活动剧情

Resonate with you

活动ID:20

第 1 话:隠された想い

教室のセカイ
咲希:えっ! いっちゃん、ストリートライブやってたの!?
一歌:うん、もっとうまくなるためには 人前で演奏することも必要だって、ミクに教えてもらって
志歩:そうだったんだ……
穂波:あ、もしかして……ミクちゃんとの『秘密の特訓』って、 ストリートライブのことだったの?
ミク:うん、そうだよ
咲希:やっぱりそうだったんだ~!
咲希:あの時から、いっちゃんの歌とギター、 すっごく上達してたもんね!
穂波:うん、わたしも叩いてて気持ちよかったな。 それに一歌ちゃんが力強く歌ってくれるおかげで、 前より一体感が出てきたっていうか……
ミク:そうだね。 でも、一歌もそうだけど みんなも練習頑張ってるよね
MEIKO:そうそう。穂波も咲希も、うまくなってるのは当然だよ
穂波:そんな……
咲希:えへへ、しほちゃんにたっぷり しごかれてましたから♪
志歩:私はまだまだ足りないって思ってるけど?
咲希:ええ~!
穂波:ふふっ……
志歩:…………
志歩:(たしかに、みんなはうまくなってる。 一歌も前とは違って、歌に表情がついてきた)
志歩:(けど……)
イオリ:——♪ ——♪
志歩:……っ!
志歩:(STANDOUTのライブは、すごかった。 これからプロデビューするバンドとして 突き進んでいく勢いがあった)
志歩:(みんなとも、あんな演奏ができれば——)
咲希:ねえねえ、そろそろアタシ達も ライブやってみない?
志歩:え……
咲希:だって、ここまで演奏できるようになったんだよ? 誰かに聴いてもらいたいじゃん!
一歌:私もやりたい。 みんなで、ライブしたいな
志歩:…………
穂波:楽しそうだけど……。 でも、ちょっと不安だな
穂波:吹奏楽部の発表会に出たことはあるけど、 バンドとして人前で叩くのは初めてだし……
一歌:……その気持ち、わかるな。 私もこの前までそうだったから
一歌:でも、ストリートライブをしてからちょっと変わったんだ。 誰かに聴いてもらえるのって、すごく楽しくて……
一歌:穂波も最初は不安かもしれないけど、一度あの体験をしたら、 きっと、もっと演奏したいって思えるんじゃないかな
穂波:そうなんだ……
穂波:……うん。一歌ちゃんがそう言うなら、やってみたいな
ルカ:ふふっ。なんだか一歌、頼もしくなったわね
MEIKO:ミクとの『秘密の特訓』のおかげかな?
ミク:私は何もしてないよ
ミク:一歌、最近ずっと頑張ってたから
咲希:じゃあ、ライブやるってことで決定! 場所はどこにしよっか~?
一歌:文化祭があればちょうどいいんだけど、 そういう時期でもないしね
志歩:(……ライブ……)
志歩:(みんなと演奏できるのは嬉しい、けど……)
志歩:(こんな中途半端な気持ちで、 みんなと同じステージに立っていいのかな……)
咲希:うーん、どこかいい場所ないかな~?
一歌:あ……そうだ
一歌:志歩のバイト先、ライブハウスだよね
志歩:……!
一歌:もしよければ、ライブに出してもらえないか 聞いてもらえ——
志歩:ごめん
一歌:えっ?
志歩:ライブの話、もう少し待って
穂波:志歩ちゃん……?
一歌:あ……
一歌:ごめん、志歩。 私の演奏がまだ志歩のレベルに 追いついてないのはわかる
一歌:でも、もっと練習して、ライブまでには 今よりもうまくなるから
一歌:だから——!
志歩:そういう話じゃない
志歩:……一歌が頑張ってるのも、 その分うまくなってるのも知ってる
志歩:みんなの演奏のレベルが上がってるのも ちゃんとわかってるよ
一歌:それなら——
志歩:でも……今は考えたいことがあるの
志歩:悪いけど、少しだけ時間がほしい
一歌:志歩……
志歩:——ごめん。私、そろそろバイトあるから
咲希:あ、しほちゃん!
一歌:…………
咲希:しほちゃん、考えたいことってなんだろ……?
一歌:やっぱり、私がまだまだだから……?
穂波:一歌ちゃんだけのせいじゃないよ。 わたしも、志歩ちゃんのレベルには追いついてないと思う
穂波:でも、なんとなくそれだけが理由じゃないような気がするの
一歌:…………
穂波:志歩ちゃんの考えてること、全部はわからないけど……。 いったん、志歩ちゃんの返事を待たない? それから考えても遅くないと思うよ
一歌:そう、だね……
咲希:ねえねえ! ライブをやるかやらないかは、まだわからないけど——
咲希:いつライブしてもいいように、 もうちょっと練習しておこうよ!
咲希:アタシ達がぐんぐんうまくなってたら、 しほちゃんもライブしたい!って思うかもしれないし♪
一歌:咲希……
MEIKO:ふふ、やる気満々って感じだね
咲希:もっちろん! みんなでライブやったら、すっごく楽しそうだもん♪
穂波:でも、ライブのための練習って 何をすればいいのかな?
一歌:みんなでストリートライブ……は、 ちょっと無理があるよね
咲希:だよね~。ドラムとか運ぶの大変そうだし、 そもそも場所がとれるか微妙そう……
穂波:どうしよっか……
ルカ:うまくなるための方法は、 練習だけじゃないと思うわ
一歌:えっ?
穂波:どういうことですか?
ルカ:実際のライブを見て勉強するのも うまくなる秘訣のひとつよ
MEIKO:そうだね。ライブはお客さんに 演奏を見てもらうためのものだから、 パフォーマンスも大事になってくる
MEIKO:どんな音の魅せかたをしているのか、 実際に見て勉強するといいかもね
咲希:ふむふむ。たしかにアタシ達、練習ばっかりで 他のバンドの演奏とか見たことなかったなぁ
一歌:じゃあ、今日はライブを見に行ってみる?
咲希:あ! それなら、しほちゃんのバイト先の ライブハウスに行かないっ?
穂波:そうだね。バイトに行くってことは、 今日は誰かのライブがあるってことだし……
一歌:いいね。行ってみよう!

第 2 话:遭遇

ライブハウス
志歩:よし……音響チェックと機材のセッティングも終わった
志歩:あとは、出演するバンドが来るまで待機かな。 今日のバンドは——
???:あ……
志歩:まだ開店前なんですけど……、 もしかして、今日出演する人?
???:あ、あの! すみません! 今日出演するSTANDOUTなんですけど……
志歩:え……
志歩:(STANDOUTのメンバー……? でも前のライブにはいなかったし、グループの関係者かな)
志歩:STANDOUTさんがどうかしました?
???:……あの、ベースの子が来れなくなっちゃって……。 今日のライブ、代わりに弾いてもらえませんか?
志歩:え、私が?
???:はい、日野森さんなら、 STANDOUTの曲を弾けるって聞いたので
志歩:弾ける、って言われても……
志歩:知ってる曲なら弾けるかもしれないけど、 ライブで完璧にできるレベルじゃないですし
志歩:こういうのは、せめて前日までに 言ってもらわないと……
???:ご、ごめんなさい。 でも、お願いします。今日だけですから——!
志歩:…………
志歩:……STANDOUTって、たしか出番最後ですよね? 前のライブで演奏してた曲だったらメロ覚えてるので、 今から練習すれば、なんとかできると思います
???:あ、ありがとうございます! これ……楽譜です、お願いします
志歩:わかりました。 でも、次回からこういうことは——
???:……ごめんなさい
志歩:え……
志歩:……なんだったんだろ。 ライブ当日に来れなくなるなんて……
志歩:まあ、体調崩したのかもしれないし、仕方ないか……
イオリ:——日野森さん!
志歩:あ……イオリさん
イオリ:……日野森さん、ごめん! 今日のライブ、トラでベースやってくれない?
志歩:ああ、話は聞いてます。 ベースの子が来れなくなったって、楽譜をもらいました
イオリ:来れなくなったって……。 それ、誰から聞いたの?
志歩:いや、誰かはわかりませんけど。 ……イオリさんと同じ歳くらいの女の人でした
イオリ:…………
イオリ:楽譜、ちょっと見せて
志歩:あ、はい。……どうぞ
イオリ:……この楽譜、やっぱりミオのだ。 今回のライブは頑張るって言ってたのに
イオリ:やっぱりあの子には、プロになる覚悟がない。 この先、一緒にやるのは——
志歩:……?
イオリ:とにかく、今日はお願い。 日野森さんが演奏できる曲をやるから
イオリ:一緒に最高の演奏をしてほしい
志歩:……わかってます。 来てくれてるお客さんは、 今日のライブを期待して待ってますから
イオリ:うん……そうだね。 ありがとう、助かるよ
穂波:わあ……! みんなとっても演奏上手だね……!
咲希:うんうん! お客さんも一緒に盛り上がってて、楽しそう~! ますますライブやりたくなってきちゃった!
咲希:時間的にはそろそろ最後のバンドかな? ……でも、なんだかお客さんが増えてきてるような……?
一歌:あ、さっき出演者を調べてたんだけど、 今日はラストに演奏するバンドがすごく人気あるみたいだよ
穂波:そうなの?
一歌:うん、STANDOUTっていって、 メジャーデビューも決まってるんだって
咲希:メジャーデビュー!? すごーい!
咲希:アタシ達も、しほちゃんとのライブに活かせるように バッチリ聴いとかなきゃね!
穂波:ふふ、そうだね
一歌:あ、始まるみたいだよ
咲希:ドキドキする~!
咲希:わあ……
穂波:すごくかっこいいね
一歌:うん……
一歌:(演奏もそうだけど、歌も—— 私とは全然違う)
一歌:(これが、プロになるバンド……)
咲希:あ……!
咲希:ねえねえいっちゃん、ほなちゃん! ベース弾いてるのって、しほちゃんじゃない!?
一歌:えっ?
穂波:本当だ……! 志歩ちゃん、かっこいいね
一歌:でも、どうして志歩が……?
穂波:もしかしたら、ベースの子が 来れなくなっちゃったんじゃないかな?
咲希:そうそう! 代わりにベース弾くことあるって、 前に聞いたことあるし♪
一歌:そっか……そうだよね
一歌:こんなライブができるなんて、すごいな。 私は……こんな力強い歌、歌えない
一歌:でも——
一歌:……みんなで一緒に、いつかこんなライブをやりたいな
ライブハウス前
咲希:STANDOUTのライブ、すっごく良かった~!
穂波:うん、志歩ちゃんもすごかったね。 なんだか、いつもの志歩ちゃんじゃないみたいだった
一歌:ふふ、そうだね
一歌:それに演奏もそうだけど、お客さんの盛り上げかたとか MCとか……いろいろ勉強になったな
咲希:ふふふ、アタシ達がライブやったら、 いっちゃんがMC担当するんだよね? 楽しみだな~♪
一歌:え……? あ、そっか。 ああいうのってボーカルが進行することが多いんだっけ。 何話せばいいんだろ……
咲希:いっちゃんが今ハマってる焼きそばパンはどれか、とか ほなちゃんが好きなアップルパイの話とか?
咲希:……って、しほちゃんなら 『今からMCの話なんて気が早い。もっと練習でしょ』 とか言いそう!
一歌:出た、咲希のモノマネ
穂波:ふふ、そうだね。 志歩ちゃんが来たら、今の話してみよっか?
一歌:同じ反応が返ってきたら笑っちゃいそう
咲希:あはは♪
咲希:……ていうか、しほちゃん遅いね? もうそろそろバイトが終わる時間だと思うんだけど——
???:——日野森さん、待って!
咲希:っ!
志歩の声:……もう、話は終わりました
咲希:あれって、しほちゃんの声? でも、なんだか雰囲気が……
志歩:私がSTANDOUTに入る、という話は……
一歌:えっ……?
咲希:しほちゃん……?
志歩:っ、みんな……
一歌:どういうこと——?

第 3 话:私の夢

ライブハウス前
一歌:志歩、さっきの話って……
志歩:…………
イオリ:この子達が、例のバンドの子?
咲希:え? えっと……
穂波:あ、わたし達は、志歩ちゃんと一緒に Leo/needというバンドをやっている者です……!
イオリ:ああ、やっぱりそうだったんだ。 はじめまして、私はSTANDOUTのイオリ
一歌:あ……はじめまして
イオリ:ごめん、びっくりさせちゃったよね
一歌:いえ……。それより、あの……
イオリ:……今の話のことだよね
イオリ:実は、日野森さんをうちのバンドにスカウトしてたの
一歌:えっ……!?
イオリ:うちはメジャーデビューが決まってるんだけど、 ベースに穴があいちゃってさ
イオリ:……日野森さんなら、ベースの腕も確かだし プロになる覚悟もある
イオリ:だから……君達には申し訳ないけど、 声をかけさせてもらってたんだ
穂波:そんな……
一歌:でも、志歩はLeo/needで一緒にバンドをしているんです。 別のバンドにいくなんて……
イオリ:……うん。私が惹かれるくらいなんだから、 君達にとって日野森さんは、それ以上の存在なんだって わかってる
イオリ:でも——
イオリ:プロを目指してる日野森さんにとって、 この話は悪いものじゃないとも思ってる
穂波:え……?
イオリ:私達と一緒にいれば、夢を叶える一番の近道になるからね。 もちろん私達も日野森さんの実力は買ってるし、 この先も、一緒に成長していけると思う
イオリ:だからこそ、STANDOUTに入ってほしいんだ
咲希:で、でも! アタシ達だってライブするようになれば、 もっとしほちゃんのかっこいいところを見せられるし!
咲希:しほちゃんも、アタシ達とバンドして 楽しいって思ってくれてるし……!
咲希:そうだよね、しほちゃん!
志歩:私、は……
穂波:志歩ちゃん……?
イオリ:……今のメンバーと一緒にバンドを続けたい気持ちはわかる。 同じ音楽をやってきた時間もあるからね
イオリ:だけど、その子達はプロになるつもりはないんでしょ? 遊びで音楽を続けてる子達と一緒にいると、 絶対につらくなるよ
イオリ:私達なら、あなたと一緒に夢を追える。 あなたと同じ道を目指せる。 だから——
???:い、イオリちゃん……!
志歩:あなた、さっきの……
???:あの、今日のライブ、ごめ——
イオリ:ミオ、何しに来たの? もうライブは終わってるよ
ミオ:それは……
イオリ:私達には、プロになる覚悟を持ったメンバーが必要なの
イオリ:お客さんが待ってる大事なライブを 放り出すような子じゃなくて、 どんな時でも最高の演奏ができるメンバーが
ミオ:あ……
イオリ:来週末、シブヤ公園の野外ステージでライブをする。 そのライブで、デビューの発表をしようと思ってるの
志歩:デビューの……
イオリ:本気でプロになる覚悟がある日野森さんなら、 私達はいつでも歓迎する
イオリ:待ってるから
ミオ:イオリ、ちゃん……
ミオ:……っ
志歩:あ……
志歩:…………
志歩:……黙っててごめん
志歩:実は、ちょっと前から、バンドに入らないかって誘われてた
穂波:もしかして、最近元気がなかったのも そのせいだったの……?
咲希:で、でも大丈夫だよね?
咲希:これからも、アタシ達と一緒に バンド続けてくれるんだよね……?
志歩:それは……
穂波:志歩ちゃん……?
志歩:……私には、叶えたい夢があるの
志歩:プロになって、誰かの心に響く演奏をしたい
志歩:それが……私の夢
一歌:あ……
穂波:……志歩ちゃん、 ずっとそう言ってたよね
志歩:その夢を……できたら、みんなと叶えられたらいいなって、 どこかでぼんやり思ってた
志歩:でも——みんなはそうじゃない。 ……プロになりたいわけじゃないから
一歌:……っだけど……!
一歌:『誰かの心に響く演奏をしたい』っていう気持ちは、 私にも、やっとわかってきた!
一歌:だからもっと練習して、志歩に追いつけるくらい うまくなりたいって思って——
志歩:その気持ちは、すごく嬉しいよ
志歩:でも……だからってみんな、プロを目指せる?
志歩:プロを目指すってことは、今まで以上に 自分の時間を練習に費やさなきゃいけない
志歩:放課後どこかに寄ったり、フェニラン行って遊んだりも あんまりできなくなる
志歩:それに……もしプロになったら、学校よりも 仕事を優先しなきゃいけなくなるかもしれない。 今までの生活とは、大きく変わってくるよ
志歩:それでもいいの?
咲希:それは……
志歩:……でしょ? みんなにはみんなのやりたいことがある
志歩:私の夢に、みんなをつきあわせるわけにはいかない
穂波:そんな……。 つきあわせる、なんて……
咲希:……でもアタシ、一緒にやりたいよ!
咲希:しほちゃんと一緒に、バンドしたい。 これから先も、ずっと一緒に……!
志歩:…………
志歩:……一緒にやりたいって思ってくれるのは嬉しい。 けど、その気持ちだけじゃ、絶対にダメになる
志歩:プロになる覚悟ができないと、難しい
志歩:みんなには、その覚悟ができるの?
一歌:プロになる、覚悟……?
咲希:アタシは……
咲希:アタシは……っ
咲希:…………
志歩:…………困らせちゃってごめん
穂波:あっ、志歩ちゃん……!
一歌:志歩……
咲希:……アタシ、言えなかった……
咲希:しほちゃんと一緒にいたいのに、 覚悟できるよって、言えなかった……
咲希:…………っ
穂波:咲希ちゃん、泣かないで。 わたしも……同じだから
咲希:……っ、ほなちゃん……
一歌:(……どうしたらいいんだろう)
一歌:私は——

第 4 话:責任と覚悟

翌日
宮益坂女子学園 校門
志歩:…………
一歌:あ、志歩……
志歩:一歌、おはよう
一歌:……おはよう
一歌:えっと……今日、練習出れる? みんなで新しい曲に挑戦しようと思ってるんだけど
志歩:……ごめん。今日もバイトあるから
一歌:そっか……。わかった
一歌:志歩が来れる時までに、 みんなで合わせられるように練習しておくね
志歩:…………
一歌:…………
一歌:志歩、あのさ……
志歩:行こう、遅刻するよ
一歌:う、うん……っ
1年A組
志歩:…………
志歩:(一歌、最近頑張ってたな。 歌も演奏もうまくなってた)
志歩:(一歌だけじゃない。 みんな、厳しい練習にもついてきてくれてる)
志歩:(だけど……)
志歩:……一緒にやりたいって思ってくれるのは嬉しい。 けど、その気持ちだけじゃ、絶対にダメになる
志歩:プロになる覚悟ができないと、難しい
志歩:みんなには、その覚悟ができるの?
一歌:プロになる、覚悟……?
咲希:アタシは……
咲希:アタシは……っ
咲希:…………
志歩:(……咲希のこと、困らせちゃったな)
志歩:(あのまま答えを聞いてたら、咲希はきっと 勢いで『プロになる』って答えてただろうな)
志歩:(……でも、それじゃ絶対につらい思いをさせる。 本当にプロになる覚悟がなくちゃ……)
志歩:……っ
志歩:(あんな顔……もう、させたくない)
ライブハウス
志歩:……今日のライブは特に何もなさそうだし 大丈夫そうだな
ミオ:あの……日野森、さん
志歩:え? あなた……この前の
ミオ:……はい、STANDOUTのベースをやってるミオです
ミオ:この前は……ごめんなさい。 突然、代わりに演奏させてしまって
志歩:ああ、なんとかなったから大丈夫ですよ。 少し驚いたけど
志歩:それより……イオリさんと何かあったんですか?
ミオ:…………
ミオ:私……デビューするって決まってから、 ずっと怖くて——逃げてたんです
志歩:怖い?
ミオ:……イオリちゃんが言ってたんです。 プロになったら、今まで以上に 真剣に音楽と向きあわなきゃいけないって
志歩:…………
ミオ:私は——みんなで楽しくバンドができれば それでよかったんです
ミオ:みんなと一緒に曲を作ったり、ライブをしたりするだけで、 毎日がすごく充実してて……
志歩:そう、なんですか……
志歩:(なんだか、一歌達に似てるな。 みんなで楽しくやりたいってところとか)
ミオ:でも……
ミオ:プロになったら、“好き”だけじゃ通用しなくなるって、 イオリちゃんに言われたんです
ミオ:どんな時も音楽と、聴いてくれるファンを優先しなきゃいけない。 自分達の作る音楽に、責任を持たなきゃいけないって
志歩:……そうですね
ミオ:責任ってどういうことなのか、わからなくて。 好きな音楽をやってるだけじゃ……だめなのかな
志歩:…………
志歩:……私が思う“責任”は、ステージの上で 常にベストな音楽を届けていくことだと思う
ミオ:ベストな音楽……
志歩:その時落ちこんでいても、体調が悪くても、 ライブに来てくれたお客さんには関係ないから
志歩:それに、ステージの陰で支えてくれてるスタッフ達もいる。 そのことを自覚して、ライブを投げ出さないことも責任のひとつ
ミオ:あ……
ミオ:私……自分のことしか考えてなかった
ミオ:今までと同じじゃだめなんだって考えたら、怖くて……。 イオリちゃん達と、音楽と向きあうのが怖くて、私……
志歩:……!
志歩:(……やっぱり似てる。 このままだときっと……みんなも、この人みたいになる)
志歩:(楽しくバンドをしたかっただけなのに、 急にプロになる覚悟をしろなんて言われたら……)
ミオ:……だけど……
志歩:え……?
ミオ:それでもやっぱり、私はみんなとバンドがしたい……。 イオリちゃん達と一緒の道に進みたいんです……!
ミオ:今まで逃げてばっかりだったから、 イオリちゃんには、見放されちゃってるかもしれないけど……
志歩:あ……
志歩:(プロになって、もっとうまくなりたい)
志歩:(あのバンドみたいに、音楽で誰かの心を揺さぶるような—— そんな演奏をしたい)
志歩:(でも……)
志歩:——私、みんなと演奏するの、好きなんだ
志歩:(……この人は、私でもあるんだ)
志歩:(みんなと一緒に演奏し続けていたい——。 そう考えてる私と、同じ)
志歩:……これ、返します
ミオ:あ……私の、楽譜……
志歩:必要ですよね、STANDOUTに戻るのなら
ミオ:……っ、ごめんなさい。 スカウトされてるのは、日野森さんなのに……
志歩:別にいいんです。 これは私のものじゃないし
志歩:でも、イオリさんの言うとおり、 ちゃんと考えたほうがいいと思う
ミオ:……はい。責任、ですよね
志歩:はい。その上で、音楽と向きあえそうだって思ったのなら きっともう大丈夫だと思います
ミオ:え……
志歩:イオリさん達とやっていきたいって思ってるなら、 諦めないほうがいいですよ
志歩:だって、デビューが決まったのは あなたの実力でもあるんですから
ミオ:日野森さん……
ミオ:っ……ありがとう、ございます……
志歩:頑張ってください
志歩:(……うまくいくといいな)
志歩:私も……答えを出さなきゃ

第 5 话:応えたい

教室のセカイ
穂波:そっか……。 志歩ちゃん、今日も来れないんだね
一歌:うん。バイトが忙しいって言ってたけど
咲希:しほちゃん……
一歌:…………
志歩:謝るくらいなら、練習しよう
志歩:……私も、みんなとうまくなりたいから
一歌:……志歩は、今までどんな気持ちで 私達に教えてくれてたんだろう
一歌:一緒にうまくなりたい、って 言ってくれてたよね
穂波:うん……
咲希:アタシも、一緒にうまくなりたいって思ってた
咲希:そしたら、みんなともっと一緒にいられるって思ってたから……
一歌:咲希……
穂波:プロになるって、どんな感じなんだろうね
一歌:……うん。自分とは別世界の話なんだって、 ずっと思ってた
一歌:志歩がプロを目指してるって初めて聞いた時は、 私もそんな風に一緒にやれたらいいなって感じたんだけど……
一歌:でも……なれるわけないって、思ってた。 目指すことも——考えなかった
一歌:それが、志歩を苦しませてたんだよね
穂波:……一歌ちゃんだけじゃないよ。 わたしも、そう思ってたから
咲希:アタシも……
咲希:しほちゃんと一緒に、バンドがしたい。 他のバンドにいってほしくない……!
咲希:その気持ちだけは、ずっとずっとあるのに
咲希:でも……それだけじゃダメなんだよね
穂波:うん……。 ちゃんとプロになる覚悟ができなきゃ、 志歩ちゃんの負担になっちゃいそうだし……
咲希:……もし、志歩ちゃんの夢の邪魔になっちゃうなら——
咲希:アタシ達、一緒にバンドしないほうがいいのかな……?
穂波:…………
一歌:わからない……
一歌:(プロになる覚悟……か……)
ルカ:一歌達、大丈夫かしら
MEIKO:……かなり難しい状況だね。 正直、何を言ってあげたらいいのかわからないな
ルカ:……今頃、志歩も悩んでいるのかしら
ルカ:お互いの存在が大切だから……、 簡単には決められないんでしょうね
ミク:…………
一歌:……ねえ、ミク。 ちょっといいかな
ミク:一歌、どうしたの?
一歌:ミクは、わかる……? プロになる覚悟をするって、どういうものなのか
一歌:志歩から言われて、ずっと考えてるんだけど どういうことなのか、わからなくて……
ミク:覚悟、か……
ミク:プロになったことがないから わからないけど……
ミク:音楽と、この先もずっと向きあおうと思えるか ……じゃないかな
一歌:音楽と……
穂波:それだけ?
咲希:えっと……もっと、何かが必要なんじゃないの? やりたいこと全部我慢するぞ!って気持ちとか……
ミク:さあ、わかんないな
一歌:ミクでも、わからないことってあるんだ
ミク:そりゃ、もちろんあるよ。 プロになるとかならないとか、考えたこともないしね
一歌:そっか……
ミク:——でも
ミク:覚悟の仕方って、誰かに聞いて わかるようなものじゃない気がするよ
一歌:え……?
穂波:……じゃあ、わたし達で考えなきゃだね
一歌:……うん
一歌:ありがとう、ミク
音楽ショップ
咲希:ずっと音楽と向きあえること、か
咲希:なんとなく、わかったような……。 うーん、やっぱりわかんないかも
穂波:今のわたし達は、向きあえてないのかな……?
一歌:うん。毎日練習してるし、 自分なりに向きあってたつもりだったけど…… まだ足りないのかな
咲希:あ、これ……! STANDOUTのCDだ
穂波:本当だ。注目のインディーズバンド、だって。 こんなに大きなコーナーがあるなんて、 やっぱりすごいんだね
一歌:…………
一歌:(誰かの心を打つような演奏——)
一歌:(志歩が目指していたのは、きっと…… あのライブで聴いた演奏だ)
一歌:(今の私には……あの演奏は超えられない。 志歩のために、STANDOUTでプロを目指す道を 応援したほうがいいのかもしれない)
一歌:(だけど……)
咲希:……しほちゃん、このバンドに入って デビューしちゃうかもしれないんだよね
咲希:このまま、遠い人になっちゃうのかな
穂波:……そうだね……
穂波:きっと、志歩ちゃんがバンドを抜けたとしても 友達として——幼馴染みとして、仲良くできると思うけど
一歌:…………っ
一歌:そんなの、嫌だ……!
一歌:みんなと一緒に、バンドを続けたい。 この4人じゃないと、嫌だ……!
咲希:いっちゃん……
咲希:やっぱり、みんなで伝えようよ! アタシ達の気持ち!
穂波:うん。わたしも、そうしたい。 でも……
穂波:志歩ちゃんは、これからのことを 真剣に考えてるんだと思う
穂波:だから……志歩ちゃんに応えるのなら、 中途半端な気持ちを伝えちゃいけないよね
一歌:……そうだよね
一歌:本当に、プロになる覚悟ができるのか…… もう一度、考えてみよう

第 6 话:想いを馳せて

咲希の部屋
咲希:……しほちゃん……
志歩:プロを目指すってことは、今まで以上に 自分の時間を練習に費やさなきゃいけない
志歩:放課後どこかに寄ったり、フェニラン行って遊んだりも あんまりできなくなる
咲希:(しほちゃん、アタシがやりたいことがたくさんあるから、 あんな風に言ったのかな……)
咲希:(たしかに、入院しててできなかったことがいっぱいあって、 みんな、やりたいことだけど……)
咲希:(でも、アタシはやっぱり——)
宮益坂
穂波:覚悟……
穂波:(わからないな……。 これから先どう生きていくのかなんて、まだ……)
穂波:(でも志歩ちゃんは、ずっと考えてたんだよね)
穂波:(いつも、まっすぐ自分を曲げなくて。 あの時だって——)
志歩:私は、何かを決めるっていうのは、 何かを切り捨てることだって思ってる
志歩:だから、どうしたって恨まれることはある。 それが普通
志歩:……だから、穂波がいいって思うほうにしたらいいよ
穂波:(わたしが、いいって思うほうに……)
穂波:わたしは——
スクランブル交差点
一歌:…………
一歌:(プロになる覚悟……)
一歌:(そんな覚悟、私にできるのかな)
一歌:(いつもなんとなく毎日すごして、 自分がプロになんてなれるわけがないって思ってた私が……)
一歌:(でも——)
志歩:私の演奏で誰かの心を揺さぶれたら……って
ミク:音楽と、この先もずっと向きあおうと思えるか ……じゃないかな
一歌:音楽と、ずっと向きあう——
STANDOUTワンマンライブ 当日
ライブ会場 ステージ裏
イオリ:——うん、機材も問題なさそうだね。 スタッフさん、いつもありがとう
イオリ:これでいいライブができそうだよ
イオリ:(……あとは、メンバーが揃えば……)
ミオ:イオリ、ちゃん……
イオリ:…………
イオリ:(本当は、あの子が覚悟を決めてくれれば——)
イオリ:——ううん、それは……もう諦めたはず
イオリ:(無理やりあの子を連れ戻しても……、 バンドにとっても、あの子にとってもよくない)
イオリ:(私達は、遊びで音楽を続けるわけじゃない。 これからはプロとしてベストを尽くさないと——)
志歩:……イオリさん
イオリ:あ……ああ、日野森さん。 バイトじゃない日に急に呼び出しちゃったのに、ありがとう
イオリ:悪いけど、今日もトラお願いできる?
志歩:……ミオさん、来るんじゃないですか?
志歩:まだ迷ってるのかもしれないですけど、 でもどんな決断をするにしても、顔は見せに来ると思うんです
志歩:だから、もう少しだけ待っていても——
イオリ:これ以上は待てない。 私達は……先に進まなきゃいけないから
イオリ:それに、あの子のこと——これ以上苦しませたくない
志歩:でも……
イオリ:あの子が来ないほうが、私も踏ん切りがつくからさ
志歩:……っ
イオリ:それで、例の話なんだけど
イオリ:もし、日野森さんが入ってくれるのなら 今日のライブの最後に、新メンバーとして紹介したいんだ
イオリ:……どうかな?
志歩:…………
志歩:私は——
???:——ちょっと待って!
志歩:え……っ
志歩:みんな……!
イオリ:ここは、部外者は立入禁止なはずなんだけどな?
咲希:うっ……
穂波:……ごめんなさい。 関係者だと言って、入ってしまいました
穂波:でも、少しだけでいいんです。 時間をください……っ
咲希:お願いします!
イオリ:…………
イオリ:わかった。続けて?
穂波:……ありがとうございます
一歌:私達、志歩に話があるの
一歌:答えを決める前に、聞いてほしい……
志歩:…………

第 7 话:与えられたチャンス

ライブ会場 ステージ裏
志歩:——それで、話って?
一歌:私達、あれから考えたの。 この先どうしたいのかって
一歌:3人で考えて、答えを決めてきた。 真剣だし、半端な気持ちじゃないから聞いてほしい
志歩:…………
咲希:あ、あのね、志歩ちゃん……!
咲希:アタシ、すっごくたくさん考えたんだけど……。 やっぱり、志歩ちゃんとバンドがしたいの!
志歩:え……
咲希:志歩ちゃんの練習、すっごく厳しいし、 遊ぶ時間も減っちゃうかもしれないし
咲希:プロになる覚悟ができてるのかも、 まだわかんないけど……
咲希:でも……っ!
咲希:でも、志歩ちゃんと一緒にバンドがしたいの!
志歩:咲希……
穂波:わたしも、志歩ちゃんと演奏するのが好きだよ
穂波:最初はドラムもうまく叩けなかったけど、 志歩ちゃんが練習を見てくれたおかげで 少しずつ自信を持てるようになってきたの
志歩:ドラムだけなら、穂波ひとりでも成長できたよ。 私は基礎的なことしか教えられなかったから
穂波:……うん、そうかもしれない。 でも、わたしが志歩ちゃんに教わったのはそれだけじゃないよ
志歩:……?
穂波:志歩ちゃん。わたしね、 ちょっと前まではひとりでずっと悩んでて 自分を守ることしかできなかった
穂波:でも……そんなわたしを、志歩ちゃんが叱ってくれて 前に進ませてくれたよね
志歩:……私は何も……
穂波:そんなことない。 志歩ちゃんがいたから、わたしは気づけたの
穂波:相手の気持ちに寄り添うことだけが、 優しさじゃないって
穂波:だから、今日は自分で答えを決めてきたの。 ちゃんと自分の気持ちを、志歩ちゃんに伝えたいから
志歩:…………
一歌:志歩、今まで甘えててごめん
一歌:これまでは、一緒に演奏できればいいと思ってた
一歌:私はプロになることはできない、って……なんとなく思ってて、 だから今だけは、志歩をサポートできるようになろうって
一歌:……そう思ってきたこと自体が、 志歩を苦しませてたんだよね
志歩:…………
一歌:でも、私……思ったの
一歌:このあいだ、ステージで演奏してる志歩を見て、 志歩の演奏を聴いて——
一歌:志歩と一緒に——誰かの心に響くような演奏がしたいって
志歩:え……
一歌:ストリートライブで演奏してる時、 聴いてくれてる人に、私の歌が届いてほしいって考えたんだ
一歌:この気持ちが、志歩が言っていたことなのかもって……
志歩:一歌……
一歌:STANDOUTのライブに比べたら、全然足りないけど……。 でも私もいつか、こんな演奏がしたいって思った
一歌:プロになる覚悟は、まだちゃんとできてないかもしれない
一歌:でも、志歩と一緒にバンドがしたい。ライブがしたい。 一緒に……誰かの心を打つ演奏がしたい
一歌:この想いの先に、プロって道があるのなら—— 私は、プロを目指したい!
志歩:……っ
志歩:……ありがとう。 みんなの気持ちは、わかった
咲希:しほちゃん……!
志歩:でも、私は……
志歩:やっぱり、そんな重荷背負わせられない
一歌:重荷なんて、そんなの思ってない! 私は……っ
イオリ:……うらやましいな
イオリ:——日野森さんは、怖いんだね
志歩:え?
イオリ:自分の夢に、みんなを巻きこむことが
イオリ:この子達は巻きこんでくれって言ってるけど、 本当にそんなことしていいのかって悩んでるんだよね
イオリ:その気持ち、わからなくもないよ
志歩:…………
一歌:志歩、私は……
イオリ:——ひとつ提案があるんだけど
イオリ:ここで1曲、やってみない?
咲希:……えっ?
穂波:どういうこと、ですか?
イオリ:日野森さんは、あなた達にプロとして音楽に向きあう道を 進ませていいのかどうか、悩んでる
イオリ:あなた達にそれを求めるのは、酷なことだって感じてる
イオリ:なら——そうじゃないって伝えてあげなよ
イオリ:あなた達が本気で音楽と向きあう覚悟があるってことを、 あなた達の音楽で、日野森さんに伝えるの
咲希:あ……
一歌:でも、いいんですか? 今日はSTANDOUTにとって、大事な日なんじゃ……
イオリ:そうだね。さすがに一緒にやろうなんて言えない
イオリ:だけど前座ってことなら、歌わせてあげてもいいよ
一歌:イオリさん……
イオリ:悪いけど、考える時間はあげられないんだ
イオリ:やるならやる、無理ならやめる。 今、決めてくれる?
一歌:…………
一歌:私は——
咲希:楽器、貸してもらえてよかったね~
穂波:うん、チューニングも終わってるみたい
志歩:……ライブで使う予定の楽器だからね
一歌:そうだよね。 ……まさか、初ライブがこんな形になるなんて思わなかったな
咲希:アタシも! 会場も大きいし、びっくりしちゃった!
穂波:なんだか夢みたいだよね。 現実じゃないっていうか……
志歩:……それで、なんの曲やるの?
穂波:あ……そうだよね。 どうしよっか
一歌:じゃあ……ミクの曲をやらない? セカイに行った時最初に合わせた、あの曲
咲希:あ~、あの曲!
穂波:ふふ、あの時はみんなバラバラだったよね。 それで志歩ちゃんが『こうなると思ってた』って怒っちゃって
咲希:そうそう!
咲希:でも、バンド組んでからはしほちゃんが教えてくれたから、 もう今はバッチリ! 楽譜見ないでも弾けちゃうもん!
穂波:ふふ、すごい自信だね
一歌:……志歩、大丈夫?
志歩:うん、私は平気。 ……一歌は?
一歌:ちょっとドキドキしてる。 こうやってみんなでライブするの、初めてだし
一歌:でも、楽しみだよ。 志歩と一緒にライブするの
志歩:……え?
一歌:STANDOUTのステージに立ってた志歩は、 すごくかっこよかったから
一歌:同じステージに立って、 同じ景色を見れるのが嬉しいんだ
志歩:一歌……
一歌:最高の演奏をしよう、志歩
志歩:……そうだね

第 8 话:響け、心に!

ライブ会場
観客達:あれ? なんだ? 今日はSTANDOUTのワンマンじゃないのか?
観客達:あのバンド知ってる?
観客達:いや、初めて見るけど……
一歌:皆さん、はじめまして。 Leo/needです!
一歌:今日はSTANDOUTさんのライブの前座として、 弾かせてもらうことになりました
一歌:私達4人が、初めてバンドとして演奏した大切な曲です。 ——聴いてください!
一歌:……いくよ
一歌:——♪ ——♪ ——♪
咲希:(……っ!)
穂波:(どうしよう、手が震えちゃう……!)
一歌:(……やっぱりストリートライブの時と全然違う。 私の声……ちゃんと聴こえてるのかな)
一歌:(みんなの音が、遠く聴こえる……っ)
観客達:STANDOUTのライブに出てくるくらいだから、 もっとうまいのかと思ってたけど そうでもないな
観客達:なんか素人っぽいよね。 前座とはいえ、ちょっとガッカリ……
志歩:(……会場が白けてる)
志歩:(イオリさんも酷だな。 まだライブをしたことない一歌達に、 こんな場所で演奏させるなんて)
志歩:(みんな、いつもより固くなってる。 ……初めてのライブだから、会場の空気に のまれるのは仕方ないけど)
志歩:(でも、ここで盛り返せないと—— この先やっていくのは、きっと難しい)
一歌:…………っ
一歌:(このままじゃ、ダメだ……)
一歌:(Leo/needとしての初ライブなのに……! 私達の想いを志歩に伝えるチャンスなのに……!)
一歌:(……ううん! それでも伝えなきゃ!)
一歌:(この歌で、演奏で——志歩に!)
一歌:——! ——! ——!!
志歩:(一歌……!?)
穂波:(一歌ちゃん……!)
穂波:(……そうだよね。わたしもしっかりしなくちゃ)
穂波:(みんなを支える“柱”に、わたしがならないと!)
咲希:(いっちゃん、ほなちゃん……! すごい! 練習の時より音が……!)
咲希:(アタシも……諦めたくない!)
咲希:(志歩ちゃんと——、みんなと一緒にこの1曲をやりきって、 アタシの想いを伝えたい!)
志歩:(一歌のおかげで、穂波も咲希も持ち直して……。 練習の時より勢いが出てきてる……!)
志歩:…………っ
志歩:(歌から——演奏から、伝わってくる。 一歌達の本気が——)
観客達:なんだか、さっきより良くなってない?
観客達:うん、知らないバンドだけど 結構好きかも
志歩:(空気が、変わってきた)
一歌:(このまま、最後まで——!)
イオリ:…………うん
イオリ:悪くないね
一歌:——! ——! ——……♪
一歌:……っ!
一歌:(よかった、ちゃんと歌いきれた……)
ライブ会場 ステージ裏
咲希:ライブ、すごかったね!
穂波:うん……っ、緊張したけど楽しかった!
志歩:……一歌
志歩:あんな歌いかた、できるようになったんだ。 ……すごく良かった
一歌:志歩……
志歩:咲希と穂波も、初めてのライブなのに いつも以上の音が出てた
咲希:えへへ。ちょっと間違っちゃったけど……。 でも、しほちゃんと一緒に演奏できて楽しかった!
一歌:……志歩、私達本気だよ
一歌:散々待たせちゃって、ごめん。 でも、もう志歩をひとりにはしない
一歌:これから、一緒の道を歩かせてほしい
志歩:……っ
志歩:……本当に……
志歩:本当に、一緒にプロを目指してくれるの?
志歩:あとから後悔しても、知らないよ
一歌:後悔なんて、するわけない!
咲希:そうだよ! 一緒に、Leo/needで、夢を叶えようよっ!
志歩:……ありがとう
イオリ:——やっぱり、こうなったか
イオリ:(あの子も、こんな風に言ってくれたら——。 いや、今のあの子にはきっと無理だな)
イオリ:新しいメンバー、スカウトしなきゃ
ミオ:——イオリちゃん
イオリ:っ、……ミオ?
ミオ:ごめんなさい、ずっと逃げてて。 私……プロになるのが、ずっと怖くて……
イオリ:…………
ミオ:でも、……覚悟できたの。もう逃げない。 絶対に最高の演奏をするから……一緒にやらせてほしい
イオリ:……覚悟するのが、遅い
イオリ:私達もそうだけど、 お客さんやスタッフにどれだけ迷惑かけたかわかってるの?
ミオ:……ごめん、反省してる
ミオ:でも、みんなと一緒にやりたいの。 わがままだってわかってるけど…… STANDOUTで、音楽をずっとやっていきたい!
イオリ:…………
イオリ:……演奏で、その想いを伝えてよ
イオリ:みんなお待たせ!! それじゃあ——いくよ!!
志歩:あ……
志歩:(あの人、STANDOUTに戻ったんだ)
志歩:……よかった
一歌:志歩?
志歩:ううん、なんでもない
志歩:明日からみっちり練習するからね。 覚悟しておいてよ
咲希:わーっ! しほちゃんのスパルタ練習だ~!
穂波:ふふ、たくさん練習して またみんなでライブやりたいね
一歌:うん、私もやりたい
志歩:……いいね
志歩:でも、プロとしてデビューを目指すなら、 Leo/needとしてのオリジナル曲が必要だからね。 そこも考えていかないと
穂波:あっ、そっか! そういうのもあるんだね……!
咲希:オリジナル曲かぁ……! しほちゃんとなら、いくらでも考えられそう!
志歩:そんな簡単なものじゃないんだけど
志歩:……まあ、みんなで考えていけばいいか
一歌:うん。たくさん考えていこう。 ——4人で、一緒に!
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