活动剧情

ボクのあしあと キミのゆくさき

活动ID:39

第 1 话:みんなとの距離

25時
奏の部屋
奏:『…………』
瑞希:『どうかな? K。 ダメ出しもらったところは全部直して、 ラストのほうも調整したけど——』
奏:『——うん』
奏:『サビのテンポに合わせたカットが、すごく良くなってる。 これでアップしよう』
瑞希:『やったー! 徹夜して直した甲斐あった~!』
絵名:『はー。 なんとかなってよかった……』
瑞希:『えななん、最後の調整、 相談乗ってくれてありがとね!』
絵名:『おかげで寝不足だけどね……。 Amiaも、今日はちゃんと寝なさいよ』
瑞希:『は~い。 昼までたっぷり寝ちゃおうっと!』
奏:『これで、曲もMVも、全部完成だね』
瑞希:(……初めてまふゆが笑顔になったあの曲が、 やっとアップできるんだ)
瑞希:(奏も、まふゆも、この曲作るために すごくがんばってたから——)
瑞希:『——たくさん聴いてもらえるといいね!』
まふゆ:『……うん』
奏:『雪も、そう思うの?』
まふゆ:『……誰にも聴いてもらえないよりは』
奏:『そっか』
瑞希:『……ふふ』
奏:『それじゃあ、アップするよ』
絵名:『ふふっ、どんなコメントつくのか楽しみだな。 ……でも、今日はもう寝ないとね……ふぁぁ』
奏:『みんな、お疲れさま。 最近ずっと作業が長引いてたから、 今日はこれだけにして休もうか』
まふゆ:『……うん。 それじゃあ、おやすみ』
絵名:『おやすみー。 お風呂入って寝ようっと……』
瑞希:『それじゃ、みんなおやすみ~!』
翌朝
瑞希の部屋
瑞希:……ん~! よく寝たぁ……
瑞希:あー、でも最近ずっと夜更かししてたから、 まだ頭ボーっとするなぁ
瑞希:……まだ10時か。 学校もバイトもないし、もうひと眠り……あ!
瑞希:そうだ、新曲! 反応どうかな?
瑞希:え! 再生数、もうこんなにいってるの!? まだアップしてから半日も経ってないのに……
コメント:『ニーゴの新曲すごくいい!』
コメント:『ニーゴってこういうのも作れるんだ』
コメント:『今いろいろ悩んでたけど、 これ聴いてたら楽になったわ』
瑞希:(……よかった。 みんなにもちゃーんと響いてる)
瑞希:(みんながあれだけ一生懸命作った曲だから、 ボクも嬉しいな)
瑞希:(……本当に、奏はすごいな)
瑞希:(最初はまふゆに、『こんな曲じゃ足りない』って 言われてたのに、今はまふゆに——みんなに響く曲を 作れるようになってる)
瑞希:(ううん。奏だけじゃない。 まふゆも、絵名も、すごい)
瑞希:(苦しくても、ちゃんと自分と向きあって、 少しずつ前に進んでってる)
瑞希:(でも、ボクは……)
瑞希:(ボクは、何も変わってないな)
瑞希:(どこにも……進めないままだ)
瑞希:あれ? こんな時間にメッセージ?
絵名:『起きてる? 再生数見た?』
瑞希:あ……絵名か。 もう起きたんだ
瑞希:『見た見た! いつもの倍くらい伸びててすごいね!』……っと
絵名:『MVもぴったりだってコメントいっぱいついてるし、 今回、これまでで一番バズりそうじゃない?』
瑞希:『だね! Kも雪も喜んでくれるといいな~!』
絵名:『じゃあ、そろそろ次の打ち上げの日決めなきゃね。 Amiaはいつなら時間ある?』
瑞希:あ……
瑞希:『バイトのシフト確定してないからまだはっきりしないんだよね。 今週決まるはずだから、決まったら連絡するよ』——っと
絵名:『わかった。 それじゃKと雪にも聞いておくね』
瑞希:(…………打ち上げか)
瑞希:(行きたいけど、でもボクは——)
絵名:『打ち上げ、ちゃんと来てよね』
絵名:『Amiaが来ないと盛り上がらないんだから』
瑞希:絵名……
瑞希:『わかってる。ちゃんと行くって』
瑞希:『えななんてば、寂しがり屋なんだから~♪』
瑞希:……あはは。 怒ってる怒ってる
瑞希:……ホントに、絵名はいい子だな。 ボクのこといろいろ気にかけてくれて
瑞希:(……今はまだ、どこにも進めないままだけど)
瑞希:(いつかはもっと、みんなに近づいていけたらいいな——)

第 2 话:遭遇

ファミリーレストラン
瑞希:ってわけで、かんぱーい!! みんなおつかれ~!!
奏:うん、乾杯
絵名:はいはい、乾杯。 相変わらずテンション高いんだから。ちょっとは落ち着いたら?
まふゆ:…………
絵名:こっちはこっちで、もっとテンション上げなさいよね……
奏:まふゆ、スマホで何見てるの?
まふゆ:コメント
瑞希:お! まふゆがコメント見てるなんて珍しい~! どう? ご感想は!
まふゆ:いつもより長文のコメントが多い
瑞希:え? 内容じゃなくてそこ? たしかにそうだけど……
絵名:あ! イラストにもコメントついてる!
絵名:『色使いがすごくいい』……だって! やっぱりわかる人にはわかるんだよねー。 今回いつもより明るい色を使って、光を感じられるようにしたし!
まふゆ:そうなんだ
絵名:く……! またどうでもよさそうな顔して……!
奏:……よかった
奏:みんなにわたし達の曲が届いて、 すごく……嬉しいな
瑞希:うん! やったね、奏! さ! 今日はいっぱい食べて、お祝いしよーう!
瑞希:はい、ボクのポテト! このあとのデザートもみんなでわけよっ♪
奏:ふふ。 ありがとう、瑞希
店員:おまたせしました。 こちらホットティーです
まふゆ:はい
絵名:あれ? まふゆ、今日は奏と同じ注文じゃないの?
まふゆ:奏はチャーシューメンだったから。 私はそんなにお腹が減ってない
瑞希:ふーん……じゃあ、なんでそれ選んだの?
まふゆ:なんで……? わからない。なんとなく
絵名:前はなんでもいいって言って決められなかったのにねー。 もしかして、ちょっとは成長してる感じ?
まふゆ:……よくわからない
絵名:はいはい。 そのうちわかるといいですね~
まふゆ:……今のは鬱陶しい
絵名:は!? ちょっと何急に! マジレス!?
瑞希:あー! まーまーまー絵名! どうどう~どうどう~
まふゆ:それって、馬を落ち着かせる時に言うんじゃないの?
絵名:ちょっと! 誰が馬よ!?
奏:ふふ……
瑞希:……あははっ!
瑞希:(やっぱり、みんなと一緒にいるのは楽しいや)
瑞希:(一番、ボクらしくいられるって感じるな)
センター街
絵名:はー、しゃべりすぎて疲れちゃった
奏:お昼に集まったのに、もう日が暮れそうだね
まふゆ:今日はこれで解散?
瑞希:そうだね! また今夜ナイトコードで……
???:あ! もしかして——瑞希?
瑞希:え?
杏:やっぱり瑞希だ! こんなところで会うなんて、偶然だねー!
瑞希:杏!?
こはね:杏ちゃん、待って……あ!
彰人:おい、急に走るんじゃねえよ……ん?
瑞希:こはねちゃん! それに弟くんに冬弥くん!
こはね:あ、暁山さん! 文化祭の時は、いろいろ気をつかってくれてありがとう……!
瑞希:ああ、いーっていーって、気にしないで!
彰人:暁山か。夏祭りぶりだな
冬弥:最近はあまり見かけていなかったが、元気だったか?
瑞希:うん! 元気だよー! っていうか、みんなそろってどうしたの?
杏:私達はイベントやってきて、その帰り! あれ? そっちの人達は……?
瑞希:ああ、前にちょっと話した音楽サークルの子達だよ! 今日は曲できたから、打ち上げしてたんだ
杏:そうだったんだ! はじめまして、瑞希のクラスメイトの白石杏です
奏:あ……どうも。 宵崎奏です
まふゆ:朝比奈まふゆです。 わざわざ丁寧にありがとう
彰人:つーことは……
彰人:…………やっぱりいたか
絵名:ちょっと、なんで嫌そうなわけ?
冬弥:絵名さんもいらっしゃったんですね
彰人:お前、なんでこんなところにいんだよ
絵名:それはこっちのセリフなんだけど?
杏:もしかして、この人が彰人のお姉さんなの?
彰人:あー、一応な
絵名:ちょっと、一応って何? こっちは生まれてからずっとあんたの姉なんですけど
瑞希:あはは! ふたりはホント仲良しだね~!
彰人:どう見ても仲良くねえだろ……
杏:はじめましてお姉さんっ! 会えて嬉しいです!
杏:彰人からはよくお姉さんの話聞いてたんで、 会ってみたいなーってずっと思ってて!
絵名:あ、う、うん
瑞希:お、絵名が杏の陽キャっぷりに押されてる!
絵名:うるさいな……
杏:あ……ていうか打ち上げの途中だったのに 急に話しかけちゃってすみません!
絵名:あー、そこは気にしないで大丈夫。 私達も、ちょうど解散するところだったから
彰人:じゃあ、ちょうどいいな。 オレ達も帰るぞ
絵名:あ、その前に! せっかく会ったんだし……ちょっと聞いていい?
杏:はい! なんですか?
絵名:白石さんって、瑞希のクラスメイトなんだよね。 だったら、学校での瑞希がどんな感じか教えてくれない?
瑞希:(え——)
杏:瑞希のことですか?
瑞希:ちょ……ちょっと絵名~。 なんで急にそんなこと聞くのさ!
絵名:いいでしょ。 瑞希だって、いつもこっちのことイジってくるんだから。 たまにはネタのひとつくらい教えてもらわないとね!
杏:学校での瑞希は……んーと……
瑞希:…………
杏:——いつも自由人って感じですね! 授業も出たり出なかったりで……。 でもそれなのに成績がいいから、ホントうらやましいですよ!
杏:ま、よくサボるから、 いろんな先生にこってり絞られてますけどね~♪
瑞希:あ……
瑞希:も~! 杏ってばそんなことまで言わなくてもいいじゃーん!
絵名:っていうか、瑞希って成績いいわけ? すごい意外なんだけど……
杏:はい。テスト前に来た時よく教わってたんですけど、 瑞希、教えるのもうまいんですよ
まふゆ:そうなんだね。 すごいな
奏:頼もしいね
瑞希:な、なんか照れるな~も~
まふゆ:あ……ごめんなさい。 私、門限があるからそろそろ帰らないと
奏:そうだね。 わたしも帰って次のデモ作りしないと
彰人:じゃあ、オレ達もここで解散だな
絵名:ありがと、白石さん!
杏:それじゃあ皆さん、さよなら!
奏:うん。 それじゃあ
瑞希:じゃーね、みんな!
瑞希:…………

第 3 话:思考を止めて

瑞希の部屋
瑞希:…………はぁ
瑞希:(びっくりしたな、あそこで杏達と会うなんて)
瑞希:(別に、ありえないことじゃないけど——)
瑞希:…………
瑞希:(なんでドキドキしてるんだろう、ボク)
瑞希:(……今日みたいなことがあったら、 ボクのことがバレちゃうから?)
瑞希:(でも——誰かにバレたって別に、困るわけじゃない)
瑞希:(入学の時に面倒がないようにクラスの子には言ったから、 学校の中で知ってる子はいるし)
瑞希:(弟くんや冬弥くんが知ってるかはわからないけど、 知られたところで別に——)
瑞希:あ……
瑞希:(“みんな”だから?)
瑞希:(ニーゴのみんなに知られて、 今の関係が変わっちゃうのが……怖いから?)
瑞希:(——もし)
瑞希:(もし、みんながボクのことを知ったら、 どうなるんだろう)
瑞希:(みんななら——)
瑞希:(変わらないままで、いてくれるかもしれない)
瑞希:(そうなんだね、それじゃあ作業に戻ろうかって 言ってくれて——)
???:——変なの
瑞希:…………
瑞希:(ううん。今までのことは、関係ない)
瑞希:(みんなは、優しい。 だからきっとボクのことだってわかってくれる)
瑞希:(……そう、わかってるし、信じてる)
瑞希:(それなのに……ドキドキが止まらない)
瑞希:(もし話して、今の関係が変わっちゃったら、 ボクは——)
瑞希:ボクは……
瑞希:(あ……もう、25時か……)
瑞希:(ナイトコードに入らないと。 みんな、待ってるよね……)
瑞希:(だけど……)
瑞希:『ごめん。今日、調子悪いから寝るね』
瑞希:(……今日は、やめよう)
瑞希:(こんなテンションでいたら、 また絵名にいろいろ突っこまれちゃうし)
瑞希:(今日はうまくごまかせる自信、ないや……)
瑞希:あ……
まふゆ:『わかった』
奏:『Amia、お大事にね』
絵名:『ちょっと大丈夫? 最近寒いし、あったかくして寝てよね』
瑞希:みんな……
瑞希:…………
瑞希:(ボクのことは、 絶対に言わなきゃいけないことじゃないんだ)
瑞希:(だって、ボクは、ボクなんだから)
瑞希:(それを誰かに証明しなきゃいけない義務はない)
瑞希:(だけど——)
瑞希:(みんなに何も言わないままでいることが、 どんどん苦しくなってる)
瑞希:(大事なみんなを……騙してるみたいで)
瑞希:(……どうしてなんだろう)
瑞希:(どうして、ボクはボクでいたいだけなのに、 こんなに苦しくなっちゃうんだろう——)
瑞希:(…………朝?)
瑞希:(……あはは、結局一晩中起きてたんだ)
瑞希:——もう、いっか
瑞希:(どんなに考えたって、 結局、なるようにしかならないんだ)
瑞希:(どうせ、いつかみんな知るかもしれないなら、 今気にしたってしょうがないよね)
瑞希:(そうだよ。ぐちゃぐちゃ考えてないで、 今を楽しまなくっちゃ)
瑞希:(今までどおり、それでいいんだ——)
瑞希:——うん。大丈夫
瑞希:これで……大丈夫だよね

第 4 话:小さな歪み

翌日 25時
絵名の部屋
絵名:『おまたせ、K。 遅くなっちゃってごめん!』
奏:『大丈夫。 わたしも雪も、ついさっき入ったところだから』
まふゆ:『うん』
絵名:『……Amiaは? まだ来てない?』
まふゆ:『連絡は来てない』
絵名:『そっか……まだ体調悪いのかな?』
瑞希:『やっほー♪ 遅れてごめーん!』
絵名:『あ! Amia! 調子はどうなの?』
瑞希:『あはは、このあいだの徹夜がちょーっとキツかったみたい。 でも今は全然大丈夫っ!』
奏:『そっか。よかった。 それじゃあ、作業に入ろうか』
奏:『デモはあと少しで完成なんだけど……。 雪の意見を聞かせてもらってブラッシュアップしようと思う』
奏:『えななんとAmiaには、 モチーフのアイディア出しをお願いしたいな』
瑞希:『了解! 今回もがんばろーっ♪』
絵名:『……うん。アイディアはこんな感じかな。 今回は結構スムーズにいきそうじゃない?』
瑞希:『だね! 今度は徹夜ナシで仕上げたいな~』
瑞希:『あ、話は変わるんだけどさー。 駅前に新しいお店ができたらしいんだよね。 みんなで遊びに行かない?』
奏:『お店?』
瑞希:『うん! いろんなVRゲームができるんだって! よかったら今度の日曜日とか……』
まふゆ:『その日は部活の練習試合だから行けない』
瑞希:『えー! じゃあじゃあ、Kは!?』
奏:『VRは酔うからちょっと……』
瑞希:『ううっ。気持ち悪くなるなら難しいか……。 あっ! でもえななんはヒマでしょ!?』
絵名:『暇人だって決めつけないでくれる? その日はお母さんと出かける約束してるの』
瑞希:『うわー! 全滅だー! うう……行きたかったのにな~』
絵名:『はいはい、また今度なら行ってあげるから』
絵名:(……にしても、瑞希が私達を遊びに誘うなんて、 いつぶりだろ?)
絵名:(ミステリーツアーのあとから、 あんまりそういうこと言わなくなってたのに)
絵名:(もしかして——悩んでたこと、 少しは解決したのかな?)
翌日
誰もいないセカイ
ミク:あ、みんな……
リン:今日はどうしたの?
奏:新しいデモが完成したから、 またみんなで聴こうと思って
ルカ:あら、いいわね。 私も聴かせてほしいわ
奏:うん。また率直な意見をもらえると嬉しいな
MEIKO:(……あら?)
瑞希:ふんふふーん♪ 今度の曲も楽しみだなー! あ、でもでも、曲だけじゃなくて歌詞も楽しみだからね!
まふゆ:……そう
瑞希:うえーん塩対応! 絵名えもーん、まふゆが冷たいよ~
絵名:まふゆのリアクションが薄いのはいつものことでしょ。 っていうか何? 絵名えもんって
瑞希:えへへ、カワイイでしょ~
絵名:全然可愛くないし。やめてよね
MEIKO:…………?
まふゆ:……あたたかい、と思う
奏:……そっか。 よかった
瑞希:うんうん! 奏の曲、今までもすーっごく良かったけど、 最近はどんどんイイ感じになってきてるよね!
瑞希:さすがボクらの奏っ! よーし、次のMVもがんばるぞ~っ!
MEIKO:…………
ルカ:相変わらずそんなところで見ているのね
MEIKO:……何か問題でも?
ルカ:いいえ。ただ、何か気にしてるように見えたから 気になっちゃって
MEIKO:ルカには関係ないわ。 あっちに戻ったらどう?
ルカ:誰かじっと見ていたみたいだけど——、 ああ……
ルカ:瑞希がどうかしたのかしら?
MEIKO:……別に
絵名:あれ?
ルカ:瑞希が……
絵名:(あのふたり……。 瑞希のこと話してるの……?)
絵名:(でも、何を——)
瑞希:絵ー名ー!!
絵名:わっ! な、何!?
瑞希:何じゃないよも~。 デモも聴いたし、そろそろ帰るよ?
絵名:あ、うん……
瑞希:大丈夫? ぼんやりして。 絵名、もしかしてボケちゃった?
絵名:ボケるわけないでしょ!
瑞希:あはは! 冗談冗談~♪ それじゃ戻って作業はじめよーう!
MEIKO:…………
瑞希の部屋
瑞希:『——じゃあ、おやすみー!!』
瑞希:……うん、大丈夫。 今日もバッチリ
瑞希:ちゃんと、楽しかったよね

第 5 话:亀裂

翌日
瑞希の部屋
奏:『うん。モチーフもいいと思う。 これでいこう』
瑞希:『やったー! ふふ、今度のMVもいい感じになりそうだね♪』
絵名:『……うん、そうだね』
瑞希:『よーし! それじゃどんどん作っていこーっと!』
まふゆ:『……じゃあ、作業に入る』
奏:『わたしも。しばらくミュートしてるね』
絵名:『うん!』
瑞希:『じゃあボクも——』
絵名:『あ……ちょっと待ってAmia』
絵名:『今度の日曜日、まだ予定あいてる?』
瑞希:『え? なんで?』
絵名:『お母さんに急用ができたから、時間あいちゃって。 ほら、駅前に新しいお店ができたって言ってたでしょ。 一緒に行かない?』
絵名:(——本当は、約束キャンセルしたんだけどね。 瑞希のこと、なんとなく気になるし……)
瑞希:『本当? やったー! ありがとえななん! 一緒に行こう~!』
瑞希:『じゃあ、いつもみたいに10時に駅前でいい? あ、遅れてこないでよー?』
絵名:『はいはい! 一言余計なんだから……』
瑞希:『えーと……VRゲームできるところは午後から 予約できそうだから、ちょっと早めに待ちあわせて 買い物してから行こっか!』
絵名:『ん、わかった。 深夜アニメ見て寝坊しないでよ?』
瑞希:『あはは、わかってるって~♪』
絵名:『じゃ、私も作業しよっかな』
日曜日
シブヤ駅前
瑞希:——あ、絵名! こっちだよー!
絵名:おまたせ。 それじゃ……ん?
絵名:瑞希、ちょっと顔色悪くない?
瑞希:え? そーう?
絵名:そういえば前も体調崩してたし、 もししんどいなら無理しないでいいからね?
瑞希:うわ、なんか絵名が優しい……。 もしかして今日、隕石とか降ってくる……?
絵名:降るわけないでしょ! っていうか、なんでそんな反応なわけ!?
瑞希:あっはは、ごめんごめ~ん! 絵名はいつでも優しいよね~うんうん♪
絵名:その言いかた、ほんと腹立つんだけど?
瑞希:あ、交差点信号赤になっちゃうよ! いそげ~!
絵名:あ、ちょっと待ってよ!
ショッピングモール
瑞希:う~~~ん……
瑞希:白かピンクか……! これは究極の選択……!
絵名:一体何分悩んでるわけ? 早くしないと予約の時間になっちゃうでしょ
瑞希:だってだって! 白は前に買ったスカートにぴったりだし、 ピンクは絶対的にカワイイし……
絵名:はいはい。 私、お手洗いに行ってくるから、 そのあいだに決めておいてよね
瑞希:はーい! う~ん……どっちかな~……
絵名:まったく瑞希ってば、いつもはポンポン買うくせに、 一度悩みだすと長いんだから……
絵名:(でも——まあまあ元気そうでよかった。 ちょっと心配しすぎちゃったのかもね)
絵名:(前みたいに距離置かれることもなくなったし、 ちょっとはいい方向に向かってるのかも)
絵名:……あ。お手洗い行くついでに、 さっき買った荷物まとめようかな
絵名:瑞希に何個か持ってもらってるから、 それもまとめよっと。 ……あれ?
絵名:……瑞希?
瑞希:あ、あれ?  絵名、お手洗いに行ったんじゃ……
絵名:——ちょっと、大丈夫? 今すごくしんどそうな顔してたけど——
瑞希:え……そう? 眠かったからかな
絵名:ごまかさないでよ! 体調悪いわけじゃないなら、絶対何かあったって顔じゃない!
瑞希:わ! ちょっと絵名、急に大声出さないでってば。 ほら、店員さんもびっくりしちゃうじゃん?
絵名:あ……
絵名:……ねえ、瑞希
絵名:何度も言ってるけど、 何か困ってることがあるならちゃんと話してよ
絵名:話聞くくらいなら、私にだってできるんだから……!
瑞希:話……
瑞希:——ないよ
絵名:え?
瑞希:話せることなんてない
絵名:……それって、一体どういう……
瑞希:……あ
瑞希:ごめんっ! やっぱボク、今日ちょっと調子悪いみたい! ……でもホント、それだけだから!
瑞希:今日は、もう帰るね!
絵名:ちょっと瑞希……!
絵名:あ……
瑞希の部屋
瑞希:はぁ……はぁ……
瑞希:……あはは、まずったなー……。 また心配かけちゃった
瑞希:絵名ってああ見えて、勘がいいしなー……
瑞希:……あれ?
瑞希:(なんか……頭が、ぼんやりする。 お腹のあたりもグルグルして……)
瑞希:う……
瑞希:……っ
瑞希:……おかしいな
瑞希:ずっと、これでうまくやれてきたのにな……
絵名の部屋
絵名:……はぁ
瑞希:話せることなんてない
絵名:あーもう! なんなの! こっちがこんなに気にしてるのにっ!
絵名:本当に……なんで話してくれないわけ!?
絵名:理由くらい、教えてくれたっていいじゃない……!
絵名:こっちは何もわかんないままで、 ずっとモヤモヤさせられて……
絵名:あ、でも……
絵名:……もしかしたら、 メイコ達は何か……知ってる?
絵名:なら——話してみなくちゃ

第 6 话:どうかその目で

誰もいないセカイ
絵名:——うん
絵名:(メイコ達、どこかな? いつもはちょっと歩けば見つかるんだけど……)
絵名:…………あ!
絵名:メイコー!
MEIKO:……絵名
MEIKO:珍しいわね。 あなたがひとりで来るなんて
絵名:まあね。 それより、瑞希のことなんだけど、 ちょっと聞いていい?
MEIKO:…………聞くだけならかまわないわ
絵名:最近、瑞希がかなり調子悪そうなの
絵名:前から少し様子はおかしかったんだけど…… この前会った時には、もっと苦しそうな顔してて
絵名:でも理由もわからないし、話してくれないから、 どうすればいいのかわからなくて……
MEIKO:……そう……
絵名:メイコ、前に瑞希のことをルカと話してたでしょ?
絵名:それって、今回のことと何か関係してるの? もし何か知ってたら、教えて……!
MEIKO:…………
ルカ:見守るのは大事だけれど——停滞しているなら、 今の在りかたを揺さぶって、壊すことも必要だわ
ルカ:私は、そのためにここにいる気がするの
MEIKO:壊す……
MEIKO:…………
絵名:知らないなら、気づいたことでもいいから。 ちょっといつもと違う雰囲気があったとか——
MEIKO:……私が瑞希について、何か知っていたとしても、 言うつもりはないわ
絵名:え、どうして? 気づいたなら教えてくれてもいいじゃない
MEIKO:私があなた達に介入することが、 いいことだとは思えないからよ
MEIKO:あなた達のことは、あなた達が 自分の力で向きあわなければ意味がない。 だから私はただ——そばにいて、見守ることにしているの
絵名:それは……そうかもしれないけど……
絵名:でも、なんだって全部、ひとりの力で なんとかしなきゃいけないってわけじゃないでしょ?
絵名:少なくとも私は、みんなに助けてもらった
絵名:瑞希だって、話せば少しは楽になるかもしれないじゃない!
MEIKO:……………………話せば楽に、ね
MEIKO:本当にそうなのかしら
絵名:え?
MEIKO:話すことがよくない結末を呼ぶことも たくさんあるわ
絵名:よくない結末って……どういう意味?
MEIKO:……私は、一般論を言っただけよ
MEIKO:すべての人にとって、絶対に正しい方法なんてない
MEIKO:誰かが手を差し伸べることが、 余計な苦しみを生むこともあるわ
絵名:…………
MEIKO:話はもういい?
絵名:よ、よくない! よくない……けど……
MEIKO:…………
MEIKO:どうしてあなたは、そこまでして瑞希に 介入しようとするの?
絵名:え? そんなの——
絵名:友達だからに決まってるでしょ
MEIKO:……………………
MEIKO:(……疑いのない目ね)
MEIKO:(私が見てきた限り、 絵名は自分の信念を変えない——変えることのできない子)
MEIKO:(だからこそ理想と現実の狭間で、 苦しんでいるのだろうけど)
MEIKO:(今の瑞希に必要なのはもしかすると……、 そういうものなのかもしれない)
MEIKO:(なら——)
MEIKO:……あなたのその目で見守ることが、 あの子の力になるかもしれないわね
絵名:え?
MEIKO:私から言えることは、もうないわ
絵名:あ……! ちょっと! メイコ!
絵名:それって、どういう意味なの!?
絵名の部屋
絵名:……相談しに行ったのに、 余計わけわかんなくなっちゃったな
絵名:でも……
MEIKO:話すことがよくない結末を呼ぶことも たくさんあるわ
絵名:……そっか。 そういうことも、あるのかも
絵名:でも……話せないようなことってなんだろ?
絵名:人に言えない、何か悪いことをしたとか? でも瑞希がそんなことするとは思えないし……
絵名:……あーもう! わかんない! わかんないのにグルグル考えてると、 気分悪くなっちゃう!
絵名:もう、こんなモヤモヤしたくないのに……!
MEIKO:……あなたのその目で見守ることが、 あの子の力になるかもしれないわね
絵名:…………。 見守る……か

第 7 话:この世からみんな

神山高校 屋上
瑞希:あー疲れた~。 授業ってホント長いよなー
瑞希:でも、今日は授業出てよかった。 家にいても、なんにも手につかなかったし
瑞希:だったらまだ出席数取ったほうがいいもんね
瑞希:……はっくしゅん!
瑞希:うー、ずいぶん寒くなってきたな。 もう冬じゃん
瑞希:ま、寒かったら屋上来る人も少なくなるし、いっか
瑞希:(……あーあ)
瑞希:(どうして、こんな無理しなくちゃいけないくらい みんなのこと大事になっちゃったんだろ)
瑞希:(大事だって思わなきゃ、苦しくなかったのに)
瑞希:(……自分から踏みこまないほうがいいって、 わかってたのになぁ)
瑞希:(今までだって——)
???:え……? あ……そうなんだね
???:あいつ、扱いに困るよな
???:あれってキャラ作りでしょ?
???:目立ちたいだけなんじゃない
???:ただの勘違いかもしれないでしょ
???:——変なの
瑞希:(この子ならきっと、この人ならきっと、って思っても——)
瑞希:(……そんな人達だけじゃないってことは、わかってる。 ニーゴのみんなは、きっとそうじゃないってことも)
瑞希:(でも話したら……今のままじゃいられない)
瑞希:(みんなは優しいから、きっと変わらず接していこうって 思ってくれる)
瑞希:(いつもみたいに作業しようって言って、 いつもみたいに他愛ない話もしてくれる)
瑞希:(でもそれが……その優しさが……)
瑞希:(きっと、たまらなく苦しいんだ)
瑞希:あーあ
瑞希:この世からみーんないなくなれば、 ちょっとは楽になるのかなぁ?
瑞希:……なーんて、そんなこと起きっこないから、 ここに来てるんだけどね
瑞希:……文化祭の時とは大違いだな。 静かで、誰もいなくて
瑞希:まるで——セカイみたいだ
瑞希:……え?
???:瑞希!
絵名:あ、やっとみつけた!
瑞希:……え、絵名?
瑞希:なんでここに……
絵名:探しに来たの。 ナイトコードにログインしても、電話しても、 全然連絡とれないから
絵名:あー、ほんと疲れた。 っていうかこんなところにいるなんて、 白石さんがいなかったら、絶対気づかなかったじゃん
瑞希:え? 杏に会ったの?
絵名:うん。瑞希のクラス覗きに行ったら、 ちょうど白石さんが教室にいたから。 瑞希がどこにいるか知らないかって聞いてみたの
瑞希:え、ボクのクラスに……?
絵名:そう。それで——
瑞希:あー、絵名、昨日はごめんね! 急に帰っちゃって!
瑞希:昨日、ボクがあんな感じで帰っちゃったから 心配して様子見に来てくれたんだよね
瑞希:でも、大丈夫だよ! あの時はホント、ちょっと気分が悪かっただけで——
絵名:そのことはもういいの
瑞希:え——
絵名:あ……まあ厳密にはあんまりよくないんだけど……
絵名:今日はそれとは別に、話したいことがあって来たの
瑞希:……話したいこと……
瑞希:(もしかして、絵名、ボクのこと——)
絵名:あのね、瑞希——
瑞希:…………!

第 8 话:ボクの嘘

神山高校 屋上
絵名:——瑞希さ
絵名:やっぱり悩んでるでしょ。 それも、何かすっごく大きなことで
瑞希:あ……
瑞希:(……まだ、バレてない……)
瑞希:——あはは、別に何もないってば! ちょっと最近体調悪いから、気分も落ちこんでるだけだって!
絵名:そうやってすぐごまかす。 バレバレなんだけど
瑞希:あー、強いて言えばちょっと夜更かし多くなって 肌荒れしがちってとこかな? これじゃ絵名とおんなじガサガサ肌になっちゃうな~
絵名:——瑞希。 私、真面目なんだけど
瑞希:……もー、どうしたの絵名? なんか今日すっごくシリアスモードじゃん
絵名:正直私は、話してほしいってずーっと思ってる。 一緒にミステリーツアーに行った時からずっと
瑞希:……だから、別に何もないってば。 それにあったとしても、絵名には関係ないことだし——
絵名:関係なくない!
瑞希:……!
絵名:瑞希が暗い顔してると嫌なの。 そういう顔見るたびモヤモヤしちゃうっていうか……
絵名:っていうか、瑞希だってそうでしょ
瑞希:え?
絵名:奏やまふゆが苦しそうな時、 力になりたいって思うでしょ?
瑞希:それは……
絵名:それと同じ!
絵名:友達が何かに困ってたら、力になりたいのは当然でしょ
瑞希:友達…………
瑞希:(絵名——本気で思ってるんだ)
瑞希:(ボクのこと、友達だって)
瑞希:(……どうしよう。 すごく、嬉しいな……)
瑞希:(……もしかして、絵名なら——)
瑞希:(絵名なら、ボクが話しても、 何も変わらないでいてくれる……?)
瑞希:(ずっと、ボクをボクのままで……)
絵名:………………。 私、昨日あのあと、ひとりでセカイに行ったの
絵名:その時、メイコが言ってたんだ
瑞希:メイコが……何を?
絵名:『話すことで、よくない結末になることもある』って
絵名:…………
絵名:瑞希がそういう風に考えて話せないなら、それでいい
瑞希:え?
絵名:だから——話すのがしんどいなら 別に話さなくていいって言ってるの
瑞希:……!
絵名:でも、だからって諦めたわけじゃないから!
絵名:瑞希が暗い顔してるのが嫌なのは変わらないし、 力になりたいのも変わらない。だから……
絵名:いつか——話してもいいって思ったら、話して。 それまで待ってるから
瑞希:いつか……って……
瑞希:……それって、どういう、こと?
絵名:はあ? そのままの意味でしょ。 瑞希が話してもいいって思うまで、ずっと待ってるってこと
瑞希:……ずっと…………
瑞希:…………
絵名:瑞希?
瑞希:……ずっと、話さないかもしれないよ?
絵名:そしたら、話すまでずっと一緒にいるだけ。 言っておくけど、離れようとしても無駄だからね?
瑞希:ずっと…………一緒に……
瑞希:……あはは、バカだな絵名。 そんなにずっと一緒にいられるわけ……
瑞希:あ……
瑞希:(本気……なんだ……)
瑞希:(……応えたいな)
瑞希:(こんなにまっすぐボクのことを考えてくれる絵名に、 ちゃんと応えたい)
瑞希:(ちゃんと信じて、全部話したい)
瑞希:(絵名ならきっと——)
???:——変なの
瑞希:……………………
絵名:……瑞希?
瑞希:——ありがとう、絵名
瑞希:絵名のおかげで、ボク、 ちょっと楽になれたよ
瑞希:ボクの悩んでることは……今はまだ話せないけど。 でもいつか話せるようになったら、聞いてほしい
瑞希:……それでも、いいかな?
絵名:……ん。わかった
絵名:正直、待つのってすーっごく苦手だけど、 特別に待ってあげる
絵名:だから——いつか、ちゃんと話してよね
瑞希:……うん
絵名:そ、なら良し
絵名:あ、ヤバ! 授業始まっちゃう!
瑞希:え、ホント? っていうか、定時制って今から授業始まるんだ。 初めて知った~!
絵名:やっちゃった。 急いで行かないと遅刻になっちゃう……!
瑞希:え? 絵名、遅刻常習犯だし、 1回くらいどうってことないんじゃない?
絵名:常習犯じゃないから! ってそんなこと言ってる場合じゃないの! カバンどこに置いたっけ、えーっと……
瑞希:あっはっは! 急げ急げ~♪
瑞希:(……嘘だ)
瑞希:(ボク、今、嘘をついた)
瑞希:(だって、話さなかったら—— ずっと一緒にいられるかもしれないって、思っちゃったんだ)
瑞希:(……ううん。ずっとなんて、きっとない。 でも、今の時間が1日でも、1秒でも長く続いてほしい)
瑞希:(絵名と……ニーゴのみんなと、 今のまま少しでも一緒にいたい。だから……)
瑞希:(…………)
瑞希:(……本当にズルいな……ボクは)
瑞希:(はは。絵名もきっと、 ズルいってすごく怒るんだろうな)
瑞希:(……怒って……くれるかな…………)
瑞希:(……あーあ)
瑞希:(いっそ、ボクの代わりに、 誰かが全部話してくれたらいいのに)
絵名:じゃ、行ってくるから——あ。瑞希!
瑞希:ん? 何?
絵名:また夜にね!
瑞希:……うん! またナイトコードでね!
瑞希:——ごめんね、絵名
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