活动剧情
頑張るあなたにBreak Time!
活动ID:23
第 1 话:ファンのために
宮益坂女子学園 屋上
雫:じゃあ、次のコーナーにいきましょうか
遥:最近恒例になってきた、あのコーナーだね
愛莉:ええ、そうね! みのり、よろしく!
みのり:はーいっ!
みのり:次のコーナーは……『みのりと一緒にレッツ振りコピ』!
みのり:アイドルの振りコピをしたーい!というみんなのために! わたしがみんなに、振りコピのコツを バッチリ教えちゃいます!
遥・愛莉・雫:『おー!』
コメント:『今日はなんの曲?』 『ハプニング期待』 『ノリノリで踊れるやつがいいなー!』
遥:あ、さっそくリクエスト入ってるね
みのり:はい! 前のコラボ配信で、みんなで踊った曲はどうかな?
コメント:『あの曲踊りたい!』 『みのりちゃん、教えて~』
みのり:うん! じゃあ、ダンスしながらコツを教えるね! みんなも一緒にやってみよう!
遥:みんな、今日も配信お疲れさま
みのり:お疲れさまー!
愛莉:今日はみのりのコーナーが冴えてたわね。 アドバイスの仕方も、だいぶわかりやすくなってるし
みのり:えへへ……。 わたし、今までは伝えたいことが先走っちゃって 上手にアドバイスできなかったんだけど……
みのり:どうやったら見ている人にわかりやすく伝えられるのか、 遥ちゃんがコツを教えてくれたんだ!
雫:まあ、そうだったのね
愛莉:なるほどねー。 遥のアドバイスがあったんなら納得だわ
遥:本当に、少しアドバイスしただけだよ
遥:みのりも飲みこみが早かったし、 これからもっとうまくなれると思う
みのり:遥ちゃん……!
愛莉:じゃ、みのりの今後に期待ってことで
みのり:が、がんばります……!
雫:ふふ、楽しみね
遥:だけど……
愛莉:どうしたの、遥?
遥:うん……。 最近、ちょっと企画がマンネリ化してきてる気がするんだ
愛莉:あー、そうね
愛莉:今日のみのりのコーナーもそうだし、 単発企画をいくつかシリーズ化したことで 見てくれる人も増えたけど
愛莉:その反面、また同じ企画かーってコメントも たまに入るようになったものね
遥:……新しい企画、考えなきゃな
みのり:わたし、何か考えてみるよ!
雫:私も、そういうのはあまり得意じゃないけれど、 ……もっと考えてみるわ!
遥:うん、みんなありがとう。 私も何か考えてみるよ
遥:見てくれるみんなが笑顔になれるように、頑張ろうね
宮益坂
遥:すっかり遅くなっちゃったね……
愛莉:配信のあとの練習、ちょっと長引いちゃったからね。 みんな、今日は帰ったらゆっくり休みましょ
雫:ええ、疲れを癒やして、また明日頑張りましょうね
みのり:はーい!
遥:それじゃ、明日も——
???:あっ! あの、遥ちゃん……!
遥:え?
遥のファン:す、すみません! 昔から遥ちゃんのファンで……! よければ、握手してくれませんか?
遥:ええ、喜んで。 ……あれ?
遥:もしかして、昔、握手会に来てくれたことある?
遥のファン:えっ……、覚えていてくれたんですか!?
遥:うん、いつも丁寧な手紙を書いてくれてたでしょ? だからよく覚えてたんだ
遥のファン:わあ……ありがとうございます! 遥ちゃんに覚えてもらってるなんて、すごく嬉しい……!
遥:私こそ、昔から応援してもらえてすごく嬉しいよ。 これからもよろしくね
遥:もう知っているかもしれないけど、 これからはMORE MORE JUMP!のみんなと 頑張っていくから、グループのことも応援してもらえたら嬉しいな
遥のファン:はい、いつも見てます!
遥のファン:テレビでは見れなかった遥ちゃんのいろんな顔を見れるのが 楽しくて、いつも楽しみにしてます……! これからも頑張ってください!
みのり:遥ちゃん、すごい……! 急に話しかけられて、こんな神対応できちゃうなんて……!
愛莉:ええ、さすがね。ASRUNのファンもすごい数いるでしょうし、 みんなの顔覚えるのも難しいはずなのに
雫:プロ意識が高い証拠ね
遥:……みんな、おまたせ。待っててもらってごめんね
みのり:遥ちゃん! やっぱり遥ちゃんはアイドルの中のアイドルだよ!
遥:えっ、どうしたの。みのり
愛莉:さっきの対応見て感動してんのよ
雫:あのファンの子、とっても喜んでたわね。 さすが遥ちゃんだわ
遥:あはは、ありがとう。 みんなに見られてたって思うと、ちょっと恥ずかしいけど……
みのり:そんなことないよ!! わたしも、あんな対応できるようになりたいな~!
愛莉:それじゃ、もっともっともーっと がんばらなきゃね?
みのり:うう……が、がんばります!
遥:ふふっ、無理しないようにね?
遥の部屋
遥:(……ふう、今日のトレーニングは完了、と)
遥:(もう22時か……。 練習が押した分、少し遅くなっちゃったな)
遥:(あとは宿題を終わらせて……、次の企画を考えないと)
遥:(企画の方向性は、これで大丈夫かな。 けど——これからどうやって活動していくか、 もっと長期的な計画を練っておかなくちゃ)
遥:(生放送のおかげで、最近はコメントも多くなってきてるし……。 ファンのみんなが、もっといろんな活動をしている私達を 見たいと思ってくれてるってことも感じる)
遥:(その想いに、どうやって——どんな形で応えていくか)
遥:……難しいな。ASRUNの頃は、こういう風に企画を練ったり、 プロデュースみたいなことを考えたりはしなかったから……
遥:でも……
遥のファン:テレビでは見れなかった遥ちゃんのいろんな顔を見れるのが 楽しくて、いつも楽しみにしてます……! これからも頑張ってください!
遥:(難しいし、大変だけど——楽しいな)
遥:……よし、まずは新企画から。 今日はあともう少し、頑張ろう
第 2 话:セカイの新しいアイドル
宮益坂女子学園 屋上
遥:——というわけで、今日はここでお別れの時間だよ
コメント:『え~! もっと見たい!!』 『次の配信はいつ?』 『今日はいつもよりおもしろかった!』
遥:ふふっ、ありがとう。 次はリクエスト企画をやろうと思うから、何かあったら 動画にコメントを残しておいてね
愛莉:みんなのリクエスト、楽しみに待ってるわ!
コメント:『絶対にコメントするね!』 『拾ってもらえるといいな』 『みのりに無茶振りさせたいなー』
みのり:ひょえ……! が、がんばります!
雫:ふふ、それじゃあまた会いましょうね。さようなら!
遥:(今日の企画、コメントの反応もいつもよりあったな。 喜んでくれてるみたいでよかった……)
みのり:遥ちゃん、やったね!
遥:え?
愛莉:遥が考えてきた新企画の『みんなのこと教えてタイム』、 すごく盛り上がってたじゃない!
雫:しかも、昨日の夜に思いついたって本当?
遥:うん、ちょっとまとめるのに時間がかかったけど……
雫:…………
みのり:わあ、一晩でこんなにおもしろい企画が作れるってすごい! さすが遥ちゃん!
愛莉:最近は、みんなアイディアに詰まってたしね
愛莉:遥は、動画1本撮れちゃうくらい、 しっかり企画書を仕上げてくるから頼りになるわ
雫:ええ、そうね
遥:大したことないよ。 いつもみのりが面白い企画を作ってくれるから、 それを参考にしてみただけ
遥:いつもありがとう。みのり
みのり:は、遥ちゃん……!
雫:——でも、昨日のうちに仕上げてくるのは 大変だったんじゃない?
雫:昨日は練習もいつもより長引いちゃったし、 帰るのも遅かったでしょう?
遥:ううん、大丈夫だよ。 アイディアが浮かぶまでは、ちょっと大変だったけどね
雫:そう……?
雫:それならいいけど……。 あんまり無理はしないでね
遥:うん、ありがとう
愛莉:そんじゃ、配信も終わったし……。 今日はどこか寄って帰らない?
みのり:さんせーい!
みのり:クラスの子から、おいしいクレープ屋さんが できたって聞いたんだ! みんなで行きたいなぁ
雫:まあ、いいわね♪
遥:あ……今日はちょっとごめん
みのり:えっ! 遥ちゃん、行けないの?
遥:うん、今日は少し多めに宿題出されちゃったんだ
遥:それに新しい企画のアイディアが思いつきそうなの。 だから、帰って早くまとめたくて
みのり:もう次のアイディアが浮かんでるの!?
雫:…………
遥:なんだか今日の配信で、みんなが喜んでくれそうな 企画の方向性がわかってきた気がするんだよね
遥:だから……ごめんね、みのり。 クレープ屋さんは、また次でもいいかな?
みのり:うん、全然大丈夫! わたしもがんばって企画考えるね!
愛莉:そうね。明日はミク達に会いに行く予定だし、 その時にみんなで相談してもいいんじゃないかしら
遥:うん、そうしよう
遥:あ……そろそろ帰らなきゃ。 じゃあみんな、また明日
愛莉:気をつけて帰んなさいよー
雫:……またね、遥ちゃん
みのり:遥ちゃん、忙しそうだよね。 宿題もやって、企画も一晩で考えちゃうなんて
愛莉:ま、それが遥だからね。 アイドル時代からストイックだったし
みのり:そうなんだ……。 やっぱり遥ちゃんはすごいなぁ
みのり:でも、すごく忙しそうだし……。大丈夫かな?
雫:そうね……
雫:…………
雫:遥ちゃん、無理しすぎないといいけれど……
翌日
ステージのセカイ
みのり:ミクちゃーん、こんにちは! 今日はちょっと相談したいことが……
みのり:って、すごい熱気!
遥:あ……ライブ中なのかな。 この時間はしないって聞いてた気がするけど……?
愛莉:いいじゃない! ミク達のライブ、見学させてもらいましょ
雫:そうね、楽しそうだわ
雫:あら? でも、あそこにいるのって……
MEIKO:みんなーっ! 来てくれてありがとう!
MEIKO:今日はみんなのおかげで、 とーっても楽しいソロライブができたわ!
MEIKO:次はミク達と一緒に最高のライブをやるから、 また見に来てねっ!
ミク:めーちゃーん!
リン:めーちゃん、最高~っ!
みのり:あれって……!
愛莉:メ……メイコ?
遥:ということは……またここに、 新しいバーチャル・シンガーが増えたんだね
ミク:あ、みんな! 来てたんだね!
ルカ:うふふ、驚いたでしょう?
愛莉:そりゃあ驚いたわよ! だってまさか、また増えるなんて——
MEIKO:こんにちは! あなた達がMORE MORE JUMP!のみんなね?
MEIKO:ミク達から話は聞いてるわ。 メイコよ、よろしくね♪
みのり:よ、よろしくお願いしますっ!
雫:新しい先輩が増えたみたいで嬉しいわね。 メイコさん、よろしくお願いします
リン:あ、雫ちゃん! 呼ぶ時は“めーちゃん”だよ!
雫:え?
遥:めーちゃん……?
MEIKO:うふふ、みんながつけてくれた愛称よ
MEIKO:よかったらみんなも、そう呼んでくれたら嬉しいわ♪
みのり:いいんですか!? そう呼んでいいなら、すっごく呼びたいです!
MEIKO:ふふっ、もちろん! 敬語も使わなくていいわよ
MEIKO:ミク達と同じように仲良くしてくれると嬉しいわ
雫:ありがとうございます。 ……じゃなくて、ありがとう。めーちゃん
MEIKO:ええ、よろしくね!
MEIKO:それで、今日はどうしてここに?
遥:あ……最近、配信する企画がマンネリになってて……。 もしよかったら相談に乗ってもらいたいなと思って来たの
リン:相談? 新しい企画考えるの楽しそう〜!
ルカ:ええ、私達は大歓迎よ♪
遥:ありがとう。それじゃあ、さっそく聞いてくれる? まずは——
第 3 话:心配
ステージのセカイ
ミク:食べくらべクイズ? それって、どんな企画なの?
みのり:クッキーとか、ケーキとか、 ひとりずつ同じ物を作って、 誰が作ったのかを食べて当てるの!
リン:え~! 誰が作ったのか、ホントに食べただけでわかるの?
みのり:わたしもやったことないけど……。 でも誰が作ったかは、なんとなくわかるような気はするんだ!
愛莉:あー、わたしもちょっとイメージできるかも
雫:え、本当? みんなすごいわね……
愛莉:そう? 結構わかりやすいと思うけど
愛莉:例えば……イメージだけで言うと、 遥はきっちりレシピどおりに作りそうね
愛莉:みのりは砂糖と塩を間違えそうだし、 雫はプリンを作るつもりが茶碗蒸しを作っちゃう感じ?
みのり:ま、間違えないよ~!
雫:私も、プリンと茶碗蒸しなら、 茶碗蒸しのほうが好きだからきっと作れるわ!
愛莉:その理屈はよくわかんないわね……
MEIKO:みんな個性的だから、おもしろい企画になりそうね!
遥:ふふっ……
ルカ:あ、料理ならこんな企画はどうかしら?
ルカ:例えば——
遥:(ふふっ、みんな楽しそう)
遥:(最近、アイディア出しに苦戦してたけど……。 ミク達のアドバイスのおかげで、いい企画が仕上がってきてる)
遥:(この調子だと、今日のうちに何個か 企画がまとまりそうだな……)
遥:(……よかった)
雫:…………
雫:……遥ちゃん、大丈夫? もしかして眠いの?
遥:あ……、ごめん。 昨日、少しだけ夜ふかししちゃったから……
雫:そうだったの……。 最近、忙しそうだったものね
遥:あはは、ちょっといろいろ重なっちゃったからね
雫:…………
雫:あのね、遥ちゃん。 私が心配することじゃないとは思うんだけど——
遥:え?
雫:遥ちゃん、少し休んだほうがいいんじゃないかしら
雫:疲れが溜まっていたら、いつもの力を出せないと思うの
遥:雫……
雫:私も、企画をまとめられるように頑張るわ。 遥ちゃんみたいにうまくできないかもしれないけれど——
遥:うん、ありがとう。 心配かけちゃってごめんね
遥:宿題はいったん落ち着いたし、いい企画もできそうだから 今日は夜ふかししないで眠れると思う
遥:だから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ
雫:そう……?
雫:それなら、いいんだけれど
MEIKO:…………
MEIKO:遥ちゃん、雫ちゃんっ!
雫:わ、めーちゃん!
遥:どうしたの?
MEIKO:今ちょっと聞いちゃったんだけど、 遥ちゃんってすごく努力家なのね
遥:努力家なんて……。 そこまで特別なことはしてないよ
遥:練習も、企画を考えるのもみんながやってることだし
MEIKO:そうなの?
MEIKO:でもミク達からは、遥ちゃんはいつもみんなの練習を見てるし、 学校の成績もすごくいいって聞いたわよ?
MEIKO:ちゃんと勉強もやって、みんなのことも見て……。 もう十分努力していると思うけど
遥:え? ミク達が、そんな話してたの?
雫:ふふ、きっとみのりちゃんが ミクちゃん達に話したんじゃないかしら?
遥:そっか。ちょっと恥ずかしいな……
MEIKO:そんなことないわよ! とっても素敵だと思うわ
MEIKO:だけど、そんなにいつも頑張っていて、 自分の練習時間はちゃんと取れてるの?
遥:あ、うん。家に帰ったら自主練と トレーニングをやってるよ
雫:そういえば、ちゃんと聞いたことなかったわね。 どれくらいやっているの?
遥:ええと……どのくらいだろう? 夜だけなら2、3時間くらいかな
MEIKO:夜だけってことは……朝もやってるわけよね?
遥:あ、うん。 6時前には起きて、朝練してるよ
遥:でも、ASRUNの時からやっていたことだから。 毎日やってるし、ルーティーンワークっていうか……、 もう慣れてるから全然大変じゃないよ
MEIKO:へえ、すごいわね……。 やっぱり遥ちゃんは頑張り屋さんね!
遥:そんな……
MEIKO:でも——たまには息抜きも大事じゃないかしら
MEIKO:アイドルとして頑張るだけじゃなくて、 自分自身がゆっくりできる時間も作ってあげてね
MEIKO:それで、体も心もリフレッシュしてほしいわ♪
遥:そうだね……。 活動のためにも、ちゃんと休憩していこうと思う
雫:…………
第 4 话:昔から、あなたは
メンバー達:雫ちゃん、センター任命おめでとう!
メンバー達:すごいなぁ……。 チアデに入って半年も経ってないのに、もうセンターなんて!
雫:みんな、ありがとう
雫:私がセンターに選んでもらえるなんて、 本当にびっくりしたけど……
雫:でも、ファンのみんなに喜んでもらえるように 今まで以上に頑張っていきたいと思ってるの
雫:きっと、みんなに迷惑をかけることもあると思うけど、 その時は力を貸してくれると嬉しいわ
雫:これからもみんなでCheerful*Daysを 盛り上げていきましょう
番組ディレクター:雫ちゃん、今日の収録もよろしくね! いやあ、雫ちゃんのおかげで視聴率もいい感じだよ!
雫:みんなに楽しんでもらえているのなら嬉しいです。 こちらこそ、よろしくお願いします
雫:…………
雫:(今日のトーク内容は……、 Cheerful*Daysのセンターになっての抱負と、 アイドルをやっていて大変だったこと……)
雫:(どんな内容を話すのかも、ちゃんと書いてある)
雫:…………
雫:『Cheerful*Daysの日野森雫です。 センターに選ばれて、光栄です』
雫:『今日、私がセンターになったのはファンの皆さんのおかげです。 Cheerful*Daysを、もっと人気のグループにするために 精一杯頑張ります』
雫:『皆さん、これからも応援して下さいね?』
雫:(……私の言葉じゃないみたい)
雫:(でも、ファンのみんなには この言葉を伝えなきゃいけないのよね)
雫:(言葉だけじゃなくて、ちゃんとファンが求める私を 演じなきゃいけない……)
雫:(センターになったからには、これからずっと——)
雫:…………
雫:本当に、できるのかしら……
遥:——日野森さん?
雫:えっ?
遥:あ、ごめんなさい。 驚かせちゃったかな
雫:あ……桐谷さん……!
雫:はじめまして、日野森雫です。 今日はよろしくお願いします……!
遥:はじめまして、桐谷遥です。 こちらこそ、よろしくね
雫:はい……!
遥:まさか、日野森さんと共演できるとは思わなかったな。 ずっと話してみたいって思ってたんだ
雫:え、私と……?
遥:うん、デビューしたばかりなのに センターなんてすごいなって
雫:あ……
雫:(でも、私が評価されたのは実力じゃなくて……)
雫:そんな、全然すごくないです。 私なんて——
遥:ううん、すごいよ
雫:え……?
遥:私もチアデのステージを見させてもらったけど、 一番輝いていたのは日野森さんだった
遥:誰よりも努力してるんだなって、すぐにわかったよ
遥:だから、センターに選ばれるのは当たり前だと思う
雫:桐谷さん……
雫:…………ありがとう
遥:え、日野森さん。どうしたの? 大丈夫?
雫:ごめんなさい、私……。 最近、少し不安になってて……
雫:私なんかがセンターになってもいいのかって、 悩んでいたの
遥:……そっか。そうだよね。 チアデは大きいグループだし、センターの重圧もすごいよね
雫:……ええ、情けないけれど
雫:ねえ、桐谷さん。 桐谷さんは……そういう重圧ってないの?
遥:私? 私は……そうだね
遥:リーダーとして引っ張っていかなきゃ、とか ファンの期待に応えなきゃ、とかいろいろ考えるけど ……重圧ってほどではないかな
雫:そうなの……。 桐谷さんは、強いんですね
遥:ううん、そうじゃないよ。ただ、私は—— アイドルでいることが好きなんだ
雫:アイドルで、いることが?
遥:うん。小さい頃に見たアイドルが、私の憧れなの
遥:そのアイドルみたいに、ステージでたくさん輝いて……、 ひとりでも多くの人に希望を届けたい
遥:そんなアイドルで居続けるのが私の目標だし、 そのために頑張るのが好きなんだ
雫:桐谷さん……
雫:やっぱり、桐谷さんはすごいわ。 カメラの前で見ているよりも、ずっと輝いてて……。 アイドルの中のアイドルって感じね
雫:私も、応援してくれているファンの期待に 応えなきゃって、思ってはいるけど……。 桐谷さんみたいに頑張れるかっていうと……
遥:日野森さんもできるよ
雫:え?
遥:だって日野森さんは、同じグループのメンバーやファンのために 今も一生懸命悩んで、頑張ってる
遥:センターはグループの顔になるし、 重圧も責任も、他の子達よりずっと多いけど——
遥:でも日野森さんなら、きっと大丈夫だよ
雫:……桐谷さん……
遥:よければ、遥って呼んで。 同じアイドル同士、頑張ろう
雫:あ……
雫:ありがとう、遥ちゃん
雫:……私も、雫って呼んでほしいわ。 一緒に頑張りましょう!
雫:(遥ちゃんは、あの頃から完璧なアイドルだったわ)
雫:(……今もそう。練習中も、カメラが回ってない場所でも 私達のことを気づかってくれていて、 ファンへの対応も完璧——)
雫:(アイドルとして、とても理想的な姿だと思う)
雫:(——でも……)
雫:(その姿を普段からずっと保つのは、すごく難しい……)
雫:遥ちゃんが気を抜ける場所は、あるのかしら……?
第 5 话:オフの日のすすめ
宮益坂女子学園 2年D組
雫:…………
愛莉:雫、どうしたの? なんだか元気ないわね
雫:あ……愛莉ちゃん。 ええと……なんでもないわ
愛莉:全然なんでもないって顔してないじゃない。 ……ま、いいわ
愛莉:一緒にごはん食べない? なんか悩みがあるなら話聞くわよ
雫:……ありがとう、愛莉ちゃん
宮益坂女子学園 屋上
愛莉:それで、どうしたの?
雫:あ……、悩みっていうわけじゃないんだけど、 少し気になることがあって
愛莉:気になること?
雫:うん、遥ちゃんのことなんだけど……
愛莉:遥が心配?
雫:ええ。遥ちゃんって、いつもみんなの何倍も 陰で頑張っているでしょう?
雫:だから、無理していないか心配で……
愛莉:なるほどねえ……
雫:…………
愛莉:気になる雫の気持ちもわかるけど、 大丈夫じゃないかしら
雫:え……?
愛莉:わたしも、遥のこと気にしてた時あったのよ
愛莉:あの子、プライベートでも アイドルの顔を崩さないでしょ? どんな時も、ファンが望む桐谷遥を守ってるっていうか
愛莉:だから、ちゃんと休めてるのか心配して声をかけたんだけど、 遥もオンオフ切り替えてるって言ってたし、 休めるとこでちゃんと休んでるみたい
雫:そうだったの……
愛莉:……ま、あんま弱いとこ見せてくれないから 心配になるのはわかるけどね
雫:…………
愛莉:でも、そうねえ。 もしどうしても気になるなら、遊びに誘ってみたら?
雫:遊びに?
愛莉:ええ、いつも顔を合わせる時って、 レッスンとか企画会議がほとんどでしょ?
愛莉:だから遥も気を抜けないんじゃないかしら
雫:あ……そっか。オフの時に遊びに誘えば、 もっとリラックスしてもらえるかもしれないよね
愛莉:そういうこと!
雫:……うん! ありがとう、愛莉ちゃん。 私、遥ちゃんを誘ってみるね
放課後
遥:ふう……。 じゃあ、今日の練習はこれで終わりにしようか
みのり:疲れた~! もう一歩も動けないよー……
雫:ふふ、みのりちゃん今日も頑張ってたわね
愛莉:でも、まだステップが怪しいとこあったから 次のレッスンはそこを集中的にやってくわよ
みのり:ひえっ……
遥:あはは……
遥:じゃあ、次の練習はいつにしようか。 明日か、週末か、みんながあいてるほうに——
雫:あ、遥ちゃん! そのことなんだけど……
遥:え? どうしたの?
雫:練習お休みにして、みんなで遊びに行かない?
遥:えっ?
雫:ほら、最近配信や練習で忙しかったじゃない? たまには休んで、息抜きするのも必要だと思うの
遥:息抜き、か……
みのり:わたしも賛成!
みのり:最近、みんなで遊びに行ってなかったし 一緒にどこか行きたいな~!
愛莉:……ま、たまにはいいんじゃない? あんまり根詰めすぎても参っちゃうしね
みのり:うんうん! カラオケ行って、カフェも行って、 スイーツ食べてショッピングもしたいな~!
愛莉:やりたいこと山盛りね……。 休日だし、はめを外しすぎなきゃいいけど
雫:遥ちゃん、どうかしら?
遥:うん、そうだね……
遥:いいと思う。 オフの日を作って、しっかり休むのも大事なことだしね
雫:本当? よかった……!
雫:(みんなで遊べば、きっと遥ちゃんも 肩の力を抜くことができるわ)
雫:(遥ちゃんに、思いっきりリラックスしてもらわなくちゃ)
雫:みんな、めいっぱい楽しみましょうね!
第 6 话:休ませてあげたいのに
休日
スクランブル交差点
遥:うん、ちょうど10分前に着けた。 みのり達は来てるかな……
雫:あ、遥ちゃん! こっちよ!
愛莉:ちょっと雫、あんまり大きな声出すと騒がれるわよ。 ……ま、ちょっと変装もしてるし、 これだけ人が多ければ大丈夫だとは思うけど……
みのり:遥ちゃん、おはよう! 今日はいっぱい遊ぼうね!
遥:ふふ、そうだね
遥:みんなも、もう着いてたんだね
愛莉:わたしは駅で定期券の更新しようと思って早めに来てたの。 みのりは見てのとおり、はりきって早起きしたみたい
愛莉:でも、雫が約束の時間の前に来れたのはちょっと意外ね。 だいたいどこかで迷って遅れるのに
雫:今日はちゃんと、迷う時間がかかることも考えて 早めに家を出て来たの
愛莉:あ、結局迷ってはいるのね……
みのり:それでそれで、今日は何して遊ぶ? カラオケとかショッピングとか……!?
遥:うーん、そうだね……。 じゃあまずは——カラオケからどう?
愛莉:いいわね! 懐かしのアイドルソングメドレー、 たくさん歌うわよー!
雫:私はなんの曲を歌おうかしら
みのり:わたしはもちろん、ASRUNの曲を歌うよ! 遥ちゃんのコールしながら!
遥:コールしながらはさすがに無理じゃないかな……?
遥:でも、楽しみだね。たくさん歌おう
雫:ええ、そうね!
雫:(今日は、遥ちゃんにリラックスしてもらえるように ちゃんといろいろ考えてきたから、大丈夫。 きっとうまくいくわ……!)
愛莉:それじゃ、カラオケ行くわよ!
愛莉:……って雫、さっそくはぐれんじゃないわよー!
センター街
みのり:はあ……。すっごく楽しかった~!
遥:久しぶりにカラオケで歌ったけど、 いつもとは違った楽しさがあってよかったね
雫:ええ、みんなの歌をじっくり聴けたし
みのり:はあ……
雫:みのりちゃん、どうしたの? さっきからため息ばかりついて……
愛莉:おおかた、わたし達が持ち歌連続で歌ったから、 頭がファン返りしちゃったんでしょ
遥:途中で拝みだした時は さすがにびっくりしちゃったな
みのり:はあ……。 こんなに幸せな時間があるなんて……
雫:ふふ。とっても喜んでくれたのね。 よかったわ
愛莉:それじゃ、次はどこ行く?
遥:そうだね……。 じゃあ結構歌ったし、カフェで一息つこうか
雫:あ……!
雫:あのね、私、行きたいカフェがあるの。 ケーキがとっても美味しいって評判なのよ
遥:じゃあ、そこに行こうか
みのり:おいしいケーキ、楽しみだね! 何食べようかな~♪
愛莉:けど、あんま食べすぎないようにね? アイドルにとって糖質は大敵なんだから
雫:それが、大丈夫なの!
遥:え、大丈夫って?
雫:そのカフェ、最近できたカフェなんだけど、 そこにあるスイーツは、全部糖質制限されたものみたいなの
遥:そうなんだ。だったら、少し多めに食べても安心だね
遥:…………
雫:遥ちゃん?
遥:そのお店、撮影許可とれるかな?
みのり:えっ、撮影?
愛莉:どうしたのよ、急に
遥:糖質控えめのスイーツを求めてる女の子って、多いと思うんだ。 だから、そんな子達のために『こんなお店があるんだよ』って 教えてあげるような動画が作れないかなって思って
みのり:なるほど……! そんなこと考えつかなかったな~。 さすが遥ちゃん!
雫:……!
愛莉:たしかに、企画としてはいいかもね。 でも今日はオフなんだし、普通に楽しむだけにしたら?
遥:うん、そうだね。行ったことがないお店を紹介するのは、 お店にも視聴者にも悪いし……
遥:今日は実際にお店に行ってみて、 オススメのスイーツとか、どんな子向けなのかを考えて 企画に落としこんでみようかな
愛莉:結局、今日は下調べするのね
雫:遥ちゃん……
雫:(せっかくのオフなのに……。 リラックスできてないみたい)
雫:(どうにかして、今日は企画や練習のことは忘れてもらわなきゃ)
雫:(とりあえずお店に着いたら、遥ちゃんにたくさんスイーツを 楽しんでもらいましょう)
雫:みんな、お店まで案内するわ。行きましょう!
雫:……みんな、ごめんなさい
みのり:雫ちゃん、大丈夫だよ! 謝らないで!
愛莉:まあ、方向音痴なアンタが、 まともな道案内なんてできるわけないわよね
雫:うう……
遥:雫、そんなに落ちこまないで
遥:そういえば駅前のショッピングモールにも 新しくカフェができたって聞いたよ
遥:雫が探してくれたカフェは、また今度行くことにして、 今日はそっちのカフェにしてみない?
愛莉:ま、それがよさそうね。 雫もそれで大丈夫?
雫:ええ……ごめんなさい……
ショッピングモール
遥:じゃあ、私はアールグレイにしようかな
愛莉:わたしはスコーンセットがおいしそうだから、それにするわ! みのりは?
みのり:わたしもアールグレイと……。 あと、いちごのアイスクリームにしようっと♪
雫:…………はぁ
雫:(せっかく甘いものが好きな遥ちゃんのために いいカフェを探せたのに……)
雫:(でも……ここで落ちこんでちゃ駄目よね。 今日はまだまだ時間があるし、 ちょっとでもリラックスしてもらえるように頑張らなくちゃ!)
愛莉:雫は? 注文決まったなら店員さん呼ぶけど
雫:あっ、今決めるわね。 ええと、飲み物のページは……
雫:(スペシャルリラックスティーセット……?)
雫:(これ、とってもいいんじゃないかしら? これをふたつ頼んで遥ちゃんにもおすそ分けしたら、 リラックスしてもらえるかもしれないわ……!)
雫:決めたわ、愛莉ちゃん! 大丈夫よ
愛莉:ん、オッケー。 すみませーん!!
遥:うん。美味しい。 モールの中で買い物してる人達もよく見えて、楽しいね
みのり:だね! 練習の帰りにまた来たいなあ
愛莉:っていうか、雫の注文なかなかこないわね。 お茶だけだし、スコーンより遅いっていうのも……
店員:おまたせしました。 スペシャルリラックスティーセットです
雫:あ、はい……って、え?
愛莉:ティ、ティーポットが6つも……なんで!?
店員:え? メニューに書いてあるかと思うのですが——
雫:メニューに? ええと……
雫:スペシャルリラックスティーセットは各3種類のお茶を “ポットで”提供しています……。 大人数で飲むのがオススメ——ええ!?
店員:そちらをふたつとのことでしたので、 合計6つになるのですが……
雫:そ、そんなにたくさん来ちゃうなんて……!
愛莉:またうっかりして……。 どうすんのよ、これ。そんなに飲めるの?
遥:……雫さえよかったら、 私も一緒に飲もうか?
雫:えっ……
遥:私はアールグレイしか頼んでないし、 ポットふたつ分くらいなら飲めると思うよ
愛莉:まあ、それでもふたりだと大変よね。 わたしも飲むわよ
みのり:うん! わたしも! とってもいい匂いだね
雫:……ありがとう、みんな……
雫:(……リラックスするお茶は飲んでもらえたけど、 あんまり遥ちゃんはリラックスできていない気がするわ)
雫:(今度こそ、なんとかして遥ちゃんに リラックスしてもらわないと……!)
雫:(ここでやってるイベントは……アロマキャンドル作り? いいわね、とってもリラックスできそうだわ!)
雫:ねえみんな、これに参加してみるのはどうかしら? とってもいい香りよ
みのり:本当だ! それにとってもかわいいね♪ やってみたいな!
遥:キャンドルってこういう風に作るんだね。 初めてやったけど、面白いな
雫:(……! よかったわ。 遥ちゃん、楽しんでくれてるみたい)
愛莉:……ん!? 何この臭い? すっごいキツい臭いするんだけど……!
遥:あ……雫! アロマオイル、そんなに入れちゃダメだよ!
雫:え? でも説明書に100滴入れるって書いてあるから……
みのり:雫ちゃん、10滴だよ! そんなに入れたらすごい匂いになっちゃうよ~!
雫:ええっ!?
愛莉:ありがとね、遥。イベントスタッフさんに謝るだけじゃなくて、 周りにいるお客さんのフォローまでしてくれて
遥:ううん、これぐらいなんてことないよ
雫:…………本当にごめんなさい
遥:そんなに気にしないで、雫。 たまにはこういうこともあるよ
みのり:うんうんっ! わたしもこういうの、たまにやっちゃうし!
愛莉:ま、今度は気をつけなさいよ? 今日はずいぶんぼーっとしてるみたいだし
雫:ええ……
遥:もしかして……雫、疲れてる? それなら今日はもう解散しようか?
雫:あ、ううん! 大丈夫よ! ごめんなさい、心配させちゃって……!
雫:(……遥ちゃんをリラックスさせようと思って、 いろいろやってみたけど……)
雫:(これじゃリラックスしてもらうどころか、 逆に気をつかわせてしまってるわ……)
雫:はぁ……
第 7 话:やりたいこと、ひとつ
宮益坂
愛莉:さてと、次はどこに行く? わたしは買いたい物も買えたし、どこでもいいわよ
みのり:わたしもカラオケ行けて大満足だったから、 遥ちゃんと雫ちゃんの行きたいところで大丈夫だよ!
遥:私は、みんなが楽しめるところならどこでもいいけど……。 雫は? どこかある?
雫:ええと……
雫:(このまま、帰ってもいいのかしら。 まだ遥ちゃんにリラックスしてもらえてないのに……)
遥:雫?
雫:あ、ううん! ええと……この辺りをお散歩しない? ゆっくり歩くのもいいと思うの
遥:うん、いいと思う。 何か面白い発見もできそうだし
愛莉:また企画のネタを探すつもりね?
遥:こういう時じゃないと見つけられないネタが あるかもしれないって思っちゃうんだよね
みのり:なるほど……! わたしも、何か探してみようかな?
雫:でも……今日はオフなんだし、 企画のことは考えなくてもいいんじゃないかしら
愛莉:そうね、これから先は企画の話禁止! ただの高校生としての時間を満喫しましょ
遥:ふふ、わかったよ
みのり:あ、あのアクセサリー屋さん、かわいい! ……ちょっとだけ見たいなあ
愛莉:あら、いいじゃない。わたしも見に行こうかしら。 ふたりはどうする?
遥:私はここで待ってるよ。 混んでるみたいだし
雫:じゃあ私も……
愛莉:わかったわ。 それじゃ、ちょっと待っててね!
遥:……ん? 雫、どうしたの?
雫:あ、ええと……
雫:今日すごく迷惑をかけちゃったから、 申し訳なくて……
遥:大丈夫だよ。そんなに気にしないで。 ちょっとしたハプニングもあるほうが楽しいから
雫:遥ちゃん……
遥:ただ……ちょっと心配だな
雫:え?
遥:今日の雫、なんだかいろいろ考えてるみたいに見えたから。 ……もし悩んでることがあるなら、いつでも言ってほしいな
雫:え、ええと、それは……!
雫:……実は、遥ちゃんのことを考えてたの
遥:え? 私のこと?
雫:ええ。最近の遥ちゃんは、レッスンも、 動画配信の企画も、ファンへのサービスも—— いつも以上にすごく頑張ってて……
雫:……でも、ちょっと頑張りすぎてるように見えたから
雫:だから今日、みんなで遊んで、 肩の力を抜いてもらえればって考えてたの
遥:雫……
遥:心配してくれてありがとう。 でも、私は大丈夫だよ
遥:大変なこともあるけど、休める時はちゃんと休んでるし。 今日だって、みんなと一緒に遊べて楽しかった
遥:だから——
雫:うん、わかってるわ。 遥ちゃんは昔から、完璧なアイドルだったから
雫:ファンのことを一番に考えて、メンバーのことも大切にして、 ずっと頑張り続けてきたってことも知ってるつもりよ
雫:でも……
雫:でも、遥ちゃん自身をもっと大切にしてあげてほしいの。 今の遥ちゃんは、周りのみんなのことを考えすぎてて、 頑張りすぎちゃってる気がしてて……
遥:私、自身を……?
MEIKO:でも——たまには息抜きも大事じゃないかしら
MEIKO:アイドルとして頑張るだけじゃなくて、 自分自身がゆっくりできる時間も作ってあげてね
遥:あ…………
遥:(もう22時か……。 練習が押した分、少し遅くなっちゃったな)
遥:(あとは宿題を終わらせて……、次の企画を考えないと)
遥:(企画の方向性は、これで大丈夫かな。 けど——これからどうやって活動していくか、 もっと長期的な計画を練っておかなくちゃ)
遥:(生放送のおかげで、最近はコメントも多くなってきてるし……。 ファンのみんなが、もっといろんな活動をしている私達を 見たいと思ってくれてるってことも感じる)
遥:(その想いに、どうやって——どんな形で応えていくか)
遥:……よし、まずは新企画から。 今日はあともう少し、頑張ろう
遥:……たしかに
遥:無意識に頑張りすぎてるっていうのは、 あるかもしれない
雫:……!
遥:疲労が残らないようにストレッチをしたり、 ちゃんと休憩するようにはしてるけど——
遥:それは肩の力を抜くためっていうよりは、 アイドルとして体調管理をしっかりしないといけないって 考えてやっているような気がする
雫:じゃあ……
遥:でも……力を抜くって、 どうやったらいいんだろう
遥:今までずっとこうしてきたから、 力を抜いてって言われても、どうしたらいいのか……
雫:どうしたら……?
雫:ええと……。 無理して頑張っていることをやめて、 楽しいことをしてみるとか……?
遥:無理して、か……
遥:でも、朝早くからのトレーニングも、 夜遅くまで配信の企画を考えるのも、 すごく楽しくてやりがいがあることなんだよね
遥:だから、大変ではあるけど、 無理しているかっていうと……よくわからなくて
雫:あ…………
雫:(遥ちゃんは、私みたいに、“完璧なアイドルを演じようと 無理をしてきた”わけじゃない……)
雫:(アイドルとして活動すること自体が大好きだから、 どんなにつらくても、無理をしているって感じないのかしら)
雫:……すごいわ。 だから、遥ちゃんはトップアイドルになれたのね
遥:え……?
雫:(そんな遥ちゃんに、もう少し肩の力を抜いてなんて言うのは、 遥ちゃんの頑張りに水を差しているのかもしれないけど……)
雫:(でも、目標のために前向きに頑張っていても、 無理しすぎるとパンクしちゃうことがあるのも本当だわ)
雫:(なら——)
遥:雫?
雫:遥ちゃん、ごめんなさい
雫:遥ちゃんは、遥ちゃんがやりたいと思ったことを、 一生懸命やってくれているのよね
雫:無理して苦しくなっているんじゃないか、なんて 勝手に思いこんでしまってごめんなさい
遥:雫……
雫:でも遥ちゃんは、自分のことだけじゃなくて、 私達のこともたくさん気にかけてくれるから—— きっと大変なことは多いと思うの
雫:だから……もしちょっとでも、疲れたって感じる時があったら、 頼ってほしいわ
雫:まだ頼りないかもしれないけど……。 MORE MORE JUMP!の仲間として成長して、 遥ちゃんを支えていきたいから
雫:だから、私達のことを考えて頑張りすぎる必要はないのよ
遥:……雫……
遥:頑張りすぎる必要はない、か……
遥:…………
雫:遥ちゃん?
遥:ううん。雫の言うとおり、力を抜けるように頑張ってみるつもり
雫:遥ちゃん、頑張っちゃうのは駄目よ!
遥:あっ……そうだったね。ごめん
遥:だけど……どうしたらいいのかわからないな。 今までそんなこと、考えたことなかったから
遥:のんびりしてるつもりでも、 企画のこととか、トレーニングのこととか、 いつの間にか考えちゃってるみたいなんだ
雫:そうなのね…………
遥:……こういう時って、どうすればいいと思う?
雫:そうね……
雫:それなら、遥ちゃんのやりたいことをひとつ、一緒にやりましょう
遥:え……?
雫:なんでもいいの。 遥ちゃんがほっとできるようなことをやれたら、 きっとリラックスできるんじゃないかと思って
遥:私が、ほっとできること……
第 8 话:幸せの青いペンギン
宮益坂
みのり:遥ちゃーん! 雫ちゃーん!
雫:あ、みのりちゃん、愛莉ちゃん……! おかえりなさい
愛莉:ごめんね、結構待たせちゃって。 レジですごく並んじゃって
遥:ううん。大丈夫だよ。 何か買ったの?
みのり:うんっ! 見て見て! じゃじゃーん!
雫:これ……ペンギンのキーホルダー? とっても可愛いわね!
みのり:うん! かわいいからお揃いで買っちゃったんだ!
愛莉:しかも、色違いの4個セットだったの! これはもう買うしかないでしょ!
雫:ええ、素敵ね。 お揃いなんて嬉しいわ
みのり:遥ちゃんも、どうぞ!
遥:ありがとう……すごく可愛い……!
みのり:えへへ、そんなに喜んでもらえると嬉しいなあ
愛莉:ホント遥は、ペンギンのことになるとデレデレね~
みのり:うんうん! いつも頼りになるのに ペンギンを見るとふわふわした顔になって、すっごくかわいい!
遥:あ……
遥:もしかして、肩の力を抜くって……こういうことなのかな?
雫:うふふっ。そんな気がするわ
遥:答えは案外、身近なところにあるんだね
雫:身近なところに……。 じゃあ、幸せの青いペンギンってことね?
遥:ふふふっ。 青いペンギンは目立つから、すぐ見つかりそう
愛莉:青いペンギン? 一体なんの話してるわけ?
遥:ううん、こっちの話
遥:……ねえ、みんな
遥:もしよかったらなんだけど、 最後に私の行きたいところに行ってもいいかな?
遥:少し遠いから、帰りの時間が遅くなっちゃうかも しれないんだけど……
みのり:わたしは全然大丈夫だよ! 遥ちゃんの行きたいところ、行ってみたいな!
愛莉:ええ、わたしも
遥:——雫も、いいかな?
雫:ええ! もちろん!
ペンギンカフェ
雫:まぁ……!
みのり:うわあ! お店中、ペンギンのグッズがいーっぱい!
愛莉:すごいわね……! ペンギンのぬいぐるみにクッションに貯金箱に……。 ペンギン柄のカーテンなんてのも売ってるわ
みのり:メニューもペンギンでいっぱいだよ! ペンギンマカロン、かわいい~♪
雫:こんなお店があったのね……あら?
遥:かわいい……!
雫:……ふふっ
雫:遥ちゃんも、ここに来るのは初めてなの?
遥:あ……うん。 クラスの子に教えてもらったの
遥:行きたいけど、他にやりたいことがいっぱいあったから、 いつかにしようと思ってたんだけど……
遥:……雫のおかげできっかけができたよ。 ありがとう
雫:遥ちゃん……
みのり:こ、このメニューすっごいよ! 遥ちゃん!
遥:え?
みのり:これ! コウテイペンギンデラックスパフェ!
みのり:すっごく大きいし、頼むと上に乗ってるコウテイペンギンの マスコットももらえちゃうんだって!
遥:本当だ……! 美味しそうだし、かわいい……!
愛莉:こーら、みのり。 遥は糖質制限中だって言ってたでしょ?
みのり:はっ! そうだった……! ご、ごめんね、遥ちゃん
遥:よかったらなんだけど……。 私が頼むから、みんなで分けて食べない?
愛莉:え?
遥:その……上に乗ってるマスコットがほしくて。 柑橘系のフルーツだけなら、私も食べられるし
雫:……それなら私も食べたいから、 みんなで分けっこにしない?
愛莉:遥がそうしたいなら、もちろんいいわよ!
みのり:うんっ! みんなで食べようっ♪
遥:ありがとう、みんな
店員:おまたせしました! コウテイペンギンデラックスパフェです!
遥:……っ!
愛莉:うわっ! 思ったより大きいわね!
みのり:すっごくおいしそう~♪ 写真撮ろうっと!
遥:あ、私も撮ろう……!
愛莉:そっちだと逆光になるから、 雫側から撮ったほうがいいんじゃない?
遥:あ、そうだね。 じゃあこっちから……
遥:あれ? 上に乗ってるコウテイペンギンに、 赤ちゃんがついてる……!?
店員:おめでとうございます! そちらのマスコットですが、10個のうちひとつだけ 当たりになっていて、親子のペンギンなんですよ
みのり:そうなんだ! やったね遥ちゃん!
遥:親子の…………! これ、もらっちゃっていいのかな? 本当に?
雫:……ふふっ
雫:(今日は失敗してばっかりだったけど……)
雫:(遥ちゃんのとっても楽しそうな笑顔が見られてよかったわ)
愛莉:雫、パフェを取り分けるから、 そっちのお皿取ってくれない?
雫:わかったわ。ええと、お皿お皿……
雫:はっ……お皿を落として割ったりしないように 気をつけるわね!
みのり:大丈夫だよ雫ちゃん! その時はわたしがキャッチするから!
愛莉:みのりがキャッチするっていうのも、 なんだか不安だけどね……
みのり:え、ええ~!?
愛莉・雫:『ふふっ……』
遥:それじゃあ……いただきます!
みのり・愛莉・雫:『いただきます!』