活动剧情

Dear my fellows

活动ID:167

第 1 话:成長の兆し?

ワンダーランドのセカイ
司:く、くそ〜〜〜〜〜〜〜〜!!
司:やはり、ダメだったか……
司:わかってはいたが…… まだ、スターアイランドへたどり着くことはできないのだな
類:以前より、少し先に進めているようだったけれど…… 途中で潮の流れに押し戻されてしまったね
えむ:ざばばばばーーんって、すごかったね!
リン:ペガサススペシャルデラックスワンダー号、 すっごくすっごーく頑張ってたのになあ……
寧々:ていうか、本当にその名前なの……?
司:むう……。春名座、三日月組、森ノ宮歌劇団——
司:名だたる劇団での修行を終えて、 少しは成長できたかと思っていたんだが……
レン:元気出して……! 司くんは、いっぱいいーっぱい成長してるよ!
司:そう言ってもらえるのはありがたいが…… まだ、島の影すら見えない事実は変わらん
司:スターアイランドへの道は、やはり長く険しいな
類:けれど……海の先へは進めなくても、 町には何か変化があるかもしれないよ
寧々:え?
類:僕達が色々な劇団を回って、 成長したのはたしかだろうし——
類:セカイに変化が起こっている可能性は、 ゼロではないんじゃないかな
ルカ:そうねえ。 知らないうちに、町がひとつ増えてたりするかもしれないわ
えむ:じゃあじゃあ、新しいぬいぐるみさん達が 来てたりするのかなあ!?
MEIKO:ふふ。気になるわね!
KAITO:それなら、町のほうに行ってみようか。 ぬいぐるみくん達に聞けば、何かわかるかもしれないしね
司:そうだな。 情報収集というのは、いいアイディアだ!
司:早速、船から降りて…………む?
寧々:どうしたの?
司:いや、港のあたりが 何やら騒がしいと思ってな
リン:本当だ〜! ぬいぐるみさん達、たくさん集まってるね! どうしたんだろ?
???:——待テ! 大人シクオ縄にツケ〜〜!
サルのぬいぐるみ:ワ〜、捕マッタ……!
???:オウオウ! アノ木に何をシテタンデイ!
司:な、なんだ? あの妙な喋り方をするぬいぐるみは……
ネネロボ:江戸っ子のヨウナ口調と、手には十手……。 アノ姿はオソラク…………
類:岡っ引き、だね
えむ:わあ、ちょんまげもついててかわいい〜☆
寧々:これってもしかして、 三日月組でやった捕物帳の影響だったりするのかな……
KAITO:その可能性はあるね。ただ——
KAITO:なんだか揉めているみたいだし、少し話を聞いてみようか
KAITO:そうか……。サルくんが、船の近くの木に いたずらをしたんじゃないかと思って、追いかけてたんだね
司:で、それは勘違いだったというわけか
サルのぬいぐるみ:ウン……。僕は、木が心配ダッタダケナンダ。 イツモと様子が違ッタカラ……
岡っ引きのぬいぐるみ:スマネエ……。 オ前が木の近クにイタカラ、ツイ追イカケチマッタ
リン:ねえねえ、木がいつもと違うって、 どんな感じだったの?
岡っ引きのぬいぐるみ:ナンカ黒クテ、ガチガチシテタゼ!
ミク:黒くて……ガチガチ……?
岡っ引きのぬいぐるみ:……見テモラッタ方が早イカモナ。 ミンナ、コッチに来テクレ
えむ:うん、わかった!
司:これは……
司:木が、ところどころ黒くなっている……!?
ミク:どどど、どうしちゃったんだろう……! 葉っぱとか枝とか、なんだかしなしな〜ってしちゃってるよ〜!
ルカ:この黒いところ…… なんだか、欠片みたいになってるわね〜
MEIKO:ええ。それに——
MEIKO:少し、想いの欠片に似ているわ
寧々:あ……言われてみればたしかにそうかも。 ちょっと雰囲気は違うけど……
KAITO:…………
えむ:ねえねえ、類くん……! 木が黒くなっちゃったら、どうしたらいいのかなあ……?
レン:そっか。 類くんは委員会で植物のお世話をしてるんだよね!
リン:教えて教えて〜!
類:そうだね……
類:もし根腐れなどが原因なら、 土の水分量を調整したりはするけれど…… 今回のケースは、明らかにそれとは異なりそうだ
類:セカイの植物に、僕の知識が通用するかはわからないけれど もう少し近くで見てみて——
KAITO:あ……類くん! いきなり触らないほうが——!
類:え?
司:うお!! なんだなんだっ!??
ミク:わわ! み、みんな〜〜!
???

第 2 话:旅立ち

视频:播放视频
???
類:………………
類:…………もっと……
類:……もっと、だ…………
類:もっと、観客の目を引くような…… 笑顔にできるような……
類:そんな、演出を——
???:だから……いっぱいいっぱいいっぱい考えたほうがいいって思う! 今の類くんのためにも、未来の類くんのためにも!
???:そうじゃないときっと——笑顔になれないよ!
類:…………っ!
類:(…………僕は、今……何を…………)
類:(これは……演出のメモ?)
類:…………
類:そうか……。 さっき、何か声が聞こえた気がしたけど——
類:また僕は、演出の改良案をメモしているうちに 眠ってしまったのか
類:(THE CENTER THEATREに来て 色々な経験を積んだけれど……演出家として、僕はまだまだだ)
類:(——こんなところで、居眠りしているわけにはいかない)
類:(最後にとっていたメモは…… ああ、あった。これだ)
類:(……うん。床下の移動を使った演出を 考えているところだったな)
類:(ここで主人公は、国王と対峙すると同時に 自国を裏切る決意を固める。それなら——)
類:(登場の瞬間、ライティングを工夫すれば もっと観客を引き込むことができそうだ)
類:悲劇的な場面だから、影を作って 役者の表情が見えなくなるタイミングを いくつか作る……
類:照明の切り替えを会話のテンポに合わせることで、 観客の想像をよりかき立てるようにして——
???:——類
旭:ここにいたんだな。 ……また、演出を考えてたのか?
類:旭さん……? 今日は、もう帰ったはずじゃ——
旭:やっぱり忘れてたのか。 今日は練習のあと、パーティーだって言われてただろ?
類:パーティー……?
類:——————あ
数分後
アークランドのキャストA:それじゃあ、 主役のふたりも来たところで——
アークランドのキャストA:旭と神代くんの、アメリカのアークランド行きを祝って…… 乾杯っ!
みんな:『乾杯!』
アークランドのキャストB:いやあ、まさか主役がそろって遅刻するとはな
類:すみません。僕が演出の改良案を考えるのに 没頭してしまって……
アークランドのキャストA:本当、神代くんは暇さえあれば ずっと舞台裏で演出を考えてるよなあ
旭:そうそう! 演出のことになると、 食事も睡眠もおろそかになるしさ。けど——
旭:それだけ本気で打ち込んでるからこそ、 今回、アメリカ行きの話がきたんだろうな
類:……そうなのかな
類:正直、まだ実感がわかないというか…… 本当に、僕でいいのかという気持ちもあるよ
アークランドのキャストC:ふふ。THE CENTER THEATREに来たのだって、 ほんの何カ月か前だもんね
アークランドのキャストA:でも、神代くんの演出は THE CENTER THEATREでもすごく好評だったし、 声がかかるのも納得だよ
旭:この前の、アメリカのアークランドのチームとの合同公演が 決め手だったみたいだな
旭:全キャスト宙吊りからの、本物の水を使った巨大な滝の演出で かなり注目を集めたみたいだし、納得だよ
アークランドのキャストB:ああ! あの演出、すごく面白かったもんな
アークランドのキャストB:最初に演出案を聞いた時は、 本当にできるのかってちょっとだけ思ったけど…… オレ達も演じてて楽しかったよ!
類:フフ。そう言ってもらえて、とても嬉しいです
類:あのショーは、僕が今までやってきたショーの 全てを詰め込んだ、集大成のようなものだったので
旭:集大成か……たしかに、それに相応しい わくわくする演出だったな!
旭:——この先も、 どんな演出を見せてくれるのか楽しみだ
アークランドのキャストB:よーし、それじゃあここで オレ達から花束の贈呈だ! ——ほら!
類:花束……?
類:ありがとうございます。 こんなに盛大にお祝いしてもらえるなんて……
アークランドのキャストC:何言ってんの。仲間の実力が認められたんだから、 これくらい当たり前でしょ
旭:あはは。嬉しいこと言ってくれるね!
アークランドのキャストD:おーい、ふたりとも! こっちでスタッフ達が、挨拶したいってさ!
アークランドのキャストB:お、呼ばれてるぞ。早く行ってこい!
旭:……大丈夫か?
類:え?
旭:なんだか、かたい顔してるなと思ってさ。 ずっと気を張ってるっていうか
旭:俺の気のせいならいいんだけど、 もし無理してるのなら——
類:ああ、いや——心配させてしまってすまない
類:僕なら大丈夫だよ。 少し、力が入ってしまっているだけだ
類:向こうで僕達が所属するBrillia Stageは、 優秀な若手役者や演出家をスカウトしていると聞くからね
類:僕の演出が、どこまで通用するかと思って
類:でも——
類:そんなメンバーの中で、 どういうショーができるか……今からとても楽しみだよ
旭:それなら——そこに俺達が加わるんだから、 もっと最高の劇団になるな!
旭:類と一緒なら、どんな場所でもきっと 最高のショーが作れる。だから——
旭:アメリカでもよろしくな、類!
類:旭さん……
類:ああ。世界でも指折りのショーをするというBrillia Stage…… そのステージを期待するお客さんは、たくさんいる
類:THE CENTER THEATREで多くのお客さんに 笑顔を届けたように——
類:アメリカでも、 共にいいショーをしよう
類:(アークランドは世界各地にあるけれど…… そのなかでも、やはり本国で上演されるショーのレベルは 頭ひとつ抜けている……)
類:(僕の実力が、どこまで通用するかは未知数だ。 けれど——)
類:(どんな垣根も越えられるショーを作る…… その夢を叶えるために、進んでいかなくては)
類:(あの時、僕を送り出してくれた みんなのためにも——)

第 3 话:責任

数カ月前
ワンダーステージ
司:な……それは本当なのか、類!
寧々:アークランドに誘われたって……
類:……ああ。旭さんから、声をかけてもらったんだ。 それで——
司:す…………
司:すごいじゃないか!!!!!
寧々:ちょっと司、声大きすぎ……。 気持ちはわかるけど……
司:む、すまん……。 だが、声も大きくなるだろう!?
司:アークランドのショーユニットが、 どれほどの実力なのか…… オレ達は、すでに実感しているのだからな
司:しかも、旭さん直々にということは…… THE CENTER THEATREの演出家をしてほしい、ということだ!
えむ:そっか……
えむ:アークランドにいけば—— きっと類くんの夢に、もっと近づけるんだね
司:ああ。THE CENTER THEATREは、 日本を代表するショーステージだからな
司:きっとそこで類は、 世界中を笑顔にする演出家への一歩を……
類:司くん……?
司:…………ああ、すまない
司:わかっていたつもりだが——。 いざ、その時がくるとな……
類:……僕は——
えむ:…………大丈夫だよ!
えむ:だって、類くんが夢を叶えるためなんだもん!
えむ:だから……だから……!
えむ:——あたし、応援するね……!
寧々:…………そう、だね
寧々:……寂しいって気持ちは、たぶんみんな同じだと思う。 でも——
寧々:仲間の実力が認められて嬉しいって気持ちも…… きっと、同じだから
寧々:……がんばってきて、類
司:……うむ。 寧々やえむの言う通りだな
司:オレ達は、お前の門出を……全力で祝うぞ! だから——
司:夢を叶えてこい……類!
類:みんな……
類:(……本当に僕は、素晴らしい仲間に恵まれている)
類:(こうして夢への道を応援してくれて、 背中を押してくれて……)
類:(……だからこそ、僕は——)
類:(夢を叶えなくてはならない)
類:(みんなのためにも——絶対に)
類:…………ありがとう
類:——行ってくるよ
スクランブル交差点
アークランドのキャストB:——じゃあ、お疲れさま! また明日な
アークランドのキャストA:気をつけて帰れよ
旭:ああ。明日の公演も、よろしく!
旭:……みんな、今日はすごくテンションが高かったな
類:フフ。あんな風に盛大に祝ってもらってしまったら、 向こうで中途半端な結果を残すわけにはいかないね
類:アメリカでも、最高のショーを届けられるように—— 僕にできる演出を、今から考えておかなくては
類:帰ったら早速、今日もらったBrillia Stageの過去映像を 見てみようかな……
旭:おいおい、今日くらい休んでもいいだろ。 お祝いのあとなんだしさ
類:いや、休むなんてできないよ。 僕は——立ち止まるわけにはいかないからね
類:夢を叶えるまでは……絶対に
旭:…………何を言ってもダメか
類:え?
旭:いや、なんでもない
旭:……類。俺はアメリカでも、 類の演出に最大限応えると約束するよ
旭:だから——お互い、夢を叶えような
類:……ああ、そうだね
類:——こちらこそ、アメリカでもよろしく
旭:それじゃ、俺はこっちだから。 また明日な!
類:うん。また明日
類:互いに夢を……か
類:——旭さんには、心配をかけてしまっているな
類:…………
類:(それでも……)
類:(僕は進み続けなくてはいけないんだ)
類:(アメリカでもっと腕を磨いて、夢を——)
???:大好きな人達が一緒じゃないと、 寂しいよね
類:(…………今、誰か……)
類:(向こうに行ってしまえば みんなと会える頻度は、さらに減ってしまうかもしれない)
類:(最近は、ただでさえお互いに忙しくて 連絡をとれていなかったし……)
類:(いい機会だ。久しぶりに、みんなに連絡してみようかな)
视频:播放视频

第 4 话:新たな環境

视频:播放视频
劇団三日月組 稽古場
???:——稽古再開するぞ、立ち位置につけ!
司:……!
司:(ここは……)
???:天馬、どうした?
司:——いえ! なんでもありません!
司:(何をぼーっとしているんだ、天馬司!)
司:(ただでさえ厳しい三日月組の稽古。 気を抜くなど言語道断!)
司:……お待たせしてすみません、位置につきました!
三日月組団員A:よし。 ……鬼島さんも、準備はいいですか?
鬼島:——ああ、問題ない!
三日月組団員A:それでは、台本14ページ。 六郎と勘助の殺陣のシーンから! よーい……
三日月組団員A:——はじめ!
司・鬼島:『うおおおおおお!』
数分後
司:『なぜだ兄上! なぜ、新政府軍に肩入れなど……!』
司:『生涯をかけて将軍家に仕えると言った、 あの時の約束を違えるのか……!』
鬼島:『……時代とともに、人も変わる。 それだけだ』
司:『……!』
三日月組団員B:おお、すげえ……。 あのふたり、また殺陣の腕前上げたんじゃないか?
三日月組団員C:うん。それに、スピードも……
司:(右上からの振り下ろしをいなして体重移動、 ひと呼吸あけ、前に踏み込んで——)
司:(……! いや、オレが想定より前に出てしまっている。 半歩分後ろか!)
鬼島:(さすがだ、天馬くん。 今のアイコンタクトで、きっちり位置を修正してきたな)
鬼島:(このまま、ラストまで——)
三日月組団員C:……! さらにスピードが上がった!
三日月組団員B:この速さに加えて、正確さと迫力…… 鬼島さんはもちろんだが、すごいな。天馬のやつ
鬼島:(——いい動きだ)
鬼島:(ここに来た当初は、殺陣特有の体の使い方に苦戦していたが よくついてこられている)
鬼島:(だが——)
数分後
鬼島:それでは、一度休憩を挟もう! 15分後、今のシーンの続きから始めるぞ!
三日月組団員達:『はい!』
司:鬼島さん! のちほど、さっきの殺陣のことで すり合わせをお願いしてもいいですか?
司:鬼島さんが演じる兄の六郎と、オレが演じる弟の勘助—— 感情の動きに合わせて、 少し立ち回りを変えてみたい箇所があって
鬼島:ああ、いいぞ! それなら、あとでと言わず今からでも——
三日月組団員B:——いやいや、ダメですって。 ちゃんと休憩しないと、あとに響きますよ〜?
鬼島:む……それもそうか。 体を休めないと、練習中の集中力も下がる
鬼島:殺陣の確認は、通し稽古の後でどうだ?
司:はい、お願いします!
三日月組団員C:ふふ。ふたりとも気合い入ってますね
三日月組団員B:まあ、気持ちはわかりますけど。 この演目は、三日月組初のダブル主演で——
三日月組団員B:天馬の、三日月組での卒業公演になるわけですから
司:——はい。本当に、皆さんにはお世話になりました
司:殺陣も、体の使い方もまだまだだったオレに、 皆さんは丁寧に指導してくれて……
司:おかげで、たくさんの 得難い経験を積むことができました!
三日月組団員A:はは! 天馬は本当に成長したよ
三日月組団員A:しかし、三日月組を出たら海外で役者の修行か。 思いきったことするよなあ
三日月組団員C:うん。俺だったら、見知らぬ土地で修行なんて 怖気付いてできないと思う。すごいよ、本当
司:いえ。これも、 スターになるという夢のためですから!
司:まあ、これからニューヨークへ行って 次の劇団を探さなければならないので 本当に手探りではありますが……
三日月組団員B:そっか。演劇学校に通いながら 劇団を探すって言ってたもんな
司:はい。オレには大きな実績がないので、 向こうで実力をつけながらにはなりますが……
司:世界のスター目指して、走り続けていこうと思います!
司:そのためにも、最後の公演は これまでの集大成として——全力で演じますね!
鬼島:全力で、か……
鬼島:——そうだな。 実際、君は目覚ましい成長を遂げたが、 課題点もまだまだ多い
鬼島:しかしそれは、言い換えれば伸び代があるということ! 本番までに、さらに演技を磨いていこう
鬼島:だから——
鬼島:思いっきり、ぶつかってくるといい!
司:——はい! よろしくお願いします!
司:(ワンダーステージを出てから、 いろいろな劇団で修行させてもらったが……)
司:(日本を発つ前の最後の劇団が、三日月組で本当によかった。 紹介してくれた晶介さんには、感謝しないとな)
司:(今でこそ、なんとか鬼島さんと渡り合えるようには なってきているが……思い返せば、 最初は練習についていくだけで精一杯だった——)
鬼島:どうした天馬くん! そんな体力で、 1公演全力で演じきれると思っているのか!?
司:はあ……は……。 う……お、思っていません……!
鬼島:それなら、立ち止まらずに走りきれ。 太陽は待ってくれないぞ! 日が沈むまでに、全力疾走残り5周だ!
司:ぐ……了解です! 残り5周、走りきってみせます! うおおおおおおお!
司:(——よし。ここの殺陣は、 ダイナミックさを出すためにも、回転を加えて思いきり——!)
三日月組団員C:うわっ……!
司:あ……す、すみません! バランスを崩されたようですが、大丈夫ですか!?
三日月組団員C:いや、すまない……。 まさか回転を加えるとは思わなくてね
三日月組団員C:でも、対処しきれなかった俺の問題だから、 天馬くんは気にしなくていいよ! 次は、受けきってみせるからさ!
司:は、はい。すみません……
司:(つい、えむ達にやるようにアドリブを入れてしまったが…… あいつらは、少し特殊だったからな)
司:(それなら、次は——!)
鬼島:今日の公演、大成功だったな! 特に天馬くんの活躍ぶりには、目を見張ったぞ!
司:本当ですか……! 鬼島さんにそう言っていただけて、嬉しいです!
鬼島:はっはっは! だが、ここで満足してはいけないぞ
鬼島:以前いた劇団では、こんなものではなかったと聞いている。 君なら、もっとできるはずだ!
司:……たしかに、殺陣の動きにはまだ ぎこちなさが残っているかもしれません……
司:しかし、あらゆる動きを自分のものにしてこそスター! これから、もっと精進していきます!
司:……鬼島さんや三日月組の皆さんのおかげで、 本当に多くのことを学ぶことができました
司:この恩を返すためにも…… 必ず、最高の舞台にしてみせます
司:皆さんと——鬼島さんと、一緒に!
鬼島:ああ、期待しているぞ、天馬くん!
鬼島:最後まで、ともに駆け抜けようじゃないか!
司:はい!

第 5 话:決意を新たに

スクランブル交差点
司:鬼島さん、今日は付きあっていただき、 ありがとうございました!
司:すり合わせだけでなく、結局自主練まで見ていただいて…… 本当に、助かりました
鬼島:構わない! いい舞台にするために できることを全てやりたいという君の気持ちは、 よくわかるからな
鬼島:それに今回、俺達はダブル主演だ。 息を合わせるのは大切だろう
司:そうですね……幼い頃に生き別れてしまった兄弟が、 新政府軍と旧幕府軍にわかれて戦う この『維新伝』——
司:クライマックスの殺陣が 全体の出来を左右すると言っても過言ではないと思うと、 ますます気合いが入ります!
司:ただ——
司:まだまだ工夫する余地があるというか、 何かが足りない気もしていて……
鬼島:……なるほどな
司:……すみません。 こんな抽象的な話をしてしまって
鬼島:いや、謝る必要はないぞ。 考え続けるのは、大事なことだからな!
鬼島:だが——そうだな。 その答えは、自分で辿り着かなければ意味がない
鬼島:そしてきっと、それに気づけた時—— 天馬くんは今よりも大きく成長できるだろう
司:……! 今よりも……
司:……わかりました。 この天馬司、必ずや答えに辿り着いてみせます!
鬼島:はっはっは、その意気だ!
鬼島:そういえば天馬くん。 メッセージはちゃんと返せたのか?
司:メッセージ?
鬼島:すり合わせの最中に、昔の仲間から連絡が来たと 言っていただろう
鬼島:そのまま自主練に入ってしまったから、 まだ返せていないのではと思ってな
司:はっ、そうでした……! 練習に集中するあまり、つい頭から抜け落ちて……!
司:急いで返信します!
鬼島:うむ、思い出せたようで何よりだ!
鬼島:しかし……解散しても連絡を取り合うとは、 その子達とはとても仲がいいんだな
司:……そうですね
司:実は……海外行きを決めたのは その仲間に背中を押されたからというのも、理由のひとつなんです
鬼島:そうなのか?
司:はい。仲間のひとりから 夢を追いかけて、アメリカトップレベルの ショーユニットの一員になると報告されて——
司:負けられない、そう思ったんです
司:オレの実力は、まだまだです。 海外に行くには早いことも、理解しています。しかし——
司:仲間に、先を越されてばかりではいられない…… オレは、ワンダーランズ×ショウタイムの座長ですから!
司:『世界中を笑顔にするスターになる』という夢を、 一番に叶えなければいけないんです
鬼島:……そうか。 天馬くんらしい、まっすぐな想いだな
鬼島:夢に向かって一直線に向かう その心意気やよし!
鬼島:堂々と走っていくといい。 壮大な君の夢に向かってな!
司:鬼島さん……
司:はい! ありがとうございます!
???:きっとできるよ。だって君は、 みんなに笑顔をあげる未来のスターなんだろう?
司:(……今のは、一体……)
司:(わからんが、誰かに背中を押されたような…… そんな気分だ)
司:(……いよいよ、最後の公演か)
司:(あいつらに負けないように…… 最後まで気を引き締めていかねばな!)
1週間後
神社の境内
六郎:『なぜ……なぜお前がここにいる!』
六郎:『あの時、俺が逃したはずだろう!』
勘助:『……!』
司:(よし。動きのタイミングはバッチリだ! このまま鍔迫り合いから、打ち合いに——)
観客達:うわっ! あの人、壁を蹴って飛んだ……!?
司:(アドリブか……! 正面から受けて飛ばされたあと、受け身をとれば——)
勘助:『うぐっ……!』
勘助:『くっ……兄上……!』
観客達:わあ、すごい迫力……!
司:(観客も乗ってきているな! それなら、次はオレが……)
三日月組団員C:いや、すまない……。 まさか回転を加えるとは思わなくてね
司:(しかし——今は鬼島さんの見せ場だ)
司:(ここは、練習通り踏み出して——!)
勘助:『それでも…… それでも俺は……この道を選ぶ!』
六郎:『……そうか』
六郎:『それならもう、戦うしかないんだな。 たったひとりの、家族であっても……!』
勘助:『兄上、俺は……』
勘助:『俺は、後悔してない。 あの時、あなたと道を違えたこと……』
六郎:『ああ、俺もだ。だからこそ……』
六郎:『——最後は、俺の手で終わらせてやる』
勘助:『……ああ。頼む』
終演後
観客達:最初はちょっとコメディだったのに…… 最後、まさかあんな結末になるなんて……!
観客達:三日月組って、こんな切ない演目もできたんだ…… めちゃくちゃ面白かったな〜!
鬼島:はっはっは! 観客の反応も上々といったところだな!
司:これまでにない、拍手の大きさでしたね……!
司:最後まで、鬼島さんには勉強させていただくことばかりでした。 あのアドリブも、観客がすごく盛り上がっていましたし!
鬼島:そう言う天馬くんも、よく対応したな!
鬼島:——天馬くん
鬼島:改めて、今日までありがとう。 団員も、俺も。君にはいろいろと刺激を受けた
鬼島:きっと、ひとりで世界に飛び出せば つらいこともあるだろう。 だが、天馬くんなら大丈夫だ!
鬼島:君がスターになる日を、楽しみにしているぞ
司:……はい!
司:三日月組の皆さんと一緒に修行してきた日々は、 オレにとって、かけがえのない財産です
司:みんな、オレの背中を押して、夢を応援してくれた。 そんな皆さんの想いに応えるためにも……
司:必ず、夢を叶えてみせます
司:オレは——未来のスターですから!
鬼島:うむ!
鬼島:胸を張って、進んでいくといい! 君だけの、夢への道をな!
三日月組スタッフ:——鬼島さん! 施設のスタッフの方が、ご挨拶をしたいと
鬼島:おお、そうか! それなら、向かうとしよう。またあとでな、天馬くん!
司:はい!
鬼島:…………
鬼島:(……俺では、彼の全力を引き出すことはできなかったか)
司:(……舞台上での立ち回り、殺陣の動き。 どれも、練習以上のものを出せたはずだ)
司:(だが……)
司:(しかし——今は鬼島さんの見せ場だ)
司:(ここは、練習通り踏み出して——!)
司:(あそこで遠慮してしまったのは、 少しもったいなかったか……)
司:(だが、結果的に公演は——)
鬼島:その答えは、自分で辿り着かなければ意味がない
司:(もしや、あれは……そういうことか——?)
司:(……まだまだ、役者として足りないものばかりだな)
司:(より素晴らしい舞台のために、 役者は常に全力であるべきだというのに……)
司:(こんなことでは、あいつらに笑われてしまう)
司:(……そういえば、今日の公演の前に 類とオレが海外に行くなら送別会をしよう、と えむからメッセージが来ていたな)
司:…………
司:(もし、今日の芝居をあいつらが見ていたら…… どんな感想を言うだろうか)
司:(えむは、『ドドドドガーーンって感じで面白かった☆』とか 言いそうだな。 寧々には、細かい動きのズレを指摘されそうだ)
司:(類はおそらく、 追加の演出プランを延々と語ってくるだろうし——)
司:(いずれにせよ、 こんな未熟なままではダメ出しばかりだろうな)
司:(オレは……もっと成長しなくてはならん)
司:(ワンダーランズ×ショウタイムの座長として—— あいつらに負けないためにもな)
视频:播放视频

第 6 话:はやる心

视频:播放视频
音楽堂ホール
小国の姫:『——————……♪』
小国の姫:『ダメだわ……。こんな小鳥のさえずりのような歌じゃ、 遠い国のあの人には届かない』
小国の姫:『私に、進む勇気をくれたあの人に……』
小国の姫:『この声を好きだと言ってくれたあの人に、届くように。 歌わなくちゃ!』
小国の姫:『————♪ ————♪』
観客達:わ……本当、綺麗な声だな……
観客達:あの子、たしか今回が初めての主演だったよね。 すごく堂々としてるなあ……
小国の姫:『————♪』
寧々:(……音が、少しブレた)
寧々:(お客さんの反応は悪くないけど…… ここで満足しちゃダメだ)
寧々:(——もっと、お客さんの心に届くように……!)
小国の姫:『————♪ ————♪』
終演後
演出家:みんな、千秋楽お疲れさま。 どの公演も好評で、観客の反応もかなりよかったね
演出家:これも日々、稽古に励んでいるみんなの力だ。 次もいい公演ができるように、全員でがんばっていこう!
劇団員達:『はい!』
寧々:(どの公演も好評、か……)
寧々:(……よかった。全日程、ちゃんとやりきれて)
演出家:——草薙さん
寧々:あ……雨宮さん、お疲れさまです
雨宮:お疲れさま。 劇団の演出家として、主演俳優に労いをと思ってね
寧々:そうだったんですね……。 わざわざ、ありがとうございます
雨宮:……草薙さんは、着実に力をつけているね
雨宮:うちに来た当初は、かなり荒削りな印象だったけど 今じゃ主役争いに食い込んでくるほどだ
雨宮:もちろん、まだ役者として伸び代ばかりではあるが…… さすが、風祭が紹介してくれた子なだけあるよ
寧々:あ……
寧々:——ありがとうございます
寧々:これからも主役を勝ち取れるように、 まだまだ頑張ります
雨宮:ああ、期待しているよ
寧々:(……伸び代がある、で満足しちゃダメだ)
寧々:(何回も何回もオーディションに挑戦して…… まだ、やっと1回主役になれただけなんだし)
寧々:(もっともっと、成長しなくちゃ。 じゃないと——)
寧々:(……あのふたりみたいに、世界になんて行けない)
劇団員A:——雨宮さん、草薙さん! このあと打ち上げ行きませんか?
寧々:打ち上げ?
劇団員A:はい! お疲れさま会ってことで、 予定が合う人達で行こうって話してて
雨宮:ああ、いいね。僕は参加させてもらおうかな。 草薙さんはどうする?
寧々:あ、えっと……
寧々:せっかくですけど、わたしは遠慮しておきます。 皆さんで行ってきてください
劇団員B:もしかして草薙さん、 いつもみたいに稽古場に戻って練習する感じ?
寧々:はい。もうルーティーンみたいなものなので、 逆にやらないと落ち着かないし——
寧々:それに、次の公演も近いので
劇団員B:あ、そっか。次の公演は—— あの風祭夕夏さんが客演で出てくれるんだもんね!
劇団員C:雨宮さんと同じ劇団出身だったとはいえ、 日本で舞台に立ってくれるなんて、すごい機会だよなあ
寧々:……そうですね。 やっぱり憧れですし、気合いは入ります
劇団員B:そっか。でも、今日は公演終わりだし 練習もほどほどにね!
寧々:はい。 それじゃあ——お疲れさまでした
数時間後
稽古場
寧々:『剣を捨てて。あなたに血の色は似合わないわ』
寧々:『きっと亡くなったお母様も、 そんな姿を見たかったわけではないはず』
寧々:…………違うな
寧々:ナタリーは、幼馴染がどういう想いで戦場に行くのか 痛いほどわかってるはず
寧々:それなら、必死で止めるだけじゃなくて ためらいを感じて当然だ
寧々:そうなると、もう少し声を震わせて——
寧々:『剣を捨てて。……あなたに血の色は似合わないわ』
寧々:『……きっと亡くなったお母様も、 そんな姿を見たかったわけではないはず』
寧々:……。1回、撮影した動画を見てみようかな
寧々:(……声の演技はイメージに近づいたけど、 動きがまだぎこちないな)
寧々:(止めたい気持ちと、相手の願いを尊重したい気持ちが せめぎあってる。そんな感情を動きにのせるなら……)
寧々:びっくりした……。 通知切るの、忘れてたな
寧々:メッセージは……えむから?
寧々:(そういえば、類と司の送別会の場所決めるって 言ってたっけ……。どこになったんだろ)
寧々:フェニックスワンダーランド……?
寧々:…………そっか。 あそこでやるんだ
寧々:まあ、わたし達が集まるには ぴったりの場所だよね
寧々:(みんな、それぞれの場所で頑張ってる)
寧々:(わたしも、まだまだ練習しなくちゃ——)
???:『わたしは、寧々ちゃんが、寧々ちゃんにとって 一番いい答えをだしてほしいと思うの』
???:『そのためになら、いくらでも力を貸すわ』
???:『大変かもしれないけど、 みんなで一生懸命考えて行動した経験なら、 全部これからのみんなのためになるんだから』
寧々:(え…………)
寧々:(なに、今の…………?)
夕夏:あ……寧々ちゃん、久しぶりだね!
寧々:え……か、風祭さん!? どうしてここに……
夕夏:少し前に、日本に戻ってきててさ。 今日、雨宮から打ち上げしてるから来ないかって誘われたの。 団員の紹介もできるからって
夕夏:それで、寧々ちゃんがまだ練習してるかもって聞いて 来てみたんだ
寧々:そうだったんですか……
寧々:……また、お会いできて嬉しいです
寧々:今度の公演、よろしくお願いします!
夕夏:うん。こちらこそ、よろしくね
夕夏:……寧々ちゃん、ちゃんと休憩とってる?
寧々:え? あ……はい。 こうやって、動画確認してる間とかは休んでますけど……
夕夏:あはは。 雨宮から聞いたけど、本当にストイックだね
夕夏:でも、もっとちゃんと休まなきゃダメだよ。 ちょっと顔に疲れも出てるしさ
寧々:本当ですか? 気をつけます……
夕夏:——それじゃ、寧々ちゃんの顔も見れたし 私はそろそろ帰ろうかな。練習の邪魔するのも悪いしね
夕夏:でも、休憩はちゃんと取ること。いい?
寧々:わ、わかりました……!
夕夏:じゃあ、お疲れさま。 あまり無理しすぎないようにね
寧々:はい。ありがとうございます
寧々:(風祭さん、優しいな)
寧々:(わざわざ会いに来てくれて、心配までしてくれて——)
寧々:…………やらなくちゃ

第 7 话:みんななら、きっと

数日後
稽古場
雨宮:それじゃあ、改めて——
雨宮:今度の公演で客演として出てもらう、風祭だ
夕夏:皆さんと一緒に、いい舞台を作れればと思っています。 短い間ですが、よろしくお願いします!
劇団員達:『よろしくお願いします!』
寧々:(風祭さんと共演できる—— こんなチャンス、きっとそう何度もない)
寧々:(この稽古期間で、いろいろ吸収できるように 頑張らなくちゃ!)
雨宮:——次は冒頭の歌唱シーン。 風祭、草薙さん、準備して
寧々:よろしくお願いします……!
夕夏:うん。それじゃ、いこうか
寧々・夕夏:『————♪ ————♪』
夕夏:寧々ちゃん。今日、練習の後みんなでご飯行こうって 話してるんだけど……どうかな?
寧々:あ、えっと……。この後、今日つまづいたところを もう一度確認しておきたくて
寧々:すみません、せっかく誘っていただいたのに……
夕夏:……わかった。 それじゃ、また今度行こうね!
寧々:『わかってるの! この切先を向けるべき相手は、 本当はあなたじゃないって……!』
寧々:(……こうじゃ、ない)
寧々:(この時、ナタリーはもう罪を負う覚悟ができてるはず。 それなら——)
寧々:『……わかってるの。この切先を向けるべき相手は、 本当はあなたじゃないって。でも——』
夕夏:おはようございま——
夕夏:…………
雨宮:——それじゃ、今日の稽古はここまで! お疲れさまでした
劇団員達:『お疲れさまでした!』
寧々:(……やっぱり、まだ役の感情が掴みきれてない気がするな)
寧々:(動きもぎこちなくなってるって、 雨宮さんにも指摘されちゃったし……きっと、そのせいだ)
寧々:(よし。今日はこのあと、台本を読み込んで——)
夕夏:寧々ちゃん、お疲れさま。 今日ってこのあと、時間あるかな
夕夏:よければ、ふたりでご飯でもどうかなって!
寧々:え、わたしとですか……?
夕夏:うん! 久しぶりに会えたのに、 まだゆっくり話せてなかったからさ
寧々:風祭さんに誘っていただけるなんて、嬉しいです。 でも、今は……
夕夏:……頑張るのはいいことだけど、頑張りすぎるのはよくないよ
夕夏:公演までまだ時間はあるし、 少しくらい肩の力抜かなくちゃ
夕夏:それも、いい舞台を作るためには必要なことだしね
寧々:あ……
寧々:……そうですね。 それじゃあ、少しだけ
夕夏:よかった。じゃあ、行こっか!
数十分後
公園内 カフェ
寧々:わ……ここのカフェって、テラス席もあったんですね
夕夏:うん! 日本に住んでた頃、よく来てたんだ
夕夏:それこそ、雨宮とも来たことあるよ。 もっと歌が映える演出の仕方とかあるでしょって、 文句言ったりなんかしてね
寧々:へえ……雨宮さんと風祭さんが言い合ってるの、 あんまり想像つかないかも
夕夏:そう? かなりぶつかってたよ。 ほら、あの人結構こだわり強いからさ、 私もついついヒートアップしちゃうんだよね
寧々:ふふ。どこの劇団でもそうなんですね
寧々:わたしも、前の劇団で 司と類が言い合ってるのをよく見ました
夕夏:……寧々ちゃんは、あれからすごく成長したよね
寧々:え?
夕夏:ほら、ワンダーランズ×ショウタイムにいた時、 ショーを見せてもらったことがあったでしょ?
夕夏:あの時から、歌の表現力も演技の技術も 格段にレベルアップしてるって思う
寧々:あ……ありがとうございます
寧々:でも——わたしは、まだまだです
夕夏:そうかな。 でも、この前は主役に選ばれたんでしょ?
寧々:……たしかに、主役にはなれました。 けど——
寧々:本当にたくさんの人の支えがなきゃ、 あの公演は成功しなかったと思うから
寧々:だから……まだまだなんです
夕夏:……本当に、あの時と変わらないね
夕夏:覚えてる? 私が雨宮の劇団を紹介しようかって言った時。 あの日も、こうやってカフェで話したよね
寧々:……そうでしたね
寧々:たしか、ワンダーランズ×ショウタイムが解散して すぐ後のことでしたっけ
寧々:わたしが次の劇団を探してた時に、 日本に帰ってきてた風祭さんとばったり会って…… いろいろ話を聞いてもらって
夕夏:ふふ。懐かしいよね
夕夏:……あの時も、寧々ちゃんは必死だった
夕夏:夢を叶えるために進みたいって、 すごく真っ直ぐで。でも——
夕夏:今の寧々ちゃんは、あの時以上に 自分を追い詰めてるように見えるな
寧々:………………
寧々:わたし、は……
寧々:……あの時から、変われていないんだと思います
寧々:ずっと……足りてない
夕夏:足りてない?
寧々:……はい
寧々:技術も、知識も……気持ちも。 いろんなものが足りてないって感じます
寧々:今日だって、声の演技と体の動きが合ってないって 何度も指摘されちゃいましたし
夕夏:…………
寧々:それでも——今はまだ難しくても、 この夢だけは叶えたいから
寧々:こんなわたしでも、一歩ずつでも進めるように。 仲間達に負けないように——そう思って、今までやってきました
夕夏:寧々ちゃん……
寧々:実際、類も司もえむも、みんなすごくて…… 夢に向かって、どんどん進んでるんです
寧々:特に類は、海外の劇団から声をかけられて、 そっちに行くみたいで
夕夏:そっか、海外に……。 それはすごいね
寧々:……そうなんです
寧々:努力しても、進めたって思っても…… みんなとの差が、広がっていくばっかりで
寧々:——追いつくためには、もっと努力するしかない
寧々:わたしは、みんなの何倍も努力しないと 夢を掴めないから……!
寧々:だから——やらなくちゃいけないんです
夕夏:……私は、そんな風には思わないけどな
寧々:え?
夕夏:たしかに寧々ちゃんの言うとおり、 世界に出るために足りないものは、まだたくさんあると思う
夕夏:でも……だからって、 寧々ちゃんが人の何倍もやらなきゃいけないほど 実力がないとは思わないよ
寧々:風祭さん……
夕夏:それに、劇団のみんなもそう思ってるはずだよ。 だからこそ、大事な主役を寧々ちゃんに任せたんだろうしね
寧々:…………そう言ってもらえて、嬉しいです
寧々:でも、やっぱりわたしは……
夕夏:…………そっか
夕夏:どれだけみんなに褒められても、大丈夫って言ってもらえても 自分自身が認められない——
夕夏:そういう時って、すごく苦しいよね
夕夏:……わかるよ。私も、海外で活動を始めた頃 そんな感じだったから
夕夏:実力が伸びてるって言われても、役を勝ち取れても。 ずっと何かが足りない気がして、自分を追い詰めてたな
寧々:そう、だったんですね……
夕夏:うん。……でも気づいたんだ。 今の自分に満足しないで進み続けることは、すごく大事だけど——
夕夏:それだけじゃきっと、いつか壊れちゃうって
寧々:え……
夕夏:私は、寧々ちゃんにそうなってほしくないな
寧々:風祭さん……
寧々:風祭さんは…… どうやって、認められるようになったんですか……?
夕夏:そうだな、私は——
夕夏:自分が一番信頼できる人を思い浮かべて、 その人が、今の自分を見た時に 何て言うだろうって考えた……かな
夕夏:その人が認めてくれるなら、 私も自分のことを、少しは認めてあげられるんじゃないかって
寧々:信頼できる人……
夕夏:……ふふ。いい笑顔だね
寧々:え?
夕夏:なんだか、久しぶりに寧々ちゃんの 本当の笑顔を見たって気がする。 前と同じ、可愛い笑顔!
寧々:か、可愛いって……
寧々:でも……そうですね。 肩の力は、少し抜けたかもしれません
夕夏:……そっか。それならよかった
寧々:(……不思議だな)
寧々:(負けられないって思う気持ちも、それを支えてくれるのも 全部ワンダーランズ×ショウタイムのみんなだなんて)
寧々:(……きっと、みんななら 今のわたしを見て『成長できてる』って言ってくれる)
寧々:(だからって、今の自分を 全部肯定できるわけじゃないけど……それでも)
寧々:(——少しくらいは……認めてあげても、いいのかな)
视频:播放视频

第 8 话:ステージを笑顔に

视频:播放视频
フェニックスワンダーランド
フェニックスステージ
えむ:——以上が、次の公演までの 暫定スケジュールです!
櫻子:ご苦労さま。概ね問題ないと思ったわ
櫻子:ただ……演目の内容を考えると、舞台装置の使い方を 早めに詰めて考えられるようにしたほうがよさそうね
えむ:うん! ちょうど演出家さんから、 やってみたいことがあるって言われてて……
えむ:そのためには、新しい機材の導入も 視野に入れた方がいいと思っています!
えむ:予算のことは、もう少し考えないといけないけど……
えむ:でも、お客さんが笑顔のステージになるように、 できることはなんでもやるつもりだよ!
櫻子:……そう。スタッフとの話が進んでいるのであれば 心配しなくてもよさそうね
櫻子:あとは、うちのステージマネージャーと やりとりしてちょうだい
櫻子:それじゃ……任せたわよ、鳳さん
えむ:はい! がんばりますっ!
えむ:(えへへ☆ 櫻子ちゃんに、任せるって言ってもらえちゃった!)
えむ:(最初の頃は、あたしが運営をやるなんて大丈夫なのかって すーっごく心配されちゃったけど……)
えむ:(ちょっとずつ、信頼してもらえてるってことかなあ)
えむ:でもでも、ここで気が抜けて ぷしゅーってなっちゃったらダメだよね!
えむ:まだまだ他のステージとも打ち合わせすることがいっぱいあるし、 しっかりしないと……!
えむ:——せっかくお兄ちゃん達が、 フェニックスワンダーランドのステージを任せてくれたんだもん。 もっともっと、がんばらなくちゃ!
数カ月前
鳳家 リビング
えむ:ほ、本当にいいの……!?
えむ:あたしに、フェニックスワンダーランドの ステージの運営を任せるって……
晶介:ああ。つっても、いきなり全部を任せるわけじゃなく 段階的にだけどな
慶介:もちろん、最終的な判断や責任は俺達が持つが…… ステージを経営するにあたっての考えや経験を得ることは、 お前の将来にとっても、プラスになると思ったんだ
えむ:あたしの、将来……
晶介:……あいつらがフェニックスワンダーランドを出てから、 『もっとちゃんと経営の勉強がしたい』って ずっと俺達の後ろついて回ってるだろ
晶介:手本を見て学ぶのもいいが、 現場に出て、直接その空気を肌で感じることも 経営者としては大事なことだ
晶介:それに、お前には柔軟な発想力がある。 その力が借りられるのは、俺達経営陣にとっても 悪い話じゃない
慶介:ああ。お前にその熱量があるなら、 任せてもいいと思ったが……どうだ?
えむ:うんっ! あたし、やりたい!
えむ:夢のために、もっとたくさん経営のこと 知りたいから!
晶介:夢のために、か……。 ま、お前ならそう言うと思ってたけどよ
えむ:えへへ……お兄ちゃん達がお仕事してるところを 近くで見て、思ったの
えむ:誰かを笑顔にするために、 こんなにたくさん、やらなきゃいけないこととか 考えなきゃいけないことがあるんだって
えむ:今までだって、わかってたつもりだったけど…… でも全然、そんなのじゃ足りなかったんだ
慶介:えむ……
えむ:だからあたし……やってみたい
えむ:世界中を笑顔にするって夢を叶えるために…… まずはフェニックスワンダーランドのステージを、 笑顔でいっぱいにしたい!
慶介:……お前の気持ちはわかった。 こちらも、手配を進めておこう
慶介:さっきも言ったが、最終的な責任は俺達が持つ。 だからお前はお前らしく、みんなが笑顔になる方法を 突き詰めて考えていってほしい
えむ:うん、わかった!
えむ:えへへ……早速みんなにも報告しちゃおっと!
晶介:天馬達にか?
えむ:そうだよ! みんな今、夢に向かってすっごーくがんばってるから あたしも進んでるよって言いたくて!
慶介:……そうか。 彼らも、それぞれの場所で活躍しているんだな
えむ:うん!
えむ:ねえ、慶介お兄ちゃん、晶介お兄ちゃん——
えむ:あたしのために、いろいろ考えてくれてありがとう!
えむ:あたし、いーっぱいがんばるね!
慶介:……ああ。期待しているぞ
慶介:夢に向かって、か……
晶介:まだ高校生なんだし、 もう少しゆっくり進んだっていいのにな
晶介:あの時だって——俺達に相談に来る頃には、 ほとんど解散の意志を固めちまってたし
慶介:……そうだな
慶介:いずれにせよ、えむがもっとうちで経営を 学びたいというのであれば 俺達はそれをサポートしてやろう
慶介:それがきっと、あいつの夢のためにもなるからな
晶介:……ああ、そうだな
スタッフ:……それじゃ、予算と人員については さっきの打ち合わせの通りでお願いします
えむ:はい! 人員補充のオーディションについては、 一度こちらで日程を組むので 確定したらまたご連絡します!
スタッフ:わかりました。 それでは、連絡お待ちしてますね
えむ:(えへへ。これで、ステージの視察と 打ち合わせはほとんど終わり!)
えむ:(あと行ってないのはワンダーステージだけど…… 今の時間は、たしか公演中だよね)
えむ:よーし、それなら——
ワンダーステージ
大きなクマ:『うう……。 やっぱり、みんなボクを怖がって逃げちゃう……』
大きなクマ:『でも……こんな大きな体、怖がられて当たり前か。 ボクに友達なんて、できるはずないんだ……』
少年:『そんなことない。きっと君の心に触れれば、 みんなわかってくれるさ。 君が、誰よりも優しい心の持ち主だってね! それに……』
少年:『少なくとも僕は、君のことを友達だと思っているよ』
えむ:(みんな、今日もきらきらしてるなあ……特に——)
えむ:(主役の白鳥くん、最近すっごく調子がよさそう☆ 練習もずっとがんばってたもんね……!)
子供達:主役のお兄ちゃん、かっこいい〜!
観客達:俺、あの人のファンなんだよね。 今日もバッチリ写真撮らねえと!
少年:『大丈夫! 泣いてる子も、怒ってる子も。 きっとみんな、友達になれるさ』
少年:『この——笑顔のステップを踏めばね!』
少年:『よーし。みんなも一緒にやってみよう! 隣の人と、手を繋いでもいいかも!』
子供達:わあ……おもしろそう〜! ほらほら、お父さんもやろうよ!
観客達:ちょっと恥ずかしいけど…… えっと……こうかな?
えむ:(わあ……! みんな、すっごく楽しそう☆)
えむ:(大人も子供も、目がキラキラってしてて——)
えむ:(ステージも客席も、笑顔でいっぱいになってる!)
えむ:(すごいなあ……)
えむ:(……なんだか、あの頃みたいだな)
えむ:…………
えむ:……がんばらなくちゃ
えむ:(……この場所を守れたのは、 司くん達のおかげだもん。だから——)
えむ:(これからも絶対ぜったい、あたしが守っていかなくちゃ……!)
えむ:(新しいショーユニットのみんなも、 たくさんがんばってくれてるし……)
えむ:(みんなの笑顔が、遊園地いっぱい…… 世界い〜〜っぱいに広がるように——)
えむ:(あたしにできること、もっと増やしていかないと)
数時間後
えむ:みんなお疲れさま☆ 今日の公演も、すっごくすっごーくわんだほいだったよ!
ワンダーステージキャストA:鳳さん、お疲れさまです。 見に来てくださってたんですね!
えむ:うん! 最後のほうは、 舞台の裏で一緒に踊っちゃった!
えむ:ほんとは、週末の出張公演も見に行きたかったけど……
ワンダーステージキャストA:あはは、ちょっと今回は場所が遠すぎますしね
ワンダーステージキャストB:でも、向こうのステージでも 俺達で精一杯、観客を笑顔にしてきますよ!
えむ:そっか! あたしも応援してるね!
ワンダーステージキャストB:はい! それじゃ、お先に失礼します
えむ:(よーし。これで、現場でのお仕事は終わり! 戻ったら、お兄ちゃん達と打ち合わせして——)
???:……鳳さん
えむ:ほえ?
えむ:白鳥くん、どうしたの? 忘れ物でもしちゃった?
白鳥:いえ、そういうわけじゃないんです。 実は、相談があって……
えむ:相談?
えむ:(白鳥くん、すっごく緊張してる……。 なんだか——)
えむ:……大丈夫だよ
えむ:どんな話でも、聞かせてほしいな!
白鳥:あ……
白鳥:ありがとうございます。 えっと……
白鳥:…………実は俺……
白鳥:——ワンダーステージを辞めたいと思っているんです

第 9 话:あの時の気持ちも

えむ:ワンダーステージを、辞めたい……
白鳥:……はい。突然こんなこと言ってすみません
えむ:ううん、大丈夫だよ! えっと……理由を聞かせてもらってもいいかな?
白鳥:実は——叶えたい夢が、できたんです
白鳥:ワンダーランズ×ショウタイムのショーに憧れて、 ここに入って……ショーをするうちに、思ったんです
白鳥:もっと、たくさんの人を笑顔にしたいなって……!
えむ:笑顔に……
白鳥:はい……。すごく、悩みました。 俺は、ワンダーステージでやるショーが大好きだから。 でも——
白鳥:同じくらい、この夢も叶えたいって……そう思ったんです
白鳥:だから——!
えむ:あ……
類:——行ってくるよ
えむ:…………うん、わかった
白鳥:……え?
えむ:……白鳥くんならきっと、たくさんの人を 笑顔にできる役者さんになれると思う! ワンダーステージの お客さんも、白鳥くんのお芝居が大好きだから!
えむ:だから——
えむ:……がんばってね。応援してるよ!
白鳥:鳳さん……
白鳥:……はい! ありがとうございます!
えむ:…………
えむ:(……ううん。これで、よかったんだ)
えむ:(これで……)
???:大丈夫っ? 困ってることがあったら、リンになーんでも言ってね?
???:——ねえ、えむちゃん。 悲しい時は、笑顔でなくたっていいんだよ!
えむ:え…………?
えむ:(なんだったんだろう、今の……)
えむ:って……わわ、もうこんな時間!? 打ち合わせ始まっちゃう!
えむ:照明の資料を取りに行って、会議室も確認して…… う〜、やることいっぱいだよ〜!
鳳家 リビング
晶介:——来場者の推移に関しては、こんなもんか
慶介:ああ。先月はイベントも多かったからな。 現状、右肩上がりを維持してはいるが…… 通常営業のみになる今月の動きには、注視していきたい
慶介:各エリアの動向についての資料も、 併せて見ておいたほうがよさそうだ
晶介:わかった。取り寄せておく
慶介:……今日話しておかなければいけないことは、以上だろうか
晶介:俺のほうから追加の議題は特にねえな。 えむはどうだ?
えむ:あ、えっと……
えむ:実はちょっとだけ、相談したいことがあるんだ
慶介:……そうか。白鳥くんが
えむ:うん……夢を叶えるために、 ワンダーステージを辞めたいんだって。 だから——
えむ:白鳥くんが抜けちゃう分、 新しいキャストさんのオーディションをしなくちゃいけないなって
えむ:辞めちゃうのは、もう少し先になるけど スケジュールとか、早く決めないと——
晶介:——ちょっと待て
晶介:……えむは、承諾したってことか?
えむ:へ? うん、そうだけど……
晶介:そうだけどって、お前な……
慶介:………………
慶介:……なるほどな
慶介:それは、白鳥くんのことを 考えてのことだったのかもしれないが——
慶介:えむの考えは、経営者としては非常に甘いと言っておこう
えむ:え……
慶介:優秀な人材は、まず引き止めるべきだ。 こちらの申し入れが、受け入れられるかどうかは別としても
慶介:……引き止められるタイミングが、あるのであれば
晶介:ましてや白鳥は、 今やワンダーステージの花形役者なんだからな
晶介:あいつがいなくなったあとの 観客達の反応を思えば、なおさらだ
えむ:あ……
えむ:そっか……そう、だよね
慶介:……これは、兄として聞くが——
慶介:お前自身は、引き止めたいと思わなかったのか?
えむ:あたし自身……
えむ:寂しいけど……応援したいって思ったよ
えむ:白鳥くんのお芝居は、すっごくキラキラしてて…… 見てるみんなが、笑顔になれるから
えむ:だから……夢を叶えて、 もっとたくさんの人を笑顔にしてほしいなって
慶介:……それだけか?
えむ:え?
慶介:彼の意志や夢を尊重したい気持ちはわかる。 だが——
慶介:……最近のお前は、 自分の気持ちを押し殺そうとしているように見える
慶介:誰かとの別れに関しては、特にな
慶介:そしてそれは—— ワンダーランズ×ショウタイムのメンバーが、 うちを出て行ったあたりからだ
えむ:……っ
えむ:…………あたしも、一緒にやりたいって思うよ
えむ:みんなで一緒に…… ワンダーステージで笑顔を見たいって
えむ:でも……でも……!
えむ:あたしが引き止めて、夢が叶わなくなっちゃったら……
晶介:えむ……
慶介:……お前は、もう少し素直になっていいんだ
慶介:寂しいなら、寂しいと言っていい
慶介:俺達にも、そして……仲間にもな
えむ:だけど……
慶介:たしかに、立場上揺らいではいけない時は、 この先必ず来るだろう。だが、今は——
慶介:見ないふりができない気持ちや、 割り切れない感情があるなら……それを無理に抑える必要はない
えむ:…………そう、なのかな
えむ:あたしは、みんなの夢を応援したくて……。 困らせたくなくって……
晶介:お前のその気持ちは否定しねえ。 だが……寂しくて当然だろ
晶介:一緒にショーを作ってきた、仲間なんだから
えむ:(…………そっか。当たり前、なんだ……)
えむ:(寂しいのも、一緒にやりたいって思うのも……)
えむ:(迷惑かけたくなくて いっぱいいっぱい、隠さなくちゃって思ってたけど……)
えむ:(この想いも、持ったままで——)
えむ:(それで、いいんだ)
えむ:(あの時の、胸がぎゅってする気持ちも……)
えむ:うん……ありがとう、お兄ちゃん
慶介:——では、このあたりで切り上げるか。 お前も、やることがいろいろあるだろうしな
えむ:え?
慶介:週末のワンダーランズ×ショウタイムの送別会に向けて、 準備があると言ってなかったか?
えむ:そそそ、そうだった! 送別会の準備、まだなんにもできてないよ〜!
晶介:うちの遊園地で遊ぶのに、準備なんて必要あるのか?
えむ:送別会のしおりを、4人分作らなきゃいけないの! どんな風にするかも、まだ決まってないし……
えむ:あたし、部屋に戻るね! おやすみなさい、慶介お兄ちゃん、晶介お兄ちゃん!
慶介:ああ、おやすみ
晶介:…………送別会のしおりって、なんだ……?
週末
フェニックスワンダーランド
えむ:待ち合わせ一番乗り〜♪
えむ:(えへへ。しおり、ちゃんと完成してよかったなあ)
えむ:(名付けて—— 『みんなでまわろう!ショーステージ完全制覇プラン☆』)
えむ:(フェニックスワンダーランドのショーのおすすめとか、 豆知識とかいっぱい書いたんだよね!)
えむ:(みんな、喜んでくれるといいなあ——)
スタッフ:あ……鳳さん! ここにいましたか!
えむ:(ワンダーステージのスタッフさん?)
えむ:えっと……どうしたんですか?
スタッフ:すみません、お休みの日に…… ちょっとトラブルがありまして——
スタッフ:実は、出張公演に行っていたキャスト達が、 悪天候のせいで 空港で足止めをくらっていて——
スタッフ:このままだと、今日の午後公演に間に合わないんです!
えむ:え……
视频:播放视频

第 10 话:笑顔のショーを

第 11 话:4人だから

ワンダーランドのセカイ
ミク:——司くん、みんな!
司:はっ………………!!
司:む……ここは…………船の上?
司:オレ達は、ワンダーステージでショーをしていたのでは…………
ルカ:ショー?
ミク:え〜! みんな、ショーの夢を見てたの〜!?
寧々:え……夢って、どういうこと? わたし達は、さっきまで本当にショーをしてて……
ルカ:どういうことかしら〜?
MEIKO:みんなは、あの光に包まれたあと、 突然眠ってしまっていたのよ
ルカ:ええ。それで、みんなでここに運んだのよ
えむ:そ、そうだったの……!? うーん……なんだか頭がぐるぐるだよ〜!
寧々:そうだね……でも、戻ってこられたんだ……
類:……どうやら、そのようだね
類:ただ、眠ってしまっていたからといって、 あれが単なる夢だったというわけではないだろうけれど
司:むう……それもそうだな
司:なんともリアリティーのある夢だったし——
レン:みみみ、みんな〜〜〜!!
リン:大変大変、大変だよ〜〜〜〜〜!
KAITO:わ……リン、レン……!?
レン:あー! みんな起きたんだね! よかったあ……すっごく心配してたんだよ!
寧々:う、うん。ありがと……
類:ふたりはどうしたんだい? そんなに慌てて……
リン:あ、そうだった! あのね、実はね——
リン:あの木が、突然大きくなっちゃったの!
司:木が……!?
司:な、な…………
司:なんだこれは〜〜〜〜〜〜〜!!!
寧々:さっき見た時は、もっと小さかったのに…… どういう原理……?
えむ:すっごく大きいね……! 類くんより、ぐぐぐーんってしてるよ!
ネネロボ:トンデモナイ成長速度デス
リン:あのね、木の黒いところに触ったから 類くん達が寝ちゃったでしょ?
リン:だからリン達、 あの木の周りをいろいろ見てたの!
レン:うん。司くん達の目を覚ますヒントが 何かないかなって思って!
レン:そしたら突然、黒かったところが ピカピカピカーって白く光って……
レン:ボク達、眩しくて目をギュッてしちゃったんだ。 それで、開けたら……
類:なぜか木が大きくなっていた、というわけだね
司:いや、謎すぎるだろう!
えむ:でもでも、さっきの黒い欠片ついてないね。 元気になったってことなのかなあ?
KAITO:もしかしたら、だけど…… この木が成長したのは、あの欠片を吸収したからかもしれないね
司:あの禍々しいものをか……!?
寧々:そういえば、あの欠片…… 想いの欠片に似てるって、メイコさん言ってたよね。 黒いし、雰囲気はちょっと違うけど……
ミク:じゃあじゃあ、司くん達が見てた夢は あの黒い欠片が見せたものだったのかなあ……?
MEIKO:その可能性はあるわね
ルカ:……そういえば、みんなはどんな夢を見てたの?
司:ああ、たしかにまだ説明していなかったな。 オレが見ていたのは——
KAITO:……じゃあ、みんながバラバラになった夢を見たんだね
司:ああ。それぞれが、それぞれの場所で夢を叶えようと。 そういう道を、選んでいた
司:それに不思議なことに、夢の中では このセカイやカイト達の記憶が、なぜか曖昧でな……
リン:そうだったんだ……
レン:でも、なんでそんな夢……
KAITO:…………
KAITO:確証はないけれど……
KAITO:そういう夢をあの欠片が見せたのなら…… それは、みんなの中にあった想いの一部、なんじゃないかな
司:オレ達の中にあった、想いの一部……?
KAITO:みんなは今まで『もしもこのまま離れ離れになってしまったら』 って考えたことが、きっとあるだろう?
寧々:あ……
KAITO:もちろん、それは現実にはならなかった。だけど……
KAITO:あの時、たくさん悩んで苦しい思いをしたことが、 このセカイにも影響を与えたっていう可能性は 十分あると思うんだ
KAITO:だから、みんなのそういう想いが積み重なって…… そんな夢を見させたのかもしれない
類:……僕達が『もしも』を想像して思い悩んだ葛藤の記憶が、 本当にそうなってしまった世界を見せた——
えむ:でもでも、ここは司くんのセカイでしょ? どうしてあたし達まで、夢を見られたのかなあ?
MEIKO:……ありえないことじゃないわ
MEIKO:たしかにここは司くんのセカイだけど えむちゃん達も、自由に出入りできる
MEIKO:だから、みんなの想いに セカイが影響を受けることがあっても、 おかしくはないもの
寧々:そ、そういうものなんだ……?
KAITO:あくまで可能性の話だけどね。 でも、想いが強ければ強いほど セカイに与える影響は大きくなるから
司:ふむふむ……なんとなくは理解したぞ。 つまり——
司:昔の苦しい気持ちや葛藤も、 すべては成長につながる……ということだな!?
寧々:え……いつそんな話してたの……!?
司:む? いつもなにも、最初からそういう話だっただろう
司:考えてもみろ。 この木は、あの黒い欠片を吸収して ここまで大きくなったのだぞ
司:そしてその黒い欠片は、 オレ達の苦い記憶や、苦悩を反映したものらしいではないか。 それなら——
司:オレ達自身も、苦しさや葛藤を乗り越え…… いや、それすらも糧にして 大きく成長していかねばならんということだろう!
レン:う〜〜〜〜ん……わかるような、わからないような……?
ミク:……えへへ☆ でもでも、なんだかす〜〜〜〜っごく司くんらしいなあ♪
えむ:うん! シャキシャキキュピピーーンって感じだね☆
司:ハッハッハ! 褒め言葉として受け取っておくぞ
寧々:はあ。ほんと、ポジティブバカっていうか なんていうか……
寧々:でも……そうだね。 あの夢を見たからわかったことも、あったかも
ルカ:わかったこと?
寧々:うん。バラバラになっても、夢を叶えるために進んでたけど…… ひとりだと、うまくいかないことも たくさんあったなって
寧々:だから——みんなと一緒だから成長できたことがあって、 それが自分にとってすごく大事なんだって、気づけたっていうか
類:わかる気がするよ。 僕は、なんというか……あれが夢だとわかって ほんの少しだけ、ほっとした自分がいるんだ
類:まあ、とても面白い夢ではあったけどね
えむ:……そうだね。 あたしも、目が覚めた時にみんなが一緒にいて……
えむ:ちょっとだけ、うるうるってしちゃったもん
司:オレ達にとって、夢は大切なものだ。 それは、ずっと変わらない
司:だが……その夢を追う時、隣に仲間がいるというのは とてもありがたい
司:仲間の存在が、自分を強くしてくれるからな!
司:だからこそ——改めて、4人で一緒にショーができるこの日々を 大切にしなければと思わされた
司:この4人だからこそ、 得られるものや成長できることがある、とな!
えむ:そうだね……! これからも、みんなでバリバリ進んでいこ〜う☆
KAITO:ふふ。僕達も、見守っているよ。 みんなが、夢に向かって進んでいく姿を……ずっとね
司:うむ。応援、感謝するぞ!
えむ:それなら、戻ってみんなでショーの練習する!?
寧々:あ……そういえば、そんな予定だったっけ
類:フフ。なんだか時間の感覚が狂ってしまっているねえ
司:そうだな。 戻ってきたといっても、なんとなく実感が湧かんというか……
司:ここは、いつものあれで 気合いを入れ直すというのはどうだ?
司:なんというか……久しくやっていない気もするからな
類:ああ、それはいい考えかもしれないね
ミク:やった〜☆ じゃあ、ミク達も一緒にやっちゃお〜っと♪
リン:うん! ニコニコ笑顔でねっ☆
司:では、えむ! いつものごとく、音頭をよろしく頼む!
えむ:はーい☆
えむ:——みんな! これからも4人でいっぱいい~~~っぱい! 頑張っていこうね☆
えむ:いくよ! わんわんわんわん〜〜〜〜〜〜〜
みんな:『わんだほーい!』
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