活动剧情
Rise and Strive
活动ID:157
第 1 话:わずかな光明
ステージのセカイ
みのり:ねえ、みんな聞いて聞いて! 実は、わたし達の——
みのり:新しいお仕事が決まりましたっ!
リン:わあっ、本当!?
ミク:今度は、どんなお仕事なの?
遥:ネット番組のミニコーナーに出るんだ。 話題になったアーティストを紹介するコーナーなんだって
KAITO:そうなんだ、すごいな! たしかこの前は、地方ラジオの依頼がきたって言ってたよね
MEIKO:こうやってまたお仕事が来始めたのも、 雫ちゃんのCMが話題になったおかげかしら?
遥:そうだね。今回連絡をくれたスタッフさんも 雫のCMを見て声をかけたって言ってくれてたから、 影響は大きいんじゃないかな
愛莉:ふふ。雫が、わたし達の窮地を救ってくれた 救世主ってことね!
雫:救世主だなんて、そんな……
雫:でも……あのCMが、私達のお仕事につながる きっかけになっているなら、すごく嬉しいわ
雫:みんなの力になれるように、 これから、もっともっと頑張らなくちゃ
遥:(——よかった。 このまま仕事がなくなるんじゃないかって、 不安になった時期もあったけど……)
遥:(少しずつでも、また仕事が入ってくるようになって)
遥:(ただ——)
ルカ:……遥ちゃん、どうかした?
遥:あ、えっと……。 やっぱり、気になるなって思って
レン:気になる?
遥:うん。仕事がくるようになったのは もちろん嬉しいけど……
遥:結局、ドルラバのあとから 仕事がこなくなった原因は、わからないままだから
愛莉:……そうね。 この業界じゃ、定期的に仕事をもらえる方が珍しいから 今までが好調すぎただけって可能性もあるけど——
愛莉:ドルラバは、わたし達にとって 手応えのあるイベントだったものね
遥:うん。そのタイミングで急に……っていうのが やっぱり気になるんだ
遥:それに、また仕事が来るようになったって言っても、 ドルラバの前と比べると、件数はすごく少ないし
遥:……だから、もう少し ちゃんと調べておいたほうがいいかもしれないなって
雫:遥ちゃん……
遥:ごめんね、せっかく新しい仕事がきたって 前向きな話をしてたのに
遥:今はそれぞれ、できることを全力で頑張ろう。 この件については、私と斎藤さんで引き続き調べてみるよ
愛莉:……わかったわ、よろしくね
愛莉:でも、何か手伝えることがあれば、 いつでも言ってちょうだい
みのり:うん! 遥ちゃん達が調べてる間の 企画とか台本作りは、わたし達に任せて!
遥:わかった。ありがとう、みんな
遥:それじゃあ……次の仕事の打ち合わせをしようか
愛莉:ええ! 企画書を見た感じ、 ちょっとしたフリートークの時間もあるみたいだし、 少しでも爪痕を残せるように、がんばりましょう!
みのり・遥・雫:『おー!』
数日後
宮益坂
斎藤:遥ちゃん、打ち合わせお疲れさまでした!
遥:お疲れさまです。 今日は斎藤さんも同席してくれて助かりました。 みんな、どうしても都合が合わなかったので……
斎藤:大丈夫です。こういう時のマネージャーですから! どんどん頼ってください!
遥:ふふ、頼もしいです
遥:……そういえば、 仕事がこなかった時期についての件なんですけど…… 斎藤さんの方で、何かわかったことはありましたか?
斎藤:いえ……業界のいろんな人に話を聞いてみたんですが、 みんな、心当たりはないみたいで
遥:そうですか……
遥:(私も打ち合わせの合間に、お世話になったスタッフさんに 聞いてみたけど——)
雑誌編集者:え……MORE MORE JUMP!についての噂? う、うーん。心当たりはないかなあ
ステージスタッフ:そうだね……制作側にも、 いろいろ都合があると思うし……
遥:(……みんな、何も知らないみたいだった)
遥:(でも——)
雑誌編集者:じゃ、じゃあ、ごめん。 俺はこれから打ち合わせあるから!
ステージスタッフ:あ——僕もそろそろ次の現場の準備しなきゃ! ごめんね遥ちゃん、またね
遥:(なんだろう、何か様子がおかしかった気がする……)
斎藤:今日はこのあと、皆さんと合流して配信の予定でしたよね。 私は買い出しをしてから向かうので、 先に戻っててください
遥:あ……わかりました。 それじゃあ、またあとで
斎藤:はい! お疲れさまです!
数時間後
モアモアハウス 練習部屋
愛莉:——それじゃあ、今日の配信はここまで!
みのり:『みんなでムキムキ☆ダンスレッスン』、 見てくれてありがとう〜!
雫:みんなが知ってるアイドルの曲のダンスを、 トレーニング用に少しアレンジしてみたんだけど どうだったかしら?
コメント:『きつかったけど、知ってる曲だから楽しかった〜!』 『これで私も愛莉ちゃんみたいに踊れる……!』 『この曲、どこかで聴いたことあるんだけど……どこだっけ?』
愛莉:この曲は昔、お菓子のCMソングにもなってたのよ。 話題になったCMだったし、 みんなノリやすいかなって思って今回選んだの!
みのり:小学生のころ、CM見ながら振りコピして覚えたな〜! なんだか懐かしい気持ちになっちゃった!
遥:あ、だからみのりは、あんなに動きが完璧だったんだね
コメント:『たしかに、キレキレだったな』 『あー、あのCMか!スッキリした〜』 『CMといえば、雫ちゃんが出てるの見たよ!』
愛莉:ふふ、ここにも雫のCMを見てくれた人がいるわね
雫:本当? いろんな人に見てもらえて、嬉しいわ
コメント:『でもさ……なんかテレビでモモジャン見ること減ったよね』
遥:……!
コメント:『そういえば、バラエティとかもう出ないの?』 『最近、あんまりテレビで見ないから寂しかったな〜』
愛莉:そうね……そういうお仕事ってご縁もあるし、 残念ながら、不定期になっちゃうのは仕方ないところもあるのよ
愛莉:もし、今後出演の告知ができるものがあれば すぐに伝えるから、みんなにはそれを待っていてほしいわ
遥:寂しい思いをさせちゃってる分、 配信でみんなとの時間を増やしたいなって思ってるよ
遥:だから……次の配信も、楽しみにしてくれたら嬉しいな
コメント:『たしかに、お仕事ってなると大変そう……』 『配信が増えるのはありがたいなあ』 『次の配信も絶対リアタイする〜!』
遥:ふふ。ありがとう!
愛莉:——さて。 名残惜しいけど、そろそろお別れの時間ね
愛莉:みんな、たくさんコメントくれてありがとう! 明日は筋肉痛に気をつけるのよ?
コメント:『やりきった感でいっぱいだったけど、たしかに怖いな』 『もうすでに二の腕が怪しい……』 『これが達成感の代償か……』
雫:たくさん動いたし、 みんなもしっかりクールダウンしてね
みのり:それじゃあ、今日も見てくれてありがとう。 またね〜!
愛莉:……やっぱり、気になる人もいるわよね。 わたし達の露出が減ったこと
みのり:うん……お仕事は入るようになってきたけど、 前みたいにたくさんあるわけじゃないし……
みのり:これからも、心配かけちゃうかもしれないよね……
遥:……そうだね。 何か原因があるのなら、ちゃんと突き止めて解決しないと
遥:(ただ……話を聞けそうな人のところは もう、ほとんどまわってる)
遥:(他に、心当たりがあるとしたら……)
遥:(……頼るべきじゃないのは、わかってる)
遥:(それでも、今は——なりふり構ってる場合じゃない)
第 2 话:大切なこと
ホテル内のカフェ
遥:(……柊さんに会うのはドルラバぶり、か)
遥:(少し、緊張するな……。 ライバルグループの立場で、こんな相談をするなんて)
遥:それでも……やれることは全部やらないと
柊の声:——桐谷
遥:柊さん、お久しぶりです
柊:待たせてしまってすまない。 前の現場が押してな
遥:いえ。こちらこそ、急に連絡してしまってすみません。 お忙しい中お時間を作っていただき、ありがとうございます
遥:……ドルラバでお会いして以来、ですね
柊:ああ。そうだな
柊:あの時は、うちのグループが世話になった
遥:お礼を言うのはこちらのほうです。 ReLightの皆さんには、すごく刺激を受けましたし
遥:あの日は、皆さんのおかげで 私達もいつも以上の力を発揮できましたから
柊:……そうか。 たしかにあれは、いいステージだったな
遥:柊さんにそう言っていただけると、私も嬉しいです。 ただ——
遥:ドルラバのあとから、少し気になることがあって…… その件についてご相談させていただきたいんです
遥:実は……ドルラバを境に、 仕事の依頼が1件もこなくなった時期があるんです
遥:今も、少しずつまた依頼が入ってきたとはいえ、 ドルラバの前と比べれば、かなり減っていて……
遥:もちろん、ただそういう時期だったっていう 可能性もあると思います
遥:でも……本当に突然だったので。 何か原因があるんじゃないかと思って、調べているんです
柊:…………
遥:……すみません、私達の問題なのに
遥:ですが、柊さんは業界の事情に詳しいので、 何かご存知じゃないかと思ったんです。 ……それで、お話を伺いにきました
柊:……なるほどな
遥:はい。もし、何か……私達に関する噂や、 ご存知のことがあれば、教えてもらえませんか?
柊:頼りにしてもらったところ悪いが……
柊:あいにく、心当たりがない。 私が力になれることはなさそうだ
遥:あ……
遥:……そう、ですか
遥:(……もしかして、本当に原因とかは何もないのかな。 ただ私達が、『何かある』って思ってるだけで……)
遥:(でも、今まで話を聞いた人達は、何か——)
柊:お前達のグループには、 スタッフの立場の人間はいないのか?
遥:え?
柊:何か問題が起きた時、メンバーが動くのかと思ってな
遥:あ……マネージャーはいます。 今は、スケジュールの管理なんかをメインにやってもらっていて
柊:……つまり、運営について考える人間がいない、ということか?
遥:基本的には、メンバー全員で考えて 配信や仕事の方向性を決めています。 ただ……
遥:今は、私がプロデュースを任せられているんです
柊:お前が?
遥:はい。 ……柊さんのようには、できていませんが
柊:……そうか。しかし、意外だな
遥:そうですね。私も、そう思います
遥:一時期は——ASRUNでは アイドルでいることさえ、諦めてしまっていましたし
遥:でも……私はやっぱり、 アイドルとして希望を届けていきたい——
遥:MORE MORE JUMP!のメンバーに出会って、 またそう思えるようになったんです
柊:…………
遥:だから……グループのためにできることがあれば、 どんなことでもしたいと思っています
遥:——ASRUNの時、 私達を引っ張ってくれた柊さんみたいに
柊:……そうか
柊:お前の気持ちはわかったが…… 先ほども言ったように、私は力になれそうにない。悪いな
遥:いえ。 こちらこそ、話を聞いてくださってありがとうございます
遥:(柊さんにも心当たりがないなら、 愛莉が言ってたみたいに…… 今までが好調すぎたのかもしれない)
遥:(だとしたら……)
遥:……あの、最後にひとつだけ 聞いてもいいですか?
柊:なんだ
遥:もし、自分が手がけるグループが、 今のMORE MORE JUMP!のような状況に なってしまったら——
遥:はっきりとした理由もわからず、仕事が減って…… もとに戻るかもわからない状況になったら
遥:柊さんなら、どうしますか?
柊:…………そうだな
柊:どんな状況だろうと、やることは変わらない
柊:己の信念に従い、歩み続けるだけだ。 そうすれば、いつか打破できると信じて
柊:——自分の目的を、決して見失うことなく、な
柊:……少し、しゃべりすぎたか
柊:そろそろ出なければならない時間だ。 すまないが、私はこれで失礼する
遥:あ……
遥:はい。 ……お忙しいところ、ありがとうございました
遥:……『目的を見失うな』、か
遥:(ASRUNの時から、ずっと言われてたっけ)
遥:(何かを成し遂げようとする時、 周りから何かを言われるのは当然のこと。 それに気を取られることもあるだろう。それでも……)
遥:(『自分の目的を見失うな』、って)
遥:やっぱり、柊さんは柊さんだな
遥:(……そうだよね。 今は、私達の目的を見失わないように——)
遥:(今できることを、やらなくちゃ)
第 3 话:疑念
翌日
宮益坂
愛莉:え、柊さんと話を……!?
遥:うん。仕事が途絶えたことについて、 何かわかったわけじゃないけど…… 大切なことを思い出させてもらったよ
遥:どんな状況でも『希望を届ける』っていう 私達の目的は見失っちゃダメだ、って
みのり:あ……
遥:……仕事の量が前より減ってるのは事実だけど、 それなら、ここからもう一度巻き返していけばいい
遥:MORE MORE JUMP!のプロデューサーとして、 そのための方法を考えてみるよ
遥:だから、みんなは今まで通り、 見てくれてる人達に希望を届けることを考えてほしい
遥:どんな状況になっても、 私達らしさは見失わずにいこう
雫:遥ちゃん……
愛莉:そうね。遥の言う通りだわ
愛莉:悩んでばっかりでもよくないわよね。 わたし達の目的は、みんなに希望を届けることなんだから!
みのり:よーし! これからの打ち合わせ、 もっともーっと気合入れちゃうぞー!
みのり:なんていっても、初のレギュラー番組だし!
雫:前は顔合わせがメインだったけど、 今日はディレクターさんと、内容についてのお話をするのよね
遥:ディレクターの中野さんは『どっこい!町おこし隊』でも お世話になったけど……私達の意見を汲んで 番組を作ろうとしてくれてて、本当にありがたいよね
遥:期待に応えられるように、全力で頑張らないと
みのり:うんっ!
雫:あ、中野さんといえば…… この前、次のお仕事の話もしてなかったかしら?
みのり:えっと、たしか……来年また、 新しい番組を立ち上げることになったんだっけ?
愛莉:ええ。その新番組でも、わたし達と一緒に 仕事ができたら嬉しいって言ってくれてたわね
遥:まだ本決定ではないみたいだけど…… 今日の打ち合わせ終わりに聞いてみてもいいかもね
遥:そのためにも、まずは目の前の打ち合わせをしっかりやろう。 見てくれる人に、希望を届けるために!
みのり・愛莉・雫:『うん!』 『ええ!』
数時間後
テレビ局 会議室
番組スタッフ:——では、今日の打ち合わせはここまでにしましょうか
中野:そうですね。番組の内容は、あらかた説明できましたし……
中野:次回は、皆さんにご担当いただくコーナーについて 改めて詰めていきましょう
遥:わかりました。ありがとうございます
みのり:えへへ、ちょっとずつ形になってきて嬉しいね!
雫:担当コーナーも決まってよかったわね。 視聴者さんから私達宛に送られてきた お悩みを解決するなんて、すごく力が入るわ……!
中野:ふふ。前向きに考えてくださっていて助かります
中野:実は、番組にお声がけした時から このコーナーはMORE MORE JUMP!さんに お願いしたいと思っていたんです
愛莉:え……そうなんですか?
中野:はい。『どっこい!町おこし隊』では、 地域の人もMORE MORE JUMP!さんも みんな自然体で……とてもいい画が撮れましたから
中野:このコーナーも、そういった等身大の空気感が 伝わるものにできたらと思っていまして
中野:なので実際の撮影でも、あの時みたいな ありのままの皆さんでいていただけると嬉しいです
みのり:はいっ! 任せてください!
番組スタッフ:もう、中野さん。 撮影って言ったって、スケジュールはまだ先ですよ。 まずはもっと企画を詰めないと
中野:あはは、そうでしたね。つい熱が入ってしまって……。 でも——
中野:こちらとしては、MORE MORE JUMP!の皆さんと一緒に いい番組にしたいと思っていますから。 引き続き、よろしくお願いします
遥:こちらこそ、よろしくお願いします!
番組スタッフ:それじゃ、他に何もなければ 今日は解散ということで大丈夫そうですか?
遥:あ……すみません、ひとつだけいいでしょうか
遥:前の打ち合わせの時に伺った件なんですが、 あれから、何か進捗はありましたか?
中野:前の打ち合わせ?
遥:はい。来年新しく企画する番組でも、 一緒にお仕事をと言っていただいて……
中野:あ……ああ、そのことですか
中野:えっと……すみません。そちらに関しては、 ちょっといろいろありまして……
中野:制作上の都合で、出演者については 白紙に戻ってしまったんです
遥:え……白紙に?
雫:もしかして……何かあったんですか?
中野:申し訳ないですが、理由に関してはお答えできなくて……
雫:あ……そうですよね。すみません
中野:いえ。皆さんには、出演をお願いできるかもと お伝えしていたので、こちらとしても大変心苦しいのですが……
遥:……わかりました。 いろいろな事情があると思いますし、残念ですが また何かの機会にご一緒できれば嬉しいです
中野:……そうですね
中野:では……会議室の時間もありますし、 そろそろ出ましょうか
遥:はい。ありがとうございました
みのり・雫・愛莉:『お疲れさまでした!』
遥:(……このタイミングで、白紙に戻るなんて)
遥:(たしかに、まだ本決定ではなかったけど、 中野さんはかなり前向きに検討してくれてるみたいだった……)
遥:(やっぱり、何か引っかかる)
遥:(……せっかくテレビ局まで来たんだし、 知り合いのスタッフの方に、少し話を聞いてみようかな)
数十分後
テレビ局 廊下
遥:——わかりました。 突然ご連絡したのに、お話を聞いてくださって ありがとうございました
番組プロデューサー:ううん。力になれなくてごめんね。 それじゃあ、またね。桐谷さん
遥:はい。また現場でお会いできたら、 そのときはよろしくお願いします
遥:(……やっぱり、原因らしいものは見つからないな)
遥:(私達が気付いてないような落ち度があって—— 直接は言いづらい、っていう可能性も考えたけど。 そういう雰囲気でもない気がする)
遥:(ここで考え込んでても仕方ない。 切り替えていこう)
遥:(みのり達には先に帰ってもらったし、 私も早くモアモアハウスに戻って——)
テレビ局スタッフ:——お、中野さん! お疲れさまです!
中野:ああ、お疲れさま
遥:(あ……中野さんだ。 別の打ち合わせ終わりなのかな。最後に挨拶して……)
テレビ局スタッフの声:聞きましたよ。来年の新規企画の話!
テレビ局スタッフの声:レギュラー出演のアイドル枠、ReLightにしたそうですね!
遥:え……
遥:(来年の新規企画? それって、さっき白紙に戻ったって言ってた……)
遥:(それに……ReLight……?)
テレビ局スタッフの声:いやあ、中野さんMORE MORE JUMP!推しだったから 話聞いた時はびっくりしましたよ!
中野の声:……彼女達には今日、 出演の件は白紙に戻ったと伝えたよ
中野の声:今回は、完全に私の落ち度だね。 出演をお願いできるかもという可能性の話を、 先走って伝えてしまって……
中野の声:MORE MORE JUMP!のみんなを、落胆させてしまったから
遥:(あ……)
テレビ局スタッフの声:まあ、仕方ないですよ。 正直、この業界じゃよくあることですし……
テレビ局スタッフの声:何より、柊さんからあんなに熱心に売り込まれちゃねえ
遥:え……
遥:…………柊、さん……?
第 4 话:噂
テレビ局 廊下
遥:(…………どういうことだろう。 柊さんから、売り込みがあったって……)
テレビ局スタッフの声:まあ、今回ReLightを選んだ 中野さんの気持ちもわかりますよ!
テレビ局スタッフの声:今めちゃくちゃ人気だし、 なんだかんだ事務所の力も大きいですもん
テレビ局スタッフの声:MORE MORE JUMP!とReLightが並んだら、 どっちを選ぶかって……そりゃねえ?
中野の声:……そうだね
中野の声:MORE MORE JUMP!は すごくいいグループだと思っているし、 伸び代もあると思うけど……
中野の声:より盤石な体制を組むなら、 ReLightを選ぶのが正しいと思う
テレビ局スタッフの声:ですね。ま、それに…… 柊さんが直々に営業かけてくるってのも珍しいですし
遥:……っ!
遥:(柊さんが、直々に……)
遥:(それって——)
遥:(……プロデューサーが営業をかけるのは、 別におかしなことじゃない)
遥:(自分の手がけるグループを推すのは、 当然のことなんだから)
遥:(出演候補にMORE MORE JUMP!がいても、関係ない。 それはわかってる)
遥:(でも…………)
雑誌編集者:じゃ、じゃあ、ごめん。 俺はこれから打ち合わせあるから!
ステージスタッフ:あ——僕もそろそろ次の現場の準備しなきゃ! ごめんね遥ちゃん、またね
遥:…………
遥:(もしそれが……ドルラバのあとからずっと、続いてて……)
遥:(私達に仕事がこなかった原因が、 それなんだとしたら……)
柊:あいにく、心当たりがない。 私が力になれることはなさそうだ
テレビ局スタッフの声:柊さん、ドルラバのあとから さらにReLightに力入れてるみたいですね
中野の声:あのフェスで、ReLightがかなり注目を集めたからね。 実際、この機会を逃す手はないと思うよ
テレビ局スタッフの声:ですねー。そういうとこも 敏腕プロデューサーって感じだなあ
中野の声:元々、すごく熱意のある人だからね
中野の声:フェスの反響と柊さんの営業を考えると、 今ReLightがいろんな番組に引っ張りだこなのも、納得だな
テレビ局スタッフの声:はは、それもそうですね! ただ——
テレビ局スタッフの声:柊さんの場合は、『例の噂』もあるじゃないですか? ほんとなら怖いし、変に波風立てたくないですねえ
遥:(例の、噂……?)
テレビ局スタッフの声:っと……ヤバ。そろそろロケハンの準備しないと
中野の声:……私も、スタジオに移動しておこうかな。 それじゃ、お疲れさま
テレビ局スタッフの声:はい、お疲れさまです!
遥:(今の話……)
遥:(もし……)
遥:(もし、私達の仕事がこなくなったことに、 柊さんが関係あるとしたら……)
柊:——自分の目的を、決して見失うことなく、な
遥:…………っ
???:——桐谷?
遥:え……
第 5 话:対峙
柊:……やはり、桐谷だったか
遥:柊さん……どうしてここに?
柊:打ち合わせが終わってな。 これから事務所に戻ろうとしていたところだ。 お前は?
遥:私は……
遥:……私も、打ち合わせです。 今度出演させてもらう番組の
柊:そうだったのか
遥:……はい
遥:(まさか今、柊さんに会うなんて……)
遥:(——冷静になろう。感情のままに動いちゃダメだ)
遥:(誰の目から見るかで、物事の印象は変わる。 さっきの話だって……)
テレビ局スタッフの声:柊さんの場合は、『例の噂』もあるじゃないですか? ほんとなら怖いし、変に波風立てたくないですねえ
遥:(まずは、ちゃんと確かめないといけない)
遥:——柊さん。ひとつ、質問してもいいですか?
柊:……構わないが。 随分と改まった様子だな
遥:はい。本当は……こういうことを正面から 尋ねるべきじゃないと思います
遥:でも、柊さんなら—— あえて言わないことはあっても、嘘はつかない。 そんな気がするので
柊:何が聞きたい?
遥:さっき、スタッフの人達が話しているのを聞きました。 ……柊さんについて、『噂』があるって
柊:噂?
遥:はい。詳しい内容までわかりませんでしたが…… 会話の流れだと、番組の枠にReLightを選ばなければ 波風が立つ……そんなニュアンスでした
遥:……心当たりは、ありませんか?
柊:……なるほど。 たしかに、正面から尋ねる内容ではないな
遥:失礼は承知の上です。 もし、私の勘違いなら——
柊:いや。心当たりなら、ある
遥:……!
柊:とはいえ……私はただ、営業先に 『今後ReLightの可能性を信じてもらえる人と 仕事がしたい』と言っただけだ
柊:それ以上でも、それ以下でもない
遥:ReLightの、可能性を……
柊:ドルラバ以来、ReLightへの注目度はさらに上がっている
柊:さらに高みへのぼるなら、今だ。 だからこそ、彼女達の可能性を 心の底から信じた相手と仕事をする必要がある
遥:……“それを信じない人とは、今後仕事をしない”
遥:柊さんの言葉をそう受け取った人達の間で、 噂が出回った、ということですか?
柊:あり得なくはないだろうな
遥:…………
遥:(どこまでが柊さんの意図だったか、 本当のところはわからないけど…… 少なくとも、嘘をついてる感じはしない)
遥:(話を聞いて回った時、態度が不自然だった人達は—— きっと、その噂を耳にしてたんだ)
遥:(でも……)
中野の声:MORE MORE JUMP!は すごくいいグループだと思っているし、 伸び代もあると思うけど……
中野の声:より盤石な体制を組むなら、 ReLightを選ぶのが正しいと思う
遥:(仕事が途切れた理由は……それだけじゃない)
遥:(私達が、ReLightを超える実力を持ってなかった……)
遥:(だから——『選ばれなかった』んだ)
柊:話は、それだけか?
遥:……はい。 おかげで、知りたかったことがわかりました
遥:それに、私達がやらなければいけないことも
柊:やらなければいけないこと?
遥:……今まで以上に、もっと実力を磨いていくことです
遥:誰よりも、『希望を届ける』アイドルになるために
柊:誰よりも『希望を届ける』アイドルに、か……
柊:——桐谷。お前は、希望を届けられるアイドルとは どんな存在だと思う?
遥:え? それは……
遥:見ていると元気になって、 いつでも明るい方向へ導いてくれるような——
柊:それだけでは、足りない
遥:足りない……?
柊:——アイドルとは、光だ
柊:その光は、決して消えてはいけない。 常に輝き、ファンを照らし続ける責任がある
柊:折れて、ファンを暗闇に突き落とすようなことは、 あってはならないんだ
柊:たとえ折れた先で再び輝けたとしても…… 輝き続けられる保証は、どこにもない
遥:…………っ
遥:(……たしかに、そうだ)
遥:(私は……私はあの時、一度折れて——)
遥:(……ファンを、悲しませた)
遥:でも……それでも……!
遥:…………っ
柊:私はたったひとつの、決して消えない光に—— 最も『希望を届けるアイドル』に、 ReLightがなると信じている
遥:あ…………
遥:(決して消えない、光……)
柊:……お前達と私が目指す場所は、重なっている。 だからこそ、この先もどこかでぶつかり合うだろう
柊:お前達の努力も、志も、否定はしない
柊:——ただ、決して道を譲ることもない。 それだけは伝えておく
柊:たとえ折れた先で再び輝けたとしても…… 輝き続けられる保証は、どこにもない
遥:…………
遥:(……何も、言葉が出なかった)
遥:(柊さんの、言う通りだ)
遥:(あの時、アイドルとして一度折れた私は……)
遥:私、は……
第 6 话:後悔も、未来も
数日後
モアモアハウス
遥:(……ドルラバのあとから、 仕事の依頼がこなくなった理由はわかった)
遥:(けど……)
柊:その光は、決して消えてはいけない。 常に輝き、ファンを照らし続ける責任がある
柊:折れて、ファンを暗闇に突き落とすようなことは、 あってはならないんだ
遥:(……どうすれば、いいんだろう)
遥:(過去は、どうしたって変えられない)
遥:(こんなこと、みんなになんて言えば……)
???:『——遥ちゃん』
遥:ルカ……どうしたの?
ルカ:『急にごめんなさい。 どうしてるかなって思って、様子を見にきたの』
遥:私の様子を……?
ルカ:『ええ。最近、あまりセカイに顔を出さなくなっていたから……』
ルカ:『ほら、お仕事がなくなった原因を 調べてみるって言ってたでしょ? それで、無理をしていないか少し心配だったの』
遥:そっか……。 ありがとう、心配してくれて
ルカ:『元気がないみたいだけど……もしかして何かあった?』
遥:えっと……仕事がこなくなった原因は、わかったんだ。 だから、みんなにも共有しないとって思ってたんだけど……
ルカ:『……私でよければ、話を聞きましょうか』
遥:え?
ルカ:『ふふ。アイドルは、笑顔じゃない人のことを 放っておけないもの』
ルカ:『話せば少しは気持ちが楽になるかもしれないし…… どうかしら?』
遥:ルカ……
遥:ありがとう。 じゃあ……ちょっとだけ、聞いてくれるかな
ルカ:『そう。柊さんと、そんな話を……』
遥:うん……
遥:アイドルは、ファンを照らし続ける責任がある—— あのときの柊さんの言葉が、頭から離れないんだ
ルカ:『遥ちゃん……』
遥:……柊さんの言うことは、きっと正しい
遥:私はアイドルを引退したとき、 たくさんのファンを悲しませたから……
遥:ううん。悲しませた、なんて言葉じゃきっと足りない
遥:……たくさんの人から、希望を奪ったんだ
ルカ:『…………』
ルカ:『……たしかに、その人の言うことは正しいのかもしれないわ』
ルカ:『大好きだったものを失うのは、 ファンにとって、とてもつらいことだと思う』
遥:…………
ルカ:『——でもね、ASRUNの遥ちゃんから 希望を受け取った人がいるのも、事実でしょう?』
遥:ASRUNの私から……?
ルカ:『ええ、私が知ってる人にもいるのよ。 遥ちゃんから希望をもらって、 その希望で今も元気に走り続けてる人がね』
遥:それって……
ルカ:『ふふ。遥ちゃんもわかるんじゃないかしら』
みのり:わたし、アイドルを目指してまして……! は、は、遥ちゃん、みたいな……!
みのり:遥ちゃんはわたしに、アイドルになるっていう夢をくれたよ!
ルカ:『たしかに、遥ちゃんが一度ステージに立てなくなったことで 傷ついてしまった人がいるのは事実……』
ルカ:『でも、それまでの遥ちゃんが本気でお客さんに向き合って、 今につながる希望を届けたのも——』
ルカ:『明日をがんばる希望を与えたのも、また事実なの』
ルカ:『だから……それを受け取った人がいる限り、 遥ちゃんが希望を届けた事実は、揺らぐことはないわ』
遥:ルカ……
遥:でも、私は……
ルカ:『それにね……たとえ折れてしまった過去があったからって、 アイドルとしてダメだなんて、私は思わない』
ルカ:『だって——』
ルカ:『そんな遥ちゃんだからこそ 届けられた希望が、絶対にあったはずだもの』
遥:私だから、届けられた希望……
ルカ:『ええ、思い出してみて』
遥:想いとどう向きあうかは長谷川さん次第だと思います。 だけど……だからといって、ひとりで苦しむ必要はないんです
遥:苦しい時は、いつでも頼ってください。 私にできることは全力でやります
長谷川:『遥ちゃんが話しに来てくれた日から、 ひとりでたくさん考えてみました』
長谷川:『私の曲で誰かを傷つけてしまうことが怖くて、 曲を作ること自体が苦しくなってしまいました。でも……』
長谷川:『考えて考えて……私は、どんなに苦しくても、 曲を作ることだけは諦めたくないと思えました』
長谷川:『本当に、ありがとうございます。遥ちゃん』
遥:(……そうだ……)
遥:(あの時、私が長谷川さんにかけた言葉は 一度折れた私だったからこそ、伝えられた言葉だった)
ルカ:『たとえ折れたとしても、もう一度立ち上がって 希望を届けるアイドルとして走り続けている——』
ルカ:『だからきっと、遥ちゃんはなれるわ。 たくさんの人に希望を届け続ける……アイドルに』
遥:ルカ……
遥:うん……そうだね
遥:柊さんは、一度折れたアイドルは 輝きを取り戻せたとしても……その先の保証がないって言ってた
遥:たしかに、保証なんてできないよね。 私にできるのは——たぶん、誓うことだけなんだ
ルカ:『遥ちゃん……』
遥:私はたしかに、一度折れたけど…… だからこそ気づけたこととか、得られたことがたくさんある
遥:変えられない想いに気づいて、大切な仲間に出会って
遥:それは、全部全部 あの時の経験がないと、見えない景色で……
遥:そうやって、折れた先で 自分の力になるものに出会えたから——
遥:今の私は……MORE MORE JUMP!の桐谷遥は、 もう二度と、アイドルとして折れないって誓う
遥:もちろん、ファンを悲しませた過去は消えない。 それでも……
遥:傷つけた人達にも、もう一度希望を届けられるように 進んでいくしかないんだ
遥:誰よりも、希望を届け続けるアイドルになるために
ルカ:『……そうね』
遥:……ありがとう、ルカ。話を聞いてくれて
遥:まだ、具体的にどうすればいいかはわからないけど…… まずはみのり達に話してみるよ
ルカ:『ええ、それがいいと思うわ』
ルカ:『私達も、そばで応援しているから…… 頑張ってね』
第 7 话:それでも私達は
翌日
モアモアハウス
みのり:は、遥ちゃん、それって本当なの……!?
みのり:わたし達の仕事がなくなってたのは、 ReLightの影響だって……
遥:うん。実はこの前、 テレビ局で柊さんと偶然会って話したんだ。 そのときに、直接聞いて……
遥:共有するのが遅くなって、ごめん
愛莉:別に謝ることじゃないわよ。 アンタにとって、言いにくいことだったっていうのもわかるしね
愛莉:でもまさか、そんなことになってたなんて……
雫:だけど……遥ちゃんの話を聞く限り、 お仕事が来なくなったのは、仕方のないことよね
遥:……もちろん柊さんの噂や、 事務所っていう後ろ盾がないのも 原因のひとつではあるけど——
遥:問題は、今の私達に それを跳ね返すだけの力がないことだからね
愛莉:……そうね。 それだけに、状況は厳しいわ
愛莉:もしもこの先、同じような状況が続くとしたら……
みのり:あ……
遥:(……やっぱりみんな、落ち込んでるな)
遥:(でも——)
みのり:それなら、考えてみようよ!
みのり:たしかに、ReLightのみんなは 本当にすごいアイドルで…… それに比べたら、わたしなんて全然まだまだだけど……!
みのり:でもでも、落ち込んでばっかりじゃダメだと思うんだ!
みのり:きっとすぐに状況を変えるのは難しいと思うし、 お仕事がくるかもわからないけど……
みのり:それでも、わたしは諦めないで夢に近づく方法を…… たくさんの人に希望を届ける方法を、みんなで考えたい!
遥:みのり……
遥:ふふ。 みのりに先を越されちゃったな
みのり:え?
遥:私も今、みのりと同じことを言おうとしてたから
みのり:そ、そうだったの!? ごめんね遥ちゃん……!
遥:謝ることじゃないよ。 むしろ、嬉しかったから
遥:みのりも、同じ気持ちでいてくれてるんだなって
遥:……今、私達の状況はすごく苦しい
遥:でも……『アイドルとして希望を届けたい』っていう想いは、 みんな同じだと思うんだ
遥:時間はかかるだろうし、 今すぐにいい案が浮かぶわけじゃないかもしれないけど……
遥:私も……たくさんの人に希望を届けるために、 できることをみんなで考えたいって思う
愛莉:遥……
愛莉:……そうね。 こんなところで立ち止まってるわけにはいかないわ
愛莉:わたし達は、夢のために走り続けなくちゃ!
雫:ええ。それに…… こういう時こそ、目的を忘れちゃいけないのよね
雫:私達は私達らしく、 他のどんなアイドルにも負けないくらい たくさんの人に希望を届けましょう!
遥:……ありがとう、ふたりとも
遥:それじゃあ……みんなで一緒に考えよう。 私達が、希望を届ける方法を
遥:——とりあえず、実力の底上げは必須かな
愛莉:そうね。ドルラバでは、ReLightと一緒ってこともあって いつも以上の力が出せたけど……
愛莉:あれくらい——いえ、もっと上のパフォーマンスを いつでも出せるようにしないと、 ステージの仕事はまずこないでしょうね
雫:なら、一度トレーニングのメニューから 見直してみるのはどうかしら
遥:そうだね。みんなパフォーマンスの強みは違うから、 それぞれに合ったものを考えたほうがいいかも
遥:メニューに関しては、いったん私が組み直してみるよ
みのり:ありがとう、遥ちゃん!
遥:仕事の営業は斎藤さんに頼りっぱなしになってたけど…… 私も、もっと動いてみるよ
愛莉:そうね。 わたしも、知り合いをあたってみるわ
みのり:じゃあ、その間の配信企画とかはわたしに任せてほしいな!
遥:ありがとう。 あ……配信の内容も、少し考えたほうがいいかもね
遥:いつも見てくれてる人達もそうだけど、 もっと新規の人に興味を持ってもらえるように導線を——
数時間後
遥:——いったん、出た案はこのくらいかな
愛莉:ええ。……正直なところ、 どれも決定的な打開策になるかって言われると、自信はないけどね
雫:でも、何もしないよりはずっといいと思うわ
遥:そうだね。まずは今日話したことを実践してみて、 ダメならまた考えて……そうやって、 少しずつ進んでいくしかないと思う
みのり:うん……! 今は、目の前のことを全力でがんばろう!
遥:(……愛莉の言う通り、今日出た案は どれもその場しのぎにしかならないかもしれない)
遥:(でも——それでも、私達は進むんだ)
遥:(その先で、希望を届けられるって信じて……!)
数日後
遥:(……今日も手応えはなし、か……)
遥:(斎藤さんや愛莉に協力してもらって いろんな人に営業をかけてるけど……やっぱり、難しいな)
遥:(そもそも、連絡をした時点で断られちゃって、 話を聞いてくれる人も少ないし——)
遥:(難しいなんて、最初からわかってたことだ。 この方法じゃダメなら、違うやりかたを考えよう)
遥:(今はとにかく、できることを やるしかないんだから)
遥:よし……この時間なら、みんなは練習場にいるかな。 私も、すぐ着替えてトレーニングを——
遥:来客? そんな予定はなかったはずだけど……
遥:一体誰が……って、え?
遥:有澤さん……?
大家:こんにちは。今少し、お時間いいかしら?
第 8 话:覚悟の後押し
モアモアハウス
大家:ごめんなさいね、突然お邪魔しちゃって
遥:いえ、大丈夫です。 今日はどうされたんですか?
大家:番組の観覧に行った帰りに テレビ局でお土産を買ってきたの。 クッキーなんだけど、みんな好きかしら?
遥:わざわざ、ありがとうございます。 みんな喜ぶと思います
大家:ふふ、よかったわ
大家:最近はどうかしら。 みんな、遅くまで練習を頑張っているみたいだし……
大家:無理をしていないか、少し心配していたのよ
遥:あ……。 すみません、ご心配をおかけしてしまって……
遥:実は今、ちょっと仕事が少なくなってしまっていて…… みんなでいろいろと試行錯誤してる最中なんです
大家:そうだったの……。 大変な状況なのね
遥:そうですね……正直、苦しいことはたくさんあります。 でも——
遥:みんなで話し合ったんです。 どんな状況でも、諦めずにできることを考えようって
大家:…………
大家:もしよければ、聞いてもいいかしら?
遥:え?
大家:とても大変な状況のはずなのに…… 今のあなたの目は、きらきらと輝いているわ
大家:まるで、ステージのライトを浴びているみたいにね
大家:何が……今のあなたの心を支えているのかしら
遥:(何が……今の私を支えているか、か)
遥:それは……
遥:たぶん、アイドルであり続ける——覚悟です
遥:私は、アイドルとして…… たくさんの人に希望を届けると決めました
遥:だから、私自身が希望を見失うわけにはいかない——
遥:自分が持っていないものを、誰かに届けることはできませんから
遥:私、は……
遥:……まだまだ未熟で、 簡単にグラついてしまうのが恥ずかしいんですけど
遥:その覚悟が、今の私の支えです
遥:えっと……こんな感じで答えになっていたでしょうか?
大家:……ええ、とても胸に響いたわ。 それに——
大家:やっぱり、私の目に狂いはない——そう思わせてくれた
遥:え……?
大家:実はね、今日は4人に話があってお邪魔させてもらったの。 だから——
大家:よければ、今からここに みんなを集めてもらってもいいかしら?
数分後
大家:練習中に突然呼び出してしまって、ごめんなさいね
愛莉:いえ! それは全然……。 でも、お話ってなんでしょうか?
大家:ふふ、そう硬くならなくて大丈夫よ。 今日は、ある提案を持ってきたの
雫:提案、ですか?
大家:ええ。 私に、あなた達の夢を手伝わせてもらえないかと思って
大家:……あなた達がここにきてから、 活動を近くで見させてもらっていたわ
大家:多くの人に希望を届ける—— その一心で歩み続けてきたことも……
大家:どんな逆境の中でも、 その想いが決して変わらなかったことも知ってる
大家:だから、私は——
大家:MORE MORE JUMP!は 『夢を叶えられる人』達なんだと、改めて思ったの
遥:(夢を叶えられる人……それって——)
大家:みのりちゃんと話していて、 皆さんはこの物件の入居条件である、 『夢を叶えられる人』を満たしていると感じたの
大家:だからね。 私に、その夢を叶える後押しをさせてほしいのよ
みのり:あ、後押し……
みのり:って……えーっと……。 ど、どういうことでしょうか……?
大家:ふふ、そのままの意味よ
大家:私は、あなた達に一番希望を届けられるアイドルに なってほしいと思っているの。だから——
大家:——こういうものに、出てみない?
愛莉:これって……招待状?
みのり:あ、MORE MORE JUMP!様って書いてあるね。 差出人は……
遥:『LUMINAグランプリ』……?
大家:これはね、とあるアイドル番組からの招待状よ
大家:——この国で、最高のアイドルを決めるための
遥:この国で、最高の……
雫:で、でも……どうして有澤さんがこれを?
みのり:えーっと…… 有澤さん、番組観覧が好きって言ってたし……その関係とか?
みのり:でもでも、この招待状はわたし達宛だし…… うーん……?
愛莉:(……もしかして)
愛莉:(この大家さん、 ずっと前にどこかで会ったような気がするのよね)
愛莉:(ずっと……思ってた)
愛莉:(この大家さん、どこかで見たことがあるって……)
愛莉:(今まで、それが何でなのか分からなかったけど、この人……)
愛莉:有澤、日菜子……
雫:えっ?
大家:あら……愛莉ちゃん、私のこと知っていたの?
愛莉:いえ……気づいたのは今です。 最初から、どこかでお見かけしたことがあるかもとは 思ってたんですけど……
みのり:愛莉ちゃん、どういうこと……!?
愛莉:…………有澤日菜子
愛莉:かつて日本中を虜にした—— 今もなおアイドル史に残る、伝説のアイドルよ
雫:えっ…………
遥:それってもしかして、あの……?
愛莉:ええ。数十年前、人気絶頂の時に突然引退して そのあとは、行方知れずと言われていたけど——
大家:アイドルとしての私は、表舞台から消えたわ。 ファンには、一番輝いていた私だけを覚えていてほしいもの
大家:今の私は、アイドルを『裏』から支える側。 昔の伝手なんかもあるし、いろいろとお仕事を お手伝いさせてもらったりもするの
遥:……じゃあもしかして、この招待状は——
大家:ええ。私からみんなへの贈り物
大家:『LUMINAグランプリ』……この番組の、主催者からのね