活动剧情
Turning Pain into Drive
活动ID:163
第 1 话:今とは違う、今
ストリートのセカイ
彰人:——よし、今日はここまでにするか
こはね:うん、お疲れさま!
ミク:みんな、良い感じだね
杏:やっぱりセカイで歌うと違うんだよね。 いつもの場所!って感じがするっていうか
こはね:リラックスして歌えてるのかもね
杏:そうそれ!
冬弥:やはり海外となると、まったく環境が異なるからな
冬弥:慣れない場所な上に、気候……特に気温や湿度も変わる。 だから、いつもとは違う感覚がしてしまうんだろう
彰人:ああ、だから音の響き方が違って聞こえるのか
レン:へえ、そういうものなんだ
ルカ:どんな感じで違うんだろ。気になるな~
冬弥:こだわるアーティストは、 収録のために海外に行くこともあるみたいですね
リン:カイト、どうしたの?
KAITO:いやあ、みんなどんどん成長していってるな~って思ってさ
KAITO:今までもそうだったけど、海外に行ってから どんどん新しい力をつけていってるな~って感じたんだ
彰人:そんな大げさなもんじゃないと思いますけど
MEIKO:でも、カイトの気持ちはわかるわ。 いろんなものを吸収していっているのが、歌からも伝わるもの
MEIKO:——だからこそ、あの木も成長が早いんでしょうね
杏:あの木……。 あっ、広場のほうに生えてたやつですか?
冬弥:たしかに、このあいだまで双葉だったが、 今はもうかなりの背丈になっているな
こはね:普通だったら、あそこまで成長するのは もっと時間がかかりそうだよね
ミク:もしかしたら、みんなに影響されてるのかもね
こはね:私達に……
レン:ねえねえ! 今からみんなで見に行ってみようよ! もしかしたら、また成長してるかもしれないしさ!
リン:あっ、いいね! わたしもさんせ~い!
杏:いいんじゃない? 今日はそこまで予定も詰まってないし
こはね:うん、私も大丈夫だよ
ルカ:じゃ、決定だね! みんなで行こ~う!
レン・リン:『やったー!』
広場
レン:みんな、早く早く~!
彰人:わかったって。 ったく……
こはね:レンくん達、はしゃいでるね
ミク:ふたりとも、よく水やりをしてるからか 木の成長を人一倍楽しみにしてるみたいなんだ
冬弥:そうだったのか……。それは偉いな
ルカ:あっ、私もたまにしてるよ! 水やり!
KAITO:ボクもボクも!
冬弥:ふたりとも、さすがですね
MEIKO:まったく。褒められたいからって……
レン:もう、みんな遅いよ~!
リン:ほらほら、見て! こーんなに大きく——
レン・リン:『あ…………ああああ~~~!!!』
彰人:おい、どうした?
レン:………………木が…………
ミク:——木が、黒くなってる
こはね:う、うん……。 それに、葉っぱもしおれちゃってる……
リン:どうして~~!? 昨日まであんなに元気だったのに!
ルカ:う~ん……。 もしかして、何かの病気だったりするのかな
MEIKO:たしかに、植物がかかる病気はあるけれど…… ここまで急に変化するものかしら
冬弥:……これは……
KAITO:木、そのものが黒くなった……ってわけじゃないみたいだね
冬弥:はい。何か……黒い欠片のようなものが、 木の表面を覆っているように見えます
杏:あ、ほんとだ! なんだろ、これ……
彰人:わかんねえが……
彰人:この黒いのは、昨日までなかったんだよな?
レン:う、うん! なかったよ!
リン:葉っぱだって、つやつやのピカピカだったもん!
冬弥:なるほど。だとしたら——
冬弥:木が弱っているのは、この黒い欠片が原因かもしれないな
彰人:だな。つうか、見るからにいいもんじゃなさそうだし
ミク:………………
ミク:……どうして……
MEIKO:ミク?
ミク:……ううん。なんでもない
ミク:いろいろわからないことだらけだけど、 今は、この木をどうするか考えないとね
こはね:この欠片……取ってあげられないかな?
こはね:このままだと、どんどん弱っていっちゃうかもしれないから
杏:こはね……
杏:——そうだね! やってみよっか!
彰人:つっても、そもそも取れんのか? これ……
冬弥:枝先のあたりのほうが、比較的はがれやすそうだな
こはね:えっと、この辺かな……?
ミク:……っ、こはね! 待って!
こはね:え……
ミク:みんな——!
???
第 2 话:望んでいた生活
视频:播放视频
???
???:『—————————や……!』
冬弥:ん……
冬弥:(なんだ……?)
冬弥:(……今、誰かに呼ばれたような…………)
???:『——————おい、トウヤ』
???:『——トウヤ、そろそろ起きろ!』
冬弥:…………
冬弥:ここは……?
男子生徒A:『トウヤ、まだ寝ぼけてんのか? もうすぐ次の授業始まるぞ~』
男子生徒B:『はは。ヘルムート先生の授業は退屈だし、 居眠りしたくなるのもわかるけどな』
冬弥:………………
冬弥:(ドイツ語……? それに、窓の外のこの景色は…………)
冬弥:……ああ、そうか……
男子生徒B:『……トウヤ、ぼんやりしてるけど大丈夫か? もしかして体調悪い?』
男子生徒A:『え、そうなのか!? 起こしてごめん!』
冬弥:『ああ、いや……大丈夫だ』
冬弥:『少し…………、夢を見ていたらしい』
男子生徒A:『夢?』
冬弥:『ああ。起こしてくれて助かった』
冬弥:『ヘルムート先生の授業はいつも興味深い。 聞き逃したくはないからな』
男子生徒A:『真面目だなあ、トウヤは! 日本の学生ってみんなそんな感じなのか?』
冬弥:『他の学生がどうかはわからないが……そうだな』
冬弥:『俺は、自分で望んでここにいるからな』
教師:『——合理主義的思想と自然科学。 このふたつがヨーロッパに広まり、新しい価値観をもたらした』
教師:『特に自然科学の分野においては——』
冬弥:(……ウィーンに留学して、しばらく経つ)
冬弥:(勉強についていくのは大変だが、どの授業も興味深い)
冬弥:(——こんなに落ち着いて勉強に集中できるのは、 母さんのおかげだな)
数カ月前
青柳家 リビング
冬弥:……ただいま
冬弥の父:………………
冬弥の父:またか。こんな夜遅くまで、一体どこに行っていた?
冬弥:…………
冬弥の父:どうせまた、ゲームセンターとかいう くだらない場所だろう
冬弥の父:時間を浪費するのは愚か者の振る舞いだ。 何度言えばわかる?
冬弥の父:冬弥……!
冬弥の父の声:……やっとくだらない音楽をやめたかと思えば、この調子だ。 家に帰っても口をきかず、家族と食事もせず……
冬弥の父の声:あいつはいったい、何がしたいんだ?
冬弥の母の声:あなた……
冬弥:…………
冬弥:(ようやくわかった。 クラシックも、ストリート音楽も……)
冬弥:(俺なんかが………………触れていいものじゃなかった)
冬弥:(……俺は、なんのためにここにいるんだろう)
冬弥:(音楽に囲まれて、音楽をやれと言われ続けて——)
冬弥:(ここにいると、毎日責められているように感じる)
冬弥:(俺にはもう、できないのに)
冬弥:(もう……)
冬弥:(息をするのさえ、苦しい——)
冬弥:そうか……
冬弥:この家に……俺の居場所は、ないんだな
冬弥の母の声:冬弥さん。少しいいかしら
冬弥:………………
冬弥の母の声:……開けるわね
冬弥の母:お夕飯を持ってきたの。 ここに置いておくから、食べられそうな分だけでも食べてね
冬弥:…………すみません
冬弥の母:ううん、いいのよ。 ——ねえ、冬弥さん
冬弥:…………?
冬弥の母:少し前から、考えていたことがあるの
冬弥の母:よければ……しばらく環境を変えてみるのはどうかしら?
冬弥:(母さんの提案通り—— あれからすぐ家を離れて、兄さんの元に身を寄せることになった)
冬弥:(元々海外の文化には興味があったし、何かを学ぶことは好きだ)
冬弥:(何かに心を乱されることもなく、 ただ勉強に打ち込んで過ごせる)
冬弥:(……平穏だな)
兄の家 リビング
冬弥:——ただいま
冬弥:(そういえば、夏臣兄さんはまだコンサート期間中だったか)
冬弥:(同居させてもらうのは心苦しいと思っていたが…… 忙しそうで、あまり顔を合わせる機会もない)
冬弥:(いや——)
冬弥:(……もしかすると、兄さんもそのほうがいいかもしれないな)
冬弥:——よし。夕飯を作ろう
冬弥:いただきます
冬弥:…………
冬弥:……肉が硬い。焼きすぎてしまったようだ
冬弥:スープは……味付けが薄い。 野菜はもっと小さく切ったほうが食べやすいか。 まだまだ改善するところが多いな
冬弥:(しかし……)
冬弥:(クラシックをやっていた頃は、 ひとりで食事を作るなんてことはできなかった)
冬弥:(そう考えると、今は少しずつ、 普通の人と同じことができるようになっている)
冬弥:だから……
冬弥:きっと、これで……よかったはずだ
第 3 话:大切なもの
翌日
冬弥:『おはよう——』
男子生徒A:『うわー!! オレはもうダメだ~~!!』
男子生徒B:『いい加減諦めろって……』
冬弥:『おはよう。……何かあったのか?』
男子生徒A:『聞いてくれよ、トウヤ~! 音楽の授業でテストの点数が悪すぎてさあ……』
男子生徒B:『実技でどうにかしろって、 今度みんなの前で歌わされるんだと』
男子生徒A:『ムリだってえ! マジで音程とか取れねえんだから!』
男子生徒B:『そんなこと言ったって——あ』
男子生徒B:『そうだ、トウヤにコツとか聞いてみたらどうだ? たしか音楽の成績、めちゃめちゃよかっただろ』
冬弥:『え……』
男子生徒A:『そういやそうだった! なあトウヤ、なんかアドバイスくれないか!?』
冬弥:『……そうだな。 まず、音程を正確にしたいのであれば——』
冬弥:『……俺が思いつくのはこれくらいだろうか。 何か参考になるところがあればいいんだが』
男子生徒達:『……………………』
男子生徒A:『すごいな、トウヤ! プロみたいじゃん』
男子生徒B:『だな。前に音楽やってたって聞いてたけど、 想像以上に本格的でびっくりした』
冬弥:『そんなに大したことはない。 もうやめてしまったしな』
男子生徒A:『そうなのか? なんかもったいないな』
男子生徒B:『だな。トウヤの歌とか聴いてみたいけど』
男子生徒B:『またやったりしないのか?』
冬弥:『いや……その予定はない』
男子生徒A:『え~……あ、なんか嫌な思い出があるとか?』
男子生徒B:『おい、ズケズケ聞きすぎだって』
冬弥:『いや、いいんだ』
冬弥:『そういう理由があるわけじゃない。 ただ単に、向いていなかっただけだ』
冬弥:『たしかに、つらいこともあったが——』
冬弥:『……あの頃の記憶は、夢のようで……』
冬弥:『ずっと、キラキラと輝いている』
冬弥:『忘れられない、大切な思い出だ』
男子生徒A:『へえ……。 っていうか、話聞いてるとすごい楽しかった感じっぽいけど』
男子生徒A:『それならなおさら、またやればいいのに』
冬弥:(スマホにメッセージ? 差出人は……神高のときのクラスメイトか)
冬弥:(内容は——)
冬弥:…………!
冬弥:(まさか、あんなメッセージが来るとは思わなかったな)
冬弥:(——友人同士で集まろう、か)
冬弥:(久しぶりにみんなの顔は見たいが……)
冬弥:(……どうしようか。 結局、返信できないまま帰ってきてしまった)
冬弥:(いつまでも引き伸ばしてはいられないが……)
夏臣:——おかえり、冬弥
冬弥:……! 夏臣兄さん……戻られていたんですね
夏臣:ああ。留守中、特に変わったことはなかったか?
冬弥:はい。コンサート、お疲れさまでした。 今、夕飯を用意します
夏臣:いや、今夜は俺がしよう。久しぶりにやらせてくれ
冬弥:あ……では、俺は食器の用意をします
夏臣:ああ、頼んだ
冬弥:——美味しいです。 やっぱり俺が作るのとは、全然違いますね
夏臣:俺もあまり凝ったものは作らないがな
夏臣:……最近、学校はどうだ?
冬弥:楽しめています。 テストが多いので、気が抜けませんが
夏臣:日頃の授業を真面目に受けていれば、自然と結果はついてくる。 予習と復習を欠かさないようにな
冬弥:……はい。心掛けます
冬弥:…………
夏臣:…………
夏臣:浮かない顔をしているな。何かあったのか?
冬弥:あ……
夏臣:何か悩んでいるのなら、話を聞くが
冬弥:……日本の友人から、連絡が来たんです
冬弥:1年のときに親しかった友人同士で、 今度の連休中に集まる予定があって…… よければ参加しないかと
夏臣:せっかくの機会だろう。行ってくればいい
冬弥:そうですね。ただ……
冬弥:俺は、行くべきではないかもしれない、と思っていて——
夏臣:どういうことだ?
冬弥:…………
冬弥:……もしかしたら、以前共にストリート音楽をしていた友人も 来るかもしれないんです
冬弥:俺が中途半端な気持ちで一緒にいたせいで、 一方的に傷つけてしまった相手で……
冬弥:だから……
冬弥:きっとその人は、俺の顔を見たくないと思っているはずです
夏臣:……なるほどな
夏臣:冬弥。お前は、その相手のことが嫌いなのか?
冬弥:え……?
夏臣:さっき、相手はもう自分の顔を見たくないと言っていたが……
夏臣:お前も、同じように思っているのか?
冬弥:……! いいえ
冬弥:今さら、合わせる顔がないとは思います
冬弥:それでも、俺は…………
冬弥:俺は……その人に、感謝しています
冬弥:俺に、歌う楽しさを教えてくれた人ですから
夏臣:…………
夏臣:だったら行ってくるといい
冬弥:え……?
夏臣:気まずく感じるのも理解できる
夏臣:だが、同じ音楽が好きで、同じ姿勢で向き合っていたのなら わかり合えないということはないだろう
冬弥:それは……
夏臣:それに、さっきのお前の顔を見たら—— 俺は尚更、話をしたほうがいいと感じた
夏臣:とても大切なものを想う顔だ
冬弥:…………
夏臣:俺に言えるのはここまでだ。 ……後悔だけはしないようにな
冬弥:(俺は…………)
视频:播放视频
第 4 话:ひとりでも
视频:播放视频
???
彰人:…………っ!?
彰人:(なんだ? 今、急に目の前がグラついて——)
スタッフ:『おい、アキト。大丈夫か? そろそろ出番だぞ』
彰人:(英語……?)
彰人:(…………いや、当たり前か。 ここはアメリカなんだし)
彰人:『ああ、少し目眩がしただけだ』
スタッフ:『おいおい、ステージ中にぶっ倒れるなよ?』
彰人:『問題ねえ。 ——思いっきり客席をわかせてやるよ』
彰人:『♪———————! ——————!』
彰人:(そうだ、もっと上がれ……!)
観客達:『あいつ……日本人か?』
観客達:『そうみたいだな。 かなり若いってのに、イイ線いってるじゃないか』
観客達:『アキトー! いいぞー!!』
彰人:(まだだ。まだ足りねえ……!)
彰人:『♪——————————!』
彰人:(オレは、もっと——!)
彰人:ふう……
スタッフ:『いい盛り上がりだったな、アキト!』
彰人:『はは、どーも』
彰人:(……たしかに客の反応は悪くなかった。 アメリカに来たばっかの頃は、 見向きもされなかったからな)
彰人:(あのときに比べれば、だいぶマシになったが……)
彰人:(それでも、『RAD WEEKEND』を超えるには足りねえ)
彰人:(客をわかせる力も、テクニックも……!)
スタッフ:『ん? アキト、もう帰るのか?』
彰人:『ああ。今日の分のトレーニングが終わってねえし』
スタッフ:『相変わらずマジメだな。 けど、たまには他のミュージシャンと交流してみたらどうだ?』
スタッフ:『さっき、サム達が探してたぞ。 お前を打ち上げに誘いたいってな』
彰人:(——たしかに、他のミュージシャンから話を聞くのも いい発見があるんだよな)
彰人:『……わかった。参加させてもらう』
打ち上げ会場
ミュージシャン達:『来たな、アキト!』
彰人:『どうも』
ミュージシャン達:『今日のパフォーマンスもよかったな』
彰人:『そう言ってもらえるのはありがたいけど、まだまだっすよ』
彰人:『あのハコにいる全員をわかせられねえと 意味ないんで』
ミュージシャン達:『はは、全然満足してないってわけか。 ハングリー精神の塊だな!』
ミュージシャン達:『えらいよなあ。 最初の頃なんて、英語もまともに話せなかったってのに……』
彰人:『……今はマシになってんならいいじゃないっすか』
ミュージシャン達:『はは、そうだな!』
ミュージシャン達:『しかし、やっぱアキトはいろんな意味で 伸び方が半端じゃないよな』
ミュージシャン達:『そうだな。聴くたびに成長してて驚かされるよ』
ミュージシャン達:『どうだ、アキト! 俺達と組んで歌ってみないか?』
彰人:『——ありがたい話ですけど、やめときます』
ミュージシャン達:『おいおい、即答かよ! 試しにやってみたっていいじゃないか』
ミュージシャン達:『お前の誘い方が暑苦しいからだろ』
彰人:『そういうんじゃないっすよ』
彰人:『オレはもう、誰とも組まないって決めてるんで』
ミュージシャン達:『……なんだ、何かあったのか?』
彰人:『別に…………』
彰人:『Vivids』が解散……?
冬弥:……ああ
彰人:………………
彰人:くそっ……!
彰人:……あそこで立ち上がれないようなら、 それまでだったってことだ
彰人:オレ達みたいに本気でやらねえと、 『RAD WEEKEND』は超えられない。そうだろ?
彰人:あいつらには悪いが、切り替えてくぞ、冬弥
冬弥:…………
彰人:……冬弥?
冬弥:彰人——
冬弥:もう、やめよう
彰人:は? なんの話だよ
冬弥:俺は…………
冬弥:——これ以上、子供の遊びに付き合っていられない
彰人:っ……!
彰人:(…………最初は、また親父絡みかと思った)
彰人:(けど、あいつは“もうやめる”の一点張りで……)
彰人:(冷静になって、もう一度話をしようとしたときには—— もう、日本にいなかった)
彰人:(もっと早く連絡してれば——)
彰人:(……いや、もう終わったことだ。考えても仕方ねえだろ)
彰人:(今は、ひとりで歌うほうがいい)
彰人:(その方が…………上を目指せる気がする)
ミュージシャン達:『——そういえばさ』
ミュージシャン達:『アキトはどうして、アメリカで歌ってるんだ? 目標にしてる歌手がいるとか?』
彰人:『とにかく自分を鍛えたいっつーか…… 超えたいイベントがあるんです』
ミュージシャン達:『超えたい?』
彰人:『はい。人生賭けてでも超えてみせる——そう思うイベントが』
彰人:『だから、オレは——』
彰人:『——今は、そのためだけに歌ってる』
ミュージシャン達:『なるほど! 熱いなあ』
???:『————を…………て』
彰人:(なんだ? 今の……)
ミュージシャン達:『どうした、アキト?』
彰人:『ああ、いや…………』
彰人:(気のせいかもしれねえが……)
彰人:(妙に、耳に残る声だったな)
彰人:ん? メッセージ……誰からだ?
彰人:…………!
第 5 话:平行線は揺らいで
数週間後
スクランブル交差点
友人A:彰人~! こっちこっち!
彰人:おう
友人B:うお、ほんとに彰人だ! いつ日本に戻ってきたんだ?
彰人:昨日の夜だな。 飛行機が乱気流でガンガン揺れて、全然寝れなかった
友人B:はは、そう言いつつ元気そうだな。 たくましいっつうかなんつうか
彰人:(…………やっぱいるか)
友人A:青柳も海外からわざわざ来てくれたんだぜー! なんだっけ、オーストラリア?
冬弥:……オーストリアだな。今はウィーンにいるんだ
友人A:そうそう、それ! 彰人も今はアメリカだし、ふたりしてすげーよな
冬弥:彰人も……海外にいるのか?
彰人:……ああ
彰人:今は、向こうで歌ってる
冬弥:そうだったのか……
冬弥:まだ、歌っていたのか
彰人:(まだ……くだらない遊びを続けてんのか、って 言いてえのか?)
冬弥:…………よかった
彰人:は……?
友人B:じゃあ、他も全員集まったし店に移動するか?
友人A:賛成~!
彰人:……なんだよ
彰人:よかった、って
ファミリーレストラン
友人A:それにしても、休学してまでアメリカに行くなんて 思い切ったよなあ
友人A:日本食が恋しくなったりしない?
彰人:あー……まあ、今のところはなんとかなってるな。 向こうにも日本食の店あるし
彰人:それより——
友人B:——へえ。じゃあ青柳は今、兄貴と住んでるんだな
冬弥:ああ
友人B:いいじゃん。いきなりひとりで海外って不安だもんな
冬弥:そうだな。たしかに助かっている
友人A:……なあ。青柳と海外あるあるとか、話さなくていいのか?
彰人:は? なんだよ急に
友人A:なんだよって……。 だってお前ら、すごい仲良かっただろ
彰人:…………別に
彰人:それより、そっちは最近どうなんだよ
友人A:あ、それ聞いちゃう? 誰かさんがいなくなったせいで、 サッカー部の助っ人探しがすげー大変!
彰人:それは自分達でどうにかしろって
友人B:そういや青柳って、音楽やってたよな
友人B:やっぱ今もそういう学校に通ってるのか?
彰人:………………
冬弥:……いや。俺は一般的な学校に通っている
冬弥:音楽は、もうやめたんだ
彰人:(音楽はやめた、って……)
友人B:え!? そうなのか? お前、めちゃめちゃ歌うまいのに!
友人A:そうだよ! もったいないな~。もうやらないのか?
冬弥:すまない。そう言ってくれるのは嬉しいが…… もう決めたことだからな
友人B:そっか~……。まあ、やりたいことが変わったんなら しょうがないよな
彰人:(——本当に、そうなのか?)
冬弥:——これ以上、子供の遊びに付き合っていられない
冬弥:…………よかった
彰人:(……何考えてんのか、全然わかんねえ)
彰人:(……けど……)
友人A:彰人、どうした?
彰人:…………なんでもねえよ
友人A:いやー、騒いだ騒いだ! ひっさびさに集まって楽しかったなー!
彰人:だな。つうか、もうこんな時間か
友人B:思ったより話し込んじゃったな
友人A:またみんなで集まろうぜ~! 彰人と青柳にも声かけるからな!
冬弥:ああ。予定が合えば、ぜひ参加させてもらう
彰人:……ま、行けたらな
友人A:絶対だぞ~! んじゃ、またな!
彰人:…………
冬弥:…………
彰人:(……そういや、こいつも帰り道こっちか)
彰人:(もう一度——)
彰人:(話をするなら、たぶんこれが最後だろうな)
彰人:(……もう、関係ないって割り切っただろうが)
彰人:——久しぶりだし、もうちょいその辺ブラついて帰る。 じゃあな
冬弥:あ……
冬弥:——待ってくれ、彰人!
彰人:…………!
彰人:……なんだよ
冬弥:少しだけ、いいだろうか?
冬弥:……話がしたいんだ
视频:播放视频
第 6 话:道しるべの気持ち
视频:播放视频
宮益坂女子学園 音楽室
音楽教師:それじゃあ、歌唱のテストを始めます。 まずは星乃さん
一歌:はい
女子生徒A:星乃さんの歌、楽しみだね
女子生徒B:テストだけど、プロの生歌が聴けるなんて、ラッキー!
音楽教師:いきますよ。 ——はい
一歌:♪———— ♪————……
こはね:わあ……
こはね:(星乃さんの歌、すごいなあ……)
こはね:(まっすぐで、力強くて、綺麗で…… 聴いてると、胸の奥が揺さぶられるみたい)
こはね:(それに——)
音楽教師:素晴らしかったわ、星乃さん
一歌:ありがとうございます
女子生徒B:すっごくよかったよ、星乃さん! もう1曲歌って~!
一歌:あはは……。 ありがとう
こはね:(……あんな風に堂々と歌えるなんて、本当にすごいな)
こはね:(あんな、風に…………)
こはね:……っ、…………っ!
こはね:(…………なんで?)
こはね:(どうして……声が出せないの…………!)
こはね:……………………っ
こはね:……う……ぐすっ……
こはね:あっ、スマホが……
こはねの父の声:——こはね?
こはね:…………!
こはね:お、お父さん? どうしたの……?
こはねの父の声:ええと……。 帰ってきたとき、なんだか元気がなかったみたいだから
こはねの父の声:……大丈夫かい?
こはね:あ……
こはね:……………………うん。大丈夫
こはねの父の声:…………
こはねの父の声:そうだ。落ちついたらリビングにおいで。 こはねの好きなごま団子があるから
こはね:…………ありがとう、お父さん
こはね:(私……恥ずかしいな。 ずっと、自分のことばっかり……)
こはね:(杏ちゃんにも、お父さんにも…… いろんな人に心配かけちゃってる)
こはね:(もっと…………)
こはね:(もっと、私に……勇気があったら……)
音楽教師:次は……小豆沢さん
こはね:…………! は、はいっ……!
穂波:こはねちゃん、がんばって!
こはね:うん……
こはね:(みんなが、私を見てる……)
こはね:(緊張、するな……)
こはね:(でも——)
こはね:……————♪
こはね:♪———— ♪————……!
女子生徒B:えっ……! なんか、すごくうまくない?
女子生徒A:ね! 小豆沢さんって、あんなに歌うまかったんだ……
こはね:♪———— ♪————
こはね:(……っ、声、震えてないかな……?)
こはね:(やっぱりまだ…………みんなの前で歌うのは、怖い……)
こはね:(あ……)
こはね:(……怖い、けど……)
こはね:(私は……歌が好き)
こはね:(この気持ちは……杏ちゃんがくれた大切なもの)
こはね:(今は……この想いを込めて歌おう)
こはね:————……♪
音楽教師:……うん、すごくよかったわ小豆沢さん!
こはね:あ、ありがとうございます……!
女子生徒A:すごいね、小豆沢さん! とっても上手だった!
女子生徒B:あんな風に歌えるなんて、全然知らなかった~!
こはね:あ、えっと…… ありがとう…………
一歌:小豆沢さんの声…… すっごく透明感があって、素敵だね。 つい聴き入っちゃったな
こはね:ふぁ、えっ……星乃さん……!?
こはね:そ、そんな、全然……。 私は、そんなじゃないから…………
こはね:あ、でも、嫌とかじゃなくって…… ほめてくれて、ありがとう……!
こはね:(音楽の授業……ちょっとだけ、楽しかったな)
こはね:(緊張したけど、なんとか最後まで歌えたし……)
音楽教師:——小豆沢さん、ちょっとだけいいかしら?
こはね:えっ? あ、はい……
音楽教師:実はね、小豆沢さんにお願いがあるの
こはね:お願い……?
音楽教師:今度、うちの学校主催で 音楽祭を開催するんだけど——
音楽教師:そこで歌ってくれるメンバーを探しているの
こはね:…………!
音楽教師:小豆沢さん、もしよければ参加してくれないかしら
音楽教師:さっきの小豆沢さんの歌声、とっても素敵だったから
こはね:あ……えっと、その——
こはね:(……音楽祭ってことは、ステージで歌うんだよね)
こはね:(たくさんのお客さんの前で…………)
こはね:その……私……
???:『—————……ね!』
こはね:(え…………)
こはね:(なんだろう? 今の…………)
こはね:(すごく……大事な声が聞こえた気がしたけど————)
音楽教師:小豆沢さん?
こはね:あ……! す、すみません
こはね:えっと…………
こはね:(怖いけど……)
こはね:(ちゃんと、前に進みたい)
こはね:…………やって、みます
第 7 话:願うことは
翌日
シブヤの公園
こはね:(……ここなら大丈夫かな?)
こはね:(本当は、駅前とかもっと人通りの多いところのほうが 練習になるかもしれないけど——)
こはね:(…………ううん、焦っちゃダメだ。 ずっと自分の部屋でしか歌ってなかったし……)
こはね:(まずは、外で歌うのに慣れていこう)
こはね:えっと、スマホのスピーカーで音楽を流して……
こはね:——よし
こはね:♪————!
こはね:♪——! ——! ——!
こはね:(杏ちゃんは…… あのイベントの後、何度も連絡をくれてた)
こはね:(でも……)
こはね:♪————……
こはね:(ステージの上で歌えないなら、 伝説のイベントを超えるなんて——)
こはね:(杏ちゃんの夢を、一緒に叶えるなんてできない)
こはね:(だから……)
こはね:(だから、乗り越えなくちゃ……!)
こはね:♪——————————!
こはね:はぁ、はぁ、はぁ……
こはね:……やっぱり全然、届かないなあ
こはね:(杏ちゃんの歌を聴くと、すごくドキドキして……)
こはね:(ふたりで歌ってると、本当に楽しくて、 どこまででも行けちゃいそうで……)
こはね:(“相棒”って呼んでもらえるのが……すごく嬉しかった)
こはね:(……もう、遅いかもしれないけど)
こはね:(それでも、今は……)
こはね:——頑張らなきゃ
こはね:♪————~~!
数日後
ビビッドストリート
こはね:(今日なら学校が休みだから、早く来られるかと思ったけど……)
こはね:(委員会の仕事、思ったより長引いちゃったな)
こはね:……ここに来るのも、久しぶりだな
こはね:(遠くからでも、杏ちゃんの歌を聴けたら…… もっと頑張れる気がする)
こはね:(……けど……)
若者達:あはははは、それマジやばいって~!
こはね:……!
こはね:(やっぱり、ここ……ちょっと怖いかも……)
こはね:(杏ちゃんと一緒にいる時は、 全然気にならなかったんだけど……)
こはね:(……大丈夫。 隅っこのほうを歩いてれば、きっと誰も——)
???:——あれ? 君、前に杏ちゃんと歌ってた子だよね?
こはね:ひゃっ!
こはね:えっと、私……
ライブハウススタッフA:おいおい、びっくりしてるだろ。 急に話しかけちゃってごめんな?
ライブハウススタッフB:ご、ごめんね……! 杏ちゃんの相棒ちゃんだ、と思ったらつい……
こはね:あ……
ライブハウススタッフA:まあ、いいコンビだったしな。 全然タイプが違うのに、お互いの良さを引き出してる感じで
ライブハウススタッフB:うん、今は杏ちゃんひとりで歌ってるみたいだけど…… またふたりの歌、聴きたいな
こはね:(この人達、Vividsのこと覚えててくれたんだ……)
こはね:(でも……)
こはね:え、えっと、そ、その……
こはね:私、今は………………歌えなくて
こはね:……いつかは、って……そう思うんですけど
ライブハウススタッフB:あ……
ライブハウススタッフA:……なんか事情がありそうだな
こはね:……すみません
ライブハウススタッフA:いやいや、嬢ちゃんが謝ることじゃないって
ライブハウススタッフA:ただ……まあ、残念ではあるな
ライブハウススタッフA:杏ちゃんにとって、初めてできた相棒だったから
こはね:…………
ライブハウススタッフB:引き止めちゃってごめんね。 遅くなる前に帰るんだよ
こはね:は、はい……! ありがとうございます……
こはね:(初めての、相棒……)
こはね:(……伝えても、いいのかな)
こはね:(いつか私がもっと強くなったら——)
こはね:(もう一度、杏ちゃんの隣で歌わせてほしい、って)
???:『♪——! ♪——————~~~~!!』
视频:播放视频
第 8 话:胸に抱いた約束
视频:播放视频
ライブハウス
杏:♪————! ♪————!
杏:♪——————……!!
観客A:今日も杏ちゃんの歌はすげえな!
観客B:ああ! やっぱ若い連中のなかじゃ 頭ひとつ抜けてるよ
観客B:けど……なんか、前より勢いが落ちた気がするんだよな
イベント後
ビビッドストリート
杏:………………
杏:(…………ダメだ)
杏:(今日も、ちゃんと歌えてた感じがしない)
杏:(最近、ずっとこうだ。 歌っても歌っても、なにか足りない)
杏:(理由は、わかってる。でも——)
こはね:ごめん、ごめんね、杏ちゃん……!
杏:大丈夫だよ、こはね。 謝らないで……!
杏:私が、あの時もっとこはねを守れてれば……
杏:でも……っ! これからは、私が守るから!
杏:何があっても怖くないように、 こはねが胸を張って歌えるように——!
杏:だから……一緒に歌おうよ、こはね!
こはね:…………っ
こはね:……ごめんね、杏ちゃん……
杏:あ……
こはね:杏ちゃんの気持ちは、すごく……すごく嬉しいの
こはね:私も、杏ちゃんと一緒に歌いたい
こはね:一緒に……夢を追いかけたいって……思うの
こはね:でも……
こはね:でも、どうしても……
こはね:また、ステージに立つって考えたら……怖くって……
杏:こはね……
こはね:こんな、こんな私じゃ……
こはね:杏ちゃんと一緒に、歌えない……
こはね:一緒に……伝説のイベントを超えるなんて、できないよ……っ
杏:そんなこと……っ!
杏:(っ、でも……)
杏:(今のこはねは、歌うことを怖がってる)
杏:(そんなことないって、こはねならできるよって 言って、こはねを無理やりステージに戻しても……)
杏:(こはねは、きっと……苦しい想いをするだけ)
杏:(それなら、私は————)
こはね:……ごめんね、杏ちゃん……
こはね:でも、でもね——
こはね:……私、杏ちゃんには、夢を叶えてほしいんだ
こはね:杏ちゃんの歌、すごく好きだから——
こはね:きっと、杏ちゃんだったら…… 伝説のイベントを超えられるって思うの
杏:こはね……
杏:————うん、任せて
杏:絶対に、叶えてみせるから
杏:(あれから、こはねと会ってない……)
杏:(メッセージを送るのも、もうやめた)
杏:(いつかステージに立てるかも、なんて期待は ……私のわがままだ)
杏:(巻き込んだのは私で…… 私が誘わなければ、こはねが傷つくこともなかった)
杏:(……でも……)
杏:こはねと一緒に歌うの…………楽しかったなあ
杏:……なんて、ダメだよね。 イベントの後なのに、こんな気分になってたら
杏:ステージの件は、もう済んだことなんだし。 もうこれ以上、なにか変わることなんてない
杏:私はこはねと約束したんだから。 夢を叶えるって
杏:……前に進まなきゃ
第 9 话:いつか私の歌で
WEEKEND GARAGE
杏:ただいまー
謙:おう、お帰り。 今日のイベントはどうだったんだ?
杏:んー……盛り上がったけど……いまいち、かな
謙:そうか……
謙:苦戦しているようだな
杏:…………
杏:何回歌ってみても、ダメなんだ
杏:なんか、乗れないっていうか…… うまく歌えてる気がしなくて
謙:……嬢ちゃんのことか?
謙:どうしても考えちまうのは仕方ない
謙:……嬢ちゃんは、お前にとって やっと見つけた相棒だったしな
杏:…………
杏:……前に進まなきゃっていうのはわかってる
杏:こはねのことは、吹っ切らなきゃってことも
杏:でも……
杏:きっと、もう……こはね以上の相棒は 見つからないだろうなって思って
謙:…………
杏:だから、私は……ひとりで歌ってくしかない
杏:ひとりで——RAD WEEKENDを超えるしか……
謙:杏……
謙:……お前には、まだまだ未来がある。 今から諦めることはないんじゃないか
杏:…………そうだよね
杏:私も、そう思いたいけど——
???:『————……える?』
杏:……父さん。今、誰かの声がしなかった?
謙:……? いや、何も聞こえなかったな
杏:そっか……
杏:(……なんだろ。胸がざわざわする)
杏:(すごく大事なことを忘れてるみたいな……)
謙:——さっきの話の続きだがな
謙:諦める必要はないってのは、 新しい相棒が見つかるかもってだけじゃない
杏:えっ?
謙:……嬢ちゃんの気持ちは、嬢ちゃんだけのもんだ
謙:だから、嬢ちゃんがもうステージに立ちたくないって言うなら それを無理強いはできない。していいことでもない
杏:………………
謙:ただ……
謙:嬢ちゃんが、歌を嫌いになったわけじゃないなら—— いつかまた戻ってくる可能性もある
杏:…………!
謙:未来があるっていうのは、そういうことだ
謙:とはいえ……信じて待ったところで、 実際どうなるかはわからない
謙:ある意味、諦めるよりつらい選択かもしれないがな
杏:…………ううん
杏:……ずっと思ってたんだ。 私が、自分の夢にこはねを巻き込んだんだって
杏:でも、あの日……ここでこはねの歌を聴いて——
杏:こはねにとっても—— 歌は特別なものになるんじゃないかって思ったんだ
杏:だから今も、嫌いにはなってないんじゃないかなって……
杏:——そう思ったら、ちょっと可能性ありだよね?
謙:ノーコメントだ。 “相棒”のことは、お前が一番よくわかってるだろうからな
杏:——ありがと、父さん
杏:私……やらなきゃいけないこと、わかった気がする
翌日
杏:父さーん、私そろそろ出るからねー!
謙:おう。気をつけていけよ
杏:だーいじょうぶだって! いつもの場所だし!
謙:……まだ立ち直ったとは言えねえが、 覚悟は決まったって顔だな
杏:(————わかってる)
杏:(未来を信じても、がっかりするだけかもしれない)
杏:(どんなに待っても……ダメかもしれないって)
杏:(それでも…………)
杏:(それでも、私はここで、歌い続けるんだ)
杏:(いつか私の歌で、もう一度——こはねを振り向かせる!)
杏:♪——————!!
视频:播放视频
第 10 话:リスタート・ハーモニー
神山通り
彰人:——で? 話ってなんだよ
冬弥:…………
冬弥:————すまなかった
冬弥:……彰人の夢を、否定してしまって
彰人:…………!
彰人:……なん、だよ。急に……
冬弥:今さら何を、と思うだろう
冬弥:謝って許されることではないのも、わかっている
冬弥:それでも……
冬弥:……ただ、ずっと謝りたかった
彰人:謝りたかった、って……
彰人:それなら、なんであの時——!
彰人:別に……いい
冬弥:彰人……
彰人:お前を許したわけじゃねえよ
彰人:けど……
彰人:……なんか、わけがあったのはわかる
彰人:だから、もういい
冬弥:…………そうか
彰人:ああ
彰人:……話はそれだけか? なら、オレはもう——
???:『——……て!』
???:『……——な……!』
彰人・冬弥:『…………っ!?』
彰人:今の声……
冬弥:彰人にも聞こえたのか?
彰人:ああ。何を言ってんのかまでは聞き取れなかったが——
冬弥:…………
冬弥:——ビビッドストリートが近いな
冬弥:誰かが、歌っている声が届いたのか……?
彰人:…………
彰人:(…………それだけじゃねえ)
彰人:(わかんねえ、けど——)
彰人:…………
冬弥:彰人? どこへ——
彰人:ビビッドストリートだ
彰人:お前は好きにしろ
冬弥:俺は…………
ビビッドストリート
彰人:(……さっきからずっと、歌が聴こえる)
彰人:こっちのほうからだと思ったが——
杏:♪——————!!
杏:♪——~~~~!
彰人:(こいつ……)
杏:♪——————! ——————!
彰人:(なんだ? この歌い方……)
彰人:(すげえ苦しそうで……)
彰人:(届かねえもんに向かって、必死で叫んでるみたいな——)
杏:♪————! ♪————!
杏:♪——————、……あれ?
杏:彰人? なんで……
彰人:…………よう
杏:うわ、びっくりした! すっごい久しぶりじゃない?
杏:アメリカに行ったって聞いてたけど、戻ってきたんだ?
彰人:まあ、用があってな
彰人:……つうかお前、まだ歌ってたのか
杏:はあ? 当然でしょ
杏:私は——RAD WEEKENDを超えるんだから
彰人:へぇ……
彰人:相変わらず、たいした自信だな
彰人:……だが、それは叶わねえぞ
杏:どういう意味?
彰人:あの夜を超えるのは、オレだからな
杏:——何それ
杏:なら、今ここで勝負してみる? それが一番わかりやすいでしょ
彰人:…………
彰人:ああ、乗った
杏・彰人:『♪——! ♪——————~~~~!!』
こはね:はぁ……はぁ……
こはね:たしか、こっちのほうから——
こはね:杏ちゃんと……東雲くん?
こはね:(どうしてふたりが一緒に……?)
こはね:(それに……)
こはね:(……何が起きてるんだろう)
こはね:(わからないけど、でも……)
彰人:♪————————!!
杏:(……へぇ、やるじゃん)
杏:(修行の成果ってやつ? けど——)
杏:♪——————! ♪——————!!
彰人:(……さっきまでと、全然違うじゃねえか)
彰人:(——上等だ!)
杏・彰人:『♪————————!!』
冬弥:………………
冬弥:(……ふたりが、本気でぶつかり合っているのがわかる)
冬弥:(聴いているだけで、全身の熱が上がっていくようで——)
こはね:(…………ドキドキする)
こはね:(私も、今すぐ一緒に歌いたい)
こはね:(けど…………)
???:こはねは、自分の“本当の想い”ってなんだと思う?
こはね:(……今の、なんだろう?)
こはね:(わからないけど…… ずっとずっと前、誰かに励ましてもらった気がする……)
こはね:(私の“本当の想い”は——)
こはね:(もっと、勇気を出したい)
こはね:(誰よりも強くなって……)
こはね:(——杏ちゃんの隣で、歌い続けたい!)
こはね:♪————————————!!
杏:こはね……!?
こはね:♪————! ♪————!
冬弥:小豆沢……
冬弥:(…………俺も)
冬弥:(俺も、歌いたい。彰人と一緒に)
冬弥:(中途半端な気持ちのまま傍にはいられない)
冬弥:(だからもう二度と、音楽はやらないと決めた)
冬弥:(……それなのに……)
冬弥:♪——————…………
冬弥:(……不思議だ)
冬弥:(どうして今まで——歌わずにいられたんだ?)
冬弥:♪————! ♪——————!!
彰人:冬弥、なんで……
冬弥:♪————! ♪————……
彰人:(……乗ってこい、ってことか?)
彰人:♪————! ♪——————!
冬弥:♪——————!
彰人・冬弥:『♪——————————!』
彰人:(……馬鹿だな、お前)
彰人:(やっぱ……音楽、死ぬほど好きなんじゃねえか)
こはね:♪————~~~
杏:♪————! ♪————!
杏:(…………やっぱりすごいなあ、こはねは)
杏:(一緒に歌ってると、どんどん気持ちがあがって……)
杏:(きっと、このまま——)
杏:(どこまでだって行ける!)
こはね・杏:『♪————————!』
彰人・冬弥:『♪————! ♪————!』
彰人:(……なんだ? この熱さ)
冬弥:(彰人とふたりで歌っていた頃と同じ—— いや、それ以上だ)
杏:(すごく楽しい……!)
こはね:(不思議……)
こはね:(4人で歌うのは初めてなのに、 どうして、こんなに——)
冬弥:(……そうだ、俺達は……)
彰人:(ああ、そういうことか—— けど今は、どうだっていい)
杏:(もっとこの4人で——)
こはね:(——ただ、歌いたい!!)
杏:あー、楽しかった!
杏:……で、どういうことなんだろ? これ
彰人:さあな
冬弥:セカイが見せた光景なのか、 それとも、ただ俺が見ている夢なのか……
こはね:夢……。 もしかして、みんなで一緒の夢を見てるのかな?
杏:よくわかんないけど、変な夢だよね
杏:あんなにいろいろあったのに、 なんでキレイさっぱり忘れてられたんだろ
こはね:うん……。 でも、思い出せてよかったな
こはね:この世界が、現実じゃなかったとしても——
こはね:このまま杏ちゃんと歌えないなんて、 本当に、本当に……嫌だから
杏:こはね……
杏:も~! そんなの私もだよ!
こはね:わっ……! あ、杏ちゃん……!?
彰人:……ま、たしかにひとりでRAD WEEKENDを 超えるなんてできるわけねえよな
彰人:つーかお前も、またいなくなるんじゃねえよ
冬弥:……すまない。 だが俺も、思い出せてよかった
冬弥:彰人と……そしてVivid BAD SQUADで 音楽をしている時間が、こんなにも大事だと気づかされたからな
彰人:——で。これ、どうやったら戻れるんだ?
こはね:うーん……
冬弥:スマホに『Untitled』は——入っていないな。 ミク達に連絡できればと思ったが……
こはね:あ、私のスマホも……
杏:分かんないことだらけだけど…… とりあえず、うちに来る? ゆっくり考えようよ
冬弥:……そうだな。謙さんのコーヒーも、久しぶりだ
彰人:夢でも、同じ味なのかは謎だけどな
こはね:(こうやって……)
こはね:(また4人で集まれて、本当によかった)
こはね:(私にとって歌は——本当に大切なものだから)
こはね:(杏ちゃんがくれた—— みんなが大きくしてくれた、私の夢)
こはね:(……もう、忘れないようにしよう)
こはね:(これから先も……)
こはね:(みんなと一緒に、夢を追いかけていきたいから)
杏:——よし、じゃあ決まり!
杏:こはね、行こ!
こはね:——うん!
第 11 话:走り出す、夢の先
ストリートのセカイ
広場
ミク:——みんな! 大丈夫!?
こはね:あ、あれ……?
彰人:なんだ……?
レン:あ……!
ルカ:よかった~! みんな、元に戻ったみたいだね!
冬弥:俺達は……どうなっていたんですか?
KAITO:みんな、さっきから様子がおかしかったんだよ
MEIKO:ええ。まるで意識だけが どこかへ行ってしまったみたいで……
MEIKO:私達が声をかけても、全然反応がなかったの
こはね:…………!
ミク:……みんな、何があったか思い出せる?
彰人:あー……。 たしか、広場の木の様子がおかしい、って話になって……
冬弥:ああ。木についた黒い欠片を取り除けないかと 相談していた
杏:そうそう! このままじゃ弱っちゃうかも、って——
杏:ね、ねえ! 見て、あれ!
こはね:あ……!
こはね:……木が、大きくなってる……?
MEIKO:ええ……。それに、欠片の色が変わって…………
レン:……消えちゃった……
KAITO:……砕けた欠片も、 木に吸い込まれていったみたいだね
ルカ:あ! 元気がなかった葉っぱ、つやつやになってるよ
こはね:な、何が起きたんでしょう……?
ミク:…………
ミク:たぶん……あの黒いのも、想いの欠片だったんじゃないかな?
杏:えっ?
ミク:欠片に触れて、意識がなくなってる間——何か見なかった?
こはね:夢……みたいなものを見てた気がする
こはね:すっごくリアルで、けど現実の世界とは違ってて……
リン:違うって、どんなふうに?
こはね:ええっと……なんて説明したらいいんだろう?
冬弥:…………そうだな。 俺の場合で言うならだが——
ミク:……なるほどね
ミク:もしかしたらあったかもしれない、 別の道へ進んだ自分達の夢——か
リン:う~~……
KAITO:リン、どうしたんだい?
リン:…………なんだか、苦しくなってきちゃった
リン:もしみんなが、ずーっと会えないまま バラバラだったら、って思うと……
彰人:単なる夢の話だっての
冬弥:そうだな。それに少なくとも、 最後にはみんなで合流できた
ミク:みんなの話を聞いて思ったけど……
ミク:あの黒い欠片も、みんなの想いから生まれたのかもしれないね
杏:私達の想い?
ミク:うん。苦しみとか葛藤とか、不安とか…… そういうものも、想いのひとつだから
ミク:みんなが過去に抱いた想いが、セカイに残ってて—— それが木に宿ったんじゃないかな
杏:あ……じゃあ、木が弱っちゃったのって…… その想いの影響なのかな
こはね:私達の想いのせいで……
MEIKO:ミクが言ったみたいに…… 苦しみも葛藤も不安も、みんなの大事な想いよ
KAITO:うん! 最後には、あんなに綺麗な欠片になってたしね!
KAITO:どれも全部、木を成長させるための 大事な栄養なんじゃないかな
冬弥:なるほど……。 そう考えると、たしかに悪いものには思えませんね
彰人:……まあな
彰人:必死になって上を目指してりゃ、 苦しい想いすんのなんて当たり前だし
杏:でも……ちょっとだけ、嬉しかったな
こはね:嬉しい……?
杏:うん。夢の中では、 たしかに苦しいこともあったけど——
杏:でも、そういうの全部乗り越えて、また一緒に歌えたでしょ?
杏:私達なら、何があっても大丈夫!って言われてるみたいじゃない?
ミク:……そうだね。私もそう思うよ
ミク:どんな苦しさも、つらさも—— みんななら、ちゃんと乗り越えて力にできる
ミク:その後には——きっとまた、驚くくらいに 大きく成長してるんだろうね
彰人:——『世界を獲る』まで、立ち止まれねえからな
冬弥:ああ。そのためなら、どんな課題にも向き合っていこう
杏:今までだって、そうやって乗り越えてきたしね!
こはね:——うん、そうだね!
こはね:これからも……みんなで一緒に走っていこう!
视频:播放视频