活动剧情
ともに、トゥルールートを目指して
活动ID:189
第 1 话:いつもどおりの光景
宵崎家 キッチン
まふゆ:——目玉焼きできたよ
奏:ありがとう
奏:……ごめんね。学校の準備もあるのに わたしの分まで作ってもらっちゃって
まふゆ:別に、ついでだから
奏:あ、ご飯はわたしがよそうね
奏:……これくらいでいいかな?
まふゆ:うん
奏:それじゃあ——いただきます
まふゆ:いただきます
奏:ごちそうさまでした
奏:目玉焼き、ベーコンがカリカリしてて美味しかったよ
まふゆ:……よかった
まふゆ:(……やっぱり、ここにいると落ち着く気がする)
まふゆ:(……でも……)
まふゆ:(お母さんは、きっと今も……)
奏:……まふゆ。学校に行くまで、少し時間ある?
まふゆ:え……?
奏:よかったらお茶、飲んでいかない? この前、望月さんにもらった茶葉があるんだ
まふゆ:……じゃあ、もらおうかな
奏:うん、少し待ってて
奏:……そういえば、今日は帰りが遅くなるんだっけ?
まふゆ:うん。 校外学習の話し合いで、HRがいつもより長いから
まふゆ:放課後は学級委員会もあるし
奏:そっか……忙しそうだな
奏:……あんまり、無理はしないでね
まふゆ:……うん
まふゆ:奏も、あとでちゃんと寝てね
奏:うん、このあとすぐ寝るよ
奏:あ……お茶、そろそろいいかな
奏:——はい。熱いから気をつけてね
まふゆ:……ありがとう
数時間後
宮益坂女子学園 3年B組
教師:——連絡していたとおり、 今日のHRは全学年合同の校外学習について話していくわね
教師:校外学習の目的は、博物館や美術館などの文化施設を見学して 見聞を広げることよ
教師:今日はみんなに、どの施設へ行くか決めてほしいの。 施設は、プリントの一覧から選んでね。 5分後に希望をとるわ
教師:ただし、各施設の定員は10名。 オーバーしたら話し合いやじゃんけんで決めてもらうから、 そのつもりでいてちょうだいね
まふゆ:(博物館、美術館、資料館……)
まふゆ:(…………どれでもいいな)
クラスメイトA:ねえねえ! 『ワールドアート美術館』、よくない? 有名な絵がたくさん展示されてるんだって!
クラスメイトB:本当だ。プリントにのってる絵、歴史の教科書で見たことある! 生で見てみたいし、ここにしようかな
クラスメイトA:私も! まふゆはどこにするか決まった?
まふゆ:——私も、美術館が気になってたんだ。 歴史の勉強にもなりそうだから
クラスメイトA:お~、さすが優等生! じゃあ、3人で一緒に回ろう!
まふゆ:うん、よろしくね
教師:——はい、時間になったので希望を取るわよ
教師:まずは……『近未来博物館』に行きたい人、 手を挙げてちょうだい
教師:……8、9。 次は、『ワールドアート美術館』に行きたい人
クラスメイトA:はーい!
教師:10、11……。あら、ひとり多いわね
クラスメイトB:あー、じゃんけんになっちゃいそう
クラスメイトA:うう~、行けますように……!
まふゆ:(あ……)
まふゆ:それじゃあ、私が博物館に移ろうかな
クラスメイトB:えっ、いいの? でも……
まふゆ:もともと、博物館と美術館で迷ってたんだ。 だから、気にしなくて大丈夫だよ
まふゆ:ふたりと離れちゃうのは残念だけどね
クラスメイトA:う~、私も寂しいよ! でも、そういうことなら……
クラスメイトA:ありがと、まふゆ。 お互い楽しんでこようね!
まふゆ:うん。戻ったら感想教えてね
まふゆ:——先生。私、近未来博物館にします
教師:本当? ありがとう、助かるわ
教師:それじゃあ、次は——
第 2 话:予想外のお誘い
放課後
宮益坂女子学園 空き教室
まふゆ:(HR、思ったより早く終わったな。 委員会まで、まだけっこう時間がある)
まふゆ:(今日の議題は、学校生活の改善についてだっけ。 いくつか案は練ってきたけど…… みんなが来るまでブラッシュアップしておこう)
???:きんきんキンピカ近未来~♪
まふゆ:(この声……)
えむ:わんだーほいほい博物か~ん♪ ——あっ!
えむ:朝比奈センパイ! お疲れさまですっ!
まふゆ:お疲れさま、鳳さん。なんだかご機嫌だね
えむ:えへへ~♪ 校外学習が楽しみで! 近未来博物館、はやく行きたいな~!
まふゆ:そっか……鳳さんも博物館にしたんだね
えむ:っていうことは……朝比奈センパイもですか!?
まふゆ:うん。最新の科学技術を体験できるって 書いてあったから、面白そうだなって
えむ:そうだったんですね~!!
えむ:じゃあじゃあ、ぜひ宇宙のコーナーに行ってみてくださいっ!
えむ:宇宙飛行士になって、ぎゅーんってロケットを操縦したり、 無重力のところをふわふわ~って浮いたりできるんですよ!
まふゆ:えっ? 鳳さん、行ったことあるの?
えむ:はい! 実は博物館の前で ワンダーランズ×ショウタイムのみんなと ショーをしたことがあって!
えむ:その時遊びに行ったんですけど、 とーってもどきどきワクワクの場所でした!
まふゆ:そうなんだ……
まふゆ:教えてくれてありがとう。 鳳さんの話を聞いてたら、私も楽しみになってきたな
えむ:(あっ……)
えむ:(朝比奈センパイ、また笑ってるのに笑ってない顔だ……)
えむ:(……そうだ! わくわくって気持ちになったら、 笑顔になってくれるかも!)
えむ:えっと……! 今、近未来博物館に行くと、いつもよりもーっと スペシャルな体験ができるんですよ!
まふゆ:そうなの?
えむ:はいっ! なんと今、近未来博物館では——
えむ:『仮想世界技術展』っていう 特別なイベントをやってるんです!
まふゆ:『仮想世界技術展』……?
まふゆ:あ……そういえば、プリントに書いてあったかも。 VRとかARの最新技術を使った展示をしてるんだよね?
えむ:はい! 眼鏡をかけると景色が変わる迷路とか、 バーチャルミニライブとか、楽しいブースがいっぱいで……!
えむ:友達と一緒に遊べるVRゲームもあって、 すーっごく面白いみたいなんです!
まふゆ:そうなんだ。 たしかに、ワクワクする体験ができそうだね
まふゆ:私もライブとか行ってみようかな。 ひとりで回るつもりだったから、 みんなで遊ぶゲームはできなそうだけど……
えむ:じゃ、じゃあ……! 朝比奈センパイも、一緒に行きませんか!?
まふゆ:えっ……?
えむ:あたし、他のクラスの友達と一緒に行く約束をしてるので。 みんなでワイワイ回れますよ!
まふゆ:……嬉しいけど、遠慮しておこうかな。 学年も違うし
えむ:ほえ? 博物館の中では自由行動だから、 誰と回っても大丈夫ですよね?
まふゆ:うん。でも、先輩の私がいると、 みんな楽しめなくなっちゃうかもしれないなって
えむ:そんなことないです! あたしは、朝比奈センパイがいてくれたら、 も~っと楽しくなりますよ!
えむ:きっと他の子達も同じ気持ちだと思います☆
まふゆ:鳳さん……
えむ:だから——よかったら、考えてみてください!
まふゆ:(……正直、どっちでもいいけど……)
まふゆ:……そこまで言ってくれるなら、まぜてもらおうかな
えむ:……! はいっ!!
えむ:えへへ、やった~っ☆ みんなにも言っておきますね!
数日後
誰もいないセカイ
ミク:……聴かせてくれてありがとう。 静かで……なんだか、ほっとする曲だった
レン:うん……。“大丈夫だよ”って 言ってくれてるみたい
奏:そっか……
リン:MVも、きれいだった
瑞希:えへへ、でしょでしょ~? 曲の雰囲気壊さないように、 転換の仕方とかすっごい工夫したんだ!
絵名:おかげで素材も多かったけどね。 苦労した分、いいものになったんじゃない?
まふゆ:……そうだね
瑞希:よーし、じゃああとはアップするだけだね!
瑞希:あ、そうだ! 作業も一段落したし、よかったらみんなで遊びに行かない? 今、気になってる場所があってさ
絵名:へえ。新しくできたカフェとか?
瑞希:ううん、ちょっと待ってね——ほら、ここ! 『近未来博物館』!
まふゆ:あ……
絵名:あー、これ広告で見たかも。 最新のVRゲームが体験できるんだっけ?
レン:VR……?
瑞希:そう! 専用のゴーグルをつけると映像が流れて、 まるで現実世界にいるみたいな感覚でゲームができるんだよ!
瑞希:今回遊べるのは『Frontier Genesis』ってゲームなんだけど、 大自然を冒険したり、エイリアンと戦ったりできるんだって
レン:え、エイリアンと……?
ルカ:——がおっ♪
レン:わあっ……!?
リン:……ルカ
ルカ:ふふ。いい反応をしてくれそうだったから、つい
ルカ:でも、面白そうなゲームね。 みんなが遊んでいるところ、見てみたいわ
瑞希:お、ルカは乗り気だね! みんなはどう?
奏:……ごめん。VRは酔いそうだから、難しいかも……
絵名:結構、人も多そうだしね
瑞希:え~! ……でも、乗り気じゃないならしょうがないかあ
まふゆ:……そこ、明日行くよ
瑞希:えっ、なんでなんで!?
まふゆ:校外学習の行き先がそこだから
奏:あ……そういえば、この前話してたね
奏:博物館とか、美術館とか、 興味あるものを選んで行く授業なんだっけ
瑞希:へえ~、いいなあ! うちの高校も今からやってくれないかな!?
絵名:今からは無理でしょ、さすがに
ルカ:となると——まふゆは博物館に興味があるのかしら?
まふゆ:……そういうわけじゃないけど。 定員におさまるところを選んだだけ
ルカ:……そうなのね
ミク:でも、楽しめるといいね
瑞希:うんうん! 他にもいろいろブースあるみたいだし、 気に入るのが見つかるかも!
瑞希:あ、そうだ! もしさっきのゲーム遊んだら感想教えてよ。 どんな感じなのか気になるし♪
まふゆ:……わかった
ルカ:(まふゆは乗り気じゃなさそうだけど…… 面白いものが見られるかもしれないわね)
ルカ:(最近、ちょっと退屈していたし……)
ルカ:……ふふっ
第 3 话:近未来の中へ
翌日
近未来博物館 入口
まふゆ:(ここが、近未来博物館か)
まふゆ:(いろんな案内板が並んでる……。 展示の数、思ってた以上に多いな)
まふゆ:(……そろそろ、2年生のバスも到着する頃かな)
まふゆ:(鳳さん達が来たら、どこに行きたいか聞いてみよう)
まふゆ:(みんなは——)
えむ:朝比奈センパ~~~イ!!! こっちでーす!
まふゆ:鳳さん。それに——
まふゆ:星乃さん、小豆沢さん。 今日はよろしくね
こはね:こちらこそ、よろしくお願いします!
一歌:朝比奈先輩と一緒に回れるなんて、嬉しいです
まふゆ:ふふ、私もだよ。 今日は一緒に楽しもうね
こはね:はい……!
えむ:それじゃあ、みんな集まったところで レッツゴーゴーゴーだよ! ついてきて~っ!
館内
こはね:わあ……! 中、こんな風になってるんだ。 床とか天井が光ってて、かっこいいな
一歌:SFの世界みたいだよね。 それに、すごく広い……
まふゆ:パンフレットには、宇宙エリア、生物エリア、技術エリア…… それから、特別展示のエリアがあるって書いてるよ
まふゆ:全部は回りきれなそうだし、 行きたいところを絞ったほうがよさそうだね
一歌:なるほど……
一歌:特別展示って、『仮想世界技術展』のことですよね? 期間限定ってことを考えると、 そこから回ったほうがいいのかな
こはね:あ、そうだね。 私もいいと思う
えむ:あたしも! 宇宙エリアも遊びたかったけど、 そっちはいつでも行けるもんね♪
まふゆ:決まりだね。 えっと、特別展示のページは——あった
まふゆ:バーチャルライブに、VRゲーム、研究の展示…… 本当にいろんなブースがあるね。 みんな、どこか気になるものはある?
えむ:はいは~い! あたしは、 『変身!デンジャラス迷宮』に行ってみたいです!
こはね:それ、私も気になってたんだ。 グラスをかけると、普通の迷路が ダンジョンみたいに見えるんだよね?
えむ:うんっ! みんなでハラハラどきどきしたいな~っ!
一歌:私は、ミニライブのブースに行きたいです。 最新のVR技術でミクのライブが見れるらしくて……!
まふゆ:星乃さん、ミクが好きだもんね。 私も気になるな
まふゆ:小豆沢さんは、行きたいところはある?
こはね:えっと……私は、AR技術を使った フォトスポットに行ってみたいです
こはね:私、写真を撮るのが好きで…… みんなとの思い出を残せたらなって
まふゆ:思い出を残すか……素敵だね。 私も写真、撮ってみたくなっちゃった
こはね:本当ですか? ありがとうございます……!
まふゆ:じゃあ、まずはその3つから回っていこうか。 一番近いのは……迷路かな。こっちだよ
えむ:はーいっ!
迷路のブース
こはね:わ……すごい。 木の壁だったのに、グラスごしだと石の壁みたいに見える
一歌:映像って思えないくらいリアルだね
えむ:見た目はゴツゴツなのに、触るとつるつるでおもしろいな~♪
えむ:ほえっ? 今、カチッって音がしたような……
まふゆ:……! みんな、前!
こはね:わっ! おっきな岩が転がってくる……!
一歌:こはね、危ない!
えむ:あたしも一緒に通せんぼするよ!
こはね:あ、ありがとう……! でも……映像だから、触れないんじゃないかな?
えむ・一歌:『あっ……!』
まふゆ:来る途中に、階段があったよね。 あそこに登ってやりすごすのはどうかな
一歌:そうですね……!
えむ:よーしっ、階段まで追いかけっこだ~っ☆
ミニライブのブース
ミク:——————♪
一歌:すごい……。 ミクのライブをこんなに近くで見れるなんて……!
まふゆ:VRのライブ会場だから、一番前の席で パフォーマンスしてもらえるんだね
こはね:本当に、目の前にミクちゃんがいるみたいだね
ミク:みんな、楽しんでくれてるかな?
一歌・えむ:『うん……!』 『はーいっ!』
ミク:よかった! でも、もっと楽しめるように——
ミク:一緒にハイタッチしようよ♪
一歌:えっ、ええ……!? ミクがこっちに……!
一歌:うそ……ハイタッチしちゃった
まふゆ:ふふ、よかったね
AR写真撮影ブース
こはね:朝比奈先輩、もう少し頭を下げられますか?
まふゆ:えっと……こうかな?
こはね:はい、バッチリです! もう少し画面をアップにして——
こはね:撮れました……! こんな感じなんですけど……
えむ:わあ……! 肩の上に、マスコットのミライくんが座ってる!
まふゆ:私は頭の上に乗ってるね。 かわいいな
一歌:さっき撮った、怪獣に襲われてる写真もすごかったよね。 本当に食べられる直前って感じで
こはね:えへへ……喜んでもらえてよかった。 あとでデータ送るね!
こはね:じゃあ、そろそろ次のところに行きましょうか
まふゆ:その前に、私も撮ってみていいかな?
こはね:えっ?
まふゆ:小豆沢さんを見てたら、私もやってみたくなっちゃって。 3人でモデルになってくれたら嬉しいな
こはね:あ……
こはね:はい、もちろんです!
こはね:アプリをインストールするんですけど、 少し時間がかかったので、よかったら私のスマホを使ってください
まふゆ:ありがとう。まずは、フレームを選べばいいのかな?
ルカ:『ふうん……思っていた以上にいろんなことができるのね』
ルカ:『いい退屈しのぎになりそうだし、来てよかったわ』
ルカ:『でも——』
ルカ:『……まふゆは、相変わらずみたいね』
第 4 话:優しいあなたにも
近未来博物館 館内
えむ:ん~っ! どのブースも、すーっごくおもしろかったな!
まふゆ:これから、こういう技術が広がっていくかもって思うと 楽しみだね
一歌:はい! 次はどのブースに行きましょうか
こはね:あ……その前に、お水を買ってきてもいいですか? ちょっと喉がかわいちゃって
まふゆ:じゃあ、少し休憩する? たしか向こうにベンチと自販機があったはずだよ
こはね:ありがとうございます。 でも、そこまでしてもらわなくても……
まふゆ:気にしないで。 実は、私もちょっと喉が渇いたなって思ってたんだ
一歌:着いてからずっと歩いてましたしね。 さっきの迷路でも、ちょっと体力使っちゃいましたし
えむ:うん! あたしも何か飲みたいな~
まふゆ:ね、みんなで休憩しよう
こはね:あ……
こはね:(さっきも思ったけど、朝比奈先輩ってかっこいいな)
こはね:(すごく大人っぽいし、それに——)
まふゆ:じゃあ、まずはその3つから回っていこうか。 一番近いのは……迷路かな。こっちだよ
まふゆ:小豆沢さんを見てたら、私もやってみたくなっちゃって。 3人でモデルになってくれたら嬉しいな
こはね:(ずっと、私達が楽しめるように さりげなく気遣ってくれてる)
こはね:(優しくて、頼りになって…… 学校のみんなが憧れるのもわかるな)
こはね:(……でも……)
こはね:(朝比奈先輩は、ちゃんと楽しめてるのかな……?)
こはね:(そういえば先輩の行きたいブースは聞いてなかったし…… 次は、どこに行きたいのか聞いてみよう)
えむ:てってれ~♪ お水パワーで、完全復活っ☆
一歌:このあとも思いっきり楽しめそうだね
まふゆ:じゃあ、次のブースに行こうか。 どこがいいかな?
こはね:あ、そのことなんですけど……
こはね:次は、朝比奈先輩が行きたいところにしませんか?
まふゆ:えっ?
一歌:たしかに……今まで、私達が行きたいブースばっかり 行っちゃってましたね
えむ:朝比奈センパイ、どこがいいですかっ?
まふゆ:うーん、そうだなあ……
まふゆ:(行きたいところ……)
まふゆ:……じゃあ、あそこはどうかな? VR技術の歴史や研究内容が掲載されてるみたいだよ
こはね:わ……年表や論文がズラッと並んでますね
まふゆ:レポートの宿題もあるから、 ああいう展示で勉強するのも大事なんじゃないかなって
えむ:はっ……! 楽しくって、 レポートのことすっかり忘れちゃってたよ~!
こはね:でも……それだと、先輩が行きたいところとは 少し違うような……
まふゆ:そんなことないよ
まふゆ:レポートのためもあるけど、歴史や背景を知っておけば 他のブースももっと楽しめると思うから
一歌:なるほど……。 そういうことなら、私も行きたいです
まふゆ:他のふたりは、どうかな
えむ:あっ……はい! 大丈夫です!
こはね:私も大丈夫です
まふゆ:よかった。 じゃあ、行ってみよう
一歌:はい!
こはね:(考えすぎかもしれないけど……、 やっぱり、私達のことを考えて選んでくれた気がする)
ルカ:『…………』
数十分後
こはね:——VRって、介護や医療の分野でも研究が進んでるんですね
まふゆ:うん。VRを使って、家でもケアができるようになれば みんなの負担が減りそうだね
一歌:はい。それに、VRって人と人をつなげてくれる 技術なんだなって思いました
一歌:入院してても、VRで学校に通ったり、 友達とライブに行ったり…… そういうことが普通にできるようになったら、素敵だろうな
えむ:あ! そうなったら、フェニックスワンダーランドにも 世界中の人が遊びに来れるようになるかも!
こはね:わ……どこでもフェニランのショーが 見れるようになったら、私も嬉しいな
まふゆ:ふふ、素敵だね。 それじゃあ……次はどこに行こうか?
こはね:あ、じゃあ次は……朝比奈先輩が——
まふゆ:さっきは私に合わせてもらったから、 次はみんなに選んでほしいな
こはね:(あ……)
えむ:むむむ~……あっ! そこの、『メイキングおしゃべりお友達』はどうですかっ?
一歌:メイキングおしゃべり……? あ、これだね。えっと——
一歌:へえ……スマホアプリで作ったアバターと話せるんだ
まふゆ:ホログラムで浮かび上がらせたり、 AR写真を撮ったりもできるみたい。 いろんな機能があるんだね
こはね:(いろんな機能…… それなら、先輩も楽しんでくれるかも)
こはね:私も、やってみたいな
まふゆ:じゃあ、次はこれにしようか
えむ:はいっ! よーし、みんなが笑顔になっちゃうような、 楽しいお友達を作るぞ~!
まふゆ:まずは……この二次元コードで、 お試しアプリをインストールするんだって
一歌:……よし、できました!
こはね:私もアプリ開けたよ。 『まずは、ベースの型を選択してください』、だって
えむ:わ……! 人に、動物、食べ物の型まである~!
一歌:顔とか服も、いろんなパーツがあるね。 どんな子にしよう……
まふゆ:(……お手本の女の子に寄せればいいかな)
まふゆ:(型はデフォルトにして……)
ルカ:『ハロー、まふゆ』
ルカ:『アバターもいいけど、私ともお喋りしてほしいわ』
まふゆ:ルカ……?
第 5 话:突然の来訪者
まふゆ:えっと……
ルカ:『大丈夫よ。みんな自分の作業に集中しているし、 見つかってもアバターと話してることにすればいいわ』
まふゆ:……来てたんだね
ルカ:『いい退屈しのぎになりそうだと思って』
ルカ:『実際、いつも見ないものがたくさんあって とても面白いわ』
ルカ:『まふゆがお友達といる姿も、ね』
まふゆ:……そっか
ルカ:『けれど——』
ルカ:『まふゆ自身は、相変わらずみたいね』
まふゆ:え……
ルカ:『こんなにたくさん面白そうなものがあるんだもの。 楽しめそうなものを、もっと探してみたら?』
まふゆ:…………
まふゆ:でも、私はもともと この場所には興味なかったから
まふゆ:それなら、興味がある子が楽しめるものを探したほうが 有意義な時間になるんじゃないかな
ルカ:『……たしかに、そうかもしれないわね』
ルカ:『けれど、その子達はどうなのかしら』
まふゆ:え……
ルカ:『それじゃあ、いつもと違うまふゆと話せて楽しかったし、 私はそろそろ帰るわ』
ルカ:『——まふゆも、楽しんできてちょうだいね』
まふゆ:あ……
えむ:あーさひーなセンパイッ!
えむ:す~~~っごく可愛いアバターを作ったので、 見てもらってもいいですかっ!
えむ:きっと、朝比奈センパイもニコニコって なっちゃいますよ~♪
まふゆ:ふふ、自信満々だね。 それじゃあ、見せてもらってもいいかな
えむ:やったあ! いきますよ~! さん、に、いち——
えむ:ぱんぱかぱ~ん! たい焼きの妖精さんです!
まふゆ:たい焼き……?
えむ:はい! おいしいたい焼きを配って、 みんなを笑顔にしてるんです!
えむ:しかも、楽しいお話もしてくれるんですよ! ね、妖精さん!
たい焼きの妖精:『うんっ! 鯛はめでタイッ! あんこをアンコールッ!』
まふゆ:…………
えむ:どうですか、朝比奈センパイ!
まふゆ:……うん、おもしろいね
えむ:ひぃっ!
えむ:あ、ありがとうございまーす……
えむ:(うう~、ニコニコ~になってほしかったのに、 全然ダメだったよ~!)
こはね:えむちゃんらしい、元気をもらえるアバターだね。 つぶらな目とかもかわいいな
一歌:そう、かな……?
えむ:えへへ、ありがとう!
こはね:朝比奈先輩は、どんなアバターにしたんですか?
まふゆ:あ、えっと……
まふゆ:実は、まだできてないんだ。 あんまりピンとこなかったから、作り直してるところで
まふゆ:ふたりはどんなのにしたの? 参考に聞かせてほしいな
一歌:私は、育ててるサボテンの妖精って設定で——
数分後
一歌:あ……もうこんな時間なんだ。 だいぶ遊んじゃってたな
えむ:みんなのアバター見るのも、 おしゃべりするのも楽しいもんね!
まふゆ:うん。どれも個性的で、びっくりしちゃった
まふゆ:——じゃあ、そろそろ次のブースに行こうか
こはね:えっ? でも、朝比奈先輩のアバターは 最後まで作らなくていいんですか?
まふゆ:大丈夫だよ。みんなのを見るだけで満足しちゃったし、 私、作るのはあまり向いてないみたいだから
こはね:そうですか……
まふゆ:えっと……時間的に、次が最後のブースかな?
えむ:え~っ! もう最後なんですか?
一歌:じゃあ、慎重に選ばないとね
こはね:(次が、最後か……)
こはね:(——よし。 先輩がやりたいこと、最後にもう1回聞いてみよう……!)
こはね:あの——
まふゆ:あれって……
まふゆ:あ、ごめん遮っちゃって
こはね:い、いえ! それより、どうしたんですか?
まふゆ:うん、大したことないんだけど…… あのゲーム、友達がやりたいって言ってたなって
こはね:『Frontier Genesis』…… 未知の星、開拓の物語が今始まる——?
えむ:あー! センパイ、あれですよ! 前に話した、みんなで遊べるVRゲーム!
えむ:冒険しながら材料を集めて、 オリジナルの家を建てていくんです!
一歌:へえ……ちょうど4人まで一緒に遊べるみたいだね
こはね:そうなんだ……! 朝比奈先輩、もし興味があるならやってみませんか?
まふゆ:えっ?
まふゆ:(……わからないけど、みんなもやってみたそうだし……)
まふゆ:そうだね。遊んでみたいな
えむ:やった~! みんなで、ワクワク大冒険に出発だ~!
VRゲームのブース
スタッフ:ようこそ『Frontier Genesis』の体験ブースへ! さっそく、ゲームの説明をさせていただきますね!
まふゆ:よろしくお願いします
スタッフ:皆さんにはこれから、未踏の惑星Xを開拓する 『宇宙開拓員』になっていただきます!
スタッフ:宇宙開拓員の目的は、増えすぎた地球人が移住するための 『拠点』を惑星Xに築くことです!
スタッフ:まずは惑星を冒険し、素材を集めてみてください。 たくさん集めるほど、立派な拠点を建てられるようになりますよ!
えむ:ふむふむ……地球のみんなでお引っ越しするために、 おうちを建てればいいんだねっ!
こはね:冒険も、家をつくるのも楽しそうだね
スタッフ:今回は体験版のため、制限時間内に第1の拠点—— つまり、皆さんが住む家を建てられればゲームクリアです!
スタッフ:皆さんだけの素敵な拠点を築けるように 頑張ってくださいね!
えむ:はーいっ!
スタッフ:また、冒険を進めると、 エイリアンと遭遇する『ミニイベント』が発生します!
こはね:ミニイベント……?
スタッフ:はい。なんと、こちらのイベントは 皆さんの行動によってストーリーの展開が変化するんです!
まふゆ:ストーリーが変化…… つまり、結末がいくつか用意されてるってことですか?
スタッフ:そのとおり! 良い結末を迎えられるかは、皆さん次第ということですね
えむ:わあ~……! じゃあ、エイリアンと仲良くなったりもできるのかな!?
スタッフ:ふふ。できるかもしれませんね
スタッフ:エイリアンには会話AIを搭載してるので、 コミュニケーションをとることも可能ですから
スタッフ:仲良くなりたいという気持ちが伝われば、 十分可能性はありますよ
えむ:やったーっ! お友達になれるといいなっ☆
スタッフ:ですが、エイリアンの攻撃には気をつけてください。 HPがゼロになってしまうと、 強制的にログアウトしてしまいますから
一歌:そっか……じゃあ、HPが減らないように注意しないと
こはね:うん! みんなでクリアできるように、頑張ろうね
スタッフ:——さて、説明は以上になります! こちらのヘルメットを装着してください
こはね:わ、すごい…… 宇宙飛行士のヘルメットみたい
スタッフ:このヘルメットは、VRゴーグル、ヘッドホン、マイク、 全ての機能を搭載した優れものです!
スタッフ:ゲーム内の距離に合わせて、 ボイスの音量を自動で変化させる機能もついているんですよ
まふゆ:つまり……プレイヤー同士の距離が近いほど、声が大きく、 遠いほど小さくなるってことですか?
スタッフ:はい! そういった面でも、没入感を楽しんでくださいね
スタッフ:皆さん、準備よさそうですね!
スタッフ:それでは、未知の冒険をお楽しみください! Good luck with your mission!
こはね:わっ……!
えむ:す……すご~~~~~い! 本当にゲームの中に入っちゃったみたい!
一歌:うん……! 地面とか植物とか、本当に触れそう
こはね:最新のゲームって、こんなにすごいんだね……
こはね:……あれ? でもここ、遠い宇宙の星なのに 地球とちょっと似てるような……
まふゆ:地球人の移住先だから、環境が近いのかもしれないね
まふゆ:——それじゃあ、クリア目指して頑張ろう
こはね:制限時間内に、私達の拠点を作ればいいんですよね?
まふゆ:うん。拠点には、最低でも壁と天井…… それから、4人分のベッドが必要って メニュー画面に書いてるよ
えむ:でも、せっかく作るなら おっきくて楽しいおうちを建てたいな!
一歌:じゃあ、たくさん素材を集めないとね
まふゆ:まずは、辺りに何があるか調査してみようか
えむ:はーいっ! 宇宙開拓探検隊、しゅっぱーつ☆
第 6 话:未知の冒険
森のフィールド
こはね:えっと、木を切って素材にするには……
まふゆ:あ、初期装備の斧を使うみたいだよ。 近づくと自動でコマンドが出てくるんだって
こはね:本当だ……! ——えいっ!
一歌:わ、きれいに切れたね
えむ:こはねちゃん、かっこい~!
こはね:えへへ……これ、ちょっと気持ちいいかも
まふゆ:他にも、集めた素材で弓とか爆弾とか いろんな道具を作れるみたいだね
えむ:わあ……! 早く作ってみたいな!
まふゆ:それじゃあ、小豆沢さんに負けないように どんどん素材を集めよう
一歌:はい!
えむ:すごい、キラキラの海だ~!
まふゆ:海岸の素材は、流れ着いたガラクタや砂なんだって。 砂は固めると壁に使えるみたいだから、集めておきたいね
こはね:はい! あ……砂を掘ったら、 『海辺の砂』って素材が手に入りました
えむ:よ~し、きれいな砂いっぱい集めるぞ~っ! えっさ、ほいさっ♪
えむ:——わあっ! 見て見て、オシャレなヒトデさんがいるよ~!
一歌:オシャレ? ……ほんとだ、すごくカラフル
こはね:形はヒトデにそっくりだけど……全然動かないね。 もしかして、これも素材なのかな?
えむ:どうかなあ? ツンツン…… ぴゃっ! ボフンッて何か出た!
一歌:なんだろう、このモヤみたいな……
まふゆ:わからないけど、危ないものかもしれないから いったん離れよう
まふゆ:それと、念のためにHPとステータスを確認してみて。 さっき拾った回復薬があるから、異常があったら教えてね
一歌:——素材、たくさん集まりましたね!
まふゆ:うん。拠点の最低条件は、 壁と天井とベッドがあることだけど…… これだけ素材があると、十分に作れそうだね
まふゆ:というか、素材が余っちゃいそうだから 他にも何か作れるんじゃないかな
えむ:それなら、お庭におっきなステージを作って、 エイリアンを呼ぶのはどうですかっ!?
一歌:いいね。ライブとかやれたら楽しそう
こはね:私もみんなで歌いたいな
えむ:やった~! じゃああたし、木の素材でステージ作るね♪
一歌:私はお客さん用の椅子を——
こはね:(あ……)
こはね:朝比奈先輩、何を作ってるんですか?
まふゆ:家の壁だよ。 ステージにも使いそうだし、たくさん必要かなって
こはね:そっか。たしかに……!
こはね:(先輩、やっぱり私達のことを考えてくれてるな……)
こはね:(頼りになるし、すごく嬉しいけど……)
???:ホニョニョニョニョ
こはね:えっ?
一歌:今、何か聞こえた気が……
えむ:あっ! 向こうから何か近づいてくるよ!
まふゆ:本当だ。なんだろう……
エイリアン:ホニョニョ~ン!
一歌:えっ。浮いてる……しかも、体が水色だ。 もしかして、あれがエイリアン?
こはね:たぶん、そうだよね。 ちょっとウサギに似ててかわいいかも
えむ:目が真っ赤で、耳もピコピコしてるもんねっ! ぴょんぴょ~んっ☆
エイリアン達:『ホニョニョ! ホニョニョ!』
こはね:あれ、仲間がどんどん集まってきてる……?
えむ:ステージが待ちきれなくて、 作ってるとこ見に来たのかな……!?
まふゆ:……というより、これは——
エイリアン達:『ホニョニョニョニョ!』
一歌:か、囲まれてる……!?
えむ:ええ~! あたし達、敵じゃないよ~っ!
まふゆ:エイリアンとの遭遇……もしかしてこれが、 『ミニイベント』なのかな
えむ:あ! それってお姉さんが 『エイリアンと仲良くなれるかも』って言ってたやつですよね?
えむ:それじゃあ——ホニョニョ! 仲良くしニョ~ンッ☆
エイリアン達:『ホニョーーー!』
こはね:ひゃっ……! さっきのって、ビーム……!?
えむ:わわっ、ビュンビュンしないで~!
一歌:……もしかして、言葉が通じてないのかな
まふゆ:その可能性はあるね。 今は——みんな、逃げよう!
こはね:はい……!
エイリアン達:『ホニョニョ~!』
こはね:わ、追いかけてきてる……!
一歌:しかも、すごいスピード……!
こはね:あ、森に入れば隠れられるかも!
こはね:みんな、こっちだよ!
エイリアン:ホニョホニョ~ン
えむ:ぴぇっ!?
えむ:わ~、尻尾でぐるぐる巻きにされちゃった~! 動けないよー!
一歌:そんな……! わっ!?
まふゆ:星乃さん!
こはね:ふたりとも、今助けに——
まふゆ:待って、小豆沢さん!
こはね:えっ……?
まふゆ:闇雲に向かったら、きっと私達も捕まっちゃう
まふゆ:だから、今は逃げよう。 ふたりを助け出すためにも
こはね:……そうですね。わかりました!
数分後
まふゆ:……小豆沢さん、そっちはどう?
こはね:うーん……こっちもいないです
まふゆ:そっか……。 位置情報だと、この辺りのはずなんだけどな
こはね:えむちゃん達、見つかりませんね
まふゆ:うん……どこに連れて行かれちゃったんだろう
こはね:——あっ! 朝比奈先輩、見てください。 あそこの木の陰……!
まふゆ:……! 檻に閉じ込められてる
まふゆ:それに……
エイリアン:ホニョ! ホニョニョ~!
まふゆ:……見張りがいて、近づけないな
こはね:これじゃ、助けに行けないですよね。 どうすれば……
まふゆ:それじゃあ、こういうのはどうかな?
こはね:えっ……?
こはね:——朝比奈先輩、爆弾準備オッケーです!
まふゆ:ありがとう。この爆弾を矢尻に縛って、 火をつけたら……
まふゆ:なるべく遠くに——射る!
エイリアン:ホニョッ!? ホニョニョ……ッ!
こはね:あ……! 見張りの子、音の方に行きました!
まふゆ:誘導作戦、大成功だね
まふゆ:それじゃあ、ふたりのところへ急ごう!
こはね:はい!
こはね:——えむちゃん、一歌ちゃん!
えむ:こはねちゃんと朝比奈センパイ……!
一歌:助けに来てくれたんですね……! ありがとうございます!
まふゆ:ううん。ふたりとも無事でよかった
まふゆ:檻は……やっぱり、鍵がかかってる
一歌:はい……。武器で檻を壊そうとしたんですけど、全然ダメで
まふゆ:じゃあ、鍵が必要だね。 どこか心当たりはない?
一歌:んー……すみません、わからないです。 見張りのエイリアンは持ってなかったですし……
こはね:そっか……。 じゃあ、どこかに隠してるのかな?
えむ:隠して……あっ! それならあそこの洞窟が怪しいかも!
一歌:たしかに……! エイリアン達が出入りしてたもんね
まふゆ:洞窟……あ、崖の下に入口があるね
こはね:じゃあ、鍵がないか探してくるよ!
一歌:ありがとう。 でも、無理はしないでね
えむ:ケガしないように、気をつけてください!
こはね:……洞窟の前にも見張りがいますね
まふゆ:うん。小豆沢さん、もう1回爆弾で誘導しよう
こはね:わかりました。 えっと、爆弾を矢に括って……お願いします!
まふゆ:ありがとう。いくよ——
エイリアン:ホニョニョッ!? ホニョ~ッ!
まふゆ:——向こうへ行ってくれたみたい
まふゆ:見張りがいたってことは、ここに鍵がありそうだね。 さっそく探してみよう
こはね:わっ、暗い……
まふゆ:でも、一本道だしそんなに深くなさそうだね
まふゆ:……鍵を保管してるにしては、不自然だな。 もしかして——
こはね:あれ……?
まふゆ:どうしたの、小豆沢さん
こはね:えっと……HPが減ってるみたいなんです。 歩いてるだけなのに、どうして……
まふゆ:小豆沢さん、いったん外に出よう
こはね:えっ? は、はい……!
まふゆ:……よかった。外に出たらHPが減らなくなったね
まふゆ:やっぱり、罠が仕掛けられてたんだ
こはね:罠……?
まふゆ:洞窟の中を見てみて。 白いモヤみたいなものが漂ってるでしょ?
まふゆ:たぶん……毒ガスか何かなんじゃないかな
こはね:えっ……!?
まふゆ:HPがゼロになったらゲームオーバーだし…… このまま進むのは危険だね
こはね:どうしよう……。 鍵がないと、えむちゃん達を助けられないのに
まふゆ:(……見張りや罠のことを考えると、 ここに鍵がある可能性は高い)
まふゆ:(でも……探しに行けば、全滅もありえる)
まふゆ:(かといって、鳳さん達を助ける別の方法を 今から探すのは現実的じゃない)
まふゆ:(それなら……)
まふゆ:——小豆沢さんは、入り口で待ってて
こはね:えっ? でも、朝比奈先輩は……
まふゆ:私が、鍵を探しに行くよ
こはね:……!
第 7 话:選び取る道は
こはね:鍵を、探しに行くって……
こはね:でも、それじゃあ、朝比奈先輩が……
まふゆ:うん。HPがなくなって、ログアウトしちゃうかもしれない
まふゆ:でも、そうなる前に帰ってこれる可能性もあるよ
こはね:で、でも! もし、間に合わなかったら……
まふゆ:その時は、鍵を矢にくくって入口に飛ばすよ。 マップの地形からして、この洞窟はまっすぐ続いてるみたいだから
まふゆ:小豆沢さんは、鍵を回収してふたりを助けてあげて
まふゆ:もし、鍵を見つける前にHPがなくなったら…… 申し訳ないけど、別の方法を探してほしいな
まふゆ:でも、回復薬もあるし、 鍵を見つけるまではいけると思う
まふゆ:だから、やってみる価値はあると思うんだ
こはね:朝比奈先輩……
こはね:——私は、別の方法を探したいです
こはね:朝比奈先輩は、すごく優しいから…… きっと、私達が楽しめる方法を 探してくれたんだと思います
こはね:でも、やっぱり……みんなでクリアしたいから
まふゆ:小豆沢さん……
こはね:ごめんなさい。これは、私の我儘だと思います
こはね:でも……朝比奈先輩と一緒に 最後まで楽しみたいなって思うんです
こはね:だから……みんなで一緒にクリアできる方法を探したいです!
まふゆ:…………
まふゆ:(みんなで、一緒に……)
一歌:そっか……じゃあ、HPが減らないように注意しないと
こはね:うん! みんなでクリアできるように、頑張ろうね
まふゆ:……わかった
まふゆ:別の方法を考えようか。 全員でクリアできるように
こはね:はい……!
こはね:……でも、ごめんなさい。 具体的な案はまだ何もなくて……
まふゆ:大丈夫。一緒に考えれば、きっといい方法が見つかるよ
まふゆ:(……何か、他に鍵を手に入れる方法は……)
こはね:鍵を使わないで、えむちゃん達を助けられればいいんですけど……
まふゆ:え……
こはね:あ、えっと……スタッフさんが、 私達の行動次第でストーリーの結末が変わるって言ってたので
こはね:もしかしたら、鍵を使う以外にも ふたりを助けられる道があるんじゃないかなって……
まふゆ:そっか……
まふゆ:……ありがとう、小豆沢さん もしかしたら——何とかなるかもしれない
数分後
こはね:えっと、えむちゃん達がいる檻は……あった!
エイリアン:ホニョニョ~!
まふゆ:見張りも戻ってきてるね
こはね:はい。でも、この翻訳機があればきっと——
こはね:……それにしても、エイリアンと仲良くなるための道具が 宇宙船の中にあってよかったですね
まふゆ:うん
スタッフ:エイリアンには会話AIを搭載してるので、 コミュニケーションをとることも可能ですから
まふゆ:——スタッフさんは、エイリアンと コミュニケーションを取れるって言ってた
まふゆ:でも、鳳さんが試した時、 言葉が通じなくて失敗しちゃってたから……
まふゆ:もしかしたら、翻訳機みたいなものが あるんじゃないかって思ったんだ
まふゆ:これを使って、ふたりを返してもらえるように エイリアンを説得してみよう
こはね:はい……!
まふゆ:……でも、残り時間を考えると ここで失敗したらクリアは難しいと思う
まふゆ:だから、たぶんこれが最後のチャンスになるね
こはね:それでも——この可能性にかけましょう
こはね:——エイリアンさん!
エイリアン:ホニョッ!?
エイリアン:ホニョ~! ホニョホニョ~……!
エイリアン達:『ホニョ~!』
まふゆ:(エイリアンが集まってきた。 けど——これでいい)
まふゆ:小豆沢さん、お願い
こはね:はい! ……スイッチ、押しました!
エイリアン:『てき! あぶない! つかまえろ!』
エイリアン達:『つかまえろ~!』
一歌:言葉が……
えむ:わかるようになった……!
まふゆ:やっぱり、敵だと思われてたみたいだね
こはね:じゃあ、敵じゃないってちゃんと伝えれば——
まふゆ:『私達は、敵じゃないよ』
こはね:『だから、えむちゃんと一歌ちゃんを—— 私達の友達を、返してくれないかな?』
エイリアン:『……! てきじゃないって』
エイリアン:『ほんとう?』
エイリアン:『ほんとかな~?』
こはね:『本当だよ……! ほら、武器も捨てたよ』
エイリアン:『んー……どうする?』
エイリアン:『ゆだんさせる、さくせんかも?』
エイリアン:『もっと、てきじゃないしょうこ、みせろー!』
まふゆ:証拠、か……
まふゆ:(……エイリアンは、まだ私達を疑ってるみたい)
まふゆ:(それなら、『何もしない』って伝えるために 防具も捨てて近づくとか——)
まふゆ:(もしかしたら、エイリアンに攻撃されるかもしれないけど…… 成功すれば信じてもらえるかもしれない)
まふゆ:(……でも——)
まふゆ:(……だったら——)
まふゆ:『証拠になるかはわからないけど……』
まふゆ:『私達が持ってるアイテムをプレゼントする、 ってことでどうかな?』
こはね:え……?
エイリアン:『あいてむ? なにがあるの?』
まふゆ:『木とか砂とか、いろんな素材があるよ。 きっと、すてきなお家が作れると思う』
エイリアン:『おうち……! どうくつじゃない、おうち!』
まふゆ:『それに、果物や木の実もたくさん持ってるんだ』
エイリアン:『ほしい! ほしい……!』
まふゆ:『じゃあ、みんなにあげるよ』
まふゆ:『だから、私達が敵じゃないって信じてくれる?』
エイリアン:『——しんじる! てき、じゃない!』
エイリアン:『つかまえて、ごめんね。 でていいよ!』
一歌:『ありがとう……!』
えむ:やった~! 自由だ~っ☆
こはね:よかった……!
まふゆ:……ごめんね、みんな。勝手に決めちゃって
こはね:いえ……! ありがとうございます、朝比奈先輩。 私じゃ絶対思いつかなかったです
一歌:素材はまた、みんなで集めればいいですしね
えむ:うんうんっ! みんなで冒険の続きができて、 と~っても嬉しいな♪
まふゆ:それじゃあ、改めて—— みんなで、クリア目指して頑張ろう
えむ・こはね・一歌:『おーっ!』 『はい!』
数分後
こはね:——この木の素材をはめたら、完成だよ!
一歌:よかった、ギリギリ間に合った……!
こはね:じゃあ、はめるね! ——えいっ!
えむ:わあ~……! 空におっきな文字が出てきた!
まふゆ:『Congratulations!』——ゲームクリアだね
えむ:やったあ~!
こはね:なんだか、すごく達成感があるな
一歌:うん。っていっても、私は最後のほう 捕まってただけだけど……
えむ:こはねちゃんと朝比奈センパイが助けてくれなかったら、 閉じ込められたままだったね……!
えむ:ふたりとも、助けてくれてありがとう!
こはね:朝比奈先輩が思いついてくれたんだ。 エイリアンと仲良くなるための道具があるかもって
まふゆ:あそこまでうまくいくとは思わなかったけどね。 拠点づくりの手伝いまでしてくれたし
一歌:素材や果物、すっごく喜んでくれてましたもんね
えむ:おかげでおっきいステージも作れて、嬉しいホニョ~♪
まふゆ:(……みんな、嬉しそうだな)
まふゆ:…………
まふゆ:(もし、あの時小豆沢さんが 止めてくれなかったら……)
まふゆ:(……こんな風に、ならなかったのかな)
まふゆ:ねえ、小豆沢さん——
こはね:えっ?
まふゆ:あっ……
第 8 话:重なる想い
近未来博物館 館内
スタッフ:皆さん、お疲れさまでした~! 時間になりましたので、試遊はここまでになります!
スタッフ:是非、感想をお友達にも教えてあげてくださいね!
えむ:わかりました! いーーーっぱい話します!
こはね:ありがとうございました
一歌:なんか……現実に戻ってきたって感じがするね
こはね:うん……! それに、なんだかちょっとフワフワするかも……
まふゆ:ずっとプレイしてたから、 ゲームの世界にいる感覚が残ってるのかもしれないね
こはね:あ……
こはね:そういえば朝比奈先輩、 帰ってくる前に何か言いかけてませんでしたか?
まふゆ:あ、うん——
まふゆ:お礼を言いたかったんだ。 みんなでクリアできたのは、小豆沢さんのおかげだなって 思ったから
こはね:え……?
一歌:どういうことですか?
まふゆ:そういえば、ふたりには言ってなかったね
まふゆ:実は翻訳機を使う前に、鍵を探しに行ったんだ
まふゆ:でも、鍵を手に入れるには、 毒ガスが漂ってる洞窟を進まなくちゃいけなくて……
まふゆ:HPがなくなって、ゲームオーバーになるかもしれなかったの
一歌:えっ……
まふゆ:ふたりともゲームオーバーになるわけにはいかないから、 私が取りに行こうとしたんだけど…… 小豆沢さんが止めてくれたんだ
まふゆ:『みんなでクリアできる方法を探したい』って
えむ:そんなことがあったんだ……
えむ:朝比奈センパイ! あたし達のために、 危険なことまでしようとしてくれて、ありがとうございます!
えむ:でも、それでセンパイがいなくなっちゃったら、 しょぼぼぼ~ってなっちゃってたと思うので……
えむ:別の方法にしてくれて、よかったあ!
一歌:そうだね。こはねも、 いろいろ考えてくれてありがとう
こはね:私は我儘を言っただけだよ。 肝心の方法は、ほとんど朝比奈先輩に考えてもらっちゃったし……
こはね:でも——私も、よかったです
まふゆ:え?
こはね:朝比奈先輩と一緒に、 最後まで思いっきり楽しみたかったですから!
まふゆ:……そっか
まふゆ:私も、みんなとクリアできて嬉しかったよ
こはね:……はい!
館内アナウンス:『——本日はご来館いただき、誠にありがとうございます。 閉館時刻まで、あと30分となりました。 お時間に余裕をもってお帰りの準備を——』
まふゆ:……もう、閉館の時間みたいだね
えむ:う~、まだまだいたかったよ……!
一歌:行けなかったブースもたくさんあるしね。 今日来れなかった子も誘って、また来たいな
こはね:うん……!
まふゆ:じゃあ、そろそろ出口に——
こはね:朝比奈先輩? どうしたんですか?
まふゆ:……ううん。 ちょっと、気になるものを見つけて
えむ:あっ! さっき遊んだゲームのグッズコーナーだ!
一歌:キーホルダーとかステッカーとか、いろいろありますね
こはね:……せっかくですし、見ていきませんか? まだ少し時間もありますし
まふゆ:……そうだね。さっきのゲーム面白かったし 何か買っていきたいな
こはね:はい!
まふゆ:…………
一歌:私も、何か買っていこうかな
えむ:見て見て! ホニョホニョエイリアンのキーホルダーだよ~!
一歌:本当だ……! かわいいけど、見るたびに捕まった時のこと思い出しそう
こはね:こっちのマスコットが宇宙服を着てるのも かわいいですね
まふゆ:うん……どれにしようか、迷っちゃうな