活动剧情

そして、針は動き出す

活动ID:165

第 1 话:前日

誰もいないセカイ
ミク:まふゆ、大丈夫?
まふゆ:…………うん
瑞希:明日、お母さんと話すんだもん。 緊張しちゃうよね
ルカ:そうでしょうね。 前に話した時は、気持ちが伝わらなかったみたいだし
まふゆ:…………
絵名:ちょっと、ルカ。 不安にさせるようなこと言わないでよね
KAITO:ようやく前へ進もうとしているのに水を差すな
ルカ:あらあら、随分な言われようねえ
まふゆ:……でも……
まふゆ:…………もう、決めたから
まふゆ:前に、進もうって
奏:まふゆ……
瑞希:——実は、まふゆにあげたいものがあるんだよね! 手、出してくれる?
まふゆ:え……?
まふゆ:これ、ブレスレット……?
瑞希:そうそう! この前作ったんだ。 みんなでつけられたらいいな~って
瑞希:……ほら、ボク達は奏みたいに 直接そばにいることって出来ないじゃん?
瑞希:だから……こういうのつけたら、 そばにいるって感じしないかな~ってさ
まふゆ:…………
まふゆ:……うん、ありがとう
リン:……ねえ、まふゆ
まふゆ:……どうしたの?
リン:足元に、何か落ちてる
まふゆ:え……
絵名:それって、なにかの鍵?
奏:まふゆの落とし物……じゃないよね?
まふゆ:知らない、けど……
MEIKO:——もしかしたら、湖にあるドアの鍵かもしれないわ
瑞希:湖の……
瑞希:あ……!
瑞希:……そういえば、あのドアずっと開かなかったよね
絵名:もし、それが本当にあのドアの鍵なら…… 今なら開けられるってこと?
まふゆ:…………
レン:……ドアが開いたら、何が見えるのかな
瑞希:そりゃあきっと、不思議な場所につながってるんだよ! 異世界とかに行っちゃったりして!
絵名:また適当なこと言って……
ルカ:けれど——どんな景色が見られるのか、楽しみね
まふゆ:(どんな——)
まふゆ:…………
まふゆ:(もし……ドアを開けて、見えた景色が——)
まふゆ:…………今は、いい
奏:……うん、それでいいと思う
絵名:まあ、まふゆのセカイなんだし。 好きな時に開ければいいんじゃない?
瑞希:今じゃなきゃ見れないってわけじゃないと思うしね。 落ち着いたら、改めて考えるって感じでもさ
まふゆ:……うん
まふゆ:今は……明日のことだけを考えようと思う
朝比奈家 リビング
まふゆの母:…………
まふゆの父:……まだ起きていたのか。 明日はまふゆに会うんだし、寝ておいたほうがいいんじゃないか?
まふゆの母:わかっているけれど……
まふゆの父:……大丈夫だ。 この前、話しただろう?
まふゆの父:まふゆの幸せのために、 ちゃんとまふゆの話を聞いて、意思を尊重しようと
まふゆの父:その気持ちがあれば——きっと、大丈夫だ
まふゆの母:…………そうね
まふゆの母:私も、ちゃんとまふゆの心に寄り添いたい
まふゆの母:まふゆ————

第 2 话:話し合い

翌日
ホテル内のカフェ
まふゆの父:——まふゆ、今日は来てくれてありがとう
まふゆの父:宵崎さんも、ありがとうございます
奏:はい、よろしくお願いします
まふゆの母:……まふゆ、久しぶり。 元気にしていたかしら
まふゆ:……うん
まふゆの母:ええと……もしかして、体調がよくないの? 気分が悪いのなら、無理しなくても——
まふゆ:大丈夫
まふゆ:私は、これが普通だから
まふゆの母:そう、なのね……
まふゆ:…………ごめんなさい
まふゆの母:——まふゆが謝ることじゃないわ。 お母さんのほうこそ、ごめんなさい
まふゆ:…………
まふゆの母:あのね、お母さん…… 今日はまふゆに話さなきゃいけないことがあるの
まふゆの母:……あれから……まふゆが出ていってから、 ずっと考えていたんだけれど
まふゆの母:私は、あの日——ううん、今までずっと、 まふゆのことを傷つけてしまっていたと思う
まふゆの母:医者になることが、まふゆの夢だって…… ずっと、勘違いをして……
まふゆの母:それで、まふゆにはたくさん苦しい想いをさせてしまった
まふゆの母:将来のためになるんだから、 今は我慢しないとって、気持ちを押し付けて——
まふゆの母:本当に…………ごめんなさい、まふゆ
まふゆ:…………
まふゆの母:……だけど、今は心から—— まふゆの幸せだけを願っているわ
まふゆの母:信じられないかもしれないけれど……
まふゆ:お母さん……
まふゆ:……お母さんは、優しいし…… 私のことをすごく考えてくれてる
まふゆ:……ずっとそう思ってるし この気持ちは、昔から変わってないよ
まふゆの母:まふゆ……
まふゆ:……でも……
まふゆ:………………
まふゆの父:……大丈夫だ、まふゆ
まふゆの父:なんでも話していいんだよ
まふゆ:…………
まふゆ:……お母さんに……
まふゆ:お母さんに、“こうしたほうがいい”って言われるたびに……
まふゆ:全部、私のためだってわかってても…… だんだん、縛られてるみたいに思えてきて
まふゆ:家にいても、落ち着かなくて…… どこにも、居場所がないような気がして————
まふゆ:…………つらかった
まふゆの母:……っ!
まふゆ:お母さんに、謝ってほしいとか 変わってほしいとか……思ってない
まふゆ:ただ……私の気持ちを、わかってほしい
まふゆの母:……まふゆ……
まふゆの母:…………ごめんなさい。 そんなふうに思わせてしまって
まふゆの母:本当に……傷つけてしまったのね
まふゆ:…………っ
まふゆの母:……大丈夫よ
まふゆの母:お母さんも、本当にまふゆが幸せになるために どうすればいいかって考えたの
まふゆ:え……
まふゆの母:お母さんね——
まふゆの母:————まふゆが、本当にやりたいことを……応援したいの
まふゆ:…………
まふゆの母:…………まふゆの夢が、お医者さんになることじゃないのなら もう目指さなくてもいい
まふゆの母:まだ目指したい夢がわからないのなら、それでいい
まふゆの母:将来のことは、ゆっくり考えながら—— 今、まふゆがやりたいことをしてほしいと思っているの
まふゆ:…………!
まふゆ:………………
まふゆ:…………本当、に?
まふゆの母:もちろんよ。 まふゆは、まふゆのままでいてくれればいい
まふゆの母:お母さんの、大切な娘なんだもの
まふゆ:お母さん……
まふゆ:……あ……
まふゆ:(手が、あたたかい……)
奏:(…………よかったな)
奏:(前に、まふゆのお母さんと話した時は まふゆのことを考えてないように見えたけど——)
奏:(……今は、そう感じない)
まふゆの母:……ねえ、まふゆ。 最近何があったか聞かせてくれない?
まふゆ:え……
まふゆの母:あ、もし嫌なら無理に話さなくてもいいのよ。 ただ……
まふゆの母:しばらく、会えていなかったから—— まふゆの話が聞きたくって
まふゆ:…………
まふゆ:特に、変わったことはないけど……
まふゆ:……このあいだ、少し寒かったから…… お母さんがくれたマフラー、使ったよ
まふゆ:ありがとう
まふゆの母:…………!
まふゆの母:——いろいろ聞かせてくれてありがとう、まふゆ
まふゆの母:久しぶりに話せて……とても嬉しかったわ
まふゆ:……うん
まふゆ:……私も……
まふゆの父:本当に、今日はありがとう
まふゆの父:まふゆの話を聞けて、お互いにちゃんと話せて よかったと思う
まふゆの父:それで、これからのことなんだが——
まふゆの父:もしまふゆが、家に戻れそうだったら 戻ってきてほしいと思っている
まふゆ:…………!
まふゆの父:さっきお母さんも言っていたように、 今後はまふゆの気持ちを何よりも尊重する
まふゆの父:まふゆの居場所はここなんだ、と 思ってもらえるように……お父さんも、お母さんも努力する
まふゆの父:それは必ず、約束する
まふゆ:…………
まふゆの父:しかし、まふゆが『まだ戻れない』と感じているのなら お父さん達は待つつもりだ
まふゆの父:だから……まふゆ自身が、決めていい
まふゆ:お父さん……
まふゆ:(家に、戻る…………)
まふゆ:(まだ怖い、けど——)
まふゆ:(……お父さんを……お母さんを、信じたい)
まふゆ:(あの、あたたかさを————)
まふゆ:…………わかった
まふゆ:……家に、帰ろうと思う
まふゆの母:まふゆ……!
まふゆの母:…………っ、ありがとう……
まふゆの母:宵崎さんも——今まで、ごめんなさい。 まふゆのことを見ていてくれて……本当にありがとう
奏:いえ……わたしは、何も……
奏:(…………よかったね、まふゆ)

第 3 话:針は動き出す

数日後
まふゆ:…………
奏:……まふゆ、大丈夫? 何か手伝おうか
まふゆ:ううん、大分まとまったから。 そんなに荷物は多くなかったし
まふゆ:あとは、お父さんが来たら運ぶだけ
奏:そっか……
奏:……なんだか、寂しくなるな
まふゆ:え?
奏:あ……ごめん。まふゆが家に帰れるのは 嬉しいんだ
奏:だけど……最近は、ふたりでいるのが 当たり前みたいになってたから
奏:少しだけ……寂しいなって
まふゆ:奏……
まふゆ:また、時々来るよ
奏:え……
奏:…………ありがとう
まふゆ:ひとりだと、また無理して食べなくなるかもしれないし
奏:え、あ、いや……大丈夫だよ。 あの時のことはわたしも反省してるし——
まふゆ:ちゃんと食べなかったら、望月さんに言うね
奏:う……
奏:わ、わかった……
???:『……まふゆ、奏』
奏:ミク、レン……来たんだ
レン:『ま、まふゆちゃん……今日、おうちに戻るって聞いたから』
まふゆ:うん、そろそろお父さんが迎えに来てくれる時間だと思う
レン:『そうなんだ……』
ミク:『…………』
まふゆ:ミク、どうしたの
ミク:『……なんでもない』
ミク:『ただ、ちょっとだけ……心配だった』
まふゆ:…………
まふゆ:……私も、少し……不安だけど
まふゆ:大丈夫
まふゆ:お母さんを……信じたいから
レン:『まふゆちゃん……』
ミク:『……わかった』
ミク:『頑張ってね、まふゆ』
まふゆ:……ありがとう
奏:車の音がする。 まふゆのお父さんが来たのかな
奏:行こうか、まふゆ
まふゆ:……うん
まふゆの父:——さあ、ついたよ。 荷物はお父さんが運ぼう
まふゆ:……ありがとう
まふゆの父:ドアを開けるのは、まふゆの心の準備ができてからでいい
まふゆ:(————大丈夫)
まふゆ:(……お母さんを、信じるって決めたんだから)
まふゆの母:——まふゆ、おかえりなさい!
まふゆ:……ただいま
まふゆの母:さあ、入ってちょうだい。 ちょうどご飯が出来たところなの
まふゆの母:お腹は空いてるかしら
まふゆ:……うん
まふゆの父:おお、おかずがテーブルいっぱいに…… 今日はご馳走だな
まふゆの母:ふふ、まふゆが帰ってくるって思ったら つい作りすぎちゃって
まふゆの母:じゃあ、荷物を置いて準備ができたら お夕飯にしましょう
まふゆ:……わかった
まふゆの母:それじゃあ、改めて—— まふゆ、おかえりなさい!
まふゆの母:今日は、まふゆの大好きなものを たくさん用意したの
まふゆの母:いつもよりも香りを強めに作ってみたから…… 少しでも気に入ってもらえると嬉しいわ
まふゆ:うん、ありがとう
まふゆの父:本当に、どれも美味そうだ。 お父さんは……このロールキャベツを貰おうかな
まふゆの母:ふふ、それも自信作よ
まふゆの母:まふゆも、手が届かないものは言ってちょうだい。 お母さんが取ってあげる
まふゆ:……えっと——
まふゆの母:たくさんあって迷っちゃうかしら?
まふゆの母:……そうだわ、今日は新鮮な鯛を買ってきたの。 ソテーにしてみたから、食べてみて
まふゆ:…………
まふゆの母:……あ、ごめんなさい。 まふゆが食べたいものでいいのよ
まふゆの父:……まふゆが帰ってきて、 張り切ってしまっているんだな
まふゆの母:ええ、そうみたい…… 気をつけないといけないわね
まふゆ:…………
まふゆ:じゃあ、鯛のソテーにする
まふゆの母:…………!
まふゆの母:——わかったわ。 今、取ってあげるわね
まふゆ:ありがとう
まふゆの父:それじゃあ、今日は久々に 家族でゆっくり話そう
まふゆの母:ええ! まふゆ、学校でのこと いろいろ聞かせてちょうだい
まふゆ:うん。えっと……
まふゆ:(…………)
まふゆ:(……やっぱり、味がしない)
まふゆ:(けど——)
まふゆの母:——ふふっ、それでまふゆも肝試しをしたのね。 お母さんも見てみたかったわ
まふゆの父:ああ、猫のお化けはあまり想像できないが…… きっと可愛かったんだろうな
まふゆ:(…………なんだか、あたたかいな)

第 4 话:母子

翌日
朝比奈家 リビング
まふゆ:——ごちそうさま。 そろそろ学校に行ってくるね
まふゆの母:ええ、気をつけてね。 いってらっしゃい、まふゆ
まふゆ:(……昨日、お母さんとたくさん話したな)
まふゆ:(話してて、胸があたたかかった)
???:『——まふゆ』
まふゆ:ミク、レン……
ミク:『……少しだけ、様子を見に来た』
レン:『まふゆちゃん、大丈夫……?』
まふゆ:……うん
まふゆ:大丈夫、そう
教師:——はい、朝比奈さん。 今回の小論文、とてもよく書けていたわ
まふゆ:ありがとうございます。 今回はちょっと頑張ったので、よかったです
教師:もしよければ、みんなの参考に掲示させてもらってもいいかしら
まふゆ:はい。私のものでよければ
まふゆ:……ただいま、お母さん
まふゆの母:あら、おかえりなさい。 お夕飯はもうすぐよ、待っててね
まふゆ:うん
まふゆ:……お母さん、これ
まふゆの母:え? ……まあ、98点? すごいじゃない!
まふゆの母:さすがまふゆね。 たくさん努力してきた成果がでたのよ。 おめでとう
まふゆ:……ありがとう
まふゆの母:これが、まふゆ達の作っている曲?
まふゆ:うん
まふゆの母:たしか、まふゆは歌詞を書いているのよね。 ここの言葉は、どんなことを考えて書いたの?
まふゆ:どんなことを……
まふゆ:わからない。 感じたことを書いてるだけだから
まふゆの母:そう、なの……
まふゆの母:それなら、これはまふゆが感じていたことなのね
まふゆの母:……ねえまふゆ、他の曲も聴かせてくれないかしら
まふゆ:……うん
えむ:朝比奈センパーイ! あのあの、委員会のことなんですけど~!
まふゆ:あ、鳳さん
まふゆ:もしかして、この前のアンケートの話かな。 ちょうど私も話したいと思ってたんだ
えむ:あ……
えむ:えへへ、じゃあ今から話しましょ~!
レン:『……まふゆちゃん、苦しくなさそうだね』
ミク:『うん』
ミク:『……よかった』
数日後
朝比奈家 リビング
まふゆ:おはよう、お母さん
まふゆの母:おはよう。 ——あら? 今日、学校はお休みじゃないの?
まふゆの母:せっかくのお休みだから、 フェルメールの絵画展に誘おうと思ってたのに
まふゆ:あ……
まふゆ:……ごめんなさい。 今日は部活があるから——
まふゆの母:部活?
まふゆの母:あら……まだ続けていたのね
まふゆ:え……
まふゆの母:あ……ご、ごめんなさい。 そういうつもりじゃなかったのよ
まふゆ:……部活、引退まで続けたいんだけど……
まふゆ:…………いい、かな?
まふゆの母:ええ、もちろんよ。 いいに決まってるじゃない!
まふゆの母:そうだわ、部活に行くのなら タオルとか用意しなきゃね
まふゆ:あ、それは自分で——
まふゆの母:大丈夫よ、すぐに用意しちゃうから。 ちょっと待っててね

第 5 话:鈍く、重く

宮益坂
まふゆの母:あら……まだ続けていたのね
まふゆ:(……あの言葉、どういうことだったんだろう)
まふゆ:(やっぱり、お母さん——)
まふゆ:…………
まふゆ:(…………本当に、続けていいのかな)
まふゆ:(あの時は、続けていいって言われたけど……)
朝比奈家 リビング
まふゆ:……ただいま
まふゆの母:おかえり、まふゆ。 部活はどうだった?
まふゆ:……今日は、弓道連盟の師範の先生が 来てくれたから教わってたんだ
まふゆの母:あら、師範の先生に? すごいわね!
まふゆ:……お母さんは、どうだったの?
まふゆの母:ふふ、お母さんも美術館に行ってきたんだけど とても良かったわよ
まふゆの母:やっぱり、良い絵を見ると 感性が磨かれる気がするわ
まふゆの母:今度はぜひ一緒に行きましょう。 もちろん、部活がない日にね
まふゆ:あ……
まふゆの母:——あら? お父さんからだわ 打ち合わせが早く終わったから、今日は家で夕飯を食べるって
まふゆ:そうなんだ
まふゆの母:ふふ、急いで夕飯の準備をしなくちゃね
まふゆ:……私、手伝うよ
まふゆの母:え?
まふゆ:せっかくだから、手伝いたいんだ。 ……いいかな
まふゆの母:ええ……! もちろんよ
まふゆの母:美味しい夕飯作って、 お父さんをびっくりさせちゃいましょう!
まふゆの父:——お、この麻婆豆腐美味しいな。 辛味もちょうどいい
まふゆの母:ふふ、よかったわ。 今日はまふゆと一緒に作ったのよ
まふゆの父:そうだったのか
まふゆの父:ありがとう、まふゆ。 とても美味しいぞ
まふゆ:うん、よかった
まふゆの母:——こうしてまふゆと一緒に過ごせて、 本当に嬉しいわ
まふゆの父:ああ、そうだな。 生活に張りが出たよ
まふゆ:…………
まふゆの母:……私ね、また一緒に暮らしてみて思ったの
まふゆの母:まふゆのこと、全然わかっていなかったんだなって
まふゆ:お母さん……
まふゆの母:まふゆは部活も勉強も、趣味も頑張っていて 本当にすごいわ
まふゆの母:このあいだのテストも成績がよかったし、 お母さんの見えないところで努力しているのね
まふゆの母:きっとまふゆなら、どんな道でも進んでいけるわ
まふゆ:……そんなに大したことじゃないよ。 でも、ありがとう
まふゆの母:——そうだわ。ねえ、まふゆは誰かに寄り添うお仕事に 興味があるのよね
まふゆ:まだ、ちゃんとはわからないけど……
まふゆ:そうかもしれない、って……思ってる
まふゆの母:そうなのね……
まふゆの母:じゃあ、大学の候補を探したほうがいいかしら
まふゆの母:こんなに頑張っているんだもの。 まふゆだったらどんな学校でも行けそうでしょう?
まふゆ:ありがとう
まふゆ:……でも、まだ考えたいから大丈夫
まふゆの母:あら、そう…………
まふゆの父:……その話は、また今度にしないか?
まふゆの母:え? あ……!
まふゆの母:——ごめんなさい。私ったら、また……
まふゆ:ううん、大丈夫だよ
まふゆ:…………
まふゆの部屋
まふゆの母:まだ目指したい夢がわからないのなら、それでいい
まふゆの母:将来のことは、ゆっくり考えながら—— 今、まふゆがやりたいことをしてほしいと思っているの
まふゆ:(大丈夫……だよね)
まふゆ:(お母さんは、私のために提案してくれただけだから)
まふゆ:(…………でも……)
まふゆ:……駄目だ、集中できない
まふゆ:何か飲み物、取ってこよう
まふゆの母の声:…………っ、どうして……
まふゆの母:……どうして、あんなこと言っちゃったのかしら
まふゆの母:まふゆの気持ちを尊重しようって、 大事にしなきゃって思っていたのに……
まふゆの父:…………
まふゆの母:まふゆは、大丈夫だって言ってくれたけど……きっと……
まふゆの父:……大丈夫だ。 そんなに自分を追い詰めるな
まふゆの母:でも……
まふゆ:…………っ

第 6 话:“寄り添い”

25時過ぎ
まふゆの部屋
絵名:『——ねえ、雪。Kって今どんな感じかわかる?』
まふゆ:『どんな感じって?』
絵名:『だから、しばらくミュートして、 作業に集中するって言ってたでしょ?』
絵名:『今、連絡しても平気そうかって——』
まふゆ:『私に聞かれても、わからない。 チャットしてみればいいんじゃない?』
絵名:『え? あ……そっか。 もう家に帰ってるんだっけ』
絵名:『つい、いつものクセで聞いちゃった』
瑞希:『あはは。まあ、結構長い間いたしね~』
まふゆ:『そうだね』
まふゆ:『……ちょっと飲み物取ってくる』
瑞希:『はーい。いってらっしゃーい!』
まふゆの母:あ……
まふゆ:お母さん……
まふゆ:どう、したの……?
まふゆの母:ご、ごめんなさい。 もう2時だから、少し心配になっちゃって……!
まふゆの母:……お母さん、もう少し起きてるから。 夜食が必要になったら言ってちょうだいね
まふゆ:…………ありがとう
翌日
まふゆ:ただいま
まふゆの母:あら、おかえりなさい。 今日は学校、どうだった?
まふゆ:特に何もないけど…… そういえば、数学のテストが返ってきたんだ
まふゆ:はい、これ
まふゆの母:まあ、もう返ってきたの? ええと——
まふゆの母:あら……。 前よりも点数が落ちているのね……
まふゆの母:あ……
まふゆの母:まふゆも少し、疲れちゃったのかしらね
まふゆの母:次は頑張って取り戻しましょう。 大丈夫、まふゆならできるわ
まふゆ:……うん
数日後
まふゆ:……お母さん、掃除機かけおわったよ。 棚の拭き掃除もついでにやっておくね
まふゆの母:ありがとう、すごく助かるわ!
まふゆ:(……こっちの棚からやっていこうかな)
まふゆ:(……あれ?)
まふゆ:(——いろんな大学のパンフレット? これって……)
まふゆの母:じゃあ、大学の候補を探したほうがいいかしら
まふゆ:………………
翌日
まふゆ:(……どうすればいいんだろう)
まふゆ:(家にいるのが……苦しい……)
まふゆ:(お母さんは……変わろうとしてくれてる)
まふゆ:(だから……)
まふゆ:(……お母さんを、信じたいのに……)
まふゆ:(……ポケットの中に、何か……)
まふゆ:(……ブレスレット……)
まふゆ:…………
まふゆ:——ただいま
まふゆの母:……ええ、……ええ。 わかりました、では次の日曜日に——
まふゆの母:……あ、まふゆ! 帰っていたの?
まふゆ:うん、ついさっき
まふゆの母:そうだったのね。 えっと、今の電話……
まふゆ:聞いてないよ
まふゆの母:あ、そ、そう……
まふゆ:……何かあったの?
まふゆの母:え? あ、えっと……
まふゆの母:……ううん、隠してもしょうがないわね
まふゆの母:お母さんね、お父さんとも相談して カウンセリングに通うことにしたの
まふゆ:え……
まふゆの母:……お母さん、どうしてもうまくできない時があって
まふゆの母:まふゆのことを縛っちゃだめだって、わかってるのに……
まふゆの母:————ごめんなさい、まふゆ
まふゆの母:でも……頑張るから
まふゆの母:まふゆにとって、この家があたたかい場所になれるように 頑張るから……
まふゆの母:あ……あら? ごめんなさい……
まふゆ:……お母さん……
まふゆの母:ごめんなさい。心配させちゃうわよね…… でも、まふゆは気にしなくても大丈夫よ
まふゆの母:さ、夕飯の支度しなくっちゃね
まふゆ:……うん……
まふゆ:(————こんなに……)
まふゆ:(こんなに、お母さんは苦しんでたんだ)
まふゆ:(私のせいで……)
まふゆ:(自分じゃどうしようもないくらい、苦しくて、悩んで……)
まふゆ:(……それなら……)
まふゆ:(…………それなら、私は……)
翌日
まふゆ:……お母さん、何見てるの?
まふゆの母:あ、まふゆ……!
まふゆの母:えっと……実はね、   まふゆが興味のありそうな学校を探していたの。 もしも、だけど、看護師の道に進みたいのなら……って
まふゆの母:勝手にごめんなさい。 ただ、その……やっぱり、まふゆの力になりたくて
まふゆ:…………
まふゆ:……ありがとう。資料、見ておくね
まふゆの母:…………!
まふゆの母:本当? じゃあ、気に入ったら言ってちょうだい
まふゆの母:お母さん、この学校がいいと思うのよ。 施設や実習も充実してるみたいだし、どうかしら
まふゆ:……うん
まふゆの母:もしよければ、もっと資料を集めておくわね。 参考書も探さなきゃ——
まふゆの母:あっ、ごめんなさい。 まだまふゆが決めていないのに
まふゆ:……ううん
まふゆ:ありがとう、私のために
まふゆの母:まふゆ……
まふゆの母:ええ……! 今度こそ、まふゆの夢を応援させてね
まふゆ:(お母さんは……私のために我慢してくれてる)
まふゆ:(……だから……)
まふゆ:(私も、お母さんに寄り添わなきゃ————)

第 7 话:違和感

誰もいないセカイ
レン:(……まふゆちゃん、今、何してるんだろう)
レン:(また、お母さんと音楽聴いたりしてるのかな)
レン:(まふゆちゃんが、家に戻るって聞いた時 ちょっと心配だったけど——)
レン:お母さんと仲良くなれて……よかったな
レン:……あ、あれ? 誰か来たのかな
レン:あ……まふゆちゃん!
レン:(……どうしたんだろう? なんだか……)
レン:ま、まふゆちゃん……?
まふゆ:……レン……
レン:えっと……どうしたの?
レン:元気ない、みたいだけど…… 何かあった……?
まふゆ:………………
まふゆ:……少しだけ、ここにいたい
レン:あ……
レン:(……まふゆちゃん、苦しそう……)
レン:(何があったのか、わからないけど——)
まふゆ:……レン?
レン:え、えっと……ぼくは、ここにいるから……
まふゆ:………………
まふゆ:…………うん
25時
奏の部屋
奏:(…………よし)
奏:(今回のデモは手応えを感じる)
奏:————今なら、きっと…… まふゆのあたたかい気持ちに重なる曲が作れる
奏:……集中して作ろう——
奏:あれ……レン?
奏:どうしたの? 急に来るなんて、珍しいね
レン:『あ、あのね……。 まふゆちゃんが……』
奏:まふゆが……?
絵名:『あ……雪。遅かったじゃん』
瑞希:『どうしたの? 宿題いっぱいあったとか?』
絵名:『それで遅れるのはAmiaくらいでしょ』
瑞希:『え~! 雪だってたまにはそういう日があるって~!』
まふゆ:『……そうじゃないけど、ごめん』
絵名:『え、別に謝らなくていいけど……』
奏:……まふゆ……?
奏:(どうしたんだろう。 最近は、少しだけ元気になってたのに)
奏:(これじゃ、まるで…………)
まふゆ:『…………!』
まふゆの母:『——まふゆ、見て。 さっき話した学校ね、来月に説明会をするらしいの』
まふゆの母:『ね、よかったらお母さんと一緒に行かない?』
まふゆ:『……うん……』
まふゆの母:『よかった……! お母さんも楽しみだわ』
まふゆの母:『まふゆの勉強したいことを、思い切りやれる環境だといいわね』
まふゆ:『…………そうだね』
奏:……………………
奏:(…………どういうこと?)
奏:(まふゆの……行きたい学校が決まったの? でも、それならまふゆの反応がおかしい)
奏:(うまく言えないけど……なんだか、胸がざわつく)
レン:『あ、あのね……。 まふゆちゃん、セカイに来た時 すごく苦しそうだったんだ』
奏:え……
レン:『……だから、もしかしたら……』
レン:『何か、おうちであったのかもって……』
奏:…………
瑞希:『……えっと……』
まふゆの母:『あら? もしかしてサークル活動をしていたのかしら』
まふゆの母:『ごめんなさい、お邪魔しちゃったわね』
瑞希:『い、いえ~。全然、お気になさらず……』
まふゆの母:『それじゃあ、失礼するわね。 まふゆ、夜更かしには気をつけるのよ』
まふゆ:『……わかった』
瑞希:『……雪、行きたい学校って……?』
まふゆ:『…………』
まふゆ:『……わからない』
絵名:『は……?』
絵名:『どういうこと? 雪が行きたい学校なんじゃないの?』
まふゆ:『……私、は……』
まふゆ:『…………』
奏:(…………わからない)
奏:(どうして、また前みたいな状況になってるのか……)
奏:(わからない、けど…………)
奏:(——このままじゃ、だめな気がする)
数日後
朝比奈家 リビング
まふゆの父:宵崎さん、本日はわざわざお越しくださり ありがとうございます
まふゆの父:お世話になったというのに、 きちんとお礼ができていなくてすみません
奏:あ、いえ……。 こちらこそ、突然連絡したのに食事にお招きいただいて……
まふゆの母:気にしないでちょうだい。 むしろ連絡をもらってありがたかったわ
まふゆの母:今日は腕によりをかけて夕飯を作ったから、 ぜひ、たくさん食べていってね
奏:……ありがとうございます
まふゆ:…………
まふゆの父:宵崎さん、改めて——本当にありがとうございます
まふゆの父:まふゆが帰ってきてくれてから、 家が明るくなったようで……とても嬉しく思います
まふゆの父:これも、まふゆのことを支えてくれていた 宵崎さんのおかげだなと
奏:わたしは何もしてません
奏:……まふゆが、ちゃんと前に進もうって頑張ったからだと思います
まふゆの父:まふゆも、ありがとう
まふゆ:…………うん
まふゆの母:こうして、まふゆと一緒に毎日を過ごせて 本当に嬉しいわ
まふゆの母:少しずつ、私の知らなかったまふゆを知って、 まふゆの未来を、また応援することができて——
奏:……あの、そのことなんですけど……
まふゆの母:え?

第 8 话:再び、針は動き出す

まふゆの母:宵崎さん、どうかしたの?
奏:えっと……このあいだ、まふゆが行きたい学校の話を聞いたんです
まふゆの父:まふゆが、行きたい学校? それは初耳だな……
まふゆの母:ふふ、ちょうどこのあいだ相談したばかりだったから お父さんには話していなかったわね
まふゆの母:実は、とてもいい学校があって まふゆとも相談して今度説明会に行ってみることにしたの
まふゆの母:ねえ、まふゆ
まふゆ:…………そうだね
まふゆの父:……しかし……
まふゆの父:ついこの間まで、まだゆっくり夢を考えてみたいと 言っていただろう?
まふゆの父:もう、行きたい学校まで決まったのか?
まふゆの母:ふふっ、実はまふゆがイメージしやすいように、 興味がありそうな学校の資料を集めておいたの
まふゆの母:そのひとつを、まふゆが気に入ってくれたのよ
まふゆの父:そうなのか……
奏:…………
奏:……まふゆ、本当なの?
まふゆ:え……
奏:まふゆは……本当に、その学校に行きたいの?
まふゆ:…………うん
奏:………………
まふゆの父:……まふゆ。思っていることがあるなら、教えてくれないか?
まふゆ:……え……
まふゆの父:お父さんの勘違いなら、すまない。 だが——
まふゆの父:なんとなく、まふゆの本当の気持ちじゃないような気がするんだ
まふゆ:……でも……
まふゆの父:——大丈夫、私達は家族なんだ。 いつだって、まふゆの気持ちを優先していい
まふゆ:でも、私は……
まふゆの母:……えっと……どういうこと?
まふゆの母:まふゆの、本当の気持ちって……
まふゆの父:……それは……
まふゆの母:だって——
まふゆの母:まふゆも、行きたいって……言っていたわよね?
まふゆの母:あの学校がいいって……
まふゆ:…………っ
まふゆ:私は…………
まふゆ:………………わからない……
まふゆの母:え…………
まふゆの母:で、でも……
まふゆの母:説明会だって……興味があるから行くって……
まふゆの母:そうじゃ、なかったの?
まふゆ:…………っ
まふゆ:ごめん、なさい……
まふゆの母:あ……
まふゆの母:私……また、間違ってしまったの?
まふゆの母:まふゆの気持ちを……決めつけて……
まふゆの父:……落ち着きなさい、大丈夫だから
まふゆの母:っ、今度こそ……まふゆの夢を応援できると思ってたのに——
まふゆの母:それも…………
まふゆの母:まふゆを……苦しませてただけで…………
まふゆ:おかあさん……
まふゆ:ごめんなさい、私————!
まふゆ:お母さんは悪くないの……っ
まふゆ:私が、言えなくて……っだから……
奏:まふゆ……
まふゆの母:っ、ごめんなさい。 まふゆは謝らなくていいのよ
まふゆの母:だめね、こんな時まで まふゆを心配させちゃって——
まふゆ:……あ……
まふゆの母:…………っ、せっかくの食事会なのにごめんなさいね
まふゆの母:少し、お手洗いに行ってくるわ
まふゆ:……おかあさん……
まふゆ:私が……私が悪いんだ……
まふゆ:お母さんを傷つけないように、って…… 自分の気持ちを、言えなかったから
まふゆ:それで、お母さんを傷つけて……
奏:まふゆ、大丈夫だよ
まふゆの父:ああ、少しすれ違ってしまっただけだ。 だから——
まふゆ:違う……! 私が——!
まふゆ:お母さんを、また、苦しめて————
まふゆ:私が————
まふゆ:私が、私のせいで、お母さんは…………
まふゆ:…………っ
奏:まふゆ……
奏:(どうしよう……。 わたしの声も、朝比奈さんの声も聞こえてないみたい)
奏:(でも、どうしたら————)
まふゆの父:——宵崎さん
奏:……っ、はい
まふゆの父:せっかく来ていただいたのに、申し訳ない。 ……また後日、お詫びに伺わせてください
奏:あ……
奏:…………わかりました
奏:(まふゆ……)
奏の部屋
奏:…………
奏:(まふゆ、大丈夫かな……)
奏:(——でも、どうしてあんなことになっちゃったんだろう)
奏:(前の話し合いの時、まふゆのお母さんは…… ちゃんと、まふゆのことを考えてるって感じた)
奏:(……心から、まふゆのことを想ってるって……)
奏:(……なのに、どうして……)
奏:——はい、どうされましたか?
奏:え? まふゆを……
奏:——わかりました
まふゆの父:……本当に、申し訳ありません。 こんなことになってしまって
奏:いえ……わたしのことは気にしないでください
まふゆの父:……すみません、ありがとうございます
まふゆの父:まふゆにとって……心が落ち着く場所が 今はここにしかないと思うので
まふゆの父:しばらく、落ち着くまでのあいだ—— まふゆをよろしくお願いします
奏:わかりました
まふゆの父:……まふゆ、また落ち着いたら連絡するからな
まふゆ:…………うん……
まふゆの父:——それでは、失礼します。 本当に……申し訳ありません
まふゆ:…………っ
まふゆ:……どうして……
まふゆ:どうして…………私、お母さんを苦しめちゃうんだろう……
まふゆ:お母さんは、私のせいで……苦しんでるのに……
奏:まふゆ……
まふゆ:どうすればいいの……?
まふゆ:私は…………