活动剧情

全力!ワンダーハロウィン!

活动ID:3

第 1 话:新しい日常

類の部屋
類:さて……今日持っていくものは、 これで全部かな
類:ああ、そういえばこのライトもあったねえ。 ラストシーンに丁度よさそうだ
類:フフ、今日も素晴らしいショーを作ろうじゃないか
ワンダーランドのセカイ
司:『ううっ!』
司:『こ、この光は一体……!?』
寧々:『——思い出したのね、黒騎士。 平和を愛し、みんなのために剣を握っていたあの頃を』
えむ:『じゃあこのキラキラした光は、心なの? とってもキレイ!』
司:『そうか……オレは大切なことを忘れていたようだな』
司:『約束しよう。これからは昔のように、 平和のために剣を振るうことを!』
類:『こうして黒騎士は正しい心を思い出し、 世界の平和は守られたのでした——』
ミク:と~っても素敵なショーだったよ~! ミクも一緒にやりたくなっちゃった♪
司:ハーッハッハッハッ! そうだろうとも!
KAITO:特に、最後の光の演出がとても良かったよ。 照明をあんな風に使うなんて思わなかったな
類:フフ、それは嬉しいな
ミク:あ! 司くんが天井までぴゅーんって勢いよく飛び上がるのも とってもおもしろかったよっ♪
えむ:あたしもあそこ大好き~! 司くん、ロケットみたいでカッコよかったな♪
寧々:飛び上がり過ぎて、天井突き抜けるかと思ったけどね
司:ワイヤーで飛んだあれか……。 正直あれは生きた心地がしなかったが……
司:だがオレは、最高のショーを作るための努力は惜しまん! 世界一のスターになる男だからな!
司:観客の笑顔のためならば、 危険が伴うステージでも、見事こなしてみせるともッ!
類:いやぁ、やっぱり司くんは頼もしいねえ
類:そんなスターのために、 新しい演出を追加したいんだけど……どうかな?
司:あ、新しい演出だと……!
えむ:えっ! それってどんなのどんなの? おもしろい?
寧々:なんかまた嫌な予感しかしないけど……
類:いやいや、ちゃんと安全には配慮しているよ。 まあ、多少の勇気はいるかもしれないけどね
レン:おーい! みんなー!
えむ:むむ? 誰だろう?
ミク:あ、レンだ! レーン!!
寧々:レンって……もしかして、鏡音レン?
レン:うん、ボクはレンだよ! みんなよろしくね♪
レン:みんなのショーを見に行こうと思ったんだけど、 行く途中でぬいぐるみ達がケンカしてるの見かけちゃって……
レン:止めてたらこんなに遅くなっちゃったよ! 見られなくて残念だなぁ……
KAITO:姿を見ないと思っていたら、 そういうことだったんだね
類:ふむ。それなら、せっかく新しいお客さんが 来てくれたことだし、もう1回やるのはどうだい?
えむ:やりた~い! あたし何十回でもできちゃうよ!
寧々:な、何十回はちょっと……
寧々:……でも、もう1回くらいなら練習になるし、いいかな
司:ならば決まりだな! オレ達のショーをとくと目に焼き付けるがいい!
レン:やったー! ありがとう、みんな!
フェニックスワンダーランド
えむ:はあ~、楽しかったね~! レンくんもいっぱい笑ってくれてよかったな~♪
寧々:うん。それにいろいろアドバイスももらえたしね
司:これで明日のショーは、成功間違いなしだな!
類:そうだね、明日は問題なさそうだから…… そろそろ次のショーのことを考えようかな
寧々:もう次?
類:ああ。また新しいアイディアが湧いてきたんだ。 次はもっと面白い演出ができると思うよ
えむ:もっとおもしろいの!? 楽しみだな~♪
司:……ということは必然的に、 オレのリスクも上がるわけか
寧々:その分目立つし、いいんじゃない? 自称スターなんだから
司:自称ではないッ!
えむ:大丈夫だよ司くん! 類くんの演出は全部おもしろいし!
司:たしかに面白い……。面白いが、またジェット噴射器を 背負うような真似をしなければならんのか……
類:……ダメかい? 司くん
類:この演出ができれば、 きっと素晴らしいショーになると思うんだけどねえ……
司:……ええい、わかったわかった! お前の好きなようにしろ!
司:面白いショーのためなら、オレはどんな演出も受け入れてやる!
司:ただし、スターにふさわしい、 盛り上がる演出にするんだぞ
類:フフ、もちろんだよ
類:みんなが喜んでくれるような とびきりの演出を用意してみせるとも
スクランブル交差点
類:……あそこは、客席から登場するだけじゃインパクトがないな。 彼を騎士として印象付けるためには……
類:ああ、そうだ! そのほうがいいね! ならまずは、どれだけ負荷がかかるか検証しないとねえ……!
寧々:……ふふっ
寧々:類、最近楽しそうだね
類:うん? そう見えるかい?
寧々:うん。すっごく楽しそう。 昔は……
類:寧々?
寧々:……ほら、昔は退屈そうだったけど、 最近はよく、アレな顔になってるし
類:おや、アレとはなんだい。心外だな
類:……でも、そうだね。 寧々の言う通り、充実した気分だよ
類:やりたいことをやりたいようにできると、 こんなにも素晴らしい気分になれるんだね
類:さて、舞台が整ったなら――あとは開演するだけだ。 次の演出を考えなくてはね
類:……ああ、そうか。前のショーで使ったあれを再利用するのも いいかもしれないな。それなら司くんも慣れているし……
寧々:――ふふ。 よかったね、類
翌日
ワンダーステージ
司:よーし! それでは今日も練習を……
着ぐるみ:お嬢様ー!
えむ:む? そんなに急いでどうしたのー?
着ぐるみ:今日、園内でイベントの告知がありまして……!
えむ:イベント?  お父さん、そんなこと言ってなかったけど……
えむ:どんなイベントなの?
着ぐるみ:こちらが案内です
えむ:えーっと…… 『第1回 フェニックス☆ショーコンテスト』?
司:ショーコンテスト……だと!?

第 2 话:ショーコンテスト!

ワンダーステージ
類:ショーコンテスト? そんなイベントがあったんだねえ。初耳だよ
えむ:……コンテスト、やっちゃうんだ
寧々:え? やっちゃう……ってどういうこと?
寧々:えむはこういうイベント好きそうだと思ってたけど
えむ:あっ、えっとね……! 昔もショーのコンテストをやろうって話が出てたの!
えむ:でも、おじいちゃんが『ショーは1番なんて決めなくていいし、 みんな違ってみんないいんだよ』って言ったから、 やらないことになったんだ
えむ:だからちょっとびっくりしちゃったんだ~
類:ふむ……。方針が変わった、ということかな?
えむ:…………
司:なるほど、コンテスト……
司:コンテスト――おおいに結構ッ!
えむ:うわわっ!?
寧々:うるさ……
司:コンテストが開かれるということは、 ここで最も素晴らしいショーを作るユニットが 明らかになるということ!
司:さすれば、オレの役者としてのスター性、 座長としてのリーダーシップが世に広まる大チャンス!
司:フフフ……もしかすると一足飛びに活躍の場を 世界に広げられるやもしれんな!
寧々:あーはいはい。 わかったからボリューム落としてよね
司:他人事のように言っているが、お前もだろう、寧々!
司:これをきっかけに注目されれば、ミュージカル俳優になるという 夢に一歩近づくというものだ!
寧々:まあ……それはそうだけど
司:それに、人気が出れば予算が使えるようになるかもしれん。 そうすれば、もっとすごい機材を買って 演出をつけられるようになる!
類:ふむ。演出に必要なものは大抵、 そのあたりのもので作ってしまうけれど……。 でも、予算が増えるのは悪いことじゃないね
えむ:んー、そうだね……。 いっぱいショーをやれば、その分来てくれたお客さんに たくさん笑顔になってもらえるし……
えむ:——せっかくのイベントだもんね! みんなで楽しくがんばろーっ♪
寧々:ま、えむがいいなら、わたしは文句ないかな
司:それで、そのコンテストはどんな内容なんだ?
えむ:えーっと、 『フェニックスワンダーランド内で、 もっとも優れたショーユニットを決めるコンテストで……』
えむ:『決められた期間の中で3回ショーを行う。ショーは1回ごとに 来場者に投票してもらい、総合得点を競い合う』……だって
類:なるほど。1回だけではショーの内容の好みで選ばれてしまう かもしれないから、3回に分けてお客さんに投票してもらう ということかな
寧々:そういえば、ここって他にいくつステージがあるの?
えむ:小さいのも入れると、10個はあるよ♪ ショーユニットも、ステージごとにあるの!
司:そんなにあったのか!?
寧々:なんでアンタは面接受けといて知らないわけ……?
えむ:あ、続きがあるよ? 『なお』——
えむ:『優勝したユニットは、フェニックスワンダーランドの 宣伝大使となり、テレビCMに起用される』だって
司:なっ……!! テ、テレビCMだと!?
司:ではやはり、優勝すればスターへの道が 一気に開かれるということだな!
寧々:スターへの道はどうか知らないけど……
寧々:参加して、いつもよりたくさんのお客さんに見てもらえたら、 役者としてはもっと成長できるかもね
えむ:うんっ! そうだね!
類:じゃあ、決まりだね。 このコンテストに向けてショーを作っていこう
司・えむ:『おーっ!』
翌日
司:――ということで、だ。 今日はコンテストに向けてショーの内容を決めるぞ!
司:観客に選んでもらうとなると、 やはり派手で心に残る、楽しいものがいいだろう!
えむ:あっ! じゃあ、アレのショーにしようよっ!
類:うん、そうだね。僕もアレが一番ふさわしいと思うよ
寧々:え? アレって、何?
えむ:ほら、アレ! みんなでウワーってなって、 ゾロゾロして、夜すっごく楽しい!
司:ええいわからん! 早く言え!
えむ:えーっと、だから……
えむ:ハロウィン! ハロウィンだよ!!
司:ハロウィン?
司:ふむ……なるほどな
司:ハロウィンのショーであれば、明るく派手で見栄えもいい。 人気のショーになるだろうな
えむ:うん! それに怖~いのがいっぱいいたらおもしろいよ! カボチャのオバケとか、ゾンビとか、 おっきなクモとか……
司:ク、クモはやめろクモは!
寧々:いいんじゃない? いつもと違う感じだし、面白そう
司:うう……クモはダメだが…… まあ、ハロウィンというのは良さそうだな
司:よし、それならばハロウィンのショーでいこう!
えむ:わーい! やったー!
類:——そうしたら内容は『ポテトゴースト』を アレンジするのはどうだろう?
司:『ポテトゴースト』?
類:うん、元は海外の劇なんだけどね
類:ハロウィンの夜、遊園地で過ごす人々を 羨ましく思った死者達が遊園地に押しかけて 人々を恐怖に陥れる——
類:かと思いきや、遊園地の園長が死者達を受け入れる。 最後は人も死者もみんなで大騒ぎしながら ハロウィンを楽しむ、というお話だ
類:死者達が土の中からどんどん現れて、 まるで芋の収穫のようだから、ポテトゴーストと言うらしいよ
えむ:わ~! おもしろそう!
司:ふむ、ハロウィンとこの場所にふさわしい、 にぎやかなショーになりそうだな!
寧々:うん、いいと思う
司:よし。配役を決めて、さっそく準備に取り掛かるぞ。 コンテストの優勝は、オレ達がいただきだ!
類:そうだね。そうと決まれば司くん。 ――ちょっと手伝ってくれないかい?
司:ん? 手伝う?

第 3 话:思わぬ奈落

ワンダーステージ
類:それじゃあ司くん、持ち上げるよ。 せーの……
司:ふんっ!
寧々:あ……!
えむ:わ! ステージの床が、真ん中だけ取れちゃった!?
司:げほっ! すごいホコリだな……。 しかし舞台下にこんな空間があったとは
類:このあいだ掃除をしている時、偶然見つけたんだ
類:多分、ショーの道具をしまうために床下のスペースを 作ったんじゃないかな
類:せっかく見つけたことだし、今回のショーでは、 これを奈落として使おうと思うんだ
えむ:ならく?
寧々:舞台の下にあるスペースのことなんだけど、 役者が出たり入ったりするのに使うこともあるの
類:まず――この奈落に、僕が作ったゾンビロボットを待機させるんだ
類:そしてショーの最初の山場、死者が蘇るシーンで、 この奈落からゾンビロボットを登場させようと思う
類:あたかも……土の中から死者が現れたようにね?
類:そして、主人公の園長である司くんは、死者から逃げ回る。 しかし客席からもゾンビロボットが現れて絶体絶命になり……
類:そしてこの奈落に——引きずり込まれてしまう
類:そんな風にしようと思うんだ。どうだい?
えむ:おお~! おもしろそう~!!
司:ふむ……悪くない。危機の演出は大きいほどいい。 その後がより劇的になるからな!
司:しかし、そのゾンビロボットというのは、類が作るのか? ショーまでに制作が間に合えばいいが……
類:ああ、それならもうここにあるよ
司:何!?
類:いやあ、先日アイディアを思いついた時に、 もう作り始めていてね
寧々:今朝やたら大きな荷物持ってると思ったけど、 あれって新しいロボットだったの……
えむ:じゃあすぐ練習できちゃうね! やろうやろうーっ!
類:それじゃあ、ゾンビロボットの動作確認も兼ねて、 1回流れを確認しようか
司:よし。オレが奈落から出て来たゾンビロボットに 引きずり込まれればいいんだな?
類:ああ。下にはマットが敷いてあるし、ゾンビロボットには 安全装置がついているから、安心してほしいな
えむ:司くん、がんばれ~!!
ゾンビロボット:あう……あう……
司:……ううむ。ロボットとわかっていても 結構不気味だな……
類:それじゃあ準備はいいかい?
司:よし! いくぞ!
司:『い、嫌だ! オレはここの園長だぞ! どうしてこんな目にあわなきゃならないんだ!』
ゾンビロボット:『あう……あう……』
司:『や、やめろ~!!』
寧々:ふふ、いい感じ
類:うん。問題なさそうだね
類:ありがとう司くん。 バッチリだよ
司:そうかそうか! さすがの名演技だっただろう!
司:それじゃあここから出るぞ。 よいしょっと……
ゾンビロボット:あう……あう……
類:ん? どうしてゾンビロボットがまだ動いて……
司:うわっ! 服を掴むな! バランスが崩れて……!
司:うわーっ!!
えむ:あっ、司くんっ!? 穴に落っこちちゃった!
類:……!!
寧々:マットはあるけど……大丈夫!?
えむ:司くーん!  ……どうしよう! 司くんが起きないよー!
類:まずい……司くん!
司:……はっ!
寧々:あ、目を覚ました!
えむ:よかった~! 司くん、大丈夫?
司:な……何が起きたんだ?
寧々:ゾンビロボットに服を掴まれて、奈落に落ちたの。 ……マットに落ちてよかった
類:すまない、司くん。 ゾンビロボットが誤作動を起こしたんだ
類:安全装置をつけたから大丈夫だろうと 思い込んでしまった。……僕の責任だ
司:まったく、とんだ目にあったぞ!
類:…………
司:だがまあ、たまにはそんなこともあるだろう
司:次回からはオレも気をつけるとしよう。 せっかくのショーで事故が起きたら 観客を悲しませてしまうからな
司:しかし、主人公の危機の演出としては良かった! この調子で、面白い演出を頼むぞ、類!
類:……ああ
司:……類?

第 4 话:見えない変化

ワンダーステージ
司:よーし! それじゃあ今日から本格的に練習開始だ!
えむ:おーっ!
えむ:でも、司くんケガ大丈夫? もう痛くない?
寧々:思いっきり頭打ったんだから、無理しないでよね。 それ以上頭がアレになったら困るし
司:心配しているんだかバカにしているんだか……
司:心配するな。念のため近所の病院にも行ったが、 特に問題ないとのことだった
司:今は練習に集中あるのみ! いいな?
えむ:司くんがそういうなら……りょうか~い!
寧々:じゃあ、台本の読み合わせから始めよっか。 類、台本コピーしたって言ってたけど……
類:…………
寧々:類? 聞いてる?
類:ん? ああ、台本はここにあるとも。 早速始めようか!
寧々:……うん
えむ:『園長~! 今日はなんだかいつもより、 たくさんのお客さんが来てくれてますよ!』
司:『何? それは喜ばしいな。 どれどれ、どんなお客さんが来てるか見てみよう……ん?』
司:『な、なんだあれはー! 墓の中から出て来てるじゃないか!』
司:『あれはもしかして……、 いや、もしかしなくとも死者の群れだ! こっちへ向かって来てるぞ!』
えむ:『うわ! ほんとだ! ちょっと臭そうでイヤですね~』
司:『そういう問題じゃない! 早く、お客さん達を逃がさなければ』
司:『死者の群れに襲われる前に!』
類:……ここで司くんが舞台から客席の中央へ。 観客に向かって呼び掛ける
司:『みんな、早くここから逃げるんだ! 死者達がやってくるぞ!』
類:そしてここで、死者の群れに向かって……
類:……いや、ここではそのまま司くんは舞台へ 戻ってもらおう。そこで次のセリフに——
司:んん? そんなに地味でいいのか?
司:最初に死者の群れが出てくるシーンなんだぞ。 もう少し盛り上げたほうがいいだろう
類:ああ、そうだね……
司:オレがゾンビロボットと戦うのもいいな!
えむ:かっこいい~! あたしもそれやりたい!
寧々:うん。いいかもね。1体に苦戦したら、 死者が大変な相手だってこともよくわかるし
類:……うん、たしかにそうだね。 1体に苦戦しているうちに、 反対方向から死者の群れが迫ってくる——
類:じりじりとステージの端まで追い込まれる司くん、 そして背中側から近づく死者に、観客は息を呑む……
司:ふむ、全員の目がオレに釘づけになるわけだな!
えむ:それでそれでっ?
類:死者が一斉に迫ってきたところで、 司くんが驚異的な跳躍をする
司:おお! ワイヤーアクションだな!
類:空中で大回転したあと、 死者達の上空を飛び越えて——
えむ:すっごくおもしろそうだね~♪
司:ああ、派手でオレにピッタリの演出だ! 類、次は——
類:いや……このあとのテンポを考えると 今の流れはあまり良くないかな
司:へ?
類:僕のほうでもう少し考えてみるよ。 とりあえずここは一旦置いて、先に進もうか
寧々:類……?
司:よし、次は例の、奈落に引きずりこまれるシーンだな!
司:前回はゾンビロボットに足を引っ張られてしまったが、 今回は見事に決めてやるぞ!
類:……それなんだけどね、司くん
類:演出を少し変えようと思うんだ
司:何?
類:前は司くんがゾンビロボットに 引きずりこまれる流れにしたけれど、 観客からは奈落の中が見えづらいだろう?
類:だから舞台の奥からゾンビロボットが現れるようにしたいんだ。 死者が迫って来る様子がわかるようにね
類:司くんにはマイムで引きずりこまれる演技をしてもらう。 そっちのほうが、全体的に見ると派手だろう?
司:まあ、それも悪くはないが……
司:……本当に、それでいいのか?
類:うん? どういう意味だい?
司:せっかくのハロウィンショーなんだ、 もっと斬新なことをやっていくべきだ! いつも以上にやる気だぞ、オレは!
司:それに引きずりこまれるマイムだけでは、 臨場感が足りないだろう
司:やはり前のように奈落から死者が出てきたほうが、 観客も一緒に恐怖を味わえるんじゃないか?
司:いっそ10体のゾンビロボットがオレを引きずりこむのはどうだ! そっちのほうが派手で目立つだろう!
寧々:10体でって……それはさすがに危なくない? この前だってケガしそうになってたのに
司:問題ない。前はうっかりしたが、本番では必ずやりきる! むしろ多少危険に見えるほうが、ハラハラ感が増すはずだ!
司:どうだ? 類
類:……いや
類:実際に引きずりこむのは、あまり舞台映えしない。 このシーンならもっと舞台全体を使ったほうがいいよ
類:やっぱりさっきの舞台奥から現れるプランに……ん?
類:どうしたんだい? どこか変なところがあったかな?
寧々:変っていうか……
えむ:うん……。 なんだか、いつもの類くんっぽくないなぁって思ったの
類:いつもの僕らしくない……?
類:そうかな。僕はいつも通りのつもりなんだけど。 どこがいつもの僕と違うんだい?
えむ:どこがって言われると わからないんだけど~
司:…………
司:——おい、類
司:お前、本当にそれが一番やりたい演出なのか?
類:——え?

第 5 话:一番いい演出を

ワンダーステージ
類:どういうことだい? 『本当にその演出がしたいのか』って
類:僕は、したくもない演出はつけないよ
司:……ああ、お前はそういうヤツだ。 したくないことはしない
類:だろう?
司:ただ、さっきから、いつもと違う演出ばかりしているだろう
類:……いつもと違う?
類:僕は、ここで園長が感じる恐怖を観客に感じてもらうためには さっきの演出が一番いいと思ったんだよ
司:……なるほど、それらしい説明だな
司:だが、今のお前は、本当にその演出をやりたいようには見えない
司:……最初に、オレを奈落に引きずりこむ演出の話をしていた時は あんなに楽しそうにしていただろう
司:それなのに、オレがケガをしかけてからは、 まったく楽しそうじゃない
司:オレにはお前が、『こっちのほうが派手だ、 観客に受ける』と言い訳をして、 自分を無理に納得させているように見える
司:——違うか?
類:……無理に、納得させている?
類:そんなことはないよ。 僕は、今の演出が一番いいと思ったんだ
司:嘘をつくな!
類:……!?
えむ:つ、司くん……?
司:お前は、オレがケガをしたから、 やりたい演出を我慢してるんじゃないのか!?
類:……何を見当違いなことを言っているんだい、司くん。 僕は、僕が一番いいと思った演出を——
司:だから嘘をつくのはやめろと言っただろう!
司:オレは、お前のつけた演出で、最高のショーを演じると言った。 お前のどんな演出にも応えると言った!
司:それなのにお前が遠慮したら、 最高のショーは作れないだろう!?
類:僕は、遠慮なんてしていない! 何回言わせるんだ
えむ:す……スト~ップ!!
えむ:ふたりともおちついてーっ! ねっ?
寧々:う、うん。 ちょっと冷静になろうよ
類:…………
司:……急に怒鳴って悪かった
司:だが、今日の類は……どこか変だ。 それは間違いない
類:そんなことは……
類:…………
司:……お互い頭を冷やすぞ。 でなければ、いいショーは作れない
司:オレは先に帰る
えむ:へ? わ、司くん待ってよ~!
寧々:あ……
類:……寧々から見ても、そうなのかい?
寧々:え?
類:僕は、いつもと違うように見えるのかな
寧々:それは……
寧々:……うん。 なんだか、いつもの類じゃないって思う
寧々:このあいだまでは、楽しくてしょうがないって感じで、 目がキラキラしてたけど……
寧々:今は、そうじゃないって思う
類:……そうか
類:困ったな。 自分じゃ、よくわからない
類:ショーで手を抜くなんて、 ありえないことだけれど……
類:でも、司くんと寧々が言うなら、 そうなってしまっているんだろうな
寧々:(類、自分が無意識に遠慮しちゃってることに、 本当に気づけてないみたい……)
寧々:(わたしが、伝えなきゃ……)
寧々:……っ
寧々:(……でも、あの時も、何もできなかった。 わたしに……類を助けられるのかな)
寧々:(だけど、今どうにかしないと—— また類がひとりになっちゃう……)
寧々:…………あ
寧々:ねえ、類。 セカイに行ってみない?
類:セカイに?
寧々:そう。それで、ミク達に相談してみようよ
類:……だけど、ショーのことを相談するならともかく、 僕の問題を相談しても……
類:僕自身、何がおかしいのかすらわからないのに
寧々:でも、類もこのままじゃいいショーは作れないって 思ってるでしょ?
寧々:司も、きっとそう思ってる。 だから怒ったんだと思うよ
寧々:ミク達はいつもわたし達の話を真剣に聞いてくれるし、 行ってみようよ
寧々:類は、みんなでいいショーを作りたいんでしょ?
類:…………
類:ああ。わかったよ、寧々
ワンダーランドのセカイ
レン:あ~! もう、落ち着こうよ! ほら、離れて離れて!
KAITO:どうしたんだい? レン、ミク
レン:ショーを作ってたら、またぬいぐるみ達が ケンカしだしちゃったんだ
いぬのぬいぐるみ:ボクはモットオモシロイショーがシタイ! ソレナノニ、ナンデトメルノさ!
ねこのぬいぐるみ:デモ、アンナコトシタラ、キミがケガシチャウよ~!
ミク:わわっ! ひっぱっちゃダメだよ~!
KAITO:おやおや。これは大変だね
レン:うん。……でも、ケンカしちゃうのも仕方ないかもね
ミク:え? なんで?
レン:ボクもカイト達とショーを作るようになって気づいたんだけど、 いいショーを作りたいって思うと、 段々曲げられないことが出てくるでしょ?
レン:一生懸命になると、ぶつかっちゃうことはあるよなーって
KAITO:ああ、そうだね。 ……あれ?
ミク:あ! あそこいるの、類くんと寧々ちゃんじゃない?
レン:どうしたんだろ? ちょっと元気がなさそうだけど……
KAITO:ふたりはここにいて大丈夫だよ
KAITO:僕が話を聞いてくる
KAITO:君達も、よければ一緒にこないかい?
ぬいぐるみ達:『?』

第 6 话:役者と演出家

ワンダーランドのセカイ
いぬのぬいぐるみ:モー! ボクはモットヤレルッテバ!
ねこのぬいぐるみ:デモ、アブナイヨ~
KAITO:そうか……そんなことがあったんだね
類:ああ。 どうすればいいのか、見当もつかないんだ
類:自分では遠慮も手加減もしているつもりはないんだけれどね
KAITO:手加減……か。 今まではしたことがなかったのかい?
類:うん、まったくね
類:むしろ、手加減ができないあまり、 遠巻きにされているくらいだったよ
幼い類:——それで、最後に塀の上からみんなでジャンプするんだ。 ねえ、みんなでやってみない?
友人A:楽しそうだけど……そんなのやったら危ないよ
友人B:ケガしちゃいそうだし、僕は嫌だな
幼い類:でも……きっとできたら面白いと思うよ。 見てる人も楽しんでくれると思うし、 下にトランポリンも置くから!
友人A:他の子とやればいいじゃん。 僕はやらなーい
友人B:僕も。危ないことしちゃダメなんだよ。 お母さんに怒られちゃうし
幼い類:あ……
KAITO:そうだったんだね……
類:僕のアイディアを見て、『できたら面白いだろう』と言ってくれる 人も少しはいたんだ
類:でも、そういう人達すら、僕が新しいアイディアを持っていくと 段々煙たがるようになっていってね
類:そんなことを繰り返すうちに……、 気づいたらひとりになっていたんだ
寧々:…………
中学生の寧々:……あ、類
中学生の類:ああ、寧々か。 久しぶりだね
中学生の類:聞いたよ。今度、劇団で主役をやるんだってね。 すごいじゃないか
中学生の寧々:あ、う、うん。ありがとう
中学生の寧々:その、類は、今は……
中学生の類:今は……ひとりでやっているよ。 なかなか、寧々みたいに気が合う相手がいなくてね
中学生の寧々:そう、なんだ……
中学生の寧々:じゃあ、類もわたしが所属してる劇団に……!
中学生の寧々:あ、でも……
中学生の類:フフ、無理しなくて大丈夫だよ。 僕はひとりでもやっていけるし……そのほうがいいだろうから
中学生の類:それじゃあ、僕は僕のショーを作りに行くとしよう。 ……寧々も、頑張って
中学生の寧々:あ……類……
寧々:……でも、類がちゃんと仲間のことを 考えてたってこと、わたしはわかってるよ
寧々:類はとんでもないこと言い出すけど、 いつもちゃんと、やる人がケガしないようにって考えてた
寧々:危険に見える演出も、類のこと信じてれば危なくない。 小さい頃はよく一緒にやってたから……わかるよ
類:フフ。ありがとう、寧々
類:いずれにせよ……僕にとっては、何よりショーが一番なんだ。 僕の演出を楽しく演じてくれる司くん達と 一緒にやるショーが、何より好きだ
類:だから、遠慮なんてするはずがない
KAITO:——ああ、そうか
KAITO:類くんは、今の居場所が気に入っているんじゃないかな
類:え?
KAITO:司くん達とやるショーが、 自分のやりたいことが思い切りできるショーだって、 そう思っていないかい?
類:それは……
司:だがオレは、最高のショーを作るための努力は惜しまん! 世界一のスターになる男だからな!
司:観客の笑顔のためならば、 危険が伴うステージでも、見事こなしてみせるともッ!
司:面白いショーのためなら、オレはどんな演出も受け入れてやる!
司:うわーっ!!
類:……!!
類:…………
KAITO:思い当たる節があったって顔だね
類:……ああ。 あの事故があってからだ
類:司くんが昔の仲間のように離れていくかもしれないと、 そう、無意識に思ってしまっていたのかもしれない
類:僕はどこかで――全力でショーを作れる場所を、 失いたくないと思ってしまっていたんだね
類:驚いたな。 自分がこんな風に感じているなんて、思いもしなかった
類:……フフ
類:居場所を失うことを恐れて、 本気で応えてくれる役者に向き合えなくなるなんて、 ――演出家失格だね
KAITO:類くん。その想いは、決して悪いものじゃないと思うよ
KAITO:――これは、君達にも聞いてほしいな
ぬいぐるみ達:『ム?』
KAITO:ショーが大好きだからこそ、 全力でできる場所と、受け止めてくれる仲間がいてほしい
KAITO:その仲間に傷ついてほしくないと思う。 それは当たり前の感情なんじゃないかな
KAITO:でも、君達にとっての一番の目的は、 みんなを笑顔にするショーを作ることだ
KAITO:だから……その想いを持ったまま、 一緒に乗り越えてみたらいいと思うんだ
KAITO:きっと司くんは、その想いも受け止めてくれると思うよ
寧々:……わたしも、そう思う
寧々:わたしもえむも大丈夫。 それに、きっと司もね
寧々:アイツってすごいバカだし。 なんていうんだろ? ショーバカ?
寧々:で……類もショーバカでしょ?
寧々:だからきっと類のこと、ひとりにしないよ
類:……ふふ。 本当に、頼もしい役者ばかりだ
類:それなら、期待に応える演出をつけないと、 演出家とは言えないね
えむ:司く~ん! そんなに怒らないでよ~! ……ぷぎゅっ!
えむ:うー。急に止まったらあぶないよ~
司:……なあ、えむ
えむ:む?
司:えむは、類の演出は好きか?
えむ:うん! だーい好き!
えむ:類くんの演出ってね、おじいちゃんの作る ショーに似てるんだよ!
えむ:ショーを見てるみんなをワクワクドキドキさせて 笑顔にしちゃうところとか!
司:そうだな。 オレもそういうところが好きだ
司:……だからこそ許せなかった
司:オレ達4人のショーでみんなを笑顔にすると決めていたのに、 あいつが本当にやりたい演出をしなくなったから……
司:……いや、そこは、類のせいだけじゃないけどな
司:オレがケガさえしなければ、 類が遠慮することはなかった
えむ:……む?
えむ:もしかして司くん、類くんにだけじゃなくて、 自分にも怒ってたの?
司:当たり前だろう! 演出家を不安にさせたんだぞ? そんなヤツはスター失格だ!
司:無限に演出をつけたい! あれもこれもやらせたい! 演出家にそう思わせる者こそ、真のスター!
えむ:……ふふっ♪ やっぱり司くんは司くんだね!
司:んん?
司:……まあとにかく、明日は類とそのことを話そうと思う。 さっきのは、オレも言葉足らずだったからな
えむ:うんっ! きっと伝わるよっ!

第 7 话:僕達の全力で

翌日
類の部屋
類:うん、今日持っていくものは、 これで全部かな
類:さて――僕達のショーを作るために、頑張らないとね
ワンダーステージ
えむ:あ! 類くんおはよう!
類:やあ、おはよう、えむくん。 昨日は心配かけたね
えむ:ううん! あたしは全然だいじょーぶっ! でも……
司:…………
寧々:……類
類:…………
司:類、昨日は……
類:司くん、実は今日、試したいことがあるんだ
司:試したいこと?
類:新しい演出を思いついたんだ。 どうかな?
司:……ほう
司:新しい演出か。 面白そうじゃないか
類:――これからやる演出は、事故がないよう マットを敷いたり、できる限りの配慮をしている
類:それでも、何が起きるかは分からない。 僕は役者に、いつも限界を超えてほしいと思ってしまうからね
類:……それでもやるかい?
司:――当たり前だ!
司:オレは未来のスター! 天馬司だぞ!
寧々:だ……大丈夫かな
えむ:き、きっと大丈夫だよ~!
類:実は前々からやってみたいと思って準備していた演出があってね。 これなんだけど
司:ボタン?
類:ああ。これを押すと――
司:な、なんだ!? ステージの奥に、壁がせり上がって……!?
寧々:い、いつの間にこんなもの……?
えむ:わ~! おっきいね~! ステージの屋根もこえちゃいそう!
えむ:……む? あそこにハシゴがかかってる! 上まで行けちゃいそうだね!
寧々:本当だ。まさか……あそこまで登らせるつもり?
類:フフ、さすが寧々だね。ご明察だ
類:――これを使うのは、ハロウィンショーのクライマックスシーンだ
類:死者達によって地獄の穴の底に落とされた園長は、 死者達から逃げながら、死にもの狂いで穴を這い上がる
類:このショーの山場のひとつだ、劇的に見せたい。 けれど……ただ奈落に落ちて出てくるだけじゃ 面白くない。そこでだ
類:“観客に見える穴”を作ることにしたんだ
えむ:観客に見える穴……?
寧々:あ……! このステージ全体を穴の底に見立てるってこと?
類:その通り
類:司くんがゾンビロボットに捕まり奈落に落ちたあと、 ステージ上は暗転!
類:その間に、司くんにはこの壁の一番上にまで 登ってもらう。あまり時間はないから急いでね
類:そして明転と共にジャンプ! 穴の底——ステージの上に着地してほしい
類:落下したあとは、這い上がるために また壁を登ってもらうけれど……
類:モタモタしていると、ゾンビロボットに引きずり降ろされるから 速やかに登ってほしい
寧々:類、この高さでそれは……さすがに危ないんじゃない? あそこからジャンプするなんて……
えむ:とっても楽しそう~!!
寧々:あのね……
司:……まったく、簡単に言ってくれるな。 暗転中に登るだけでも一苦労だぞ
司:しかも登るのをロボットに妨害される、だと?
類:でも司くんなら――できるだろう?
司:――ああ、当然だ! オレはスターになる男だからな
司:さっそくやるぞ! ゾンビロボットも用意しろ!
司:『うわああ~~~落ちる~~~!!』
司:(よし、高さはあるが着地はできる! ……んん!?)
司:し、下から強風が……!? なんだこれは!
類:臨場感を出すための仕掛けだよ。 さあ、体勢を整えて、司くん!
司:(な、なにクソー!!)
寧々:ちゃんと着地した……!
えむ:司くんすごーい!
類:けど、大変なのはここからだよ
司:『な、なんだこの穴は……。 遊園地の下にこんな場所があったのか?』
司:『な……! 大量の死者が! このままじゃ、オレもこいつらの仲間入りに……』
司:『こんなところで死んでたまるか! 絶対に地上に戻ってやるぞ!』
類:さあ、ここから襲ってくるゾンビロボットが10体だ! 無事に登りきれるかな!?
司:うぉおおおお!
類:ただ登るだけじゃダメだよ! 全身を使って魅せるんだ!
司:くっ……ならばこれでどうだ!!
類:ああ、いいね……! そこでゾンビロボットを振り落とそう! いけるかい!?
司:当たり前だ! うりゃあああ!!
類:いいや君ならまだまだいけるはずだ! もっと派手にいこうじゃないか!!
えむ:……えへへっ♪ 類くん、とっても楽しそうだね!
寧々:……うん。そうだね
司:ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……。 も、もう……動けん……
類:お疲れさま、司くん。 新しい演出はどうだったかな?
司:まったく……本当に死ぬかと思ったぞ。 だが……
司:未来のスターにふさわしい、面白い演出だった。 観客もスタンディングオベーション間違いなしだ
司:いいか、類! これからもお前は、お前のやりたい演出を全力でやれ!
司:どんな演出だろうが、オレはそれを完璧に演じてみせる!
類:それはよかった。ちょうど追加したい演出があったんだ
類:……フフ、何からやろうかなあ?
司:あ。と、とは言っても、あまり危険なものはだな……
類:いやぁ、やはり司くんは頼りになるね。 それじゃあ次は、人ひとり入るサイズの水槽を持ってくるよ
司:待て待て待て! それで何をする気だ!?
えむ:えへへっ☆
えむ:ふたりが仲直りできてよかったね、寧々ちゃん!
寧々:うん。それに、とっても嬉しそう
寧々:……ちゃんと受け止めてもらえてよかったね、類

第 8 话:お菓子があろうとなかろうと

数週間後
ワンダーステージ
司:ハーッハッハッハ! ハロウィンショーは大盛況だったな!
えむ:みんなとーってもびっくりして笑ってくれたね~!
寧々:仕掛けがたっぷりのハロウィンショーってことで お客さんもだいぶ集まってくれたしね
類:ああ。全員が笑顔で千秋楽を迎えられて何よりだよ
着ぐるみ:お嬢様っ!
司:うおっ!?  毎度のことながら……どこから出てきてるんだ?
類:ああ、彼なら大抵あそこの茂みに待機しているよ
司:そ、そうだったのか? まったく気づかなかった……
着ぐるみ:(まさか気づかれていたとは、気づかなかった……)
着ぐるみ:……いやいやそんなことよりも。 お嬢様、今日はコンテストの第1回中間発表の日です!
えむ:あ、うん……
寧々:もう中間発表があったの?
司:それで、結果はどうなんだ!?
着ぐるみ:はい。こちらの通りになります
えむ:えっと……あ! 3位だよ!!
寧々:3位って……もしかして結構すごいんじゃない?
類:そうだね。1位2位のショーは大きなステージが やっているものだし、この結果はまずまずじゃないかな
寧々:うん。それに2位とはそんなに差もついてないしね
司:……だが1位のフェニックスステージの ショーとはずいぶん差がついているな
司:よし! 次はここのショーを超える!
司:そして目指すは、もちろん優勝! オレ達がテレビCMに出るのだ!
司:——次も期待してるぞ、演出家
類:ああ、任せてくれたまえ。 お客さんの笑顔のために、最高のショーを作るよ
類:……ということで、演出のために使いたい道具を 家からいろいろ持ってきたんだ。 ちょっと試させてもらってもいいかな?
えむ:あ~、ステージの裏にいろいろあるなって思ってたけど、 あれ類くんのだったんだねっ
えむ:見たことない道具がいっぱいだったよ! 宇宙服みたいなのとか、ロケットみたいなのとか……
司:おい! 今度はどこまで飛ばす気だ!?
類:じゃあ司くん、ちょっとあっちのほうに……
司:待て待て待て! 嫌な予感しかしないぞ!
類:水中はダメなようだったから、 空ならいいかと思ってね
司:どういう理屈だ!? というか、そんなものばかり作って、 お前の家はどうなっているんだ!?
類:気になるかい? それなら一緒に僕の家に……
司:絶対に行かんわ!
えむ:行ってみた~い! ねえ司くんも一緒に行こうよ!
司:行かんったら行かーん!
寧々:はぁ、うるさい
寧々:……でも、ようやくいつも通りかな
寧々:ねえ、類
類:ん? なんだい、寧々
寧々:わたし嬉しいな
寧々:小さい頃みたいに、思いっきり演出してる類と一緒に ショーができて
類:ふふ、そうかい?
寧々:昔のわたしは、類がひとりだった時、力になれなかったけど……
寧々:これからは、もっと頼ってね。 幼馴染みだし――仲間なんだから
類:……ああ。 ありがとう、寧々
司:おーい! そろそろ帰るぞー!
えむ:あっ、うちあげっていうの、また行きたいな~♪
寧々:はいはい。行ってもいいけど、 声のボリューム落としてよね
類:フフ。さて、それじゃあ僕も……あ
類:このショーも終わったことだし、 カイトさんにお礼を言いに行かなくてはね
類:けれど、ただ会いに行くだけではつまらないから……。 やはり、僕達のショーを見てもらおうかな
類:僕達が『誰もが笑顔になるショー』を作ることが、 カイトさん達にとってプレゼントになるようだからね
類:さて――次は、どんなショーをやろうかな?
ワンダーランドのセカイ
いぬのぬいぐるみ:『次はカッコイイショーをヤロウー!』
ねこのぬいぐるみ:『オー! タノシミダね!』
レン:あれ? いつの間にかすっかり仲直りしてる!
ミク:ホントだ! よかったぁ♪
レン:ねえカイト、どうやって仲直りさせたの?
KAITO:僕は大したことは言ってないよ
KAITO:……類くん達も、今頃は仲良くショーを作れているかな?
KAITO:ふふ。でもまた面白いショーを持ってきてくれるような 気がするな。 きっと――近いうちにね