活动剧情

わんだほら~!?な肝だめし!

活动ID:141

第 1 话:学級委員のお仕事

宮益坂女子学園 2年B組
先生:それでは、HRは以上です。 皆さん、気を付けて帰ってください
えむ:——は~いっ! 先生、さようなら!
えむ:(えへへ! HRが終わったから、やっと学級委員会に行けるぞ~っ♪)
えむ:(今日は何の話をするんだろ? そろそろ文化祭とかの話かな?)
えむ:(考えるだけで ドキドキワクワクしちゃうな~♪)
咲希:えーむちゃん! 今日、なんだかすっごくご機嫌だね!
えむ:うん! だって、今日は——
志歩:学級委員会の日?
えむ:ええっ!? どうしてわかったの!?
志歩:まあ、見てればなんとなくわかるよ。 前の学級委員会の時も、朝からそわそわしてたし
志歩:……でも、学級委員って楽しいの? クラスをまとめたり、行事の計画立てたり、 大変なイメージのほうが強いけど
えむ:ほえ? ん~、大変だな~!って思うことはあるけど……
えむ:でも、そんなの忘れちゃうくらいす~っごく楽しいよ!
えむ:みんなにニコニコしてもらうには、 どうすればいいのかな?って委員会のみんなで 考えるんだけど——
えむ:それがうまくいって、みんながキラキラ笑顔になってくれると、 あたしも嬉しくなっちゃうんだ!
志歩:……そっか。鳳さんらしいね
咲希:それなら、今日もめいっぱいがんばらないとだね! 応援してるよ、えむちゃんっ!
えむ:うん! ありがとう!
えむ:それじゃあ、行ってきまーす!
咲希:行ってらっしゃーい!
えむ:ふんふんふーん♪
えむ:今日の集合場所は、あそこの教室だよね——あっ!
えむ:朝比奈センパイだ! こんにちはー!
まふゆ:……あ。 鳳さん
まふゆ:——こんにちは
えむ:ぴゃっ……!
えむ:(ひえ~! 朝比奈センパイ、 今日も笑ってるのに笑ってないよ~!)
まふゆ:……どうしたの?
えむ:あっ、い、いえいえいえ! なんでもありません!
えむ:きょ、今日もがんばりましょーねっ!
まふゆ:うん。 それじゃあ、教室に入ろうか
えむ:ひゃいっ!
えむ:あ……
えむ:(……朝比奈センパイ、 なんだか最近、元気なさそうだな……)
えむ:(学級委員になってから会うことが増えたけど、 しょんぼりしてる感じがするし……)
まふゆ:鳳さん? 学級委員会、始まっちゃうよ?
えむ:あっ、ハイ! 今行きます!
えむ:(あわわ……いろいろ考えすぎてぼーっとしちゃった!)
えむ:(今から学級委員会なんだから、 そっちのお仕事に集中しなくっちゃ!)
えむ:(よーし、今日もみんながわくわくわんだほいになれるように、 がんばるぞー!)

第 2 话:ボランティアは草むしり!

宮益坂女子学園 空き教室
学級委員長:それでは、学級委員会を始めます
えむ:はーいっ!
学級委員長:今日の議題ですが—— 毎年恒例の、地域ボランティアについてです
えむ:地域ボランティア……?
まふゆ:あ、鳳さんは初めてだよね
まふゆ:学級委員会では、毎年、 地域で募集してるボランティアに協力しててね
まふゆ:去年は、繁華街のごみ拾いとか、募金活動とか…… あとは、児童館の手伝いなんかもしてたんだ
えむ:へええ~! おもしろそう~!
まふゆ:ふふ、実際やりがいはすごくあるよ
まふゆ:特に学級委員は、ただ参加するだけじゃなくて、 ボランティアの細かい内容や段取りを考えたり、 参加者を集めたり……運営みたいなこともやるから
えむ:えっ! 運営までやれちゃうんですか!
まふゆ:うん。先生達もついていてくれるけど、 基本的には私達が主体になるんだ
まふゆ:もしかして鳳さん、運営に興味があるの?
えむ:はい! あたしの夢のために、 そういうのいっぱいやってみたいんです!
まふゆ:……そっか。じゃあ、いい機会になりそうだね
学級委員長:——では例年どおり、 今年もくじで担当ボランティアを決めていこうと思います
学級委員長:2人1組でひとつを担当することになりますので、 ペアが決まったら、そのあとはボランティアごとに分かれて、 話し合ってください
えむ:はーいっ!
えむ:(えへへ、あたしは何のボランティアの担当になるのかな~?)
えむ:(ゴミを拾って街をキラキラにしたら、 遊びに来た人も、 みんなニコニコ~ってなってくれると思うし……)
えむ:(募金活動をしたら、きっとたくさんの人が 笑顔になるお手伝いができるよね!)
えむ:(児童館で小さい子とワーって遊ぶのも とってもわんだほいだし……! どれになっても、一生懸命がんばろー!)
学級委員長:——じゃあ次、鳳さん、くじを引いてくれますか?
えむ:わかりましたっ! ……えいっ!
えむ:えーっと……あっ! あたしは『草むしり』でした!
まふゆ:あ。それなら、私と一緒だね
えむ:えっ!? 朝比奈センパイも草むしりなんですか!?
えむ:やった~! 一緒にいっぱい草をむしむししちゃいましょうっ!
まふゆ:ふふ。鳳さんと一緒なら、 楽しいボランティア活動になりそうだな
まふゆ:一緒に頑張ろうね
えむ:はっ……はいっ!
えむ:(うう、やっぱり笑ってないよ~……!)
えむ:(あ、でも——)
えむ:(一緒の担当ってことは、 センパイを笑顔にするチャンスがあるかもだよね!)
えむ:(それなら、『草むしり』のボランティアも、 笑顔作戦も、どっちもがんばっちゃおう!)
学級委員長:——それでは、それぞれ分かれて話し合いを進めてください
まふゆ:じゃあ、まずはボランティアの内容を確認しようか
まふゆ:プリントによると……草むしりをする場所は、 この地図の範囲みたいだね
まふゆ:この神社の境内と、 周りの住宅街がメインになりそう
えむ:ふむふむ……
まふゆ:それから、実施日は町内会から指定があるけど、 時間帯は私達で決めていいみたい
まふゆ:となると……私達が考えないといけないのは、 所要時間の洗い出しと、募集人数の設定、あとは……
えむ:(すごいなあ、朝比奈センパイ……! テキパキ進めて、かっこいい!)
えむ:(よーし、あたしも!)
えむ:はい! あとは当日の持ち物とか、 あたし達が準備しなきゃいけない備品も 確認しておかないとですよね!
まふゆ:そうだね。 草むしりのボランティアは毎年やってるはずだから、 去年の資料を参考にしてみようか
えむ:はいっ!
まふゆ:——うん、備品のリストはこれでよさそうかな
えむ:集合場所と集合時間も、大丈夫そうですね!
まふゆ:それじゃあ、あとは——
まふゆ:ボランティアに参加してくれる人をどうやって集めるか……だね
えむ:えっ? 人を……ですか?
まふゆ:うん。今回の草むしりの範囲は結構広いから、 30人くらい必要かなって思うんだけど……
まふゆ:今の時期って、うちの生徒は受験とか部活で忙しいし、 真夏に草むしりって、あんまりやりたい人もいないしね。 もちろん、熱中症対策はちゃんとやる予定だけど……
えむ:あ……。そっか~……
えむ:それじゃあ、みんなに『草むしりしたいぞー!』って 思ってもらえるように呼びかけましょう!
まふゆ:草むしりしたいって思ってもらえるように……か。 結構難しいね
まふゆ:まずポスターやチラシは貼るとして…… 他に何か、いいアイディアがあればいいんだけど……
えむ:ん~~~~~~
えむ:——あ! ショーをやるのはどうですか!?
まふゆ:え?
えむ:『草むしり楽しいな~♪』ってショーをやったら、 やってみたい!って思ってもらえるかもしれませんっ!
まふゆ:ショーか……。 たしかに、宣伝としてはありだけど……
まふゆ:でも……そのショーを作るための時間や人手や—— あとは機材や場所のことを考えると、 ちょっと難しいかもね
えむ:あ、そっか~……
えむ:——じゃあじゃあ、 ふたりでパレードをやっちゃうのはどうでしょう!?
まふゆ:パレード?
えむ:はい! あたしが太鼓をドンドンするので、 センパイはリコーダーを吹いてください!
えむ:それで『楽しい楽しい草むしりだよ~!』ってやれば——
えむ:……あっ、でも町の中でおっきな音出したら 迷惑になっちゃうかな……!? むむむ~……!
まふゆ:ふふ、もう少し考えてみようか
えむ:う~ん……! 次のアイディアは……!
まふゆ:あ……。 もう下校の時間だね
えむ:ええ~っ! うう、全然いいアイディアが出せなかったよ~!
まふゆ:いっぱい考えてくれてありがとう、鳳さん。 ……私も考えてみたけど、なかなか難しいね
まふゆ:——でも、まだ当日まで時間があるから大丈夫だよ。 ゆっくり考えていこう
まふゆ:ひとまずは、最初に話したとおり、 ポスターやチラシを作って宣伝してみようか
えむ:あ! それなら、あたしが作ります! 絵を描くの、大好きなので!
まふゆ:そっか。 じゃあ、お願いしちゃおうかな
まふゆ:それで、もしポスターで人が集まらなそうだったら また別のやり方を考えてみようか
えむ:はい! 了解ですっ!
えむ:(——よーし!)
えむ:(まずはみんなに興味を持ってもらうために、 ポスター作りがんばるぞ~!)

第 3 话:たよれる仲間

翌日
宮益坂女子学園 2年B組
えむ:ふんふふ~ん♪ 一番乗りだ~!
えむ:よーし、スケッチブックと、あとペンも用意して——
えむ:ワクワク☆草むしりポスター大作戦、開始~っ!
えむ:草むしり楽しそう!って思ってもらえるように、 みーんながワクワクしちゃうポスター、作らなくっちゃ!
えむ:まずは一番上に『ワクワク! 草むしりボランティア!』 って書いて——
えむ:……日付ってどこに書いたらいいんだろ? んー……
えむ:あ! そういえば、ショーのポスターは いつも下のほうに書いてた!
えむ:よーし、日付は下のほうに書いて、 真ん中は、草むしりしてる絵を描こうっと!
えむ:ふんふんふ~ん♪ みんなでニコニコ草むしり~♪
穂波:——あ、やっぱりえむちゃんだ!
えむ:穂波ちゃん! おはよ~っ☆
穂波:ふふ、おはよう。 美化委員の仕事をしてたんだけど、 えむちゃんの声が聞こえたから、つい覗きにきちゃった
穂波:……あれ? それって、何を描いてるの?
えむ:あ、これ!? ——見て見て、じゃじゃーん!
穂波:『ワクワク! 草むしりボランティア!』……?
えむ:うん! 今度学級委員の仕事で、草むしりボランティアをやるんだ!
えむ:それで、たっくさん人が参加してくれるように ポスター作ってるの!
穂波:そうだったんだ。 草むしりしてる人もニコニコしてて、 素敵なイラストだね
穂波:これならきっと、みんな『楽しそう!』って思って、 参加してくれるんじゃないかな
えむ:本当? よかった~!
えむ:あ、そうだ! 穂波ちゃんも絵を描いてくれたら、 もっとわんだほいなポスターになるかも!
穂波:えっ?
えむ:あたし、穂波ちゃんの絵大好きなんだ! キラキラ~とかホワホワ~とか、 穂波ちゃんの想いがいっぱい伝わってくるから!
穂波:えむちゃん……
えむ:あと、どの絵もぐお~!ドカーン!って感じがして、 見ててとっても楽しいんだ~!
穂波:(そ、それは褒めてるのかな……?)
穂波:……ありがとう、えむちゃん。 それじゃあ、はじっこのところに ちょっとだけ描いちゃおうかな
えむ:わーい!
穂波:こんな感じでどうかな……?
えむ:わぁ、かわいい~!!
えむ:……これって、ちょうちょさん?
穂波:ううん。 これはね、お花のつもりなの
穂波:雑草がなくなったら、 その分、綺麗なお花が咲いてくれるかなって思って
えむ:——あ、本当だ! 黄色いチラチラ~ってところがおしべで、 周りの白いひらひらが花びらだね!
穂波:ちょっとわかりづらくてごめんね。 それじゃあ、わたしはそろそろ——
えむ:ねえねえ! このお花、もっと描いて!
穂波:え?
えむ:そしたらもーっとワクワクするポスターになると思うから!
穂波:……じゃあ、あとちょっとだけね
えむ:うんっ!
えむ:(えへへ、穂波ちゃんのおかげで、 すっごくわんだほいなポスターができちゃいそう!)
えむ:(朝比奈センパイに見てもらうの、楽しみだな~!)
数日後
宵崎家 キッチン
穂波:——じゃあ、お箸はこれを使わせてもらいますね
奏:うん。 えっと、ご飯も全員分よそえたから……そろそろ食べようか
まふゆ:……うん
まふゆ・穂波・奏:『いただきます』
穂波:今日はありがとうございます。 わたしまで、夕飯をご一緒させていただいて
奏:ううん、こっちこそありがとう
奏:おばあちゃんからたくさん野菜が送られてきたけど、 そのままだとすぐ傷んじゃうから、 一緒に食べてもらえて助かるよ
穂波:ふふ、よかったです。 でも、できればおふたりでたくさん食べてくださいね。 ナスの煮浸しも、前よりうまくできたと思うので
まふゆ:……ありがとう
まふゆ:…………
穂波:……?
奏:……まふゆ、最近なんだか疲れてるね
穂波:もしかして、夏バテですか? よければ今から、もう少し食べやすいものを用意しますよ
まふゆ:……ううん、大丈夫。 少し考えごとしてただけ
穂波:考えごと……ですか?
まふゆ:うん
まふゆ:……今度学級委員の仕事で、 草むしりのボランティアの運営をするんだけど…… なかなか人が集まらなくて
穂波:草むしりって…… もしかして、えむちゃんと一緒にですか?
まふゆ:……そうだけど……?
穂波:あ、少し前に、えむちゃんが教室でポスターを作ってるのを 見かけたんです
まふゆ:ああ、そうだったんだ
奏:ボランティアの人集めか……大変そうだね
まふゆ:うん。 今年は暑いからか、思ったよりも集まらなくて
まふゆ:だから、別の宣伝の仕方を考えないとって思ってたの
穂波:…………
えむ:それで、たっくさん人が参加してくれるように ポスター作ってるの!
翌日
空き教室
まふゆ:うーん……アンケートフォームを確認してみたけど、 やっぱり参加希望者は増えてないみたい
えむ:そうですか……
えむ:む~……。どうすれば、 もっと『参加したい』って思ってもらえるんだろう~
まふゆ:そうだね……。 あとできそうなことは……
???:——失礼します
穂波:えむちゃん、朝比奈先輩、少しいいでしょうか?
えむ:あれ? 穂波ちゃん、どうしたの? 美化委員のお仕事?
穂波:ううん。 その——
穂波:よければ、草むしりのボランティアを 手伝わせてもらいたいなって思って
まふゆ:えっ?
えむ:ほ、ほんと!? 一緒に草むしり、やってくれるの!?
穂波:うん。 それと——
穂波:よかったら、運営も少し手伝っていいかな? えむちゃん達すごく頑張ってるみたいだったし、 少しでも力になりたいなって思って
えむ:ほ、穂波ちゃん~!!
まふゆ:……ありがとう、望月さん。 そこまで言ってくれるなら、お手伝いしてもらおうかな
えむ:うんっ! 一緒にがんばろうね!
穂波:うん!
穂波:……ところで、 今もまだ人は集まってないんですか?
まふゆ:うん……。 ボランティアの中でも、 『大変そう』っていうイメージが強いみたいで
穂波:そうですね。 体力を使う仕事ですし……
えむ:う~ん、でもみんなでキレイにできたら、 楽しいって思うんだけどな~
穂波:楽しい……
穂波:あ—— 新しいイメージを付け加えるのはどうでしょう?
まふゆ:新しいイメージ……?
穂波:はい。例えばですけど、 参加したら美味しいご飯を食べられるってことになれば、 『大変だけど嬉しい』ってなりそうですし
えむ:おお~! なるほど~!
穂波:あ、予算もあると思うので、 そこまで大したことはできないと思うんですけど……
まふゆ:——ううん。 いいアイディアだと思う
まふゆ:実際、『大変だけど楽しいことがある』って伝えたほうが、 興味を持ってくれる人は多いと思うし
えむ:大変だけど、楽しいことがある……
えむ:(どんな楽しいことがあれば、 みんな草むしりに行こう!って思ってくれるかなあ?)
えむ:(学校の子も、地域のおじいちゃんおばあちゃんも、 ちっちゃい子も楽しそうって思ってくれそうなこと……)
えむ:むむむ~……
えむ:——そうだ! 朝比奈センパイ! 穂波ちゃん!
えむ:こういう時は——現場を見に行きましょうっ!
まふゆ・穂波:『……現場?』

第 4 话:レッツ現場視察!

放課後
えむ:というわけで——
えむ:草むしりの現場に、とうちゃ~く!
穂波:えっと、今回のボランティアの範囲は……。 この辺りから、あっちの神社の境内までですよね
まふゆ:うん。さっそく下見していこうか。 鳳さんの言うように、いいアイディアが浮かぶかもしれないしね
えむ:はいっ!
えむ:(お兄ちゃん達も、 新しいアトラクションとかイベントを作る時は “現場を見る”ことが大事って言ってたし……)
えむ:(いっぱい観察して、草むしりを楽しくする方法を 見つけられるようにがんばろう!)
えむ:あっ! あそこ、公園があるよ!
穂波:本当だ。 小さくてかわいい公園だね
まふゆ:それに、日陰が多いから結構涼しそうだね。 休むのにちょうどいいかも
えむ:休む……
えむ:あ! そうだ、ここでお昼にお弁当を食べるのはどうですか?
穂波:ふふ、いいね。 なんだかピクニックみたいになりそう
まふゆ:うん。お昼は各自で自由に取ってもらう予定だったけど、 みんなで一緒にご飯を食べながら休憩したほうが 楽しくなりそうだね
まふゆ:でも……それだけだと人を集めるには少し弱いかな。 他にもないか、歩きながら考えてみよう
えむ:はいっ!
えむ:——あっ! 神社が見えてきたよ!
まふゆ:本当だ
穂波:な……なんだか、雰囲気のある神社ですね……
まふゆ:うん……。 結構年季が入ってるっていうか……
えむ:あ! あそこいっぱいカラスが止まってます!
えむ:カーカー! こんにちカー!
えむ:えへへっ♪ お返事してくれたよ~!
穂波:ちょ、ちょっと怒ってるようにも見えるけど……
まふゆ:……とりあえず、行ってみようか。 何か発見があるかもしれないし
えむ:はーいっ! いっぱい探検しましょ~!
穂波:は、はい…………
穂波:うう……。 やっぱり薄暗くて、ちょっと怖いですね……
まふゆ:そうだね。 でも……木陰が多いおかげか、暑さはあんまり感じないな
穂波:あ……たしかにこれなら作業しやすそうですね
えむ:うんっ! そんなに暑い場所じゃないよー!って教えてあげたら、 来てくれる人もちょっと増えるかも——
男性:——おや、参拝ですか?
穂波:ひゃっ!? び、びっくりした……
男性:あ、驚かせてしまってすみませんねえ。 平日のこんな時間に人が来るなんて珍しくて
えむ:ほえ?
まふゆ:失礼ですが、あなたは……
神主:申し遅れました。 私は、この神社の宮司——神主の、川田と申します
まふゆ:——そうだったんですね。 初めまして。私達、宮益坂女子学園の生徒です
えむ:今度、ここで草むしりのボランティアをするので、 どんな場所なのかな~って見にきましたっ!
神主:ああ、宮益坂の! 話は聞いていますよ
神主:ボランティアに参加してくれてありがとうございます。 こんな古ぼけた神社まで草むしりをしてもらうのは 申し訳ないですが……
穂波:い、いえ! 最初は少し驚きましたけど…… でも、緑がいっぱいで素敵なところだと思います
まふゆ:私も、今日実際にお邪魔してみて、 歴史を感じることができる、いい場所だと思いました
神主:ありがとうございます。 そう言ってもらえると嬉しいです
神主:実を言うと、私もボランティアの日を 楽しみにしているんですよ
えむ:ほえ?
神主:修繕を欠かさないようにはしているんですが、 この神社は少し不気味な雰囲気があるようで、 人がなかなか来ないんです
神主:ですので、ボランティアを通じて、ここに来た皆さんに この神社を身近に感じてもらえれば……と思いまして
えむ:あ……そうだったんですね……
えむ:(……それだったらやっぱり、 神主さんのためにも、いっぱい人を集めないとっ!)
えむ:(でも……どうしたらいいのかな? 緑がいっぱいで涼しいよ、ってことだけだと、 楽しいって感じはあんまりしないし……)
えむ:……あのっ!
えむ:この辺りのオススメスポットとかってありませんか!? みんなが楽しい~!ってなれるような!
神主:みんなが楽しい……ですか
神主:そうですねえ。あればいいんですが、 この辺りには、この神社と裏山くらいしかなくて……
えむ:裏山?
神主:ええ。山といっても、ちょっとした丘のようなものですが……。 昔からうちの神社で管理しているんですが、 この神社同様、少し暗い印象があって——
神主:楽しいというよりは、怖い雰囲気しかないんですよねえ……
えむ:(怖い……?)
まふゆ:裏山って……あちらに見える山ですか?
神主:はい。 この神社の裏手からなら歩いて行けますよ
えむ:(あ……木がいっぱい生えてるから、 どよ~んって感じがするんだ!)
えむ:(ん~、あたしはおばけが出てきそうな感じがして 楽しいなって思うけど……)
えむ:ん……? おばけ……?
えむ:あ~~~~~~~っ!!
穂波:わっ……! ど、どうしたのえむちゃん?
えむ:あのあの! もしよかったらなんですけど——
えむ:ここで肝試しをやるのはどうですか!?
まふゆ・穂波:『……えっ?』

第 5 话:カワイイおばけは助っ人と

数日後
宮益坂女子学園 空き教室
えむ:あっさひっなセンパーーーーイ!!
えむ:草むしりに応募してくれる人が増えたって、本当ですか!?
まふゆ:うん。私も先生から聞いてびっくりしたよ。 今日だけでも10人くらい増えたんだって
えむ:えええ~っ!? 10人もですか!?
穂波:ふふ、みんなえむちゃんの作ってくれたポスターとチラシを見て 応募してくれたんだよ
まふゆ:あのポスター、すごく良かったよ。 『草むしり! 肝試し!』って並べて書いてあって、 肝試しをやることも伝わりやすかったし
穂波:わたしのクラスメイトも気になったみたいで、 『なんで草むしりで肝試しやるの!?』って 盛り上がってました
穂波:えむちゃんが頑張って用意してくれたおかげだね!
えむ:えへへっ! 穂波ちゃんも手伝ってくれてありがとうっ!
まふゆ:ふふ。 これでどうにか、人数の問題は解決しそうだね
まふゆ:でも……まさか草むしりのあと肝試しをやろうって言うなんて 思わなかったな
えむ:——神社とか裏山が『怖い』って聞いた時、 うちのお化け屋敷のことを思い出したんです!
えむ:こわ~いけど、でもとっても楽しいものがある!って!
まふゆ:たしかに、怖いのって苦手な人もいるけど、 同じくらい好きな人もいるよね
まふゆ:怖いのを逆手に取るなんてさすがだね。 びっくりしちゃった
えむ:えへへ……。 みんなでがんばって、楽しい肝試しにしちゃいましょう!
穂波:あ、えっと……それなんだけど……
穂波:わたし、怖いものが少し苦手だから、 肝試しのお手伝いがちゃんとできるか不安で……
えむ:大丈夫っ! 怖がりな人もちゃーんと楽しめる ワクワクニコニコな肝試しにしちゃうから!
穂波:ワクワクニコニコな肝試し……
穂波:ふふっ、全然イメージできないけど、 えむちゃんが作ってくれるなら、きっと楽しいんだろうな
えむ:うん! まかせてっ!
えむ:よ~し! それじゃあ早速、肝試しのアイディアを出していこーう!
穂波:おー
まふゆ:——じゃあ、肝試し全体の流れは、 この前の話をベースにしていこうと思うけど、いいかな?
えむ:はい! 草むしりのあと境内に集まって、 そこから1組ずつ裏山にゴー!ですね!
穂波:あ……1組の人数はどれくらいにしましょうか。 肝試しはだいたい、2人1組な気がしますけど……
えむ:ん~2人だとワイワイ!ってしにくいから、 3人1組はどうかな?
まふゆ:そうだね。 暗い山道も歩くし、できるだけ人数は多いほうがよさそう
穂波:じゃあ、3人……と。 あとは、どれくらいの間隔で出発するかとかも 決めたほうがよさそうですけど——
穂波:その辺りは境内からゴールの裏山の目印までの距離と、 どんな風に脅かすかによって変わりそうですね
まふゆ:うん。ゴールまでの距離は今度測るとして…… 今日は、どんな風に脅かすか考えていこうか
えむ:はーい、はいはいっ!
えむ:あたし、ぬいぐるみさんみたいな怖くないおばけさんになって、 バー!っておどかしたいです!
穂波:ぬいぐるみみたいなおばけ? たしかに、それならあんまり怖くなさそうだね
まふゆ:じゃあ、今日はおばけのデザインを考えて、 そのあと週末に——
休日
宮益坂
えむ:んっふっふ~♪ おっばけばけばけ、おばけ作りのお買い物~♪
穂波:話し合っていたら、 思ったよりいろんなおばけのデザインができましたね
まふゆ:うん。 ただ、さすがに3人で全部は作れないだろうから、 ちょっと絞る必要はあるけどね
まふゆ:とりあえず最初は、ショッピングモールの手芸屋さんに——
???:あれ? まふゆ?
まふゆ:え?
瑞希:あー! やっぱりまふゆだ! それに穂波ちゃんとえむちゃんも!
まふゆ:瑞希と日野森さん? どうしてここに?
瑞希:ふっふ~ん、今日は雫ちゃんと ミシンラウンジに行ってきたんだ!
雫:みんなは、今からどこかにお出かけ?
えむ:はいっ! これから肝試しの買い物に行くところなんです!
瑞希:肝試し?
穂波:学校で草むしりのボランティアをやることになったんですけど、 その人集めのために、何か楽しいことをやろうってなって……
瑞希:なーるほどね! それで、肝試しをやることになったんだ
えむ:うん! それで今から、 かわいいおばけさんの衣装を作るんだ!
瑞希:え、カワイイおばけ?
まふゆ:ボランティアは地域の人も参加するから、 怖がりの人も楽しめるように、できるだけ可愛いおばけになって 脅かすことにしたんだ
瑞希:へえ……! 何それ、すっごくおもしろそう!
瑞希:ねえそれ、手伝ってもいい? ボク衣装とか作るの結構得意だし、役に立つと思うんだ!
瑞希:ピンクのフリフリがついたおばけとか、 ネコ耳のおばけとか、いーっぱい作っちゃうよ!
穂波:え……! 本当ですか?
瑞希:うん! それに、草むしりと肝試しも、 バイト代わってもらえたら行けると思うし——
瑞希:あ……でもこれって、 他校の人間が関わっちゃうとまずいかなあ?
まふゆ:そんなことないよ。この辺りの地域の人達も募集してるし。 でも……本当にいいの?
瑞希:もちろんいいよ! さっきミシンラウンジ行ってから 作りたい欲も爆発してるし、おもしろいことはやりたいしね♪
雫:ふふ、そうね。 それなら私もお手伝いさせてもらおうかしら
雫:草むしりの日も、空けられないか確認してみるわ
まふゆ:え……日野森さんも?
穂波:でも、お仕事でお忙しいんじゃ……
雫:今は少し時間があるから、衣装作りの時間くらいは とれると思うし大丈夫よ
まふゆ:そっか……。 そう言ってもらえるとすごく助かるな
雫:気にしなくても大丈夫よ。 それに朝比奈さんは知っていると思うけど——
雫:実は私、肝試しに役立ちそうなものを 持っているの♪
穂波:肝試しに役立ちそうなもの……ですか?
まふゆ:あ、それって、もしかして……
雫:ええ! あれのことよ
まふゆ:そっか……。 たしかにあれなら、肝試しに向いてるね
えむ:ほえ?
瑞希:え~、何その意味深な会話! すっごく気になるんですけど!
雫:ふふ、それなら衣装作りの日に持って行くわね
瑞希:も~、そうやってじらすんだから~
瑞希:——ってことで、ボクと雫ちゃんもお手伝いしたいんだけど、 どうかな? 大丈夫?
えむ:——はいっ、よろしくお願いします!
瑞希:ありがとう! えへへ、みんなよろしくね!
瑞希:じゃあ、さっそく買い物行こう! カワイイ布とかたくさん売ってる手芸店も知ってるんだ!
えむ:うんっ! みんなでゴーゴーレッツゴー!だねっ!

第 6 话:みんな楽しい草むしり

ボランティア当日
神社
まふゆ:はーい、みんな集まって! ちゃんと順番に並んでね
えむ:えへへ……! ちっちゃい子もいっぱい集まってくれてよかった~!
雫:本当ね。 地域の人達もたくさん集まっていて……大盛況だわ!
穂波:やっぱり肝試しが珍しいみたいで、 それを目当てに来てくれた人が多いみたいです
えむ:よーし! 草むしりも肝試しも、楽しんでもらえるようにがんばるぞ~!
穂波:うん!
穂波:あ……そういえば、瑞希さんの姿が見当たらないような……?
まふゆ:——それなら、今連絡が来たよ。 瑞希は肝試しから参加させてほしいって
まふゆ:やっぱり、アルバイトの代わりの人が 見つからなかったらしくて。 終わったあと、夕方から来るみたい
まふゆ:『ごめんね! その分肝試しで働きます!』って 書いてあったよ
穂波:そうだったんですね。 じゃあ……草むしりは、わたし達4人で頑張りましょう!
えむ:うん! ニコニコ草むしり作戦、絶対成功させようね!
雫:あら、そんな素敵な名前がついていたのね
まふゆ:多分今決めたのかなって思うけど…… でも、鳳さんらしいな
えむ:それじゃあ、みんないくよー! えいえい——
まふゆ・穂波・雫:『おーっ!』
地元の小学生A:せーのっ……! うーん、抜けないよ~!
穂波:どうしたの? 大丈夫?
地元の小学生A:ん~。あのね、この草が全然抜けないの
雫:ああ、この草ね!
雫:これはね、スコップを土の中に差し込んで、 くるっと回して、そのあとに引っ張ってあげると抜けるのよ
地元の小学生A:くるっと? ……あ、ホントだ! スポって抜けたよ!
穂波:すごく綺麗に抜けたね! おめでとう!
雫:それじゃあ成功のお祝いに……ハイ、タッチ♪
地元の小学生A:えへへ……ありがとう、お姉ちゃん達!
まふゆ:皆さん、抜いた雑草はビニール袋に入れて こちらのごみ回収所に持ってきてください
宮女の生徒達:『はーい!』
宮女の生徒A:ふぅ。 日陰だけど、やっぱり暑いね~
宮女の生徒B:ね! すっごい汗かいちゃった!
えむ:ふっふっふ……! そんながんばったみんなには——ご褒美がありますっ!
宮女の生徒A:え? ご褒美?
えむ:朝比奈センパイと、シャキシャキー!って作りました! ——かき氷ですっ!
宮女の生徒B:え、本当!? やったー! ありがとう!
まふゆ:ちゃんと全員分あるから、 並んで取って行ってね
宮女の生徒達:『はーい!』
まふゆ:かき氷作戦大成功だね、鳳さん
えむ:はいっ!
えむ:……あっ! でも、もう大行列になっちゃった!
えむ:いっぱい削らなくっちゃ! ぐるぐるぐるる~~~!!!!
まふゆ:安いからって、かき氷機を手動にしたのは ちょっと失敗だったかもね……
公園
えむ:ん~っ! みんなで食べるご飯って、やっぱりすっごく楽しいね!
雫:ええ。 草むしりを頑張ったからより一層おいしく感じるわ
まふゆ:ふふ、午後も頑張ろうって気持ちになるよね
えむ:(それに、みんなも——)
地域の人A:君達、学生さんだよね? 熱心にやってくれて、すごく助かるよ
宮女の生徒B:いえいえ! やってみると草むしりも結構楽しいですし!
地元の小学生B:ねえねえ、高校の勉強って難しい?
宮女の生徒A:うん、めっちゃ難しいよー。 君はどんな勉強してるの?
穂波:……みんな、地域の人達とも楽しそうに話してるね
まふゆ:ここで食べる計画にしてよかったな
えむ:(……えへへ、楽しんでくれてよかった!)
えむ:(よーし、あたしも最後までがんばるぞー!)
地域の人A:あともう一息、頑張ろう~!!
参加者達:『はーい!!』
まふゆ:…………ふぅ
まふゆ:(……あと30分くらいしたら草むしりは終わりそう。 ちゃんと段取り通りに進行できてよかった)
まふゆ:(でも……肝試しが終わるまでは気が抜けないな。 油断すると事故が起こるかもしれないし……)
???:——朝比奈先輩
まふゆ:え……
まふゆ:……望月さん
穂波:お疲れさまです。 これ、スポーツドリンクです。 よかったらどうぞ
穂波:大変だと思いますけど……。 朝比奈先輩も、ちゃんと休憩してくださいね
まふゆ:あ……うん。ありがとう、望月さん
穂波:……大丈夫ですか?
まふゆ:えっ?
穂波:余計なお世話かもしれませんけど……。 無理してないかなって、ちょっと心配で
まふゆ:あ……
まふゆ:……大丈夫。 みんながいろいろ手伝ってくれるから、 そこまで疲れてないし
穂波:……そうですか。 それならよかったです
穂波:でも、もし、何か大変なことがあったり、 疲れたなって思ったら言ってくださいね
穂波:わたしでよければ、いつでも力になりますから
まふゆ:望月さん……
まふゆ:……ありがとう

第 7 话:ワクワクニコニコ肝試し

数時間後
神社の裏山
えむ:えっと、脅かしポイントに目印つけて……。 ——かんせーい!
えむ:あたしは準備バッチリだよ♪ 穂波ちゃん達は?
穂波:こっちも仕掛けは設置できたよ。 ええと、あとは……
瑞希:——みんな~!
えむ:あ、瑞希ちゃん!
瑞希:はぁ、はぁ……待たせちゃってごめんね! 最後のお客さんにコーデ相談されて、結構悩んじゃって!
雫:ふふ、お疲れさま。 肝試しはまだ始まってないから大丈夫よ
えむ:うんっ! 一緒にいーっぱい楽しく脅かしちゃおう!
瑞希:ありがとう~! 遅れてきた分、脅かし役めちゃくちゃ頑張るよ!
まふゆ:うん、よろしくね
まふゆ:それじゃあ、みんな揃ったし 簡単に流れを確認しようか
まふゆ:まず、役割だけど……。 私が参加者をゴールまで誘導する役で、 みんなが脅かし役だね
まふゆ:参加者は3人で1組。 私達が脅かしポイントに着いたら、合図を送るから——
えむ:そしたら、みんなでびっくりさせちゃおう!
瑞希・穂波・雫:『おー!』
まふゆ:私からはこんな感じだけど……。 鳳さんから伝えることはある?
えむ:伝えること……あ! そうだ!
えむ:あたしはこの肝試しで、 参加する人だけじゃなくて、脅かす人も、案内する人も、 みーんなが笑顔になればいいなって思ってます!
えむ:だから——
まふゆ:……?
えむ:みんなでニコニコ笑顔になれるように、 あたし達も一緒に楽しみましょう!
瑞希・穂波・まふゆ・雫:『はーい!』 『はい』
まふゆ:——暗いから、足元に気を付けながら歩いてね
宮女の生徒A:わ、わかりました……
宮女の生徒B:な、なんか思ったよりも暗くて怖いね……!
宮女の生徒C:うん……! あの木の陰とか、なんか明らかに出てきそう……!
宮女の生徒B:でも、朝比奈先輩が誘導してくれるなら 心強いかも……!
宮女の生徒A:たしかに! おばけが出ても怖くないよね!
まふゆ:……それはどうかな? もしかしたら、みんなを置いて逃げちゃうかも
宮女の生徒B:ええ~、そんなぁ!
まふゆ:ふふ。 ——あ、待って。何か聞こえない?
宮女の生徒C:え、聞こえるって……。 それってまさか……
???:『……がるるる』
???:『がおー! がおん!』
宮女の生徒A:きゃーっ! って、あれ……? 今のって……?
宮女の生徒B:なんだか、すごくかわいい声だったような……?
えむ:——瑞希ちゃん、今だよ!
瑞希:オッケー!
宮女の生徒B:え、なに、後ろから音が……
???:『わおわおわおーん!』
宮女の生徒B:——わぁっ!? お、おっきい怪物が——って、あれ?
宮女の生徒A:よく見たらこれ、おっきな犬のぬいぐるみじゃん! かわい~!
宮女の生徒B:なんか、身構えてたけど全然怖くないね~
宮女の生徒A:うん、むしろ癒やされちゃった
まふゆ:ふふ。でも、ここには犬以外にも いろんなおばけがいるから油断は禁物だよ?
宮女の生徒A:……! ねえ、今、また音がしなかった?
宮女の生徒C:う、うん……。しかも、どんどん近づいてきてるような
???:にゃお~~~~っ!
宮女生徒達:『きゃーっ!』
えむ:——にゃおーんっ♪
えむ:にゃーおっ♪ にゃおにゃお~っ♪
宮女の生徒B:え……な、なに? なんか、すっごいぴょんぴょんしてる?
えむ:肝試しにようこそだにゃっ♪
えむ:ここから先もコワ楽しいことがいっぱいにゃ! 暗いから気を付けて進むんだにゃーっ♪
宮女の生徒A:え~! かわいいし親切~!
まふゆ:ふふ、歓迎してくれてるみたいだね。 ありがとう、おばけさん
まふゆ:それじゃあ、先に進もうか
宮女の生徒B:うん! ——おばけさん、ばいばーい!
えむ:バイバイだにゃーん!
宮女の生徒A:……なんだか気のいいおばけだったねー! もうちょっと話したかったかも!
宮女の生徒B:うん! ……あれ? なんだかこの辺り、ちょっと寒くない?
宮女の生徒A:そうだね……。 さっきまで暑かったのに、これってもしかして……
まふゆ:うん。 ここって、出るって話があるんだ
まふゆ:——ほら、出たよ
???:——こんばんは
宮女の生徒A:ひ……ひ……
宮女の生徒A:日野森雫だー! きゃー!!
宮女の生徒B:わ、私ボランティアの時も遠くからしか見てなかったから、 こんなに近くで見るの初めて……!
宮女の生徒C:し、しかも雪女の格好なんて、 絶対レアじゃない!?
宮女の生徒A:っていうか、なんで雪降ってるのここ!
雫:……これが雪女の力よ♪ 暑い夏にはぴったりでしょう?
雫:ここで涼んだら、 気をつけてゆっくり進んでいってね
宮女の生徒A:はーい!
瑞希:すっごく様になってたね~
穂波:本当の雪女みたいで、とっても素敵ですね……!
雫:ふふ、神代さんに雪を降らせる機械を借りられてよかったわ♪
えむ:かわいいだけじゃなくて、 涼しい肝試しにできちゃいましたねっ!
えむ:それじゃあ——この調子で、 どんどん脅かしていっちゃいましょ~!
小学生達:肝試し、楽しかったな~!
小学生達:うん! 思ったより怖くなかったし、もう1回やりたいな!
えむ:神主さーん! 戻りましたー!!
まふゆ:参加者全員、無事に下山して帰られました。 あ……一組だけお手洗いに行かれているので、 その方達を見送ったら終了です
神主:ああ、お帰りなさい。 おばけ役、お疲れさまでした
男の子:——あの!
神主:ん?
穂波:あ……最後の一組のお子さんみたいですね。 どうしたんだろう……?
男の子:あの……今日とっても楽しかったです! また遊びに来ます!
神主:……!
男の子の父親:賢太~! トイレから戻ったんならそろそろ行くぞ~!
男の子:はーい! ——じゃあ、ありがとうございました!
神主:……また来る、か。 嬉しいな
穂波:ふふ、よかったですね
神主:……はい、本当に
神主:それに草むしりのあいだも、 たくさんの人に嬉しい言葉をいただきました
神主:これもすべて皆さんのおかげです。 本当に感謝してもしきれません
えむ:えへへ……。 みーんなニコニコになれてよかったです!
瑞希:——さてと! みんな帰ったことだし、ボク達は片付け始めなくっちゃね!
雫:そうね。 暗いから、みんな気を付けて片付けましょう
穂波:大分、雰囲気が出てきてますしね……!
まふゆ:あ……神主さん。借りていた道具類もお返ししたいので、 倉庫の鍵をお借りしてもいいでしょうか?
神主:ええ、わかりました。 それじゃあ——あれ?
穂波:どうかされたんですか?
神主:いえ……。 倉庫の鍵をお渡ししようとしたのですが、 見つからなくて……
えむ:え?
神主:……もしかしたら、落としてしまったのかも……
まふゆ:よかったら、探しましょうか? どの辺りで落としたかさえわかれば……
神主:そうですね……。 たしか、草むしりが終わった時まではありました。 何度か倉庫に立ち寄ったのも覚えています
神主:そのあとは、肝試しのコースに問題がないか 確認していたので、もしかしたら……
神主:肝試しのコースの途中で、落としたのかもしれません……
雫:肝試しのコース……ですか。 そうなると見つけるのは少し大変そうですね……
神主:そうですね……。 ただ、皆さんは朝から働きどおしでしょうし、 わざわざ手伝ってもらうのは——
えむ:——あたしは大丈夫ですっ!
穂波:えむちゃん……
えむ:片づけしながら探せば、 早く見つかるかもしれませんし……手伝います!
瑞希:……ボクもやるよ! まだまだ元気有り余ってるしね!
神主:皆さん……
まふゆ:——じゃあ、決まりだね
まふゆ:コースは長いですし、分担して探していきましょうか。 スタートから中間地点までを、 神主さんと日野森さんと瑞希に探してもらって——
まふゆ:中間地点からゴールまでを 私と鳳さんと望月さんで探すのはどうかな
瑞希:はーい! 問題ないよ!
穂波:ゴ、ゴールまで行くんですね……!
瑞希:あはは、なんか第2回肝試しって感じだね♪ みんなでがんばろ~う!
えむ:うんっ!

第 8 话:あなたがニコニコしていると

神社の裏山
穂波:う、うう……
えむ:ん~。鍵、鍵……。 鍵さん、出ておいで~!
まふゆ:……こう暗いと、さすがに探しにくいね
穂波:そ、そうですね……。 転ばないように気を付けないと……
穂波:——ひゃあっ!?
えむ:ほ、穂波ちゃん!? どうしたの!?
穂波:い、いいい今、顔に冷たいものが……っ
まふゆ:……あ。多分それ、葉っぱじゃないかな
穂波:へ……?
まふゆ:ほら、そこの枝。 ちょうど望月さんの顔の高さにあるし、少し揺れてるから
穂波:……あ、本当ですね……。 うう、恥ずかしい……
えむ:穂波ちゃん、怖くないように手を繋いであげるね! はい、ぎゅっ!
穂波:あ、ありがとう、えむちゃん……!
まふゆ:……ふふ。 ふたりとも、仲がいいね
まふゆ:……それにしても、最後に大変なことになっちゃったね
穂波:そうですね……。 早く鍵が見つかるといいんですけど……
えむ:うん!
えむ:……でも……
えむ:あたしは、もう1回肝試しやってるみたいで楽しいな!
えむ:それに……
えむ:朝比奈センパイが、いつもよりちゃ~んとニコってしてるから あたしも嬉しいし!
まふゆ:え? ちゃんと……?
えむ:……あ! えっと、こ、これは……! えーーーーっと~~~~!
えむ:その……!
えむ:——あたし、朝比奈センパイが、 笑顔なのに笑顔じゃないみたいに 見えることがあるんです
まふゆ:…………
えむ:……最近は特に、 笑っててもしょんぼりしてるように見えて、ちょっと心配で……
えむ:でも……! 今日は、センパイがホントにニコってしてるところが 見えたような気がして……!
えむ:だからあたし、とっても嬉しいんです!
まふゆ:…………どうして?
えむ:え?
まふゆ:どうして、私がちゃんと笑ってると、鳳さんが嬉しいの?
えむ:それは……んーっと……
えむ:朝比奈センパイがニコニコだと、 あたしも楽しくなって、ニコニコになっちゃうからです!
まふゆ:…………。 理由になってない気がするけど……
穂波:——わたしもわかりますよ、えむちゃんの気持ち
穂波:わたしも、身近な人が笑顔になってくれると、 嬉しくなるので
まふゆ:…………あ
まふゆ:(そういえば——)
奏:あの時のわたし達みたいに、 まふゆにも笑ってほしいって思ったの
まふゆ:(奏も、同じことを言ってた)
まふゆ:(じゃあ……)
まふゆ:(鳳さんや望月さんも、 奏みたいに私のことを想ってる、ってことなのかな)
まふゆ:————そっか
えむ:……! センパイ、今——
穂波:き——きゃああああ!!!!
えむ:わわわわっ!? 穂波ちゃん、大丈夫!?
穂波:いいいい今、ガサガサって音が鳴って……!! 何か走り抜けて……!
まふゆ:え……?
えむ:それってもしかして——おばけさん!?
えむ:どこどこ!? もうどこか行っちゃったかな!?
まふゆ:…………ううん、まだいるみたい
穂波:へ……。 い、いるって、もしかして……!
まふゆ:うん。 ほら、そこに——
まふゆ:——タヌキがいる
穂波:……え?
タヌキ:キュー
穂波:……! 本当に、タヌキですね……!
えむ:わああ~! かわいい~!
えむ:この山がおうちなのかな……って、あれ?
えむ:このタヌキさん、しっぽに何かひっかかってるよ!
穂波:え? わたしはよく見えないけど……
えむ:ほら、あそこだよ! ヒモみたいなのがグルグルって巻き付いてる
まふゆ:……! あれ、倉庫の鍵だと思う
まふゆ:最初に借りた時見たんだけど、鍵には紐がついてたんだ。 ああいう赤い紐だったと思う
穂波:そうだったんですね……!
えむ:よーし、それじゃあ、あたし取ってきますね!
えむ:タヌキさん、いい子だからジッとしててね……
タヌキ:キュー?
えむ:あたしは敵じゃないからね~。 ポンポコポンポコ……
えむ:——うん、取れた!
タヌキ:キュー!
えむ:えへへ、タヌキさんも嬉しそうでよかった!
えむ:でも……なんであの子が持ってたんだろう?
穂波:うーん……。 神主さんが落としちゃった後、たまたまあの子が通って しっぽに引っかかった、とかかな
まふゆ:でも、見つかってよかったね。 あのままタヌキがどこかに行ってたら、 鍵も見つからなかったかも
穂波:たしかに……。 ふふ、本当にラッキーでしたね
えむ:うん! じゃあ瑞希ちゃん達にも伝えて、神社に戻ろう!
えむ:よいしょ、よいしょ……。 椅子を倉庫にしまって……
えむ:ふぅ~。 これで運ぶものは全部ですか?
神主:ええ。あとは、鍵をかければ終わりです。 ……皆さん本当にありがとうございました
まふゆ:いえ、こちらこそありがとうございました
まふゆ:——それじゃあみんな、 遅くなっちゃったし、そろそろ帰ろうか
瑞希:あ~あ、肝試しもこれでおしまいかぁ
穂波:なんだかあっという間でしたね
雫:ええ。名残り惜しい気がするわね
瑞希:だね……
瑞希:——あ! 一番大事なこと言ってなかった!
瑞希:えむちゃん! 今日は本当にありがとうね!
えむ:え?
瑞希:この企画、えむちゃんが考えてくれたんだよね? カワイイおばけ作ったり、脅かしたり、すっごく楽しかったよ!
雫:ええ。おばけ役だったのに、みんなの笑顔をたくさん見られて、 幸せな気持ちになったわ
穂波:肝試し、って聞いた時は怖かったけど…… でも、えむちゃんのアイディアで楽しめたよ
穂波:これも、えむちゃんがみんなのために たくさん考えてくれたおかげだね
えむ:みんな……
えむ:……えへへ、みんなが手伝ってくれたからだよ! こちらこそありがとう!
まふゆ:…………
まふゆ:……私も
まふゆ:——今日は、ありがとう
えむ:(あ……!)
えむ:(やっぱり……笑ってる……!!)
えむ:——はいっ! こちらこそありがとうございます!
えむ:あたし、もっと学級委員の仕事、がんばりますね! だから……これからもよろしくお願いします!
まふゆ:うん。 よろしくね
えむ:(……よかった! 朝比奈センパイがニコニコになれて!)
えむ:(——やっぱり、みんなが笑顔になってくれるのって すごく嬉しいな!)
穂波:ふふ、すごく嬉しそうだね、えむちゃん
えむ:うんっ!!
えむ:——だって今日も、す~っごくわんだほいな1日だったから!