉:実はずっとここで企画の打ち合わせをしてたんだけど、 ふたりの話が聞こえてきちゃって
一歌:そうだったんですね……。 気づきませんでした
みのり:それでね……さっきの話、 もしかしたらわたし達が力になれるかも!
奏:え?
愛莉:ふたりは今、ホワイトデーに何を贈ろうかって悩んでるのよね?
みのり:実はわたし達の配信で、同じようなお悩み相談があったんだ! それで今、特別企画を考えてたの!
みのり:名付けて…… 『ホワイトデーの贈り物、紹介しまくっちゃおうスペシャル』!
一歌:しょ、紹介……?
奏:ホワイトデーにおすすめの贈り物を紹介してくれる企画、 なのかな……
みのり:奏ちゃん、大正解!
みのり:実はね、『友達100万人』さんって人から ホワイトデーの贈り物をどうしようかって相談が来たんだ
奏:友達、100万人……?
愛莉:もちろんハンドルネームだと思うわ。 でもそう名乗るからには、実際に友達が多い子なんでしょうね
一歌:そうなんですね……。 あの、それってどんな相談だったんですか?
みのり:えっとね……
みのり:『大好きなみのりちゃん、そしてMORE MORE JUMP! の皆さん! 私はホワイトデーの贈り物をしたい友達が たくさんいます』
みのり:『素敵なものを贈りたいんですけどお小遣いには限りがあります。 こんな時、皆さんならどうしますか?』
みのり:……って相談だよ!
愛莉:あんた……一字一句覚えてるわけ?
みのり:えへへ。“大好きなみのりちゃん”って言われたのが嬉しくて
みのり:でね、この相談がきっかけで、 『お手頃価格で買えるホワイトデーの贈り物を紹介していく』 って企画を思いついたんだ!
奏:へえ……それ、すごく助かるな
一歌:私達みたいに悩んでる人って多そうですしね
愛莉:ふふ、そうでしょ?
愛莉:それで、どんな贈り物があるのか 実際に見に行くところだったんだけど……
愛莉:よかったら、ふたりも一緒にどうかしら?
一歌:え……私達も一緒にいいんですか?
愛莉:もちろんよ! この企画のために、人気のお菓子やグッズをリサーチしたから、 そういうのをまとめて見て回れるし……
愛莉:わたし達も、いろんな視点からコメントをもらえると助かるもの
みのり:うんうん! 今日はリサーチだけで撮影もないし、一緒に行こうよ!
奏:ありがとう、花里さんと……えっと……
愛莉:桃井愛莉よ。 改めてよろしくね、宵崎さん!
奏:うん。よろしく、桃井さん
第 3 话:いざショッピングモールへ!
ショッピングモール
みのり:——というわけで、到着ですっ!
奏:ショッピングモール……。 ここで探すの?
みのり:うん! いろんなお店でフェアやってるから、 贈り物の種類もたくさん見れると思うよ!
一歌:本当だ……。 どのお店もすごい飾り付けだな
愛莉:まさにホワイトデー商戦真っ盛りって感じね。 それじゃあ……早速だけどお店の中を見ていきましょう
奏:うん
みのり:——はい、まずはここです! スイーツ・ラブ・スイーツってお店で、 いろんな洋菓子を売ってるんだって!
愛莉:クッキーにキャンディ、マシュマロ……。 ホワイトデーの定番アイテムもバッチリそろってるわね!
一歌:ラッピングもいろいろあるんですね。 この星柄のやつ、みんなが喜びそうだな……
みのり:見た目もかわいいし、 個包装になっててプレゼントしやすそうだね!
奏:すごいね……。 あ、いろんなお菓子が入ったバラエティセットもある
愛莉:そういう詰め合わせはプレゼント向きね! たくさん種類が入ってるから、どれかは喜んでもらえそうだし
一歌:たしかに……ここまで種類があるなら、 どれかは喜んでもらえそう……
愛莉:あら、なんだかピンと来てない顔ね
一歌:あ……えっと……すみません。 詰め合わせは悪くないって思うんですけど、 できればひとりひとりに合ったものを選びたいなと思って
奏:わたしも、星乃さんと同じ感じ、かな……
愛莉:ふふ、気にしなくていいのよ。 まだまだ見に来たばっかりなんだから。 どんどん他のお店も見て回りましょう!
みのり:ねえねえ、次はこのお店見てみようよ!
一歌:キャンディ専門店? こんなお店がオープンしてたんだ……
愛莉:いろんな種類のキャンディが売ってるわね
みのり:あ! このキャンディすごいよ! 宝石みたい!
奏:ジュエルカットの飴…… 本物の宝石と並んでても気づかないかも
愛莉:やっぱり専門店はおもしろいものを扱ってるわね!
みのり:あ、こんなのもあったよ! ……特大ペロキャン~!
一歌:本当に大きいな……みのりの顔が全部隠れそう。 というか、うちわみたい
愛莉:これは配信でも紹介してみたいわね!
奏:……わたし、これは1日かけても食べきれない自信があるな
奏:ここは……キャラメルの専門店……?
みのり:わあ、甘い匂いがする! おいしそう~!
愛莉:そういえば、ホワイトデーの贈り物って、 お菓子の種類ごとに意味があるのよね。ふたりは知ってた?
一歌:あ、聞いたことがあります。 たしかキャンディだと…… 『あなたが好き』って意味があるんですよね
奏:そうなんだ。他のお菓子にも意味があるの?
一歌:えっと、たとえばクッキーだと『お友達でいようね』で、 キャラメルは『あなたといると安心』って感じでした
奏:知らなかった……。 やっぱり、そういうのもちゃんと考えたほうがいいのかな?
愛莉:どうかしら? 相手に喜んでもらえるものを渡すのが一番だとは思うけど……
愛莉:そういうメッセージも込められるんだ、って覚えておくと、 少し決めやすくなるかもしれないわね
奏:そっか……
一歌:メッセージ、か……
みのり:焦らなくても大丈夫だよ! お店はたくさんあるんだし!
愛莉:そうね。いろんなお店を見ながら、一緒に考えましょ!
一歌:はい……!
みのり:あっ、あっちにマカロン専門店があるよ! 行ってみようよ!
奏:う、うん……
数時間後
愛莉:ふう……だいぶ見て回ったわね。 どうかしら、何かこれだって思うようなものはあった?
一歌:えっと……どれも美味しそうだし、見た目も綺麗で、 すごくいいなって思うんですけど……
一歌:本当にそれがいいのかっていうと、 確証が持てない感じがして……
奏:わたしも……
奏:ごめん。こんなに手伝ってもらってるのに……
みのり:大丈夫だよ! わたし達もいろんなお店をリサーチできてるし!
愛莉:そうね。ここまで来たらふたりの悩みも解決しちゃいたいし、 最後までがんばりましょ!
奏:……ありがとう
奏:(……なんで、こんなに決められないんだろう)
奏:(花里さん達のおかげでたくさんお菓子を見れたし、 いいなって思うものもあった)
奏:(でも……なんとなく、違う気がする……)
愛莉:それじゃ次に——って、 この辺りのお店はだいたい見ちゃったのよね
愛莉:いったんここを出て、駅のほうに……あら?
一歌:あ、あれって……朝比奈先輩?
奏:あ……
奏:(そういえば、まふゆもお返しを買うって言ってたっけ)
愛莉:朝比奈さーん! こんにちは!
まふゆ:こんにちは、桃井さん。 あ、奏と星乃さん達も……みんなそろってどうしたの?
奏:えっと……いろいろあって花里さん達に ホワイトデーの贈り物選びを手伝ってもらってたんだ
まふゆ:あ、そうだったんだ。じゃあ私と同じだね
まふゆ:実は私も、ホワイトデーのお返しを買いに来たんだ
一歌:先輩もそうだったんですね
みのり:あ、だったら朝比奈先輩! この辺りでいいお店知りませんか!?
まふゆ:え、いいお店……?
みのり:はい! わたし達、この辺りのショップを 見て回ったんですけど、これ!ってものが見つからなくて……
まふゆ:そうだったんだ。 だったら、あのお店はどうかな?
奏:あのお店って?
まふゆ:クラスの子に教えてもらったんだけどね、 この近くに最近、新しい雑貨店ができたみたいなんだ
一歌:雑貨屋さん……
まふゆ:クラスのみんなに買おうと思ってたお菓子が売り切れてたから、 これからそっちに行ってみようと思ってて
愛莉:そういえば、最近いい雰囲気のお店ができたって うちのクラスの子も言ってたわね……!
みのり:朝比奈先輩……あの……
みのり:ご迷惑じゃなければ、わたし達も一緒に行っていいでしょうか!?
まふゆ:ふふ、大丈夫だよ。 じゃあ案内するからついてきて
第 4 话:決まらない贈り物
センター街
まふゆ:着いたよ、みんな
みのり:わあ、かわいい雑貨がいっぱい並んでるー! それに……すっごく安い!
愛莉:わたしも噂には聞いてたけど、来るのは初めてね。 どの商品も、すごくセンスがいいって聞いたことあるわ
まふゆ:うん、珍しい雑貨がいっぱい売ってるんだって
みのり:ホワイトデーの贈り物…… お菓子もいいけど、かわいい雑貨もよさそうだね!
まふゆ:ふふ、バレンタインには普通にチョコを贈るけど、 ホワイトデーはコスメや小物をって人は多いよね
一歌:たしかに、こういうのもいいですね
奏:そうだね。ここならいい贈り物が見つかるかも……
愛莉:それじゃあ、みんなで探してみましょ!
奏:うん
10分後
まふゆ:——すみません。 これ全部ギフトラッピングでお願いします
店員:はい、かしこまりました。 ただ今お包みいたしますので、 どうぞ店内をご覧になってお待ちください
まふゆ:わかりました、お願いします
奏:これ、スケッチブック……? すごく小さいな。でも、絵名は喜んでくれるかも
奏:こっちは……おしゃれなティースプーンだ。 望月さんに——あ、でも、もう持ってるかな
一歌:悩みますね……
まふゆ:そんなに難しく考える必要ないんじゃないかな
まふゆ:そのスケッチブックもスプーンも、 ふたりだったら喜んでくれると思うよ
奏:あ……うん、わたしもそう思うんだけど……
奏:……なんだか、しっくりこないんだ。 喜んでくれるのはわかるけど、 それだけで決めていいのかわからなくて……
愛莉:決め手が見つからないってことかしら?
奏:どうなんだろう。 何かが引っかかってるのかも……
みのり:……もしかして……
みのり:絵名ちゃん達に、もっともーっと喜んでほしいから じゃないかな!?
奏:え?
みのり:わたしはプレゼントを選ぶ時、よくそうなっちゃうんだ
みのり:相手に喜んでほしいって思うと、 どうしよう~!ってずっと悩んじゃって
奏:喜んで、ほしい……
奏:……たしかにそうかも……
奏:スケッチブックやスプーンもいいけど…… もっと喜んでくれるものが何かあるんじゃないかって、 思ってたのかもしれない
愛莉:なるほどね。そういう気持ちはすっごくわかるわ
一歌:私も同じだったかも……
一歌:ねえ、そういう時、みのりはどうやって贈り物を決めるの?
みのり:え? えっと……うーん……そうだなぁ……
みのり:あ、わたしは相手のことをたくさん調べるかも!
奏:調べるって……どういうこと?
みのり:えっとね、わたしが中学生の時、 遥ちゃんにプレゼントをしたんだけど——
みのり:その時は、 ペンギン形のペンスタンドを贈ったんだ
愛莉:ああ、遥はペンギンが好きだものね。 でも、どうしてペンスタンドにしたの?
みのり:えへへ。わたしね、遥ちゃんにプレゼントするのが初めてで……
みのり:遥ちゃんが喜んでくれるものってなんだろうって思って、 SNSとか雑誌記事とか、いっぱい調べたんだ
みのり:そしたら、遥ちゃんが 『可愛いペンを集めるのが趣味になってます』 って言ってる記事があってね!
みのり:何かいいのないかな~って探してたら、 ペンギン形のペンスタンドを見つけたの!
みのり:それで、きっとこれなら喜んでくれる!って思って、 すぐ事務所に贈ったんだ!
一歌:遥、すごく喜んだんじゃない?
みのり:うん! SNSにもすてきなプレゼントが届いたって 写真付きで投稿してくれたんだ。 調べるのは大変だったけど、嬉しかったなあ
愛莉:あ……その話、たしか前に聞いたことあるわ。 そのぺンスタンド、今でも使ってるらしいわよ
みのり:えへへ……
みのり:だからね、それからプレゼントする前には、 相手のことたっくさん考えるようにしてるんだ!
奏:すごいね……
奏:でも……そっか。 わたしも、何をすればいいかわかったかも
みのり:え、本当?
奏:うん。やっぱり、みんなには喜んでほしいなって思うから——
奏:そのためには贈る相手のことをよく知って、 本当に欲しいものや、役に立つものをあげたほうがいいんだなって
一歌:たしかに……そうですね。 その人のためになる贈り物ができたら、私も嬉しいな……
一歌:みのり、私もちゃんとリサーチしてから贈り物を考えてみるよ
奏:ありがとう、花里さん。助かったよ
奏:桃井さんもまふゆも、お店を紹介してくれてありがとう。 たくさんつき合わせちゃってごめん
愛莉:ううん、気にしないでいいわ。 モノは決まらなくても、心が決まったならOKよ!
みのり:一歌ちゃん、奏ちゃん…… プレゼント選び、がんばってね!
第 5 话:リサーチ開始!
数十分後
宮益坂
一歌:奏さん、今日はお疲れさまでした
奏:うん、ずっと歩きっぱなしだったから さすがにちょっと疲れたけど……
奏:でも、来てよかったな。 花里さん達のおかげで、大事なことに気づけたし
一歌:相手のことをよく知る……ですよね シンプルですけど、大事なことを見落としてましたね
奏:うん、わたしもみんなのことをリサーチしてみるよ
一歌:私も頑張ります
奏:あれ? でも…… リサーチって、どうすればいいのかな
一歌:え? やっぱり、みんなに聞いて——
一歌:あ……でも、プレゼントするってことを気づかれちゃうかも
奏:気づかれたらダメなの?
一歌:多分、みんな気をつかって、 『なんでもいい』って言ってくれる気がするので……
一歌:普段の会話の中でさりげなく、 何をもらったら嬉しいのか……最近困ってることはないか、 聞くほうがいいかもしれません
奏:普段の、会話で……
奏:む、難しそうだな……
一歌:わかります。私もこういうのは苦手で……
一歌:あ……そうだ。よければ、協力してやりませんか?
奏:え?
一歌:例えば、私が穂波に聞いたことは 奏さんの参考にもなると思いますし。 情報交換できるかなって
奏:たしかに、いいかも
奏:じゃあ今日からよろしく、星乃さん
一歌:はい! 一緒に頑張りましょう!
25時
奏:(みんなから話を聞かないと……。 でも、さりげなく……さりげなく……)
絵名:『ねえ雪、ここの歌詞って……』
奏:『あ、雪なら今は仮眠とってるよ。 もう少しで戻ってくると思うけど……』
絵名:『そうなんだ……だったら私も休憩しよっかな。 ちょっと疲れてきちゃったし』
奏:(あ、このタイミングなら——!)
奏:『ね、ねえ。えななんは最近困ってることとか……ない?』
絵名:『えっ? どうしたの、いきなり?』
奏:『あ、いや……ちょっと雑談でもしようかなって……。 どうかな、困ってることとかある?』
絵名:『ざ、雑談……? 珍しいね、Kがそんなこと言うなんて』
奏:『え、そ、そうかな。別に普通だと思うけど……』
絵名:『そう……? まあいいけど……』
絵名:『それで、なんだっけ。困ってること? んー、そうだな……』
絵名:『あ……最近あんまり眠れてないかも』
奏:『え、そうなの?』
絵名:『うん。絵画教室の課題が大変でさ。 寝る前までずっと考えてるからか、よく眠れないんだよね』
奏:『あまり眠れてないんだ……なるほど……』
奏:『わかった、ありがとうえななん』
絵名:『……で、これってどういうことだったの?』
奏:『ど、どうって……別になんでもないよ。 ただ、最近のみんなのこと、もっと知りたいなって』
絵名:『ホントに? Kがわざわざそういうこと聞いてくるなんて、 やっぱり珍しい気がするけど……』
奏:『そ、そんなことは……ないんじゃないかな……』
瑞希:『まあまあ、Kだってそういう気分だったのかもしれないじゃん? それよりK! ボクにはそれ聞いてくれないの?』
奏:『あ、う、うん。Amiaのことも聞かせてほしいな。 えっと、今困ってることとかある……?』
瑞希:『おっけー! うーん、そうだな~……』
瑞希:『ボクは最近、チカチカしたエフェクトばっかり見てるせいで、 目がちょっと疲れてるかも』
奏:『そうなんだ、Amiaは目が疲れてる……と』
瑞希:『ふふ、がんばってね、K!』
奏:『え? あ、う、うん』
奏:(なんとか……聞けてよかった……)
宵崎家 キッチン
穂波:……うん。あと少し煮込めばできあがりそう
奏:(望月さんにも、さりげなく話を聞かないと……)
穂波:次は……あれ? 宵崎さん、どうかしましたか?
奏:えっ! あ、えっと……うん。 実は聞きたいことがあって……
穂波:聞きたいこと?
奏:その……望月さんは、最近は悩んでることとかある?
穂波:……えっ? どうしたんですか、突然……?
奏:べ、別になにもないよ。 ちょっと世間話でもしようかなと思って……
穂波:世間話……ですか……?
穂波:そう、ですね……。最近は練習を増やしてるせいか、 ちょっと肩が凝ってる感じがしますね
奏:肩こり……なるほど。つらそうだね……
奏:もしもし、花里さん? 急に電話しちゃってごめん
みのり:『大丈夫だよ! 奏ちゃんから電話もらえるなんて びっくりしちゃったけど、今日はどうしたの?』
奏:あ、えっと…… 最近調子はどうかなと思って……
みのり:『調子? あっ、例の徹底調査してるんだね! わたしのことも調べてくれるなんて嬉しいな~』
奏:えっ? な、なんで……
みのり:『あれ、違うの?』
奏:ううん、違わないんだけど……
奏:(やっぱり、花里さんにはバレちゃうか……)
奏:それで、困ってることとかある?
みのり:『んーそうだなあ……。 ありがたいことなんだけど、最近すっごく忙しくて——』
数日後
奏:……そっか。星乃さんもリサーチは終わったんだ
一歌:『はい、なんとかそれとなく、 みんなの近況を知ることができたと思います』
奏:わたしも花里さんや桃井さん以外には、 気づかれずに話を聞くことができたと思うよ
一歌:『そうなんですね……! お互いうまくいったみたいでよかったです』
奏:うん、よかった……
奏:そうだ、わたしがリサーチしたこと共有するね
一歌:『はい、お願いします!』
奏:……わたしからは、こんなところかな
一歌:『なるほど……。 ありがとうございます、すごく参考になりました』
一歌:『それじゃあ、お互い いいプレゼントができるように頑張りましょう!』
奏:うん、頑張ろうね
奏:……じゃあ、プレゼント選びの前に—— 最後のリサーチをしようかな
第 6 话:わたしの想いは
誰もいないセカイ
奏:えっと……ミク達は……
ミク:あ……奏、いらっしゃい
奏:ミク、ルカ。ちょうどよかった。 聞きたいことがあるんだ
ミク:聞きたいこと?
ルカ:あら、何かしら?
奏:最近、みんなは何か困ってることとかある?
ルカ:困ってること?
奏:たとえば……えっと、肩がこってるとか、よく眠れないとか
ミク:わからないけど……多分、誰も肩はこってないと思う
奏:そっか……。 じゃあ、好きな食べものとかは?
ミク:わたしは……みんながセカイに持ってきてくれたものなら、 どれも好きだけど……
ミク:どうして、そんなことを聞くの?
奏:えっと……それは……
ルカ:もしかして、ホワイトデーの贈り物を考えてくれているのかしら?
奏:えっ、あ……
奏:……ルカ、どうしてわかったの?
ルカ:ふふ、この時期ならきっとそうじゃないかと思って。 それに奏の様子も少し変だったし
奏:そ、そっか……
ミク:わたし達に、贈り物を考えてくれてたの?
奏:……うん、実はそうなんだ。 そのために、みんなのことをリサーチしようと思って
ミク:リサーチ?
奏:えっと、最初、贈り物がなかなか決まらなくて……。 でも、相手のことをよく調べたら、一番喜んでもらえるものが わかるんじゃないかなって思ったの
ミク:そうだったんだ……
ルカ:なら、もう他の人には何を贈るか決めたのかしら?
奏:ううん、まだ決めてない
ミク:そう、なの?
奏:……うん。みんなが困ってることとかは聞けたんだけど……
奏:たとえば肩こりで困ってる人に贈るとしたら、 何がいいんだろう……って
ミク:えっと……おくすり、とか?
奏:あ、湿布はいいかも。でも、マッサージボールとか 長く使えるもののほうが嬉しい気もするし……
奏:入浴剤を贈ってゆっくりお風呂に入ってもらったら、 血行が良くなって肩こりも楽になるかな……とか
ミク:入浴剤の入ったお風呂……ぽかぽかになれるね
ルカ:どのプレゼントも面白そうじゃない
奏:そうかな、ありがとう
ルカ:ええ。いきなり湿布をプレゼントされたら きっとみんな、とても驚くと思うから
奏:う……湿布は少し変だったかな……
ルカ:ふふ、冗談よ。 でもそこまで考えてるのに、まだ迷っているの?
奏:いろいろ考えたんだけど、 どれにするかは、まだ……
奏:みんなに聞いたら決めやすくなると思ってたんだけどな
ルカ:ふうん、そうなのね
ルカ:なら——あとは奏の気持ち次第なんじゃないかしら
奏:え?
ルカ:相手のことをたくさん調べて、そこから贈り物を考えて、 その上で選択肢がまだあると思うなら——
ルカ:最後は……奏の想いで決めていいんじゃないかしら
ミク:……うん、わたしもそう思う
ミク:奏は、みんなにどんな気持ちになってほしいの?
奏:どんな気持ちに……なってほしいか……
奏:(みんな、一生懸命頑張ってる)
奏:(そんなみんなに、わたしは……)
奏:(——少しでも、リラックスして ほっとしてもらいたいな……)
ミク:……奏?
奏:ありがとう、ふたりとも。 ——今、決められたよ
ルカ:そう……。 よかったわね
ミク:みんなに、喜んでもらえるといいね
奏:うん
奏の部屋
一歌:『——あ、奏さん、どうしたんですか?』
奏:こんな時間にごめんね。 贈り物が決まったから、星乃さんに聞いてもらいたくて
一歌:『そうなんですか? よかったです……!』
一歌:『それで、何にしたんですか?』
奏:うん。わたしはね——
第 7 话:思いがけない提案
翌日
ショッピングモール
一歌:えっと……あ、ネットで見つけたお茶のお店、ここみたいです
奏:すごくいろんな種類があるね……。 ここなら、みんなにぴったりの茶葉が見つかりそう
一歌:そうですね、私も楽しみです!
一歌:それにしても……びっくりしました。 まさか、奏さんとアイディアが一緒なんて
奏:本当だね。『いつも頑張ってるみんなに ゆっくり過ごしてもらうためにお茶を贈る』ってところまで 同じなんて思わなかったな
一歌:でも、奏さんはどうしてお茶にしたんですか?
奏:よく、望月さんがお茶を買ってきてくれるんだけど…… それを飲むとほっとした気持ちになれるんだ
奏:だから、リラックスしてもらうなら、 お茶がいいんじゃないかって思って
一歌:そうだったんですね……
一歌:それなら、みんなが喜んでくれそうなお茶を探しましょう!
???:——あれ?
みのり:奏ちゃん! 一歌ちゃん!
愛莉:あら! また会うなんて、すごい偶然ね!
奏:え……花里さん、桃井さんも?
一歌:もしかして……、 前に言ってた配信用の買い出しですか?
愛莉:ええ。ふたりもここに来てるってことは、 贈り物が決まったのかしら?
奏:うん。いろいろ考えたんだけど——
奏:……それで、お茶を贈ることにしたんだ
みのり:そうなんだ……! たしかに、それならみんなにリラックスしてもらえそうだね!
愛莉:なるほどね……
みのり:愛莉ちゃん、どうしたの?
愛莉:ふたりのプレゼント、とってもいいと思うわ! でも——
愛莉:そこまでするなら、 いっそのこと直接ふるまってあげたらどうかしら?
一歌:直接……?
愛莉:ええ! 名付けて……『ホワイトデーお茶会大作戦』よ!
みのり:お……お茶会大作戦~~~!?
みのり:……って、どういうこと?
愛莉:宵崎さんは、 みんなにリラックスしてほしいって思ってるんでしょ?
愛莉:それなら、お茶をプレゼントするのもいいけど…… みんなを招いてお茶会を開いたら、リラックスしつつ 楽しい時間を過ごしてもらえるんじゃないかしら?
奏:あ……
みのり:たしかに! 天気のいい日にみんなでお茶を飲んだら、 すっごく楽しそうだよね!
一歌:……うん、いいかも……
一歌:みんな、そういうの好きだと思うし…… 特に穂波は喜んでくれそう
奏:そうだね……。 瑞希達も好きそうだし
奏:(でも……まふゆはどう思うかな……)
愛莉:どうかしら。 もしやるなら、わたし達も協力させてもらうわよ
みのり:わたしも、いくらでも手伝うよ!
奏:う……で、でも……ちゃんとできるかな……
一歌:…………
一歌:……奏さん、やってみませんか?
奏:え……
一歌:私も、ちょっと不安はありますけど……
一歌:でも——やってみたいんです。 そのお茶会で、みんなが笑顔になってくれたら すっごく嬉しいなって思うから
奏:あ……
一歌:奏さんの『みんなにリラックスしてほしい』って想いと、 私の『みんなに笑顔になってほしい』って気持ち……
一歌:お茶会なら、どっちもかなうんじゃないかって思って
奏:……うん、そうだね
奏:わたしも、いいと思う
愛莉:それじゃ、決まりね!
愛莉:準備しなきゃいけないことはいろいろあるけど…… まずは場所を決めましょうか!
一歌:お茶会のできそうな場所……
愛莉:招待する人数が多くなりそうなら、 たくさん集まれる場所がいいと思うわ
一歌:そうなると誰かの家じゃ難しいかもしれませんね……。 場所を借りるか、外でやるとか……?
奏:外、か……
奏:あ、だったら……あそこはどうかな?
数日後
宵崎家 キッチン
まふゆ:——ただいま
奏:——えっと、お手ふきに、ごみ捨て用のポリ袋、お皿…… 必要なものは全部そろったかな
まふゆ:何してるの?
奏:あ、まふゆ。おかえり
奏:ホワイトデーの準備をしてたんだ。 今度、お茶会を開こうと思ってて
奏:いつも頑張ってるみんなに、 少しでもリラックスしてほしくて
まふゆ:そうなんだ
奏:うん、それで……まふゆも、どうかな
まふゆ:……私?
まふゆ:私は……別に大丈夫。リラックスしてるかはわからないけど、 ここにいるだけで落ちつくから
奏:……そっか、わかった
奏:実は、まふゆの分のお茶も選んであるんだ。 だから……気が向いたら顔を出してくれると嬉しいな
まふゆ:…………
奏:あ、無理しなくても大丈夫だよ。 お茶は持ち帰るから、家でいれてもいいし
まふゆ:……そのお茶会、どこでやるの?
奏:えっと……乃々木公園だよ
まふゆ:…………
まふゆ:……考えてみる
奏:わかった、ありがとう
第 8 话:この良き日に
ホワイトデー当日
乃々木公園
一歌:奏さん、シート敷けました
奏:ありがとう星乃さん。 こっちもお茶の準備ができたよ
みのり:場所も確保できたし、お湯もあるし、 お茶もお菓子も全部おっけー! あとはみんなが来るのを待つだけだね!
奏:うん。花里さんと桃井さんも、手伝ってくれてありがとう。 ふたりが手伝ってくれて本当に助かったよ
愛莉:気にしないで。 わたし達は荷物を運ぶのと飾りつけを手伝ったくらいだし
みのり:それに……本番はこれからだよ!
奏:う、うん……。うまくみんなをもてなせるといいけど……
一歌:少し緊張してきましたね……
一歌:——あ……
穂波:一歌ちゃん! 宵崎さん!
一歌:あっ、穂波……!
穂波:ふたりとも、ご招待ありがとうございます
奏:こちらこそ、来てくれてありがとう
一歌:えっと、ゆっくりしていってくれると嬉しいな。 咲希達は?
穂波:あ、今来ると思うよ
咲希の声:おーい、いっちゃん、ほなちゃ~ん!
一歌:あ……噂をすれば
咲希:お招きいただき、ありがとうございま~す♪
一歌:みんな、いらっしゃい。 草薙さんも……!
寧々:う、うん。途中で会ったから 一緒に連れてきてもらったんだ
遥:宵崎さんも、お久しぶりです。 一歌から招待された、桐谷です
遥:今日はよろしくお願いします
奏:うん、ゆっくりしていってね
志歩:あ……あなたが、宵崎さん?
咲希:わ~、ずーっと気になってたんだよね! 今日は会えてすっごくすっごーく嬉しいです!
奏:えっと……あ、ありがとう。 よろしくね
瑞希:やっほー、来たよ~♪
奏:あ、絵名、瑞希……いらっしゃい
絵名:奏、今日は呼んでくれてありがと!
奏:うん、あ、座って待ってて。 お茶持ってくるから
瑞希:おっけ~。 あ、このピクニックシートすっごくカワイイじゃん! ここにしよっと♪
愛莉:えーと、これで全員そろったのかしら?
奏:あ……
奏:(……まふゆ、やっぱり難しかったのかな……)
愛莉:——あら、朝比奈さん!
奏:え……
奏:まふゆ……
まふゆ:今日は招待してくれてありがとう、奏
まふゆ:お茶会、楽しませてもらうね
奏:う、うん……
一歌:えっと、みんなお菓子は行きわたった……かな?
瑞希:はーい、大丈夫でーす!
一歌:よかったです。 あとはお茶だけど……奏さんのほうは大丈夫ですか?
奏:う、うん。大丈夫……練習もしてきたし……
奏:(えっと、まずは望月さんの分……)
奏:(まず、ティーポットを温めて……茶葉をスプーン2杯入れる)
奏:(お湯を注いで……よく蒸らす)
奏:(うん、そろそろいいかな……)
奏:熱っ……!
穂波:宵崎さん!? だ、大丈夫ですか?
奏:う、うん。平気。ちょっとお湯がはねただけだから
穂波:そ、そうですか……。 あの、もしよかったらわたしも手伝いましょうか?
奏:う、ううん。わたしにやらせて。 今日招待したのはわたしのほうだし……。 みんなにはリラックスしてほしいんだ
穂波:は、はい……そういうことなら……
奏:じゃあ、いれるね……
瑞希:がんばって、奏……!
奏:(溢れないように——)
奏:(カップに……注いで……)
奏:……できた
絵名:よ、よかった……!
瑞希:もう、絵名ってば過保護すぎでしょ。 ていうか、めちゃくちゃいい香りする!
咲希:外でこんなに本格的ないれかたするんだ~! すごいなあ……!
穂波:とっても美味しそうですね
奏:みんな、ありがとう……
奏:えっと、これ…… 望月さんの分だから、冷めないうちにどうぞ
穂波:ありがとうございます、いただきますね
奏:みんなの分もすぐにいれるね
一歌:あ、じゃあ咲希たちの分は私がいれるよ。 待っててね
咲希:はーい! 楽しみだなあ~
穂波:さわやかな香り……。 これ、レモンとジンジャーですか?
奏:うん、ジンジャーティー。 血行をよくするって聞いたから、 肩こりに悩んでる望月さんにいいかもって
穂波:……すごくあたたまります。 ありがとうございます、宵崎さん
みのり:これ、ふんわりした甘い香りがするね! なんていうお茶なの?
奏:お店オリジナルのブレンドティーで、 えっと……たしか、カモミールやラベンダーが入ってて リラックス効果が高いんだったかな
一歌:アイドル活動で忙しそうだったから、 少しでも疲れが取れるといいなと思って
愛莉:……香りもいいし、ほっとするような味ね。 いろいろ考えてくれてありがと、ふたりとも!
絵名:ん、このお茶……ハッカっぽいかも。 スーッとするような……
奏:絵名のは……えっと、スペアミントティーだね 気分がリフレッシュするから勉強前にもいいし、 安眠効果もあるんだって
瑞希:ていうか、もしかしてこれって ひとりひとり別のお茶いれてるの?
奏:うん。みんなの話を聞いて、 できるだけひとりひとりに合ったお茶を選んだんだ
絵名:えっ、そこまで考えてくれたの……?
絵名:奏が私のために選んでくれたお茶…… すっごく嬉しい!
絵名:大事に、味わって飲むね!
奏:う、うん。でもなくなったらまたいれるから……
奏:ふう……これで一段落ついた、かな
奏:(みんな、リラックスしてくれてるかな)
咲希:わあ……! 朝比奈先輩と一緒に サークルやってる“絵名さん”って、 東雲さんのことだったんですね!
咲希:アタシ、動画見ました! とっても、と~ってもすてきでした!!
穂波:ふふ、絵名さんは本当に絵が上手ですよね。 普段から描く絵も、すごく本格的で
志歩:私も見たことあるけど、すごかったな
絵名:べ、別にたいしたことないけどね? 絵画教室行ってるし、まあそれなりには描けるけど
瑞希:とか言って、す~っごく嬉しそうじゃん?
寧々:……せっかくのお茶会なんだし……誰かに話しかけなきゃ
寧々:で、でも誰に話しかければ……
みのり:寧々ちゃーん!
寧々:あ、花里さんと桃井さん……?
みのり:一歌ちゃんに招待されたんだよね? いらっしゃい!
愛莉:なかなか挨拶できなくてごめんなさいね。 草薙さんも、お茶菓子一緒に食べましょ!
寧々:あ、は、はい……
瑞希:おーい、みんな~! こっちで一緒に話そうよー!
愛莉:あら、いいわね! ふたりとも、一緒に行きましょ!
寧々:えっ? で、でもわたしも……いいんですか?
みのり:当たり前だよ! ほらほら、行こ行こ!
寧々:う、うん……
奏:(よかった……みんな喜んでくれてる。けど……)
まふゆ:——奏
奏:まふゆ……
奏:来てくれてありがとう。 えっと……お茶、どうだった?
まふゆ:少し、ほっとした気がする
奏:よかった……
奏:まふゆのはリンデンのハーブティーで、 飲むと気持ちが安らぐんだって
奏:うまくいれられたか心配だったけど、 少しでもリラックスしてくれたならよかった
まふゆ:……本当に、私の分のお茶を選んでくれたんだね
奏:え? あ、うん。 また飲みたくなったらいれるから、言ってね
まふゆ:……うん……
奏:……まふゆ、無理させちゃってたらごめん
奏:わたしはお茶会に来てくれて、すごく嬉しかったけど……
まふゆ:……無理ってほどでもないから、大丈夫
まふゆ:奏のお茶が効いたのかどうかは、わからないけど…… そんなにつらくはないから
まふゆ:それに——
奏:え……?
まふゆ:……たまには、こういうのも悪くないね
奏:あ……
奏:(最初は、何を贈るかも思いつかなかったけど……)
奏:(頑張って……このお茶会を開いてよかった)
奏:(いつも頑張ってるみんなが、今日1日くらいは—— 少しでもリラックスしてくれたら嬉しいな)