活动剧情

この物語は希望をのせて

活动ID:190

第 1 话:最後のLUMINAタイム

スクランブル交差点
CM:『今、注目度ナンバーワン! 日本一のアイドルを決める祭典、その名も——LUMINAグランプリ! 予選もついに佳境へ突入!』
CM:『決勝ステージに進むのは一体どのグループなのか! あなたの一票が、彼女達の運命を決めます!』
シブヤの人々:そういえばルミグラ、もうすぐ予選ラストだね! どこに投票しよっかな。 ひとり2票あるから悩んじゃうよ~
シブヤの人々:私、1票はチアデだけど…… もう1票はどうしようかな。同じところはダメだし
シブヤの人々:あ、この前チアデと一緒にやってた子達……モモジャン? あの子達もすっごくよかったよね! うちのバ先の先輩もさ——
シブヤの人々:はぁ~……モモジャン、勝ち上がってくれ~……
シブヤの人々:お前ずっとそれ言ってんな~。 まぁでも、実際すごくいい子達だし決勝行ってほしいよな
シブヤの人々:……え!? お前、もしかしてルミグラ見てんのか!? アイドルとか興味ねえって言ってたくせに!
シブヤの人々:あたし、ひかりんに残ってほしいな~! ぴかぴかーってしててカワイイもん!
シブヤの人々:私はReLight!! まっすぐなところがかっこいいから……
シブヤの人々:えへへ、一体どこが勝ち残るんだろ~!!
LUMINA FORUM 寝室
遥:——じゃあ、改めて、現状を確認するよ
遥:SNSのアンケート順位は、 1位『Cheerful*Days』、2位『ImU』、 3位『私立湊学園』、4位『Candy Lily』……
遥:5位『ReLight』、 そして6位が——私達『MORE MORE JUMP!』
遥:公式の集計じゃないから、 確定順位っていうわけじゃないけど…… 体感としても大体合ってると思う
愛莉:そうね。 ……前回のLUMINAタイムの時のアンケートは10位だったし 元の知名度から考えても、かなり善戦してるけど……
遥:……うん
遥:LUMINAグランプリ予選は、残り約2週間
遥:つまりこの2週間で巻き返せないと—— 決勝には行けない
みのり:逆に考えれば、2週間もある!ってことだよね!
みのり:この2週間でドドーンとアピールして、 一気に4位以内に入っちゃおう!
遥:——うん。みのりの言う通りだね
遥:チャンスはまだある。 巻き返すためにできることを全力でやっていこう
雫:この前のLUMINAタイムみたいにアピールできれば またぐっと順位を上げられるかもしれないものね
愛莉:そうなると……やっぱり、鍵はLUMINAタイムになりそうね
愛莉:LUMINAタイムになると視聴者数が4倍くらい増えるし、 ダイジェスト番組に取り上げられるのもほとんどあそこだもの
遥:うん。 知名度でまだ劣っている私達が順位を上げる 最大のチャンスになると思う
遥:それに——
遥:LUMINAタイムは、たくさんの人に希望を届けられる、 大切な場にもなってるから、頑張りたい
遥:これまでのペースと残りの時間を考えると、 LUMINAタイムはあと2回か…… 最悪、1回かもしれないけど……
遥:そこでまた、全力を叩きこもう
遥:決勝に進出して、夢に近づくためにも——!
雫・愛莉・みのり:『ええ!』 『うん!』
遥:……来たみたいだね
愛莉:まったく……どっかで見てるんじゃないでしょうね? いつもタイミングいいんだから
司会:『——皆さん、おはようございます』
雫:あら……? 司会のあやぴぃさん、なんだかいつもと雰囲気が……
司会:『LUMINAグランプリ予選も、 残すところあと2週間となりました』
司会:『そして本日は——最後のLUMINAタイムの説明となります』
遥:……!!
みのり:さ、最後……!?
遥:……期間から考えると、 あと2回はあるんじゃないかと思ってたんだけどね
遥:(2週間を残して、最後のLUMINAタイム……)
遥:(前回のトレードライブの期間が3日だったことを考えると、 もっと準備期間が必要になるようなものになるのかな)
遥:(なんにせよ——)
司会:『これが、皆さんが大きくアピールできる、 ラストチャンスとなります』
司会:『悔いのないよう、奮ってご参加ください!』
遥:行こう、みんな
遥:最後のLUMINAタイムも、私達らしく全力で挑もう
LUMINA FORUM ホール
遥:(……空気がピリピリしてる)
遥:(昔受けたオーディションの時と少し似てるな)
遥:(みんな不安な気持ちもあるけど、 絶対に負けたくないっていう気持ちが漂ってて……)
遥:(ううん、あの時以上の緊張感。だって——)
遥:(今の私達は自分の夢だけじゃなくて—— ファンの期待も背負ってるから)
コメント:『ついに最後のLUMINAタイムか!』 『アンケだとひかりん7位みたいだし入ってほし~!』 『チアデチアデチアデチアデ』
コメント:『ImUのファン層の厚さを舐めてもらっては困る』 『キャンリリが日本一のアイドルです!』 『がんばれ~!!ちはるちゃ~ん!!』
雫:みんなのコメントも、すごい速さだわ……!
愛莉:予選最後のLUMINAタイムだからでしょうね。 同接数も跳ね上がってそうだわ
司会:——長らくお待たせいたしました!
司会:アイドルの皆さんも視聴者の皆さんも待ちきれないでしょうから、 さっそく本題に入りましょう!
司会:最後のLUMINAタイム——テーマの発表です!
司会:LUMINAタイム、最後のテーマは——
司会:『出張!チームライブ』です!
みのり:出張……?
遥:チームライブ……
雫:名前からすると……他のグループとチームになって、 どこかでライブをするのかしら?
愛莉:だとしたら、意外と普通のお題だけど……
遥:…………
遥:(最後のお題も、他のチームと合同……)
遥:(……どうして、また合同なんだろう)
遥:(前のトレードライブの時は、 アイドル同士を深く関わらせて、他の番組じゃあまり見れない画を 撮りたいのかなと思ってたけど——)
遥:(予選の最終段階でもそれをやるのは、違和感がある)
遥:(1グループずつの実力勝負が盛り上がりそうだし、 視聴者の納得感もそっちの方が高そうなのに)
遥:(それに……『出張』っていうのも気になるな。 一体どこで——)
司会:概要は次の通りです!
司会:皆さんには、4グループを1チームとし、 チームでひとつのイベントをやっていただきます
司会:イベントの開催は2週間後。 セトリや演出などは、それまでに皆さんで相談して考えてください
司会:ただし——出張と銘打っている通り、 イベント会場はここではありません
司会:皆さんが普段はイベントをやらないような場所で やっていただきます!
司会:また、チームと出張場所については 厳正にくじで決定しますので、ご安心ください
千晴:結局、どこに行くんだろう……?
遥:(……普段やらないような場所……)
遥:(もしかして、このお題は——)
司会:皆さん、どこに出張するのか、気になりますよね
司会:というわけで出張場所については、 先に皆さんにお見せしましょう!
雫:え?
みのり:もう教えてくれるんだ!
司会:それではスクリーンをご覧ください。 どうぞ!
雫:……どこかの町工場に、港に、これは……農園かしら?
愛莉:たしかに、普段はあんまりイベントをしないところね……
みのり:……あ! あの農園! この前ニュースで見た!
雫:あら、そうなの?
みのり:うん。前の台風で収穫物が全部落ちちゃって すごく困ってるって言ってたんだ
愛莉:ぜ、全部……!? それはまた大変ね……
アイドル達:……あ。あの温泉街、オフの日に行ったことあるよ
アイドル達:タクシーの運転手さんが 『昔は栄えてたんだけど、最近は建物の老朽化が激しくて、 お客さんが全然来てくれない』ってぼやいてたな
アイドル達:そうなんだ……なんだかどこも大変そうだね……
遥:(……やっぱりそうみたい)
遥:(この出張場所にしたのは、きっと——)
???:——予選最後のLUMINAタイムです。 ここからは、私が説明しましょう
みのり:あ……!
有澤:いろいろとお伝えしましたが、 まだ疑問を抱えてる人も多くいると思いますので、 ご説明します
有澤:このテーマにした、私達の意図を——

第 2 话:込められた意図

有澤:では、今回のお題の意図を ひとつずつ説明していきましょう
有澤:まず今回——いえ。 この予選を通して、チームでイベントを作る形としたのは——
有澤:皆さんに、心を支える存在を増やしてもらいたい。 そう思ったからです
有澤:……少しだけ昔の話をさせてください
有澤:私は14歳で有澤日菜子としてソロデビューし、 この世界に飛び込みました
有澤:そうして入った芸能界は、 私の想像以上に驚きと興奮に満ちた世界でした。 しかし……
有澤:皆さんもご存じの通り、 とても苛烈なものでもありました
有澤:……特に当時のアイドル達は、 非常に過酷なスケジュールの中を生きていました
有澤:深夜3時まで働いて家に帰り、 その2時間後にはまた仕事のため家を出る—— そんな日々は当たり前
有澤:そして家の前はいつも週刊誌の記者だらけ。 どこに行くにも車がついてきて、 一挙手一投足にあれこれと書き立てられてしまいます
みのり:ひょ、ひょえ……
有澤:今のようにSNSはなかったので、根も葉もない噂が とてつもないスピードで出回ったりするようなことは 今ほど多くなかったですが……
有澤:あの時代だからこその苦しみも、たくさんありました
有澤:……皆さんも、思ったことはありませんか?
有澤:『もうこれ以上は無理だ』と、 そう思ったことが
ひかりん:あ……
遥:…………
有澤:私はありました
有澤:……どんな状況であっても、 ステージに上がらなくてはいけない。失敗は許されない。 そのプレッシャーもあって……
有澤:本当に時々ではありましたけれど、 胸をよぎったことがあります
有澤:けれど————そんな私の心を支えてくれる人達がいました
有澤:まずはもちろん、ファンです。 ファンの皆さんがいてくれたからこそ、 私はステージに立ち続けられました
有澤:そして、同じくらい私を支えてくれたのが——
有澤:共に切磋琢磨する、アイドル達です
有澤:今でも覚えています。 テレビ局の楽屋、廊下…… わずかな時間の中で彼女達と語った時のことを
有澤:『ファンの期待に応えたい』 『苦しい時もあるけれど、続けたい』 そう励まし合う時間が、私の大きな支えになりました
有澤:当然、互いにライバルではありますから そういう馴れ合いを好まない人もいましたが——
有澤:けれど私にとって他のアイドル達は、 同じように未来を描き背中を押しあう……仲間でした
有澤:今、ここに集まっている皆さんは、互いにライバル同士です。 けれど——
有澤:皆さんは同じように夢を見て、同じように苦しみ、 同じように走り続けている。 ……だからこそ、支え合える瞬間がある
有澤:それを知ってほしいという想いから、 今回、チームという形を取らせてもらいました
遥:(……そうか)
遥:(その考えがあったから、 こうしてアイドルを1カ所に集めて——)
遥:(LUMINAタイムも、アイドル同士が絡むような企画―― トーク大会や、一緒にライブを作ったりするものにしていたんだ)
有澤:そしてもうひとつ
有澤:今回、先ほどお見せした場所に出張して イベントを行う理由についてですが——
有澤:それは、皆さんに『真のアイドル』としての力を 示してもらうためです
千晴:『真のアイドル』……
ひかりん:それって……?
有澤:真のアイドルとは、希望の光が必要とされる時、 たとえそれがどんな場所、どんな相手であっても、 それを届けられる存在——
有澤:そう、私は考えています
遥:(どんな場所、どんな相手でも、希望の光を——)
有澤:先ほどお見せした場所は全て、現地の人達から 振興や活性化のためにライブイベントをしてほしい という強い依頼があった場所です
有澤:つまり……今は、活力を失っている場所とも言えます
有澤:そういった場所で希望を届けるのは、 簡単なことではありません
有澤:場合によっては、 深い深い——抜け出せない暗闇の中にいるような人達にまで、 光を届ける必要があるということですから
有澤:けれど——真のアイドルならば、 その困難に立ち向かう意志と、乗り越える力を持っているはずです
有澤:皆さんの持つ、その力を示してほしい。 ——そういった場所に光を届ける強さを見せてほしい
有澤:そういった想いから、このテーマを設定しました
有澤:今回のLUMINAタイムは、 今まで以上に厳しいものになります
有澤:ライブ会場にいる人達の中に、 あなた達のファンはいないかもしれません
有澤:……いえ。 そもそもアイドルには興味がなく、 アイドルを見る余裕がなく——
有澤:前を向くことすら厳しい状況にある人達かもしれません
有澤:そんな人達を、 あなた達の光で、照らしてください
有澤:——これが最後のLUMINAタイムです。 思い残すことのないよう、全力で挑んでくださいね
司会:有澤さん、ありがとうございました!
司会:それではこれより——運命のチーム分けのお時間です!
愛莉:……で、クジを引いて——まさかこうなるとはね
アリサ:それはこっちのセリフなんだけど?
千晴:ふふ、私達はとても嬉しいです!
ひかりん:うんっ! またみのりん達とピカっとできるなんて、 ウキウキ無重力~♪だよっ☆
遥:——そうだね。 私達はライバル同士だけど……
遥:今は仲間として、一緒に希望を届けよう
雫:それじゃあそろそろ、 出張場所のクジを引く人を決めましょうか
ひかりん:あ!! それなら、ひかりんにお任せだよ!!
ひかりん:クジを引くと大体いっつもいい賞がもらえるんだ~♪
あかり:あはは! それならひかりんさんのピカっとパワーに賭けましょうか!
結雨:まぁ……運はポジティブな人に引き寄せられると言いますしね
遥:ふふ、そうだね。 それじゃあひかりんさん——よろしくお願いします
ひかりん:はーいっ!!
司会:それではFチームの方、クジを引いてください!
ひかりん:はいっ!! 銀河一の強運の持ち主として、 ピカっとピュピュンと、引いちゃいます!
ひかりん:むむむむ~……これっ!!
司会:ありがとうございます! Fチームの出張場所は——
司会:『学習塾』です!!
遥:学習塾……?

第 3 话:頑張り続けるみんなに

ステージのセカイ
レン:——それで明日、その学習塾を実際に見に行くんだね
遥:うん。やっぱり現場の空気を知りたいなって思って。 授業が終わる時間を狙って見に行くつもりなんだ
雫:中学受験用の塾は結構遅くまでやっているところが 多いみたいだけれど……、 その日は少し早く終わるらしくて助かったわね
ミク:中学受験……。 じゃあ、ライブを見せる相手は小学生の子達なの?
リン:それならみんな、いっぱい盛り上がってくれそうだね!
愛莉:それが……そう簡単じゃなさそうなのよね
ミク:えっ?
みのり:わたし達も最初は、『他の場所に比べると、 アイドルに興味がある子が多そうでやりやすいかも!』って 思ってたんだけど……
リン:そうじゃないの?
雫:ほら、時期的にもうすぐ受験本番でしょう?
雫:だから、ライブを見る気分になれない子の方が 多いんじゃないかと思って……
リン:あ、そっか……!
ルカ:息抜きに楽しんでくれる子もいるでしょうけど…… そういう子ばかりじゃないでしょうしね
MEIKO:それに、子供達のお父さんやお母さんが どう思ってるのかも気になるわね……
レン:……その学習塾から、『イベントをやってほしい』っていう 依頼があったんだよね
遥:うん。事前に募集をして、 実際にイベントの出演依頼があったところが選ばれてるみたい
レン:じゃあ、やっぱり 少しでも息抜きできるようにってことなのかな……
遥:そうかもしれないって思うけど…… そのあたりも、一度聞いてこようと思うんだ
遥:どんな雰囲気なのか、どんな想いで私達を呼んでくれたのか ちゃんと知ったほうが、 その子達に届けるライブができると思うから
遥:だから明日は、まず塾に通う子達がどんな雰囲気なのか見て、 その上で、イベントを依頼した塾長さんにも話を聞くつもり
MEIKO:あら、もうそこまで考えてるのね!
みのり:遥ちゃん、すごかったんだよ! LUMINAタイムの説明が終わった後、 すぐに何が必要か考えて、塾に電話もかけちゃって!
雫:ふふ、さすが私達のプロデューサーさんね♪
遥:そんな大したことはしてないよ。 アポ取りをしただけだし
レン:もし手伝えそうなことがあったら、いつでも言ってほしいな
レン:このグランプリでのみんなの行方を決める 大事なターニングポイントだろうしね
KAITO:うん。 イベント作りは僕も得意だし、少しは力になれると思うよ
遥:ふふ、頼もしいです。 ありがとうございます
翌日
住宅街
愛莉:次は……そこの角を右みたいね! あとは道なりに進めば、看板が見えてくるはずよ!
あかり:了解です桃井さんっ!
結雨:それにしても……こんな静かな場所に学習塾があるんですね
アリサ:たしかに、学習塾って駅の近くにあるイメージだったけど、 こういうところにもあるんだ
真理奈:駅前は家賃が高いからかもしれませんね。 依頼のあった塾は、個人で経営されてますし
遥:そうかもしれないね
遥:——そうだ。昨日グループメッセージでも送ったけど、 改めてもう一度、情報を確認しておこうか
ひかりん:はーいっ! お願いしま~す☆
遥:塾の名前は『はなやま学習塾』
遥:塾長の名前は花山誠二さん。 8年前にここで開校して、今の生徒数は 4年生から6年生までの30人前後みたい
真理奈:30人……って、多い方なんですかね?
千晴:多分、個人経営の塾としてもちょっと少なめぐらいかなと思います
千晴:私、中学受験組でそういう塾に通っていたんですけど、 そこは全部で50人ほどいて、 周辺の塾もそれぐらいのようだったので
ひかりん:あ! ちはるんも中学受験組だったんだ! ひかりんもだよ~♪
ひかりん:うちはそこそこ大きい塾だったから 1クラス20人で4クラスくらいあったかな~?
愛莉:な、なんかちょっと意外ね……
雫:じゃあ……はなやま学習塾の生徒さんはちょっと少なめなのね
遥:そうみたい。HPにも、『少人数制のアットホームな塾』って 書いてあったし
遥:あ……看板が見えてきたね。 それに——
子供達:先生、さようなら
遥:ちょうど生徒の子達が帰るところみたい。 聞いてた通りの時間だね
あかり:お客さんの顔が見られるチャンスですね。 様子を見に行きましょう!
遥:あ、みんな見つからないようにね
みのり:うんっ!
子供達:今日の小テスト、全然だったな……。 これじゃ志望校の合格ラインに届かないや……
子供達:はぁ……。 今日も夜まで勉強しなくちゃ……
子供達:本番まであと2カ月もないのに、これで大丈夫なのかな……
みのり:……な、なんだか……
アリサ:……想像以上に良くない雰囲気かもね
はなやま学習塾
塾長:——皆さん、本日はようこそお越しくださいました
塾長:こんな小さな塾にわざわざ足を運んでいただいて…… ありがたい限りです
遥:こちらこそ、お忙しい中お時間を作っていただき、 ありがとうございます
遥:……早速になってしまうんですが、 今回イベントを依頼された背景をうかがってもいいでしょうか?
塾長:はい、もちろんです
塾長:元々この時期、はなやま学習塾では、 決起会を兼ねたクリスマスパーティーを開いているんです
塾長:その際、皆さんのライブがあればより子供達に 元気になってもらえるのではないか……と思い、 依頼をさせてもらいました
遥:……なるほど。 決起会を兼ねたクリスマスパーティー……ですか
塾長:……先ほど、子供達の様子を少し見たとおっしゃってましたが、 いかがでしたか?
みのり:あ……えっと……
遥:とても、努力されているようだなと思いました
遥:ただ……少し、疲れているようにも見えて……
塾長:——やはり、そう見えますよね。 皆さんをお呼びしたのも、そこが関係しているんです
塾長:少し前に、受験本番を想定したテストをしたんですが…… 志望校判定が怪しい子が例年よりも多くて、 みんな気持ちが落ち込んでしまっていて
千晴:そうだったんですね……
塾長:……例年、緊張している子はいるんですが、 大体はその緊張がいい方向に作用して、 教室内の士気も上がることが多いんです
塾長:ですが、今年はそのテストの結果が悪かったこともあって、 焦りや落ち込みの空気が伝播してしまっていて
塾長:我々も日頃から励ましたり、 ご家族とも協力して生徒の相談に乗ったりしているんですが それでもなかなか空気を変えることができなかったんです
塾長:それで困っている時に、 この出張ライブの話をネットで知って——
遥:……そういうことだったんですね
塾長:……もちろん、今は受験の追い込みに向けての大事な時期です。 ライブの時間を勉強にあてるべき、と思う子もいると思います。 これまでも決起会を欠席して、家で勉強するという子もいましたし
塾長:ですが……私のこれまでの経験上、 後ろ向きな気持ちを強く引きずったままの子は 本番でも本来の力を出せないことが多く……
塾長:そういったこともあって、生徒の親御さんにも相談して、 このライブで張り詰めた心をほぐして 気持ちを切り替えてもらえればと
遥:(心を……)
塾長:子供達が少しでも前を向いていけるよう こちらでも盛り上げて参ります
塾長:なのでどうか……彼らに元気を届けられるようなイベントに していただけるとありがたいです
遥:——はい。 全力を尽くします
数時間後
LUMINA FORUM レッスンルーム
遥:それじゃあ改めて、 イベントの内容を相談していこうと思うんだけど……
遥:その前に、ひとつ確認していいかな?
千晴:はい。なんですか?
遥:このミーティングも含めて、 いろいろと私が仕切らせてもらってるけど…… みんなは、私が仕切り役で大丈夫?
ひかりん:え? あ、たしかにいつの間にか はるかりんがリーダーになってるね!
結雨:——私は、桐谷さんが今回のリーダーであることに 異論はありません。ここにいる全員を仕切る力がある人が その役目を担う方がいいですから
アリサ:……そうだね。 仕切りが上手いのは十分わかってるし
遥:——ありがとう、みんな
遥:それじゃあ早速、イベントの内容を考えていこうか
遥:まずは、見学をして気づいたことがあったら どんどん言っていってほしいな。 どんなことでも大丈夫だよ
遥:例えば……私は、あの教室はちょっと狭いから イベントをやるなら工夫が必要そうだなって思ったかな
愛莉:そこはわたしも思ったわ
愛莉:あんまり派手な動きはできなそうだから それを前提に振りやフォーメーションを考えていきたいわね
結雨:それに、機材の持ち込みにも限度がありそうですね。 大きなスピーカーは使えなさそうです
チアデのメンバー:でもライブはやっぱり音が命だし、 そこはなんとかしたいよね
千晴:ただライブの音がご近所に漏れると問題になりますし、 その辺りも考えて——
遥:みのり、どうしたの?
みのり:あ……! その、えっと……
みのり:……ライブについての意見じゃないから、 今言うことじゃないのかもしれないけど……
みのり:あの子達、本当に……苦しそうだったなって思って
みのり:っていうか、きっとす~っごく不安だよね……!!
みのり:あともう少しで本番だし、 本番は1回だけだから、失敗しちゃったらって思うと……
千晴:……そうですね
千晴:まだ小学生なのに、自分の未来のために努力していて…… とてもすごいです
千晴:しかも……その努力が報われるとも限らないですし
ひかりん:……うん……
ひかりん:がんばってがんばってがんばりすぎて…… 心がギュギュ~ってブラックホールみたいになっちゃう子も きっといるよね……
アリサ:……そんな状態でも結果を出さなきゃいけない。 そのプレッシャーは、相当なものだと思う
遥:——うん
遥:あの子達はみんな、苦しい中でもがき続けてる。 だから——
遥:少しでも元気になってもらうために、頑張ろう

第 4 话:作戦会議!

LUMINA FORUM レッスンルーム
遥:それじゃあここからは本格的に、内容を考えていこうか
ひかりん:はーいっ☆ ピカっと一等星なアイディア出しちゃお~♪
あかり:うーん……。 一体どんなライブなら、受験生のみんなを元気づけられますかね?
真理奈:やっぱり、アップテンポで盛り上がる曲を 多めに入れるとかでしょうか?
みのり:たしかに、一緒に体を動かしたりできたら、 気持ちも上がりそうですね!
雫:それなら、エールを送るような曲もよさそうね。 みんなの背中を押せるように歌いたいわ
千晴:そうなると、候補は結構ありますね……。 じゃあ——
千晴:各グループで相談して、 受験生達を元気づけられる曲を選出してみるのはどうでしょう?
アリサ:うん、いいんじゃない
結雨:私も賛成です。 少し時間をとって話し合いましょうか
遥:…………
遥:(受験生達を元気づけられる曲で、ライブをする……)
遥:(たしかに普通に考えれば、それが一番いいと思う)
遥:(だけど——なんだか引っかかる)
有澤:前を向くことすら厳しい状況にある人達かもしれません
塾長:ですが、今年はそのテストの結果が悪かったこともあって、 焦りや落ち込みの空気が伝播してしまっていて
遥:(……本当に、今の考え方でいいのかな)
遥:(あの子達はそれで——)
みのり:遥ちゃん?
遥:あ……ごめん。 ちょっと気になることがあるんだけど、 うまくまとまらなくて……
遥:……まずは一度、話し合ってみよう
あかり:チアデさんの『Bright Up Day』 ひかりんさんの『ぶらっくほーるとバイバイ』——
あかり:この流れでモモジャンさんの曲が入ると、 アツいセトリになりそうですね
遥:(……たしかに、セトリとしては悪くない)
遥:(だけど、やっぱり何か……)
みのり:ん~……なんだろう……
結雨:どうかしましたか?
みのり:モヤモヤするっていうか…… うまく言えないんだけど、ちょっと違う気がして……
千晴:その感じ、わかります。 曲を選んでいた時も、少し違和感があって……
あかり:違和感って?
雫:……あ……
雫:もしかすると、『元気になって』って 押し付けてるような感じが少しするのかもしれないわね
愛莉:……たしかにそうね
愛莉:さっき様子を見て思ったけど、 あの子達は今、ライブを楽しめる状態じゃないわ
愛莉:そんな状態の子達に『元気になって』って曲をこんなにやっても、 鬱陶しく感じちゃうんじゃないかしら
みのり:じゃあもっと、気持ちに寄り添うような曲にしてみるとか!?
アリサ:ていうか、そもそもライブを楽しめる状態じゃないなら、 曲を変えても意味ないんじゃない?
ひかりん:ええ~! じゃあどうしたら……
遥:もしかすると——『ライブ』に囚われちゃ駄目なのかもしれない
結雨:え?
遥:私も『出張ライブ』っていう名前に引っ張られて、 いつの間にか、『ライブをメインにした方がいい』って 思っちゃってたんだけど……
遥:みんなが言う通り、 そもそもライブを楽しめる状態じゃない子達にライブは響かない。 だから、他のやり方を考える必要があるんだと思う
遥:私達の目的はライブをすることじゃなくて—— あの子達が前を向けるように、希望を届けることだから
アリサ:…………なるほどね
アリサ:たしかにルールでは ひとつの『イベント』をやるって言われてるし、 ライブ以外やってはいけないとは言われてない
遥:うん
遥:ただ、後で運営にも確認してみるけど、 『出張ライブ』っていう名前がついてる通り ライブをやる必要はあると思うんだ
遥:それに私は——やっぱりライブが一番 みんなに希望を届けられるものだと思うから、入れたいなって
千晴:そうですね。 私達も、絶対やりたいです!
遥:ありがとう。それじゃあ——
遥:あの子達に前を向いてもらうためにできることを、 たくさん考えていこう
遥:……例えばだけど、 まずはトークやゲーム企画をやって、 リラックスしてもらうとかね
あかり:それ、いいですね! あたしが生徒だったらすっごく嬉しいです!
結雨:私も賛成ですが——
結雨:そういうコーナーをやるとして、どれぐらいの時間入れるかは 慎重に考えたいですね
結雨:コーナーを入れた分、ライブの時間は減るので、 他のチームに比べて最終企画でのアピールが弱くなる可能性も あります
遥:うん。それはそうだね
チアデのメンバーA:……最後は視聴者投票になるし、 視聴者のみんなにも楽しんでもらおうってなると……
チアデのメンバーB:ライブを中心に組み立てていく方が、 安心ではあるよね……
千晴:…………たしかに、 ライブを中心に考える方が安心ではありますが——
千晴:私は、何より『希望を届ける』ことを最優先に考えようという 桐谷さんの考えに賛成です
千晴:有澤さんも言っていました。 どんな場所でも、どんな相手にでも希望を届けられる存在が 真のアイドルだと
千晴:だから、あの子たちに希望を届けるために何ができるかを 第一に考えるべきです!
結雨:私も、それには同意です。 なので、その軸をブラさずに 時間配分に気をつけていければいいかと
遥:……ありがとう、みんな
遥:それじゃあ、もう一度初めから考えていこう
遥:じゃあまず、『みんなの気持ちをほぐして元気づけるために どんなことができるのか』について 意見を集めていこうと思うんだけど……
遥:その前にまず、イベントの尺を確認しよう。 できるコーナー数も限られてると思うから
ひかりん:はーい! えっと、時間はだいたい2時間なんだよね?
遥:うん。元々、受験前の決起会は2時間あって、 そのことは受験生もご両親も入塾説明会の時に聞いてるから 時間を空ける用意もできてるみたい
アリサ:その前提で考えると——ライブの時間を最小限にしても、 できるコーナーは最大4、5個ってところかな
みのり:5個……それならいっぱいできそうだね!
愛莉:でも……ライブの時間もMCの時間もあるし、 転換もあるでしょうから、ひとつ15分もできないんじゃない?
愛莉:それに、たくさんコーナーができても 難しいことには変わりないわ
雫:そうね…… あの子たちは、私達アイドルと過ごす時間より、 勉強する時間のほうがほしいでしょうし
雫:元々アイドルが好きな子達だったりしたら、 盛り上がってくれるかもしれないけど…… あの子達がそうとは限らないものね
アリサ:興味のないもののために時間を使われるのはキツいだろうしね。 早めに気持ちを掴んでおかないと
真理奈:……そうやって考えると、やっぱり難しいですね
遥:——だけど、それでもやるしかない
遥:そういうところも踏まえて、 みんなでしっかり詰めていこう
千晴:はい……!!
遥:じゃあここからはさっき言ったとおり、 具体的な話をしてこうと思うんだけど……
遥:その前に、 全員をシャッフルして、何班かに分けようと思う
アリサ:班? どうして?
遥:まずは子供の気持ちに詳しいメンバーを班のリーダーにして 少人数で話し合った方がいいアイディアが集まるんじゃないかって 思ったんだ
結雨:子供の気持ちに詳しい、というと……
千晴:ReLightだと、あかりが小学生の子に人気ですから、 わかるんじゃないかと思います!
あかり:うん! ちっちゃい子大好きだし、任せて!
ひかりん:ひかりんもモールのイベントで人気だよっ! 一緒にビックバーン☆ってやってるし♪
アリサ:うちだと……子供のファンが多いのは真理奈だね
真理奈:まぁ、比較的って感じですけど…… 小さいきょうだいもいるので、少しわかると思います!
雫:なら——うちは愛莉ちゃんね!
愛莉:ハッピーエブリデイはちょっと昔のキャラだから 子供に大人気!とまでは言えないけど……
愛莉:でも、小さい子達を盛り上げるのは大得意よ!
遥:うん。じゃあ、それぞれ分かれて アイディアを出していこう!

第 5 话:俯瞰

1時間後
遥:各班、アイディアは付箋に書けたかな?
ひかりん:はーいっ!
あかり:書けました!
遥:他の班も——大丈夫そうだね。 それじゃあ、このホワイトボードに貼っていってくれる?
みのり:わ! すごい数……! 30個くらいありそうだね!
みのり:あ、この『アイドル直伝! 本番の緊張を和らげるワザを教えちゃうコーナー!』とか とっても楽しそう!
結雨:それは桃井さんのアイディアですね
結雨:受験への不安をやわらげることができて、 かつ私達が言うからこそ説得力があることを伝えられたら いいんじゃないか……という考えで
愛莉:『緊張してる時ほど、深い呼吸が大事!』とか 『好きな音楽をかけてテンションアップが効果的!』とか、 実践して効果あったことを伝えていくつもりよ
あかり:おお~さすが愛莉ちゃん!
雫:でも、こっちの班のアイディアも負けてないと思うわ
雫:椿木さんが考えてくれた 『頑張ったこと発表会』は私もお気に入りよ
千晴:ふふ。 そう言ってもらえて嬉しいです
千晴:受験でも、オーディションでも、 不安を打ち消せるのって、やっぱりこれまでの努力だと思うので。 それを思い出して自信にしてほしいなって思って
ひかりん:たしかにカニ座はプレセペ星団!
愛莉:マニアックすぎてよくわかんないわよ
遥:みんな、たくさんアイディアを出してくれてありがとう
遥:じゃあここからは、ひとつひとつ議論して厳選していこう!
みのり:うんっ!
アリサ:この『勉強しながら遊べちゃう算数パズルコーナー!』は いらないんじゃない?
みのり:え!? 勉強しながらリフレッシュできるから、 いいかな~って思ったんですけど……
千晴:でも……子供達にも学力の差があると思うので レベルを合わせるのが難しそうですね
あかり:それに、パーティーだ!ってやって来て勉強するの ちょっとテンション下がっちゃいますしね
みのり:た、たしかに……! うう、もっと考えなくちゃ~!
ひかりん:ひかりんのオススメは~、 『みんなでピカっとおしゃべりコーナー♪』だよ☆
アリサ:いや、それ何するの? しゃべるだけ?
ひかりん:うん! みんなのこと知りたいし、知ってもらいたいから そのためのフリートークって感じかなっ☆
結雨:少し漠然とし過ぎてるような気がしますが……
雫:でも、たしかに知らない人達にいきなりアドバイスをもらっても 緊張するから、おしゃべりで仲良くなるのは大事かもしれないわね
遥:——うん。 大分絞れたね
千晴:30個あったアイディアが、 10個にできましたもんね!
愛莉:でも、ここから更に絞らなくちゃいけないのよね
みのり:う~ん、どれもいいアイディアだから迷っちゃうね。 でもライブの時間もあるから、全部は難しいし……
真理奈:じゃあ、どれを削るかですけど…… どう絞りましょう? 多数決にしますか?
アリサ:でもそれだと、私達の主観が入ってきそうじゃない? 絞るなら、ちゃんと観客のためになるかどうかで考えなきゃ
遥:うん…………
遥:……少し時間はかかるけど、リサーチをするのはどうかな
遥:さすがに直接は聞けないけど、塾長さんに、 子供達がどういうものを好みそうか聞いてみたり——
遥:みのりみたいに小学生のきょうだいがいるメンバーに頼んで どの企画がおもしろそうか、元気が出そうか聞いてみたりして、 実際の声を集めてみるの
遥:受験生のみんなと年が近い子達の意見を、 できるだけ取り入れた方がいいと思うから
あかり:そういうことなら、 あたしにもきょうだいがいるので聞いてみます!
真理奈:あ、それって、いとこでもいいですよね?
真理奈:よければ、私のいとこは放送委員なので、 学校全体でアンケートがとれないか聞いてみようと思います
遥:ありがとう。助かるよ
遥:(……これでもう少し、 アイディアが絞れるといいな)
数日後
愛莉:……聞いた人数は103人。 大分集められたと思うけど……
遥:……まさか、こんなに綺麗に票が割れるなんて……
みのり:結局、どれにすればいいんだろう……
ひかりん:もうピピっと直感で絞っちゃうとか!?
愛莉:……たしかに、割れたっていうことは裏を返せば どのコーナーも刺さる子はちゃんといるってことだから その手もアリかもしれないけど……
遥:(たしかに、どのコーナーも刺さる子がいるなら……)
遥:(……でも)
遥:(本当に、そんな形で決めていいの?)
ステージのセカイ
レン:…………なるほど。これがそのアイディアなんだね
遥:うん。 忌憚のない意見を聞かせてもらえたら嬉しいんだけど……
レン:……難しいな
ミク:そうだね。 どれもコーナーにした時すごく盛り上がりそうだし……
KAITO:僕も同意見だな。 甲乙つけがたいっていうか……
遥:……そっか。 ありがとう、みんな
遥:——受験生の子達の気持ちになって いろいろ考えたいって思ってるけど……難しいな
ミク:遥ちゃん……
遥:イベントまで時間もないし、 ライブの内容も考えなきゃいけないから できるだけ早く答えを出さなきゃって思ってるんだけど……
遥:…………妥協したくないんだ
遥:受験生の子達は、きっと今、 すごく苦しい中頑張ってる
遥:そんな子達のために、最高のイベントにしたい。 いい出来っていうだけじゃなくて、最高の——
遥:でも、どうすれば……
レン:——僕も一緒に考えるよ。遥ちゃん。 もう一度、さっきの一覧を見せてもらってもいいかな?
遥:レンくん……
ミク:わたし達も、もう1回見たいな!
ミク:目の前にいる子を心から笑顔にしたいっていう気持ち—— すごくわかるから。ちゃんと力になりたいの
KAITO:それに、困っているアイドルを見過ごすわけにはいかないからね
レン:ただ…… アイディア自体はさっきも見せてもらったから、 もう少し、違う視点から見てみる必要があるかもしれないね
遥:——違う視点?
レン:うん。 イベントに参加する受験生の気持ちになるのも もちろん大事だと思うけど——
レン:もっと、全体を俯瞰して見てみる必要があるのかもしれないなって
レン:届ける相手に近づきすぎると、 見えなくなってしまうことがあるから
KAITO:たしかにそうだね……。 僕も以前、お客さん側の視点からライブを作ったことがあるんだ
KAITO:いつも以上にファンサをもらえた方が 嬉しいんじゃないかって思って、 ファンサの比重を増やしたんだけど——
KAITO:結果的には、全体が間延びして お客さんの楽しい気持ちを切ってしまうようなライブに なってしまったんだ
ミク:うん……。 あのライブは、ちょっともったいなかったね
レン:相手の立場に立って考えることは大切だけど、 そうやって作ったものが正しいのかを見極めるためには、 一度離れて考えることも大切で……
レン:だから、俯瞰することも時には必要になるって思うんだ
遥:……俯瞰……
遥:(たしかに……。 ここまで、受験生の子達の心をほぐして 希望を届けることばかり考えていたけど……)
遥:(レンくんの言うように、もっとコンセプト——構想から 考えていく必要があるのかもしれない。 そのためには、もっと視野を広げていかないと……)
遥:…………
遥:——あ……
レン:どうしたの?
遥:……ひとり、知ってるんだ
遥:——誰よりも広い視野で物事を見ることができる人。 その人に聞けば、もしかしたら……
遥:(……今、柊さんは、私達と対立する存在)
遥:(だけど——)
遥:(あの人は、希望を届けることに 何より一番情熱を持っていて……)
遥:(だからこそ、ReLightを優勝させたいと思っている)
遥:(それならきっと——道はある……!)

第 6 话:相対するは

テレビ局
柊:(……現時点でのReLightの順位予想は、 5位または6位)
柊:(ちょうど、本選に進めるかどうかのボーダー上にいる)
柊:……いい順位だ
柊:(しかし……椿木から話を聞く限り、 今回のイベントは、まだ完全には形になっていない)
柊:(ならば、そろそろ——)
???:——柊さん
柊:……桐谷
遥:お久しぶりです。 前に、偶然会った以来ですね
柊:……そうだな
柊:しかし今回は、偶然鉢合わせた……というわけではなさそうだな
遥:はい
遥:椿木さん達に、柊さんは今日ここにいると聞いたので—— 待っていました
柊:……なんの用件だ
遥:——お願いをしに来ました
柊:お願い……?
遥:柊さん。どうか、アドバイスをいただけませんか?
遥:今回のLUMINAタイムで開催する 私達のイベントに
柊:……今回は、お前達自身が考える企画だっただろう
遥:おっしゃる通り、ルールには、 “セトリや演出は”アイドル自身で考えるようにとありました
遥:ですが、全体のコンセプトやプロデュース方針について アドバイスを仰ぐことは問題ありません。 運営にも確認しました
柊:…………たしかに、そう書いてあったな
柊:だが、このグランプリにおいて お前達はReLightのライバルだろう。なぜ私に聞く?
遥:柊さん以上に、希望を届けることを目指し 実行してきたプロデューサーはいないと思っているからです
遥:それに——私達とReLightは今同じチーム。 今回の結果はReLightにも影響します
柊:……ReLightの予想順位は、現在5位だ。 私が手を差し伸べなくても勝ち残る可能性は高い
遥:だとしても、100%ではありません。 なら、敗退する可能性だってあります
遥:勝ち抜く確度をもっと上げたい。 そうは思いませんか?
柊:…………
遥:だから——
遥:どうかお願いします。柊さん
遥:勝ち抜くため——希望を届けるために、アドバイスをください!
柊:…………
柊:——何が聞きたい?
遥:今は、出てきたアイディアをどう絞るべきか—— その判断軸がないため悩んでいます
遥:……こちらを見てください。 今出ているイベントのアイディアの一覧です
遥:アイディア自体はどれもいいものだと思うんです。 ですが、これをイベントに向けて どうまとめていけばいいのか——
柊:道を作れるかどうかだ
遥:……道?
柊:そうだ。つまり——
柊:前を向くことが難しい者に、 再び『希望の物語』を信じさせる道が作れているかどうか
柊:それが判断軸になる
遥:『希望の物語』……
遥:それはつまり——
数時間後
愛莉:柊さんに、アドバイスを……!?
遥:うん
アリサ:まさか、他のグループのプロデューサーに 話を聞きに行くなんて……
遥:私が知る限り、こういうイベントを一番俯瞰して見れる人だから、 きっといいアイディアをくれると思って
結雨:最初に『柊さんの予定を教えてほしい』と言われた時は 私達も驚きました
遥:無理を言ってごめんね。 自分の中で整理したかったから、直接話しておきたかったんだ
千晴:構いません! 柊さんは、頼れる人ですからね
遥:……ありがとう
遥:それで——柊さんからもらったアドバイスを元に、 イベント全体を組み立ててみたの
遥:みんな、見てもらっていいかな
あかり:もちろんです! 拝見します!
愛莉:なるほど……。 たしかにこれなら、いけそうね……!
アリサ:……でも、これじゃ配信映えはしないんじゃない?
遥:……うん
遥:だけど——
遥:これなら希望を届けられる。 私はそう思う
千晴:——私は、この案でいきたいです!
あかり:千晴……
千晴:……もちろん、配信映えや、投票への影響も 最大限考えた方がいいとは思います。 けど——
千晴:私達がアイドルとしてすべきことは、 何より目の前の人に希望を届けることだと思うので
結雨:……たしかに、そうですね
愛莉:——わたし達は当然、遥の案に乗るわ。 でしょ?
雫:ええ! もちろんよ!
みのり:うん! 遥ちゃんはわたし達のプロデューサーさんだし——
みのり:あの子達に、絶対に希望を届けたいから!
アリサ:——でもこのアイディアは、配信を見てる私達のファンが 置き去りになる可能性もある
アリサ:それはわかってるの?
遥:もちろん、わかってる
遥:でも私達のファンは—— ここであの子達に全力で向かうって、信じてると思うんだ
アリサ:…………はぁ
アリサ:付き合ってられない、って言いたいところだけど——
アリサ:……私達だって、希望を届けられないチアデではいたくない
遥:……! じゃあ——
アリサ:やるからには、本気でやるから
遥:……ありがとう、日暮さん
遥:——それじゃあみんな
遥:ここからイベントまで、本気で突き進もう!!

第 7 话:君に希望の物語を

イベント当日 朝
はなやま学習塾
愛莉:——よし! こっちの小道具の確認、全部終わったわよ!
結雨:こちらも準備終わりました
ReLightのメンバー:こっちもばっちりです!
遥:ありがとう。 じゃあ、そろそろ隣の教室に移動して待機しようか
コメント:『準備おつかれ!』 『Fチームがラストか』 『他チームもよかったから楽しみ~』
雫:ふふ、配信で見てるみんなも待ちきれないみたいね
みのり:あとは、みんなが来るのを待つだけだけど…… うう……ドキドキしてきた……!
遥:……うん
遥:(……そろそろみんなの決意表明が終わって、 クリスマスパーティーに入る時間)
遥:(もうすぐ先生達が『スペシャルイベント』っていう形で みんなをこっちに連れてきてくれるけど——)
愛莉:どうしたのよ、遥。 ガラにもなく緊張してるみたいじゃない?
遥:……うん
遥:本当に希望を届けられるか…… その時になってみないとわからないから
愛莉:な~に言ってんのよ!! できるに決まってるじゃない!!
遥:え?
愛莉:あの桐谷遥と、 今をときめくスーパーアイドル達が頭をひねって考えた イベントなのよ!? うまくいくに決まってるでしょ!!
遥:……愛莉……
愛莉:ほら、そうこうしてたら来るわよ!
遥:え?
子供達:……はー、なんかアイドルが来てくれるとか言ってたけど、 正直興味ねーよな~
子供達:気持ちを切り替えるためにって言ってたけど、 ちょっと時間もったいないっていうか……
子供達:ホント、こんなことしてる場合じゃないのにね……
遥:あ……
愛莉:……やっぱり今日も イベントを楽しめるような感じじゃなさそうね
愛莉:——それでもわたし達は、あの子達に元気になってほしい。 希望を届けたい。でしょ?
愛莉:それなら、やることはひとつだけよ!
遥:——うん
愛莉:じゃあ、本番前にもうちょっとあの子達の顔を覗いて……っと
ひかりん:あ、ひかりんにも見せて見せて~!
愛莉:ふっふっふ、集まってるわね~♪ 盛り上げがいがあるわ!
ひかりん:おお~、さすがあいりん……! 緊張するどころか、金星みたいにアチアチしてるね!
愛莉:そりゃ、逆境の方が燃えるもの! ひかりん、トップバッターまかせたわよ?
ひかりん:うんっ☆ あいりんが、 ひかりんは小学生に人気だって教えてくれたしねっ♪
愛莉:ふふ、妹に『ひかりん体操が小学生の間で ちょっとバズってる』って聞いた時は驚いたわ!
愛莉:フックがあるならそれを使わない手はないわ! 頼んだわよ!
遥:じゃあ——みんな、一度集まってくれる?
あかり:あ! もしかしてエイエイオーってやつですか!?
アリサ:普通、円陣って言うでしょ
真理奈:ちょっとアリサちゃん! 言い方言い方!
雫:ひかりんさん、よかったらここに入らない?
ひかりん:あっ! ありがとう、しずくん♪
みのり:ではでは遥ちゃん、お願いしますっ!!
遥:……あの子達は今、暗闇の中で必死にもがいてる
遥:怖さや緊張と戦いながら、前に進もうとしてる
遥:その一歩を精一杯応援しよう
遥:『前を向いて走っていって!』——って!
遥:届けよう、希望を!!
全員:『うん!』 『ええ!』 『はい!』
子供達:……はぁ……
子供達:受験まで時間ないのに、 なんでこんなイベント……
子供達:な~、あと何分? 時間あるなら復習しときたいんだけど
子供達:これってひかりん見たら帰ってもいいのかな?
子供達:終わったらすぐに帰って勉強しなきゃ……
有澤:——間に合ったようね
有澤:(さて……ここが最後のチームね)
有澤:(……ここはアイドルと親和性の高い年の子が多いから 一見、やりやすそうに見えるわ)
有澤:(けれど……実際はそうではない。 子供達は受験という、簡単には払拭することができない プレッシャーに苛まれているわ)
有澤:(そんな状況にある子達の気持ちをどう動かしていくのか…… 見せてもらいましょう)
子供達:わっ! な、何?
子供達:始まるのかな……?
有澤:これは——
ひかりん:はなやま学習塾のみんな~! 今日もぴかぴかっと光ってるかな~!?
ひかりん:まずはひかりんの高速流星ステップで、 一緒にもりあがっちゃお~う☆ シュシュシュシュ~!!
子供達:な……なにこれ……
子供達:あ……もしかしてこれ、ひかりん体操じゃない? TrickTrickで見たことある!
ひかりん:次はどっかんビックバンだよ! みんなぎゅぎゅっと縮こまって~~~……どっかーん!
子供達:ふふ……変な動き
有澤:(……なるほど。 子供達に知られているひかりんさんを トップバッターにしたのね。順当だわ)
有澤:(ただ——)
子供達:ひかりんって……誰?
子供達:わかんないけど、ダンス動画が流行ってるみたいだね。 うちは見せてもらえないからよく知らないけど……
有澤:(……こういう事態は当然予想できるわ。 さて、ここからどうやって——)
ひかりん:みんな~!! 一緒に踊ってくれてありがとう~!!
ひかりん:知ってる人も、知らない人も、こんにぴか~! 弾ける笑顔で宇宙を照らす☆ 銀河級アイドル、ひかりんです! 今日はいっぱい楽しんでいってねっ!
ひかりん:——って言っても、そんな気分になれない子もいるよね
ひかりん:みんなの気持ち、す~っごくわかるよ!
ひかりん:実はひかりんも、はなやま学習塾のみんなと一緒で、 中学受験をしたことがあるんだ
子供達:え……?
ひかりん:受験って、とーってもドキドキするよね! ひかりんも本番の時は、緊張でハートがビッグバンしちゃったよ!
ひかりん:そうだ! 他にも中学受験したお友達がいるんだよ! おーい、千晴ちゃ~ん!
千晴の声:はーいっ!
千晴:ReLightの椿木千晴です! 実は私も、中学受験をしたんですよ! アイドルとして活動ができる学校に行きたい!って思って
千晴:そして今は、念願かなって学校に通いながら 夢だったアイドルをやっています!
千晴:きっとみんなも自分の未来のために頑張ってるんですよね。 とってもすごいです!
千晴:今日は頑張るみんなのために とっておきのパーティーにしちゃうので 期待してくださいね!
コメント:『千晴ちゃん達も中学受験してたんだ!』 『ひかりん意外!つか実際中受って大変そうだよな』 『遊ぶ時間削られるしな~』
子供達:……あのお姉さん達も受験したことあるんだ……
子供達:なんだか、意外だね……。 アイドルの人って、受験とかしないと思ってた
有澤:……なるほど
遥:(——よし)
遥:(まずは狙い通りにいってるみたい)
遥:(『希望の物語』を信じさせる道が作れているかどうか——)
遥:それはつまり—— このイベント自体を、子供達が信じられるような 『希望の物語』として作っていく必要があるということでしょうか
柊:その通りだ
柊:今、子供達は希望を持てていない。しかしお前達はここから 『自分もできるかも』『もう少し頑張ってみよう』と 前向きに思ってもらえるようにする必要がある
柊:その時強力な手段になるのが、『物語』だ
柊:——人間はいつでも、『物語』が好きだ。 心躍る冒険や出会いの中で、 希望や勇気……時に生きる指針すら与えてくれるものだからな
柊:希望という光を届けることを使命とする私達が その力を使わない手はない
柊:だが……心に響く物語を作り上げるのは そう簡単ではない
柊:例えばの話だが——完璧に美しく欠点のまったくないアイドルが 一般人に寄り添い『君もできる』と言ったとして、 その人物は素直に受け入れられると思うか?
遥:それは……難しいと思います
遥:その人にとってそのアイドルは遠い存在で…… 自分達と同じ相手とは思えないので。 『それはあなただからできたんだ』と思ってしまうと思います
柊:そうだ。 なら、その状況でまずやるべきことは、わかるな?
遥:——『自分達と同じだ』と思ってもらう、ということですね
柊:そうだ
柊:そしてそのためには——ありのままの自分を開示し 歩み寄るべきだろう
柊:時には……隠したい姿までも見せてな
遥:(まず、『自分と同じなんだ』って思ってもらわなくちゃ、 届かない)
遥:(だから、子供達と共通点があるひかりんさんと椿木さんに “壁を取り払う”ところからスタートしてもらった)
遥:(そして——)
ひかりん:それじゃあここからは次のコーナー! 愛莉ちゃん! おねがいしまーっす!
愛莉:は~い! ここからはMORE MORE JUMP!の 桃井愛莉が担当しちゃうわよ♪
子供達:あれ、この人って……?
子供達:お姉ちゃんがテレビでよく見てた気がする。 ハッピーエブリデイだっけ……?
愛莉:わたしのことを知ってくれてる子もいるみたいね! それじゃあ、次のコーナーで 一緒にいっぱいおしゃべりしましょ♪
愛莉:っていうわけで次のコーナーは—— 『仲良くなろう!みんなでおしゃべりコーナー』よ!
愛莉:今からグループにわかれて、 クリスマスのお菓子を食べながら、おしゃべりしましょ♪
有澤:……!
コメント:『おしゃべり?』 『ファンミみたいな……?』 『でもグループに分かれてって言ってたし、椅子準備してるぞ』
コメント:『分かれて雑談?』 『話すだけってさすがに地味なような……』 『てかライブしないのか?』
遥:(——このコーナーが最初の賭け)
遥:(普通のアイドルイベントならまずやらない。 画面映えしないし、話したいメンバーと話せるとは限らないから)
遥:(でもこれは——この子達に心を開いてもらうために 絶対に必要なステップ)
愛莉:——それじゃあ、グループ分けしていくわよ~!
女の子A:えっと……よろしくお願いします
男の子A:お願いします……
遥:ふふ、みんなよろしくね。 短い時間だけど、たくさん話せたら嬉しいな
遥:(……他のグループは——)
みのり:よーし、じゃあ次は、 みんなの名前を聞いてもいいかな?
男の子B:ぼ、ぼくは松本俊です
あかり:俊くんって言うんだ! よろしくね!
千晴:——あ、そのヘアピン雪の結晶のデザインだ! かわいいね!
女の子B:ほんと? えへへ、これお母さんの手作りなの!
雫:そうなの? こんな素敵なヘアピンを作ってくれるなんて、すごいわね
遥:(……いい空気になってるね)
結雨:——皆さん、 みんなでクッキーを焼いてきたので、もしよければどうぞ
女の子A:あ、かわいい……このクッキー、トナカイの形してる
結雨:ふふ、もうすぐクリスマスですからね。 ちょっと早いプレゼントです
女の子A:プレゼントか……。 今年は頼んでないな……
遥:そうなの?
女の子A:あ、はい……。 ほんとはゲームがほしいんですけど、 もらっちゃったら、やりたくなっちゃいそうで……
遥:そっか……。 受験のために我慢してるんだね
女の子A:うん。 どうしてもお姉ちゃんと同じ中学に行って、 一緒に部活やりたいから……
遥:……すごいな。目的のために我慢できるのって 大人でも簡単にできることじゃないよ
女の子A:そ、そうかな……
女の子A:あ、でも、優太くんは去年からずーっとゲーム我慢してるから、 優太くんのほうがすごいですよ
男の子A:そ、そんなことないよ……! そうじゃないとみんなに追いつくのが大変だからで……
遥:……優太くんも偉いよ。 もう1年以上も、目標のために頑張ってるんだね
男の子A:あ……えへへ
遥:それにしても、ふたりともゲームが好きなんだね。 どんなゲームが好きなの?
結雨:なるほど……。 それは先生が厳しすぎるかもしれませんね
女の子A:そうなんです! 雨で滑ったって言っただけなのに、 滑ったは言わないでねって……
遥:ふふ。もしかしたら、 周りに気にしちゃう子がいるからって 先生は思ってるのかもしれないね
女の子A:あ……たしかにそうなのかな……
男の子A:…………はぁ
遥:……? どうしたの、優太くん。 少し顔色が悪いみたいだけど
男の子A:あ……えっと……ごめんなさい。 受験のこと思い出しちゃったんです……
男の子A:もう少しで本番だって思うと、胸がギュっとなって……
遥:あ…………
女の子A:……私も。 夜とか、想像しちゃうと眠れないんだ
男の子A:うん……。 もし本番で頭が真っ白になっちゃったらどうしよう……
遥:……わかるな、その気持ち
男の子A:え?
遥:私もそういう気持ちになったこと、たくさんあるから
女の子A:お姉さんも……?
遥:うん。 私は昔からずっとアイドルをやってるんだけど……
遥:受験と同じで、ひとつのミスが 全部を台無しにしちゃうことがあるから…… そうなったらどうしようって、よく怖くなってたんだ
男の子A:……そうだったんだ……
遥:でも——
遥:そういう怖さを乗り越えた先には、 いろんな世界が広がってたんだ
男の子A:いろんな……
遥:うん
遥:同じ気持ちを持って、 お互い支え合える仲間に出会えたし——
遥:また、ステージに立てて——もっと大きな夢に向かって踏み出せた
遥:だから……
遥:怖さに立ち向かって、 また夢に向かって進んでいって、よかったって思うよ
男の子A:…………
男の子A:……僕にも、できるかな
遥:え?
男の子A:僕も……お姉さんみたいに、 怖い気持ちを乗り越えられるかな……
遥:——できるよ
遥:きっと優太くんにも、できる
男の子A:僕にも……
愛莉:——みんな、楽しくおしゃべりできたみたいね!
愛莉:それじゃあそろそろ、次のコーナーにいってみましょう! その名も——『アイドル直伝! 本番の緊張を和らげるワザを教えちゃうコーナー!』よ!
千晴:ここからは実際に中学受験をした私、椿木千晴と——
みのり:オーディションでいっぱい緊張してきた 花里みのりがお送りしますっ!
女の子A:緊張を和らげる……。 すごい! ちょうど今話してたことだね!
男の子A:う、うん……!
結雨:きっとふたりの役に立つと思いますよ
遥:一緒に前の方に聞きに行ってみよう!
女の子A・男の子A:『はい!』
みのり:わたしのオススメは、お守りになる道具を作ることだよ! 受験会場は普段と空気が違って緊張しやすいんだけど、 いつも使ってるものがあると普段のペースを取り戻せるんだ!
千晴:私は……本番が近づくと、 緊張して眠れなくなる日が増えちゃったんですけど——
男の子A:あ……
千晴:そういう時は、寝る前にゆっくりストレッチをしたり、 好きな匂いのするものを置いたりしていました
女の子A:好きな匂い……。 干したおふとんの匂いが好きだから、 お母さんにお願いしようかな
男の子A:……うん。僕も、ストレッチしてみよう
みのり:みんなは、リラックスするためにやってること、あるかな~? ——はい、そこのあなた! 何かある?
アリサ:ここからは、『ここまで頑張ったこと発表会』だよ
結雨:皆さんがこれまで一番頑張ったことを 私達に教えてください
真理奈:な~んでも大丈夫ですよ! ちっちゃなことでも、頑張ったことなら大歓迎です!
男の子B:頑張ったことって…… そんなの言っても別に意味ないんじゃ……
アリサ:それがそうでもないんだよね。 実は、結果を出すためには、 頑張ったことを振り返るといいの
アリサ:一生懸命頑張った記憶は、いざっていう時に 絶対に気持ちを支えてくれるから。 大きな声で言って、自信にしよう
真理奈:それじゃあ……そこのあなた! いってみましょう!
女の子A:あ、えっと……。 なら、私は国語の問題で——
男の子A:僕は……年表を覚えるのをがんばりました。 夏休みずっと見てたから、 日本の合戦なら、全部言えると思います
アリサ:へえ……すごいじゃん
真理奈:本当ですね! それに、アリサちゃんが褒めるなんて滅多にないんですよ。 これはめちゃくちゃ自信を持っていいです!
アリサ:いや、褒めるくらいするし
有澤:(……明らかに笑顔が増えているわね)
有澤:(ほとんどの時間を受験生との交流にあてるなんて…… ここまで思い切ったイベントをするとは思わなかったわ)
コメント:『なんか、こういうイベントもいいな』 『わかる!町内会のお祭りみたいっていうか』 『誰も置き去りにしない感じがこのチームっぽいよな』
コメント:『子供の声が段々明るくなってるのがいい~』 『画面越しでも雰囲気良くなってるのわかるもんね』 『オレも参加して~!』
遥:(——空気がどんどん変わっていく)
遥:(最初は受験を前にして暗くなってたみんなに、 私達の言葉が届いてる)
遥:(あとは——最後のライブをやり切るだけ……!)
遥:(今はただ、全力で進もう!)

第 8 话:岐路

ひかりん:——みんな~! 残念だけど、もうすぐバイバイの時間だよ~!
男の子B:あ、もうそんな時間か……
女の子B:もうちょっと一緒に遊べたらいいのに……
愛莉:ふふ、そう言ってもらえてとっても嬉しいわ!
愛莉:でも、みんなには大事な大事な受験勉強があるもの。 気持ちをパチっと切り替えちゃいましょ♪
あかり:代わりにと言ってはなんですけど、 最後はみんなに、全力でエールを送ろうと思います!
千晴:というわけで——最後はスペシャルライブです!!
千晴:私達の想いを込めて、全力で歌います! どうか、最後まで楽しんでください!
コメント:『お!ついにライブだ!』 『どの曲やるんだろ~!』 『さすがに全グループはできないもんな』
遥:(——いよいよラスト)
遥:(この曲が、このイベントでできる 唯一のライブパフォーマンス——)
遥:(そして——)
千晴:——桐谷さん!
遥:椿木さん……? どうしたの? こんな夜遅くに
千晴:すみません。 最後のライブのことで、ひとつご相談があって……
千晴:今日の話し合いで、『ライブの曲は、まっすぐエールを届けられる モモジャンさんの曲か、うちの曲のどちらかにしよう』 という話になったと思うんですけど……
千晴:私は——モモジャンさんの曲がいいと思うんです
遥:え、でも、それじゃあ……
千晴:もちろん、私達のファンのためにも、 ReLightの曲をやりたい気持ちはあります。でも……
千晴:このチームでやるなら、ドルラバで共演した時の モモジャンさんの曲——『Yell for you!』が 一番盛り上がると思うんです
千晴:それで、もしその方向で問題なかったら…… 私達にサポーターをやらせてもらえませんか?
遥:サポーター?
千晴:はい。モモジャンさんの曲なので、 リードは皆さんにしていただくことになると思うんですけど……
千晴:全員の振りを見るのは大変だと思うので そこを私達がフォローしようかと!
千晴:それに実は、全員でやる振り付けもイメージが湧いていて…… 明日曲が正式に決まったら、そのお話もしたいです
遥:椿木さん……
遥:……ありがとう。 すごく頼もしいよ
遥:でも……いいの?
遥:椿木さんはコーナーをいくつか持ってるし、 全員分の振りを考えるのは結構負担だよね
遥:それに、リードする私達がカメラに抜かれやすくなるから、 ReLightがアピールしづらいんじゃ……
千晴:構いません
千晴:たしかに、この選択は、ReLightとして勝ち上がるためには よくないかもしれません
千晴:でも私は、このチームとして最高のイベントをするなら、 これが一番いいって思うんです
千晴:全力で希望を届けるのが、私達の目指すアイドルですから!
遥:…………わかった
遥:一緒に頑張ろう、椿木さん
千晴:——はい! ありがとうございます!
遥:(これはみんなが…… 希望を届ける、そのためだけに作り上げてきた1曲)
遥:(全員で、それぞれスポットが当たるように歌割りを話し合ったり グループらしい振りを提案したり……)
遥:(必死の思いで作り上げてきた)
遥:(だから絶対に——やり遂げてみせる!!)
遥:——みんな! 今日は本当にありがとう!
遥:一緒に過ごせたのは短い時間だったけど、 みんなが合格できるよう、心から祈ってるよ
遥:それから—— 最後にひとつだけ覚えていてほしいんだ
遥:たとえ立ち止まっても、挫けそうになっても、 夢はそこで終わらないってこと
男の子A:え……?
遥:私達はここに来るまで、何度も失敗して、 何度も挫けそうになってたんだ
遥:……もう無理だって泣いたこともいっぱいあるの
遥:それでも、私達はここに立ってる
遥:夢を叶えたいっていう強い気持ちが、 私達をここに立たせてくれてる
遥:だから、みんなに伝えたいの
遥:どんなに挫けそうになっても、諦めなければ夢は終わらない!
遥:みんなが進み続ける限り、夢に近づいていける! だから——思いっきり飛び込んでみて!
遥:——聴いてください! 『Yell for you!』
千晴:さあみんな、手拍子お願いします!!
あかり:あたし達をお手本にして、 一緒にフッフー!って盛り上がっちゃおう!
結雨:今日一番の元気な声を、聞かせてくださいね
コメント:『おお~!広がるフォーメーションいい~!』 『教室狭いなって思ったけど、近くていいなこれ』 『どっち向いても幸せ~って感じ!』
真理奈:さあ、腕を左右に振って! 思いっきり動いちゃいましょう!
ひかりん:流れ星になったつもりで~☆ みーぎっ、ひだりっ!
アリサ:いい感じ! じゃあ、ここからはもっと声出していこう!
有澤:(……この会場にふさわしい、見事な振り付けね)
有澤:(ライブの振り付けは 大きな会場でも見栄えするようにと考えて 作られることが多いけれど——)
有澤:(このライブは逆ね。 『近くで一体感を感じられる』作りになっているわ)
有澤:(握手をして、一緒にポーズをとって、 笑い合って——)
全員:『♪—————!!!!』
男の子B:わ……!!
女の子B:すごいすご~い!!
遥:——さあ、ここからは順番にみんなでハイタッチだよ! 両手を出して!
みのり:いっくよ~! せーの……
愛莉:ハッピーをお裾分けする、 連続ハイタッチ~!!
女の子A:わ……!
女の子A:……変なの。 ……ふふっ
遥:——うん。素敵な笑顔だね!
女の子A:あ……
遥:次は、みんなで一緒に歌ってみよう。いくよ!
男の子B:え? 歌うの?
男の子A:で、できるかな……
みのり:大丈夫、できるよ!
雫:まずは一緒にやってみましょう!
男の子A:……!
愛莉:——いくわよ~!!
全員:『♪————————!!』
男の子A:……♪—————
男の子A:……なんだか、変な感じだな
遥:(——届いてる)
遥:(目を見たらわかる)
遥:(私達の声が、言葉が、 ちゃんとこの子達の心の奥にまで……届いてる!)
男の子B:……諦めなければ終わらない……か
男の子A:そっか。諦めずに進めば、もしかしたら——
???:車はいいわ。 今日は歩いて帰りたい気分だから
子供達:——今日のクリスマスパーティー、すごかったな~!!
子供達:も~! それ何回言うつもり~?
子供達:お姉さん達、みんな優しかったな……。 不安に思ってたことも聞いてくれて
子供達:うん。それに、 お父さんやお母さんはアイドルなんてってよく言ってるけど ……本物はかっこよかったな
子供達:うん……!
有澤:光は届いたようね
有澤:——あなたも、そう思うでしょう?
柊:……いつから気づかれてましたか?
有澤:もちろん、イベントの冒頭から気づいていたわ。 あなたの気配はすぐわかるもの
柊:…………
有澤:それで、あなたの今日の評価は?
柊:……予想の範囲内の出来でした。 あのメンバーならば、あれぐらいのイベントは 当然やれなければいけませんから
有澤:予想の範囲内、ね
有澤:でも——遥ちゃんがあなたの元に来たのは 予想外だったんじゃないかしら?
柊:それは……
有澤:まあ、元々あなたの方から アドバイスをする予定だったんでしょうけれど
有澤:あなたの作る“ReLightの物語”の一部—— 予選を突破するため苦労しているReLightメンバーの姿を 視聴者に見せた後に、ね
柊:……さて、どうでしょう
有澤:でも、優しいわね。 ライバルにもしっかりアドバイスをするなんて
柊:そうするつもりはありませんでした。 が……
柊:……桐谷はよくないですね。 熱に当てられました
有澤:……ふふ。そう
有澤:——さて、あなたも駅まで一緒に歩かない? 感想を話し合いましょう?
柊:いえ、私は——あ……
3日後
LUMINA FORUM ホール
スタッフ:間もなく本番です! 皆さん、モニタにご注目ください!
みのり:ううう……、やっぱり緊張してきちゃった……!!
愛莉:……そうね。 わたし達らしく、やれるだけのことはやったと思うけど…… 結果は、想像つかないものね
雫:この、結果を待つばかりの時間は やっぱり落ち着かないものね
遥:……うん
遥:(前回のLUMINAタイムの時も、 直近のアンケートでも、私達の予想順位は6位)
遥:(決勝に進むためには最低2つ ランクアップする必要がある)
遥:(これまでの私達の行動と、前回のLUMINAタイムが 配信や番組を見てるみんなにどう映ったのか——)
スタッフ:本番入ります! 5、4——
司会:——皆さん! お待たせいたしました!
司会:LUMINAグランプリ予選、 結果発表のお時間です!
コメント:『ついに来た!!!!』 『心臓飛び出そう』 『結果はどうなる!?』
司会:視聴者の皆さんからのコメントがすごい勢いですね。 そして……同時接続数も記録更新をしています! ありがとうございます!
司会:そしてまずは——参加したアイドルの皆さん! 1カ月間、本当にお疲れさまでした!
司会:そして、このLUMINAグランプリの予選に関わってくださった すべての皆様に、心からの感謝を!
司会:それでは、もったいぶらずに参りましょう! LUMINAグランプリ——決勝ステージ出場チームの発表です!
アイドル達:も、もう発表……!?
愛莉:出し惜しみしないわね……
みのり:し、心臓が口から出てきちゃいそう……!!
遥:…………
コメント:『展開早くて助かる!』 『待て待てまだ気持ちの準備が……』 『あやぴぃ早く早く~!!』
司会:決勝出場チーム1組目! 得票数20万3651票で4位をとったのは——
司会:『ImU』!!
みのり:うう……
司会:洗練されたダンスで出張ライブを盛り上げた立役者! 20代女性からの圧倒的な支持を受けて、決勝進出です!
コメント:『ImUだ~!!』 『後半からの追い上げすごかったもんな』 『港でやった出張ライブ、人魚衣装綺麗だった!』
遥:(……残る枠はあと3つ……)
司会:続いて、決勝出場チーム2組目! 得票数29万4603票で3位をとったのは——
司会:——『ReLight』!
千晴:あ……!!
遥:……!
司会:新生グループが大躍進! ひたむきでまっすぐな姿に胸を打たれた 10代男女の票が集まりました!
コメント:『ReLightきた!!!!』 『やった~!!』 『これが日本の王道アイドルだ!』
コメント:『千晴の覚悟がかっこよかった!』 『結雨ちゃん!おめでとう!』 『あかりちゃんの笑顔が決勝でも見れる!』
千晴:……っ皆さん、本当にありがとうございます!!!!
みのり:ReLightが……!! やった!!
みのり:あ、でも……
愛莉:…………そうね
愛莉:わたし達とReLightはコンセプトがかぶってる。 ファン層もかなり似てて、食い合ってるわ
愛莉:そう考えると、わたし達は……
遥:…………最後まで信じよう
みのり:遥ちゃん……
遥:まだ、あと2組残ってる
遥:最後まで、結果はわからない
司会:では、続いて第2位!
司会:得票数35万9045票で2位をとったのは——
遥:(……どうか——!)
司会:——『MORE MORE JUMP!』!
司会:事務所に所属せず、配信を中心に活動している 異色のグループがなんと2位に!
司会:『希望を届ける』という本気の覚悟と行動力が 既存ファンのみならず、 10代から40代の男女に幅広く刺さり、得票となりました!
司会:また、『LUMINAグランプリを見てファンになった』 『希望をもらった』というコメントが こちらにもたくさん届いております!
遥:あ…………
遥:(……届いてたんだ)
遥:(ちゃんと——画面の向こうにまで)
遥:——ありがとうございます!!
愛莉・みのり・雫:『ありがとうございます!!』
千晴:やっぱり……かっこいいな
司会:そして栄えある第1位は——
司会:得票数62万5011票! 他グループに圧倒的な差をつけた—— 『Cheerful*Days』!
スタッフ:——配信、終わりました! 皆さん、お疲れ様です!
スタッフ:決勝に進まれる皆さんは、そのままお待ちください! このあと有澤よりご説明がございます!
みのり:ほわぁ……。 なんだか、まだ信じられないな……
愛莉:そうね……。 まさか2位で決勝に進めるなんて思わなかったわ
雫:今回のLUMINAタイムで一気に票を伸ばせたっていうことかしら。 だとしたら——
雫:この結果は、イベントを仕切ってくれた遥ちゃんのおかげね
遥:そんな、私は——
ひかりん:——みのりーん! みんな~!
みのり:ひかりんさん!
ひかりん:決勝出場、おめでとうっ! ひかりんもホントにホントに嬉しいよ!!
みのり:ありがとうございます! あ……でも……
ひかりん:あ! もうみのりんたら! そんな顔しないの~!
ひかりん:ひかりんは決勝には残れなかったけど、 堂々の5位だったんだよ! 知名度から考えたら、大金星ならぬ大金星……大ヴィーナスだよ!
ひかりん:だからいつものキラキラ笑顔で見送ってほしいなっ☆
みのり:ひかりんさん……
スタッフ:すみません! 大道具通ります!
ひかりん:あ……! あんまりここにいると邪魔になっちゃいそうだから、 ひかりんはこれにて撤収するね! 彗星のようにバイババーイ☆
みのり:あ、行っちゃった……
遥:……あれ?
遥:この星、ひかりんさんが衣装につけてるアクセサリーだよね。 落としちゃったのかな
みのり:あ! じゃあ届けに行かなくっちゃ!
愛莉:そうね。 まだこっちの準備には時間がかかりそうだから、 追いかけて渡してきても大丈夫そうよ
遥:うん。じゃあ、私とみのりで行ってくるね
遥:ええと、ひかりんさんは……
みのり:……あ!
遥:え? あ……
遥:……ひかりんさん……
みのり:っ……ひかりんさん!!
ひかりん:……え!? み、みのりん、はるかりん、どうして……!
遥:……これ。 ひかりんさんのだから、届けようと思って
みのり:う……。 見ちゃってごめんなさい……!
ひかりん:あ……。 えへへ、去る星跡を濁してしまったのであった~……
ひかりん:……できれば、ニコニコお別れしたかったけど……
ひかりん:……やっぱり……やっぱりひかりんも…… みんなと一緒に、決勝に行きたかったな……
ひかりん:——でも!
ひかりん:みんなのおかげで、ひかりんの胸には ぴっかぴかの一等星が増えたんだ!
遥:ひかりんさん……
ひかりん:はるかりん! 最後にみんなと思いっきりイベントができて 銀河でいっちばん素敵な思い出になったよ!
ひかりん:それから——
ひかりん:『諦めなければ夢は終わらない!』って言葉、 ひかりんの胸にもドカーンって突き刺さったよ!
遥:……!
ひかりん:ひかりんのLUMINAグランプリは終わるけど、 でも、ひかりんの夢は終わりじゃない!
ひかりん:つまずいてもつまずいても、 何度だって立ち上がってみせる!
ひかりん:だから——みんなも頑張って! ひかりんの分も、ぴっかぴかに輝いてね!
遥:……うん!
遥:(……あの時、子供達が心を開いてくれたのは、 ひかりんさんの前向きな明るさがあったから)
遥:(それに、ReLightのみんなも Cheerful*Daysのみんなも、 持てる力を全部使ってくれたから——)
遥:(……私の力だけじゃない)
遥:(みんながひとつになって、 希望を届けようって思ったから……あのイベントができたんだ)
有澤:今、ここに集まっている皆さんは、互いにライバル同士です。 けれど——
有澤:皆さんは同じように夢を見て、同じように苦しみ、 同じように走り続けている。 ……だからこそ、支え合える瞬間がある
遥:(本当に……素敵な仲間に出会えたな)
遥:(でも——)
遥:(ここからは、きっと勝負になる)
遥:(本気でぶつからなきゃ……きっと勝てない)
遥:——みのり
遥:ここからも、全力で駆け抜けていこう
遥:私達らしく、希望を届けるために!
みのり:うんっ……!