活动剧情

This moment with you!

活动ID:143

第 1 话:今後の方針

ソリス・レコード事務所
真堂:——皆さん、お疲れさまです
一歌:お疲れさまです
咲希:お疲れさまでーす!
咲希:真堂さん! 今日は何の話ですかっ!? もしかして、デビュー曲の売り上げの話だったり……!?
志歩:ちょっと咲希、落ち着きなよ
咲希:え〜? だってだって、今日はぜーったい いいこと言われる日だもん!
咲希:なんてったって…… デビュー曲、すっごーくバズっちゃったし♪
真堂:まあ、そうですね。 今日はまず、その話をしようと思っていました
真堂:皆さんのデビュー曲の売り上げは、 我々の想定した倍になりました。 かなり好調な滑り出しです
真堂:やりましたね
咲希:……!
志歩:咲希と一歌が、いい曲を作ってくれたおかげだね
咲希:えへへ、やったね! いっちゃん♪
一歌:うん……! よかった……
真堂:曲がよかったのはもちろんですが、今回は特に、 バーチャル・シンガーバージョンのヒットに助けられましたね
穂波:あ……800万再生くらいいってますよね……!
一歌:出た直後でも100万再生いってて、すごいって話してたのに どんどん伸びてくから少し怖かったな……
真堂:はは、そうかもしれませんね
真堂:……このバーチャル・シンガーのバージョンは 売り上げに大きくつながりました
咲希:そうなんですか!?
真堂:ええ。バーチャル・シンガーバージョンを聴いて、 Leo/needへ流れてくる層が多く、 かなりの宣伝効果があったと思われます
一歌:そうなんだ……
真堂:それを踏まえて—— 社内で今後の方針について検討をしました
真堂:今日は、そのお話をさせてもらいたいと思っています
志歩:今後の方針……?
真堂:あくまで、皆さんのご意向に沿いたいとは思っていますが——
真堂:——我々としては、皆さんに、今後リリースする曲全てで Leo/needバージョンとバーチャル・シンガーバージョンの ふたつを制作していただければと考えています
一歌:え……
一歌:これから作る曲、全部でですか?
真堂:はい
一歌:…………
穂波:一歌ちゃん……?
真堂:……先ほど申し上げた通り、 バーチャル・シンガーバージョンをアップすることによる メリットは、とても大きいです
真堂:実際、バーチャル・シンガーバージョンを作る条件で 皆さんにタイアップのお話も来ています
穂波:えっ、タイアップ……?
真堂:はい。オイシ飲料社の炭酸飲料とのタイアップです
咲希:そ、それって…… もしかして、しゅわデリサイダーですか!?
真堂:天馬さん、正解です
志歩:かなり大きいところですね
穂波:でも、どうしてわたし達に……?
真堂:今回のデビュー曲が注目された、というのが一番大きいですが……
真堂:もうひとつの理由としては、制作されるCMのテーマと 皆さんのイメージが合っているためですね
一歌:イメージ?
真堂:はい。 今度のCMのテーマは『この一瞬を、一緒に!』というもので——
真堂:商品の特徴である喉ごしのさわやかさを、 学生の青春として表現するようです
真堂:そのイメージがLeo/needにマッチしそうとのことで お話をいただきました
一歌:この一瞬を、一緒に……
志歩:たしかに、私達っぽいかもね
咲希:わあ……!
咲希:あの、毎回すっごーく青春!って感じのCMですよね! 友達とプールでワイワイしてたり、自転車で走ってたり!
咲希:アタシ、あのCM見て こんな青春したいな〜って思ってました!
穂波:ふふ。咲希ちゃん、昔そんなこと言ってたね
穂波:そんな有名なCMとタイアップさせてもらえる 機会があるのは、嬉しいですけど……
一歌:…………
真堂:星乃さん、何か思うことがあるのであれば 遠慮なく聞かせてください
一歌:あ……
一歌:……その、タイアップ自体は すごくありがたい話だなって思うんですけど……
一歌:……これから先、リリースする曲を全部、 ミクに歌ってもらうって話が気になって……
咲希:気になる……
一歌:うん……
一歌:うまく、言えないんだけど……
一歌:すみません、宣伝効果があるってわかってるし、 タイアップでも条件になってるのに
一歌:どうしても、引っかかってしまって……
真堂:——星乃さん。 プロデューサーとしての俺の意見と、 マネージャーとしての俺の意見を言わせてください
一歌:え……
真堂:まず、先ほども言ったとおり バーチャル・シンガーバージョンを作ることは 率直にメリットが大きいと考えています
真堂:今回のようにSNSで拡散される可能性も高まりますし、 よりたくさんの人に聴いてもらえる—— つまり、より売れることに繋がる
真堂:それは我々はもちろん、 皆さんにとっても喜ばしいことのはずです。 また、それでLeo/needの音楽性が損なわれることもない
一歌:…………そう、ですよね……
真堂:ただ……これはプロデューサーとしての意見で、 ここからはマネージャーとしての意見になります
真堂:——星乃さん。 今、星乃さんが悩んでいるということは、 何か納得できない理由があるはず
真堂:どういう決断をするにせよ、 それを払拭しないまま、話を進めることは良くありません
真堂:今後の活動のために、 今、きちんと答えを出しておいたほうがいい
一歌:今後の、活動のために……
真堂:はい。今後、全ての曲でバーチャル・シンガーバージョンを 出したいというのは、たしかに会社の希望する方針です
真堂:しかし、だからといって 必ず従わなければいけないわけではないと、俺は思いますよ
一歌:え……
真堂:もちろん、 単なるわがままなアーティストになってしまうことは良くない
真堂:しかし、それがわがままとはしっかりと分別された “信念”なのだとしたら—— 皆さんにとって守るべきものだと思います
一歌:…………
一歌:……でも、タイアップはバーチャル・シンガーバージョンを 作るのが条件なんですよね……?
真堂:そうですね
真堂:ですが——長期的な活動指針に関わることなので 固執しすぎず、しっかり考えて決断したほうが良いです
一歌:…………
一歌:……いつまで、待ってもらえますか?
真堂:月末までに答えをいただければ問題ありません
一歌:……わかりました それまでに答えを出して、連絡します

第 2 话:しゅわしゅわとモヤモヤ

宮益坂
一歌:……みんな、せっかくのタイアップなのに すぐ答えが出せなくてごめん
咲希:そんなの全然大丈夫だよ!
咲希:真堂さんだって、納得できないまま 進まないほうがいいって言ってたし!
穂波:そうだね。今回のタイアップだけじゃなくて 今後の方向性にも関わってくることだし
穂波:でも……
穂波:一歌ちゃん、何が引っかかってるのか、わかりそう?
一歌:それが……自分でもよくわからなくて
一歌:ただ、なんだかモヤモヤした感じがするんだ
穂波:そっか……。 わたしも、何か手伝えたらいいんだけど……
志歩:まあ、ゆっくり考えようよ。 まだ時間はあるんだし
咲希:うんうん! それがいいよ!
咲希:それに今日は、セカイで 『デビュー曲大ヒットおめでとうパーティー』もあるし♪
咲希:まずはいっぱいお祝いして、それからゆっくり考えよ!
一歌:……あ、そうだった。 パーティー、今日だったね
穂波:ふふ、せっかくだから お菓子もたくさん買っていこうか
志歩:いいんじゃない? むしろ、買っていかないと なんで何もないのって言われそう
一歌:ふふ、たしかに。 想像できるな
咲希:あははっ♪ じゃあ、お菓子とかいろいろ買って ミクちゃん達のところ行こっか!
一歌:——うん!
教室のセカイ
ミク:——みんな、準備できた?
リン・咲希:『はーい!』
KAITO:……大丈夫
MEIKO:それじゃあ、みんなのデビュー曲がヒットしたお祝いに…… いくよ!
MEIKO:カンパーイ!
みんな:『カンパーイ!』
ルカ:本当におめでとう、みんな
リン:1曲めからバズっちゃうなんて、めちゃすごいよね~!
一歌:まあ、バズってるのはミクが歌ってるバージョンなんだけどね
志歩:……でも、たくさんの人に私達の演奏を 聴いてもらえてよかったな
咲希:うんうん! それに、ミクちゃんバージョンを聴いて 『歌ってみた』動画をあげてくれてた人もいたんだよ!
咲希:その人達、『曲も演奏もいいから、歌ってて気持ちいい!』って 言ってくれてて、すっごく嬉しかったな~!
穂波:ふふ、そうだね
穂波:一歌ちゃんも咲希ちゃんも、一生懸命作ってくれてたもんね。 本当にお疲れさま
咲希:えへへ、ほなちゃんとしほちゃんの演奏も すーっごくかっこよかったよ!
志歩:ありがと。 穂波と特訓したかいがあったかな
レン:——ん?
レン:なあ、このジュース見たことないけどなんだ?
リン:あっ! それあたしも気になってた! なんかいろんな味があるよね!
咲希:あ、実はね、そのジュースの会社から CMのタイアップの話がきてるんだ!
レン:え、タイアップ?
一歌:うん。だから、みんなで飲んでみようってことになって、 いろいろ買ってきたんだ
レン:へえ……。 それにしても、たくさん種類があるんだな
咲希:どの味も好きだけど、アタシはメロンソーダがオススメ♪ アイスを乗っけるとカフェにあるメロンフロートみたいで テンション上がっちゃうんだ~!
リン:わあ、おいしそう~! あたしもやりたーい☆
ルカ:それにしても、デビューしてすぐタイアップなんて 本当にすごいわね
志歩:上手くいきすぎてる感じはしますけどね。 それに、まだ受けるって決めたわけじゃないんだ
ミク:え、なんで?
一歌:……私が、まだ決めきれてなくて
ルカ:一歌が?
一歌:うん……
レン:なんか理由があるのか?
一歌:理由は……まだ、うまく言葉にできないんだけど……
一歌:実は——
ルカ:……なるほど
ルカ:これから出すLeo/needの新曲、全てで バーチャル・シンガーのバージョンを……
一歌:うん……
一歌:私の代わりにミクに歌ってもらうことは、全然いいんだ。 今までだって、ミクにはLeo/needの曲を歌ってもらってたし
一歌:みんなで歌う前の仮歌だって、ミクに歌ってもらってる
一歌:でも……それを改めて全部世の中に出して、売るってなると、 何か、引っかかって……
ミク:一歌……
穂波:……昔から一歌ちゃんにとって、ミクちゃんって とっても大切な存在だったから…… 大事にしたいことがあるのかもしれないね
志歩:私達が小学校の時、バンド始めたのも ミクがきっかけだったしね
レン:小学校……
レン:そういえば、昔の一歌ってどんな感じだったんだ?
一歌:えっ? わ、私……?
レン:ああ、あんまり聞いたことなかったなってさ
レン:ただの興味もあるけど、 もしかしたら、それがヒントにつながるかもしれないだろ?
一歌:ヒントに……
一歌:……そうだね。このまま答えが出せないと みんなに迷惑かけちゃうし
一歌:ちょっと、恥ずかしいけど……
一歌:——私がミクと出会ったのは、小学5年生の頃だったかな。 たしか、公園に家族で来てて……

第 3 话:あの子との出会い

数年前
公園
幼い一歌:えっと、これは……ネジバナだって。 小さい花がいっぱい集まって咲いてて可愛いな……
一歌の父:ああ、よく見つけたな。 これで10種類めか?
幼い一歌:うん! 花の図鑑を作る宿題、終わりそう!
幼い一歌:お父さん、手伝ってくれてありがとう。 本当は咲希達と一緒にやるつもりだったんだけど 予定が合わなくって
一歌の父:お父さんも、一歌と散歩ができて楽しかったよ。 誘ってくれてありがとな
幼い一歌:えへへ、よかった……! 図鑑、できたらお母さんにも見せてあげよっと
一歌の父:ああ、きっと喜ぶよ
一歌の父:……お、あそこでジェラートを売ってるな。 少し暑くなってきたし買ってくるか
幼い一歌:あ……! 私、バニラが食べたい!
幼い一歌:けど、まだ図鑑作り終わってないし……
一歌の父:はは、じゃあお父さんが買ってくるから 一歌は図鑑を作っていていいよ
一歌の父:ほら、タブレットも置いていくから 新しい花を見つけたらこれで調べなさい
幼い一歌:わ……ありがとう、お父さん!
幼い一歌:えっと、新しい花は……
幼い一歌:あっ、ピンクの花がある! これにしよっと
幼い一歌:なんの花だろ? タブレットで調べて——
幼い一歌:あ……!
ミク:『——みんな、今日は来てくれてありがとう! わたしの歌、たくさん聴いていってね』
幼い一歌:……どうしよう
幼い一歌:(お父さんのタブレットいじってたら、 よくわからない動画に飛んじゃった……)
幼い一歌:(この緑の髪の子、誰だろう?)
幼い一歌:(あ、曲が始まった……。 全然知らない曲だけど……)
ミク:♪————————!
幼い一歌:……!
幼い一歌:わぁ……! すごい!
幼い一歌:きれいな声……。 ギターも弾けるんだ、かっこいい……!
幼い一歌:この子、なんていうんだろう
幼い一歌:——初音、ミク?
幼い一歌:ミクっていう子なんだ……
一歌の父:——一歌、ジェラート買ってきたぞ。 休憩して一緒に食べよう
幼い一歌:あ……うん!
幼い一歌:ねえお父さん、聞いて! 初音ミクっていう子の動画を見たんだけど、 かっこよくって——
一歌の部屋
幼い一歌:……この動画の歌も、かっこいいなあ……
幼い一歌:(さっきのミクの歌はかっこいい感じだったけど、 このミクの歌は、アイドルみたいにかわいい……)
幼い一歌:(同じミクが歌ってるのに、 全然違う音楽がたくさんあって……不思議だな……)
幼い一歌:(それに動画の雰囲気もそうだし、歌い方も—— 可愛かったり、かっこよかったり、大人っぽかったり ……違う人みたい)
幼い一歌:(でも、全部“初音ミク”なんだよね……)
幼い一歌:すごいな……
幼い一歌:でも——
ミク:♪————————!
幼い一歌:……やっぱり、この曲が一番かっこいいな
幼い一歌:ミクもキラキラしてて、楽しそうに歌ってるように聴こえて……
幼い一歌:私も……
幼い一歌:(やってみたいな……!)
幼い一歌:(ミクみたいに——!)
翌日
小学校 教室
幼い穂波:……え? 演奏?
幼い一歌:うん!
幼い一歌:私達で、ミクの曲を演奏しない!?
幼い志歩:ミク……って、バーチャル・シンガーの 初音ミクのこと、だよね?
幼い咲希:いっちゃんって、ミクちゃんのこと好きだったっけ?
幼い一歌:昨日、たまたま知ったんだ! それで……聴いて、この曲!
幼い志歩:……へえ、かっこいい曲だね
幼い一歌:でしょ?
幼い咲希:ミクちゃんも、すっごくかっこいい~!
幼い一歌:でしょ!?
幼い穂波:でも、演奏ってどうするの?
幼い志歩:みんなでバンドやるってことでしょ? 私はベースできるけど
幼い咲希:はいはーい! アタシ、お母さんから ピアノ習ってたからできるよ!
幼い志歩:バンドでピアノってあんまり見ないな。 キーボードとかにすれば?
幼い咲希:キーボードも鍵盤だよね? だったらだいじょーぶ♪
幼い一歌:私は、お父さんがギター持ってるから 借りれないか聞いてみる!
幼い咲希:わあ、いっちゃんかっこいい~!
幼い一歌:ま、まだ借りれるかわかんないけど……
幼い志歩:大丈夫じゃない? 一歌のお父さん、優しいし
幼い咲希:だね! あとは——
幼い穂波:……バンドって、あとどんな楽器があるんだっけ
幼い志歩:基本的なところだと、ドラムかな……
幼い穂波:ドラム……。 音楽室にあるやつだよね?
幼い穂波:でも、わたしやったことないよ……?
幼い一歌:……あとは、ボーカルとか?
幼い穂波:えっ! う、歌うの? それは無理……!
幼い咲希:あ、じゃあじゃあ! トライアングルとかリコーダーは!?
幼い穂波:そ、それならわたしにも——
幼い志歩:さすがにバンドでそれはなくない?
幼い咲希:じゃあ、やっぱりドラム?
幼い穂波:う……
幼い一歌:……ごめんね、穂波。 急にこんなこと言って困らせちゃって
幼い一歌:でも……ちょっとだけ一緒にやってみない?
幼い一歌:もし練習してみて、やっぱり難しかったら 違う楽器にしてもいいし
幼い一歌:それに私も、ギターとかやったことないから 出来るかなんてわかんないけど……
幼い一歌:でも、穂波と……みんなと一緒にやってみたいんだ!
幼い穂波:一歌ちゃん……
幼い穂波:……わ、わかった……
幼い穂波:じゃあ、やってみるね
幼い一歌:……! ありがとう、穂波!
幼い一歌:——みんなでやろう、バンド!

第 4 话:はじめてのバンド

数日後
一歌の部屋
幼い一歌:えっと、このコードは……
幼い一歌:う……うまく鳴らない……
一歌の父:ああ、指が他の弦に当たっちゃってるな。 もう少し指を立てて、鳴らしたい弦だけを押さえるんだ
幼い一歌:こ、こう……?
一歌の父:うん、できてる! 一歌は飲み込みが早いな
幼い一歌:えへへ……
幼い一歌:えっと、これでお父さんが言ってた 基本的なコードは覚えられたかな
幼い一歌:まだ、うまく鳴らせないところはあるけど……
一歌の父:はは、大丈夫だ。 あとは繰り返し押さえる練習をして、 コードの位置を指で覚えよう
一歌の父:何かやりたい曲があるのなら、 その曲を練習しながら覚えるのもいいよ
幼い一歌:そうなんだ……!
幼い一歌:あ、お父さん! それなら、この曲やりたい!
一歌の父:ん? これは……
幼い一歌:初音ミクの曲なの! 今度、志歩達と一緒に演奏しようって話してて…… お母さんに、楽譜印刷してもらったんだ!
幼い一歌:それに……歌いながら弾けるようになりたくって
一歌の父:お、ボーカルもやるのか。 でも結構難しい曲みたいだから、 かなり練習しないといけないぞ?
幼い一歌:だ、大丈夫……! 今日コード覚えたし、もっともっと練習するから
一歌の父:それなら、少しずつ練習しようか。 お父さんも教えられるようにしておくよ
幼い一歌:……!
幼い一歌:ありがとう、お父さん!
幼い一歌:ねえねえ、みんな聞いて! 昨日、ギターのコード覚えたんだ!
幼い咲希:ホント!? いっちゃんすごーい!
幼い咲希:アタシもね、昨日お母さんに教えてもらって ちょっとだけど、あの曲弾けるようになったんだ~
幼い志歩:へえ、やるじゃん
音楽教師:あら、望月さんスネアが上手くなったわね。 ロールの音も綺麗に出ているわ
幼い穂波:ほ、本当ですか……!? よかった……
幼い穂波:手も足も両方動かすの、不安でしたけど…… 先生が教えてくれたおかげで、スネアを叩くのは 少しだけできるようになりました
音楽教師:ふふ、望月さんが一生懸命練習したからよ。 リズムも正確になっているみたいだし、大分成長したわね
幼い穂波:はい……!
幼い穂波:それで、あの……! 足の、えと……バスドラも一緒に 出来るようになりたくて……!
音楽教師:ええ、教えるわ。 それじゃあ足でリズムを取ってみましょうか。 スネアの時に教えたものを応用して——
数週間後
音楽室
幼い一歌:——じゃあ、いくよ!
幼い志歩:うん。穂波、カウントお願い
幼い穂波:あっ、う、うん……!
幼い一歌:♪——! ♪——!!
幼い一歌:(わ……すごい……!)
幼い咲希:(アタシの音と、みんなの音がひとつになってる……!)
幼い穂波:(これが、バンドなんだ……)
幼い穂波:(あ、で、でも……今、どこだっけ。 どうしよう、えっと……)
幼い志歩:(……穂波、混乱しちゃってるな……)
幼い志歩:(咲希も、一歌も、いろいろ間違ってるし テンポ遅れてる……)
幼い一歌:♪——! ♪————!!
幼い志歩:(……まあ、みんな楽しそうだし 最後までやっちゃうか……)
幼い一歌:♪——! ♪————!!
幼い一歌:♪——……!
幼い一歌:はあ、はあっ……
幼い一歌:で、でき——
幼い咲希:できた~~~~~!!
幼い志歩:いや、できてないでしょ
幼い咲希:え~! 練習してきた中では いっちばんうまくできたんだよ~!
幼い穂波:ごめんね、志歩ちゃん! わたし、途中でどこを叩いてるのか わかんなくなっちゃって……
幼い一歌:え、そうなの? 全然気付かなかった
幼い穂波:ほ、本当?
幼い志歩:ていうか、みんな間違ってたし。 咲希は途中から自由に弾きすぎ
幼い咲希:あれ、そうだったっけ?
幼い志歩:そうだった。 全然まとまってなかったし、こんなんじゃ——
幼い一歌:……でも……
幼い志歩:え?
幼い一歌:……私、楽しかった……!
幼い一歌:みんなでミクの曲を演奏するの、 すっごく楽しかったよ!
幼い志歩:一歌……
幼い志歩:……まあ、そうだね。 私も楽しかったかも
幼い穂波:志歩ちゃん……
幼い志歩:でも、このまま終わるのは嫌だから
幼い志歩:せっかく合わせるんだし、 もっと、ちゃんとやりたい
幼い咲希:じゃあ、もう1回だね!
幼い一歌:うん、やろう!
幼い一歌:もっと、もっと……たくさん! 4人でバンドしよう!
幼い志歩:じゃあ、穂波カウント
幼い穂波:えっ、もうやるの? ちょっと待って……!
幼い穂波:えっと、1、2、3、4——

第 5 话:ミクがくれたもの

一歌の部屋
幼い一歌:はぁ……志歩ってばすっごく厳しかったな。 あれからずっと演奏させられるなんて思わなかった
幼い一歌:でも…… みんなでバンドやるの、楽しかったな
幼い一歌:穂波も、いつか吹奏楽部とかに入って やってみたいなって言ってくれたし
幼い一歌:それに——
幼い一歌:…………
幼い一歌:——またバンドやろうって約束したし、次の曲探さなきゃ!
幼い一歌:えっと、動画サイトは……
ミク:————♪ ————♪
幼い一歌:あ……この曲、かっこいい……!
幼い一歌:あれ? この曲、今日演奏した曲と同じ人が作ったやつだ……!
幼い一歌:すごいな、あの曲もよかったけど 他の曲も同じくらいかっこいい……!
幼い一歌:そうだ。この人の曲、もっと聴いてみよう。 えっと、名前のところを押して——
数日後
小学校 教室
クラスメイト:……あれ? 一歌ちゃん、何聴いてるの?
幼い一歌:初音ミクだよ。 最近、このクリエイターの人が作った曲にハマってるんだ
クラスメイト:へえ、そうなんだ……! 私もその人の曲、好きだよ
幼い一歌:え、そうなの……!?
クラスメイト:うん! あ、よかったらこの人の曲も聴いてみて! その人が好きなら、絶対好きになると思う!
幼い一歌:ありがとう、聴いてみる!
幼い一歌:……スマイル動画? この動画サイト、初めて見た……
クラスメイト:この曲、こっちの動画サイトにしかアップされてないんだ! 他にも、ここにしか上がってない曲が たくさんあるからオススメだよ!
幼い一歌:そうなんだ……!
幼い一歌:(そういうサイトがあるんだ……帰ったら見てみよう!)
幼い一歌:わ……
幼い一歌:(オススメされた曲、すっごくいいな……。 このクリエイターさんの曲も、もっと聴いてみよう)
幼い一歌:(……そういえば、このサイトにしかない曲が たくさんあるって言ってたっけ)
幼い一歌:(でも、どうやって探せばいいんだろ……)
幼い一歌:動画の上にある文字、なんだろ。 タグ……って書いてあるけど……
幼い一歌:クールなミクうた、ミクオリジナル曲、 バーチャル・シンガー殿堂入り……?
幼い一歌:あ……! たくさん動画が出てきた!
幼い一歌:すごい……。全然知らない曲が、こんなにいっぱい……
幼い一歌:えへへ、上のほうから順番に聴いてみよう。 楽しみだな……!
一歌:——それから、いろんなミクの曲を知って、 ミクのことをどんどん好きになっていったんだ
一歌:ミクのおかげでバンドをやるようになって、 毎日がキラキラして……すごく楽しかったな
一歌:でも、ミクにもらったのは 楽しい時間だけじゃなくて——
病院
中学生の咲希:——じゃあまたね、いっちゃん!
中学生の一歌:うん、また来るね
電車
中学生の一歌:はぁ……
中学生の一歌:(ダメだな……。 いろいろ曲を聴いたけど、あんまり気分転換できない……)
中学生の一歌:(……咲希、元気そうに見えたから、 そろそろ退院できそうかなって思ってたけど……)
中学生の一歌:(これからまだ入院なんて……本当は、つらいよね)
中学生の一歌:(昔から病気がちだったけど、一緒に宮女に入れて これから青春するぞって張り切ってたのに)
中学生の一歌:(志歩も穂波も、最近はなんだか忙しそうで あんまり話さなくなっちゃったし)
中学生の一歌:(……これから、どうなるんだろう)
中学生の一歌:また、あの頃みたいに——
中学生の一歌:みんな、一緒にいられるようになるよね……?
ミクの歌:『♪——! ♪————!』
中学生の一歌:……あ……
中学生の一歌:(この曲……。 咲希が好きだった曲だ)
中学生の一歌:(……懐かしいな。 メロディーとミクの声が、優しい感じがして 好きだって言ってて……)
ミクの歌:『……——♪ ——♪』
ミクの歌:『——♪ ——……♪』
中学生の一歌:(……なんだか、ミクも『大丈夫だよ』って 言ってくれてるみたい)
中学生の一歌:(……うん、大丈夫。 きっと……また4人でいられるようになる)
中学生の一歌:(だから、今は……咲希が頑張れるように 私が支えなきゃ)
中学生の一歌:(いつかの……その日のために)

第 6 话:モヤモヤの正体

教室のセカイ
一歌:——そんな風に、私は ミクにいろいろなものをもらったんだ
咲希:なつかしいなあ……。 みんなで初めて演奏したあと、流れ星を見て帰ったんだよね
穂波:うん……。わたしも、あの演奏がすごく楽しくて 吹奏楽部に入ったんだっけ
志歩:ドラムの腕上げたから、 もう1回やりたいって言い出したりしてね
咲希:そうそう! それで、アタシの家に集まって演奏したんだよね。楽しかったなあ
一歌:うん……
一歌:みんなと最初にバンドをやるきっかけだったり、 辛くて苦しい時の、励ましだったり……
一歌:今……私がこうしてここにいるのは、 ミクのおかげだって思う
レン:そっか……
レン:本当に、一歌にとって ミクって昔から特別な存在だったんだな
一歌:……うん
一歌:……考えてみたら、咲希達と一緒に演奏したいって思ったのも、 ミクみたいになりたいって憧れたからだし―― ミクや、ミクが歌う歌のおかげだなって思うよ
リン:さっすがミクぴょん♪ いっちーの憧れの先輩だね☆
ミク:ちょっと、やめてよ
一歌:でも……今は、それだけじゃないんだ
一歌:セカイができて、ミクやみんなに出会って—— 私は、いろんなことを助けてもらってる
一歌:すれ違ってた時も、曲を作ってる時も いつも見守ってくれて、声をかけてくれて……
一歌:そのおかげで、私は前に進めてる
一歌:だから今は——好きとか、憧れとかだけじゃなくて、 友達として、先輩として……大切な存在だって思ってるんだ
ミク:一歌……
一歌:……あの頃、聴いていたミクや バーチャル・シンガーのみんなに、 私が作った曲を歌ってもらうのは、すごい楽しいし……嬉しい
一歌:なのに……
一歌:どうして、それを全部世の中に出すってなると、 こんなにモヤモヤするんだろう
穂波:……そうだね……
咲希:それって、いっちゃんがミクちゃんのことに、 すっごく思い入れがあるから……なんじゃないのかな?
MEIKO:どういうこと?
咲希:うーん、うまく言えないんだけど~
咲希:アタシも曲を作る時、 自分しか聴かないラフだったら気楽にできちゃうんだけど、 たくさんの人に聴かれるって思うと、身構えちゃうっていうか……
咲希:思い入れがあるからこそ、 みんなに聴かれる曲で歌ってもらうかどうかは、 ちゃんと選びたいのかなっていうか……
一歌:あ……
一歌:たしかに……そうなの、かも……
一歌:今の咲希の言葉で、ちょっとわかった気がする
一歌:私は……『ミクにも歌ってほしいな』って 自分が思った曲じゃないものを、世に出すのは嫌なのかも——
一歌:思い入れが……思い出が、たくさんあるから
ミク:思い出……
一歌:うん、考えてみれば、今までもそうだったなって
一歌:花乃ちゃん達のために作った曲は、 ミクとの大切な出会いの思い出も込めてて——
一歌:咲希と作ったデビュー曲も、 ミク達がいなきゃ完成できなかったから ミクにも歌ってほしいって思ったんだ
一歌:そういう風に、私自身が『ミクに歌ってほしい』って 思えるような曲じゃなきゃ……嫌なんだ
穂波:そっか……。 だから、モヤモヤしてたんだね
穂波:これからLeo/needで作る曲が全部、 そう思える曲になるとは限らないから……
一歌:……うん……
一歌:もちろん、私がそう思ってるだけで そうじゃない人もたくさんいると思うんだ
一歌:大好きだからこそたくさん歌わせる人とか、 ミクの声と合う曲だけ歌ってもらう人とか…… いろんな人がいると思う
一歌:でも……私は……
志歩:……そっか……
志歩:……一歌の気持ちはわかった
志歩:それが一歌にとって大事なこと—— 真堂さんの言う、“信念”なんだと思うし、 私も、その想いを大事にしたいと思う
咲希:うん、アタシも……!
一歌:みんな……
一歌:……ありがとう
一歌:——じゃあ、ごめん。 私のわがままになっちゃうけど……
一歌:今後、“全部の曲のバーチャル・シンガーバージョンも作る” って方針は、断りたいと思う
穂波:うん、それでいいと思うよ
一歌:……ありがとう
レン:でも、そうなると……タイアップはどうするんだ?
咲希:あ……
咲希:今の考え方でいくなら、今回は ミクちゃんにも歌ってほしいって思えるような曲が作れるなら 受けるってことになるのかな
一歌:……そうだね……
一歌:…………
一歌:(今回のタイアップは、青春の爽やかさをイメージする曲になる)
一歌:(Leo/needの曲だったら、 咲希と一緒に作れるなって思うけど)
一歌:(……ミクに、歌ってほしいって思える曲にできるか……)
一歌:……ごめん、何度も待たせちゃって本当に悪いんだけど もう少しだけ考えさせてほしい
志歩:もう、謝らないでよ
咲希:そうだよ! 大事なことなんだから いっぱい考えたほうがいいって
穂波:わたし達は、ちゃんと待ってるから
一歌:……ありがとう、みんな
一歌:ちゃんと考えて——答えを出すね

第 7 话:迷う心

教室のセカイ 屋上
一歌:……はあ……
一歌:私は……『ミクにも歌ってほしいな』って 自分が思った曲じゃないものを、世に出すのは嫌なのかも——
一歌:思い入れが……思い出が、たくさんあるから
一歌:…………
一歌:(……私、そんなこと思ってたんだ)
一歌:(今まで、考えたことなかったな)
一歌:(ミクと一緒に歌いたいって思った時も、 初めてミクのために曲を作った時も、 純粋に楽しくて、ワクワクしてたから)
一歌:(ミクに曲を作ることで、 こんな気持ちになるなんて……思ってもなかった)
一歌:……タイアップ、どうしようかな……
一歌:…………
一歌:(……今回のテーマなら、 『ミクにも歌ってほしい』って思える曲は作れるような気はする)
一歌:(でも……実際ちゃんと納得できるものになるかは、 作ってみないとわからない)
一歌:(受けたはいいけど、最終的には 全然違う方向性の曲になって……なんてこともあるかもしれない)
一歌:(それに——)
一歌:(……今までは純粋に、 ミクに歌ってほしいと思った時に歌ってもらってた)
一歌:(だけど今回は……タイアップのために、 ミクにも歌ってもらう曲を作らなきゃって思ってる)
一歌:(……無理に、作ろうとしてる感じがする)
一歌:(……わからないな)
一歌:(でも……タイアップは、Leo/needにとって きっと大きなチャンスになるし)
一歌:(今後のことを考えると、受けたほうがいい……って思う)
一歌:(思う、けど……)
リン:いっちー、大丈夫かなあ?
MEIKO:みんなが帰ってから、屋上でずっと考えこんでるね
KAITO:……うん……
ミク:……一歌なら、きっと大丈夫
ミク:ちゃんと、一歌自身が納得できる答えを出してくれるはずだから
ルカ:ミク……
レン:……とか言って、ミクが一番心配してそうだけどな
ミク:そりゃ、気にならないわけないでしょ
ミク:……一歌が、あんなに大事に思ってくれてるんだから
MEIKO:……そうだね
リン:あたしも、いっちーの話聞いて めちゃ感動しちゃった!
リン:ミクぴょんってば、昔から すっごーく大切にされてるんだな~って!
ミク:……私も、ちょっとびっくりしたな
ミク:それに……嬉しかったよ
ミク:昔は、一歌自身の想いもなかなか見つけられなくて 曲を作るのも迷いながらだったけど……
ミク:今は、譲りたくない想いやこだわりを ちゃんと持てるようになってる
ミク:プロとして、その想いとどう向き合っていくのかで 今は悩んでるけど——
ミク:……一歌の想い、大事にしてほしいな
レン:そうだな……
レン:——やっぱりここは、先輩の出番じゃないか?
ミク:え?
レン:今、一歌の背中を押せるのは 他の誰でもない——ミクじゃないかって思ってさ
レン:だって、セカイが生まれてから、 ずっと一歌のことを見守ってきただろ?
レン:それに、一歌は『ミクにも歌ってほしい』って 思えるかどうかで葛藤してる
レン:だったら、そのミク自身からの言葉が 今の一歌にとって一番響くんじゃないかって思うんだ
ミク:あ……
ルカ:……たしかに、そうかもしれないわね
ミク:……そうだね
ミク:一歌の助けになるのなら、行ってこようかな
MEIKO:お願いね、ミク
ミク:……うん
ミク:それじゃあ、いってくるね

第 8 话:どんな気持ちでも

教室のセカイ 屋上
一歌:(……うまく考えがまとまらないな)
一歌:(……どうしたら……)
???:——一歌
一歌:え……
一歌:ミク……!
ミク:やっぱり、悩んでるの?
一歌:あ……
一歌:……うん
一歌:うまくできそうな気もするし、不安でもあるし…… まだよくわからないんだ
ミク:そうなんだ……
ミク:ねえ、もし作るとしたら、 どういう曲を作ろうと思ってるの?
一歌:え?
一歌:あ、えっと…… 曲調とかは、咲希と相談して決めようと思ってるんだけど
一歌:『この一瞬を、一緒に!』ってテーマに合わせて、 咲希達との思い出とか、この教室でミクと過ごした時間と 重ねてみようかなって
一歌:だから……ちょっとアップテンポだけど キラキラした雰囲気のメロディーにしたいなって思ってるよ
ミク:へえ、素敵な曲になりそうだね
一歌:……うん……
ミク:…………
ミク:……でも、そっか。 私も、なんだかあの時のことを思い出すな
一歌:え……?
ミク:ほら、前に私と歌いたいって言ってくれて 一歌が作った曲を、一緒に歌わせてくれたでしょ?
一歌:あ……
ミク:それに、プロデビューする前の最後のライブで 一歌達と一緒に歌えた
ミク:……私はあの一瞬を一歌といられて、 一歌と一緒に歌えて——嬉しいと思ってたよ
一歌:ミク……
一歌:そっか……そうだね……
一歌:(あの時の一瞬一瞬は、私にとってもすごく大事で…… 大切な思い出だ)
一歌:(でも……)
ミク:一歌?
一歌:あ……ごめん
一歌:今の私は、タイアップのために……Leo/needのために、 ミクに歌ってほしい曲を作ろうとしてる
一歌:それって、きっと……今までみたいな『歌ってほしい』って 気持ちじゃないと思うんだ
一歌:だから……それで本当にいいのかな、って……
ミク:…………
ミク:——ねえ、一歌
一歌:え?
ミク:さっき、一歌は 今までみたいに純粋な気持ちで作った曲じゃないのに 私に歌わせていいのかって言ってたけど……
ミク:私は、どんな曲でも 私に歌わせてくれるのなら嬉しいよ
ミク:誰のための曲だとしても、どんな想いが乗せられた曲だとしても
ミク:一歌が作る曲は好きだし、 一歌が私に歌わせてくれる曲は——
ミク:全部、愛しく思うから
一歌:ミク……
一歌:(……そっか……)
一歌:(私は、こんな気持ちでいいのかなって思ったけど)
一歌:(ミクは——どんな気持ちでも、受け止めて歌ってくれる)
一歌:(やっぱり……ミクはすごいな)
ミク:……最後は、一歌の気持ちで決めてよ
一歌:……うん。ありがとう、ミク
一歌:私は——
数日後
ソリス・レコード事務所
真堂:——では星乃さん、答えを聞かせてください
一歌:はい
一歌:バーチャル・シンガーバージョンをリリースする曲も、 あっていいと思います
一歌:でも……やっぱり、今後の曲全部に バーチャル・シンガーバージョンを作るとは決めたくありません
一歌:……わがままかもしれないんですけど……
一歌:私にとっては、どうしても ミクやバーチャル・シンガーへの思い入れがあって……
一歌:それは私の音楽の……作曲や演奏をする時の大事な部分を、 作ってくれている気がするんです
一歌:だから、私は、中途半端な気持ちで作った曲を ミクに歌ってもらいたくない——
一歌:これからは、曲ごとにLeo/needだけの曲にするのか、 バーチャル・シンガーの曲にもするのか、 自分達で決めていきたいと思っています
真堂:……なるほど、わかりました
真堂:そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。 会社に理解してもらう必要はありますが、俺が伝えておきます
真堂:まあ、説明はちょっと大変だとは思いますが、 なんとかなるでしょう
真堂:今回のことは、 皆さんのわがままではなく“信念”の話だと受け取っています
真堂:ただ——皆さんは、プロとして ひとつ険しい選択をした…… それだけは認識しておいてください
一歌:……はい、わかりました
真堂:さて、では今回のタイアップはどうします?
一歌:それは、引き受けようと思います
一歌:この曲は…… Leo/needとミクの、両方の曲にできると思ったので
真堂:両方の曲に、ですか
一歌:はい
一歌:Leo/needのみんなと過ごしてきた一瞬と、 ミクと過ごしてきた一瞬……
一歌:両方、私にとっては大切だから—— この気持ちを曲に落とし込みたいなって感じたんです
一歌:それで、ミクに歌ってもらいたいなって
穂波:一歌ちゃん……
真堂:……わかりました
真堂:そういうことであれば問題ありません。 タイアップの話は進めましょう
一歌:——はい!
一歌:……みんな、待たせちゃってごめん。 タイアップの曲、頑張って作ろう
咲希:うんっ! 最高の曲、また作っちゃおう!
真堂:曲作りもそうですが、 練習もしっかり積んでおいてくださいね
真堂:——そろそろ、ジャムフェスの準備をしなければいけませんので
一歌:あ……!
志歩:——そうだね。 そっちも本気でやらないと
咲希:うん……!
穂波:プロデビューして初めてのライブがジャムフェスになるし…… 絶対成功させよう!
一歌:(タイアップの曲も、ジャムフェスも成功させて—— お客さんに、最高の曲を届けよう)
一歌:みんな、頑張ろう!