活动剧情

交わる色はあの日のままに

活动ID:183

第 1 话:次なるお題は

LUMINA FORUM 寝室
雫:……うん、寝ぐせはないわね
雫:リップも塗ったし……メイクも大丈夫そう
雫:(一歩部屋を出たらカメラが回っているんだから、 気を引き締めなくちゃ)
雫:(希望を届けるアイドルとして——)
遥:みんな、準備終わった?
雫:ええ! ちょうど今終わったわ
みのり:わたしも大丈夫! 愛莉ちゃんがオイルつけてくれたから、髪の毛ツヤツヤです!
愛莉:ドヤッてないで、次はちゃんと自分でやるのよ?
みのり:はーい
遥:じゃあ、部屋を出る前に今日の動きを確認しようか
愛莉:わかったわ
雫:午前中は、基礎トレーニングとダンスの練習よね
遥:うん。いつもどおり、配信に映ってる時は 視聴者に楽しんでもらうことも意識しながら進めていこう
愛莉:前にやったみのりん体操も盛り上がってたし、 今日もあの感じで工夫するわよ!
みのり:はい! がんばります!
みのり:それで、午後からはMORE MORE JUMP!の チャンネルで生配信だよね!
雫:ええ。今日は、合宿所を回って 他のアイドルにも入ってもらいながら 配信を見に来てくれた人達とお喋りする企画よ
愛莉:ライバルとの交流は喜んでくれる視聴者が多いから、 積極的に絡んでいきたいところね
遥:うん。いつも応援してくれてる ファンのみんなはもちろんだけど——
遥:それ以外の人達にも楽しんでもらって、 MORE MORE JUMP!をしっかりアピールしていこう
遥:上位4グループに入って、決勝ステージに進むために
みのり:うん……!
雫:……SNSのアンケートだと、 私達は24組中、10位なのよね
愛莉:ええ。視聴者が自主的にとってるものだけど、 かなりの投票数だから、ある程度信用できると思うわ
愛莉:しかも、毎日結果を更新してくれるから、 今の立ち位置を知るのに便利なのよね
みのり:あ、今ちょうど最新の順位が投稿されたよ! えっと——わたし達は、10位のままだ
みのり:今4位に入ってるのは、 『ReLight』、『ラブラぶ♡』、『Candy Lily』……
みのり:——1位は変わらず、『Cheerful*Days』だよ
雫:やっぱり、強いわね
遥:うん。上位は実力のあるところばかりだね
遥:でも、決勝に残るには このグループを越えていかなくちゃいけない
遥:この先、どんなことが待ち受けてるかわからないけど—— 気を引き締めていこう
雫:——ええ!
雫:(……私も、もっと頑張らなきゃ)
雫:(あの言葉を、嘘にしないためにも)
雫:今度こそ、私の輝きでみんなを—— MORE MORE JUMP!を導いてみせる
雫:だから、アリサちゃんにも負けないわ。 ——絶対に
アリサ:…………!
雫:(アリサちゃん達に追いつけるように…… いえ、追い越せるように)
雫:(私にできることを全部やって、勝ち上がってみせる!)
司会:『グッドモーニ~ング! 番組司会のあやぴぃです!』
みのり:あやぴぃさん!
司会:『私がモニタに現れたということは……そう! 皆さんお待ちかね、LUMINAタイムのお知らせでーす!』
雫:……!
愛莉:……きたわね
司会:『お題は1時間後に発表します! 参加する方はメインホールに集まってください!』
司会:『あ、それと……今回はか~なりハードなので、 そのつもりで臨んでくださいね! ではでは~!』
みのり:かなりハードって、どんなことするんだろう……?
雫:わからないけど……どんな課題でも やることは変わらないわ
遥:うん。見てる人達に希望を届けられるように、 精一杯頑張ろう!
1時間後
LUMINA FORUM ホール
司会:——時間になりましたね! では、LUMINAタイムの説明会を始めます!
司会:画面の前の皆さんも、心の準備はいいですか~?
コメント:『いえええええええ!』 『前世から待ってた』 『ばっちりです!』
ひかりん:わ~! コメント流れ星並の速さだね! ぴゅんぴゅぴゅーん☆
あかり:わ! どこ行くんですか~!?
司会:あはは、準備ばっちりみたいですね!
司会:ではさっそく発表しちゃいましょう! 今回のLUMINAタイムのテーマは——
司会:ライブです!
雫:……!
コメント:『アイドルっぽいのきた!』 『え、みんなのライブ見れるの!?』 『キターーー!』
司会:で・す・が! ただのライブではありません!
司会:その名も~、“アイドルソングトレードライブ”です!
みのり:トレードライブ……?
司会:皆さんには、くじ引きで決めたグループと 2組合同でライブをしてもらいます
司会:ただし——お互いの曲を“トレード”して パフォーマンスしてください!
雫:え……
司会:曲は1コーラスのみ、メドレー形式で発表してもらいます。 他のグループの曲をものにするのは大変だと思うので、 協力してクオリティを高めていってくださいね!
愛莉:なんだか……ちょっと変な企画ね。 順位をつける番組なんだし、 ライブするなら単独でやるんだと思ってたけど……
雫:ええ。しかも、曲を交換するなんて……
司会:おっと、疑問の声が上がってますね~
司会:この企画には、これから切磋琢磨していく ライバルのことをもっと知ろう!という意図もあるんです。 LUMINAグランプリは、まだまだ続きますから!
遥:なるほど……
愛莉:ちょっと腑に落ちない気もするけど…… たしかに、相手のことは知れそうね
司会:本番は3日後、夕方16時から! 当チャンネルで配信ライブを行います!
みのり:ええっ!? 3日後!?
あかり:それって……めちゃくちゃ大変じゃない!?
千晴:そうだね……。組む相手によっては、 やり慣れていないジャンルの曲にあたる可能性もあるし
結雨:それをこの短期間で仕上げるとなると…… かなり厳しい条件ね
アリサ:…………
司会:そう! お伝えしていたとおり、 この企画はかなりハードなんです!!
司会:ですが安心してください! 皆さんをお助けしてくれる、強力なアドバイザーを 呼んでいますから!
千晴:アドバイザー?
司会:各グループは1回だけ、その方にパフォーマンスを披露して アドバイスをもらうことができます!
司会:そのアドバイザーとは—— 稀代の名プロデューサー、邦木高広さんです!
雫:……! 邦木さんが……!
司会:アイドルファンなら知らない人はいませんよね! 長年に渡り数々の名曲と人気グループを生み出した 音楽家兼、敏腕プロデューサーです!
司会:現在、プロデューサー業は引退されていますが、 アイドルへの楽曲提供は続けているので この中にも関わりの深いグループがありそうですね
愛莉:あ……そういえば、チアデとASRUNも 邦木さんに曲もらってたわよね?
雫:ええ。その時、直接指導を受けたこともあるわ
雫:また見ていただけるなんて……嬉しいわね
遥:うん。いろんなグループを見てる邦木さんなら、 トレードした曲をマスターするために 的確なアドバイスをくれると思う
遥:しっかり吸収して、ライブにつなげていこう
司会:邦木さんにアドバイスをもらえるのは2日目。 つまり、明日いっぱいです! ハードスケジュールですが、頑張ってくださいね!
司会:——さて、説明は以上です! 皆さん今すぐにでも練習したいと思うので、 ささっと組み合わせを決めちゃいましょう!
司会:各グループ、代表者1名はこの箱からくじを引いてください。 同じアルファベットを引いたグループが、 合同ライブの相手です!
ひかりん:よーし、くじ引き一番星はひかりんがいただいちゃ——
ひかりん:あ~、アリサりんずるい!!!
アリサ:こんなの、順番関係ないでしょ
みのり:わ、みんな早い! わたし達は誰が行こっか?
愛莉:それなら、雫がいいんじゃない?
雫:えっ?
愛莉:ほら、朝ごはんの目玉焼き、玉子がふたごだったでしょ? ついてそうだわ!
雫:あ……ふふ、そうね。 じゃあ、行ってくるわ
遥:うん、お願い
雫:(……このくじで、私達が組むグループが決まるのね)
雫:(どのグループになったとしても、 良いライブになるように全力を尽くしましょう)
司会:——では、最後にMORE MORE JUMP!さん! くじを引いて、アルファベットをこっそり教えてください!
雫:……『A』です
司会:ふむふむ、出そろいました! それでは、さっそくアルファベット順に 合同グループを発表していきます!
司会:皆さん、モニタにご注目ください! Aのグループは——
司会:こちらです!
雫:えっ——

第 2 话:やるべきことを

LUMINA FORUM ホール
司会:Aのグループは、MORE MORE JUMP!と——
司会:Cheerful*Daysです!
雫:(アリサちゃん達と……)
アリサ:…………
コメント:『うそだろ!?』 『え、ま!?ホントに!?』 『雫様がチアデの曲やるってこと!?』
司会:これはまた、注目のカードがそろいましたね! コメントの勢いもすごいことになってます!
雫:(ライバルとしてぶつかるかもとは思っていたけど、 まさか、一緒にライブをすることになるなんて……)
雫:(でも——私達の夢のために……何より、 お客さんに楽しんでもらうために全力で頑張るだけ)
雫:(その想いは、きっと——)
雫:……アリサちゃん、みんな。 一緒にいいステージにしましょうね
愛莉:(雫……)
アリサ:……当たり前でしょ。 まあ、よりによって?って感じではあるけど
アリサ:やるからには最高のステージを目指すから。 そっちも、そのつもりでいてよ
雫:——ええ!
スタッフ:チアデとモモジャンの組み合わせですか…… これは面白くなりそうですね
有澤:ええ。彼女達ならきっと、 言葉どおり最高のステージにしてくれると思うわ
有澤:彼女達だけでなく、他のグループの皆さんも。 本番ではこれまで以上の輝きを 見せてくださるんじゃないかしら
有澤:ライバルからは、本当に—— たくさんのものを貰えるもの
スタッフ:たくさんのものを、ですか……
有澤:学びや刺激もそのひとつ。 この企画は、きっとそれらを贈り合うきっかけになるわ
スタッフ:なるほど……では、彼女達がまた一歩 前に進めると嬉しいですね
スタッフ:今回は邦木さんも来てくれましたし…… いやあ、有澤さんの人脈の広さには驚きましたよ!
有澤:いえ、私も無理を言ってお願いしたの。 番組を盛り上げるためもあるけれど……
有澤:この企画は——とても難易度が高いから
数十分後
レッスンルーム
遥:改めて——MORE MORE JUMP!です。 よろしくお願いします
みのり・雫・愛莉:『よろしくお願いします!』
アリサ:ご丁寧にどうも
アリサ:Cheerful*Daysです。 今回は同じライブを作るチームとして——よろしくお願いします
メンバー達:『よろしくお願いします』
雫:…………
雫:(Cheerful*Daysの選抜メンバーは7人。 中には、私と同期の子もいる——)
雫:(……みんな、顔には出さないけれど……)
コメント:『なんか空気微妙』 『ちょっとピリついてる?』 『どうなるんだこれ…!』
みのり:う……
雫:(……見てるみんなにも、伝わっているみたい)
愛莉:番組的にはおいしいでしょうけど、 ちょっと良くない空気ね
遥:そうだね。練習に持ち越さないように、どこかで——
アリサ:じゃ、切り替えてくよ
雫:あ……
アリサ:さっきも言ったけど、やるからには 他のグループを圧倒するような、最高のステージにする
アリサ:どんな時もトップに立つのが、Cheerful*Daysだから。 それは誰と組んでも変わらない
アリサ:だから今は、余計なことは考えないで 私達のやるべきことをやろう
雫:(アリサちゃん……)
メンバー:……わかってるよ。 チアデとして、半端な真似はできないから
雫:(やっぱり、アリサちゃん達も本気で このライブに向き合ってる)
雫:(だったら——)
雫:私も、絶対に最高のライブにするって覚悟で取り組むわ
雫:今の私の全部を、このステージにぶつけるつもりよ
愛莉:……そうね。お互いベストを尽くして、 いいものにしていきましょ
真理奈:はい! 一緒にがんばりましょうね、MORE MORE JUMP!さん
遥:それじゃあ、さっそく練習に入ろうか
遥:まずは、どう練習を進めていくか計画を立てたいって 思うんだけど、どうかな?
アリサ:異論ないよ。限られた時間で仕上げるなら、 ちゃんとタイムスケジュール決めたほうがいいしね
アリサ:で、意見なんだけど。 明日、なるべく早く邦木さんにパフォーマンスを見せたい
アリサ:せっかく邦木さんにアドバイスしてもらえるなら、 ブラッシュアップの期間をなるべく確保したいから
遥:私もそう思う。そのためには——
遥:今日中に、最低でもノーミスで通せるようになりたいな
みのり:今日中に、ノーミスで……
みのり:でも、この期間で仕上げるには そのくらいの気持ちでやらないとだよね!
雫:だけど……今から歌割りを決めて、 歌を覚えて振り入れして、となると……かなりハードよね
愛莉:そうね。人数が違うから、 フォーメーションの調整もしないといけないし……
遥:うん。ここはなるべく効率よく進めたいね
遥:そこで、提案なんだけど…… 歌とダンスがある程度形になるまでは、 お互い教え合うのはどうかな?
雫:あ……たしかに、そのほうが 動画を見て覚えるよりも早くインプットできそうね
アリサ:じゃあ、時間を区切って交互に教え合うのはどう?
アリサ:最初の1時間で私達が歌を教える。次の1時間でその逆。 同じことを、フォーメーションの調整や ダンスの振り入れでもやっていく
アリサ:それで、お互い形になったら あとは各自で完璧になるまで仕上げるってことで
遥:うん、いいと思う。 みんなも大丈夫そうかな?
雫:——ええ、問題ないわ
アリサ:とにかく、時間がない。 明日がドームライブ本番ってくらいの気持ちで仕上げるよ
みんな:『ええ!』 『はい!』
雫:(……みんなの気持ちが、ひとつになっていってる)
雫:(流石アリサちゃん…… Cheerful*Daysのリーダーね)
雫:(私も、このチームのために できることを頑張らなきゃ……!)

第 3 话:噂話

LUMINA FORUM レッスンルーム
雫:♪————~~!
コメント:『モモジャンSilent Bloomやるんだ!』 『これ、チアデの新曲だよね?』 『かっこいいけど難しそう』
雫:(……この曲は、『独りでも堂々と立てる強さ』がテーマ)
雫:(ラップ調のパートや力強いフレーズが特徴的で、 誇りや美しさを感じられるCheerful*Daysらしい曲だわ)
雫:(でも、MORE MORE JUMP!とは 全然雰囲気が違うし、難易度もかなり高い……)
みのり:♪——! ♪——、——……
みのり:う……ラップのところ、やっぱり息続かないなあ。 発音もフワフワしちゃうし……
雫:(みのりちゃんは特に、慣れない曲調に 苦戦してるみたいね)
雫:みのりちゃ——
メンバー:低音のラップは、重心を落としてお腹にぐっと力入れるといいよ。 あと、焦らず丁寧に言葉を届けるのを意識して
みのり:は、はい!
メンバー:まずはテンポ落として、アクセントの位置を確認しながら やってみよう。せーのっ
みのり:♪——! ♪——、——!
メンバー達:『♪——、♪————!』
遥:うん、完璧。流石だね
アリサ:ま、覚えやすいメロだからね
アリサ:あ……このフレーズ、アクセントの位置変えて ちょっとリズムに遊び入れるのよさそう。 こんな風に——
アリサ:♪——、♪—、———!
真理奈:もっと抑揚つけても面白いかもしれませんね。 例えば——
コメント:『おお、チアデっぽくなった』 『なんか新鮮で面白い!』
愛莉:アレンジ入れる余裕まであるなんて……。 わたし達も、負けてられないわね
アリサ:1、2、3、4——ストップ
アリサ:そこの移動はスライドステップで。 ギリギリまで足を残して優雅に見せて
雫:——はい!
愛莉:(さらっと言ってくれるわね……)
遥:(ただでさえ複雑なフォーメーション移動なのに ……やっぱり難易度が高いな)
みのり:(でも、食らいつかなくちゃ……!)
アリサ:もう1回いくよ
アリサ:1、2、3、4、5、6、7、8——
真理奈:わ……MORE MORE JUMP!の皆さんすごいですね! 私、ここできるようになるのすっごく苦労したのに……
アリサ:それは、アンタの基礎が弱いからでしょ
アリサ:(……でも、思ってた以上に踊れてる)
アリサ:——残す方の足、力が入って硬く見えてる。 もう1回!
遥:ラスト! 移動して——ポーズ!
みのり:す、すごい……! もう全部覚えちゃった!
愛莉:しかも、ひとつひとつの動きが綺麗ね……。 悔しいけど、流石だわ
アリサ:これくらいで感心されても困るんだけど?
アリサ:……でも、まだまだ粗い。 もっと洗練させて、隅々まで美しく見せていこう
メンバー達:『はい!』
アリサ:そっちも、見てて気づいたことあったら意見ちょうだい
遥:わかった。じゃあまず、アウトロの振りなんだけど——
雫:(みんなの妥協しない姿勢……相変わらずね)
雫:(私も、もっと……!)
数時間後
コメント:『お疲れ様!』 『すごい見応えあった……』
雫:みんな、見守ってくれてありがとう!
雫:(ふぅ……。なんとか、歌もダンスも ひととおり覚えられたわね)
雫:(……すごく丁寧に教えてもらえて、助かったわ)
アリサ:これでそっちも振り入ったし、 あとは別々でいいよね?
遥:うん。最低でもノーミスで通せるように、 お互い仕上げていこう
みのり:はい! Cheerful*Daysの曲、 やっぱり歌もダンスも難しいから頑張らなきゃ……!
みのり:あ、でも雫ちゃんはすっごく上手にできてたよね!
雫:え、本当?
愛莉:そうね。まだインプットの段階なのに、 曲のテーマをちゃんと表現できてたと思うわ
雫:私もいっぱいいっぱいだったけど…… そう見えてたなら嬉しいわ
雫:(……Cheerful*Daysらしいパフォーマンスを 体が覚えていたのかもしれないわね。それに……)
雫:……この短時間でここまでできるようになったのは、 アリサちゃん達が丁寧に教えてくれたおかげよ
雫:本当に、ありがとう
アリサ:別に、最低限のパフォーマンスしてもらわないと こっちも困るってだけだから
アリサ:ま……明日もこの調子でよろしく
雫:……! ええ!
愛莉:……たく、相変わらず上からね
遥:じゃあ、少し休憩したら練習再開しよう
みのり:はーい!
雫:(……ここからが頑張りどころね)
雫:(Cheerful*Daysのパフォーマンスの特徴や魅せ方なら、 私もよく知っているわ)
雫:(きっと、力になれるはず——)
雫:(MORE MORE JUMP!を引っ張っていけるように、 頑張らないと!)
数時間後
廊下
雫:ふわ~……
雫:(眠いわ……。 今日は、遅くまで練習してたものね)
雫:(でも、みんなで力を合わせて 目標のクオリティにたどり着けたわ)
雫:(あとは明日、邦木さんにアドバイスをもらって、 もっとブラッシュアップしていかなきゃ……!)
雫:それにしても……自販機、なかなか着かないわね
雫:……もしかして、道を間違っちゃった?
雫:(やっぱり、誰かについてきてもらえばよかったかしら……)
雫:……あ! あれって、目印にしていた花瓶よね? ということは、ここをまっすぐ進めば——
???:『——雫ちゃん!』
雫:えっ?
雫:あ……! めーちゃん!
MEIKO:『こんばんは! カメラは……夜は回ってないのよね?』
雫:ええ、大丈夫よ
MEIKO:『よかった! 実は今日、 みんなの練習をのぞいてたんだけど……』
MEIKO:『がんばってる雫ちゃん達を見てたら、 どうしても何かしたくなっちゃったの!』
MEIKO:『というわけで、めーちゃんのスペシャルエールを 贈らせてちょうだい!』
雫:スペシャルエール?
MEIKO:『いくわよ~!』
MEIKO:『フレー、フレー、雫ちゃん! L・O・V・E・雫ちゃん!』
MEIKO:『一緒に! ファイト~~~』
雫・MEIKO:『おー!』
雫:ふふ。ありがとう、めーちゃん! とっても元気が出たわ
MEIKO:『よかった♪』
MEIKO:『このうちわとペンライト、 本番のライブを盛り上げるためにミク達と準備したのよ』
MEIKO:『みんなで応援してるから、明日からもがんばってね!』
雫:ええ……! 期待に応えるためにも、 素敵なライブにしてみせるわ
MEIKO:『でも……今のところ、順調そうね。 Cheerful*Daysのみんなとも、上手くやれてるように見えたわ』
雫:……ええ、そうなの
雫:みんな、“最高のステージにする”って想いで ひとつになってるのを感じて……
雫:私にこんなこと思う資格はないかもしれないけど…… それがとっても嬉しかったの
雫:アリサちゃん達とまたこんな風に練習できるなんて、 思ってなかったから
MEIKO:『雫ちゃん……』
メンバーA:——はあ~、疲れたー
メンバーB:ハードスケジュールだよね~、 全国ツアーの時思い出すなあ……
MEIKO:『あの子達……Cheerful*Daysの子達よね?』
雫:ええ、このタイミングで会うなんて、偶然ね。 ちょっと挨拶に——
メンバーA:にしても、まさかまた雫とライブすることになるなんてね
雫・MEIKO:『……!』
メンバーB:……まあ、頑張ってるみたいだったけど。 やっぱり、あの頃のこと忘れるなんて無理かな
メンバーA:……散々フォローさせられたのに、 貧乏くじ引いてばっかだったしね。 そう簡単には許せないっていうか……
雫:(……そう、よね)
メンバーA:仕事だし、ちゃんとやりきるけどさ~……
メンバーB:……うん。明日も早いし、はやく寝よ
MEIKO:『雫ちゃん……』
雫:……大丈夫よ。 みんなが言っていたことは、全部本当だもの
雫:むしろ——
雫:今の話を聞いて、もっと頑張らなくちゃって思ったわ
MEIKO:『え……?』
雫:みんな思うところがあったのに…… 練習中は、少しも表に出さなかった
雫:それどころか、私にも真剣に教えてくれて—— みんな、本気でこのステージと向き合っているのよね
雫:だから私も、その想いに応えたい
雫:そして、昔迷惑をかけてしまった分 今度は私が、少しでもみんなの力になれたら……嬉しいわ
MEIKO:『……雫ちゃんなら、絶対できるわ』
MEIKO:『みんなの合同ステージ、楽しみにしてるわね!』

第 4 话:難しさの意味

翌日
LUMINA FORUM レッスンルーム
雫:(曲が終わったら暗転。 素早くCheerful*Daysと入れ替わって……)
雫:(明転と同時に、アリサちゃん達のパフォーマンスがスタート)
アリサ:——うん、メドレーの転換は問題なさそうだね
アリサ:そろそろ邦木さんにアポ取った時間だから、 移動しようと思うけど……みんな、準備はいい?
雫:大丈夫よ
アリサ:——じゃあ、行くよ
数分後
LUMINA FORUM イベント会場
遥:——失礼します。 邦木さんに、パフォーマンスを見ていただきに来ました
司会:おっ、約束の時間ぴったりですね! どうぞ入ってください!
コメント:『チアデとモモジャンが一番乗りか』 『朝早すぎて見逃すとこだったわ』 『ここのライブ楽しみすぎる!』
雫:(……短い期間だったけれど、やれることは全てやったわ)
雫:(あとはただ——私達の全力をぶつけましょう)
邦木:いやあ、まさかこんな朝早くから 講評をお願いされるとは思わなかったよ
邦木:しかし……ストイックな君達なら納得だ
アリサ:お久しぶりです、邦木さん
遥:またお会いできて嬉しいです
邦木:僕もだよ。 あの頃からどう成長してるのか、楽しみだな
邦木:さあ、時間ももったいないしさっそく見せてもらおうか
遥:——はい! よろしくお願いします
雫:(……曲順は、MORE MORE JUMP!が先)
雫:(アリサちゃん達が、圧倒的な歌とダンスの実力で 『強さ』を表現しているように——)
雫:(私達も発音、表情、体の使い方…… 細かいところまで、限界まで体に叩き込んだわ)
雫:(始まった瞬間から、完璧なパフォーマンスで、 みんなを引き込んでみせる——!)
司会:では、準備はいいですか? 画面の前の皆さんも、彼女達の努力の成果を 目に焼き付けてくださいね!
司会:それでは! ミュージック——スタート!
雫:♪————~~!
遥:(歌声、手足、瞳……全部使って、圧倒する!)
愛莉:(見せてあげるわ! このパフォーマンスで、わたし達の強さを!)
みのり:(っ、やっぱり動きが激しくて息が辛い……!)
みのり:(でも——絶対負けない! ひとつひとつの言葉に想いを乗せて……!)
みんな:『♪——! ♪——、——~~!』
コメント:『お、かっこいい!』 『チアデの振り完璧じゃん!』 『雫様ーーー!!!』
みのり:はぁ、はぁ……
コメント:『最後も決まった!』 『やるなモモジャン』 『みのりちゃんまた上手になったね!』
雫:(……全部、出し切れたわね)
雫:(ここからは——)
アリサ:♪—! ♪—! ♪——~~~!
雫:…………!
コメント:『え、なんか振りつけ違くない!?』 『めっちゃキレキレ!』 『モモジャンの曲なのに、チアデっぽい!』
みのり:わ……やっぱり、かっこいい……!
遥:……まさか、1日でここまで ものにしてくるなんて思わなかったよね
愛莉:ええ……Cheerful*Daysにしかできない、 インパクトのあるパフォーマンスになってるわ
雫:…………
アリサ:♪——————~~~!
雫:(……本当ね。完璧なだけじゃない。 私達の曲を、完全にCheerful*Daysの色に染め上げてる)
邦木:…………
アリサ:——ありがとうございました
みんな:『ありがとうございました!』
司会:お疲れさまです~! どちらもいいパフォーマンスでしたね! 中間発表とは思えないくらいコメントも盛り上がってました!
司会:それでは邦木さん、講評をお願いします!
邦木:ふむ、そうだね……
邦木:まず——どちらのグループも、 ここまで仕上げてくるなんて驚いたよ
雫:あ……
邦木:MORE MORE JUMP!は、1日で形にするには 難易度の高い曲だったと思うけど…… 原曲へのリスペクトと、やり遂げる強い意志を感じた
邦木:その想いが、パフォーマンスを通じて伝わってきたよ。 君達はまさに、この曲を体現していた
みのり:あ……ありがとうございます!
邦木:Cheerful*Daysは自分達をどう表現したいのか、 どう見せたいのか、確固たる軸があるのを感じたよ
邦木:それをメンバー全員で共有し、 ここまで形にできるのは大したものだ
アリサ:ありがとうございます。 そう言っていただけて光栄です
邦木:ただ、その上で言わせてもらうと——
邦木:どちらのグループも…… トレードライブとしては不合格だ
アリサ:不合格……ですか
邦木:ああ。このトレードライブでファンが求めていることが、 わかってないように見えたからね
雫:ファンが求めていること……
邦木:今の時代、“完成度の高いコピー”というだけなら、 動画サイトに数多くある。 ファンが見たいのは、その先だよ
雫:…………!
邦木:逆に、アレンジはよくても楽曲のテーマや魅力が 表現されていなかったらどうかな? もともとその曲が好きな人には、刺さらなそうだよね
邦木:このライブはね、トレードした楽曲やグループの特徴を 君達なりに取り入れ、表現した 唯一無二のものが求められているんだ
邦木:以上を踏まえて——まずMORE MORE JUMP!。 リスペクトはとても大切だけど、君達の色が消えてしまっていた
邦木:このままでは、君達がやる意味はないんじゃないかな?
遥:……そう、ですね。 その通りだと思います
邦木:Cheerful*Daysは、自分達の色を出せている点はよかったね
邦木:でも、やりすぎはいただけない。 曲に込められた意図や想いが おざなりになっていると感じる箇所が多々あったよ
アリサ:……はい。おっしゃる通りです
邦木:結論。曲や相手の特徴——“らしさ”を表現しながら、 自分達の色も出せるように もっと工夫する必要があると感じたよ
邦木:だけど、こんなに考えて努力できる君達だ。 素敵なライブを見せてくれるのを期待しているよ
遥:——はい! 必ずいいものにしてみせます
アリサ:ご指導、ありがとうございました
雫:(完成度の高いコピー……)
雫:(本当に、邦木さんの言うとおりね。 私は、完璧なパフォーマンスにこだわって、 私達らしさを見失っていたわ)
雫:(とても情けないけど…… でも、これでやるべきことはわかった)
雫:(この曲で、私達の魅力を表現して—— 邦木さんやファンの想像を超えるライブにしてみせる……!)
有澤:流石、邦木さんね。 彼女達の課題を一目で見抜いて、導いてくださったわ
有澤:さあ、ここからが正念場よ
有澤:このライブで、あなた達がどんな新しい輝きを 見せてくれるか……私も楽しみにしているわね
数十分後
遥:まずはみんな、お疲れさま。 必要なら休憩を取ろうと思うけど……
アリサ:大丈夫。時間ないし、すぐ作戦会議に入ろう
雫:ええ
雫:このままじゃ——終われないもの
愛莉:邦木さんのアドバイスは、相手の“らしさ”を取り入れた上で、 楽曲をものにしなさいってことよね
みのり:うん! ……でも、両方の特徴を 表現するってすっごく難しそうだよね
真理奈:はい……それに私、MORE MORE JUMP!さんの“らしさ”を なんとなくでしかわかってない気がして
真理奈:取り入れろって言われても、 具体的にどうすればいいかイメージがわかないと言いますか……
遥:私も……もっとCheerful*Daysのことを 知る必要があると思った
遥:私達との共通点や違いを理解できれば、 パフォーマンスをうまく融合できるかもしれないから
雫:……じゃあ、まずはもっと 教え合うところから始めるのはどうかしら?
雫:楽曲や、もっと深く——自分達のことについても
アリサ:……そうだね。 理解してないものを表現することはできないし
アリサ:曲のテーマ、グループのコンセプト。 普段何を大切にしてパフォーマンスしてるか…… そういうことについて、なるべく詳しく情報交換しよう
遥:それじゃあ、まずは私達から。 MORE MORE JUMP!の“らしさ”は——

第 5 话:それぞれの色

数十分後
LUMINA FORUM レッスンルーム
遥:なるほど。今の話をまとめると——
遥:Cheerful*Daysの“らしさ”は、『高嶺の花』
遥:ダンスも歌もビジュアルも突き抜けた、 誰もが憧れるアイドルであろうとしてるってことだね
真理奈:はい。今回MORE MORE JUMP!さんに やっていただくSilent Bloomでも、 このコンセプトを大事にしてパフォーマンスしてます
真理奈:独りでも、自信と誇りを胸に堂々と歩いていける…… そういう強さを表現して、 誰かにとっての『憧れ』になれるように
アリサ:で、MORE MORE JUMP!の“らしさ”は 『ありのまま』なところ
アリサ:等身大でファンに寄り添う身近さを 大事にしてる、か……
雫:ええ。それは、この曲の『そばにいるよ』って テーマを表現する時も同じよ
雫:飾らない、ありのままの自分で 『一緒に頑張ろう』って手を伸ばすイメージで パフォーマンスしているの
愛莉:……これで、曲やグループについては ある程度理解できたけど……
愛莉:知れば知るほど、難しそうね。 チアデの“らしさ”を取り入れて、 わたし達のパフォーマンスとひとつにするのは……
雫:……ええ
雫:(改めて整理してみると——私達の方向性は、真逆だわ)
雫:(うまくまとめないと、 相手の良さと自分達の色が噛み合わなかったり 中途半端になったりしてしまいそう……)
雫:(一体、どうすれば——)
アリサ:たしかに、バランスを取るのが難しそうではあるけど…… これでやるべきことは見えた
アリサ:あとは各自で練っていこう。 邦木さんに指摘された課題は2組とも違うし
雫:……そうね
アリサ:じゃあ、チアデは向こうで続きやるよ
メンバー達:『はい!』
遥:こっちも、私達の課題に向き合おう
みのり:うん! Cheerful*Daysの曲で どうやってわたし達らしさを表現していくかってことだよね!
愛莉:ええ。チアデの良さを残したまま、 わたし達らしさを出すには——
雫:(難しいけど……両方のグループを知ってるからこそ、 見えるものがきっとあるはずよ)
雫:(もっと深く考えなきゃ……)
雫:(……Cheerful*Daysは、『高嶺の花』の アイドルグループとして売り出された)
雫:(女性人気も高くて、“こんな風になりたい!”って 思ってくれるファンの子達も多かったわ)
雫:(“身近”とは真逆、“憧れ”の存在……)
雫:(だからきっと、親しみやすさを感じるアレンジは、 Cheerful*Daysの良さを消してしまう……)
雫:(それなら——)
雫:——『こっちに来て』ってコンセプトで、 振りや歌い方をアレンジするのはどうかしら?
みのり:こっちに来て……?
遥:どうして、そのコンセプトなの?
雫:えっと……MORE MORE JUMP!とCheerful*Daysの “らしさ”の違いは、ファンにとって“身近”な存在か、 “憧れ”の存在かにあると思うの
雫:私達は、ファンの“近く”に立って、 一緒に頑張ろう!って気持ちを届けようとしているけど……
雫:Cheerful*Daysは、“憧れ”の場所に立つことで、 そこへ近づくために頑張ろうって気持ちを 引き出そうとしているから
雫:だから、Cheerful*Daysの曲で どっちの“らしさ”も表現するなら——
雫:“憧れ”の場所から、お客さんを“近く”へ引き上げるような イメージでアレンジすればいいんじゃないかって
みのり:あ……! だから『こっちに来て』なんだ
遥:なるほど……じゃあ、圧倒的なパフォーマンスで “憧れ”を植えつけながら、“近さ”も感じてもらえるように アレンジしてくって感じかな
雫:ええ……! 例えば、 『本当の私を知らないでしょ?』って歌詞があるでしょう?
雫:ここはもともと、孤高の女性が 周りを拒絶するようなイメージで踊っていたけど……
雫:こんな風に、『こっちに来て』って誘うアレンジにすれば——
愛莉:……! 近づいてくるのを待ってるって 感じの表現になるわね
みのり:うん! 突き放すんじゃなくて、 引っ張ろうとしてくれるみたいだったよ!
遥:でも、あくまで曲の『独りでも堂々と立てる強さ』ってテーマや Cheerful*Daysらしさは守れてる……
遥:……たしかに、この方向性なら “憧れ”と“身近さ”を両方表現できそうだな
雫:……! じゃあ……
遥:私はこの案、賛成だよ。 みんなはどう?
みのり:うん! すごいよ雫ちゃん!
雫:よかった……!
遥:じゃあ、頭から見直していこう
愛莉:そうね……イントロはまだ、 “遠い”ってイメージに寄せて——
雫:……ふう。私達なりのアレンジがまとまったわね
みのり:よかった~……! これなら本番に間に合いそう!
愛莉:ええ、テーマがあったからアイディア出しやすかったし、 うまくまとまったと思うわ
愛莉:改めてありがと、雫
雫:私はできることをしただけだけど…… 力になれたならよかったわ
遥:でも——重要なのはここからだね
遥:『こっちに来て』ってコンセプトは 憧れを抱いてもらえる歌とダンスが前提になってるから
雫:ええ。アレンジを加えても、クオリティは落とせないわ。 今まで以上に、完璧を目指して詰めていかなくちゃ!
みのり・遥・愛莉:『うん!』 『ええ!』
数時間後
遥:——ラストはもっと余韻を残して!
雫:みのりちゃん、手の動きが硬いわ。 手首を使って滑らかに
みのり:はい! こうかな……!?
雫:……ええ! いいと思うわ
愛莉:これで、アレンジの振りも覚えられたし、 あとはひたすら特訓ね。 時間が許す限り詰めていくわよ!
みのり:おーっ!
アリサ:——ねえ、ちょっといい?
雫:アリサちゃん? 何かしら
アリサ:今日のうちに、もう1回通し練習したいと思って
アリサ:こっちもアレンジが固まったから、 本番を想定したパフォーマンスで確認したいんだよね
遥:……そうだね。私達としてもありがたいな
アリサ:じゃあ、決まりね。 さっそくで悪いけど、今からいける?
遥:うん、すぐ準備するね
雫:(本番は明後日。残り時間を考えると 通せる回数は限られてるわ)
雫:(アリサちゃんも言っていたとおり、 これが本番だと思って臨まなくちゃ)
雫:(私達が出した答えを信じて—— 今度こそ、MORE MORE JUMP!にしかできない パフォーマンスをしてみせる!)
真理奈:——じゃあ、音楽かけますね!
みのり:よろしくお願いします!
雫:♪————~~~~!
アリサ:……へえ
真理奈:MORE MORE JUMP!の皆さん、 さらにパワーアップしてますね!
アリサ:……たしかに、歌のパワーが増してるし、 ダンスも前よりメリハリがついてる
アリサ:Cheerful*Daysのらしさ—— 憧れを生むパフォーマンスを 意識して練習したんだろうね
アリサ:(……でも、それだけじゃ——)
アリサ:……!
アリサ:(何? 今の……)
アリサ:(表情が一瞬崩れた。 ミス、じゃない。これは……)
アリサ:(ほんの少しだけ、心を開いてる表現——? それも、やりすぎない絶妙なバランスで)
アリサ:(雫だけじゃない。他のメンバーも)
アリサ:(時々ふっと緩む表情、挑発的な仕草……)
アリサ:(まるで、『あなたも来れるでしょ?』って 引っぱろうとしてるみたい……)
アリサ:(そっか、これがMORE MORE JUMP!の……)
雫:(……次は、アリサちゃん達の番。 一体、どんなパフォーマンスを……)
アリサ:♪—! ♪—! ♪——~~~!
愛莉:……やっぱり、すごいわね
遥:うん……洗練されたパフォーマンスはそのままに、 歌声や表情で『そばにいるよ』ってテーマも表現してる
愛莉:まあ、どっちかっていうと 『仕方ないからそばにいてあげる』っていうか…… ちょっと高飛車な感じだけど
雫:ふふ。でも、みんならしくてとっても素敵だわ
みのり:うん! かっこいいとかわいいが押し寄せて、 頭の処理が追い付かないよ~
雫:(……でも——)
雫:(この違和感は何かしら……?)
雫:(アリサちゃん達なら、もっと——)
真理奈:皆さん、お疲れさまでした~!
みのり:お疲れさまでした! すっごくす~っごくよかったです! いつものCheerful*Daysとギャップがあって……!
アリサ:ありがと。 ……でも、そっちも良かったと思うよ
アリサ:むしろ——
みのり:……?
アリサ:……ううん、なんでもない
アリサ:じゃあ、ここからはまた分かれて練習ってことで
雫:(あ……)
アリサ:——みんな、5分休憩したらすぐ練習再開するよ
メンバー達:『はい!』
雫:あの——アリサちゃん!
アリサ:……何?
雫:えっと……
雫:もし、私に手伝えそうなことがあったら 言ってほしいと思って
アリサ:……手伝うって、 そっちもまだ完璧に詰められてないのに?
雫:ええ。でも……
アリサ:だったら、今は自分達に集中するべきでしょ
アリサ:……心配しなくても、 こっちはこっちで最高のパフォーマンスをする
雫:あ……
雫:……そうね。 ごめんなさい、出すぎたことを言ってしまって
雫:(……アリサちゃんが言っていることは、正しいわ)
雫:(……でも……)
みのり:雫ちゃーん! 休憩しながら、通しの動画一緒に見よう!
雫:あ……ええ!
雫:(……アリサちゃんの言うとおり、 私達もまだ完璧には程遠いわ)
雫:(今は、自分達に専念しなくちゃ)

第 6 话:拭えない想い

翌日
LUMINA FORUM レッスンルーム
遥:1、2、3——ポーズ!
コメント:『おー!ノーミスじゃない?』 『昨日よりモアモア進化してるな』 『はやく本番で見たい……!』
遥:……うん、だいぶ仕上がってきたね
雫:ええ。アレンジを入れたところも、 ちゃんと伝わるような表現になっていたと思うわ
愛莉:あとは、とにかく繰り返して身体に馴染ませるだけね
遥:じゃあ、いったん夕方までは 個人で気になるところを確認する時間にしようか
みのり:はーい! ソロのとこもっとかっこよく 決められるようにがんばるぞー!
雫:(アリサちゃん達は……)
雫:…………
愛莉:雫? どうかした?
雫:あ……なんでもないわ。 ちょっとお水を買ってくるわね
愛莉:え? ええ……いってらっしゃい
廊下
雫:ええと、自販機はたしかこっちに……
雫:あったわ! ええと、スマホでお会計するには……って——
雫:めーちゃん!?
MEIKO:『雫ちゃん、しー!』
雫:あっ、ごめんなさい……!
雫:えっと、カメラの死角に移動して…… ここなら大丈夫そうね
雫:めーちゃん、今日も応援しに来てくれてたの?
MEIKO:『ええ! みんなが頑張ってるところ、 バッチリ見てたわ』
MEIKO:『MORE MORE JUMP!のパフォーマンス、 どんどんよくなってるわね』
雫:ありがとう。めーちゃんにそう言ってもらえると 自信がつくわ
MEIKO:『Cheerful*Daysのみんなもとっても頑張ってたし、 ますます本番が楽しみね』
雫:あ……
雫:……ええ、そうね
MEIKO:『……? 雫ちゃん?』
MEIKO:『なんだか、浮かない顔だけど…… もしかして何かあった?』
雫:えっと、何かあったってほどじゃないんだけど……
MEIKO:『……わたしでよければ、話してみない? スッキリするかもしれないわ』
雫:めーちゃん……
雫:……ありがとう。 それじゃあ、聞いてもらってもいいかしら
MEIKO:『そう……アリサちゃんと、そんな話をしたのね』
雫:……今はMORE MORE JUMP!に集中するべきって 頭ではわかってるの
雫:それに、アリサちゃん達が助けを求めていないことも
雫:でも……どうしてもアリサちゃん達の 力になりたいと思っちゃって
MEIKO:『力に……』
雫:ええ。Cheerful*Daysにいた頃、 みんなにはたくさん助けてもらったから
雫:完璧なキャラクターを守るために フォローしてくれていたのもそうだけど……
雫:デビューしたばかりの時は、 歌もダンスも初心者だった私にいろいろなことを教えてくれたの
雫:できるようになるまで、 夜中まで練習につきあってくれたこともあったわ
MEIKO:『……そうだったのね』
雫:Cheerful*Daysはチーム内の順位がはっきりしているから、 私達は仲間でありライバルだった
雫:それなのに、お客さんに最高のライブを届けるためにって、 みんなまっすぐ手を差し伸べてくれた
雫:それが、とっても嬉しくて…… みんなの気持ちに応えなくちゃって、頑張れたの
MEIKO:『雫ちゃん……』
MEIKO:『……だから雫ちゃんは、その時のお返しがしたいのね』
雫:……ええ。本当に、私の勝手な想いだけど……
雫:今、アリサちゃん達がもし困っているなら あの時みんながそうしてくれたように、私も力になりたいわ
MEIKO:『……なら、その想いをぶつけてみたらいいんじゃないかしら』
雫:え……
MEIKO:『こんなに強くて、まっすぐな想いだもの。 アリサちゃん達にも、きっと届くわ』
MEIKO:『それに、雫ちゃんの気持ちはもう 固まってるんでしょ?』
雫:……ええ、そうね
雫:みんなには断られちゃうかもしれないけど…… それでも、ちゃんと伝えたい
雫:——もう一度、話してみるわ。 アリサちゃん達と
メンバー:♪——! ♪——~~!
アリサ:(……やっぱり、納得いかない)
アリサ:(『ありのまま』にみえる声やダンス、表情を 徹底的に研究して取り入れた)
アリサ:(私達“らしさ”とも馴染むように計算したし、 パフォーマンスは完璧なはず)
アリサ:(それなのに……ずっと、何かが噛み合ってない感じがする)
アリサ:(このままじゃ——)
雫:——みんな、練習中にごめんなさい。 今、少し時間をもらってもいいかしら?
アリサ:えっ……
メンバー:雫……?
コメント:『あれ、雫ちゃんがチアデのとこにいる』 『なに話すんだろ?』 『ざわ…』
アリサ:……なに?
雫:みんなに、お願いがあって来たの
真理奈:お願い、ですか?
雫:私に——Cheerful*Daysのブラッシュアップを 手伝わせてもらえないかしら
アリサ:…………
アリサ:それは、昨日断ったはずだけど。 今は自分達のことに集中しようって
雫:そうね。 でも……どうしても、気になってしまって
アリサ:気になるって、何が……
雫:通しのパフォーマンスを見ていて、違和感を感じたの
雫:あのままでも素敵だったけど、 私の目には、アリサちゃん達が本調子には見えなかった
雫:だから……もしかしたら、 パフォーマンスに迷いがあるんじゃないかって
雫:……今言ったことが正しければ、 悩んでいることを教えてくれないかしら?
雫:私にも……両方のグループを経験しているからこそ、 できることがあるかもしれないから
アリサ:…………っ
アリサ:……そっちは、本当に大丈夫なの?
雫:ええ……! まだ詰め切れていないところもあるけど、 ゴールは見えているわ
雫:それに、みんなにも話をしてきてあるの
雫:——だから……今から少しだけ、 Cheerful*Daysのために時間を使わせてほしいの
雫:私のわがままでごめんなさい、でも——
愛莉:いいわよ。やりたいようにやってきなさい
雫:えっ……
みのり:みんなでいいライブにしたいって気持ちは、 わたし達も一緒だもんね!
遥:うん。日暮さん達が本当に困っているなら、 むしろお願いしたいな
雫:みんな……ありがとう!
雫:だから今は、力にならせてほしいの
雫:このステージを、最高のものにするために
アリサ:それで私達の完成度が上がったら…… 最終的に不利になるかもしれないとか、思わないの?
雫:……そうね。 ライバルとしては、正しくない行動かもしれないわ
雫:それでも——私はやっぱり、みんなと最高のライブがしたいから
アリサ:……それは、私も同じ気持ち
アリサ:——1回通しで踊るから、全部教えて
アリサ:どんなに小さくてもいいから、 雫が気づいたこと、全部
雫:……!
メンバー:ちょっとアリサ……本気?
アリサ:最初に言ったでしょ。 今は、最高のステージにすることだけ考えるって
アリサ:だから——よろしく、雫
雫:——ええ!

第 7 话:変わらない姿に

LUMINA FORUM レッスンルーム
アリサ:♪——————~~~!
雫:(……アリサちゃんは、『ありのまま』の表現を まだ掴み切れてないって言っていたわ)
雫:(等身大に見せる表情や仕草を研究して、 Cheerful*Daysらしい曲の解釈—— 『今はそばにいてあげる』ってテーマに落とし込んだ)
雫:(でも、どうしても違和感が出てしまうって)
雫:(たしかに……少しだけ、ぎこちなさを感じる)
雫:(でも、パフォーマンス自体には問題がない…… むしろ、完璧に見えるわ)
雫:(じゃあ、どうして……)
雫:(もしかして……)
アリサ:——このまま、ポーズを決めた状態で暗転。 ひととおりやってみせたけど……
アリサ:何か、気づいたことある?
雫:……ええ
雫:アリサちゃんが言っていたとおり、 みんなのパフォーマンスからは、少しぎこちなさを感じたわ
雫:それは——みんなの『ありのまま』が、 “作られたもの”だからだと思うの
雫:見せ方を計算して、徹底的に作り込んで 完璧なパフォーマンスをする……
雫:Cheerful*Daysのレッスンは、 そうやって曲を仕上げていくんだったわね
雫:私も、昔経験していたから…… 少しはわかるわ
アリサ:……それじゃ駄目だってこと?
雫:それ自体は良いことだし、 Cheerful*Daysに合っていると思うわ。でも——
雫:『ありのまま』に見せるなら、 もっと内側から……感情のままに表現することが 大切なんじゃないかって思うの
アリサ:……感情のまま……
雫:ええ。例えば……ジュリちゃんは、 意識的にいつもより明るい声で歌っているように感じたけど……
雫:もっと勝気に、ジュリちゃんの声で歌った方が合うと思うわ
メンバーA:それって……こんな感じ?
メンバーA:♪——、——~~~!
アリサ:……たしかに、MORE MORE JUMP!はしない歌い方だけど、 『ありのまま』には近い気がする
真理奈:はい! ジュリちゃんのこと、 さっきより近くに感じた気がします!
メンバーA:本当? ……でも、これじゃあ今の振りと合わないよね
雫:そうね……今の歌い方なら、 もう少し余裕な感じを出したほうが合うと思うわ
雫:例えば……両手を伸ばすんじゃなくて、 半歩前に踏み出して『そばにいる』って伝える表現にするとか
雫:こんな風に——
メンバーA:んー、わかるけど、 それだと動き小さすぎて見栄えしなくない?
メンバーB:もとの振りも少し残して、雫のと混ぜてみるのは? こんな風に、片手だけ差し出して——
雫:あ……いいわね!
真理奈:雫さん! 次、私のパートも見てもらってもいいですか?
雫:わかったわ
コメント:『雫ちゃんグッジョブ!』 『尊い助け合いが生まれている』 『この光景は、くるものが……』
アリサ:(……アンタに、借りを作るなんてね)
アリサ:(まあ、雫は気にしないだろうけど)
アリサ:(何の見返りもなく助けに来て。 そういうとこ——)
アリサ:(…………変わらないな)
数年前
Cheerful*Days シアター
プロデューサー:みんな、この前は3期生のお披露目ライブお疲れさま。 評判すごくよかったよ
プロデューサー:今後もその勢いで、先輩達を押し上げていってね
みんな:『はい……!』
プロデューサー:それで、ここからが本題なんだけど……
プロデューサー:今回の評判を受けて、次の全国ツアーに 3期生のみのカバーを追加しようと思ってるんだ
アリサ:えっ……本当ですか!
プロデューサー:うん。楽曲は、『君と見た幻』
プロデューサー:みんなも知ってのとおり、 『君と見た幻』は初代の東野なのかと柳瀬美佳が ダブルセンターを務めた人気曲だよ
プロデューサー:そして、センターは——
プロデューサー:雫ちゃんとアリサちゃんにお願いしたい
雫:私と、アリサちゃんが……?
プロデューサー:言うまでもなく、ツアーにはたくさんのお客さんが来るからね。 3期の人気を得るも、評判を落とすも ここでのパフォーマンスにかかってる
プロデューサー:ふたりとも、頼んだよ
アリサ:——はい!
アリサ:(3期だけじゃない。 ここで活躍できれば、選抜に一歩近づけるはず)
アリサ:(それに、ダブルセンターってことは、 当然みんな私と雫を比べるはず)
アリサ:(オーディションでは負けたけど…… 次は絶対に——)
雫:あの……本当に私でいいんでしょうか?
雫:私はまだ歌もダンスも下手ですし、 アリサちゃんと釣り合わないんじゃ……
プロデューサー:そう思うなら、釣り合うように努力してほしい
雫:あ……
プロデューサー:キミ達はオーディションのグランプリと準グラでしょ? ファンの間で注目度が高いんだ
プロデューサー:プロとして、みんなの期待に応えてよ
雫:みんなの期待に……
雫:……わかりました。 精一杯頑張ります
アリサ:…………
アリサ:(絶対に、このチャンスを掴んでみせる!)
アリサ:(3期のトップになって、選抜入りして、 そしていつか……)
アリサ:(Cheerful*Daysのセンターに——!)
アリサ:ふぅ……もうこんな時間か
アリサ:明日早いし、いい加減帰らないとな……あれ?
アリサ:……雫……
アリサ:(……やっぱり、ダンスは素人だな。 そこまで難しくない振りなのに、ミス連発してる)
アリサ:……雫! まだやってくの?
雫:あっ……ええ。 まだ全然踊れてないから
アリサ:頑張るのはいいけど、もう遅いんだから 無理しすぎないでね!
雫:ありがとう。 私も、もうちょっとしたら帰るわ
翌日
アリサ:……はぁ、はぁ……
アリサ:ちょっと、根詰めすぎたかな。 今日はこれくらいに——
アリサ:……え?
アリサ:雫、今朝も早く来て自主練してたのに……
アリサ:…………
アリサ:……私も、もう少しやってこっかな
数日後
アリサ:(……今日も残ってる)
雫:もっと、綺麗に踊れるようにならなくちゃ……!
雫:……でも、どうすればいいのかしら? ステップのキレを意識してみたけど、 あまり変わらなかった気がするし……
アリサ:——ねえ、雫
雫:えっ?
アリサ:重心移動、意識できてないんじゃない? それじゃあ、振りが合っててもキレイに見えないよ
雫:あ……
雫:たしかに、考えられてなかったわ。 ありがとう、アリサちゃん
アリサ:ま、ダブルセンターなんだから、 雫にもちゃんとしてもらわなきゃ困るしね
アリサ:やるからには、一緒に最高のステージにしよ!
雫:……! ええ!
数週間後
ダンスの先生:——ふたりとも、とても良くなったわね
ダンスの先生:特に——雫ちゃん。とても存在感があったわ
アリサ:(えっ……)
雫:あ……ありがとうございます!
雫:でもそれは、アリサちゃんが……
アリサ:——さすが雫だね
アリサ:私も、もっと頑張らないと
雫:あ……
アリサ:(……私、何やってんだろ)
アリサ:(もっと自分に集中してれば……)
アリサ:(……いや……)
アリサ:(……本当は、わかってる)
アリサ:(雫が今日まで、どれだけ努力したか)
アリサ:(——もっと、頑張らなきゃ)
雫:——アリサちゃん!
アリサ:えっ?
雫:やっぱり、まだ練習していたのね
アリサ:雫……。 何? 今日はもう帰ったんじゃなかった?
雫:そうしようと思ったんだけど……
雫:でも、アリサちゃんがまだ残ってるかもって思って
アリサ:……ダブルセンターとして、後れを取るわけにはいかないって?
雫:えっ? ううん、そうじゃなくて——
雫:アリサちゃんの力になりたいの
アリサ:え……
雫:私なんかに、できることがあるかはわからないけど…… フォーメーションの確認とか、動画の撮影とかなんでもするわ
アリサ:……なんで?
雫:だって……アリサちゃん言ってくれたでしょう?
雫:『一緒に最高のステージにしよう』って
アリサ:あ……
雫:ダブルセンターに選ばれた時、すごく不安だったから…… そんな風に言ってもらえて、とっても嬉しかったの
雫:だから、私もちょっとでも返せればと思って
アリサ:(……何それ)
アリサ:(たしかに、一緒にいいステージにしようと思ってる)
アリサ:(でも、それよりも私は——)
アリサ:(……なんか、馬鹿みたいだな)
アリサ:……わかった。 そこまで言うなら手伝ってもらおっかな
雫:本当……!?
アリサ:だけど、本番で私が雫よりずっといいパフォーマンスしても 恨まないでね?
雫:えっ? それは、えっと……
アリサ:ふふ、冗談だって
アリサ:今日はとことん、つきあってもらうからね!
アリサ:(あの頃からずっと、ムカつくくらいまっすぐだった)
アリサ:(でも……そういうところに——)
雫:アリサちゃん、ちょっといいかしら?
雫:サビ前のステップなんだけど、もっとよくなる気がして…… 一緒に合わせながら確認したいの
アリサ:……まったく……
アリサ:チアデが圧勝して、後悔しても知らないから
雫:あ…………
雫:——そうはならないわ
雫:MORE MORE JUMP!のことは、私が引っ張るもの
アリサ:……ホント、言うようになったね
アリサ:それで——サビ前だっけ? 合わせるよ
雫:ええ!
アリサ:——1、2、3、4!
雫・アリサ:『——♪! ——♪!』
真理奈:わ……あのふたり、息ぴったりですね!
メンバーA:…………そうだね
メンバーA:ほら真理奈、よそ見してないで私達もやるよ!
真理奈:あ、はいー!
MEIKO:(——よかったわね、雫ちゃん)
翌日 本番前
LUMINA FORUM イベント会場
司会:皆さんお待たせいたしました! ついに、本番のお時間です!
コメント:『うおおおおおお!!!』 『一番長い4日間だった』 『どのグループもがんばれー!』
司会:アイドル達は、様々な壁にぶつかり、 ライバルと切磋琢磨しながら乗り越えてきました
司会:その努力が花開く瞬間を、一緒に見届けましょう! 『アイドルソングトレードライブ』——スタート!
司会:トップバッターは、 MORE MORE JUMP!とCheerful*Daysです!
遥:みんな、準備はいい?
雫:ええ! やれることは全部やったもの。 あとは届けるだけだわ
アリサ:ちゃんと盛り上げてきてよ
愛莉:そっちこそ、コケるんじゃないわよ
雫:ふふ。それじゃあ——
雫:一緒に、最高のライブをしにいきましょう!

第 8 话:一緒に、最高のステージを

LUMINA FORUM イベント会場
コメント:『チアデとモモジャンきたー!』 『最初から目が離せない』
コメント:『練習から見てたぞーーー!』 『めっちゃ協力してて熱かった』 『アレンジどうなったか楽しみ!』
邦木:……いよいよですね、有澤さん
有澤:ええ。邦木さんの課題にどんな答えを出したのか、楽しみですわ
雫:(このステージを成功させれば、 決勝ステージに近づけるはず)
雫:(でも、それ以上に今は——)
雫:(見てくれる人達に、たくさんの希望を届けたい)
雫:(MORE MORE JUMP!だけじゃない。 Cheerful*Daysのみんなとも、一緒に)
雫:(そのために……)
雫:(パフォーマンスでも、私がみんなを引っ張ってみせる——!)
雫:♪————~~~~!!
コメント:『雫様ーーーー!!!』 『またチアデの雫様を拝めるなんて……!』 『はわ……きれい』
コメント:『モモジャンこういう路線もいけたんだ!』 『チアデ並みにパーフェクトビューティー!』 『昨日よりつよつよになってない!?』
千晴:すごい……力強くて、繊細で
千晴:でも——
遥:(圧倒するだけじゃ、終わらない)
愛莉:(ここから虜にしちゃうんだから!)
みのり:(さあ、一緒に——)
雫:(楽しみましょう?)
結雨:……っ!
コメント:『え、今のなに!』 『すごいドキっとした!』 『も、モモジャン…!?』
ひかりん:わあ……! ハートがピカピカしちゃう!
雫:(もっと——こっちに来て!)
コメント:『一生ついていきます…!』 『MORE MORE JUMP!はいつだって俺達を置いてかないんだ』 『うわーーーー!!!』
あかり:……好きだな、このモモジャン
あかり:憧れで、追いつけなくて—— でも、心に寄り添って、元気をくれる
千晴:……さすが、MORE MORE JUMP!だね
結雨:ええ
結雨:(でも……絶対に、この距離を埋めてみせる)
メンバー:……すごい盛り上がりだね
アリサ:……うん
アリサ:(……一緒に、ね……)
アリサ:(別に、チアデを一番にできれば、 それでよかったんだけど……)
アリサ:——私達も、続くよ!
真理奈:はい!
みのり・遥・愛莉・雫:『♪——、——~~!』
みのり:(……っ、だ、出し切った……!)
愛莉:(さあ、十分すぎるくらいあっためたわよ!)
雫:(あとは——任せたわ、みんな!)
アリサ:——いくよ!
アリサ:♪—! ♪—! ♪——~~~!
コメント:『チアデきた!』 『出だしからかっこよすぎでは!?』 『つ、強すぎる!!!』
有澤:(流石、Cheerful*Daysね。 最初の一瞬で観客の心を掴んでしまったわ)
有澤:(でも、あなた達ならこのくらい序の口よね)
有澤:(このままでは、終わらないでしょう?)
コメント:『今の表情!!!』 『優しい……だと!?』 『いいんですか!?』
アリサ:(やっぱりこういうの慣れないし、 向いてない気がするけど……)
アリサ:(今だけは——)
アリサ:(あなたの隣に、いてあげる!)
コメント:『うおおおおおお』 『ありがとう、ありがとう……』 『ハイ!ハイ!ハイ!』
みのり:わ……コメント、すごいことになってる!
雫:(このまま——)
アリサ:(最後まで……!)
アリサ:……!
真理奈:♪——、————!
アリサ:(まずい……前列、真理奈のポジションが若干ズレてる)
アリサ:(ギリギリまで調整してたから…… ううん、そんなの今はどうでもいい)
アリサ:(次の私のパート、歌いながら前に出て 真理奈と入れ替わることになってる)
アリサ:(でも、真理奈はターンしながら、 ノールックで下がってくるから……)
アリサ:(このままじゃ、絶対ぶつかる。 私が大きく動いてカバーするしかない——)
アリサ:♪——! ——、——!
真理奈:……!
アリサ:……っ
雫:あっ……!
遥:日暮さん、少しよろけたね
雫:ええ……たぶん、フォーメーション移動の時 無理な動きをしていたから……
雫:(それに……上手くカバーしているけど、 動きが鈍くなってる)
雫:(もしかして、どこか傷めて……?)
アリサ:(……最悪。よりによって本番中に……)
アリサ:(でも、そんなの見てる人には関係ない)
アリサ:(絶対、このまま踊りきる——!)
雫の声:——アリサちゃん! 頑張って!
アリサ:(……ったくさ……)
アリサ:(……ホント、ムカつく)
アリサ:(アンタに、言われなくたって——!)
アリサ:♪————~~~~!
みのり:アリサちゃん、盛り返した!
遥:それどころか……
アリサ:♪——! ♪————~~!!
コメント:『アリサーーーー!』 『眩しすぎて見えない』 『一生ついてくよ~~~』
雫:(昔から、ずっとそうだった。 強くて頼りになる、みんなを導いてくれる光で……)
雫:——本当に、素敵なアイドルね
有澤:……ありがとうございます、邦木さん。 おかげでとても素敵なライブを見られました
邦木:いえ、彼女達の努力の結果です。 まさか、あれだけのアドバイスでここまで化けるとは
有澤:ええ、本当に
有澤:——想像していた以上の輝きだわ
1時間後
司会:最後は、レインボンボンとReLightのパフォーマンスでした!
千晴:ありがとうございました!
あかり:ありがとー!
司会:全てのグループのパフォーマンスが終わりましたので、 これにてLUMINAタイムを終了します!
司会:どのグループも、限界まで挑戦し、 新しい姿を見せてくれました! 皆さん、大きな拍手をお願いします!
コメント:『88888888888888』 『お疲れさま~~~!』 『みんな輝いてたよ!!!』
愛莉:みんな! 練習中も本番も たくさん応援してくれてありがとね!
ひかりん:画面越しでも、がんばれ~って気持ちが ビビビーッと伝わってきたよ!
コメント:『お疲れさま~~~!』 『ReLightのダンスよかった!』 『ひかりんとバラードは混ぜるな危険(褒めてる)』
コメント:『でもやっぱり、チアデとモモジャンが圧倒的だったな』
雫:……みんなに届いて、よかったわ
遥:うん。いいライブにできたね
みのり:Cheerful*Daysの皆さん、お疲れさまでした! 本番中コメントすっごく盛り上がってましたよ!
真理奈:MORE MORE JUMP!の時もですよ! 私も見てて熱くなって……
真理奈:皆さんの想いに応えて、 絶対いいパフォーマンスしなくちゃって思いました
真理奈:ね、アリサちゃん!
アリサ:……まあ、そうだね
アリサ:同じグループになった時は、 正直どうなるんだろうって思ったけど……
アリサ:今は、一緒にやれてよかったって思ってる
愛莉:えっ……
アリサ:それと……雫
アリサ:アンタがいなかったら、ここまでのステージにはならなかった
雫:……!
アリサ:だから……Cheerful*Daysのリーダーとしてお礼言わせて
アリサ:——ありがと
雫:アリサちゃん……
雫:こちらこそ、ありがとう。 みんなとまたステージに立てて、私も本当に嬉しかったわ
コメント:『過去を乗り越えたふたり尊い……』 『何これ最終回?』 『どっちも追いかけててよかった……』
みのり:うん、うん……! わたしもなんだか、じーんとしてきちゃった……!
コメント:『あれ、カメラ切り替わった!』 『ひかりん映ってる』 『もうちょっと見たかったのにー!』
アリサ:……なーんてね。さっきのは配信用
みのり:へっ?
アリサ:今回はたまたま協力することになったけど、 競うってなったら容赦しないから
アリサ:その時は——今度こそ決着つけよう
雫:あ……
雫:——ええ!
アリサ:それじゃ
真理奈:ちょ、ちょっとアリサちゃん! えっと……MORE MORE JUMP!の皆さん 本当にお疲れさまでした!
愛莉:なっ……
愛莉:何よあれ! 絶対最後のいらなかったじゃない!
遥:ふふ。でも、日暮さんらしいね
雫:(……少しは、返せたと思っていいかしら)
雫:(それに——)
雫:(……もっと、自分を磨かなくちゃ)
雫:(私達の夢を叶えるために。そして——)
雫:(いつか来る“その時”、 ライバルにふさわしい私でいたいから)