活动剧情

ワンダーマジカルショウタイム!

活动ID:25

第 1 话:それぞれの思いと想い

鳳家 リビング
慶介:……そうか。わかった。 では頼む
晶介:兄貴、まだ起きてたのか
慶介:ああ
慶介:ライリー・エンターテインメント社の社長、 ジャン・ライリー氏だが、 予定どおり来月頭に最終視察に来るそうだ
晶介:ははっ、ようやくここまでこぎつけたな。 もう決まったも同然だろ
慶介:そうだな……
慶介:しかし、寂しくなるな
晶介:……は?
慶介:こうするしかなかったのはわかっている。 だが——
えむ:今あるアトラクションを壊さないまま お客さんを集める方法、他にもいっぱい考えてきたの! だから——
慶介:もしかすると、理想の形に向けて、 まだやりようがあったのかもしれない
晶介:…………
慶介:すまないな、晶介。 お前も——
晶介:今更それはナシだろ、兄貴
晶介:その時その時で、俺達は最善の選択をしてきた。 後悔はないはずだろ
慶介:…………。 ああ、そうだな
ひなた:……あれ? ふたりとも、まだ起きてたの?
慶介:ひなた……
ひなた:なんだか……元気ないみたいだけど、大丈夫?
慶介:ああ、大丈夫だ。 もう休む
慶介:晶介も、あまり無理をするんじゃないぞ
晶介:……ああ、兄貴もな
ひなた:あ……
えむの父:…………
ワンダーランドのセカイ
司:ではこれより、作戦会議を始める!!
えむ:あいあいさーっ!
リン:あいあいさーっ♪
司:では作戦参謀! 前へ!
類:フフフ、僕の作戦にぬかりはないよ。 期待してくれたまえ
寧々:いや、なんなのこのテンション……。 今日するのって、例の方針転換をどうするかって話しあいでしょ?
KAITO:僕もそう聞いたよ。 みんながどうするつもりなのか、是非聞きたいな
MEIKO:私も早く聞きたいわ!
類:それじゃあまずは、前提から話していこうか
類:まず、フェニックスワンダーランドは以前から 慢性的に集客率が落ちている状態にある
類:それを改善するため、家族向けのアトラクションを 若者向けのものへ改装する手段を取ったみたいだけど……
司:それで、いくつかのアトラクションがなくなって 若者向けのフェニックスコースターが作られたわけだな
司:そして今また、新アトラクションのために、 トランポリンドームやおさかなコースターといった 子供向けのアトラクションが取り壊される危機にある、と
えむ:…………
類:しかし、これらの改装を行ってもまだ 集客率は完全な上向き状態にはなっていない
類:現状、すぐに経営に影響があるわけではないようだけど、 このままいくと数年後には赤字になると見こまれているようだ
寧々:それで、ライリー・エンターテインメント社と 提携するってことになってるわけ?
類:ああ、若者に人気な海外のIPキャラを使った アミューズメント総合施設にして、 より多くの若年層を取りこもうとしているわけだね
ミク:ふむふむ~!
類:もし提携が成立した場合、更に顕著に、 若者向けの総合アミューズメント施設になっていくだろう
寧々:……そうなると、えむのおじいさんが目指してた、 『みんなが笑顔になれる場所』からは離れちゃうんだよね
えむ:うん……
えむ:フェニックスワンダーランドをずっと残すためには、 変えていかなくちゃいけないこともあるのはわかるの。 でも……
えむ:もしまだ、どっちも叶えられる可能性が残されてるなら、 ちゃんと全部やりきりたい……!
ルカ:えむちゃん……
司:ふむ。つまり——
司:“老若男女すべての人が笑顔になれる場所”という フェニックスワンダーランドのコンセプトを 経営陣に思いださせる必要がある
司:だが、それだけでなく今の経営方針に沿った集客方法を 見つける必要がある、ということだな
類:しかし、ただ言葉にして提示しただけだと 説得力に欠けるかもしれない
寧々:じゃあ……実際に、その方法で集客できるってことを 見せなきゃいけないってこと?
類:うん、そうなるね。 経営問題がどうにかなる目処がたたなければ、 えむくんのお兄さんの考えはまず変わらないだろうから
リン:えーっ! それってとっても難しそう~
えむ:うん……。お兄ちゃん達も、いろいろ試してみて ダメだったみたいだから
類:……そうだね、難しい問題だと思う
類:だけど、僕達にもできることはあるよ
レン:ホントに!? それってどんなの!?
類:もちろん——ショーをやるのさ
リン:ショーを?
類:ああ。すべてのショーステージ、 すべてのアトラクションを巻きこんだショーをね
類:まず、みんなにはこれを読んでもらおうか
えむ:わあ……! すごい! とってもとってもわんだほいなショーだね!
司:ああ! これは素晴らしいアイディアだな!
司:ショーの内容はストレートだが、王道は心を打つからこそ王道! このショーならば老若男女、えむの兄達も含め、 すべての人が笑顔になってくれることだろう!
寧々:本当にすべてのアトラクションを巻きこむなんて……
寧々:(でも、このプランどおりになるなら、 お客さんもきっと……!)
寧々:すごくおもしろそう。 やってみたい……!
ネネロボ:ワタシも、ヤリタイデス!
類:フフ、みんなに喜んでもらえて光栄だよ
KAITO:だけど——これを上演するには、 かなりの人数が必要なんじゃないかい?
司:そうだな。ひとりで複数人を演じたり、 類のロボットを使ったりしたとしても限界がある
ルカ:そうねえ……どうすればいいのかしら?
類:もちろん、それについても考えているよ
類:ズバリ、このショーでは—— フェニックスワンダーランドにいるすべての キャストとスタッフを巻きこもうと思ってるんだ
司:何?
類:このショーは、フェニックスワンダーランドが どんな場所なのかというコンセプトを 思いだしてもらう必要があるんだ
類:それに、すべてのスタッフを巻きこんだ 前代未聞のショーとして話題性も作れる
寧々:でも……みんな手伝ってくれるかな? 他のステージでもショーはやってるし、みんな仕事があるし……
類:正直、手伝ってもらうのは相当難しいだろう。 このショー自体、かなり突拍子もない話だしね
類:でも、他のキャストやスタッフの協力がなければ、 このショーは上演できない
類:だからみんなで、参加してもらえるように、 ひとつひとつステージを回ってお願いしていこう
司:……そうだな! 手わけして呼び掛けて行くぞ!
寧々:あとは、このショーをいつやるかだけど……
類:それについては、さる筋から情報をもらった。 来月の頭——ちょうどショーコンテストの最終日に、 えむくんのお兄さんが提携先の人間と一緒に、視察に来るらしい
類:その時にショーをやろうと思う
司:ショーコンテストの最終日に……なるほど
司:連中の仕掛けたショーコンテストに自ら乗ったうえで、 オレ達のショーを見せてやるということか! 悪くないな!
司:(ん……? だがその場合……)
えむ:司くん、どうしたの?
えむ:…………あっ
えむ:もしかして司くん、ショーコンテストの優勝のこと……
司:うっ……。 いや、それは気にするな
司:まあ、せっかくここまで頑張ってきたからな、 優勝を逃すのが残念でないと言ったら嘘になるが……
司:今はそれよりも大事なことがある!
えむ:司くん……
司:気にするなと言っただろう! それより、ここから前代未聞の一大ショーが始まるんだ!
司:——今まで誰も見たことがない、 夢のように素晴らしいショーを作るぞ!!
えむ・寧々:『……うんっ!!』
類:しかし、できればもう一手打っておきたいところではあるね。 話題性を狙うにしろ、もう少し大勢の人に アピールしておきたい
類:ショーコンテストを見に来る人が多いだろうけれど、 それは経営陣も見こんでいる数字だろうからね
司:たしかにな……。えむの兄達の想定以上に集客するため、 もう少し何かしらの策を講じておくべきか
寧々:だけど、具体的にどうすればいいんだろ……
えむ:あ……! ねえねえ、類くん!
類:うん? なんだいえむくん
えむ:あたしね! 前からいっぱいお客さんが来てくれるように いろいろ考えてて、思いついたのをノートに書いてたの! これなんだけど……
えむ:あ、あった!  このアイディア、ショーに入れられないかな? きっとすっごくキレイで、みんな来たくなっちゃうと思うんだ!
類:……! これは……
類:ふふっ。えむくんの夢が、本当に奇跡を起こすかもしれないね
リン:えー!? どういうこと!?
ミク:ミクにも教えて教えて〜! 何するの!?
類:フフ、一言でいうならば……
類:フェニックスワンダーランドに『笑顔の魔法』をかけるのさ

第 2 话:今、一番大切なもの

フェニックスワンダーランド
ワンダーステージ
司:よし、ショーの方針は決まったな!
えむ:次は、他のショーステージのみんなに 協力してもらうんだよね!
寧々:うん。でも、ショーコンテストのこともあるし、 本当に協力してもらえるのかな
類:……そうだね。現実的には難しいだろうと思う。 みんな、コンテストのために頑張ってきたステージが ほとんどだしね
類:優勝を目指してきたステージは特に、 最終日を前に、コンテストを投げ出すことはしたくないだろう
司:…………
司:——無理なのは承知の上だ! まずは行動あるのみ! 行くぞ、お前達!!
えむ・寧々:『うんっ!』
メリーゴーランド前
スタッフA:……協力できません
スタッフA:うちはもう取り壊されることは決まってますし、 今更そんなショーに時間を使ったところで……
寧々:で、でも……その……
司:ですが、このショーをやって集客率を上げることができれば、 ここは取り壊されずにすむかもしれません。ですから……
スタッフA:…………上層部が考えて決めたことなら、 仕方がないことですから
スタッフA:とにかく、うちは協力できません
寧々:あ……
ヒーローステージ
スタッフB:協力はできないよ
えむ:ええーっ!? ど、どうして!?
スタッフB:どうしてって、これ、経営方針に反対するってことだろ?
スタッフB:そんなことをして給料減らされたり、 クビになったりしたらたまったもんじゃない
スタッフB:……そりゃあ俺だって、 前のランドの雰囲気のほうが好きだったけど……
えむ:なら……ならお願いです! 手伝ってくださいっ! 何かあったら、あたしがみんなに 無理にお願いしたって言います!
類:この案に少しでも可能性を感じていただけるなら、 どうか協力してくれませんか
スタッフB:……ショーひとつで方針が変わるなんて、ありえないだろ
スタッフB:悪いが、やりたいなら他をあたってくれ
えむ:うう~……
???:…………
司:えむ! 類! そっちはどうだ?
えむ:うー、ダメだったよ……。 司くん達のほうは?
司:4つ行ったが全滅だ……
類:そうか……。 予想はしていたけれど、やはり難しいね……
寧々:やっぱり、無理なのかな……
司:いや……まだわからん! 全部のステージとアトラクションに声を掛けるぞ!
えむ:うん! じゃあ次は——
司:……あそこか。 本来なら、もう少し協力者を増やしてから 行きたいところだったがな
司:仕方あるまい! 行くぞ!
フェニックスステージ
司:たのもー!!
寧々:それ、道場に入る時の掛け声でしょ……
えむ:あっ、そっか! あたしも言いそうになっちゃった!
類:元気なのはいいことだけどねえ
えむ:こんにちはー! フェニックスステージの皆さーん!
キャスト達:ん? 誰だ?
キャスト達:あれはたしか……
???:——あら、やっと来たのね。 ワンダーランズ×ショウタイムの皆さん
寧々:その声は……
司:——青龍院櫻子!
櫻子:ごきげんよう、お久しぶりね! 待っていたわよ
司:——フン、クリスマスショー以来だな、青龍院櫻子! ……ん?
司:それより、『待っていた』というのはどういうことだ? 青龍院櫻子!
櫻子:……あなた、いちいちフルネームで呼ぶのやめてくださらない?
櫻子:まあ、私の名前は情緒あふれる名前ですし、 呼びたくなる気持ちはとてもよくわかるけれど……
寧々:で、待っていたってどういうこと?
櫻子:——コホン。あなた達、 フェニックスワンダーランドすべてを巻きこんだ 大がかりなショーをやろうとしているんですって?
寧々:…………! どこでその話を……
櫻子:偶然、他のショーステージを見に行っている時に、 あなた達の話を聞いたのよ
寧々:え? 立ち聞きしてたの?
櫻子:ちょっ……偶然! 偶然聞いたのよ!
櫻子:……とにかく、あなた達がやろうとしていることは 見すごせないわ
櫻子:集客率を上げるためとはいえ、経営陣に逆らったうえ、 せっかく集客を見こめるショーコンテストを台無しにするなんて 一体何を考えているの?
司:うっ、それは……
えむ:無茶なことをやろうとしてるっていうのは、 わかってます!
えむ:今まで以上にお客さんをいっぱい呼ぶなら、 海外の会社と提携したほうがいいかもしれないってことも……
えむ:でも……! それじゃ、今までフェニックスワンダーランドを好きで 大切に想ってた人達を悲しませちゃう……!
えむ:若い人達だけじゃなくって『みんなを笑顔にする』のが フェニックスワンダーランドなの!
えむ:だから、たくさんお客さんを呼ぶことも、 『みんなを笑顔にする』ことも、諦めたくないんです!
えむ:両方諦めないですむ方法がまだあるかもしれないなら、 最後までやりきりたいんですっ!
櫻子:…………
えむ:——だからお願いしますっ! あたし達と一緒に、ショーをやってください!
櫻子:……そんな感情論を聞かされて、私がイエスと言うと思う?
えむ:……っ!
櫻子:それに、あなた達もコンテスト優勝を目指していたんでしょう? みすみすチャンスを逃してもいいの?
司:それは……
えむ:あ……
えむ:もしかして司くん、ショーコンテストの優勝のこと……
司:うっ……。 いや、それは気にするな
司:まあ、せっかくここまで頑張ってきたからな、 優勝を逃すのが残念でないと言ったら嘘になるが……
えむ:(司くん、コンテストのためにいっぱいがんばってたもんね。 やっぱり——)
司:——チャンスなぞ、また掴めばいい!
えむ:え……?
司:たしかに、優勝はオレ達の目標だった。 この問題が発覚しなければ、今もコンテスト最終日に向けて ショーを作っていただろう
司:だが、今はそれよりももっと大切なものがある!
司:みんなの笑顔と、そのたくさんの笑顔を生みだし続けてきた フェニックスワンダーランドの存続だ!!
司:フェニックスワンダーランドのキャストとして、 このふたつは必ず守らなければならない
司:そのためにコンテスト優勝を逃すくらい、惜しくはない! 今は、最も大切なもののために動くべきだろう!
えむ:司くん……!
司:青龍院櫻子、お前にもこの想いはきっとわかるはずだ! フェニックスステージのスターたるお前ならばな!
櫻子:…………
櫻子:声がうるさいだけのあなたと 同類にされることは遠慮したいわね
司:な、なんだと!?
櫻子:けれど……その気持ち、わからなくもないわ
寧々:えっ?
櫻子:——本当に協力してほしいと思うなら、 まずはプランの詳細を提示してちょうだい
櫻子:やるかやらないか、考えるのはそれからよ
司:……ん? ということは……
類:僕らのプランを詳しく聞いてくれる、ということだね
えむ:……!
ネネロボ:青龍院、イイヤツ!
類:それじゃあ、まずこれを読んでください。 詳しい演出については、そのあとに話しましょう
櫻子:——わかったわ
櫻子:…………!
キャスト達:え? 本気なの……?
キャスト達:実現したらたしかにすごいけど、でも……
櫻子:(……こんなショー、本当にやるつもりなの!?)
櫻子:(他のテーマパークでも見たことがない。 成功すれば、絶対話題にもなる。 だけどそう簡単にうまくいくようなものじゃない)
櫻子:(それなのに——やってみたい気持ちが膨らんでくる)
類:どうだい? 青龍院くん
櫻子:……はぁ。 返答がわかっているような顔をするのね
類:このプランは、僕達みんなの自信作だからね
櫻子:はあ……
えむ:お願いします! あたし達と一緒に、ショーをやってください!
寧々:……わたしからもお願い!
類:お願いします。あなたがたに協力してもらえれば、 このショーはきっと実現することができる
司:青龍院。協力してはもらえないだろうか。 どうか、たのむ!
櫻子:…………
櫻子:私は——

第 3 话:つながる想い

フェニックスステージ
櫻子:…………
櫻子:私、子供の頃から何度もここに遊びに来ていたの
えむ:え?
櫻子:ここのショーを見て、世の中には こんなにも楽しいものがあるって、初めて知ったわ
櫻子:歌もダンスも、まるで映画の中から そのまま抜け出てきたみたいに綺麗で……。 私もこんな風に歌って踊ってみたいと思った
櫻子:特に、レインボーステージというステージが好きで、 そこのキャストとよく話をしていたわ
寧々:……レインボーステージ?
えむ:フェニックスワンダーランドに、昔からあったステージだよ。 あたしもだーい好きだったんだけど……
えむ:——最初の改装の時になくなっちゃったんだ
寧々:あ……
櫻子:……経営方針が少しずつ変わって、 若年層だけをターゲットにするようになってから、 ずっと違和感を持っていたわ
櫻子:だけど、言えなかった。フェニックスステージは、 新方針の改装計画に大きな恩恵を受けていたから
類:…………
櫻子:でも、ある日気がついたの。ステージから客席を見た時に、 子供やご年配のかたがほとんどいなくなっていることに
櫻子:ああ、昔の私みたいな子はもう来れないんだ……って
寧々:青龍院……
櫻子:今の方針は、経営戦略として正しいのかもしれないわ。 若者向けの遊園地にして集客率が上がれば、 フェニックスワンダーランドは存続できる可能性がある
櫻子:でも、ここはもっといろんな人達が笑顔になれる場所だった。 少なくとも私は、そんなこの場所が好きだったの
櫻子:だから——
櫻子:『みんなを笑顔にする』フェニックスワンダーランドのまま、 生き残れる未来があるのなら……私はそれに賭けたい
えむ:それじゃ……!!
司:協力してくれるということか!!
櫻子:私は、よ。 フェニックスステージのみんながどうするかは、 それぞれが決めることになるわ
櫻子:——みんなは、どう?
キャスト達:…………
キャスト達:……実はさ、なじみのお客さんがどんどん減ってるの、 結構寂しかったんだよな
キャスト達:そうだね。経営方針なら仕方がないって思ってたけど……。 今ならまだ、変えられるかもしれないんだよね
キャスト達:ま、櫻子ちゃんが乗るなら、俺達も乗らないわけにはいかないよな
えむ:う~……スーパーわんだほーいっ!! ありがとう、櫻子ちゃんっ♪
櫻子:さ、櫻子ちゃん? ま、まあ、いいけど……
司:ようし! そうと決まれば、 更なるメンバーを増やしていかなければ!!
櫻子:そうね。……まずは、さっきあなた達が断られたステージに もう一度行きましょう
寧々:え、でも……
櫻子:私は、他のステージの事情にもそれなりに詳しいの。 ここのショーキャスト達とは、よく情報交換をしているから
櫻子:説得の仕方を変えれば、 参加してもらえる可能性は十分あるわ
類:それに、実力派のフェニックスステージが 味方についてくれたと聞けば、 もう少し話を聞いてくれそうだしね
司:そうか……! それはありがたい!
司:協力、感謝する。 そして改めて——よろしく頼む、青龍院!!
櫻子:ええ、天馬さん。 このショーを、最高のショーにしましょう
メリーゴーランド前
司:度々すみません! どうか、もう一度話を聞いてもらえないでしょうか!
スタッフA:……あなた達、また来たんですか。 悪いですけど、うちはもう……
櫻子:こんにちは。少しお話いいかしら?
スタッフA:え? 青龍院さん……?
櫻子:……思えば、レインボーステージが壊される時、 一番反対していたのがあなたでしたね
櫻子:あの頃は私も無力で何もできなかった。 けど……今は違うと思いたいわ
櫻子:この計画の先には理想の未来がある。 どうか、あなた達の力を貸してほしいの
司:お願いします! 同じフェニックスワンダーランドの一員として、 もう一度話を聞いてくれませんか!
スタッフA:………………。 少し、話を聞くくらいなら……
翌日
司:なんと……! すべてのステージのキャストが集まると、 これほどの人数になるのか……!!
寧々:……ありがとう、青龍院さん。 青龍院さんの力がなかったら、 こんなにうまくいかなかったと思う
櫻子:フフ、どういたしまして
類:さて、それじゃあここからは司くんの出番だね?
司:なに?
類:ワンダーランズ×ショウタイムの座長として 君がやるべきこと、わかるだろう?
司:……うむ、たしかにそうだな!
えむ:えっ? なになになに? 司くん、何するのー?
司:いいか、お前らそこで見ていろ! この未来のスター、天馬司の真骨頂を!
寧々:……?

第 4 话:スターの大演説!

ワンダーステージ
キャスト達:にしてもすごい人数が集まったな! ……ん? ショーキャストだけじゃなくて、 アトラクションのスタッフもいるのはなんでだ?
スタッフ達:台本に書いてあっただろ? 今回のショーは、オレ達アトラクションスタッフも 必要なんだって
キャスト達:んん? あ、そうか。たしかにあの内容は——
司:——諸君!
司:今日は、このワンダーステージによくぞ集まってくれた! 心から感謝する!
キャスト達:ん? あれ、ワンダーステージの人?
キャスト達:ああ、そうだったと思う。 名前はたしか……
司:まずは自己紹介といこう! オレの名は——
司:天翔けるペガサスと書き天馬! 世界を司ると書き司! その名も——天馬司! スターになるべく産まれた男ッ!
キャスト・スタッフ:『…………は?』
寧々:ちょ、ちょっと、あれ大丈夫!? みんなポカーンとしてるんだけど……!
類:さあ、どうだろうねえ
えむ:司くんだねえ!
司:皆、既に話を聞いていることと思うが、 今、このフェニックスワンダーランドは、 とてつもなく大きな転換点に立っている!
司:存続を最優先とし、集客率を上げるため、 若者をターゲットとしたテーマパークになっていくか!
司:それとも今までのように、年齢性別を問わず、 すべての人が笑顔になれるテーマパークであり続けるか!
司:……存続のために戦略が必要なことはわかる。 だがショーは、万人を笑顔にするものだ
司:そこには年齢も性別も立場も関係ない。 言葉の伝わらん宇宙人がやって来たって関係ない!
司:少なくともオレは、オレのショーを見る全員を笑顔にしたい!!
司:そしてきっとここは、そういう想いのもとに 作られた場所なのだと思う
司:『すべての人を笑顔にしたい』という想いを持っていたからこそ、 このフェニックスワンダーランドは愛されていたし、 今までたくさんの人々が訪れてきていたのだと!
司:ゆえに、オレはこのショーをやる! そして証明するのだ!
司:『すべての人が笑顔になれる場所』と『集客率を上げること』は どちらかしか選べないわけではないと!
司:本当に『すべての人が笑顔になれる』ショーをすれば、 たくさんの人々が、きっとこの場所を訪れてくれる!
司:そのことさえ忘れなければ…… このフェニックスワンダーランドは 何度でも——不死鳥のように蘇る!!
キャスト・スタッフ:すべての人を笑顔に、か……
キャスト達:たしかにショーをするのなら、 いろんな人を笑顔にしたいよな
スタッフ達:アトラクションに来てくれるお客さんのために 俺達が何かできるのなら……
寧々:あ……
寧々:(やっぱり、ここにいるみんなも—— 同じ気持ちだったんだ)
えむ:(やっぱり、間違いじゃなかった……!)
司:この天馬司、採用されたあかつきには、未来のスターとして、 素晴らしいショーをお届けすることをお約束いたします!
えむ:すばらしいショー……?
えむ:(オーディション会場で司くんを見た時、 びびびびびーんってきたのは、 間違いじゃなかったよ、おじいちゃん!)
司:日々、フェニックスワンダーランドで みんなの笑顔のために働いている諸君の力があれば、 きっと最高のショーができると、オレは確信している!
司:本番まで、全力で駆け抜けていくぞ!
キャスト達:……たしかに、ワンダーステージから出て来るお客さんって、 みんな笑顔になってるんだよな
キャスト達:ふふっ。 ああまで言われたら、ベテランとしては負けてられないわね
キャスト達:よーし! 今までで一番いいショーにしようぜ!
櫻子:…………
櫻子:(ここに集まってくれた人のほとんどは、 少なからず私達の考えに賛同して来てくれている)
櫻子:(とはいえ、まだ参加を迷っている人や この現状に戸惑っている人もいたはず——)
櫻子:(けど、今の演説を聞いて……みんなの顔つきが変わった)
櫻子:(まさかあの偉そうでヘンな役者が、 みんなの心をひとつにまとめ上げるなんて)
櫻子:ふふっ……。 なかなかやるじゃない
司:総合演出はワンダーステージより神代類! 歌唱とダンスの指導はフェニックスステージより 青龍院櫻子が担当する!
司:そして困ったら、この天馬司になんでも聞いてくれ!
司:それでは——練習スタートだ!!
演出家A:ええ!? ここからここまで、そんなにすぐ移動できる!?
類:ああ。この更衣室を抜けるルートで行けば可能だよ。 前に実際に走ってみたからわかる
演出家B:あ、ここの演出だけど、 どうやって表現する気なんだい?
類:僕が作ったドローンを利用しようと思う。 昔から作っていたから、かなりの数があるんだ
演出家B:ええ? このドローン、神代さんが作ったの?
類:フフ、ショーのためにほしくてね。 あとは——こんなのはどうだい?
櫻子:ストップ! ここは、歌で初めて気づきを得るシーンなの。 歌唱の説得力が何より大切!
櫻子:草薙さんのバックコーラスだからって気を抜かないで。 あなた達も、主役のつもりで歌う気概を見せなさい
櫻子:草薙さん、他のチームを見てくるわ。 その子達ができるようになったら教えてちょうだい!
寧々:え、あ、う、うん……
寧々:(うう……。こんなに知らない人だらけなのに、 わたしがみんなに教えなきゃいけないなんて……)
寧々:(ステージで歌うよりずっと緊張する……。 だけど……)
寧々:(今は……できること、全部やらなくちゃ!!)
キャストA:うう……噂には聞いてたけど、青龍院さんって厳しいんだね……
キャストB:草薙さん、今のところ教えてもらっていいかな?
寧々:わ……わかった。 う、歌ってみてくれる?
キャストA・B:『♪~~~~』
寧々:(あ、これ……! なんとなく理由がわかったけど、うまく伝えられるかな……)
寧々:(……だ、大丈夫! 星乃さんにだって教えられたし、きっと……!)
寧々:え……っと、これは多分、 自分の声で歌いきれてないから良くない……んだと思う……
寧々:だから、その、もっとストレートに……、 あなたの声で歌ってみたほうがいい……かも
キャストA:ストレートに……か。 じゃあ、やってみようかな
寧々:う、うん。じゃあもう一度……
櫻子:……あの調子なら大丈夫そうね
ネネロボ:当然デス。 寧々は歌姫デスカラネ
櫻子:ひえっ!?
ネネロボ:寧々、頑張ッテクダサイ……。 ネネロボは応援シテイマス……
櫻子:こ、このロボット、前にショーで見たけど、 まさかしゃべるなんて……!?
キャストA:すみませーん! ここの振りって、どうなってるんですか?
えむ:えっとね! ここは右、左、ぶんぶん、ぐるーん、ぱっ!だよ!
司:そんなんでできるか!
キャストA:右左ぶんぶん……あっ、できました!
司:できるのか!?
キャストB:あのー! ここでのポジション教えてもらませんかー!
司:おお! 今そっちに行くぞ!
えむ:えっへっへー♪ こんなにたくさんの人と踊れるなんて楽しいね!
司:そうだな! これだけの人数がいるとやりがいがある!
キャスト達:すみませーん! ここって左にターンですよね!?
キャスト達:あの、小道具の使いかたなんですけどー!
司:待て待て待てーい! 順番だ、順番!
司:ぬう……これだけの大人数となると大変だな。 いつもの何倍もの労力がかかる!
司:だが、いずれ世界に羽ばたくスターならば、 これ以上の人間を相手にすることもあるだろう!
司:よーし! やってやろうではないか!
司:よし! 次はフィナーレで使われる アトラクションのチェックをしておかなければな!
司:そういえば、えむ。 肝心のアレは準備できているのか?
えむ:うんっ! 着ぐるみさんに聞いたら、 ちょうどたくさん余ってたみたいだったから いっぱいもらって来ちゃった!
えむ:あと中身をね、類くんとネネロボちゃんが ビビビビビッて改造してくれてるよ!
司:そうか。楽しみだな! このフェニックスワンダーランド全体に魔法がかかる瞬間が!
司:しかしえむ、あんなアイディアをよく思いついたものだな
えむ:えへへっ♪ すごいでしょーっ!
えむ:……あのね、あたし、夕方があんまり好きじゃないんだ
司:ん? どういうことだ?
えむ:『楽しい1日が終わっちゃう』って気がして。 だから、夜になってもキラキラ楽しいことが あればいいのにって思って、ずーっと考えてたの
えむ:あれはね、そのなかの1個!
司:そうか……いや、えむらしいな
司:安心しろ! このショーが終わった夜は、 キラキラ楽しいどころか 笑い声が鳴り止まない一夜になること間違いなしだ!
えむ:うんっ!
えむ:……司くんっ
司:ん?
えむ:本当に、本当にありがとうっ!
司:フッ、何を今更言ってるんだ。 オレはスターになる男だからな。このくらい当然だ!
司:さあいくぞ! まだまだやらなきゃならんことは盛りだくさんだからな!
えむ:うんっ!
えむ:(……ほんとは、ずっと不安だったんだ)
えむ:(おじいちゃんと約束した、みんなが笑顔になれる フェニックスワンダーランドを守りたいっていうのは、 あたしのわがままなんじゃないかなって)
えむ:(でも、みんなのおかげで、 同じ気持ちの人がいっぱいいてくれるってわかっちゃった)
えむ:(だから——)
えむ:絶対、ぜったいぜーったい! 成功させるぞーーーー!!
司:こら、えむ! 騒いでないで、早く次のチームを手伝えー!
えむ:はーーーいっ!!

第 5 话:いざ開演!

数週間後
ワンダーランドのセカイ
全員:『——ありがとうございました!!』
司:どうだ! 完璧なフィナーレだっただろう?
KAITO:うん。本当にいいショーだった
KAITO:みんなの頑張りがすべて詰まったショーだったよ。 明日の本番が楽しみだね
寧々:カイトさん……
ミク:ミクもとってもとってもとってもとっても、 とーっても感動したよ~!!!!
えむ:えへへ~♪ ありがとうミクちゃんっ☆
ミク:あーあ、ミクも一緒に本番に出たいな~!! 絶対おもしろいのに~!!
リン:リンもリンも~♪
リン:あ、そうだっ☆ あのね司くん、 本番の日、リン達も手伝っていいかなぁ?
司:手伝う? それは助かるが、何をするつもりなんだ?
リン:それは~……えへへっ、こういうのはどうかな☆
司:……なっ! そ、そんなことができるのか……!? いや、しかしこれはたしかに……
類:ふむ。うまくタイミングを合わせればできるかもしれないね。 挑戦してみるだけのインパクトはありそうだ
リン:やったぁ☆ 明日はリンちゃん達におまかせあれ~♪
ワンダーステージ
司:ついに明日は本番だな。 各自、しっかりと休息をとるように!
類:そうだね。万全の状態で挑めるようにしていこう
寧々:うん。ちゃんと明日に備えなくっちゃね
えむ:あのね……。みんな、本当にありがとう!
寧々:……別に、えむのためってだけじゃないよ
えむ:え?
寧々:もちろん、最初はえむが困ってるなら助けたいって 気持ちだったけど……
寧々:青龍院とか、他のキャストやスタッフを見てたら、 わかったんだ
寧々:ここはずっと『みんなを笑顔にできる場所』で……。 少なくとも、ここにいるみんなは、 そういう風にあってほしいって思ってるんだって
寧々:今はわたしも、ここをそういう場所にしたいって思うよ
類:そうだね
類:何よりここは——僕達を笑顔にしてくれた場所でもある
類:だからこそ、『みんなを笑顔にする』場所であり続けてほしいと、 僕も思うよ
えむ:寧々ちゃん、類くん……!
えむ:あ……でも、司くんには、ごめんなさい!
司:む? ごめんなさいとは、なぜだ?
えむ:司くん、ショーコンテストの優勝を目指してたのに、 今回のせいでだめになっちゃったから……
司:ああ、そのことか! 前にも言っただろう、気にするなと!
司:………………まあ、残念ではあるがな
えむ:ううう~、そうだよね……!! ほんとにほんとにごめんなさい!!
寧々:一言多いっていうか、なんていうか……
類:正直なのはいいことなんだけどねえ
司:あー! 待て待てえむ! 残念ではあるが構わんのだ!
司:なぜなら、オレがスターに近づいているということに 変わりはないからな!
えむ:え?
司:もちろん、コンテストに優勝してCMに出れば、 スターとして、オレの名は一躍有名になるだろうが——
司:スターにとって大事なのは、この場所と同じ、 『みんなを笑顔にする』という想いだ
司:その想いさえあれば、遅かれ早かれ オレはスターになれる! だから気にするな!
えむ:司くん……
類:……フフ。さすが、僕達の座長だね
寧々:いいこと言うじゃん
類:さて、今日も長らく練習して、リハもやったからね。 そろそろ帰って休んだほうがいい
寧々:うん。そうだね
司:明日は、最高のショーにするぞ!
えむ・類・寧々:『おー!』
司:よし、それでは解散!
翌日
フェニックスワンダーランド
慶介:本日はようこそお越しくださいました、ミスターライリー
ライリー:ああ、今日はよろしく。 君達の作り上げたパークを見れるなんて、とても楽しみだよ
晶介:ありがとうございます。 しかし……日本語が堪能と伺っていましたが、 本当にお上手ですね
ライリー:日本には、プライベートでも仕事でも何度か来ていてね。 楽之介——君達のおじい様にも、世話になったものだよ
晶介:そうだったんですね。 そんなところに繋がりがあったとは、知りませんでした
慶介:それから、ご紹介致します。 こちらが鳳グループ会長の鳳幸之介です
えむの父:——はじめまして、ミスター。 鳳幸之介と申します
ライリー:あなたが……! お父様からお話は常々聞いていました。 各界でも有名なあなたと顔を合わせることができて、  とても光栄です
えむの父:私もお会いできて光栄です。 本日は当テーマパークを心ゆくまで御覧になってください
晶介:それではミスターライリー。 こちらからご案内致します! さ、どうぞ!
慶介:……こちらの区画を中心に改装を加えていく予定です。 メインのモニュメントの設置と公開は2年後になりますが、 並行して、以前お話しした短期的な施策を実行していきます
ライリー:うん、それくらいが妥当ではないかな
慶介:では、次はショーステージに向かいましょう。 本日はショーコンテストの最終日のため、 各ステージ、気合いの入ったショーを見ていただけるかと思います
晶介:特にフェニックスステージは当パーク内でも最高のステージです! きっと気に入っていただけるかと!
ライリー:それは楽しみだ! 僕は昔からショーが好きでね、 俳優を夢見ていた時期もあったんだよ
ライリー:その夢は叶わなかったけれど、今はその時の経験を 活かせているから——
晶介:ん? なんだ、この音は……!?
???:『ハロ~~~~エブリワ~~~~ン!!』
???:『皆さま、本日は当フェニックスワンダーランドに お越しいただき、まことにありがとうございます!!』
???:『そんな皆さまのため、我々からのサプライズとして、 本日限りの、スペシャルショーを上演いたします!』
ライリー:ほう! これはなかなか粋な計らいだね!
ライリー:まさかステージに赴く前に、 わざわざショーを見せてくれるなんて!
晶介:え? あ、はい! ははは……
慶介:スペシャルショー? 今日、そんな予定があったか?
晶介:いや……そんな話はきてないな……
慶介:部下に連絡を入れよう。 ……この声の主をすぐに探し出せ。 スピーカーから声がするということは、調整室にいるはずだ
来場者:なんだろう? 何が始まるのかな?
来場者:っていうか、スペシャルショーってどこでやるんだろうね? 始まっても場所がわかんないんじゃ……
???:『それでは——当パークすべてをステージとした、 スペシャルショーの開幕です!!』
???:『皆さま、ネオフェニックス城前にお集まりください!』
えむの父:このショーは、一体…………?

第 6 话:笑顔の魔法使い

ネオフェニックス城前
来場者:ただの広場だけど、ここでショーをするのかな?
来場者:ステージでやってるのは知ってたけど、 ここでショーがあるなんて知らなかったね
ライリー:いやあ、楽しみですね! 私は開幕前のワクワクがたまらなく好きなんです
慶介:(一体、どんなショーをするつもりなんだ……?)
ネネロボ:『ショーを御覧にナルカタデスね?』
晶介:ん……うわっ! ロボットがしゃべった!
ライリー:ほう……! これはすごいですね。 AIロボットをスタッフとして使っているとは
晶介:え? あ、ははは! そうなんです!
ネネロボ:『ショーを御覧にナルカタは、 ゼヒコチラのブレスレットをツケテクダサイ』
慶介:ブレスレット……?
晶介:プラスチック製のようだが……暗いところで光るやつか? ん? 中に何か入って……?
ライリー:ああ……! 間もなく始まるようですね!
???:『ハーッハッハッハ!』
晶介:な、なんだ……!?
マイルス:『我が名は偉大なる魔法使い・マイルス! 魔法で、世界の果てまでをも輝かせる男だ!』
マイルス:『——うむ! 我ながらいい自己紹介だ! これでいつ名前を問われても大丈夫だな!』
???:『……こんなところで一体いつ、 どんな人に名前を問われるんですか? お師匠』
晶介:あれは……えむ!? それにあいつら、ワンダーステージの奴らか!
マイルス:『うわっ! 驚いた! 一体いつの間にそこにいたんだ? シャオ』
シャオ:『お師匠が笑い出す前からです。何度も言ってますけど、 急に笑い出すとびっくりするからやめてください』
マイルス:『笑うのはいいことだぞ。シャオも子供らしく笑うといい。 そんなぶっちょう面ではいい魔法使いにはなれんぞ?』
シャオ:『あたしは子供じゃありません! もう12歳ですよっ!』
シャオ:『それにあたしがぶっちょう面なのは、 お師匠が、いつまでたっても魔法を教えてくれないからです!』
シャオ:『本当にお師匠は偉大な魔法使いなんですか? まだ一度も魔法を見せてくれたことないじゃないですか』
マイルス:『わはは! すまんすまん! 人生、魔法を使うよりも楽しいことが多くてなあ』
マイルス:『オレのモットーは“楽しく生きる”! いつでもそれが最優先だ!』
シャオ:『それじゃ魔法使いじゃなくて、 ただの遊び人じゃないですか……』
マイルス:『だが——ついに、魔法を見せてやれる時が来たようだ!』
シャオ:『え? 本当ですか!?』
マイルス:『ああ、この場所でな!』
シャオ:『そっか! すごい魔法を見せてくれるために、 わざわざこの何もない焼け野原に来たんですね!』
シャオ:『…………』
シャオ:『それにしても、本当に何もないですね。ここ』
シャオ:『昔はたくさんの人達が遊ぶ自然がいっぱいの町で、 あたしもよく遊びに来てたんです。 でも、あの大きな戦争のせいで……』
マイルス:『ほ〜う。それは良くない。実に良くないっ! まっっったく楽しくないな!』
マイルス:『シャオ。この場所で一番好きだったものはなんだ?』
シャオ:『え? うーん……』
シャオ:『真ん中に、大きな大きな木があったんです。 一番上まで登ると、城下町を全部見渡せて——』
マイルス:『ほうほう! ならば、それをちょちょいとアレンジして——、 えーい!!』
来場者:えっ!? ねえ見て、観覧車が!
来場者:きれい……!
ライリー:あれは……!!
慶介:魔法をかけた瞬間、観覧車からたくさんの光が……?
シャオ:『ええっ!? な、なんですかあの大きな風車のようなものは!』
マイルス:『ハッハッハ! あれぞオレが考えた、 “なんか高いところからいい景色が見える物見台”だ!』
シャオ:『すごい……! お師匠は、本当にすごい魔法使いだったんですね! あたしてっきり、本当はただの変な人なのかと思ってました!』
マイルス:『最後の一言は余計だ!』
マイルス:『さて——魔法はこのように使う。 とはいえ、ここまでの魔法を習得するには 相当長い年月がかかるが……学んでみるか?』
シャオ:『……はいっ! お願いします!』
少女:『……おじさん達、だあれ?』
シャオ:『わっ! あ……お師匠、あんなところに小さな女の子がいます!』
マイルス:『本当だな。近くの村に住んでいる子か?』
少女:『おじさん達、この辺りで子馬を見なかった?』
マイルス:『子馬?』
少女:『私の大切な、白いお馬のおともだちなの。 でも、戦争の時にここで離れ離れになっちゃって……』
少女:『どこに行っちゃったんだろう……。 お母さんの言ったとおり、やっぱりもう子馬は……』
シャオ:『お師匠、これは……』
マイルス:『…………』
マイルス:『……楽しくない。まったく楽しくないな』
マイルス:『やあお嬢ちゃん。 実はおじさん達、子馬からお願いされていることがあってね』
少女:『え?』
マイルス:『——えいっ!!』
来場者:見て! 次はメリーゴーランドが光って、動き出した!
来場者:すごーい!
少女:『このおもちゃのお馬さん……子馬に似てる……?』
マイルス:『……子馬はしばらく遠くに行っちゃうけど、 そのあいだ、お嬢ちゃんが寂しくないようにってさ』
少女:『……そっか』
少女:『……ねえおじさん、このお馬さんに乗ってみてもいい?』
マイルス:『もちろん! さあどうぞ!』
ライリー:戦争で笑顔を失った人達のために、遊園地を作る—— といったショーですか
ライリー:そういえば、創設者の楽之介もまったく同じ理由で この場所を作ったと仰っていましたね
えむの父:…………
シャオ:『……えいっ! ……えいっ!』
シャオ:『うう……何もおこりません。 魔法は勉強してるのに、どうして……』
マイルス:『ハッハッハ! オレは天才だからな! だが、コツさえ掴めばシャオにもできるようになる!』
マイルス:『……ん? また誰か来たようだな』
シャオ:『今度は、おじいさんのようですね』
老人:『……誰だあんたらは。 村のそばで何をしてる』
シャオ:『わっ、ちょっと怖そう……』
マイルス:『こんにちは、おじいさん。 私達はここで魔法の練習をしている魔法使いです』
老人:『魔法使い? ふん……悪いことは言わないから、 ここらの村には入るんじゃないぞ』
シャオ:『え?』
老人:『戦争でこの辺りをめちゃめちゃにされてから、 村の連中はピリピリしている。特によそ者には厳しい』
マイルス:『……なるほど、ご忠告ありがとうございます。 ところでおじいさん、好きなものはありますか?』
老人:『……はあ?』
マイルス:『あなたの喜ぶものをプレゼントしたいのです! なにせ私は魔法使いですから!』
老人:『……はっ。じゃあ、汽車をくれ。 月に一度、港町まで行くのに あれに揺られて寝るのが好きだったんだ』
老人:『まあ、今となっちゃ線路もない焼け野原だ。 こんな場所で汽車に乗るなど、夢のような話だが——』
マイルス:『ハッハッハ! まったくもって大丈夫です! さらに、1回だけじゃつまらないので——』
マイルス:『えいっ!』
ライリー:おお、今度は園内を回るパークトレインですか! たしかにあれは高齢者にも優しいアトラクションですね
ライリー:園内に広がる線路が光に染まって、 まるで魔法の道のようだ……!
老人:『な……なんだこれは! こんな汽車、見たことがないぞ!?』
マイルス:『遠くまでは行けませんが……線路がぐるりと一周しているので、 いつまでも汽車に揺られて眠ることができますよ!』
老人:『……はは。おかしなヤツだな、あんたは』
老人:『だが、悪い魔法使いではなさそうだ』
シャオ:『……!』
ライリー:ふふ、ここからどうなっていくんでしょう? 楽しみです!
晶介:あ、あはは! 自慢のショーをお楽しみいただけているようで何よりです!
えむの父:…………
えむの父:似ている……な

第 7 话:想いを継いで

フェニックスワンダーランド
村人:『戦争で足が動かなくなってしまった。 一度でいいから、昔のように全力で走って風を感じたい……』
マイルス:『ほう! 全力で走れるどころか、 ドラゴンのように空を駆け抜けられるようにしてやるぞ! ——えいっ!』
村人:『こ、この乗り物は……!』
来場者:あ、ジェットコースターだ! 本当にドラゴンみたいになってる!
子供:『戦争が終わってから、お姉ちゃんが 笑ったり驚いたりしなくなって……。 まるで感情がなくなっちゃったみたいなんだ……』
マイルス:『ふむふむ。ではちょっと刺激的だが、心を動かしてもらうために こういうものはどうかな? ——はあっ!』
来場者:ねえ見て! お化け屋敷がこわーい雰囲気にライトアップされてる!
晶介:おい、まだ調整室には入れないのか!?
スタッフ:すみません! 何度も正しいパスワードを入力しているのですが、どうやら パスワードが変更されているようで……!
晶介:なっ……ハッキングでもされてるのか!?
晶介:……えむの奴め。 このショーが終わったら、覚悟しておけよ
令嬢:『ちょっと! ここにおかしな魔法使いが住みついたというのは本当!?』
少女:『あ……ピーピーお嬢様だ』
シャオ:『ピーピー?』
少女:『いつもピーピーうるさいから、ピーピーお嬢様なの』
老人:『昔は、花のように笑ういい子だったんだがなあ。 戦争が始まってから別人になってしまったみたいだ』
令嬢:『おだまりなさいっ! あなた達にはわからないでしょうね!』
令嬢:『戦争で家がなくなって、借りぐらしの日々! お母様は質素な生活に耐えきれずに寝こんでしまったわ!』
令嬢:『ああ……昔のように、毎日お風呂に入って シェフが作る至高のディナーを食べる生活に戻りたい……』
シャオ:『それはちょっと求めすぎなんじゃない?』
マイルス:『はっはっはっ! いいじゃないか。 幸せの感じかたは人それぞれ!』
マイルス:『ふむ。そうなると、単なる豪邸では物足りんな。 いっそ巨大な城でも作ってみせようぞ! ——それっ!』
慶介:これは……ネオフェニックス城がライトアップされて……!
ライリー:ほほう! 素晴らしい!
女の子:わあ……っ! ねえ、すごい、すごいキラキラしてるよ!
マイルス:『さらに——はぁっ!』
慶介:花火まで……。 こんなにたくさんの花火、一体どうやって……?
晶介:あ……ドローンだ! かなりの数のドローンが、 ネオフェニックス城の周りを飛んで小型の花火を打ち上げてるぞ!
令嬢:『すごい……! 私に相応しい、とても立派なお城ね!』
令嬢:『これで、お母様の体調もきっとよくなるわ。 本当にありがとう!』
令嬢:『それにしてもあなた、相当名の知れた魔法使いでしょう? なんでこんな辺鄙な場所で、こんな物を作っているの?』
マイルス:『それはもちろん……そのほうが楽しいからだ! なあ、シャオ!』
シャオ:『えっ!? あたしの修行のためじゃなかったんですか!?』
マイルス:『はっはっはっ! そんなこともあったなあ!』
マイルス:『なあに、それは気長にいけばいい! お嬢さんも、また遊びに来るといいぞ!』
マイルス:『そのほうがオレ達も嬉しいからな!』
令嬢:『ええ、きっと! 今度はお母様と一緒に来させていただくわ!』
シャオ:『こうして——あたしとお師匠が野原に来てから、 長い時間が経ちました』
シャオ:『野原には、いろんな人が集まって来て、 そうするとお師匠が作ったものがどんどん増えていきました』
シャオ:『それから、あたしは大人になって、 お師匠は——ちっちゃなおじいちゃんになりました』
えむの父:…………
シャオ:『お師匠、お水はいりますか?』
マイルス:『……いいや、大丈夫だ。 もう十分飲んだからな』
シャオ:『……お師匠、あたし心配なんです』
シャオ:『——お師匠がいなくなったら、 ここはどうなるんでしょうか』
シャオ:『お師匠が今も魔法を使ってくれてるおかげで、 グルグル回る木馬も、空飛ぶ乗り物もまだ元気です』
シャオ:『でも、あたしだけじゃ、全部動かすことなんてできません。 あんなにずっと魔法を使えません』
シャオ:『だから……いかないで、お師匠』
マイルス:『…………』
マイルス:『シャオ、お前は本当によく笑うようになった』
シャオ:『え?』
マイルス:『弟子入りしたいと初めてオレのところに来た時は、 あまりのぶっちょう面で こんな子供がいるものかと思ったが……』
マイルス:『今では誰よりもよく笑い、 周りも笑顔にさせることができる、オレの自慢の一番弟子だ』
シャオ:『……お師匠……』
マイルス:『……いいか、シャオ。 笑顔にはな、不思議な力がある』
マイルス:『誰かが笑えば周りもつられて笑顔になり、そして不思議と、 前を向いて生きようとするエネルギーがわいてくるのだ』
マイルス:『それはまるで、魔法のようにな』
シャオ:『…………』
マイルス:『シャオ。もう、お前ならわかっているはずだ』
マイルス:『魔法が笑顔を生むんじゃない。 ——笑顔から、魔法の力が生まれるんだ』
マイルス:『だからな。長いあいだたくさんの笑顔に囲まれたシャオは、 もう立派に魔法を使えるようになっているはずだ』
マイルス:『いや、お前だけじゃない。みんな魔法使いなんだ。 この場所にいる、みんなが——』
晶介:なっ……! フェニックスワンダーランド中の照明が、一斉に……!?
シャオ:『あ……! お師匠!』
シャオ:『光が消えて……、 グルグル回る木馬も、空飛ぶ乗り物も みんな止まっちゃう……!』
シャオ:『……やだ! そんなのやだ! ここは、お師匠がみんなのために作ってくれた 大事な場所なのに……!!』
シャオ:『…………ううん。 泣いてちゃダメだ』
シャオ:『お師匠が言ってたことが本当なら、あたしが……! ううん、あたし達が——』
シャオ:『みんな……!! 聞こえる!?』
来場者:えっ? あれって、私達に言ってる?
男の子:シャオちゃーん! 聞こえてるよー!
シャオ:『お願い! みんなの力を貸してほしいの!』
シャオ:『最期に、お師匠は言ってた! ここにいるみんな……たくさんの笑顔に囲まれたみんなも、 お師匠と同じように魔法を使えるって!!』
シャオ:『あたしひとりじゃ、まだお師匠みたいに 魔法を使えないかもしれなくて……。 だから、みんなの力を貸してほしいの!!』
シャオ:『笑顔の——魔法の力を!!』
来場者:力を貸すって……こ、こうか……? うわっ!
来場者:手を上げたら、もらったブレスレットが光った……?
慶介:…………これは……
慶介:ブレスレットの中にセンサーを入れているのか! ショーの終盤、手を掲げると光が点くように……
女の子:……シャオちゃんがんばれー!
男の子:がんばれー!
ライリー:……観客ひとりひとりに光が灯っていく……。 まるで本当に、笑顔が魔法をもたらしているようだ
晶介:…………すげぇ……
シャオ:『みんな……! ありがとう……!』
シャオ:『お師匠、あたし、やります! みんなの笑顔の力を借りて——みんなが笑顔になれるように!』
シャオ:『——えいっ!』
ライリー:……!!
来場者:すごい、空まで光がいっぱい集まって、綺麗……!!
来場者:やばい! やばいよこれ! 写真撮らなくちゃ!
来場者:おばあちゃーん! お星さまいっぱいだよ!
来場者:本当に、綺麗ねえ……。 こんな景色、初めて見たわ
えむの父:…………
シャオ:『お師匠……あたし、できたよ……!』
シャオ:『みんなを、笑顔にできる魔法、使えたよ……!』
来場者:すげえ! こんな綺麗な演出、初めて見た!
来場者:最高ー! ありがとうー!
晶介:……はっ! って、なにを見惚れてるんだ俺は!
晶介:おい、急げ! ショーが終わったんだ、さっさとアイツらを撤収させて……
リン:『——こうして、シャオ達の魔法は、 みーんなを幸せにしたのでしたっ♪』
慶介:ん? この声は……?
ミク:『めでたしめでたしっ♪』
女の子:わー! ミクちゃんだー!
来場者:すごい! 空中に映ってる! プロジェクションマッピングかな?
晶介:は、初音ミク!?
レン:『……って言いたいところだけど、 実はまだ終わりじゃないよ!』
MEIKO:『ええ! 最後にパーッといきましょう!』
ルカ:『みんな、ここからはもっと笑顔になる時間よ~♪』
リン:『みーんなで一緒に、にっこにこ笑顔になっちゃおーう☆ えーいっ!』
ライリー:これは……!
慶介:園内のアトラクションのライティングが…… 一斉に切り替わった……?

第 8 话:未来につながるフィナーレ

フェニックスワンダーランド
ミク:『ここからは、みんなの笑顔の魔法の力で彩られた、 フェニックスワンダーランドのもうひとつの顔、 スマイルナイトタイムのスタートだよっ!』
KAITO:『まだまだ夜は終わらないよ! ——イッツショウタイム!』
来場者:ねえねえ! いま観覧車に乗ったら、すごい綺麗そうじゃない!?
来場者:ジェットコースターの演出が昼間と変わってるんだって! 行ってみようよ!
晶介:なっ……今度は 客達が一斉にアトラクションに移動し始めたぞ!?
慶介:……! これは……
慶介:(今まで、フェニックスワンダーランドは アトラクションが他のテーマパークに比べて少ないことから ワンデイチケットの売れ行きが伸び悩んでいた)
慶介:(以前も、日中だけではなく夜ならではの魅力を作るため ライトアップ施策を行ってみたが——)
慶介:(競合するテーマパークと差別化できず、 あまり効果はなかった)
慶介:(しかし……)
慶介:(このショーによってライトアップが意味を持ち、 夜のアトラクションがより魅力的に見えるようになった)
慶介:(たしかに、この方法であれば アトラクションに乗ってみたいという気持ちを 引き起こさせるかもしれない——)
慶介:ここまで考えていたっていうのか……? あのワンダーステージのキャスト達が……
慶介:……私だ。どうした
慶介:——予約チケットが、3ヵ月先まで完売しただと? 平日のナイトチケットまで?
慶介:……『フェニラン』がトレンド1位……。 あのショーのラストシーンがSNSにアップされて、 1時間で数百万回以上視聴……?
晶介:は!? まさか、あのショーだけでそんなことになったのか?
慶介:……どうやら、そのようだ
慶介:特に中高生のあいだで話題になっているらしい。 そのせいで、平日のナイトチケットまでが完売している
晶介:マ……マジかよ……
KAITO:『——さて。名残惜しいけれど、 そろそろお別れの時間だ』
ミク:『バイバイするのは寂しいけど、 またここで、一緒に笑顔になろうね~!』
司:『皆さま! 本日はどうも——』
全員:『ありがとうございました!!』
ライリー:ブラボー! ブラボーー!!
慶介:えむ……
晶介:えむ、お前……!
えむ:——お父さん、お兄ちゃん。 その……あたし……
えむ:ごめんなさい!
えむ:でもあたし——諦めたくないの
えむ:『みんなを笑顔にする』フェニックスワンダーランドを、 これからもずっと、残し続けていきたい!
えむ:どんどんアトラクションが変わっちゃっても、 ステージがなくなっちゃっても——
えむ:『みんなを笑顔にする』っていう想いだけは、 ちゃんと残していきたいの!
えむ:その想いが変わらなければきっと、 お客さんも来てくれるから……だから……!
えむの父:…………
ライリー:……少々、よろしいですか?
慶介:……ミスターライリー?
ライリー:私は、本日のショーを見て素直にこう思いました
ライリー:この場所から生まれるショーを もっと見てみたい——とね
慶介:…………
ライリー:テーマパークすべてを使ったショー。 たしかに珍しいかもしれませんが、 世界中を見渡せば今までなかったわけではない
ライリー:それでもこんなに心を打たれたのは—— ここにいる人達の想いがあるからでしょう
ライリー:——すべてのキャストの目に、意志の光があり、 全員が、お客さんを笑顔にしたいと純粋に願っている
ライリー:そんな素晴らしいテーマパークは、 作ろうと思ってもなかなか作れないものです
えむの父:…………
ライリー:どうでしょうか。我が社のキャラクターで このテーマパークを塗り替えてしまうよりも——
ライリー:——我々も、ここの仲間に加えていただくというのは
晶介:え……?
慶介:それは……一体……
ライリー:ただ純粋に、この場所から生まれる素晴らしいショーに 私の愛する子供達—— 我が社のキャラクターがまざっている未来を想像したのですよ
ライリー:どうにも、他の場所では見たことがない—— 幸せな笑顔をしているような気がしてならないのです
慶介:……ミスターライリー……
ライリー:もちろん、ライセンス料も最低限でかまいません。 ——どうですか?
慶介:それは……! ぜ、是非、よろしくお願いします!
えむの父:…………
慶介:父さん……!
えむの父:……すまなかったな。慶介、晶介
慶介:え?
えむの父:私はこれまで——私情を挟むべきではないと考えてきた
えむの父:鳳グループのすべてを預かる身として、 個人的な思い入れがあったとしても、経営的に厳しい部分があれば 改革していくことはやむを得ないと……そう戒めてきた
えむの父:だが……。 私にもひとりの人間としての想いがあったようだ
晶介:想い?
えむの父:……今こうして、この場所が、 かつて父さんが望んだままでいられることを、 私は心から喜んでいる
晶介:父さん……
えむの父:……ミスターライリー、多大なるご配慮に最大限の感謝を。 これからどうぞ、よろしくお願いいたします
ライリー:ええ! 喜んで!
晶介:……おい、えむ。 お前が勝手にショーをしたこと、俺は許してないからな
えむ:えっ!?
晶介:けど、まあ……とりあえずは許してやる
晶介:……お前の夢のおかげで、父さんや兄貴も喜んでいるからな
えむ:……!
寧々:それじゃあ……
類:ショーは成功、ということだね
キャスト達:本当に!?
キャスト達:やったー!
櫻子:まあ、私が力になったのだから、当然ね
司:………………そうか
寧々:……え? ちょっと、何固まってんの? アンタのことだから、どうせ大声でウオーとか叫ぶんだと思って わざわざ耳ふさいでたんだけど
ネネロボ:静音モードデショウカ?
類:もしかして、ショーをやりきったからお疲れかい?
司:ああ……いや……。 なんと言えばいいんだろうか
司:これだけの人が…… オレの目に映るすべての人が笑っていて——
司:なんと素晴らしい光景かと思ってな
えむ:うん! これってやっぱり、とってもとっても~~~……
司・えむ・寧々・類:『わんだほーい!!』
えむ:だよねっ♪
司・えむ・寧々・類:『あははははっ!』
翌日
ワンダーステージ
司:ハーッハッハッハ! いや~、昨日はまさに絵に描いたような大成功だったな!
寧々:SNSでもまだ拡散してるみたいだし、 これならお客さん、たくさん増えそうだね
類:フフ、さすがにここまで全国的に話題になるとは ちょっと思ってなかったね
類:やっぱり、えむくんが考えてくれた『笑顔の魔法』のおかげかな
えむ:ううん、みんなのおかげだよ! ——ほんとにほんとにありがとうっ!!
えむ:あ、それでね、今日お兄ちゃん達が ここに来るかもしれないの!
司:何? えむの兄達がか?
慶介:——ああ、今まさに到着した。 話に入っても問題ないだろうか
類:おや、まさかこんなすぐにまたお会いできるとは
寧々:な、なんの用……?
慶介:まず——感謝させてほしい。 素晴らしいショーをしてくれて、本当にありがとう
えむ:え……
慶介:厳しい現実の前に、理想を掲げても意味がないと いつの間にか、そう思いこんでしまったようだ
慶介:だが……君達のおかげで思いだせた 理想があるからこそ、素晴らしいものはできるのだと
慶介:そんな君達に、ぜひやってもらいたいことがある
類:やってもらいたいこと、ですか?
寧々:それって……?
慶介:ああ。フェニックスワンダーランドの宣伝大使だ
司:……宣伝大使?
慶介:今回のショーが話題になったことで、 君達ワンダーランズ×ショウタイムの知名度が上がっている。 それを活かした新しい施策だ
慶介:昨日のショーや、ワンダーステージでのショーも定期的に 開催しつつ、君達には外部で公演をしてもらい、 フェニックスワンダーランドの名前をさらに広めてもらいたい
晶介:ま、本当ならショーコンテストで優勝したキャストを中心に 新CMを打つはずだったんだが……。 それも提携方針の見直しで流れたからな
晶介:その代わりにあちこち飛び回って、 ショーで新しい宣伝をしてほしいってことだ
司:ぬ……! ということは……!
司:これは、オレ達の素晴らしいショーを全国に披露するチャンス! というわけだな!
司:その話、引き受けた!
寧々:ちょっと。細かい内容聞かないで安請けあいするの やめたほうがいいんじゃない?
類:ふふ。まあ、いいんじゃないかな
慶介:無論、こちらも君達のサポートを最大限していくつもりだ。 ここのために、というのもあるが……
慶介:フェニックスワンダーランドの可能性を思いださせてくれた君達と さらにここを盛り上げていきたい。 どうか、よろしく頼む
晶介:そういうことだ。 ま……よろしくな
類:……では、第1幕の閉幕、そして第2幕の開幕、 ということになるのかな?
寧々:……そうだね
寧々:とりあえず丸く収まったし、 これからやることはまだまだあるし。 ……そう思っていいんじゃない?
司:よーし! それではワンダーランズ×ショウタイム、集合!
えむ:はーーーーいっ!
司:ゴフッ! 突撃しろとは言ってないっ!
司:……えー、コホン。 我々はこれより、このワンダーステージを起点として、 宣伝大使の活動をスタートする!
司:新しいことに挑戦するならば、 新しい苦難もあるだろう
司:だがオレ達の目的はただひとつ! オレ達のショーでみんなを笑顔にすることだ!
司:この目的のために、苦難を乗り越え突き進んでいこうじゃないか!
司:……というわけで、えむ! いつものやるぞ!
晶介:いつもの?
えむ:うんっ! あ、お兄ちゃん達も一緒にやろっ! あたしがこう言ったら……
晶介:はあ? 俺は絶対やらないからな!
慶介:……なるほど、おもしろそうだな
晶介:兄貴!?
えむ:じゃあいくよ~!
えむ:みんながんばろ——
司・えむ・寧々・類・慶介:『わんだほーい!』
えむ:えぇ!? なんで晶介お兄ちゃんはやってくれないの!?
晶介:誰がやるか! なんだこのアホみたいな掛け声は!
慶介:はははっ! まるで子供の頃のようだな、晶介!
司:では——ワンダーランズ×ショウタイム、 華麗なる第2幕のスタートだっ!!
视频:播放视频