活动剧情

また、木の葉の色づく頃に

活动ID:148

第 1 话:ふたりからのお誘い

志歩の部屋
志歩:(——うん、今のはいい感じだったな)
志歩:(指もよく動いてるし、リズムのズレもなかった)
志歩:……ジャムフェスが終わってから、なんか調子いいかも
志歩:(……楽しかったな)
志歩:(予想以上にたくさんの人が 私たちの曲を聴いてくれて——)
志歩:(今日はそろそろ切り上げようと思ってたけど…… やっぱり、もう少しだけ練習しよう)
志歩:さっきの曲のBメロから——
雫の声:しぃちゃん、今いいかしら?
志歩:あ……うん、大丈夫
雫:あのね、お風呂が沸いたから、先にどうかなと思って
志歩:……もうそんな時間か
志歩:……ごめん、私はあとでいいや。もう少し練習したいし
雫:あら、そうなの? それじゃあ、先に入らせてもらうわね
志歩:うん
雫:……ねえ、しぃちゃん
雫:最近、毎日遅くまで練習してるみたいだけど…… あまり、無理はしすぎないでね
志歩:え? ああ……うん。 ありがとう、お姉ちゃん
数日後
宮益坂女子学園
志歩:ふあ……
志歩:(昨日も、気分がのってたからって遅くまでやりすぎちゃったな。 おかげで、ちょっとだけ寝不足……)
志歩:(今日の自主練は、少し早めに切りあげて——)
???:——あ、しほちゃん! 先輩、しほちゃんいましたよ~!
???:本当? すぐに見つかってよかったわ
志歩:え……
志歩:咲希……と、お姉ちゃん? どうしたの、ふたりして
雫:ちょっと話したいことがあってね。 しぃちゃんを探していたの
志歩:話したいこと?
志歩:……なんか、嫌な予感がするんだけど
咲希:そんなことないって! しほちゃんが絶対ワクワクする とーってもすてきなお誘いだよ!
志歩:はいはい。……で、何?
咲希:こほんっ。 あのね、しほちゃん……
咲希:今度みんなで、日帰り旅行に行かない!?
志歩:…………日帰り旅行?
雫:ええ。ちょっと遠出して、美味しいものを食べたり 綺麗な景色を見たりするの! とっても素敵じゃない?
志歩:いや、素敵かはともかく…… なんでいきなり日帰り旅行?
雫:ふふ。実は、さっき登校中にね——
雫:(最近、すっかり涼しくなってきたわね)
雫:(葉っぱも色づいてきたし、金木犀のいい香りもして…… 秋って、なんだか穏やかな気分になれるわ)
咲希:しずくせんぱーい! おはようございます!
雫:咲希ちゃん、おはよう。 ……あら?
雫:ふふ。咲希ちゃん、秋を連れてきちゃったみたいね
咲希:え?
雫:髪に紅葉がついてるわ。 取ってあげるから、ちょっと待ってね……
咲希:わわ、ありがとうございます!
雫:はい、取れたわ
咲希:えへへ……さっき風が吹いた時に飛んできたのかなあ?
咲希:っていうか、すっごくきれいな赤色ですね! なんだか、秋って感じがします!
雫:ふふ、そうね
雫:この時期なら、 紅葉狩りなんかしたら、きっととっても素敵でしょうね……
咲希:たしかに〜!
咲希:あ……そういえば昔、 家族で紅葉狩りに行こうとしたことがあったっけ……
雫:え? 行こうとした、って……
咲希:当日に雨が降っちゃって、 結局行けなくなっちゃったんです
咲希:その日は、お兄ちゃんと一緒に 1日中家でしょ〜んぼりしてました
雫:まあ、そうなの? 実は、うちも似たようなことがあったのよ
咲希:え?
雫:うちの場合は、山についてから天気が悪くなっちゃってね。 残念だねって手を繋ぎながら、 しぃちゃんと雨の山を眺めたのをよく覚えてるわ
咲希:そうだったんですか? えへへ、お揃いですね!
咲希:……あ、そうだ! それならなんですけど——
雫:え?
咲希:——というわけで、お兄ちゃんも誘って 天馬家と日野森家で紅葉狩りに行こうって計画してるんだ!
咲希:名付けて——『リベンジ紅葉狩り』!
志歩:いや……何、リベンジって
咲希:だってしほちゃん達もうちも、紅葉狩り行けてなかったし! これはリベンジするしかないでしょ!
志歩:まあ……同じようなことがあったのは驚いたし、 行きたい気持ちはわからなくもないけど……
志歩:今の私たちに、遊んでる時間なんてないでしょ
咲希:う〜……でもでも、今はジャムフェスが終わって ちょっと時間もあるし……
雫:それに……ちょっとの息抜きも必要だと思うの
志歩:いや、でも……
咲希:お願い、しほちゃん! 4人でリベンジできたら、絶対楽しい思い出になるよ!
雫:私も、久しぶりにしぃちゃんと旅行に行きたいわ……!
雫・咲希:『しぃちゃん、お願い!』 『しほちゃん、お願い!』
志歩:う…………
志歩:(……まあ、たしかにお姉ちゃんがアイドルになってからは 家族で旅行とかもあんまり行けてないし……)
志歩:(それに——)
志歩:(私もあの時、雨で紅葉狩りができなかったのは 残念だったしな……)
志歩:……わかった。一緒に行くよ
咲希:やったー! 『天馬日野森のリベンジ紅葉狩り』決行だ〜!
志歩:なんか、長くなってない?
雫:ふふ。かっこいい名前ねえ
志歩:まったく……
志歩:あ、でも、旅行のプランを考えたりするのは 任せるからね
雫:ええ、練習の邪魔にならないように、 私たちで考えるわね
咲希:じゃあじゃあ、お兄ちゃんにはアタシが伝えておきます!
咲希:えへへ。みんなで旅行、楽しみだな〜!

第 2 话:最高のプラン

宮益坂
志歩:(今日はバイト、早めに終わったな)
志歩:(おかげで欲しかった新譜も買えたし、 帰ったら早速聴こう)
志歩:(そのあとは、夕飯まで自主練して——)
志歩:……あれ?
志歩:あそこって、たしか咲希がバイトしてるカフェだよね
志歩:(……窓際の人たち、なんか見たことあるような……)
志歩:え…………
志歩:なんで、あの3人が一緒にいるの……?
志歩:(しかもなんか、机いっぱいに雑誌とか本とか広げて……。 勉強会、って感じじゃなさそうだし……)
志歩:(……なんでもいいけど、見つかったら面倒そうだな。 早めに通り過ぎて——)
志歩:……あ……
志歩:(……気づかれたか)
carino/carina
志歩:——で、何やってたの? 机いっぱいに雑誌広げて……
司:おお、よくぞ聞いてくれた!
司:ズバリ—— 『天馬日野森のリベンジ紅葉狩り』の計画を立てていたところだ!
志歩:リベンジ……ああ、今度の日帰り旅行のことですか
雫:ええ。咲希ちゃんが、シフトが終わった後に参加できるから バイト先のカフェで予定を決めないかって言ってくれて……
雫:3人で、一緒に考えることにしたの
志歩:なるほどね……
志歩:ちなみにその計画って、どんな感じになったの?
咲希:まだ途中だけど、こっちのノートにまとめてあるよ!
志歩:えっと……
志歩:『紅葉狩りをしたあと渓流下り、お昼を食べてから足湯。 美術館に行って、おしゃれなカフェでお茶、 神社にお参りしたあと、山登りをして最後にフルーツ狩り』……
雫:どれも楽しそうでしょう?
志歩:いや、そうだけど……1日でこんなに回れないでしょ。 場所も離れてて、移動に時間がかかるだろうし……
司:むう……やはりそうか。 効率よく回れば、 全てを堪能できる究極の贅沢コースができると思ったのだが……
咲希:あはは……。行きたい場所がどんどん出てきて、 止まらなくなっちゃったんだよねー
咲希:ほら、この雑誌とか すっごく細かくおすすめスポットが書かれてて……
咲希:——あ、見て見てお兄ちゃん! この観光マップにのってる吊り橋、 ぎしぎし〜って揺れて楽しそうじゃない?
司:おお、本当だな! それにこれほどの高さがあれば、眺めも最高だろうな
雫:それなら、そこも候補に入れちゃいましょうか
志歩:(ダメだ。このまま3人に任せてたら、 旅行当日になっても行き先決まってないとかありそう……)
志歩:(……仕方ない)
志歩:——ただ行きたい場所をあげるだけじゃ、キリがないでしょ
志歩:行きたい場所の候補ばっかり出して詰め込んでたら、 いつまで経ってもまともなプランにならないし
司:ぐっ……それはたしかに……!
志歩:……候補は十分出てるみたいだし、 ちゃんと回れるように、行く場所を絞っていかないと
志歩:——まずは、この旅行の目的から考えたらいいんじゃない?
雫:目的……
志歩:一番の目当ては紅葉狩りでしょ。 だから、まずはどこの紅葉を見たいのかを決めて……
志歩:そのあと周りの観光地を調べて、行きたいところを絞っていけば ちょっとはスムーズになるんじゃない?
司:なるほど……いい進め方だな!
咲希:あ、それなら…… 紅葉狩りの山は、ここがいいんじゃないかな?
咲希:ほら、今が紅葉の見頃だって書いてあるし!
雫:そうね。それに、ここなら十分 電車で日帰り旅行ができそうだわ
司:……お! しかも近くに、 古い街並みと古民家カフェが楽しめる観光名所や フルーツ狩りができる農園もあるぞ!
司:秋といえば、食欲の秋だからな! フルーツ狩りは、今回の旅に欠かせないのではないか?
志歩:街並みの観光と、フルーツ狩り……
志歩:そのふたつなら、バスも通ってる。 どっちも行けると思うし、行き先に追加しましょうか
咲希:すごいすごい……! 一気にプランが決まっていくよ!
雫:さすがしぃちゃんね。とっても頼りになるわ
司:よーし、この調子で、 どんどん計画を立てていこうではないか!
咲希・雫:『おー!』
数十分後
司:——よし! スケジュールはこんな感じか?
志歩:そうですね。じゃあ、ルートを確認しましょうか
志歩:むこうの駅に着いたら、まずは古い街並みを散策。 近くの古民家カフェでちょっと休憩して、フルーツ農園に移動。 ブドウ狩りを体験して——
志歩:最後に紅葉狩り、だね
咲希:わあ……! これならちゃんと1日で、行きたいところに行けちゃうね!
咲希:アタシ、もう今からわくわくマックスだよー!
司:うむ、当日が待ちきれないな……! そうだ、家でブドウ狩りの練習をしておくのはどうだ!?
志歩:いや、ブドウ狩りの練習って何……
雫:ありがとう、しぃちゃん。 しぃちゃんのおかげで、とっても楽しい旅行になりそうだわ
志歩:別に。あのまま3人に任せてたら、 どうなってたかわからないし……
志歩:(任せるって言ったのに、結局、ほとんど私がやっちゃったな)
志歩:(でも……)
志歩:(……ま、いいか)
志歩:(せっかくの旅行だし、当日は私も楽しもう)

第 3 话:旅行の朝は

旅行当日 早朝
天馬家 リビング
司:よし! 日課のランニングは済ませたし、 旅行の準備も万全だな!
司:あとやり残したことは…… はっ! まだ朝の筋トレをやっていないではないか!
司:これはいかん! 今日という1日が素晴らしいものになるよう、 念を込めて…………
司:まずは腕立て伏せ! ふんっ、ふんっ! ふーーーーーーーーん!!
母親:おはよう、司。 今日はいつにも増して、朝からとっても元気ね
司:おはよう、母さん!
司:なんといっても、今日は咲希と久々の旅行だからな! いつも以上に元気も湧いてくるというものだ!
司:そうだ。景気づけに、特製の朝ごはんも用意したんだ。 母さんの分もあるから、よかったら食べてくれ
母親:あら、ありがとう。 みんなで旅行、楽しんできてね
司:ああ!
司:……っと、もうこんな時間か。 そろそろ咲希を起こさなくては……
司:すぅーーーーーーーーーーーーーー…………
司:咲希ーーーーーー!!!!! 朝だぞーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
咲希の声:わ、お兄ちゃん!?
咲希の声:も〜、そんなに大きい声で呼ばなくても ちゃんと起きてるってば!
司の声:おお、荷物の確認をしていたのか! 虫除けスプレーは、ちゃんと持ったか?
咲希の声:持ったよ! こっちのカバンに入れて……
咲希の声:……って、ない! あれ? どこどこ~!?
母親:ふふ、はりきってるわねえ
志歩の部屋
志歩:(ん……もう朝か……)
志歩:(……あれ、いつもよりアラーム鳴るの早い……?)
志歩:(あ……そっか、今日は——)
リン:『リンリンリーーーーン☆ 朝ですよ〜!』
志歩:わ……! びっくりした……
リン:『しほっち、起きて起きてー!』
志歩:いや……もう起きてるから
リン:『えー? でもでも、まだ布団の中じゃん! 早く準備しないと、待ち合わせに遅れちゃうよ!』
志歩:はいはい。そんなに焦らなくても大丈夫だって
リン:『えへへ。楽しみだなあ…… カフェにフルーツ狩りに、紅葉狩り!』
リン:『しほっち、今日は一緒に行くのOKしてくれてありがとね♪』
志歩:まあ、日帰り旅行に行くって話した時、 結構行きたそうにしてたし……
志歩:たまに顔出す程度なら、 お姉ちゃんたちにも気づかれないと思うしね
リン:『うん! しほっちとサッキーのポケットから こっそりのぞいてるからだいじょーぶ☆』
雫の声:しぃちゃーん
雫の声:しぃちゃん、起きてる? そろそろ起きないと、待ち合わせに遅刻しちゃうわよ
志歩:もう起きてるって
雫:おはよう、しぃちゃん。 お互い、時間通りに起きられてよかったわねえ
志歩:そんなに心配しなくても、 ちゃんと間に合うようにアラームかけてるってば
志歩:……っていうか、 お姉ちゃん、寝癖ついてるよ
雫:え?
志歩:ほら、右耳のあたり。はねてる
雫:ええ? ちゃんと整えられたと思ったのに……。 す、すぐに直してくるわ……!
志歩:はあ……肝心なところで抜けてるんだから
リン:『楽しみすぎて、ふわふわ~ってなっちゃったのかもね。 あたしもあるなあ、そういうの!』
志歩:まあ、たしかにリンも出かける時に 寝癖とかついてるタイプっぽいよね
リン:『えっ! そ、そう見える!?』
リン:『でもでも、しほっちだって 楽しみすぎてふわふわすることあるでしょ!?』
志歩:……そんなにないと思うけど
リン:『か、から回っちゃうこととか……』
志歩:ないかな
リン:『う、たしかになさそう……』
リン:『でもでも、しほっちも旅行は楽しみでしょ? 昨日なんて、休憩中に何回も天気予報見てたし!』
志歩:天気くらい調べるでしょ。 それによっては、持ち物だって変わるんだし
志歩:……でも、今日は天気良さそうだし。 それはよかったかな
リン:『あ……』
リン:『——だね! 旅行、たーっくさん楽しもうね♪』
志歩:……ま、ほどほどにね

第 4 话:憂いの道中

スクランブル交差点
雫:待ち合わせ、ちゃんと間に合ってよかったわね
志歩:間に合ったっていうか、集合時間まで まだあと30分くらいあるけど……
志歩:もう少し、家でゆっくりしててもよかったのに
雫:それはそうだけど…… 司くん達も、待ちきれなくて早く来てるかもしれないじゃない?
志歩:いや、さすがにそんなこと——
???:あ、しほちゃーん! しずくせんぱーい!
司:ふたりともおはよう! 今朝は快晴! 絶好の旅行日和だな!
志歩:……本当に早く来てた
雫:おはよう。やっぱり、ふたりとも早いわね
咲希:えへへ、家を出る予定の時間よりずーっと早く、 ふたりとも準備万端になっちゃって!
咲希:ソワソワして落ち着かないから、 もう待ち合わせ場所に行っちゃおう!ってことになったんです
雫:わかるわ。私も待ちきれなくて、 ずっと自分の部屋と玄関を行ったり来たりしてたもの
志歩:……なんか、みんな遠足前の小学生って感じだな
司:なにはともあれ、無事に集合したな。 今日は思いっきり楽しむぞ!
咲希・雫:『おー!』
志歩:それじゃ、とりあえず駅のほうに移動しようか
雫:ええ!
咲希:あ……その前に、自販機に行ってきていいかな? 飲み物を買うの忘れちゃって……
司:電車の時間まではまだあるし、 それくらいなら大丈夫だろう。 気をつけて行ってくるんだぞ!
咲希:はーい! それじゃあ、行ってきまーす!
雫:あ……私も一緒に買ってこようかしら
雫:えっと……咲希ちゃんは、あっちのほうに行ったわよね
志歩:うん。行ってらっしゃ——
志歩:いや、ちょっと待ってお姉ちゃん!
司:このパターンは……絶対に迷うやつだ! 追いかけるぞ、志歩!
咲希:旅行といえば……やっぱりお菓子!
咲希:というわけで……はい、みんな! ポリポリチップスだよ~♪
志歩:絶対持ってきてると思った
咲希:だっておいしいんだもーん。 この歯ごたえが最高なんだよね!
咲希:はい、しほちゃんにはミニスターラーメンもあるよ♪
志歩:え……わざわざ買ってきてくれたの? ありがと……
雫:そういえば、しぃちゃんは 昔からミニスターラーメンが好きだったわよね
司:オレも、昔から好きだぞ。 なんといっても『スター』という名がついているからな! 日々モリモリ食べていた!
志歩:それとは一緒にされたくないけど……
咲希:あはは♪ じゃあ、ミニスターラーメンも開けちゃうね!
咲希:って……わわっ!?
雫:あら、お菓子が床に散らばっちゃったわ
司:み、みんなで拾って掃除だ……! 次の駅に着く前に、片付けるぞ!
咲希:うう……ごめんなさ〜い!
志歩:——あ、次の駅で降りるよ。 みんな、準備して
咲希:はーい!
司:む……。ん…………?
雫:司くん、どうしたの?
司:無い……無いぞ…………!
司:誰か、オレの切符を見てないか!?
咲希:え、もしかしてなくしちゃったの!?
司:ズボンやリュック、ありとあらゆるポケットを裏返したが、 どこにもないのだ……! これでは駅から出られん!
志歩:っていうか、そもそもなんでICカード使わなかったんですか
司:それは無論……切符のほうが旅っぽいからだ!!
志歩:なにその理由……
雫:そういえば……さっき改札を通った時、 ポケットだと忘れそうだからって、 お財布に入れてなかったかしら?
司:あ……
司:そ、そうだった〜〜〜〜〜〜!
司:よーし、到着だ!
咲希:ん〜、なんか、もう空気がおいしい気がするよ〜
雫:街の雰囲気もとっても素敵ね…… 早くいろんな場所をまわってみたいわ
志歩:(……はあ。やっと着いた……)
志歩:(なんかもう、来るだけで疲れたな)
咲希:あ、見て見て! 顔入れて写真撮るパネルがあるよ! みんなで撮らない?
司:おお、なんとも愉快なパネルだな! ではオレは……この一番上のタコの顔になるとしよう!
雫:それじゃあ私は、こっちのタヌキから顔を出そうかしら
咲希:ほら、しほちゃんも早く早く〜!
志歩:私は写真係でいいよ。それ、3人分しか穴ないみたいだし
雫:あら、本当だわ。 みんなで写真が撮れないのは残念ね……
司:それなら、交代で写真を撮ればいいのではないか? 志歩が撮ったあとは、オレが写真係になろう!
咲希:おお! お兄ちゃん、ナイスアイディア!
志歩:いや……そんな何枚もいらないでしょ
志歩:(やっぱり……この3人、本当にフィーリングで動くっていうか、 私とは全然タイプが違うから予想がつかないっていうか……)
志歩:(……私が、しっかりしないとな)

第 5 话:なんでもない風景も

古民家カフェ
店員:——ありがとうございました
カフェの客:おしゃれなカフェだったね〜!
カフェの客:うん! お茶もあんみつも、すっごくおいしかったー!
志歩:……この感じだと、もうすぐ私達の番かな
咲希:楽しみだなあ、古民家カフェ。 ここって、しずく先輩が見つけてくれたんですよね?
雫:ええ、雑誌で見かけたの。 古いおうちを改装したカフェなんだけど——
雫:なんと縁側にも座席があって、 景色を見ながらお茶ができるらしいのよ
司:縁側でお茶か……。まさに和、という感じだな! オレも楽しみだ!
店員:——お待たせしました。 4名様ですね、ご案内します
志歩:あ……私たちの番みたい
店員:こちらの座席にお願いいたします
志歩:ありがとうございます
志歩:(へえ……外に足を出して縁側に座る感じなんだ。おもしろいな)
志歩:(それに、本当に昔ながらの家を そのままカフェにしてるって感じ)
志歩:(雰囲気は少しうちに似てるけど…… カフェでこういうところって新鮮だな)
志歩:えっと、ここに置いてあるお盆にお茶が置かれる感じなのかな。 じゃあ、とりあえず横並びに座って——
司・咲希:『…………』
志歩:どうしたの?
司・咲希:『ほ…………』
司・咲希:『本当に縁側だ〜〜〜〜〜〜!』
志歩:……そんなに感激すること?
咲希:だってだって! 縁側にそのまま腰掛けられるカフェなんて、初めて見たんだもん!
司:オレもだ……! てっきり、縁側に椅子やテーブルが置かれているのかと 思っていたが……まさか直接座るスタイルだったとはな!
司:風を感じながらお茶を楽しめて……とてもいいじゃないか!
雫:ふふ。気に入ってくれたみたいでよかったわ。 それじゃあ、お盆を挟んでふたりずつ分かれて座りましょうか
咲希:えへへ……。 天気も良くてぽかぽかで……なんだかすっごくいい時間だな〜
咲希:家でもこんな風にできたらいいのにな〜
司:たしかに、こういうリラックスタイムを 家族で過ごすのはよさそうだな
司:このカフェに似たシチュエーション…… ベランダでティータイムなどはどうだ?
咲希:わあ、いいねいいね! お父さん達にも言ってみようよ
司:ああ。 父さんや母さんにも、リラックスしてもらいたいしな!
雫:ふたりとも、ゆっくりできているみたいね
志歩:楽しめてるみたいなら、よかったんじゃない?
雫:ええ。じゃあ、私達も——
志歩:え?
雫:はい、しぃちゃん。あーん
志歩:いや、『あーん』じゃないから。 あんみつくらい、自分で食べられるし……
志歩:っていうか、お姉ちゃんこそ さっきからほとんど食べてないでしょ
雫:そんなことないわ。 それに、私はしぃちゃんが美味しそうに食べてるところを 見てるだけでお腹いっぱいだもの
志歩:またそんなこと言って……
雫:……ふふ。 しぃちゃんとこんな風に過ごすのって、久しぶりね
雫:ほら、最近はフェスもあって、すごく忙しそうだったでしょう?
志歩:まあ、そうだね
志歩:……でも、これなら うちの縁側でもできるんじゃないかって気もするけど……
雫:たしかに、座ってお茶を飲むのは うちの縁側でもできるわね
雫:でも、うちの周りには塀があるから、 外の景色は見られないでしょう?
雫:こうやって、 町並みや歩いてる人をぼんやり眺めるのがいいなって思うのよ
志歩:ふーん……
志歩:(そういうものなのかな。私には、よくわからないけど……)
雫:たとえば……ほら、あそこのご家族。 とっても仲が良さそうじゃない?
志歩:え?
雫:女の子が、にこにこしながらお父さんの手を引っ張ってるわ。 きっと、早く先に進みたくて仕方ないのね
志歩:本当だ。 勢いがすごすぎて、ちょっと痛そうだけど……
志歩:(こうして見ると、たしかにいろんな人がいるな)
志歩:(……あっちの人たちは、友達同士かな。 みんなで記念撮影してて楽しそう)
志歩:(その隣の人は……あ、ひとりで焼き鳥食べてる。 むこうの屋台で買ったやつかな)
志歩:(あ、ひと口で3つもいった。 ……すごくおいしそうに食べるな)
雫:こうして見てると——1枚の絵みたいじゃない?
志歩:1枚の、絵?
雫:そう。この町にはたくさんの人がいて、 そのひとりひとりに特別な想いや、大切な時間があって……
雫:そんな風景が、ここからは一目で見ることができる……
雫:それが、なんだか1枚の絵画を見ているみたいで とっても素敵だなって思うのよ
志歩:絵画みたいな風景、か……
志歩:(そんなこと、考えたこともなかった)
志歩:(普段なら、何も気にしないただの日常風景って感じだけど……)
志歩:……たしかにいい景色、だな
リン:(あ……しほっち、笑ってる)
リン:(それに……)
リン:(なんとなーく、いつもよりリラックスしてる感じ? いいじゃん、いいじゃ〜ん☆)
リン:(っていうか、こういうのほほ〜んとしたお茶会、 めちゃ楽しそう!)
リン:(今度セカイでもできないか、レンと考えてみよーっと☆)

第 6 话:ブドウ狩りマスター!

フルーツ農園
司:……よし。 全員、虫除けスプレーをちゃんとしたところで——
司:いざ!! ブドウ狩り、だーーーーーー!!!!!
司:この農園にある、ありとあらゆるブドウを 迷惑にならない程度に採り尽くし、 その味を堪能しようではないか!
咲希:おー!
雫:ふたりとも、とっても元気ね
志歩:元気っていうか…… ブドウ狩りに対するモチベーション高すぎない?
志歩:ブドウなら、スーパーとかで買って食べられるのに
咲希:ちっちっち……。 そうじゃないんだよ、しほちゃん!
司:ああ。ただ食べるだけが、ブドウ狩りではないのだ……!
司:仕方ない。ブドウ狩りマスターであるこのオレ達が、 その極意を教えてやろう!
雫:ブドウ狩りマスター?
司:ズバリ! ブドウ狩りは……自らの手でブドウを採ることに、 大変重要な意義があるのだ!
咲希:あるのだー!
志歩:なに、このノリ……
司:まずは農家さんから美味しいブドウの特徴を聞く! そして、それを己の目で選び抜く!
咲希:それで『これだ!』ってやつを自分で採って、 食べてみた時に本当においしかったら…… すーっごく嬉しいんだよ!
咲希:おいしいだけじゃなくて、嬉しい! これが、ブドウ狩りの醍醐味なの!
雫:まあ、そうなのね……! とっても楽しみになってきたわ
雫:でも、ふたりはどうして そんなにブドウ狩りに詳しいのかしら?
司:実は、オレ達がまだ小さかった頃、 家族でブドウ狩りに行ったことがあってな。 その時に、いろいろと学んだのだ
咲希:ふたりですっごーくがんばったよね!
咲希:絶対甘くておいしいやつだってブドウが高いところにあったから、 お兄ちゃんがアタシを肩車して、ふたりで採ったの!
司:ああ。途中、フラついてしまうこともあったが、 咲希と美味しいブドウのためだと踏ん張ってな……!
司:その時食べたブドウは、ふたりで採ったという達成感も相まって、 この世のものとは思えないほどうまかったぞ!
咲希:うんうん! それで、最初はリュックに詰め切れないくらい いーっぱい採ろうねって言ってたのに そのブドウ食べたらなんか満足しちゃって……
咲希:残りの時間いっぱい、ふたりでずーっとそのブドウを 大事に抱えて終わっちゃったんだよね
志歩:へえ……
雫:司くん達の仲の良さがわかる、素敵な思い出ね
志歩:でも、それだけで ブドウ狩りマスターって名乗るのはどうなの?
司:ハーッハッハッハ! 細かいことは気にするな!
司:それでは、極意も伝授し終わったことだ。 早速ブドウ狩りを始めようではないか!
志歩:(さて……と。どのブドウを採ろうかな)
志歩:(たしか、先端の実までしっかり色づいてるのがいいんだよね。 栄養が行き届いてる証拠だって、農家さんも言ってたし)
志歩:このあたりのやつが良さそうだな。 えっと、茎の切り方は……
雫:しぃちゃん、そのブドウを採るの?
志歩:うん。いい色してるし、これにしようかなって
雫:いいと思うわ! あら、その隣のブドウも、もう食べ頃じゃないかしら。 私はこっちを採るわね
志歩:あ……うん
志歩:(お姉ちゃん、ちゃんとできるかな。 こういう作業が得意なイメージ、あんまりないけど……)
雫:えっと、茎の根本からしっかり支えて……。 よいしょ……っと
志歩:え……
志歩:すごいね……すんなり採れた
雫:ありがとう。もしかしたら、 お仕事の経験が役に立っているのかもしれないわね。 畑のお手伝いとか、本当にいろいろさせてもらったから
志歩:そうなんだ……
志歩:(まあ、無事に採れてよかったな)
志歩:それじゃ、私も……って、あれ?
雫:どうしたの、しぃちゃん?
志歩:なんか……うまく茎が切れなくて……
雫:あ……もう少しこっちの方を持ってみたら、 力が入りやすくなると思うわ
志歩:え? えっと……こう?
雫:ええ。それで、さっきみたいに切ってみて?
志歩:わかった。よい……しょ
志歩:採れた……!
雫:ふふ。すごいわ、しぃちゃん!
雫:農業用のハサミは、使い方にコツがあるのよ。 役に立ったみたいでよかったわ
志歩:そうなんだ……ありがとう、お姉ちゃん
司:おーい! オレも咲希も、いくつか採れたぞ! そっちの調子はどうだ?
雫:私達も今、ひとつ採れたところよ
咲希:おおっ! しずく先輩達のブドウ、 すっごく瑞々しくっておいしそう♪
司:本当だな。では、全員収穫できたようだし、 早速食べてみるとするか!
咲希:はーい! 軽く水で洗って……ひと粒取って、っと……。 しほちゃんも、準備できた?
志歩:うん
司:よし、それじゃあ——
志歩・雫・司・咲希:『いただきます』 『いただきます!』
志歩:(……採れたてのブドウって、こんなに瑞々しいんだ)
咲希:ん〜〜〜〜! おいしいね、しほちゃん!
志歩:……うん、おいしい
司:なんと……なんと素晴らしい光景だ!
志歩:え?
司:自分で採ったブドウを頬張り、微笑み合う妹達! この瞬間を切り取り、額縁に入れて飾りたい……!
雫:わかるわ……! ブドウを食べながらにこにこするしぃちゃん達…… ずっと見ていたいもの
雫:そうだわ! 私達がたくさんブドウを採って、 しぃちゃん達に食べてもらえば ずっとこの光景を見ていられるんじゃないかしら……!
志歩:ちょっとお姉ちゃん、なに言って——
司:名案だ、雫!
司:よーし、そうと決まれば とびっきり甘くて美味しいブドウを 咲希達に持ってきてやらねば! 行くぞ!
雫:ええ!
志歩:あ……
咲希:い、行っちゃったね……
???:『あはは! しほっちのお姉さんも サッキーのお兄さんも、元気すぎ〜☆』
リン:『やっほー! ポケットからのぞいてたけど ブドウ狩り、めちゃ楽しそうじゃん!』
咲希:あ、リンちゃん、ナイスタイミング! ちょうど呼ぼうと思ってたんだ
咲希:あのねあのね、セカイのみんなで食べられるように いっぱいブドウ採ってるの! ほら!
リン:『え〜! このブドウ、本当に全部食べちゃっていいの〜!?』
志歩:まあ、全部持って行けるかはわからないけど…… あとでたくさん食べてよ
咲希:そうだ! このブドウ使って、今度セカイで ブドウパーティーとかやらない?
リン:『それ最高〜☆ お楽しみ委員として、あたしもすっごーく盛り上げちゃう!』
リン:『あ、ほなっちと協力して、 ブドウパフェとか、ブドウケーキとか、ブドウジュースとか 作っちゃったりするのもいいかも~!』
リン:『あとあと、教室をブドウで飾りつけしちゃったり!?』
志歩:ブドウで飾るって……さすがにめちゃくちゃすぎでしょ
リン:『あははっ! まあ、アイディアのひとつってことで♪』
咲希:ブドウパーティーかあ…… それじゃあアタシ達も、まだまだブドウ採らないとね!
志歩:え、まだ採るの?
咲希:当たり前だよ! パーティーやるなら、 絶対もっとたくさんあったほうがいいし!
咲希:それに……お兄ちゃん達にも負けてられないしね!
咲希:誰が一番おいしいブドウを採れるか、勝負だー!
志歩:ふーん……
志歩:勝負ってことなら、負けられないね
リン:『お、しほっちもやる気満々じゃーん!』
咲希:ふふん。アタシだって負けないよ!
咲希:ぜーったいアタシが、一番おいしいブドウ採るんだから!

第 7 话:リベンジ紅葉狩り

観光地の山
雫:ずいぶん登ってきたわね
司:そうだな。 地図によると紅葉狩りの名所は、もうすぐのはずだが……
咲希:あ、見て見て! 見えてきたよ、展望台!
咲希:ついにリベンジだね~! 写真もいっぱい撮っちゃおうっと!
雫:もっと近くに行ってみましょう!
志歩:そんなに急がなくても、紅葉は逃げたりしないって
司:む? 今、雨が降ってきたような……
咲希:え?
雫:私も感じたわ……もしかして、天気雨かしら?
咲希:えー! 天気予報では雨降らないって言ってたのに〜!
司:仕方ない……。本格的に降ってこないうちに、 急いで見るとするか!
志歩:あ……
咲希:わわ、降ってきちゃった〜!
司:むう、タイミングが悪いな……。 みんな、傘は持っているか?
雫:ええ。折り畳み傘を持ってきているから大丈夫よ
司:ほら、咲希も。 濡れると風邪をひいてしまうぞ
咲希:うう……あとちょっとで 晴れの紅葉が見られたのに……
咲希:リベンジ、失敗しちゃったな……
志歩:…………
志歩:(そうだった。山の天気は変わりやすい……)
志歩:(今日の目的は紅葉狩りだったんだから、 先にこっちに来るプランにしておけばよかったんだ)
志歩:(そうすれば、ちゃんと晴れてるうちに紅葉を見られたのに……)
志歩:(これは、スケジュールを組んだ私のミスだ)
雫:雨は降ってきちゃったけど——
雫:これはこれで、とっても素敵ね
志歩:……え?
雫:雨に濡れたせいかしら。 晴れている時よりも、赤色がとっても鮮やかに見えるわ
雫:子どもの頃は、雨が降ってきたことを残念がっていたけど…… こうして雨の中で見る紅葉も、いいわね
司:……たしかに、雫の言うとおりかもしれんな
司:晴れの日にしか見れない紅葉があるように、 雨の日にしか見れない紅葉もある……
咲希:……それは、そうかもだけど……
咲希:……あ! お兄ちゃんの傘、紅葉がくっついてる……
司:おお……! まるで柄のようになっているな。 これも、雨の中でしか見られない景色だ
咲希:……うん。きれいだね!
雫:ふふ。いろんな風景が見られて、すごく贅沢だわ
志歩:……そうだね
志歩:(やっぱりこの3人……私とは、全然違うな)
志歩:(私は、無駄なことはしたくないって思うことが多い)
志歩:(今回の旅行も、無駄なく効率のいい行動ができるようにって、 計画を立てて動こうとして……)
志歩:(こんな風に、計画通りにいかなかったら 失敗したって思っちゃう)
志歩:(だけどみんなは、失敗とか成功とか、 そんなんじゃなくて——)
司:それは無論……切符のほうが旅っぽいからだ!!
咲希:ぜーったいアタシが、一番おいしいブドウ採るんだから!
雫:こうして見てると——1枚の絵みたいじゃない?
志歩:(——目の前で起きたことを……いつもすごく、楽しんでる)
志歩:(その一瞬一瞬の気持ちを、大事にしてるんだ)
志歩:(まあ、そのせいで無駄が多いし、 振り回されることもあったりするけど……)
志歩:(でも、だからこそ一緒にいると 私が切り捨ててたいろんなものに、気づかせてくれる——)
志歩:(そんな気がする)
志歩:——私、今日ここに来られてよかったな
志歩:こうやって、すごく綺麗な景色も見られたし
雫:しぃちゃん……!
咲希:えへへ、よかった〜! しほちゃんも楽しんでくれてたんだね!
司:ああ、オレも安心したぞ。 今回の旅行は本当に、志歩におんぶに抱っこだったからな
志歩:まあ、そこはちょっと反省してほしいですけどね
司:うっ……
志歩:冗談ですよ
咲希:あ……!
咲希:見て見て、ちょっと晴れてきたよ!
司:おお、本当だ! 雲の隙間から光が差し込んできて……
雫・咲希:『まあ……!』 『わあ……!』
咲希:紅葉が……すっごくキラキラしてる……!
志歩:……綺麗だね
雫:ええ。とっても……
司:紅葉の赤と夕陽のコントラスト……まさに絶景だな!
雫:ふふ。雨の紅葉も、雨上がりの紅葉も 両方見られちゃったわね
司:……これも、志歩がコースを考えてくれたおかげだな
司:——感謝するぞ、志歩! これぞまさに、究極の贅沢コースだ!
咲希:うんっ! いっぱい考えてくれて、本っ当にありがとう!
志歩:いや、こんなのただの偶然だから。 むしろ、プラン通りにいってないし
志歩:(でも……)
志歩:(この笑顔が見られたのは、よかった……かな)

第 8 话:また、この4人で

電車の中
司:すう……すう……
咲希:ん……おにいちゃん……ブドウ、食べる〜……?
司:まだまだ……食べる、ぞー……ぐぅ…………
志歩:寝言で会話してる……
雫:夢の中でも仲良しね。 それにふたりとも、とっても気持ちよさそうだわ
咲希:むにゃむにゃ……。 もう食べられないよ、お兄ちゃん~……
志歩:——お姉ちゃんも、眠かったら寝ていいよ。 駅に着いたら起こすし
雫:私は大丈夫よ。 しぃちゃんこそ、眠くなったらいつでも私の肩を使っていいからね
志歩:それはいい
雫:そ、そんな……
雫:……ねえ、しぃちゃん。 今日の旅行、楽しかったわね
志歩:……うん、そうだね
志歩:正直、最初は旅行なんてって思ってたけど…… 意外と楽しかった
雫:しぃちゃん……
志歩:プロになってから、咲希も私も いろいろ忙しかったし……今日は、いい息抜きになったと思う
志歩:だから——
志歩:誘ってくれてありがとう、お姉ちゃん
雫:……! ええ!
雫:……しぃちゃんが楽しんでくれて、本当によかったわ
雫:そうだ。 今度はふたりで一緒に旅行しない?
志歩:え?
雫:私、しぃちゃんと行きたい場所が まだまだたくさんあるの
雫:温泉にお花見でしょ。 海を見に行くのもいいわね……
雫:またこんな風に紅葉を見たり、 その土地の美味しいご飯を食べたりして……
志歩:いや……そんなにたくさんは、なかなかできないでしょ
雫:あら、そうかしら?
咲希:ん、んん〜……
司:ふあ……
司:……ずいぶん楽しそうな声が聞こえたが…… ふたりとも、なんの話をしていたんだ?
雫:あ……ごめんなさい、起こしちゃったわね
雫:今、次の旅行の話をしていたの
咲希:え、次の旅行……!? はいはーい、アタシも行きたいでーす!
志歩:急に覚醒しすぎでしょ
雫:もちろん、またみんなで一緒に行きましょう
咲希:やった~! 次はどこに行きましょうか!? お花見とか海とかもいいなあ~
雫:あら、ちょうど行きたいねって話してたのよ
司:いいじゃないか。 今日行けなかった場所も候補に加えよう!
咲希:いいねいいね♪ じゃああとで、また計画立てなきゃ!
志歩:なんか、また勝手に話が進んでるんだけど……
志歩:……ま、たまにはいいか
司:おお、志歩も乗り気のようだな! 俄然、やる気が湧いてきたぞ!
咲希:えへへ。 次もぜーったい、楽しい旅行にしようね!
雫:ええ、またみんなで素敵な思い出を作りたいわね
志歩:……うん。そうだね
志歩:でも……今度こそ、プランはそっちで考えてよね
司:任せておけ! この紅葉狩りを超えるほどの、 圧倒的なプランを考えてやるからな。 なあ、ふたりとも!
咲希・雫:『うん!』 『ええ!』
志歩:はあ……なんか、今から心配だな
志歩:(次、か……)
志歩:(きっとまた、プラン考えるところから 手伝うことになるんだろうけど……)
志歩:(今回みたいな旅行になるなら…… まあ、それはそれでいっか)