活动剧情

ordinary,yet special us

活动ID:171

第 1 话:もしもの過去

ソリス・レコード事務所
雑誌記者:——本日は貴重なお話、ありがとうございました
雑誌記者:皆さんの魅力をしっかり書かせていただきますので、 原稿、楽しみにしていてください!
穂波:こちらこそ、今日はありがとうございました!
咲希・一歌・志歩:『ありがとうございました!』 『ありがとうございました』
真堂:——皆さん。ロングインタビュー、お疲れさまでした
咲希:き、緊張したぁ……!
穂波:わたしも……。 質問される内容、あらかじめもらっておいてよかった
一歌:でも、まだ実感わかないな。 自分達のインタビューがあの『REAL of STAGE』に載るなんて
咲希:バンド系の雑誌っていったらこれ!っていう雑誌だもんね
穂波:ふふ。ロングインタビューの話を聞いた時、 志歩ちゃんが一番驚いてたよね
志歩:だって、ベース触り始めた頃から ずっと読んでた雑誌だし
真堂:Free Clusterの前座を成功させたことが きっかけになったのかもしれませんね
真堂:ライブに来ていた取材陣も 皆さんの演奏を話題にしていましたから
咲希:おおー! じゃあそのうち、 音楽番組に出演して生演奏しちゃったり!?
一歌:私達がテレビで……
真堂:可能性はありますよ。 むしろ、狙っていきたいタイミングでもありますね
真堂:しゅわデリサイダーとのタイアップ曲は今でも人気ですし、 ジャムフェス、Free Clusterのライブを経て、 世間の関心がさらに高まっていますから
真堂:何より、より多くの人に皆さんの音楽を届けるためにも メディアへの進出は不可欠です
穂波:今回のロングインタビューも、そのための一歩なんですね
真堂:ええ。Leo/needの音楽だけでなく、 それを生み出す皆さんのことを知ってもらうのも 大切なことなので
真堂:慣れない仕事で大変かもしれませんが、 今は必要なことだと考えています。 今後も積極的に受けていくつもりなので、ご協力お願いします
穂波:いえ、こちらこそ。 引き続きよろしくお願いします
宮益坂
穂波:インタビュー、無事に終わってよかったね
一歌:うん。でも私、Leo/needの結成の話をする時、 ミク達の話をしそうになって、ちょっと焦っちゃった
咲希:あ、アタシもー! すっごく気をつけてたのに、何度も言いそうになっちゃったよ
志歩:まあ、しょうがないんじゃない? ミク達がいなかったら、私達バンドやってなかったと思うし
穂波:また一緒に居られるようになったのも、 ミクちゃん達がいてくれたおかげだもんね
一歌:そうだね。 でも……話しても、さすがに信じてもらえないかな
一歌:想いからセカイっていう場所が生まれて、 そこでバーチャル・シンガーのミク達に会って いろいろ相談に乗ってもらった、なんて
志歩:たしかに
咲希:それはそれでいいじゃん! だって、ミクちゃん達のこともセカイのことも アタシ達だけの秘密にできるし♪
咲希:それより! アタシは記者さんが、 『幼馴染みって素敵ですね』って言ってくれたのが嬉しかったな!
咲希:『小さな頃からずっと一緒で、 今でも変わらず仲がいいなんて羨ましい』って!
穂波:でも、離れ離れになってた時期があるって話した時は、 記者さん、すごく驚いてたな
一歌:そうだね
一歌:(あの頃は、咲希が入院してる病院は遠くて、 なかなかお見舞いにもいけなくて——)
一歌:(志歩や穂波とも、距離ができちゃって)
一歌:(もしミク達に会えてなくて、あのままだったらって思うと……)
一歌:……本当によかったな
一歌:またみんなで、一緒に居られるようになって
咲希:うん! しかも~
志歩:ちょ……
咲希:一緒に居るだけじゃなくて、 もっともっと仲良くなって、バンドでプロにもなれて ラブラブでイケイケのハッピー♪
穂波:ふふ。そうだね
咲希:あ! でもアタシがもっと早く元気になってたら、 みんなでもっと早くバンドもできて 今頃全国ツアーとかやってたのかな!
志歩:それはさすがにプロをなめすぎ
咲希:えー! そんなことないよ~! もしかしたら——
志歩:はいはい。それより、さっさとお昼食べて ミク達のところに練習しに行こう
一歌・咲希・穂波:『うん』 『は~い』
一歌:(……咲希の病気がもっと早く治ってたら、か)
一歌:(もしそうなってたら、中学も一緒に過ごせてたのかな)
一歌:(学校行事にもみんなで参加して、 いろんなところに遊びに行って、思い出もたくさん作って)
一歌:(志歩や穂波が困ってた時も、ふたりで協力して——)
一歌:(……こんなこと考えても仕方ないよね)
咲希:いっちゃーん! 信号変わっちゃうよ! 早く早く!
一歌:うん、今行く!
教室のセカイ
一歌:……あれ? なんか静かだね
志歩:本当だ。ミク達、今日は練習してないのかな
ミク:——一歌! みんな!
一歌:あ、ミク! 今日の練習もよろしく……
一歌:…………ミク?
ミク:……みんな、一緒に来て。見てほしいものがあるの
一歌:何、これ……
一歌:木のあちこちに、黒いものがついてる……
穂波:葉っぱもしおれちゃって、元気ないね……
ミク:さっきリンが見つけて、知らせてくれたんだ
KAITO:……昨日は、いつも通りだったんだよね?
レン:ああ。オレ達で様子を見に来た時は こんな黒いのついてなかったし、木も元気だった
穂波:……一歌ちゃん、何かわかる?
一歌:えっと……植物が黒く変色するのは カビや苔が原因って聞いたことあるけど
MEIKO:この木は想いで成長する木だから、 一歌達の世界の植物とは全然違うはずだよ
一歌:うん、そうなんだよね……
一歌:とりあえず、この黒いのをはがせないか試してみよう
ルカ:待って、一歌。 黒いものの正体がわからない以上、触らないほうがいいわ
一歌:でも、このままにしておいたら 木が完全に枯れちゃうと思うんだ
一歌:大丈夫。ハンカチ持ってるし、 黒いのには直接触らないようにするよ
志歩:……やるにしても、二重にした方がよくない? 私のハンカチ貸すよ
穂波・咲希:『わたしのも』 『アタシのも!』
一歌:ありがとう。 じゃあ、みんなのも重ねて——
リン:いっちー、気をつけて……
一歌:うん。あ、この辺がはがしやすそうかな
ミク:……っ! 一歌、ストップ!
一歌:わっ!
ミク:みんな……っ!!
???

第 2 话:STANDOUT

视频:播放视频
志歩:………………
志歩:(……あれ、私…………)
志歩:(何か……聞こえる……)
志歩:(これって……)
???:——みんな、そろそろだよ
???:志歩も、準備はいい?
ミオ:……志歩ちゃん?
イオリ:ひょっとして、立ったまま寝てた?
志歩:まさか。そんな器用じゃないです
志歩:ちょっと……なんていうか、考え事してて
イオリ:ふーん。ライブ本番前に? 余裕だね
MC:『皆さん、お待たせしました! ジャムフェス・ルーキーステージ、お次は——!』
MC:『今、最も勢いのあるバンド、STANDOUT!! 珍しいツインベース編成にも注目だ!』
イオリ:——さあ、行くよ
メンバー達:『はい』 『うん!』
志歩:(——よし、掴みはいい感じ)
イオリ:(さすがだね。この大舞台で、いい音鳴らすじゃん)
イオリ:(他のみんなも——)
イオリ:…………
ミオ:(——私がみんなの音を支えて)
志歩:(私は遊びを加えながら、メロディーを彩る)
志歩:(そして——!)
イオリ:♪————! ♪——————!!
イオリ:♪——! ♪———~~~~!!
志歩:(どれだけ音が厚くなっても、決して負けないボーカル)
志歩:(これが——)
志歩:(私達、STANDOUT!!)
翌日
宮益坂女子学園 2年B組
志歩:……おはよう
咲希:——あ、しほちゃーん!
咲希:昨日はお疲れ様! ジャムフェスの配信、見たよ!
咲希:もうすっっっごくかっこよかった! 特に間奏のぴらぴらぴらぴらー!っていう右手がすごいとこ!
志歩:スラップだってば。 ま、あそこは私の見せ場だからね
咲希:そうそう、スラップ!
咲希:ベースがあんな感じで主役になれるのすごーいって ひとりで盛り上がっちゃった!
志歩:うちはツインベースだからね。 あんな風に好きに弾けるのは、 ミオさんがいてくれるおかげだよ
咲希:あ、そのミオさんっていう人もすごいよね!
咲希:たしか、最初はプロになる予定なくて、 しほちゃんが新しいベースとして STANDOUTに入るって感じだったんでしょ?
志歩:そうだけど……。なんで知ってるの?
咲希:ネットのインタビュー記事!
咲希:素敵だなあ。友達と一緒に音楽を続けるために、 プロになるって決意するなんて
志歩:そうだね
志歩:(バンド活動が何より最優先になるし、 音楽とも真剣に向き合っていかないといけない)
志歩:(私も、プロである以上は——)
咲希:あ、アタシが読んだ記事に、 ツインベースになった理由とかも載ってたよ!
志歩:ああ。『その方がおもしろそうだから』ってやつ?
咲希:うん! それでいいんだ!?って笑っちゃった~!
志歩:私も、イオリさんの提案を聞いた時はびっくりしたよ
志歩:あの人、普段は冷静で慎重派なところあるのに ときどき大胆っていうか、感覚に任せて動くことあるんだよね
咲希:へえ……! そういうの、なんかかっこいいなあ!
志歩:それにしても……あのインタビュー、もう出てたんだ
志歩:いろんなところからの取材に答えすぎて、 どれがいつ出るか、把握しきれてないな
咲希:おお~! さすが売れっ子バンド!
咲希:えへへ。しほちゃんが有名になればなるほど、 『一緒にバンドやったことある』って自慢できちゃうね!
志歩:してもいいけど、やったのが小学生の時ってわかったら そんな昔のことかって、がっかりされるんじゃない?
咲希:そんなことないよ! 小さい頃から仲良しだったんだぞー っていうアピールにもなるし!
志歩:はいはい
志歩:……それより、ジャムフェス見たってことは 凱旋ライブのことも知ってるよね
咲希:うん! 今度こそ見に行きたいな!
咲希:けど、チケットの倍率ヤバそう! アタシ、こういう時の運あんまりないし
志歩:それなんだけど、関係者席の確認がマネージャーからきててさ
志歩:席、用意できるかもしれないけど、どうす——
咲希:行きたい行きたい行きたい行きたい行きたーーーいっ!
咲希:ジャムフェスはダメだったけど、 今度は絶対絶対ぜっっったい、応援に行くから!
志歩:……ありがとう
志歩:ライブの日、部活ないといいね
咲希:大丈夫! ライブは夜からだし、 もし部活があっても、終わってから行けばいいから!
志歩:練習の後にライブ? 体力お化けじゃん
咲希:ふっふっふっ。 毎日の走り込みのおかげだよ!
咲希:今のアタシ、ほなちゃんより速いんだから♪
志歩:はいはい、そうだね
志歩:(……咲希、本当に元気になったな)
志歩:(小学生の時は学校もよく休んでたけど 中学生になって部活始めてから、体力もついて——)
志歩:…………あ
志歩:——ごめん、咲希。 ちょっと一歌と話してくる
咲希:あっ! ずるいよ、しほちゃんだけ! アタシもアタシもー!

第 3 话:幼馴染み達との距離

一歌:ふあ……
一歌:(ジャムフェス、遅くまで見すぎちゃったな)
一歌:(でも、志歩達かっこよかったし。 ……見てよかった)
志歩:一歌、おはよう
咲希:おはよー、いっちゃん!
一歌:わっ! び、びっくりした……。 おはよう、ふたりとも
咲希:あはは! ドッキリ大成功?
志歩:びっくりさせたくて声かけたわけじゃないから
志歩:というか、そんなにびっくりすると思わなかった
一歌:ちょっと夜更かししてボーっとしてて……。 でも、おかげで目が覚めたよ
咲希:え、夜更かし? なになに? なにしてたの~?
一歌:ジャムフェスの配信を見てたんだ
一歌:アーカイブが見られる間に、 志歩のかっこいいところを目に焼き付けておかないとって
一歌:本当にかっこよかったよ、STANDOUT! 画面越しなのに、聴いててすごく熱くなった!
志歩:ありがとう。手応えは感じてたけど、 そう言ってもらえると、自信になるよ
志歩:そうだ。配信見たなら、 凱旋ライブのことも知ってるよね?
一歌:うん。次こそは現地に行きたいな。 志歩達の演奏を、生で聴きたいし
一歌:でも、STANDOUTはインディーズからのファンも多いし チケットとるの大変そうだね
志歩:それなんだけど、関係者席とれそうだったらとっておこうか?
一歌:え、本当!?
咲希:えへへ♪ アタシもさっき、お願いしちゃった! みんなで行けるといいね!
一歌:そうだね!
志歩:でさ……悪いんだけど、 穂波にもライブのこと聞いておいてくれる?
一歌:わかった。朝のHRが終わった後に聞いてみるよ
志歩:ありがとう。助かる
咲希:……そういえば、ほなちゃんって最近 全然教室にいないよね?
咲希:先週、教科書借りにいっちゃん達のクラスに行った時も、 ほなちゃんいなかったし
一歌:進路相談で忙しいみたい。 お昼休み以外でも、職員室や進路相談室に行ってるし
志歩:そっか。もう大学探し始めてるんだっけ
一歌:……すごいよね、穂波。 しっかり、将来のこと考えてて
一歌:私なんて、みんなが頑張ってるのを見てやっと 『何かできることを探したい』って思えたのに
志歩:それでちゃんと行動できてるんだからいいじゃん
志歩:ていうか、2年になってあちこち体験入部って めちゃくちゃ勇気いるし、むしろすごいよ
咲希:そうだよ! ソフトテニス部にも来てくれて アタシ、すっごく嬉しかった!
一歌:ありがとう。でも、結局入らなかったし……
志歩:今も体験入部行ってるの?
一歌:ううん。部活はもうやってなくて。 今は——
一歌:あ、チャイムだ。ごめん、また今度話すね。 ライブのこと、穂波に伝えておくから!
志歩:うん、よろしく
咲希:ちぇ~。いっちゃんがしてること、聞きたかったなあ
志歩:そのうち聞けるでしょ
数学教師:えー、三角関数は公式がいくつも出てくるが、 問題を解きながら覚えていけば、自然となじんでくるだろう
数学教師:では、次の練習問題だが……天馬、いけるか?
咲希:はい!
志歩:…………
志歩:(そのうち聞ける、か)
志歩:(いつになるかな……)
志歩:(しばらくみんなでお昼食べてないし、 話すのもさっきみたいに見かけた時くらいだし)
志歩:(まあ、お昼一緒に食べられないのは 私が仕事の連絡とか練習してるからなんだけど……)
志歩:(でも、仕事だからな)
志歩:(中学の時みたいに、ずっと一緒ってわけにはいかないよね)
志歩:(……というか、あの頃が一緒に居過ぎだったのかも)
志歩:(1年の時は、4人とも同じクラスだったからわかるけど——)
志歩:(2年になって、咲希と穂波以外はクラスが離れたのに、 咲希なんて、休み時間によくうちのクラス来てたし)
志歩:(そのせいで、たまに来ない日があると 『天馬さんどうしたの?』『ケンカしちゃったの?』とか クラスの子達が言いだして)
志歩:(どうせやり忘れた宿題でもあったんじゃないって、 私が様子見に行く時もあったな)
数学教師:よし。天馬、正解だ。 席に戻っていいぞ
咲希:いえーい! ピースピース!
志歩:(……お互いやりたいことがあるんだから、 付き合い方も変わるよね)
志歩:(最近、4人で遊んだり話したりできてないけど、 別に仲が悪くなったとかじゃないし)
志歩:(私はプロとして、私のやるべきことをやらないと)
数日後
事務所
マネージャー:——では、今日の打ち合わせは終わりです。 お疲れさまでした
イオリ:それじゃあ、また次のミーティングで
志歩:お疲れさまでした
イオリ:そうだ、志歩。 『REAL of STAGE』の見本きてるけど見た?
志歩:あ、まだです。 そういえば、そろそろ発売でしたね
志歩:……まさか、小さい頃から買ってた雑誌の表紙に 自分がなるなんて思わなかった
ミオ:私もだよ。 見本を見て、やっと実感がわいたな
イオリ:私は撮影の時に実感持ったけどね
イオリ:ああ、でもミオは緊張してて 撮影の時のことあんまり覚えてないんだっけ?
ミオ:だって、ずっと憧れてた雑誌だから……
イオリ:ふーん、そうなんだ? けど、他の撮影の時も——
ミオ:も、もう、イオリちゃん……!
志歩:そのうち慣れるんじゃないですか? こういうお仕事、これからもたくさんあるみたいだし
イオリ:事務所が推してくれてるからね、私達のこと
イオリ:って言っても、今はまだ、志歩が高校に通える範囲で セーブしてるみたいだけど
志歩:……すみません
志歩:でも、うちの学校は単位制もあるので そっちに移ればもっと——
イオリ:別にいいよ、今のままでも
ミオ:私なんて、むしろ助かってるよ。 ちょっとずつプロの活動に慣れていけるから
イオリ:というか、マネージャーにも言われたんでしょ? 学生の時しかできないこともあるから、 学校での生活を大事にって
志歩:勉強ならちゃんとやります
イオリ:そっちじゃなくて、 友達とか学校行事のことを言ってるんじゃない?
ミオ:そうだね。志歩ちゃんには大事な幼馴染みもいるし。 高校生のうちにたくさん思い出作らないと
志歩:それは、そうですけど……
志歩:思い出なら、中学の頃に十分作ったので
ミオ:でも、今しか作れない思い出もあるんじゃないかな? あ……この時期なら、文化祭とか!
イオリ:うわ、懐かしい……。 体育館のステージでバンドやったな
イオリ:そういえば、志歩もあの子達とバンドやってたんでしょ。 文化祭でやってみれば?
志歩:やったって言っても、小学生の時ですよ?
志歩:そもそも、私はこっちの練習があるし、 他のみんなも部活とかあって忙しいので……
イオリ:あー、部活ね。 やってる子は確かに忙しいかも
ミオ:私の高校時代の友達も、 全然遊びに行けないって、よく言ってたなあ
志歩:(……高校の文化祭って言っても、 プロとして中途半端な演奏はしたくない)
志歩:(だけど、納得いく演奏にするには 一歌達に相当練習してもらわないといけないだろうし)
志歩:(そんなの、さすがにみんなもしんどいよね)
???:音楽に——みんなに出会えてよかったね。志歩
志歩:(……なんだろ。今、頭の中で、何か……)
イオリ:……志歩? どうかした?
志歩:あ……いえ、なんでもないです
イオリ:まあとにかく、学校とか友達は大事にしなよ
イオリ:私達の活動はこれからも続いていくけど、 高校生活には終わりがあるからね
志歩:……はい。できる範囲で楽しみます
数日後
宮益坂女子学園 2年B組
志歩:(……今日のLHR、何するんだろ)
志歩:(ライブに向けた練習あるし、早く終わるといいけど)
教師:えー、今日のLHRですが—— 文化祭に向けて、準備を始めようかと思います
教師:まずはクラスの出し物について話し合いましょう
志歩:文化祭か……
视频:播放视频

第 4 话:充実な日々

视频:播放视频
宮益坂女子学園 2年B組
文化祭実行委員:——皆さん、投票ありがとうございました!
文化祭実行委員:文化祭でのB組の出し物は、 和風のお茶屋さんで決定です!
咲希:やったね! 和風のお茶屋さんだよ!
クラスメイト:内装とか、みんなで着る制服とか楽しみだね
咲希:あ、制服は自分達で作るのかな? それともレンタル?
クラスメイト:せっかくなら自分達でデザインして、可愛いの作りたいよね。 私、衣装チームに立候補してみようかな
咲希:自分達でデザイン……! いいね、アタシもやってみたい!
咲希:ねえねえ、しほちゃん! アタシが衣装チームに入るって言ったら、どう思う?
志歩:別にいいんじゃない? やる気ある人がいてくれるのはいい事だと思うし
咲希:……あれ? しほちゃんは文化祭楽しみじゃないの?
志歩:そういうわけじゃないけど……。 ライブが終わるまでは、そっちが最優先だから
咲希:あ、そっか……。 お昼休みも屋上で練習してて大変そうだもんね
志歩:……ていうか、咲希も時間作るの大変なんじゃない? 部活あるし
咲希:うっ……。 た、たしかに……
咲希:(でも、せっかくの文化祭だし。 ちゃんとクラスの手伝いしたいな)
咲希:(放課後の練習の時、先生に聞いてみよっと)
放課後
校庭
部長:あと2周! もっと声出していくよー! 宮女!
部員達:『ファイ、オー! ファイ、オー!』
咲希:宮女!
部員達:『ファイ、オー! ファイ、オー!』
1年生部員達:はあ、はあ……!
咲希:(今日のランニング、いつもよりペース速めだから 1年生のみんなはちょっとしんどそうだな)
1年生部員:はあっ……! はあっ……!
咲希:(……やっぱり、しんどいよね)
咲希:(でも、ここが頑張りどころだし 先輩として励まさないと!)
咲希:……あともうちょっとだよ! ファイト!
1年生部員:天馬、先輩……
咲希:しんどいよね……。アタシも、部活入ったばっかの時は ランニングがほんっとにきつかったから、わかるよ
1年生部員:先輩も……
咲希:だけど、走り終わればコートがアタシ達を待ってるから! 前向いて、頑張って腕振ろう!
咲希:とか言ってる間に、ラスト1周だよ! 一緒に走り切ろう!
1年生部員:……はいっ!
部長:——次、ストローク! ラケット出しで行くよ!
部員達:『はい!』
2年生部員:お願いします!
1年生部員達:ナイスボール!
咲希:お願いします!
咲希:フッ…………!
1年生部員達:……今の球、追いついちゃうんだ!? すごいなあ、天馬先輩! ああいうの、才能っていうのかな?
1年生部員達:どうだろう? 天馬先輩、中学のソフトテニス部の頃から、 誰よりも遅くまで残って練習してたって聞いたしなあ
1年生部員達:え、中学の頃からずっと?
1年生部員達:うん。病気がちな体をなんとかしたくて とにかく体力をつけるために頑張ってたら、 すっかり習慣になっちゃったんだって
咲希:もう1球、お願いします!
翌日
咲希:(昨日の部活も楽しかったな。 最後に、先生からまさかのサプライズもあったし!)
咲希:——えっ! 遠征ですか!?
顧問:はい。遠征先は、知り合いの先生を通じて いくつか打診していますが、麗館高校さんと話が進んでいます
部長:麗館高校!? 全国大会の常連校ですよね!? 去年もベスト8だったはず……
顧問:学べることが、きっとたくさんあるはずです。 正式に決まったら、またご連絡しますね
咲希:(全国大会の常連校に遠征なんて、夢みたい! 早く決まるといいなあ)
一歌:……あ。おはよう、咲希。 朝練してきたの?
咲希:うん! 本当は予定なかったんだけどね。 昨日、部活の後、先生から『遠征に行けるかも』って聞いて、 みんな盛り上がっちゃって!
一歌:みんなっていうか、咲希が盛り上がったんじゃないの? 練習しましょうって
咲希:違うよ~。アタシは自主練のつもりで先生に コート使わせてくださいってお願いしただけだもん
咲希:そしたら、他のみんなもやるやるーって!
一歌:へえ。自主練なのにすごいね
一歌:というか、ソフトテニス部ってもっとゆるい感じだったよね。 1年の頃、朝練に行ったら誰もいなくてコート独り占めした みたいなこと言ってなかったっけ?
咲希:あったあった! でも、参加する人だんだん増えてきて 今じゃほとんどの人が出てるよ
一歌:そっか……
一歌:頑張ってる咲希を見て、 負けてられないなって思ったのかな?
咲希:えへへ。だったら嬉しいな!
一歌:私も、咲希を見習って頑張らないと
咲希:あ、そういえば……! いっちゃんって最近何してるの?
咲希:体験入部はもうやってないって言ってたけど
一歌:あ……うん……
一歌:もうちょっとしたら話せる……と思うから 少しだけ待ってて
咲希:少しだけでいいの~? じゃあ、今度の休みにた~っぷり聞いちゃおっかな!
一歌:……そっか。 土曜日、午後から遊ぼうって約束してたもんね
咲希:そうそう! 待ち合わせ場所、学校の前でもいい? アタシ、午前中部活があって
一歌:いいけど、一度家に帰らなくて平気?
咲希:平気平気♪ 私服も持ってくから!
咲希:というか、家に帰ってる時間がもったいないよ
咲希:や~~~っと予定が合った貴重なお休みなんだし、 ちょっとでも長くいっちゃんと一緒にいたいもん!
一歌:咲希……
クラスメイト:——咲希ちゃーん、そろそろ予鈴鳴っちゃうよ!
咲希:あ! じゃあ土曜日、学校の前で!
一歌:うん。またね
クラスメイト:さっきの、A組の星乃さんだっけ? 幼馴染みの
咲希:そうだよ。土曜日、部活が終わったら一緒に遊びに行くんだ♪
咲希:(……本当は、4人で一緒に遊びに行きたかったけど さすがに、中学の時みたいにいかないよね)
咲希:(あの頃は、アタシが倒れないかって心配して、 いっちゃん達がずっと一緒に居てくれて嬉しかったな)
咲希:(でも、アタシはもう元気になったし、 みんなにもやりたいこととか、頑張りたいことがあるしね)
咲希:(その分、文化祭は4人で楽しめれば——)
クラスメイト:そうだ、咲希ちゃん。日曜日の方は空いてる?
クラスメイト:みんなで和風カフェの調査—— という名の、スイーツ食べ歩きをするんだけど
咲希:わあ、行きたい行きたい! えっと、日曜日の予定はっと……

第 5 话:エースの決断

放課後
宮益坂女子学園
部長:集合!
部員達:『はい!』
顧問:——今日もお疲れさまでした。 連日頑張るみんなに、ふたついいお知らせがあります
顧問:まずひとつは、お話していた遠征が無事に決まりました
咲希:や……やったー!
1年生部員達:すごい! 遠征なんて、 強豪校同士しかできないって思ってました!
咲希:アタシなんて、マンガの世界でしかないと思ってたよ!
顧問:たしかに、我が校では珍しい事かもしれませんね。 でもこれも、引退した先輩たちの実績とそれを支えた2年生——
顧問:特に、みんながやる気と熱意を燃やすきっかけになってくれた 天馬さんのおかげだと思っています
咲希:えっ? アタシですか?
顧問:ええ。誰よりもやる気に満ち溢れて、 どんな練習も明るく前向きにやりきってくれました
顧問:うちは、もともとはのんびりとした部活でしたが、 天馬さんのやる気がどんどんみんなにも伝わって——
顧問:もっと上手くなりたいという熱意が 強くなっていったように感じます
顧問:実際、その気持ちの変化と努力が実を結んで、 3月にあった大会では、部始まって以来の好成績を残しました
顧問:そのおかげもあって、 他校との練習試合も組みやすくなりましたし、 今回の遠征も実現したんです
顧問:二度目があるとは限りません。 この機会をしっかり活かして、いい経験をさせてもらいましょう
部員達:『はい!』
部長:頑張ろうね、咲希!
2年生部員:うちのエースはものすごいぞってところ 見せちゃおう!
咲希:あはは! 自分も頑張らなきゃでしょー!
咲希:(エース……!)
咲希:(そんな風に、呼んでもらえるなんて!)
顧問:遠征の日程については後日改めてお知らせしますね。 それで、ふたつめのいいお知らせですが——
顧問:土曜日に予定していた練習が、 春ケ原高校を招いての練習試合になりました
咲希:あー! 地区大会の団体戦でうちが負けたとこ!
咲希:(どの試合もあとちょっとが勝ちきれなくて、 すっごく悔しかったんだよね)
2年生部員:リベンジのチャンスだね、咲希!!
咲希:うん! 練習試合だけど、今度こそ絶対に勝とう!
部員達:『おー!』
顧問:そうそう。練習試合へ変更になったので、 部活の時間も通常より延びます。 各自、問題ないか予定の確認をしておいてくださいね
咲希:(そ、そうだ……! 土曜日って——)
咲希:(……どうしよう。 いっちゃん、楽しみにしてくれてたのに)
咲希:(…………でも……)
1年生部員:先輩、午後から映画見に行く約束してましたけど、 また来週ですね
2年生部員:うん。春ケ原へのリベンジ優先でよろしく!
部長:私も、友達との予定ズラしておかないと
咲希:(……そうだよね。 せっかくのリベンジのチャンスだし)
咲希:(ごめん、いっちゃん)
天馬家 リビング
咲希:……ただいま~
司:おお、咲希か! おかえり!
咲希:お兄ちゃん! 今日はショーの練習なかったの?
司:いや、ショーでピアノを弾くことになりそうでな。 稽古を早めに切り上げて、帰ってきたんだ
咲希:そうなんだ! ねえねえ、どんなショー?
司:感動の友情ものだぞ!
司:ピアノをきっかけに出会ったふたりの少女が、 ピアノが原因で仲違いしてしまう——
司:しかし10年後、再びピアノがきっかけで再会し、 誤解が解けて仲直りするという話だ
咲希:へえ……って、お兄ちゃんまさか、 ふたりの少女のどっちかをやるの?
司:いや、そのふたりの少女にピアノを教える教師役だ
咲希:あはは。だよね~
司:……ところで咲希、学校で何かあったか?
咲希:へっ!? な、なんで……?
司:『ただいま』にあまり元気がなかったからな。 もしやと思って聞いたんだが……
司:それで、どうしたんだ? オレでよければ、話を聞くぞ
咲希:えっと……。 実は——
司:……そうか。 一歌との約束がダメになってしまったのか
司:一歌には、もう伝えたのか?
咲希:うん
咲希:ホントにホントにごめん! アタシから遊びに行こうって言って、予定空けてもらったのに!
一歌:『……ううん、気にしないで。それより相手の学校、 前の大会で負けちゃったところなんでしょ?』
一歌:『ここで勝って自信つければ、 次の大会であたっても絶対勝てるよ!』
一歌:『頑張れ、咲希』
咲希:はあ。やっと予定が合った日だったのになあ
司:……元気を出せ、咲希。 一歌は応援してくれていたんだろう?
司:ならば、お前の活躍と勝利を 一歌への手土産にしてやれ!
咲希:……うん、そうだね!
咲希:よーっし! いっちゃんにいっぱい話せるように、 たっくさん活躍しなくっちゃ♪
司:よし、その意気だ!
司:では、景気付けに『大勝利間違いなしの歌』を弾いてやろう!
咲希:なに、その曲! もしかして即興!?
司:その通りだ! 咲希も一緒に弾くか? きっと元気が出るぞ
咲希:それじゃあ、お邪魔しまーす!
司:では、いくぞ!
咲希:お兄ちゃん、最初から飛ばしすぎだよ! どうやって入ればいいの!?
司:はーはっはっはっ! ノリと勢いだ、咲希!
咲希:もう! ぐちゃぐちゃになっても知らないからね!
咲希の部屋
咲希:ふう~。 連弾、久しぶりにやったけど楽しかったなあ
咲希:……ていうか、ピアノ弾くのも めちゃくちゃ久しぶりだったかも
咲希:あ……ひょっとして昔、みんなでバンドやった時ぶり?
咲希:……懐かしいな
咲希:アタシはみんなで演奏できるのが楽しくて、 でも、しほちゃんに『全然合ってない!』って怒られて……
咲希:頑張って合わせようとするんだけど、 みんなが今どこ弾いてるとか自分がどこ弾いてるかとか、 結局わかんなくなっちゃって——
咲希:今思うと、すっごく下手だったなあ
咲希:でも——
咲希:……すっごく、楽しかったな
咲希:みんなと、いつも以上に心で…… 音楽で繋がれてるっていう感じがあって
咲希:(でもその後、検査入院があったりして それどころじゃなくなっちゃったんだよね)
咲希:(家にはすぐ戻れたけど……。とにかく体力をつけて、 普通の生活を送れるようになろうって必死だったもんなあ)
咲希:はあ……。 今なら元気いっぱいだし、バンドだってやれるのに
咲希:……みんなも忙しいし、アタシだって部活あるんだもんね
咲希:それに、アタシはエースなんだから
咲希:元気に頑張ってるぞーってところ、 いっぱいいっちゃん達に——
???:失ったものを、手に入れたいと強く願う。 それは当たり前のことよ
???:咲希はただ、そう思うあまり、 焦ってしまっただけ
???:だから、次はゆっくり進んで行けば大丈夫じゃないかしら
咲希:…………!
咲希:今、何か聞こえたような……
咲希:……って。そうだ! いっちゃんに約束破っちゃったお詫びを考えないと
咲希:んー……明日のお昼は練習ないし、 お昼ご飯かデザートをごちそうするのがいいかも
咲希:あ! いっちゃん、明日、放送当番じゃないよね!? それだけ聞いておこーっと!
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第 6 话:未来を見据えて

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宮益坂女子学園
穂波:(……今回の小論文課題、難しかったな。 時事問題について、ちゃんと知識が必要だったし……)
穂波:(でも、実際の推薦入試ではああいう問題が出されるんだよね。 時事問題の知識って、どうやって身につけたらいいんだろう?)
穂波:(やっぱり新聞やニュースかな。他にもいい方法がないか、 お昼の添削の時に先生に聞いてみないと)
2年A組
穂波:おはよう
一歌:穂波、おはよう!
一歌:今日のお昼ってあいてる? 咲希がお昼ご飯に誘ってくれたんだけど、一緒にどうかな
穂波:あ……ごめん。 お昼は小論文課題の添削を受けに行こうと思ってて……
一歌:そっか。じゃあ、また今度だね
穂波:本当にごめんね。 前に誘ってくれた時も行けなくて
一歌:ううん、こっちも急に誘っちゃったし。 ちゃんと将来のこと考えてて、すごいと思うよ
一歌:やっぱり、前に話してた福祉関係の大学に行くの?
穂波:……うん。誰かのために何かすることが好きだし、 役に立てたら嬉しいから
穂波:まだ、具体的にどんな職業に就きたいかまでは イメージできてないんだけどね
一歌:それでも、やりたいことがちゃんと見えてて ちょっと羨ましいよ
一歌:私なんて、最近やっと やってみたいって思えることを見つけたばっかりだし
穂波:あ、ミクちゃんで曲を作ってるんだよね。 作業、進んでる?
一歌:実は、あんまり……。 どうしても、曲のイメージがまとまらなくて
一歌:あ、咲希や志歩にはまだ内緒ね? ワンコーラスくらいは用意して、びっくりさせたいから
穂波:ふふ、わかった。 わたしも、どんな曲ができるか楽しみにしてるね
穂波:……あ、そうだ。 今日のお昼ご飯って、志歩ちゃんも一緒?
一歌:ううん。お昼は毎日屋上で練習だって。 ライブの準備で忙しいみたい
穂波:そっか。ライブのチケットのこと、 お礼が言いたかったんだけど……
穂波:休み時間とか、朝のHRの前とかなら話せるかな
一歌:朝がいいと思うよ。 休み時間は移動教室とかもあるし
穂波:そうだね。じゃあ、明日の朝行ってみるよ。 ありがとう、一歌ちゃん
穂波の部屋
穂波:……この大学は、ソーシャルワーカーの育成に 力を入れてるんだ
穂波:こっちの大学にも同じことを学べる学科はあるけど、 介護や保育についてのカリキュラムが多そう
穂波:あと、この大学は——
穂波:(へえ。1年生の間は、興味がある授業を自由にとって どんな専攻に入るか考えられるんだ……)
穂波:(わたし、どんな風に人の役に立ちたいかとか、 どんな仕事が向いてるとか、まだ全然わからないし——)
穂波:(こういう、いろんな分野に触れられる大学が 合ってたりするのかな)
穂波:あ、もうすぐオープンキャンパスがある。 ちょっと遠いけど……行ってみようかな
穂波:……そういえば、みんなは進路どうするんだろう?
穂波:志歩ちゃんはプロとして活動してるし 大学にはいかないかもしれないけど、 一歌ちゃんと咲希ちゃんは進学……だよね
穂波:……でも、わたしは福祉系の大学だから ふたりと同じ大学にはならないだろうな
穂波:じゃあ同じ学校に通えるのも、高校が最後か……
穂波:……お互いの将来もあるし、 いつまでも一緒っていうわけにはいかないよね
穂波:今のうちに、少しでも思い出を作れたらいいな
穂波:……しばお?
穂波:ふふ。どうしたの? お母さん達と、リビングでテレビを見てたんじゃないの?
しばお:わふっ!
穂波:……もしかして、お母さん達がテレビを見てて かまってくれないから、いじけてるの?
穂波:しょうがないな。 ほら、おいで?
しばお:わんっ!
穂波:……しばお
穂波:しばおも、一歌ちゃん達と会えなくなったら寂しい……?
しばお:…………?
穂波:……ううん。なんでもないよ
しばお:スン、スン……わふっ
穂波:……あ、しばお! パンフレットかじっちゃダメだよ!
しばお:くうん?
穂波:ほら、おもちゃで遊んであげるから、 かじかじしちゃダーメ!
数日後 放課後
穂波:(今日やった共通テストの過去問、どれも難しかったな)
穂波:(推薦入試の対策だけじゃなくて、 そっちも今のうちから進めておかないと——)
生徒達:ねえ、段ボールって足りてる? もっと必要だったら、集めてくるよ!
生徒達:買い出し手伝ってくれる人いますか? できれば、3人くらいお願いしたいんだけど!
穂波:(文化祭の準備、うちのクラスもやってると思うし 教室に戻って手伝おうかな)
穂波:……ふふ。クラスの出し物で ミニプラネタリウムができるなんて
穂波:段ボールだけど、ドームも手作りだし。 投影機もピンホール式で作るって聞いたから、楽しみだな
穂波:今の音、ドラム?
穂波:……やっぱり、ドラムの音だ
穂波:誰が叩いてるんだろ……
1年生A:うーん、右手と左手だけじゃなくて、 足も使わなきゃいけないの、やっぱ難しいな
穂波:(あの子、わたしと同じ美化委員の……)
穂波:(あれ、シンバルが少ない? クラッシュは使わないのかな)
穂波:(スネアとタムの配置は大丈夫そうだけど、 高さと角度が合ってなさそうだな)
1年生B:でも、私達よりも全然できてるよ!
2年生A:うん! さすがにドラムいないとバンド難しいから、 やってもらえたら嬉しいな!
2年生B:私達を助けると思って、お願い!
1年生A:もともと興味はあったので、挑戦したいですけど 文化祭の本番までに叩けるようになるかどうか……
穂波:(そっか……。あの子達、文化祭でバンドやるんだ)
穂波:(そういえば、『ステージ出演者募集』っていうポスター、 廊下に貼ってあったな)
穂波:バンドか……
穂波:(わたしも、リズムを刻めるようになるまで苦戦したな……)
穂波:(志歩ちゃんからは、 一定じゃないとか、弱いって言われたりもしたっけ)
穂波:(でも、すごく——)
穂波:(余計なお世話かもしれないけど……)
穂波:……あの、ちょっといいかな?

第 7 话:中学時代の忘れ物

宮益坂女子学園 空き教室
穂波:——はい。 だいたいこれが、一般的なドラムセットの配置だよ
2年生A:シンバル、4つも必要だったんだ……
穂波:曲とか、叩く人の好みで変わったりするけどね
1年生A:あ、あの! 他にも知っておいた方がいいことってありますか?
穂波:うーん……。あ、チューニングの仕方とかかな
穂波:……音を確認したいんだけど、 ちょっと叩かせてもらってもいい?
1年生A:はい! お願いします!
穂波:(ドラム、懐かしい……)
穂波:(……あの時、みんなで演奏した曲なら叩けるかな)
1年生B:わあ……!
1年生A:——望月先輩、ありがとうございました! いろいろ教えてもらえたおかげで、 なんかやれそうな気がしてきました!
穂波:どういたしまして。 困ったことがあったら、いつでも聞いてね
1年生B:叩いてるとこ、かっこよかったです! ひょっとして、バンドやってたんですか?
穂波:えっと、小学生の頃にちょっとだけ……。 あと、吹奏楽部でパーカッションをやってたから
1年生B:そうだったんですね……!
1年生A:あの、今日はすごく助かりました。 本当にありがとうございます!
穂波:うん。文化祭のステージ、頑張ってね
1年生A:はい! 先輩、このままステージ参加の申し込み書出しに行きませんか?
2年生A:いいね! 行こ行こ!
穂波:……ドラム、久しぶりに叩いたな
穂波:手にも、足にも……それに体にも、 叩いた時の感じが、まだ残ってる
穂波:——曲も、ちゃんと覚えてたな
穂波:みんなでバンドやった後、吹奏楽部に入って こっそり練習してたおかげかな
穂波:(……あの頃は、とにかく合奏が楽しくて)
穂波:(もっとドラム上手くなって、次はわたしがみんなに 『バンドやろう』って言うんだって)
穂波:(それを楽しみにしながら、練習してたな……)
穂波:(でも——)
中学生の咲希:みんな、もう部活決めた?
中学生の穂波:わたしは吹奏楽を続けるよ
中学生の志歩:私は帰宅部
中学生の一歌:私も、多分そうなりそう……
中学生の咲希:えー、いろんな部活あるのに。 もったいないなあ
中学生の穂波:そういえば、中学からは咲希ちゃんも部活するんだよね。 どの部活にするの?
中学生の志歩:家庭科部とかじゃない? おやつ食べられるし
中学生の咲希:違うよー! アタシはね——
中学生の咲希:なんと、ソフトテニス部に入りまーす!
中学生の一歌・穂波・志歩:『えっ!?』
中学生の志歩:本気なの? 練習、きついんじゃない?
中学生の咲希:大丈夫! 中等部も高等部もソフトテニス部は ゆるい感じみたいだし
中学生の咲希:アタシ、しっかり体力つけて 学校休まなくてよくなるようになりたいの
中学生の咲希:それで、みんなともっと 一緒に居られるようになるんだ♪
中学生の穂波:咲希ちゃん……
中学生の穂波:一歌ちゃん、聞いた?
中学生の穂波:咲希ちゃん、昨日の部活のランニング、 初めて遅れずに走り切れたんだって。 あと、サーブ練習でミスしなかったって
中学生の一歌:さっき聞いたよ。 今頃、志歩にも話してるんじゃない?
中学生の穂波:咲希ちゃん、本当に嬉しそうだったもんね
中学生の穂波:……でも、すごいな
中学生の穂波:部活に入ったばっかりの頃は、 グラウンドを半周するのもすごく大変そうだったのに
中学生の一歌:このまま、部活を続けて大丈夫かなって 3人で話したこともあったね
中学生の一歌:だけど——
中学生の一歌:……どんなにキツそうでも、 咲希、楽しそうなんだよね
中学生の穂波:うん……
中学生の穂波:小学校の体育の授業は、見学ばっかりだったから きっと運動するのが楽しいんだろうな
中学生の一歌:そうだね……。 部活の話する時、すごく目がキラキラしてるし
中学生の一歌:——あんな顔が見られるなんて、嬉しいな
中学生の穂波:……うん、わたしも
中学生の穂波:(部活が順調そうで、本当によかった)
中学生の穂波:(最近は、自主的に残って 追加で基礎練習もしてるみたいだし)
中学生の穂波:(本当に、部活が楽しくて仕方ないんだな)
中学生の穂波:(中学生になったし、 ドラムもだいぶ叩けるようになってきたから またみんなでって思ってたけど——)
中学生の穂波:(…………もう少し後でも、いいかな)
穂波:結局、『もう一度やろう』って 言えないままだったけど……
穂波:(でも、咲希ちゃんが体力作りを頑張ってくれたから、 中学の時は4人でいろんな思い出が作れたな)
穂波:(1年生の時は、4人とも同じクラスだったから 一緒に体育祭も文化祭もできたし)
穂波:(2年生は一歌ちゃんと志歩ちゃんとは クラス別れちゃったけど——)
穂波:(体育祭のクラス対抗リレーに 咲希ちゃんと一緒に出られたのは、嬉しかったな)
穂波:(でも3年生でアンカーとして走った時は、 咲希ちゃんにギリギリで負けちゃって——)
穂波:(あの時はわたしもクラスのみんなも、すごく悔しくて)
穂波:(合唱祭は、咲希ちゃん達のクラスに負けないぞって、 全員で頑張ったなあ)
穂波:(……でも、一番の思い出は やっぱり修学旅行かな)
穂波:(咲希ちゃんも一緒っていうのが、すごく嬉しくて——)
穂波:(2日目は自由行動だったから、4人で集まって たくさん観光名所を回って、記念写真もいっぱい撮って)
穂波:(……中学の3年間。本当に楽しかったな)
穂波:(……高校でも、みんなで一緒に 居られたらよかったんだけど)
穂波:(もし一緒に居られるのが、高校生までなら……)
穂波:(最後の思い出作りに、みんなでまた——)
穂波:……こんな風に考えてるのは、わたしだけなのかな
穂波:(……みんなもわたしも、忙しいし)
穂波:(きっと、難しいよね……)
穂波:……大丈夫。 思い出なら、バンドじゃなくても作れるし
穂波:みんなで文化祭を楽しめれば、わたしはそれで——
???:でもさ、穂波の中では やりたいことがわかってるんだろ?
???:だったら、それをハッキリ伝えればいいんじゃないか?
穂波:え……?
穂波:気のせい、かな
穂波:……そうだ。 クラスに戻って、文化祭の準備を手伝うつもりだったんだ
穂波:さすがにもう、みんな帰っちゃってるかな
穂波:……メッセージ? ニュースアプリからだ
穂波:あ……
穂波:…………そっか。 もう観測時期がくるんだ
穂波:綺麗に見えるといいな。しし座流星群——
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第 8 话:近くなのに遠い

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昼休み
宮益坂女子学園 中庭
一歌・咲希:『ごちそうさまでした!』
一歌:咲希、お昼誘ってくれてありがとう。 久しぶりにゆっくり話せて、すごく楽しかった
咲希:えへへ。アタシもすっごく楽しかったよ!
咲希:でもなあ、土曜日に練習試合が入らなかったら もっともっとたくさん話せたし、遊びにも行けたのに
一歌:ふふ、また言ってる。 その分、試合で活躍していい報告してくれるんでしょ?
咲希:うん! 大会本番のつもりで挑むから!
咲希:……どうしたの、いっちゃん
一歌:なんでもないよ。 咲希、すごくキラキラしてるなって
一歌:……私も、もっと頑張らないと
咲希:そうだ! アタシ、ずっと聞きたかったんだ! いっちゃんが見つけた、やりたいこと
一歌:本当は、ワンコーラス用意してから 話したかったんだけど……
咲希:ワンコーラス?
一歌:えっと……実は今、ミクで曲を作ってるんだ
咲希:え……? ええ~っ!?
咲希:すごいすごい! ねえ、どんな曲? 聴かせて聴かせてー!
一歌:わっ! 落ち着いて、咲希!
一歌:どういう曲にするか、まだ迷ってて…… 聴いてもらえるようなのは出来てないんだ
咲希:そうなんだ、残念……
一歌:私も、早くミクに歌ってもらいたくて、 いろいろ試してるんだけどね
咲希:じゃあじゃあ! なんでミクちゃんで曲を作ろうと思ったのか、聞きたいな!
一歌:えっと、宵崎さんって覚えてる? 穂波が家事手伝いに行ってる人なんだけど
咲希:前に、ミクちゃんのCDがきっかけで 知り合った人だよね?
一歌:うん。実は、ちょっと前に駅でばったり会って。 その時、宵崎さんがDTM……パソコンで 曲を作ってることを思い出したんだ
一歌:ミクの曲も、同じ感じで作れるみたいだから 私もやってみようかなって……
咲希:そうだったんだ……! じゃあいつか、いっちゃんが作った曲を ミクちゃんが歌ってくれるんだね!
一歌:私もそれが楽しみなんだけど、曲作りが本当に難しくて……
咲希:でもでも、ちょっとずつ続けていけば きっとできるようになってくよ!
咲希:アタシも部活入ったばっかりの頃は サーブもレシーブも全然できなかったけど、 ちゃーんとできるようになったし!
一歌:あ……
一歌:(そうだ……。咲希はどれだけ大変でも、 諦めないで毎日頑張ってたんだ)
一歌:……まだ始めたばっかりだし、 弱音吐いてる場合じゃないよね
一歌:ありがとう、咲希
一歌:ミクに歌ってもらえるように—— 咲希達に聴いてもらえるように、曲作り頑張るよ
咲希:うん! 聴けるの、楽しみにしてるね!
咲希:今日はありがと、いっちゃん! すっごく楽しかった♪
一歌:私も、いろいろ話せてよかった
一歌:(ただ一緒にお昼を食べて話をしただけなのに……。 本当に、楽しかったな)
一歌:——ねえ、咲希
咲希:なあに?
一歌:……また、一緒にお昼食べない?
一歌:あ、えっと……こうやってお昼を食べるの すごくいいなって思ったんだ
一歌:休みの日は、みんな忙しくてなかなか時間とれないけど…… お昼だけでも集まれれば、きっといろいろ話せると思うし
咲希:……そうだね。 アタシも、みんなでこうやってお昼食べたいな
咲希:あ、じゃあ来週! みんなで集まってお昼食べようよ! アタシの練習試合の報告会とかしたいし
一歌:…………!
一歌:……いいね! 私、あとで穂波に聞いてみるよ
咲希:アタシもしほちゃんに声かけておくね! それじゃあ、またー!
一歌:うん!
一歌:(……みんなで、お昼か)
一歌:(ふふ。楽しみだな)
数日後 昼休み
2年A組
志歩:そっか……。 穂波、今日の進路相談の予定変えられなかったんだ
一歌:うん。それで、咲希は?
志歩:宿題忘れて、追加でプリントやらされてる
志歩:まったく……。 浮かれてるからこうなるんだよ
一歌:練習試合に勝てたの、すごく喜んでたもんね。 メッセージで速報も来てたし
志歩:しょうがないから、ふたりで食べよう
一歌:そうだね
一歌:(4人でっていうのはムリだったけど、 志歩と一緒にお昼食べるのも久しぶりだな)
一歌:……あ、そうだ。今日、購買で珍しい焼きそばパンが 出るみたいだから、咲希達のお土産に——
志歩:……あ、事務所からだ
志歩:……日野森です。 え? はい、昼休み中ですけど……
一歌:……咲希と穂波も来れないし、 お昼、また今度にしよっか
志歩:…………ごめん。ありがとう
一歌:はあ……
一歌:(みんな、やっぱり忙しそうだな)
一歌:(こんなにのんびりお昼食べてるの、私くらいか)
一歌:……あ、志歩からだ。 なんだろ?
志歩のメッセージ:『さっきはごめん。 大事な連絡だったから、早めに対応できて助かった』
一歌:よかった……
志歩のメッセージ:『ちなみに、珍しい焼きそばパンってどんなのだったの?』
一歌:明太からしマヨ焼きそばパンだよ、っと
放課後
一歌:……ふう。こっちの型紙、切り終わったよ
クラスメイト達:私達の班の分も、終わったよー!
クラスメイト達:ということは……!
一歌:型紙作り、終わりだね
クラスメイト達:『やったー!』
一歌:次は、一度型紙をあわせてみて、 ちゃんとプラネタリウムのドームになるか試すんだっけ?
クラスメイト達:そうそう! でも今からだと中途半端になりそうだし、ここまでかな
クラスメイト達:みんな、今日も手伝ってくれてありがとう。 大丈夫だったら、明日もよろしくね!
一歌・クラスメイト達:『うん』 『うん!』
一歌:それじゃあ、また明日
一歌:(型紙、どれも大きくて 1枚切るのも大変だったけど……なんとか終わってよかった)
一歌:(でも、紙であれだけ大変だったんだから、 段ボールを型紙通りに切るのも大変そうだな)
一歌:(文化祭まで、まだ時間はあるけど 手伝える日はできるだけ手伝わないと——)
一歌:……今のって、バンドの演奏?
一歌:(ひょっとして、文化祭のステージでやるのかな)
一歌:バンドか……。懐かしいな
幼い一歌:私達で、ミクの曲を演奏しない!?
一歌:(……全然、音合ってなかったし、 演奏間違えてばっかりだったけど)
一歌:(みんなと一緒に、ミクの曲を演奏できるのが すごく嬉しくて——)
一歌:…………楽しかったな
一歌:(いつか、もう一度やれたらいいけど——)
一歌:(そんな余裕あるの、私だけだろうな)
一歌:(あの時みたいに、わがまま言うわけにはいかないよね)
一歌:……みんなだって、頑張ってるんだから
一歌:クラスの出し物の手伝いと ミクの曲作り、私も頑張らないと

第 9 话:聞こえた『声』

一歌の部屋
一歌:…………
一歌:…………ダメだ……
一歌:……いいメロディー浮かばないし、 歌詞からって思ったけど、こっちも全然だな
一歌:……やっと、やりたいことを見つけられたのに
一歌:…………
一歌:……みんな、本当にすごいな
一歌:志歩はバンドでプロになって、咲希は部活のエースで 穂波は進学のための準備を始めてて
一歌:(頑張ってるみんなは、かっこよくて——)
一歌:(やりたいことが見つかったら、 私もあんな風になれるかもって思ったんだけどな)
一歌:……ミクも、ごめんね。 全然、歌わせてあげられなくて
ミク:………………
一歌:どんな曲にしたいのか、もっとイメージ固めないと
一歌:せめて、テーマが決まれば……ん?
一歌:……天気予報のアプリから通知が来てる。 なんだろ
一歌:これって……!
翌日
宮益坂女子学園 2年A組
一歌:——穂波!
穂波:一歌ちゃん、おはよう
一歌:おはよう! ねえ、今年もそろそろ見れるみたいだよ! しし座流星群!
穂波:ふふ、知ってるよ
穂波:2週間後の土曜日が極大観測日で、 夜7時頃が一番活発になるんだよね
一歌:ちゃんと時間まで知ってるなんて、さすがだね
穂波:気になってつい調べちゃったの
穂波:……懐かしいね。 みんなでバンドをやった帰り道を思い出すな
一歌:ジャングルジムに登って、みんなで見たね
一歌:(……夜の7時か)
一歌:(土曜日だし、もしかしたらみんなで一緒に——)
一歌:ねえ、穂波。 穂波は、今回のしし座流星群見るの?
穂波:見れたら見たいな……
穂波:でも、2週間後の週末オープンキャンパスがあるの
穂波:ちょっと遠いところだから、 帰りも夜遅くなっちゃいそうで……。 多分、帰り道か電車の中で見ることになるかもなって
一歌:そっか……
一歌:(……夜ならみんなで集まれるかなって思ったけど、 やっぱり難しいよね)
穂波:でも——大学を見に行くのは、また別の日にしようかな
一歌:え……
穂波:オープンキャンパスは年に何回かあるけど、 しし座流星群はこの時期しか見られないし
一歌:……もしかして 私が誘っていいか迷ってるの、わかった?
穂波:ううん。わたしが、そうしたかっただけだよ
穂波:3年生になったら、もっと余裕なくなっちゃうと思うし 今のうちに、みんなと思い出作りたいなって思ってたの
穂波:それに……同じ学校に通えるのも、 きっと高校までだと思うから
一歌:(そうだよね……)
一歌:(私と咲希はまだ進路決めてないけど、穂波と志歩は——)
一歌:……穂波、ありがとう
一歌:じゃあ、4人で思い出が作れるように 咲希と志歩に流星群のこと話しに行こう!
穂波:うん!
2年B組
一歌:失礼します。咲希、志歩——
咲希の声:はあ~。遠征の日、2週間後の土曜日で ほんっっっとによかった~!
咲希:もしその次の週だったら、 しほちゃんのライブに行けないところだったよ!
志歩:別に、遠征とライブ被ってても来ればいいじゃん。 今の咲希、体力お化けだし
咲希:も~。体力残ってても、絶対に間に合わないよ
咲希:朝から夕方まで練習して、お疲れさま会やって帰るんだけど バスで片道3時間かかるんだから
志歩:ふーん。大変そうだね
咲希:関係ないって顔してるけど、 しほちゃんもその辺、大変なんじゃなかったっけ?
志歩:まあ、ライブの1週間前だしね。 多分、追い込み練習でスタジオに缶詰めかな
咲希:……あれ? いっちゃんとほなちゃんだ! やっほー!
志歩:どうしたの?
穂波:えっと……
一歌:実は、しし座流星群を一緒に見ようって 誘いに来たんだけど……
咲希:え、しし座流星群!? 見たい見たい! いつ見られるの?
穂波:……2週間後の週末だよ。 一番活発になるのは夜7時ぐらいなんだけど……
志歩:……その時間は、まだスタジオで練習してそうだな
咲希:アタシも……多分、帰りのバスの中かも
一歌:そう、だよね……
一歌:……ごめん、ふたりとも! さっきのは忘れて
宮益坂
一歌:……穂波、ミニプラネタリウム手伝ってくれてありがとう
一歌:おかげで投影機作りが一気に進んだよ。 やっぱり、星に詳しい人がいてくれると頼もしいな
穂波:役に立ててよかった。 放課後は小論文の添削があるから、途中参加ばっかりだし……
一歌:そういえば練習用の課題、 難しくて量も多いみたいだね
穂波:うん。家に帰って宿題を終わらせたら、 後はずっと共通テストの過去問を解くか、小論文を書いてるよ
穂波:特に小論文は、テーマが難しかったり、 福祉系の専門用語が出てきたりして……
穂波:ひとつ書くだけでも時間がかかっちゃうの
一歌:……穂波でも、そんなに大変なんだね
一歌:……もしかして 私が誘っていいか迷ってるの、わかった?
穂波:ううん。わたしが、そうしたかっただけだよ
穂波:3年生になったら、もっと余裕なくなっちゃうと思うし 今のうちに、みんなと思い出作りたいなって思ってたの
一歌:(……穂波は、ああ言ってくれたけど)
一歌:……あの、穂波。しし座流星群のことなんだけど……
穂波:あ……咲希ちゃんと志歩ちゃん、残念だったね
穂波:でも、ふたりでも楽しめたら——
一歌:そのことなんだけど……
一歌:……オープンキャンパスを優先したほうが いいんじゃないかな
穂波:え……
一歌:……ごめん。予定ずらそうとしてくれてたのに
一歌:でも——思ったんだ
一歌:咲希も志歩も 自分のやりたいこととか、夢に向かって頑張ってる
一歌:だから……
一歌:——やっぱり、 穂波にも、自分を優先してほしいんだ
穂波:でも……
一歌:ほら、予定ずらしたせいで他の行きたい大学の オープンキャンパスと被ったらいけないし、 行ける時に行っておかないと!
一歌:それに、流星群は一緒に見られなくても、 空が晴れてれば、どこにいても見れるから
一歌:だから、月曜日のお昼とかに話そうよ。 流れ星、いくつ見れた?とか
穂波:一歌ちゃん……
穂波:……わかった
穂波:じゃあ、月曜日にいろいろ話させてほしいな
一歌:……うん。楽しみにしてるね
一歌:……しし座流星群、みんなで見たかったな
一歌:だけど……仕方ないよね
一歌:……同じ学校に通えるのも最後、か
一歌:(話す時間がなくても、お昼一緒に食べられなくても 毎日、元気そうな顔は見れたのに)
一歌:(それも、もうできなくなるんだ)
一歌:寂しいな……
一歌:ダメだ……。 帰ってきてから、ずっとこんなことばっかり考えて
一歌:曲作りも、全然進まない
一歌:……ミク。 こんな時、どうしたらいいんだろうね
???:————…………
一歌:(なんだろう……。何か、聞こえる……)
???:——————
一歌:(声……?)
???:私、この曲をとおして、 一歌達の世界でみんなと一緒に歌えるんだ
一歌:(今、私の名前……)
一歌:(ううん。それより、この『声』——)
一歌:(……すごく、知ってる気がする)
???:きっと、必要な人達の胸に届くはずだから。 一歌の想いも、このメロディーも
一歌:(——そうだ)
一歌:(小さい頃から、ずっとずっと聴いてきた……)
一歌:(楽しい時も、つらい時もずっと——)
???:これからも、一歌の想いを大切にしてね
一歌:(この『声』は——!)
一歌:————ミクっ!!
一歌:あれ……
一歌:……私、いつのまにか寝ちゃってたんだ
一歌:そう、だよね……。 ミクと話せるなんて、夢に決まってるのに
一歌:弱音吐いてばっかりだから、 ミクが応援しに来てくれたのかな
一歌:…………応援
一歌:そうだ、私……
一歌:みんなが頑張ってる姿を見て、 私も何かしたいっていう気持ちになって
一歌:でも、それだけじゃなくて
一歌:私は——
一歌:みんなを、応援したかったんだ
一歌:頑張ってる3人は、本当にかっこよくて—— やりたいことや夢が叶うといいなって、ずっと思ってた
一歌:(……これから先、一緒にいられなくなる)
一歌:(それは……すごく寂しい、けど)
一歌:(でも——)
一歌:(私達なら、きっといつまでも友達でいられるはずだから)
一歌:——決めた
一歌:この想いを、ミクに歌ってもらおう
一歌:よし、やろう!
视频:播放视频

第 10 话:星は何度でも

一歌:(『応援歌』っていうテーマが決まっただけで 歌詞もメロディーも、イメージがしやすくなった)
一歌:(この曲に込めたい、想いも——)
クラスメイト:……あれ? 星乃さん、お昼買いに行かないの?
一歌:うん。ちょっとやることがあって
一歌:ここ、なんか寂しい感じになっちゃってるな。 応援歌なんだから、もっと前向きに……
一歌:……うーん、なんだか違うな
一歌:(……頑張るみんなの姿を見て、私も一歩踏み出せた。 だから今度は、この歌でみんなの一歩を応援したい)
一歌:(みんなが自分の道を進めば進むほど、 一緒に居られなくなっていくんだろうけど)
一歌:(でも——)
一歌:『心だけは一緒に』……
一歌:……ううん、『心は一緒に』にしよう。 その方が、ミクにも笑顔で歌ってもらえるし
一歌:……いい感じになってきた気がする
一歌:あ、そうだ。 一度ミクに歌ってもらおう
ミク:♪—— ♪————……
一歌:…………! よかった、イメージにだいぶ近くなってる!
一歌:メロディーはいい感じだから、 音をもう少し重ねて、厚みを出してみよう
一歌:(この歌には、道しるべになってほしい)
一歌:(みんなが行きたい場所に、迷わず行けるように——)
一歌:(どれだけ遠く離れても、お互いをそばに感じられるように)
一歌:(ミクに、届けてもらうんだ)
2週間後
一歌:…………できた
一歌:……できた! みんなへの応援歌
一歌:やっ……ふぁ……
一歌:……寝不足になっちゃったけど、 おかげで流星群に間に合った
一歌:時間も……まだ大丈夫。 夕方、ちょっと雨降ってたけど天気は——
一歌:あ……
一歌:曇ってて、空、全然見えないな
一歌:(一緒にはいられなくても、流星群を見ながら 聴いてもらえたらって思ったんだけど……)
一歌:……それより、できた曲をみんなに送らないと
一歌:(——ミク)
一歌:(一緒に頑張ってくれてありがとう。 ミクがいてくれたから、最後まで作れたんだよ)
一歌:(私の想い……一緒に作ったこの歌で、咲希達に届けて)
一歌:……よし、送れた
一歌:なんか、急に緊張してきちゃった……
一歌:…………
一歌:ちょっとだけ、出かけようかな
宮益坂
後輩部員達:天馬先輩、お疲れさまでした!
咲希:みんなもお疲れさま! 気をつけて帰るんだよー!
咲希:(遠征、楽しかったなあ。 いろいろ勉強になったし、向こうの子達と仲良くなれたし)
咲希:また一緒にやりた……ふぁ~……。 帰りのバスの中でいっぱい寝たのに、まだ眠い……
咲希:(……7時過ぎか。 ちょっと早いけど、帰ったらお風呂入って寝ちゃおうかな)
咲希:……あ、そうだ! 流星群! 今がちょうど、一番見えるんだったっけ
咲希:……って、曇っててなんにも見えないじゃん!
咲希:はあ……
咲希:(いっちゃん達も、どこかで空見てるかな)
咲希:……ん、いっちゃんからメッセージ?
咲希:これって——!
住宅街
穂波:(オープンキャンパス、楽しかったな。 先輩達から、学校生活のこともいろいろ聞けたし)
穂波:(でも、毎日通うには遠いし あの大学に行くなら、学校の近くでひとり暮らしかな)
穂波:(ひとり、か……)
穂波:……空、曇ってるな。 地面濡れてるし、さっきまで雨が降ってたのかも
穂波:…………
穂波:星、見たかったな……
穂波:(それに——)
穂波:……あれ、メッセージ?
穂波:完成したんだね……!
神山通り
イオリ:じゃ、また明日
志歩:はい。お疲れさまでした
志歩:(曲の確認、思ったより早く終わったな)
志歩:(今日やったのは どれもライブの定番曲だからっていうのもあるけど)
志歩:……そういえば、しし座流星群ってどうなったんだろ
志歩:ん……曇ってて、見づらいな
志歩:(ていうか、ひとりで見ても仕方ないか……)
志歩:さっさと帰って、練習を——
志歩:……あ、一歌から……
一歌のメッセージ:『頑張る3人のための応援歌を、ミクに歌ってもらったんだ。 よかったら、聴いてみてほしいな』
志歩:(そういえば、ミクで曲を作ってるって言ってたっけ)
志歩:応援歌か。どんな感じなんだろ
ミク:『♪—— ♪————』
志歩:…………!
志歩:(……なんだろ、この気持ち——)
ミク:『♪—— ♪————』
穂波:(ミクちゃんの声、すごく優しい)
穂波:(まるで、『ここにいるよ』『一緒に行こう』って、 手を繋いでくれてるような——)
ミク:『♪—— ♪——……』
咲希:(……歌詞もいいなあ)
咲希:(つらいことがあってもそばにいるよ、 ひとりじゃないよって、励ましてくれてる感じで)
咲希:(でも——)
志歩:(なんでだろう。この歌を聴いてると——)
志歩:(胸の奥が、少しざわざわするっていうか)
一歌:……咲希と穂波も来れないし、 お昼、また今度にしよっか
一歌:……ごめん、ふたりとも! さっきのは忘れて
一歌:——やっぱり、 穂波にも、自分を優先してほしいんだ
穂波:(なんで……)
穂波:(なんでこんなに、寂しそうな一歌ちゃんが思い浮かぶんだろ)
穂波:……そっか
穂波:一歌ちゃんは、きっと——
咲希:寂しい気持ちをいっぱい我慢して、 この曲を作ってくれたんだね
志歩:……こういう不器用な感じ、一歌らしいな
志歩:ん? 咲希からメッセージ……
咲希のメッセージ:『いっちゃん、電話していい? 曲のこと話したいな』
穂波:(咲希ちゃんも、一歌ちゃんの曲聴いてたんだね)
一歌のメッセージ:『外にいるけど、周り静かだし大丈夫だと思う』
咲希のメッセージ:『もしかしてバイトしてた? 会えるなら、会って話したい!』
一歌のメッセージ:『バイトじゃないよ。公園に行く途中なんだ。 みんなに曲を送った後、なんだかじっとしてられなくて』
志歩:公園……
公園
一歌:(……咲希からの返事来ないな。どうしたんだろ?)
???:いっちゃーーーんっ!
一歌:え……
一歌:咲希!? 穂波と志歩も、どうして……
咲希:えへへ。会って話したいって言ったでしょ?
志歩:私達も。メッセージ見て、ここだってわかったから
咲希:いっちゃん、応援歌ありがとう。 すっごく嬉しかったし、すっごく元気でたよ
一歌:ほ、本当……?
穂波:わたしも……。 ちょっとうるっときちゃった
志歩:一歌の想い、感じたよ。 初めて作ったのにやるじゃん
一歌:…………!
一歌:そっか……。よかった
咲希:……それとね、いっちゃん
咲希:ごめんっ!!
一歌:え?
咲希:アタシ、自分のことばっかりで 全然いっちゃんの気持ちを考えられてなかった
咲希:今日だって、遠征があるからって 流星群見るの断っちゃって……
咲希:遅れて参加するとか、空見ながら電話するとか、 いろいろできることもあったのに
一歌:……ありがとう、咲希。 でも、そこまでしなくても——
咲希:ううん! しなくちゃいけなかったんだよ!
咲希:一緒にいたいって思ってたのに、 そう思うだけで、何もしてなかった
咲希:ずっと、いっちゃん達に甘えてた……。 いっちゃん達なら、わかってくれるって
一歌:咲希……
穂波:咲希ちゃんだけじゃないよ。 わたしもそうだった……本当に、ごめんなさい
志歩:私も……ごめん。一歌、みんな
一歌:そんな……。 みんなは自分のことを一生懸命、頑張ってて——
志歩:だからって、友達を放っておきたくない
志歩:特に、寂しがってるくせに 頑張れって、無理して応援してる誰かさんをね
一歌:あ……
穂波:わたしも、一歌ちゃんの曲から感じたよ。 一歌ちゃんの本当の気持ち
穂波:きっと一歌ちゃんが一生懸命、 想いを曲に込めてくれたからだね
一歌:……応援歌だし、寂しさが 出ないように頑張ったんだけどな
咲希:応援したいっていう気持ちは、ちゃんと伝わったよ
咲希:でも——アタシ達は元気になれても、 いっちゃんは寂しいままになっちゃう
一歌:あ……
志歩:私達だけ応援してもらって、それで終わりじゃちょっとね
穂波:うん。それに……
穂波:わたし、やっぱりみんなで思い出を作りたいの
穂波:今だから——わたし達だから作れる、大切な思い出を
咲希:だから、いっちゃん!
咲希:もしやりたいことがあったら言って! 今度こそ、一緒にやろ!
一歌:やりたいこと……
一歌:えっと……実は、みんなに送った曲を、 文化祭で歌うつもりだったんだ
一歌:バンドやろうとしてる子達がいるみたいだから、 演奏を頼んでみようかなって
咲希:えーっ! いっちゃん、バンドやろうとしてたの!?
一歌:そうじゃなくて、その……コラボ? 演奏はお願いするけど、ボーカルは私がやろうと思って
穂波:一歌ちゃん、それってもうお願いしちゃった?
一歌:ううん。曲ができてからって思ってたから、 まだだけど……
志歩:じゃあ、なしで
咲希:うん! いっちゃんの曲は、アタシ達で演奏しなくちゃ!
一歌:え、それって……
穂波:わたし達に、演奏させてくれないかな?
一歌:……いいの?
一歌:でも、みんな忙しいんじゃ……
穂波:小論文もだいぶ書けるようになってきたし、 文化祭までの間、少し課題を減らしてもらえるようにしてみる
咲希:アタシも、ちゃんと練習する時間作るよ! お昼の自主練をしばらくお休みするとか、 土日も部活が終わった後とか!
志歩:悪いけど、私は来週のライブが終わるまでは そっちに集中する
志歩:でも、その後はひと息つけると思うし みんなとの練習時間もとれるはずだから
志歩:……ちなみに、やるからには手を抜かないから。 それでもいいなら、だけど
一歌:……うん!
一歌:やろう、一緒に!
志歩:それで、ステージ参加の申請はちゃんとしてあるの?
一歌:大丈夫だけど、歌うっていうことくらいしか 伝えられてなくて……
一歌:クラスの実行委員の人にも、来週までに詳しい内容を 決めておいてって言われてるんだ
咲希:じゃあ、4人でバンドやります♪って伝えないとね!
穂波:あと、複数人で参加する場合は団体名が必要だったと思うから、 それも考えないと
志歩:団体名?
穂波:うん。わたし達の場合は、バンドの名前かな
咲希:そっか! じゃあ……
咲希:あ、イチカーズはどう!? いっちゃんがきっかけでやることになったし、 いっちゃんの曲歌うし!
志歩:ダサ……
一歌:ごめん、私もちょっと恥ずかしい……
咲希:えー!
一歌:何がいいかな……
咲希:う~ん……って、あーーーっ!
一歌:また何か思いついたの?
志歩:ダサいのはなしね
咲希:ひどいよ、しほちゃん! ……って、そうじゃなくて!
咲希:空、見て! 空!
一歌:え?
穂波:あ……晴れてる!
志歩:さっきまで、あんなに曇ってたのに
一歌:あっ! あそこ、今星が流れた!
穂波:わたしも見えたよ! あ、また!
咲希:すごいすごい! どんどん流れてく! ほら、しほちゃん!
志歩:はいはい。ちゃんと見えてるから
一歌:綺麗……
穂波:……やっと、また4人で見れたね
一歌:うん
一歌:……バンドの名前だけどさ
一歌:せっかくだし、私達にあった名前つけたいよね
志歩:じゃあ……星の名前とかは? ちょうど、しし座流星群も見てるし
咲希:それいい! しほちゃんってば、ロマンチスト~♪
志歩:はいはい。すぐそうやって茶化すんだから
志歩:(今のって……)
咲希:しし座流星群かぁ……英語でなんていうのかな?
穂波:調べてみるね。えっと……
穂波:英語なら『Leonids』みたいだよ。 フランス語なら……『Les Léonides』だって
一歌:レオニードか……。 なんだか綺麗な響きだね
咲希:ニードって入ってるのもいいよね! みんなが『必要』って感じがして♪
咲希:……あれ?
咲希:アタシ達……この話、どこかでしなかったっけ?
志歩:それ、私も思った
志歩:たしか、この後一歌が……
一歌:つづりを書いてみたんだよね! えっと……
一歌:……こんな感じ?
穂波:『Leoneed』……
穂波:うん、これだよ! それで咲希ちゃんが……
咲希:シャーっと、流れ星のスラッシュを入れるんだよね! こうやって!
一歌:『Leo/need』……
一歌:……そうだ
一歌:私達——
志歩:……なんで忘れてたんだろ
志歩:こんな、大切なこと……
咲希:アタシ達、ずっと一緒にバンドやってたんだよね!
咲希:ライブもたくさんやって、オリジナルの曲も作って!
穂波:うん。たくさんの人達にわたし達の音楽を届けようって 4人でプロにもなって……!
穂波:大きなステージにも、立たせてもらって……!
一歌:私達……
一歌:これからも一緒に——
一歌:この4人で、バンドができるんだね

第 11 话:絶対に変わらないもの

教室のセカイ
ミク:…………一歌、みんな
ミク:…………! 一歌!?
一歌:ん……
一歌:あ、あれ……?
咲希:ここって……
リン:よ、よかったー! みんな、起きてくれたー!
咲希:わっ! なになに? 起きてくれたって、どういうこと?
リン:覚えてないの? ほら、いっちーが木についた黒いのを取ろうとしたでしょ?
リン:でも、急に黒いのがぶわーってなって! みんな、眠っちゃったんだよ!
咲希:立ったままで!?
志歩:気にするとこ、そこじゃないでしょ
KAITO:……とりあえず、元気そうだね
穂波:はい。心配してくださってありがとうございます
一歌:……あ、そうだ。木は? 木はどうなったの?
MEIKO:木? そうだね、特に変化は——
ルカ:いえ、待って……。 黒いものが、全部消えているわ
リン:あっ、ホントだ! それに、なんか光が集まって——
ミク:強い、想いの力……
ミク:みんな! 木から離れて!
一歌:わっ……!
志歩:びっくりした……。 何が起きたの?
穂波:えっと、キラキラしたものが 木に吸い込まれたように見えたけど……
咲希:……って、あーーーっ!! 木が……!
KAITO:……大きくなってる
ルカ:ミク、やっぱりあれは……
ミク:あのキラキラした光は、きっと一歌達の想いの欠片だよ
ミク:きっと——木についていた黒いものの、正体だと思う
一歌:え? あの黒いのって、想いの欠片だったの?
志歩:しかも、私達の?
ミク:……ねえ、みんな。 眠ってた間のことは覚えてる?
ミク:それを聞けば、もっといろいろわかるかも
一歌:覚えてるよ。えっと——
ミク:……そっか
ミク:4人とも、夢の中では 今とは全然違う生活を送ってたんだね
咲希:こっちじゃアタシ、中学時代ほとんど入院してたのに、 夢だとちゃんと通えてたもんね
咲希:行けなかったはずの修学旅行も、みんなと一緒に行けて……。 すごく楽しかったな
ルカ:……もしかしたら
ルカ:あの黒い欠片は、4人がバラバラだった時に感じていた 寂しさや辛さだったのかしら
穂波:え……
MEIKO:可能性はありそうだね。 雰囲気的にも、ポジティブな感じの想いではなさそうだったし
一歌:えっと、どういうこと?
ルカ:そうね——例えば、4人が一緒にいられなかった時、 こう考えたことないかしら?
ルカ:『どうして、こんなに苦しい思いを しなくちゃいけないんだろう』——
ルカ:『もっとみんなと、一緒に居られたら』 『みんなが、そばにいてくれたら』って
ルカ:そういう想いが積み重なって、 黒い想いの欠片になったんじゃないかと思うの
レン:だから……あの黒い欠片に触ったみんなは、 『一緒にいられる』夢を見たってことだな
志歩:なんとなくわかったけど……
志歩:私達、あのまま夢の世界にいたら 結局一緒にはいられなくなってたよね?
穂波:うん……
咲希:でも……なんか、悔しいな
咲希:一緒にいられる時間がどんなに大切か、 夢の中のアタシは、全然わかってなくて……
咲希:アタシ、みんながずっと一緒にいてくれることが—— それが当然だって、思っちゃってた
咲希:そんなこと——絶対にないのに
一歌:咲希……
穂波:……わたしは
穂波:……わたしは、あの夢を見れてよかったなって ちょっとだけ思ったよ
咲希:え……
穂波:……どこでどんな風に過ごしていても やっぱりわたし達は『一緒にいたい』んだなって
穂波:その気持ちだけは、絶対に変わらないんだって思えたから
志歩:……たしかに、それがわかったのは いいことだったのかも
一歌:それに……
一歌:今の私達は、つらいことも苦しいことも たくさん経験して、大変だったけど
一歌:それでも——
一歌:こうやって4人で一緒に居られて、バンドもできて
一歌:すごく、幸せだなって思う
咲希:うん! アタシもそう思うよ!
一歌:——ねえ、ミク
ミク:ん?
一歌:……ありがとう
一歌:さっきも話したけど、私達が夢の世界で もう一度バンドをやろうってなったのは、ミクのおかげなんだ
一歌:また、ミクが私達を繋ぎとめてくれたんだよ
ミク:それは少し違うよ
ミク:一歌が、その想いを一生懸命形にして、 『私』に歌わせてくれたから、みんなに届いたんだよ
ミク:だから、私からも言わせて
ミク:——ありがとう、一歌
ミク:大切な想いを、『私』に託してくれて
一歌:…………
一歌:うん……
穂波:……一歌ちゃん
穂波:ありがとう、わたし達をもう一度繋いでくれて
志歩:ありがとう、一歌
咲希:ありがとう! いっちゃん!
一歌:うん……!
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