活动剧情

Special present for YOU!

活动ID:152

第 1 话:クリスマスの予定は

森ノ宮音楽学園
類:(——今日のレッスンも、濃密な内容だったね)
類:(こうして、演劇の基礎から 本格的に学べる場にいられるというのは、とてもありがたい)
類:(歌に特化した練習や、女性役の体験……)
類:(普段やらないことを身をもって経験するというのは、 役者とコミュニケーションをとるうえでも大切だし…… 演出家として視野が広がるばかりだ)
類:(きっと、本部で運営の勉強をしているえむくんも——)
???:あ! 類く〜〜〜〜〜〜ん!
類:おや?
えむ:やっぱり類くんだ! おつかれわんだほ〜い!
類:お疲れさま。 えむくんも、今帰りかい?
えむ:うん! 今日もたーっくさん勉強してきたんだ☆
えむ:あれあれ? 司くんは一緒じゃないの?
類:司くんなら、自主練で残ると言っていたよ。 授業で教わったことを、1日でも早くモノにしたいとね
えむ:そうなんだ……! 寧々ちゃんといっしょだね! さっき自主練で遅くなるって連絡が来たんだ~!
えむ:あたしも、もっと勉強がんばらなくちゃ!
類:フフ。応援しているよ
類:えむくんは、今はどんなことを学んでいるんだい?
えむ:えーっとね。 歌劇団の劇場の見学に連れて行ってもらって——
スクランブル交差点
えむ:へー! 類くん達、今日はそんな練習してたんだ!
類:ああ。 バレエのしなやかな動きは、いろんな役に応用できそうで とても興味深いよ
類:司くんは、次のショーに活かせそうだと言っていたな
えむ:次のショー……あ、今度スキー場でやるやつ!? あたし、類くんの考えたあのお話大好きなんだ☆
えむ:みんなでショーに出るのって久しぶりだし、 すっごく楽しみだな〜♪
類:フフ、そうだね
類:——この機会をくれた慶介さん達には、 改めてお礼を言わないとね
類:ゲレンデでショー……ですか?
慶介:ああ。今度、鳳グループ系列のスキー場で 子供向けのクリスマスショーをするらしい
慶介:そこに、フェニックスワンダーランドのキャストも数名 出演予定なんだが……
慶介:先方が、そのショーの演出を 君に任せたいと言っているんだ
類:それは、とてもありがたい話ですが……なぜ僕に?
晶介:スキー場のオーナーが、 以前、お前らのショーを見たことがあるらしい
晶介:それで、演出が特に気に入ったんだと
類:なるほど、そういうことでしたか
慶介:もちろん、無理にとは言わない。 今は森ノ宮での稽古もあって忙しいだろうからな
類:お気遣いありがとうございます。 ですが……ぜひ、やらせてください
類:最近は、自分で演出を手がける機会も少なかったですし、 何より、ゲレンデという特殊な場所でのショー……
類:以前やった時も、 演出に関していろいろな視点を得ることができましたし、 今回も、とてもいい経験になりそうです
慶介:……そうか。 それなら、引き受けるという形で先方には伝えておこう
類:ありがとうございます。 それと、これはご相談なのですが……
類:もしもみんなと先方がよろしければ、 ワンダーランズ×ショウタイムとしてお受けしてもいいでしょうか
晶介:ワンダーランズ×ショウタイムとして?
類:はい。特殊な場所でのショーは みんなにとってもいい経験になるのではないかと思いまして
晶介:なるほどな……
慶介:わかった。先方には話をしておこう
慶介:返事と詳細については、改めて連絡があるだろうから、 もう少し待っていてくれ
類:わかりました。ありがとうございます
類:せっかくいただいた機会を無駄にしないよう、 精一杯頑張ってきます
類:無事に司くん達の出演も決まったし…… 僕もますます気合いが入るよ
類:久しぶりに自分が演出をするショーということもあって、 試したいこともたくさんあるからね……。 フフ、腕がなるとはこのことだ
えむ:えへへ、類くんやる気メラメラだ〜!
えむ:ねえねえ、今度のショーって どんな演出をするのかもう決めたの?
類:まだ案出しの段階だけれど…… クリスマスの夜にふさわしい、 夢のような時間を届けられる演出にしたいと思っているよ
類:特に、クライマックスの演出を 目玉にしようとしているんだけど……
類:ランタンを使って、幻想的な景色にしたいと考えていてね
えむ:ランタンかあ……! きらきらぽわわーってして、すっごくきれいなんだろうなあ……
えむ:手伝えることがあったら、なんでも言ってね! あたし、当日は裏方さんも役者さんもいーっぱいがんばるから☆
類:ありがとう、とても心強いよ
類:このショーが観客の皆さんにとって 素敵なクリスマスプレゼントになるように、一緒に頑張ろう
えむ:うん!

第 2 话:楽しみな理由は?

ショッピングモール
こはね:うーん……
杏:どう、こはね。いいのあった?
こはね:うん……でも、どれにしようか迷っちゃって。 スキーの手袋って、こんなに種類があるんだね
冬弥:そうだな。3本指のものやミトン型も気になるが…… 今回は本格的に滑れるように、という目的だから 5本指のもののほうがよさそうだ
彰人:ま、そのほうが普段に近いし、使いやすそうだな
こはね:じゃあ私も、5本指タイプにしようかな。 色は——
???:『やっほー、みんな。買い物は順調?』
杏:ルカさん! みんなも来たんだ!
レン:『またスキーに行くって聞いたからさ。 買い物って楽しいし、一緒に見たいなって思って!』
冬弥:そうだったのか。 今は、手袋を選んでいるところだ
KAITO:『へえ、スキーの手袋って こんなにいろいろ種類があるんだね』
リン:『本当だ! 色も形もいっぱいあるし、 デザインもかわいい〜。わたしだったら、絶対迷っちゃうよ!』
杏:あはは、こはねと同じこと言ってる!
KAITO:『でも、スキーかあ……。 前に行ったの、すごく楽しそうだったもんね!』
彰人:まあ、そうっすね。 ただ今回に関しては、冬弥が言い出したのが 驚きでしたけど
ルカ:『え、そうだったの? てっきり杏ちゃんか彰人くんだと思ってたけど……』
冬弥:はい。あの時、少しですが滑れるようにもなったので、 また行ってみたいと思ったんです
冬弥:みんなでした雪合戦も、とても楽しかった
冬弥:ただ、リフトは……おそらく、まだ乗れませんが……
彰人:そこは無理しなくていいだろ
こはね:ふふ。今回も歩いて登ろっか
こはね:私も、楽しみだな……!
杏:こはねにとっては、 スキーの他にも楽しみなやつがあるもんね
KAITO:『え、なになに!?』
こはね:えへへ、スキーに行けるのも楽しみなんですけど、 今回は……
こはね:ゲレンデでやるショーを見る予定なんです!
レン:『ゲレンデのショー? 何それ!』
こはね:今度行くスキー場で、クリスマスショーがあるんだ
こはね:それで、そのショーにフェニックスワンダーランドの キャストさん達が出演するみたいで!
リン:『フェニックスワンダーランドって、 こはねちゃんが大好きな遊園地だよね』
ルカ:『なるほど、それはテンションも上がっちゃうね!』
こはね:はい! それに今回は ワンダーランズ×ショウタイムっていう劇団の キャストさん達も出るみたいなんです!
リン:『ワンダーランズ×ショウタイム…… あ、こはねちゃんがよく話してる劇団の名前だね!』
こはね:うん! 初めて見た時から、大ファンなんだ!
こはね:いつも、すごくきらきらしたショーをやっててね。 その人達のショーを見ると、いつも笑顔になれるの!
こはね:今回のゲレンデショーは、 その劇団の神代さんが、演出を担当するらしくて……!
こはね:だから、本当に待ち遠しいなって……!
レン:『おお、すごい熱量……!』
杏:あはは。最近、ゲレンデショーの話になると いっつもこんな感じなんだ!
KAITO:『そっか。じゃあ当日は、スキーとショー 両方楽しめるってことだね!』
彰人:ま、スキー場でどんなショーをするかってのは ちょっと気になるよな
冬弥:ああ。司先輩達のことだ。 今回もきっと素晴らしいショーを見せてくれるだろう
ルカ:『へえ、みんながそこまで言うなんて…… 私も見てみたいかも!』
ルカ:『ねえねえ、そのショー、見に行ってもいい? すっごく面白そうだし!』
こはね:もちろんです! みんなで一緒に見ましょう!
こはね:ふふ。クリスマスが待ち遠しいなあ……
冬弥:そうだな。 ただ、前日は昼頃まで大雪の予報だから 少し心配だが……
こはね:え、そうなの?
彰人:けど、当日晴れさえすれば、 雪が積もる分にはいいんじゃねえの
杏:だね。スキーができてショーが見られれば、問題なしだし!
こはね:あ……それもそうだね
彰人:つーかお前、手袋は選べたのか?
こはね:あ……ま、まだだった……!
こはね:他に買うものもあるし、早く選ぶね
杏:私も手伝うよ! こはねにぴったりのやつ選ぼ!
こはね:ありがとう、杏ちゃん。 えっと、どの色にしようかな——

第 3 话:ゲレンデでこんにちは

クリスマス当日
スキー場
類:——みんな、リハーサルお疲れさま
類:調子は上々といった感じだね。 とてもいい仕上がりだと思ったよ
司:無論だ! ワンダーランズ×ショウタイムとして ショーに出演するのは久々だからな。気合いも十分だぞ!
寧々:雪の上でやる演技って、やっぱり慣れないけど…… さっきのリハでいろいろ確認できたし、 本番もしっかりやらなくちゃね
えむ:えへへ、あたしもがんばるぞ〜☆
類:フフ。みんな頼もしい限りだ
類:ネネロボも、どこか気になるところはないかい?
ネネロボ:ハイ。体内の伝熱システムも、正常に作動シテイマス
寧々:伝熱システム?
類:ああ。以前は寒暖差で不調にさせてしまったからね。 あの時の経験を踏まえて、少し新しい機能を加えたんだ
類:それじゃあ……ショーの準備はだいたい終わっているし、 残りは、クライマックスの演出に使う機材の搬入だけかな
寧々:じゃあ、夕方までは自由時間ってことか……
えむ:あ、それなら、みんなでスキーしようよ☆ あたし、ピュピュピューンって滑りたいな〜!
司:うむ。それはオレも考えたが、 万が一にでもケガをしてはいけないからな……
司:ショーの練習をしつつ、 雪遊びでもするというのはどうだ?
類:雪遊びか……それなら、いいものがあるよ
類:この——雪玉製造機がね
えむ:わあ、これ雪玉製造機さんっていうんだね!
類:ああ。今回のショーでは、雪玉がたくさん必要になるんだけど、 手で作っていては間に合わないからね。 量産できるよう、機械化してみたんだ
類:最終調整も兼ねて、みんなで雪だるま作りや 雪合戦をするというのはどうだい?
えむ:わあ、どっちも楽しそー! みんなでやろうやろーう☆
寧々:ショーの前に、あんまり体力使いたくないんだけど……
寧々:でも、本番で使うのわたしだし、 最終調整ってことなら参加しないわけにはいかないか
類:フフ。それじゃあ、早速動かしてみようかな
類:……こうやって、雪がたくさん積もっているところに設置して ボタンを押すと……
えむ:わあ……! すごいすごーーい! シュババババーって雪玉がたーっくさんできてる!
司:も、ものすごいスピードだ……!
寧々:これ、むしろ消費するほうが大変じゃない?
類:そうだね……であれば、作るスピードを下げようか
司:そんなことまでできるのか……
類:ああ。このレバーで、スピードの調整ができるんだ
類:今が真ん中くらいのスピードだから、 もう少し下げて——
???:——あれ、神代さん?
こはね:あ……やっぱり、ワンダーランズ×ショウタイムの皆さんだ!
彰人:なんか変なことしてると思ったら、 やっぱあんた達だったか……
類:小豆沢くんに、東雲くん達……?
えむ:あー! こはねちゃん達だ☆ ゲレンデへようこそ〜♪
こはね:ふふ。こんにちは、えむちゃん!
類:……もしかして、ショーを見に来てくれたのかい?
杏:そうなんです! スキーも兼ねてって感じですけど
杏:こはね、皆さんのショーすっごく楽しみにしてたんですよ。 今日もバスの中で、ずっとそわそわしてましたし
こはね:あ、杏ちゃん……!
こはね:あの……でも、本当に楽しみにしてたんです! 皆さんのショーを見るのは、久しぶりだし……
こはね:それに今回は、どんな演出が見られるのかなって……!
類:演出……
こはね:はい! 私、ワンダーランズ×ショウタイムの 皆さんのショーが大好きなので!
こはね:いつもステージにわくわくが詰まってて、 すごく、輝いてて……
こはね:——夢みたいなショーだな、って
類:夢みたいなショー、か……
司:ふっふっふ……。 それなら、今回のラストの演出は 特に気に入るかもしれないな!
こはね:わあ、そうなんですか……! えへへ、楽しみです!
類:フフ。こんなにも応援してくれる人がいるというのは、 本当に嬉しいね。とても力になるよ
冬弥:小豆沢だけでなく、俺達も 皆さんのショーを楽しみにしています
冬弥:……ところで、先ほどから気になっていたのですが……
冬弥:皆さんの後ろで、すごい勢いで雪玉を作っているあれは……?
類:ああ、雪玉製造機のことかい? 見ての通り、無限に雪玉を作る機械だよ
類:ショーの中に、雪合戦のスペシャリストが登場する予定でね。 雪玉が大量に必要なんだ
こはね:雪合戦のスペシャリスト…… もしかして、雪だるま怪人が使うものですか……!?
類:おや、知っているのかい?
こはね:はい。えむちゃんからもらったショーのチラシに あらすじが書いてあったので!
杏:雪玉製造機……雪だるま怪人……? どんなショーをやるつもりなの……?
寧々:まあ、それが普通の反応だよね
類:そんなに身構えるようなものじゃないよ。 愉快な子供向けのクリスマスショーだ
類:サンタの国からやってきた最強のサンタ達が、 数々の困難を乗り越えて 子供達にプレゼントを届けに行く、という話さ
冬弥:最強のサンタ達が 数々の困難を乗り越える、というのは……
類:フフ。その世界にはね、 サンタ達のプレゼントを狙う邪魔者が、たくさんいるんだよ
類:彼らの攻撃を潜り抜けて、子供達にプレゼントを届けるために、 サンタ達は強くなるしかなかった……
冬弥:なるほど……
類:大量の雪玉を投げつけてくる雪だるま怪人、 巨大ジンジャーブレッドマン、 邪悪な意志を持ったクリスマスツリー……
類:たくさんの敵と戦い、仲間の裏切りにあいながら サンタ達は地上を目指す
類:全ては、プレゼントを心待ちにしている子供達のため——
類:そんな、どこにでもいるサンタクロース達の ありふれた奮闘劇さ
彰人:ありふれてるか……?
杏:プレゼントを狙ってくる敵がいるって、 なんかすごい世界観だなあ
杏:敵も敵で、ヤバそうなのばっかりだし
こはね:でも、子供達のために戦い続けるなんて すごく素敵なお話だよね……! チラシであらすじを読んだ時も、すっごくわくわくしたなあ
冬弥:ああ。サンタ達の熱い想いを感じることができそうだ
冬弥:それに、サンタを邪魔する敵というのも、 新しい切り口でおもしろい……
彰人:それはそうだが、 どうやったらそんな脚本を思いつくんだ……?
えむ:あ、あたしもそれ気になるな〜!
司:たしかに、今回の脚本は類のオリジナルだしな。 何か元になるアイディアがあったりしたのか?
類:そうだねえ……
類:実を言うと、この物語は 僕の小さい頃の経験がヒントになっているんだよ
杏:え……
冬弥:神代先輩の……?

第 4 话:いつかのクリスマス

数年前
神代家 ガレージ
幼い類:こっちの線と、ここをつなげて……
幼い類:よし、動いた
幼い類:これは人感センサーをつけて、入り口の近くに置こうかな。 えーっと、センサーはこのあたりに……
類の母:類? そろそろお昼——って、 朝に掃除したのに、もう散らかってる……
類の父:お、また面白そうなもの作ってるねえ!
幼い類:お父さん、お母さん!
類の父:手に持ってるのは……人感センサーかな。 それは何に使うんだい?
幼い類:人を感知したら、光る仕掛けを作ろうと思って
類の母:感知したら光る……? どうしてそんなものを作ってるの?
幼い類:僕、サンタさんに会いたいんだ
幼い類:ほら、サンタさんって 毎年プレゼントを届けに来てくれるでしょ?
幼い類:お礼を言いたいなって思ってるんだけど、 どうしても会えないから……
幼い類:だから、いつもありがとうって言うために、 いろいろ作ってるんだ
幼い類:それで会えたら、 僕からもお礼にプレゼントを渡せたらって
類の母:なるほど、そうだったんだね
類の父:それじゃあ、こっちの箱に入ってるのが、 サンタさんへのお礼かい? 類が作ったおもちゃみたいだけど……
幼い類:うん。 次のクリスマスまで、 サンタさんが退屈しないように、たくさん入れたんだ
類の父:ははは。サンタさんが退屈しないように、か。 類は優しいなあ。それにしても——
類の父:たくさん仕掛けを作ったねえ……。 部屋中機械だらけだ
幼い類:サンタさんが来る頃には、 たぶん僕、寝ちゃってると思うから
幼い類:だから、サンタさんが来たら起きられるように、 たくさん仕掛けてるんだ!
類の父:なるほどねえ……
幼い類:たとえば、部屋の扉が開いたらこの板が外れて……
類の父:うわあ!?
幼い類:こうやって、大きい音が鳴ったりするんだ。 で、その音と連動して……
類の母:まぶし……!?
幼い類:ピカピカーって光るようにしたりね! これで僕も起きるし、サンタさんもちょっとびっくりして 止まってくれるかなって
類の母:ちょっとびっくり、か……
類の父:す……
類の父:すごいじゃないか類! 音に連動してこっちのライトが点灯…… うんうん、いい発想だ!
類の父:どうせなら、もう2個くらい ギミックを増やしてもいいかもしれないね! たとえば、こっちの目覚まし時計を改造して——
類の母:もう。 今はそういう話をしてる場合じゃないでしょ?
類の父:あ……そ、そうだった! えーっと……
類の父:その……類。 サンタさんへのお礼なら、お父さん達が伝えてあげるよ。 だから類は、ゆっくり寝てほしいな
幼い類:え、どうして?
類の母:その……ほら、サンタさんもお仕事で忙しいと思うからさ
類の母:他の子達のところにも行かないといけないし、 あんまり引き止めちゃうのもよくないかなって
幼い類:…………
幼い類:……嫌だ
類の父:え?
幼い類:嫌だよ。だって僕、 絶対サンタさんに直接会ってお礼がしたいんだもん
幼い類:いつもプレゼントを届けてくれる、 優しいサンタさんに……
類の母・類の父:『…………』
類の父:……そうか。 類がそこまで言うなら、止められないな
類の母:ええ、そうね……
類の母:わかったわ、類。 それじゃあ今日は類の好きにしなさい
幼い類:……! うん、頑張るよ
類の父:い、いいのか?
類の母:ええ、もちろん
類の母:それで、類。 他にどんな仕掛けを作ってるのか、 お母さん達にも教えてくれない?
幼い類:え? いいけど、どうして……?
類の母:それは……ほら、類がどんなものを 作れるようになったのか、もっと知りたいなって。 さっきの仕掛けも、全部すごかったから!
類の母:ねえ、お父さん?
類の父:……!! ああ、そうだな!
類の父:動きや用途がしっかり考えられていて、 お父さんびっくりだったよ!
幼い類:本当?
類の父:ああ! お父さんも参考にしたいから、 もっといろいろ教えてくれないか?
幼い類:いいよ。 じゃあ、入り口のやつから紹介するね
類の父:ああ。 ……できるだけ、詳しくな!
クリスマス当日
幼い類:…………ん……
幼い類:あ、あれ…………もう朝……!? どうして……
幼い類:……もしかして、サンタさん来れなかったのかな……
幼い類:あ……
幼い類:机の上に置いてるの、もしかして……
幼い類:——やっぱり、プレゼントだ。 サンタさん、来てくれたんだ……!
幼い類:でも、なんで気づかなかったんだろう。 仕掛けもちゃんと動いてそうなのに……
幼い類:……あれ? プレゼントに手紙がついてる……
幼い類:『プレゼントのお礼は、お母さん達から聞いたよ。 おもちゃ、大切にするね』
幼い類:…………そっか。 僕からのプレゼント、ちゃんと受け取ってくれたんだ
幼い類:直接お礼は言えなかったけど、 ありがとうって気持ちは、きっと伝わってるよね
類:——とまあ、そういった経験が 今回のショーの元になっているというわけさ
冬弥:そんな経緯が……
類:ああ。それに学校でも 『サンタを捕まえようとしたけど無理だった』と同級生が 話していたのを聞いてね。そこから着想を得たりもしたんだ
彰人:なるほどな。それでできたのが、いろんな困難を潜り抜ける 『最強のサンタ』ってわけか……
類:フフ。 すべての経験はショーにつながっている……ということだね
寧々:なんか、いい感じにまとめようとしてない?
寧々:ていうか……あれ、放っておいていいの?
司:む? あれとは——
司:どわーーーーー!!! な、なんだ、この雪玉の山は……!!
類:おや、雪玉製造機のスイッチを 入れっぱなしにしていたみたいだね。 大量の雪玉ができてしまった
杏:ど、どうするんですかこの量……!
類:ふむ。そうだねえ……
類:大量の雪玉がある、ということは…… やることはひとつなんじゃないかな
えむ:あ、それってもしかして……!
類:ああ。——楽しい楽しい、雪合戦の時間だ
えむ:やった〜! みんなで雪合戦だ〜♪
司:なるほど、雪玉も消費できるし、 ショーに向けてのウォーミングアップにもなるだろうし、 いいアイディアだな! まさに一石二鳥だ!
司:よし、早速やろうではないか!
彰人:おい、まだ誰もやるとは……
司:うおおおおお! 隙あり!
彰人:うおっ!?
杏:あはは! 彰人、髪真っ白じゃん。 ……やられっぱなしでいいわけ?
彰人:……いいわけねえだろ。 おい、お前ら作戦会議だ
彰人:——あいつら、雪まみれにしてやる
十数分後
司:はあ……はあ……
司:4人とも、ずいぶんしぶといな……! まさか、このペガサススノーボールで仕留めきれないとは……
寧々:いやそれ、ただの雪玉だから……
彰人:くそっ。鳳のやつ、ぴょんぴょん跳ね回って狙いづれえ……!
杏:天馬先輩にはギリギリのところで避けられちゃって、 全然当たんないし……!
こはね:わ、私が囮になるよ……! その隙にみんなは、えむちゃん達を……!
冬弥:だが、それでは小豆沢が…… ここは俺が……!
えむ:えへへ、ふたりとも隙ありーっ☆
こはね・冬弥:『うわあ!』
司:ナイスだ、えむ!
類:(——みんな、楽しそうだね)
類:(機械のほうも問題なく動いているようだし、 もう少ししたら他の機材も点検を——)
???:——あ、神代さん!
類:ん?
類:あなたは、ショースタッフの……。 どうしたんですか? そんなに慌てて……
スタッフ:すみません、ちょっと急ぎのご相談があって……!
類:相談?
スタッフ:はい。実は——
スタッフ:ショーで使う機材の搬入が、 間に合わないかもしれないんです……!
類:え……?

第 5 话:最高のショーのために

スキー場
類:機材の搬入が間に合わないというのは…… どういうことですか?
スタッフ:それが……機材を運んでいた大型トラックが、 山道で立ち往生してしまったみたいで
司:立ち往生……!
寧々:もしかして、昨日の大雪の影響で……?
スタッフ:ええ、おそらく。 ここに到着するまで、まだ時間がかかるようで……
類:なるほど……
類:間に合わないのは、クライマックスで使うランタンと それを打ち上げる機材で間違いないですか?
スタッフ:はい。あと搬入が残っているのは、それだけだったので……
類:わかりました。 対応を考えるので、少し時間をもらってもよろしいでしょうか
スタッフ:もちろんです……! 申し訳ないですが、よろしくお願いします
スタッフ:立ち往生の影響で、現場が少しバタバタしているので 私はいったん失礼しますね
類:はい。至急方針を考えます
類:ランタンが使えない、か……
寧々:どうするの、類。 ランタンって、最後の演出で使う予定だったやつでしょ……?
類:ああ、そうだね……
こはね:(今、最後の演出って聞こえたような……)
類:…………
類:…………物語的には、この演出がなくても成立はするんだ
寧々:どういうこと?
類:この話は、サンタがさまざまな困難を乗り越えた先で、 子供達にプレゼントを渡すことができれば ハッピーエンドだからね
類:つまり——極論を言えば、それさえ描ければいい。 この演出ができなくても、少し脚本を変えれば成立はする……
類:もちろん、いろいろと調整する必要はあるけどね
司:なるほどな……
司:……類の言うとおり、多少変更すればショーに支障はないだろう。 だが、このランタンの演出は お前の想いから生まれたものなんだろう?
司:観客に、夢のような景色を見せたい——と
類:そうだね——ゲレンデにランタンを打ち上げて、 空から降りてくるサンタの道を作る……。 実現すれば、きっと幻想的な景色が見られるだろう
類:だから……もちろん僕も、諦めてはいない。 どうにかしてあの演出を実現できる方法を、考えるつもりだ
類:(だが、ここは雪山で使える道具も限られている。 この状態で、できることとなると……)
杏:なんか、大変そうだね……
彰人:ああ。チラッと聞こえたな。 機材が届かねえとかなんとか……
こはね:うん……演出、変わっちゃうのかな
こはね:最後のは、特に力を入れたって言ってたから、 無事にできたらいいんだけど……
冬弥:そうだな。だが、今からの準備となると……
???:『——あれ、みんなどうしたの? 暗い顔して』
こはね:ルカさん……!
ルカ:『そろそろ滑ってるかなーって思って 来てみたんだけど……何かあった?』
こはね:えっと、実は……
ルカ:『そうなんだ。演出の機材が……』
こはね:はい。トラブルなので仕方ないとは思うんですけど、 同じ演出を再現するのは難しいかもって……
ルカ:『そっか……残念だね……』
こはね:……はい
ルカ:『……でも、あの人はまだ諦めてないみたいだよ』
こはね:え?
ルカ:『だって、ほら——』
こはね:あ……
冬弥:……神代先輩らしいな
こはね:え?
冬弥:楽しみにしてくれてる人のために、 今もずっと頭を悩ませているんだろう……一切の妥協をせずに
杏:……そうだね。きっと、演出家として 今できる最高の演出を考えてるんじゃないかな
ルカ:『ふふ、演出家って、なんかすっごくかっこいいね!』
こはね:(……そっか)
こはね:(楽しみにしてる観客のためにたくさん考えて、 最高のショーを届けたいって、思ってるから……)
こはね:(神代さんの演出は、あんなにわくわくするんだ)
こはね:(きっと今も、ショーを見にきてる人たちのために……)
こはね:(それなら——)
杏:こはね? どこ行くの?
こはね:——あの、神代さん!
類:小豆沢くん。どうしたんだい?
こはね:えっと、その……
こはね:私に、何か手伝えることはありませんか?
類:え?
こはね:さっき、スタッフの人と話しているのが 少し聞こえちゃって……
こはね:わ、私なんかが、ショーのことで役に立てるのか、 わからないですけど……
こはね:でも、きっとこのショーを楽しみにしてる人は、 たくさんいるはずなので……!
こはね:というか、私がそうなんです。 今日のショーが、すごく楽しみで……。 自分にとっての、クリスマスプレゼントみたいっていうか……
こはね:だからこれは、すごく自分勝手な気持ちではあるんですけど……
こはね:ショーを成功させるために…… 私にできることがあるなら、手伝いたいんです!
類:……まったく、演出家失格だね。 観客に気を遣わせてしまうなんて
こはね:え?
類:……大丈夫だよ、小豆沢くん。 心配をかけてしまってすまなかった
類:演出家として……僕は必ず、君達に最高のショーを届けるよ
こはね:あ……
こはね:はい!
類:(ショーというクリスマスプレゼント、か)
類:(……それなら僕は、どんな困難があろうとも それを乗り越えて、観客に最高のプレゼントを 届けなければいけないね)
類:(僕に夢を見せて、素敵なプレゼントを届けてくれた あのサンタのように——今度は、僕が)
類:(それが、僕の役目だ)
類:(そのためには——)
類:……ひとつ、いい案を思いついたよ。 小豆沢くんのおかげでね
こはね:……え?
司:なにっ、本当か!
類:ああ。だが、これを成功させるには、 文字通り人手が足りないんだ。だから——
類:みんな……ひとつ、頼まれてくれるかい?
司:ああ、もちろんだ!
えむ:あたしも、なんでもお手伝いするよっ☆
類:ありがとう。それじゃあ早速だけど——

第 6 话:みんなでランタン作り!

スキー場 空き部屋
一般客:えへへ、ショーに参加できるなんて楽しみだな〜!
一般客:うん! ラッキーだね!
杏:神代せんぱーい! 牛乳パックとペットボトル、食堂からもらってきました!
えむ:デコレーションに使えそうなテープも 小道具さんから借りれたよ☆ いーっぱい使って大丈夫だって!
類:ありがとう、みんな
類:司くん達のおかげで人も集まってきたし…… これで、ランタン作りができそうだね
司:しかし、一般のお客さんの力を借りて 『参加型のショーにしてしまおう』とお前が言い出した時は、 さすがに驚いたぞ
類:フフ。機材なしであの演出を再現するには、 これしかないと思ったんだ
司:オレ達でランタンを手作りする……!?
寧々:それで、最後の演出を再現するってこと?
類:ああ。ラストの演出はもともと、 一直線に並べたランタンをゲレンデから打ち上げて、 光の道を作る、というものだった
類:スキーで滑り降りてくるサンタと、 下で待つ子供達をつなぐためにね
類:けれど、今はランタンも、それを打ち上げる機材もない……
類:それなら、 自分達が道になればいいんじゃないかと思ったんだ
えむ:あたし達が道に?
類:ああ。手作りのランタンを持って、 自分達がゲレンデに並ぶんだ
寧々:たしかに……それなら、演出の内容を そこまで大きく変えずに済むかも
えむ:でもでも、ランタンってどうやって作るの?
類:牛乳パックやペットボトルがあれば、案外簡単に作れるよ
類:好きな形に切って、テープや折り紙なんかで デコレーションすれば、あっという間に完成だ
えむ:そうなんだ! ランタン作り、すっごくおもしろそ〜☆
司:なるほどな。 だが……オレ達だけでは、人数が足りないのではないか?
類:そうだね。司くんの言うとおり、 僕達だけでゲレンデに並んでも、 光の道と呼ぶには到底足りない
類:この演出を成功させるには、ある程度の人数が必要だ。 だから——
類:観客を、巻き込もうと思う
類:ラストは、参加型のショーにするんだ。 自分で作ったランタンを持って、ゲレンデに並んでもらう……
類:そうすることで、演出の一部になると同時に、 ショーの世界に入り込むという体験もできるというわけさ
司:なるほど……それは、唯一無二の思い出にもなりそうだな!
えむ:それにそれに、 ショーを見にくるつもりじゃなかった人も、 声をかけたら興味を持ってもらえるかも!
司:よし……やろう、類! お前のその演出、皆で成功させようではないか!
類:ありがとう、みんな
類:それじゃあ、人手や材料集め……やることは山盛りだけれど、 手分けして、準備を進めよう
司・えむ・寧々:『おー!』
一般客:すみませーん、ランタン作りの場所って ここで合ってますか?
スタッフ:はい。もう少しで始まるので、中でお待ちください!
寧々:……思ったより人が集まって、よかったね
類:ああ
類:……小豆沢くん達も、 呼び込みを手伝ってくれて本当にありがとう。 おかげで、たくさん集まったよ
こはね:いえ! 皆さんの力になれてよかったです!
こはね:ゲレンデにいる人に声をかけたりしたんですけど、 協力するって言ってくれる人が多かったんです。 ショーの世界を体験できるなんて、って
司:なるほど、類の予想通りだったというわけだな
こはね:はい。それに——
こはね:サンタさんのショーに参加したい!って子供達が たくさんいたんです
こはね:それを聞いて、自分たちにもやらせてほしいって 言ってくれる人もいたりして……
類:……そうか
類:これはますます、失敗するわけにはいかないね
司:ああ。では、時間も迫ってきたことだ。 そろそろ作業を始めようではないか
類:そうだね。それじゃあ—— ランタン作り、スタートだ
えむ:はい☆ これでどうかな~!?
子供達:わあ、お姉ちゃんのランタン、 お星さまいっぱいでかわい〜!
えむ:えへへ、キラキラなランタンが ギランギランになるように、たーっくさん貼ったんだよ!
子供達:すご〜い! わたしもお星さま貼りたいなあ……
えむ:じゃあじゃあ、あたしが切ってあげる! 一緒にキラキラわんだほいなランタンにしちゃお〜う♪
子供達:うん!
彰人:よし……ほら、切れたぞ
子供達:お兄ちゃん、ありがとう!
寧々:東雲くん、次はこの子のペットボトルお願いしてもいい? 底をギザギザにしたいらしいんだけど……
彰人:ギザギザって、また難しそうだな……
杏:はーい! お兄ちゃんに切ってもらったら、 次はこっちで飾り付けだよ!
杏:ここからテープ選んで、 好きな形に切っていっぱい貼っちゃおう!
子供達:『はーい!』
冬弥:………………よし
司:おお、素晴らしいじゃないか冬弥! どこからどう見ても、正真正銘これはど真ん中だ!
司:それに、テープも綺麗な三角に切れているな
子供達:わあ、お兄ちゃんのすごーい! どうやったらそういう風に切れるの~?
冬弥:これか? 下書きを書くと、やりやすくなるんだ
司:せっかくだし、一緒にやるか?
子供達:うん!
こはね:——よいしょ、っと……。 うん、これで一通り貼り終わったかな
杏:だね! あとは——
ルカ:『やっほ〜! ランタン作り、順調?』
こはね:あ、ルカさん。 私と杏ちゃんは、もう少しで完成しますよ
杏:私のほうは、こっちの牛乳パックに 仕上げの音符型シールを貼るだけです!
ルカ:『わあ、どっちのランタンも、すっごくかわいい〜!』
ルカ:『っていうか、ふたりのランタン全然違うね。 なんか個性が出てるなあ』
こはね:個性?
ルカ:『ほら、杏ちゃんは大きいシールをどーんと貼ってるけど、 こはねちゃんは小さいシールを たくさん貼って模様にしてる、って感じだし!』
杏:たしかに! 言われてみればそうですね
ルカ:『ふふっ。なんか面白いなあ』
ルカ:『そうだ。こういうの、今度セカイでやってみてもいいかも! メイコに材料もらえないか、聞いてみよーっと♪』
こはね:いいですね。みんなでやりましょう!
こはね:あ……
杏:こはね、どうしたの?
こはね:えっと、テープが無くなっちゃって。 私、新しいの取ってくるね
杏:はーい。行ってらっしゃい!
類:(……みんな、順調そうだね)
類:(それに——)
男の子:お父さーん。これ、うまく丸に切れない……
親A:ああ。こういうのは、ハサミを動かすより 紙のほうを動かして——
女の子:わあ、お母さんデコレーション上手! それどうやってやるの!?
親B:これはね、シールの大きさによって貼り方を変えたり……
類:(参加者も、みんな楽しんでくれているみたいだ)
類:おや、小豆沢くん。 ランタン作りは終わったのかい?
こはね:あとちょっと残ってるんですけど、 テープがなくなったので、取りに行こうと思って
こはね:いろいろこだわったので お気に入りのランタンにできそうです
類:そうか。それはよかった
こはね:……トラブルはびっくりしましたけど、 無事にショーができそうでよかったですね
類:ああ。これも、協力してくれたみんなのおかげだ
類:小豆沢くん達も、本当にありがとう
こはね:いえ。ショーに参加できちゃうなんて、 やっぱり特別なので……
こはね:本番も、すごく楽しみです!
類:(こんなにもたくさんの人達が、期待してくれている……)
類:(参加してくれる人達のためにも…… 絶対に、いいショーにしなくてはね)

第 7 话:ショーという名のプレゼント

スキー場
こはね:わあ……お客さん、たくさん集まってきてるね!
冬弥:スタッフの人も、 この観客の数は予想以上だと言っていたな
冬弥:ランタン作りの声かけをきっかけに、 ショーに興味を持ってくれた人もいるらしい
彰人:なるほどな。あれが、ショーのいい宣伝にもなったってわけか
杏:私たちも、いい仕事したってことだね! 本番もがんばっちゃお!
こはね:うん!
スタッフ:皆さまお待たせしました。 まもなく、クリスマスショーの開演です!
彰人:お、始まるみたいだな
サンタA:『ふんっふんっ……!』
サンタB:『今日は一段とトレーニングに気合いが入っているな。 だが、この大事な日にケガはするなよ?』
サンタA:『ああ。もちろんわかってはいるが、 いてもたってもいられないんだ。 なぜなら今日は——クリスマスイブだからな!』
彰人:……あれがサンタ役か?
杏:そうだと思う……。 真っ赤な服に帽子だし。でも——
杏:全員、マッチョすぎない……!?
冬弥:あれほど筋骨隆々なサンタは、初めて見たな……
こはね:あ……! あの右のサンタさん、 フェニックスステージのキャストさんだ!
彰人:マジかよ。あの状態でわかるのか? ヒゲと帽子で顔なんてほとんど見えねえってのに
杏:あはは、さすがこはね!
サンタC:『きっと今年も、プレゼントを狙って 多くの困難が立ちふさがるだろう……。 しかし、全員で乗り越えていくぞ』
サンタC:『プレゼントを待つ、子供達のためにな!』
サンタ達:『おお!』
サンタA:『よし、準備は万端だ。 いくぞ、相棒の——トナカイ達!』
トナカイ:『はい! 今年も、一生懸命ソリを引きますね!』
トナカイ:『この……真っ赤な鼻で、夜空を照らして!』
子供達:わあ、本当に鼻が光ってる! かわいい〜!
こはね:司さん達、トナカイ役なんだ……!
冬弥:なるほど……プレゼントを運ぶ重要な役割だからな。 司先輩にぴったりだ
トナカイ:『さあ、行きましょう。子供達の元へ!』
クリスマスツリーの怪人達:『ぐあああああ! え、枝が…… 腕の枝に巻かれた電飾が、眩しい……!』
トナカイ:『まさか、クリスマスツリーの怪物まで現れるなんて……!』
トナカイ:『でも、ピカピカ光る電飾が弱点だったみたいだ!』
クリスマスツリーの怪人達:『うう……! その屈強な体で、なんて繊細な飾りつけを……』
サンタC:『ふっ。お前達を綺麗に飾りつけるほど、 子供達の笑顔につながる……』
サンタC:『全ては、子供達のためだ!』
クリスマスツリーの怪人達:『子供達を想うその心……。 くっ……私たちの、負けだ…………』
トナカイ:『クリスマスツリー達が逃げていく……! さすがです、サンタさん!』
サンタB:『ああ。このために あらゆるツリーの電飾を持ち歩いているからな』
サンタA:『この先、まだまだたくさんの困難が待ち構えている。 気を抜くなよ、トナカイ!』
トナカイ達:『はい!』
雪だるま怪人:『待テ、サンタ!』
雪だるま怪人:『ここを通すわけにはいかない……。 プレゼントを置いていけ!』
サンタB:『このプレゼントは、子供達に届ける大切なものだ。 お前達には、絶対に渡さない』
雪だるま怪人:『そうか。ならば、力ずくで奪うまで……。 いくぞ、皆の者! 雪玉攻撃だ!』
雪だるま怪人:『クラエ! スノーストーム!』
子供達:わわ、雪玉がいっぱい……! すごいすご〜い!
サンタA:『くっ……なんて量だ……!』
杏:あ……あれって……!
彰人:草薙が、裏で雪玉作ってるっぽいな。 あの機械使ってるとはいえ、すげえスピードだ
トナカイ:『うう……これじゃあ、前に進めない……』
サンタC:『諦めるなトナカイ! こういう時こそ、拳に力を入れろ!』
サンタC:『そして——こうだっ!』
雪だるま怪人:『な……雪玉を、パンチで破壊だと!?』
子供達:すっごーい!
子供達:サンタさん、がんばれー!!
トナカイ:『あ……子供達の声が聞こえる……!』
サンタC:『ああ。こんなところで立ち止まるわけにはいかない。 このまま進むぞ……子供達のためにも!』
サンタC:『うおおおおおおお!』
子供達:サンタさん、いっけー!
こはね:強いね、サンタさん達!
冬弥:ああ。まさか、あの雪玉の嵐を 拳ひとつで切り抜けるとは……!
類:(……よし、ここまでは順調だ)
類:(もう少しで、最後の演出だね)
類:(明かりが消えたら、スタッフの誘導で観客達に並んでもらって ランタンを一斉点灯——)
類:(全員で息を合わせる必要はあるけれど、きっと——)
サンタA:『おお、明かりが見えてきたぞ! 街はもうすぐそこだ!』
サンタA:『いくぞトナカイ! ラストスパートだ!』
トナカイ達:『…………』
サンタB:『どうしたトナカイ。なぜ走らない? 鼻の明かりも消えて——』
サンタA:『なっ……! 街の明かりが、消えた……!?』
サンタC:『ど、どういうことだ! これじゃ家の場所がわからない…… プレゼントが届けられないぞ!』
トナカイ:『ふっ……』
トナカイ:『ふふふ…………はーっはっはっはっはっは!』
サンタB:『トナカイ……?』
トナカイ:『間抜けなサンタ達め! 真っ暗にしてしまえば、 子供達がどこにいるかもわからないだろ!』
サンタA:『お前達、まさか……!』
トナカイ:『ふふふ……これでお前達は、 プレゼントを届けることはできない。 観念してプレゼントを渡すんだ!』
サンタB:『くっ……ここまで来て……!』
冬弥:明かりが消えた……。 これが、ランタンの合図だったな
スタッフ:それじゃあ皆さん、ゲレンデに移動しましょう!
子供達:『はーい!』
スタッフ:ここにまっすぐ並んでくださいね。 足元が暗いので、気をつけてください
こはね:(……急な変更だったはずなのに、 最初からこういう演出だったみたいな誘導……)
こはね:(やっぱり、ショーを作る人たちってすごいなあ……!)
観客達:えへへ、なんか緊張するね……
観客達:ちゃんとランタン持ったか?
観客達:うん! ドキドキしてきちゃった……!
類:(……よし。みんな、概ね位置についたようだ。 あとは——)
トナカイ:『どうした、早くプレゼントを渡せ! もうそんなものを持っていても、どうしようもないだろう?』
トナカイ:『なにせ、届けるべき相手が見えないのだからな!』
サンタA:『だとしても……だとしても! このプレゼントだけは絶対に……!』
スタッフ:皆さん今です! せーのっ!
サンタB:『おい、見ろ! 街の方角……』
サンタC:『光だ! 光の道ができてるぞ!』
子供達:わ……本当だ! 綺麗〜!
トナカイ:『くそっ! 街の明かりは全て消したはず……。 いったい誰が!?』
街の人達:『サンタさん! こっちだ!』
サンタC:『あれは……街の人達が ランタンを掲げて、家までの道標を作ってくれているのか!』
サンタB:『みんなが、俺たちを応援してくれている——』
サンタA:『さあ行こう! プレゼントを待つ、子供達の元へ!』
こはね:わっ……! こっちに滑ってきた!
トナカイ:『ま、待て〜〜〜! そのプレゼントは、僕達の……!』
サンタC:『はーっはっはっは! 俺たちより貧弱な脚では、到底追いつけまい!』
彰人:……滑りながら演技してんのか
こはね:うん! すごいね……!
サンタA:『待たせたね、さっきは応援してくれてありがとう! みんなに、プレゼントを持ってきたよ』
子供達:わあ……! 本当にサンタさんが来てくれた! 嬉しいな……
サンタC:『君たちの、サンタに会いたいという想いは いつだって空の向こうまで届いている』
サンタC:『私たちのことを想ってくれて、本当にありがとう』
子供達:サンタさん……
子供達:……そっか。 僕の気持ち、ちゃんと届いてたんだね……!
子供達:ねえ、サンタさん。 また……会えるかな?
サンタC:『ああ。また来年……何があっても、 君たちの元に来ると約束しよう』
サンタC:『だからそれまで、いい子で待っていてくれ!』
子供達:うん……!

第 8 话:楽しんでくれた君達に

終演後
スキー場
類:——よいしょ、っと……
類:(よし。椅子の移動は、これで全部かな)
類:(あとは、司くん達の片づけを手伝って……)
えむの声:類くーん!
寧々:こっちの備品は、全部車に積んだよ
類:ああ、ありがとう。 今から手伝いに行こうと思っていたけれど、一足遅かったな
司:ふっふっふ……オレ達のほうが、素早かったということだな!
司:それにしても——
明るい男の子:——ねえねえ、お母さん。 今日のショー、すっごく楽しかったね!
優しい母親:そうだね。サンタさん達が目の前をぴゅーんって滑って、 すごい迫力だったね
明るい男の子:うん! 僕、サンタさんのお手伝いができて嬉しかったなあ
優しい母親:ふふ。参加できてよかったね
司:……なかなか、好評のようだな。 今日のショーは
寧々:うん。向こうで片付けてる時も、 楽しかったって言ってる声が聞こえたしね
類:そうか。……演出家として、これ以上の喜びはないね
こはねの声:——皆さん、お疲れさまです
司:ああ、小豆沢達か。 今日は手伝ってくれてありがとう! 感謝するぞ!
冬弥:いえ。俺達も、今日は楽しかったです
彰人:まさか、あんな目の前を サンタが滑っていくとは思いませんでしたしね。 すげえ迫力でした
杏:それに、ランタン作りも演出も、 いい思い出になりました!
こはね:うん! お話も、サンタさん達が戦うところも面白かったし、 特に、最後のランタンの演出がすごく綺麗で——
こはね:夢みたいな景色だなって思いました
こはね:あんな素敵なショーの一部になれるなんて、 最高のクリスマスプレゼントです!
えむ:えへへ、みんなニコニコ笑顔だね〜☆
類:……そう言ってもらえて、とても嬉しいよ
類:今日のショーは、小豆沢くん達や観客のみんな…… 参加してくれた人達がいなければ、成し得なかった
類:——だからこそ、小豆沢くんには改めてお礼を言わせてほしい
こはね:え?
類:あの時、小豆沢くんが『ショーのために手伝いたい』と 言ってくれたおかげで、あの演出を思いつくことができたんだ
類:観客はもちろん、君達がこのショーを楽しんでくれたみたいで、 本当によかったよ
こはね:神代さん……
類:改めて……今日はショーを楽しんでくれてありがとう
類:今は、ショーを見せられる機会が減ってしまっているけれど——
類:みんなの期待に応えられるような 最高のショーを届けるから、 これからも、楽しみに待っていてほしいな
こはね:はい! また皆さんのショーが見れるのを、 楽しみにしてます!
司:ふっ……こうして待ってくれている人のために、 オレ達もしっかり力をつけていかねばならないな
寧々:うん。そうだね
類:(思わぬトラブルはあったけれど——)
類:(観客も、こうして手伝ってくれた人達も、 みんなが笑顔になるようなショーができて、本当によかった)
類:(やっぱり僕は、こんな風に 人に夢を与えられるような……そんなショーが好きだ)
類:(だから——)
類:(こうして、僕達のショーを 楽しみに待ってくれている人達のためにも……)
類:(これからも演出家として、 まだまだ腕を磨いていかなくてはね)