活动剧情
POP IN MY HEART!!
活动ID:46
第 1 话:『こうしたい』を形に
鳳家 リビング
えむ:おはヨーヨーびよ~んっ!! 今日もワクワクわんだほ~い♪
ひなた:おはよう、えむ。 あ、お兄ちゃんも起きてきたんだね
慶介:ああ。今日は朝一で会議だからな
えむ:あのねお姉ちゃん! さっき上でお兄ちゃんから聞いたんだけど……
えむ:今ナイトショーがどんどん人気になってって、 前よりい~っぱいお客さんが集まってるんだって!
ひなた:えっ? そうなの?
慶介:ああ、本当だ。 今月は、前月比112%増になる
ひなた:そんなに……!? あのショー、やっぱりすごく人気なんだね
慶介:ああ。それに、宣伝公演の効果も 少しずつ出てきているようだ
えむ:えへへ♪ とっても嬉しいな~っ!!
晶介:ふわぁ……朝からうるせえなあ……
ひなた:あ、おはよう晶ちゃん。 今日はなんだか眠そうだね
晶介:あー、昨日の夜兄貴と、 あれこれ考えてたからな
ひなた:あれこれって?
慶介:この集客率を維持していくための話しあいをしていたんだ。 できればナイトショーの人気を継続させつつ、 次打てる手を講じたい
慶介:——ああ、そうだ。 今晩の話しあいは、えむにも参加してほしい
えむ:え? いいの?
慶介:ああ、新しい角度のアイディアをくれると助かる。 頼りにしているぞ
えむ:……っ!
えむ:——うんっ!
ひなた:……ふふっ
ひなた:(みんな昔みたいに、笑顔であの場所のことを考えられてる)
ひなた:(本当によかったね、みんな)
その日の夜
えむ:——隊長~! アイディアいっぱい持ってきましたっ!
晶介:誰が隊長だ、誰が
慶介:うむ、それでは見せてもらおうか、えむ隊員
晶介:乗るのかよ!
えむ:はい! 晶介お兄ちゃんにもアイディアノート! いっぱい書いてきたよ!
えむ:その名も、『お客さんもっといっぱい大作戦っ!』
慶介:率直な作戦名だな。 どれどれ……ん?
慶介:『朝と昼にもナイトショーをやる』……?
晶介:おい、そりゃもうナイトショーじゃないだろ!
えむ:ううん! そっちのショーは、ナイトショーとは違うショーなの!
えむ:朝のショーと昼のショーではね、ナイトショーのお話の、 ちょっと前のお話をするの! そうすると、ナイトショーがも~っと楽しみになるでしょ!?
晶介:ああ……なるほど。 ナイトショーの前日譚としてのショーを作るのか
慶介:リピートしてくれるコア層向けの、いい施策だな。 検討してみる価値はありそうだ
えむ:やった~☆
えむ:それじゃ、次のアイディアね! 観覧車からナイトショーを見た時に もっと楽しくなれるようにしたいなって思って——
えむ:はい! これで全部だよ!
晶介:なんつー数のアイディアだ……。 こんなん、いつの間に考えてたんだ?
えむ:む? えーっと、朝起きた時とか、学校に行ってる時とか、 授業中とか、学校から帰ってる時とか、寝てる時とか……
晶介:あ~わかったわかった!
慶介:しかし……これらのアイディアを 実現するのは、骨が折れそうだな
えむ:そうなの?
慶介:アイディアそのものはどれも悪くはない。 実現できれば客足も伸びそうだが……
晶介:ああ、現実的に考えてできるかどうかっつうとな。 予算も人員も厳しいところだ
えむ:あ、そっか! ごめんね、そこまで全然考えてなくって……
慶介:なに、その点に関してはこれから詰めていけばいい
慶介:さしあたって、確度の高そうな朝と昼のショーについて、 考えるとするか
えむ:うん! えーっとえーっと……
晶介:今のままじゃキャストの数が足りねえな。 うちはただでさえ、同じ規模のパークに比べて キャストの人数が足りてないからな
えむ:え? そうなの?
晶介:ああ。大体三分の二くらいだな
えむ:そうなんだ……!
えむ:(そういえばあたし、 他のパークのこともちょっとしか知らないなぁ……)
晶介:ライリー社との提携に向けてキャストの数は確保したいな。 採用募集をかけるか?
慶介:いや、そこは慎重にいきたい。 闇雲にキャストを増やすと、育成に時間がとられてしまうからな。 今いるベテランキャストにあまり負担をかけたくない
慶介:……これはキャストの育成制度から見直す必要があるな。 晶介、お前から人事に話をしてほしい
晶介:わかった。 今いるベテランも、ショーキャストや制作としてのキャリアが しっかり積めるようにしたいもんだな
慶介:そうだな。そのほうが長期的に見て いいキャストが集まりやすくなるし、 ひいてはいいショーを作れるようになる
えむ:ほえ……
慶介:おっと、すまない。電話だ。 少し外させてもらう
晶介:ああ。しかしこりゃ明日は人事と会議三昧だな。 朝イチで連絡入れておくか……
えむ:(……お兄ちゃん達、すごいなぁ……)
えむ:(きっと、会社のこととか、他のパークのことも いっぱい勉強してるから、『こうしたい』を 形にできるんだよね)
えむ:(なのに、あたしは——)
えむ:(……そうだ!)
えむ:ねえ、晶介お兄ちゃん!
晶介:ん? なんだ?
えむ:あたし、もっと会社のこと勉強する!
晶介:は?
えむ:働いてるキャストさんのこととか、お金のこととか、 いっぱい考えなきゃいけないことがあるし……!
えむ:そういうことをちゃんと勉強したら、 もっと——
晶介:あー……
晶介:えむはそういうんじゃねえだろ
えむ:え?
晶介:そりゃたしかに会社を経営するうえで考えなきゃならないことは 山ほどあるが、お前はそれより——
晶介:おっと、電話だ。 悪い、俺も外すぞ
えむ:あ……うん……
えむ:…………
晶介:えむはそういうんじゃねえだろ
えむ:(それって、あたしが会社のこと考えるのは、 向いてないってことなのかな……)
えむ:(でも、このままじゃ……)
えむ:(いつまでたっても、みんなに頼りっぱなしになっちゃう)
えむ:(ワンダーステージを守りたい、 フェニックスワンダーランドを守りたい、って思った時だって、 みんながいなかったらなんにもできなかったから——)
えむ:(……うん!)
えむ:(やっぱり、向いてなくても勉強しようっ!)
えむ:(『こうしたい』を形にできるようになろうっ!)
慶介:えむ? 大丈夫か?
えむ:ぴゃ!? あ、お兄ちゃん達電話終わったの?
晶介:百面相してると思ったら、やっぱり聞いてなかったのかよ。 もう1回言うぞ
晶介:お前達——アメリカに行かないか?
えむ:…………ええっ!?
第 2 话:レッツゴードリームパーク!
フェニックスワンダーランド
ワンダーステージ
司:アメリカだとーっ!?!?
えむ:うんっ! ライリーさんが『これから提携していくなら、 パークやキャラクターのことを君達に知ってもらいたい』って!
類:それはありがたい。 まさか世界でも有数のテーマパークを見学させてもらえるなんて
寧々:で、でも、なんでわたし達……!?
えむ:『宣伝大使として新しいショー作りをしてるなら、 きっと勉強になると思うから』って誘ってくれたんだよ♪
えむ:それにライリーさん、あたし達のショーを すーっごく気に入ってくれたんだって~!
寧々:そうなんだ……
司:フッフッフ……そうか……ついに世界か……!
司:さあお前ら! ワンダーランズ×ショウタイム、いざ世界進出の時だー!!
司:ハーッハッハッハ!!
類:フフフ、楽しみだねえ……。 海外となると、日本では許されないことも 許されたりするからね……
寧々:ちょっと、変なことはしないでよね。 はぁ……このメンバーだと、楽しみ半分心配半分って感じ……
司:そうと決まれば早速準備だな! 各自、しっかりと用意してくるように!
えむ:はーい!
えむ:(よかった! みんないいよって言ってくれて!)
えむ:(よ~しっ! ライリーさんから会社のこと教えてもらおうっ! それからライリーさんのパークと、うちがどう違うのかも 調べてみて——)
えむ:(それで、『こうしたい』を形にできるようにしようっ! 司くん達が、フェニックスワンダーランドを笑顔で いっぱいにしてくれたみたいに!)
えむ:……あ
えむ:……ちょっとお出かけするけど、 すぐ戻ってくるからね!
えむ:いってきます!
空港
えむ:ついた~~!! みんな、ついたよ~~アメリカ!!
類:いやあ、面白い空の旅だったね! 実にエキサイティングだったよ
寧々:エキサイティング? あのメチャクチャな乱気流が?
えむ:ぎゅーんって落ちたりガタガタ鳴ったりして、 とーってもおもしろかったね!
寧々:全然おもしろくないから!
寧々:はぁ……到着するまでこんなにバタバタするなんて……。 司は着替え忘れたとか言って家に戻るし、 類はネネロボ連れてこようとするし……
類:いやぁ、翻訳機能もつけていたから 試してみたかったんだけどねえ
寧々:どう考えても荷物検査でひっかかるでしょ!
えむ:あれれ? 司くんどこだろー?
寧々:何? さっそく迷子?
類:——おや。あっちのほうで朝日を浴びながら ポーズをとっているみたいだよ
寧々:うわ……他人のフリしよ……
司:ついに——ついにオレは、 世界への第一歩を踏み出したぞ!!
司:まさかこうも早く世界へ飛び出していくことに なるとはな……己の才能が恐ろしい!
司:さあ新たなる世界へ——
えむ:司くーーーーん!!
司:むっ!? えむ、どうしたんだ。そんな大声で
えむ:あのね、寧々ちゃんが 『はぐれて迷子になったら大変だから さっさと戻ってこい』って!
司:こんな至近距離で迷子になるか!
司:まあいい。空港の写真を撮って、 咲希に送ったあとに戻るから——
ミク:『司くーーーーーーーん!!』
司:お、おわーっ!?
えむ:あ! ミクちゃん!
ミク:『えむちゃん! こんばんはー♪ ……あれ、おひさまが出てるからこんにちはかな?』
レン:『たしか、時差っていうのがあるんだよね! 変な感じだね~』
リン:『うんうん♪ ヘンな感じ~』
司:なぜミク達が……! あ、そういえば出発前に、海外に行くという話をしていたか
ミク:『うん☆ だから気になって来ちゃったんだ♪』
KAITO:『こらこら、今日はみんなパークの見学のために来てるんだよ。 あんまり困らせないようにね』
MEIKO:『とか言って、実はカイトも見たいんじゃないの~? 珍しくこっちに顔出すなんて』
KAITO:『う……。たしかに興味がないと言えば嘘になるかな。 普段見れないようなものが見れるわけだしね』
ルカ:『ライリーさんのテーマパークも楽しみねぇ~。 どんなところなのかしら?』
司:おい、お前ら! そんな一斉に出てくるな!
慶介の声:——手続きはすべて完了した。 早速移動するとしよう
司:うおっ! あ、あっちのほうにえむの兄達がいるから、 ちゃんと引っこんでいるんだぞ
ミク:『はーい! でもでも、ミク達にもいっぱい見せてね♪』
えむ:うん! 周りに人がいなくなったら ミクちゃん達を呼ぶから待っててね☆
晶介:ん? おい、お前ら。 そっちにいるとはぐれるぞ。 一緒についてこい
司:わ、わわわ、わかったー!
えむ:それじゃ、みんな一緒にレッツゴー!
ライリードリームパーク
えむ:……わ~~~っ!!
司:おお……! 入口から素晴らしいな! まるで異世界への入口のようだ!
寧々:あ、あれって『リトル・キングダム』に出てくる お城だよね! すごい、映画で見たままだ……!
類:あちらは『ミュージックオブジャングル』の エリアみたいだね。かなり本格的な造りのようだ
えむ:すごいね……!! わんだほいがいっぱいだぁ……!!
晶介:おい、仕事で来てるんだからあんまりはしゃぐんじゃないぞ
慶介:さて、ライリー氏とは パークのエントランスエリアで待ちあわせるという ことだったが……
ライリー:やあ皆さん! 僕らの国によく来てくれましたね!
慶介:ミスターライリー! お久しぶりです
えむ:ライリーさん、こんにちは! 呼んでくれて、ありがとうございますっ!
ライリー:ふふ、どういたしまして
ライリー:たくさんの人の笑顔のために頑張っている君達ならばきっと、 ここから様々な気づきを得られるだろう
ライリー:だから——今日は素直な気持ちで、 僕らのパークから、いろいろと吸収していってほしいな
司:はい! 今日は勉強させていただきます!
えむ:——はいっ! あたしも、いっぱいいっぱい勉強します!
司:おお、えむ。 珍しく学ぶことに前向きな姿勢だな。感心感心!
ライリー:さて、それでは——ここから別行動としよう
ライリー:慶介さんと晶介さんは、打ちあわせのため私と一緒に隣の本社へ。 えむさん達は、今日1日パークを満喫してほしい
えむ:うえっ!?
司:む? どうした、えむ
えむ:あ、えーと、えーと……
えむ:あたし、ライリーさんにいろいろ聞きたいことがあって……! だから、お兄ちゃん達との打ちあわせも行きたいなぁって……
ライリー:……ふむ。それなら夕方の6時頃、 『スマイリー』エリアで落ちあうことにしよう。 その時にいろいろと話をしようじゃないか
えむ:……! ありがとうございますっ!
慶介:すみませんミスターライリー。 わざわざ時間をとらせてしまって……
ライリー:構わないさ。 ちょうど僕も、えむさん達に見せたいものがあったからね
えむ:見せたいもの……?
ライリー:ふふ、それは後々にね。 それじゃあ、6時に『スマイリー』エリアで会おう!
えむ・司:『はいっ!』
慶介:では、行きましょうか
晶介:いいかお前ら、はしゃぎすぎるんじゃないぞ
えむ:うんっ!
えむ:(よかった~! ライリーさんとお話できる時間、ちゃんともらえた!)
寧々:……ねえ、えむ。 ライリーさんに聞きたいことってなんなの?
えむ:え? えーっと、ライリーさんがこのパークを どうやって作ったのかとか……そういうこといっぱい!!
司:ほう。たしかにそれはオレも興味があるな。 ならば、6時にみんなで聞くとしよう!
類:じゃあそれまで、パークをしっかり見て回ろうか。 まずはどこから——と聞くのはさすがに野暮かな?
寧々:うん。 どこかなんて決まってるでしょ
司:ああ! 何はなくとも——ショーステージだ!
えむ:おーっ!!
第 3 话:最高峰のショー
ライリードリームパーク
えむ:(よーし! 今日はいーっぱい勉強するぞ~! えいえいわんだほい!)
えむ:(ええっと、お兄ちゃん達の話を聞いてたら、 うちのキャストさんの人数とか、全部のエリアにどれくらいの お金がかかるのかとかは、なんとなーくわかったから——)
えむ:(まずは、うちとライリーさんのパークが どれくらい違うのか調べてみよう!)
司:えー、ショーステージが この辺りにあるはずだが……
寧々:それにしても、このエリア、本当に城下町みたいだね。 すごいな……
類:ここは『リトル・キングダム』——中世ファンタジー風映画の エリアだから、その世界観を再現しているんだね
類:ライリードリームパークは、 ライリー・エンターテインメント社で作られた 映画の世界観を再現する造りになっている
類:そういったタイプのパークは、昨今珍しくはないけれど—— ここは、それらのパークに比べても力を入れているようだね
えむ:エリアごとに世界が違うのって、すっごく楽しいね!
えむ:あ、世界っていえば……! ライリーさんもお兄ちゃんもいないから、もう大丈夫だよね!
えむ:ミクちゃーん! もう出てきて大丈夫だよー!
ミクの声:『はーーーいっ!!』
ミク:『呼ばれて飛び出てみっくみく! ミクだよ~っ☆』
リン:『リンもリンも~♪ 飛び出てリンリン♪』
レン:『じゃあボクも! 飛び出てレンレン♪』
ルカ:『あらあら~。 かわいいおしくらまんじゅうね~』
MEIKO:『あっはっは! 3人ともぎゅうぎゅうになってるわよ!』
KAITO:『呼んでくれてありがとう、えむちゃん。 今からみんなでショーを見に行くのかい?』
えむ:うん! 『リトル・キングダム』のショーを見に行くんだ!
類:おそらく劇場は暗いから、他の観客に見つからないように 一番後ろの席に座れば、ミクくん達も見ることはできると思うよ
KAITO:『それはよかった。 それじゃあみんな、騒がずに大人しくしてるんだよ』
ミク:『はーい!』
リン:『はーい☆』
MEIKO:『ふふっ。まるで引率の先生みたいね、カイト!』
KAITO:『え? あははっ、たしかにちょっと先生みたいかもしれないね』
司:——お、見つけたぞ! あそこがショーステージだ!
司:それではみんなでショーを見るぞ! 用意はいいか!?
ミク:『おーっ☆』
『リトル・キングダム』 ショーステージ
王:『Come on, stab me in the heart!』
王子:『Dad...Please don't make me do this!』
えむ:(うわわわ~!!)
寧々:(あんなアクション、どうやってやるの!? 壁まで走ってて……映画で見たシーンよりすごいかも!)
類:(……なるほど、仕組みそのものは シンプルなワイヤーアクションだね。 しかし、練度が違う。本当に飛んでいるかのようだ)
類:(しかし何より一番素晴らしいのは——)
司:(——なんという演技力だ……!)
司:(今までも海外公演の映像は見たことがあるが、 生で見ると、まるで迫力が違う……)
司:(声の出しかたも、小さな仕草までも……完璧だ。 役の心情が痛いほど伝わってくる)
司:(自然と惹きつけられて、目が離せない。 これが——)
司:これが、世界レベルのショーキャストなのか……
KAITO:『…………』
えむ:ほわ~……
寧々:ちょっと、えむ。……えむ!
えむ:ふぇ? はっ! ショーが終わってる!?
寧々:もう、何度も声かけたのに今気づいたわけ? ま、ぼーっとしちゃう気持ちはわかるけど
類:フフ、とても引きこまれるショーだったね
えむ:うんっ! ドキドキワクワクポポポポ~ってなっちゃったー!
えむ:(……あ! でもそれだけじゃダメダメ! 今日は勉強しにきたんだもん!)
えむ:えっと、たしかキャストさんは全部で20人くらいいて、 ステージの客席は——
司:…………
KAITO:『司くん』
司:……ん? どうしたカイト
KAITO:『司くんが難しい顔をしているみたいだったから、 少し気になってね』
司:ああ……少し考えごとをしていただけだ
KAITO:『考えごとって?』
司:それは……。 ……………………
KAITO:『——大丈夫だよ、司くん』
KAITO:『君の夢のために、一歩ずつ進めばいい』
司:……!
司:フッ、さすがだな。 お見とおしというわけか
司:……そうだな。オレは、未来のスターだ
司:今は少しずつ、だが着実に、 オレの一歩を進んでいくとしよう!
司:とても素晴らしいショーだったな! オレももっと役者として成長すべく、 腕を磨いていこうという気持ちになった!
類:おや、どうやらいい刺激をもらったようだね。 まあそれはもちろん僕もだけれど
司:ならばよし! ではこの調子で次も見ていくぞ! たしか他のエリアにもショーステージがあっただろう?
えむ:うん! レッツゴーゴー!
寧々:えーっと、他のエリアのショーは……、 今からだとちょっと時間があくみたい
ミク:『じゃあじゃあ、次のショーの時間まで アトラクションに乗ろうよ!』
ルカ:『あら~、いいわね~。 とっても楽しそうだわ♪』
レン:『あ、でもみんなはここに勉強しに来たんだよね。 普通に遊んじゃっていいのかな?』
類:ああ、それなら大丈夫だよ
類:ライリーさんも、このパークからいろいろなことを 感じ取ってほしいと言っていたし、 きっとショー以外のことも勉強できるはずだからね
えむ:うんっ! アトラクションのこともいっぱい勉強しよーうっ!
寧々:それじゃ、どのアトラクションから行く? 地図を見る限りだと、近くに『ミュージックオブジャングル』 と『ブルーワールド』のエリアがあるみたいだけど
えむ:ん~、どっちがいいかな~。 ……ん?
MEIKO:『あら……?』
MEIKO:『ねえ、何か聞こえない?』
寧々:え? 何かって?
MEIKO:『はっきりとは聞こえないんだけど、子供の泣き声みたいな……』
えむ:……うん! あたしにも聞こえるよ! ちっちゃい子が泣いてる!
司:泣いているだと? ……まったく聞こえん!!
類:だねえ。 でも、えむくんの目と耳のよさは疑いようがないな
寧々:そこだけ聞くと野生動物みたいなんだけど……
ミク:『泣いてる子がいるなら、 ミク達が笑顔にしてあげなくちゃ!』
リン:『おおーっ!』
KAITO:『ふふ。その気持ちは僕も同じかな』
司:ふむ。そうだな。泣いている子供をそのままにしておくなど、 オレ達ではない!
司:それで、声はどっちからしているんだ?
えむ:うーんと……あっちから聞こえる気がする!
MEIKO:『ええ、私もあっちだと思うわ! 行ってみましょ!』
第 4 话:迷子を笑顔に!
ライリードリームパーク
迷子の少女:Ugh......
えむ:あ、あそこ! 建物の影のところに、うずくまってる子がいるよ!
寧々:本当にいた……!
MEIKO:『見つかってよかったわ。 でもどうしてアトラクションの裏側にいたのかしら?』
類:親を探し回っているうちに 迷いこんでしまったのかもしれないね
KAITO:『だから他のキャストにも 見つけてもらえなかったのかな』
ミク:『よ~し! ミク達が笑顔にしちゃうぞー!』
司:いや、待て待て! スマホの中から飛び出たミクに話しかけられたら、 驚いてしまうかもしれんだろう!
KAITO:『たしかにそうだね。 ミク、みんながこの子と一緒にいるあいだ、 僕達は隠れて様子を見ていよう』
ミク:『そっかー……残念だけど、こっそりしてるね! みんな、笑顔にしてあげてね~☆』
司:ああ! ここはこのオレ! 世界のスター・天馬司にまかせろ!
えむ:おおっ! 司くん、かっこいい~☆
寧々:本当に大丈夫なわけ……?
司:……ゴホン!
司:——ヘイ!! ガール!!
迷子の少女:!?
司:マイネームイズ、ツカサ・テンマ!
司:アイアムスター! あー……アイアムワールドフューチャースター!
類:うん、既に雲行きが怪しいね
司:え~……あとは~……そうだ!
司:ダンス!! アンド!! シング!!
迷子の少女:........................
迷子の少女:WAAAAAAAAAAH!
司:どわーっ!?
えむ:うわわわっ!? いっぱい泣いちゃった! なんでなんで~!?
寧々:いや、なんでかはわかるでしょ
類:『踊れ、そして歌え』と大声で言われたらねえ
えむ:うう~、どうしよう~……! ……そうだ!
えむ:——すっぱい顔っ!
迷子の少女:!
えむ:からい顔~っ!
えむ:と~ってもおいしい顔~っ☆
迷子の少女:...hehe
えむ:……! にこにこ顔~っ!!
迷子の少女:Hahahaha!
寧々:あっ! 笑ってくれた
類:フフ、笑顔が笑顔を生むのは、世界共通だね
司:くっ……! オレの表現力が不足していたのか……
寧々:そういう問題じゃなくない?
司:それにしても、この子の家族はどこにいるんだ? まさかひとりで来たわけじゃないだろうし……
類:そうだね。 少し彼女に聞いてみようか
類:Hi there. Are you lost? Do you know where your parents are?
司:……今、なんと言ったんだ?
寧々:多分、『迷子になったの? お母さんはどこにいるの?』って 言ったと思うけど
迷子の少女:No... I can't find mommy or daddy...
類:ふむ。両親と来たけれど、はぐれてしまって、 どこにいるかわからないそうだ
司:なるほどそうか……。 ……というか類!
類:なんだい?
司:英語を話せるなら、先にお前が話しかければよかっただろう!
類:我らが座長が、たいそう意気ごんでいたからね。 水を差してはいけないと思ったんだよ
司:絶対違うだろう!
えむ:この子のお父さんとお母さん、 どこにいるんだろうね……
寧々:あ。これだけ大きな遊園地なんだし、 迷子センターみたいなのがあるんじゃない?
えむ:あ、そっか!
えむ:え~っと、迷子センターはどこかなー? 地図に書いてあるかな?
寧々:……あ。あそこに案内がない? get lostって書いてあるし、 下に地図みたいなのも貼ってあるよ
司:そのようだな! 読んでみるとするか! え~……ハブユーロスト……
類:“一緒に来た家族や友達がいなくなっちゃった? それならまずは勇気を出してコンパスを探しに行こう!”
類:“コンパス・センター(迷子センター)はここだよ! わからなかったら、近くの大人に聞いてみよう!” ——だってさ
えむ:おお~!! さすが類くん!!
司:く……オレだってもう少し時間があれば……!
寧々:はいはい
類:……しかし、さすがライリーさんの作ったパークだ。 こういったところにも工夫を凝らしているね
えむ:え?
類:迷子になるのは、子供にとってとても怖いことだろう?
類:でもこの案内を見れば、自主的に、かつ楽しく、 はぐれてしまった家族と出会えるようになっている
類:地図のデザインも、普通のパークマップとは違って 宝の地図のようなデザインになっていて、子供も見やすい
司:なるほど……。子供はパークの中を冒険するような気分で、 迷子センターに行けるということか
えむ:そっか……すごいねえ……!!
えむ:あ! これもメモメモしなくっちゃ!
寧々:……あ。 案内のそばに、掃除してるキャストさんがいる
寧々:この子、あの人にお願いしたほうが早いんじゃない? 迷子になった子がいましたって
司:たしかにそちらのほうが スムーズに解決しそうだが……
迷子の少女:..................
えむ:あれ、どうしたのー? あたしの足にぴたーってくっついて
寧々:この子、えむになついてるんじゃない?
類:うん。不安そうだし、一緒にセンターまで行ったほうが この子も喜んでくれそうだね
司:……そうだな! オレ達が優先すべきは、何より笑顔! みんなで迷子センターへ向かうとするか
類:コンパス・センターは『ブルーワールド』エリアと 『リトル・キングダム』エリアを抜けた先に あるようだね
司:では、みんなで行こう!
えむ:うんっ!
第 5 话:初めて知る工夫
ライリードリームパーク
『ブルーワールド』エリア
司:ここからが『ブルーワールド』のエリアか
類:『ブルーワールド』は、たしか主人公のイルカが 親を探して海を旅するという映画だよね
寧々:うん、そう。 映画どおり、海をイメージしたアトラクションが多いみたい
寧々:先にこの子を迷子センターに送り届けなきゃいけないから、 あんまりエリアを見てる時間はない……って思ってたけど……
迷子の少女:So cute!
えむ:どうしよう~! この子、イルカさんの銅像にくっついちゃって離れないよ~!
寧々:……なんかあの子、迷子にしてはずいぶんはしゃいでない?
類:フフ、楽しいエリアにやってきて 自分が迷子であることを忘れてしまったんじゃないかな?
司:まあたしかに、このエリアは見た目からして ワクワクするからな。はしゃいでしまう気持ちはわかる
司:昔は咲希も、ああしてはしゃいで よく迷子になっていたものだったな……
迷子の少女:Oh!
えむ:あっ、今度はどこ行くのー!?
えむ:……え!? 海!? 急に海が出てきたー!
司:どうしたんだ、えむ! 何かあったのか?
えむ:あ、あのね! ここに海があるの!
寧々:え? ……あ、本当だ。 ここって敷地内に海まであるの……!?
類:——ああ、これは海に見えるけれど人工池だね。 砂浜まで作っているなんて、とても手がこんでいるな
迷子の少女:This is Blue's house!
えむ:ハウス? あ……そういえばここ、 『ブルーワールド』に出てくる イルカさんが住んでる海辺にそっくり!
司:なんと……映画の世界観を再現するために、 ここまでやるとはな!
寧々:わざわざ波が立つようにしてるのもすごいね。 プールみたいに、誰かが入るってわけでもないのに ここまでやるなんて
類:たしかに、すごいこだわりを感じるね。 この海があるだけで作品の世界に入りこめそうだ
えむ:あ……
えむ:ねえねえ! こういうのって、どうやってやるのかな?
司:ん? どうやってとは、どういうことだ?
えむ:えっとね! 遊園地の中に海を作りたいなーって思うんだけど、 どう作ったらいいのかなーとか、何が必要なのかなーとか 考えても全然わかんなくて……
類:……ふむ、そうだね
類:まず海のような人工池を作って運用することが 現実的に可能かどうかを考える必要はあるね
えむ:可能かどうか?
寧々:あ……そもそも池を作れるような 場所かどうか、とか?
類:うん、そうだね。 地盤が緩んでいるなら地盤補強が必要になる。 するともうひとつ考えることが出てくるね
司:——予算か。 それだけの工事をして、なおかつ運用できるだけの 予算があるかどうかを考えなければな
類:いくら世界有数のテーマパークであろうと、 使えるお金には限度があるからね
えむ:そっか……! えっと、メモメモ……!
司:どうしたんだ? 急にメモなんてしだして
迷子の少女:Look!
迷子の少女:A forest!
えむ:わわっ! 急に引っ張っちゃあぶないよー!
司:また急に走り出したぞ! どこに行く気だ!?
類:『あっちのほうに森がある』と言っているね
寧々:森? あ、あっちは『ミュージックオブジャングル』のエリア……?
司:とにかくあのままではえむまで迷子になりかねん! 追うぞ!
『ミュージックオブジャングル』エリア
司:はぁ……はぁ……! 今度こそ捕まえたぞ!
えむ:わぁ……!! ここ、木がいっぱいだね!!
寧々:本当だ……!
寧々:たしか『ミュージックオブジャングル』って、 乗ってた飛行機がジャングルに墜落しちゃったけど、音楽の力で 動物達と仲良くなっていって、最後は街に帰れるって映画だよね
類:ああ。 ここも、その世界観を忠実に守っているようだ
類:……この木は、本物ではなくイミテーションのようだね。 しかし実際のジャングルにいるような気分になるのは なぜだろう……?
司:ん!? あの大きな木のような建物は、 ジェットコースターになっているのか!?
類:ああ、そのようだよ
類:事前に調べたところ、あれは映画のラストの、 ジャングルで一番高い木から落ちるシーンを再現しているらしい
類:ほら、後ろ向きに落ちているだろう? 敵に突き落とされた主人公と同じ視点になれるんだ
司:な、なるほど……!
寧々:でも、あんまり高いところから落下すると、 子供が怖がるんじゃない?
司:そうだな。 少々刺激が強そうだが……
迷子の少女:Let's ride the roller coaster!
えむ:ほえ? もしかして、ジェットコースターに乗りたいの?
寧々:ええ!? 本気!? 迷子なんだし、早くセンターまで 連れていかないといけないんだけど……
迷子の少女:I wanna ride the roller coaster!
司:しかし……これはテコでも動かない顔をしているな。 咲希も昔はこうだったから、よくわかるぞ
類:フフ、幸いあまり人も並んでいないようだ。 ここはひとつ、乗ってみようじゃないか
司:待て待て待て!! これは相当高いんじゃないか!?
寧々:こ、このまま後ろ向きに落下はちょっと……
えむ:すっごく高いねー! ……この子、大丈夫かな? 怖くて泣いちゃわないかな?
類:…………。 さあ、そろそろ来るよ!
司:う、うおおおおおー!!
司:い……意外と激しくないだと……!?
迷子の少女:That was fun!
類:この子も楽しめたようだね。 ——やはり思ったとおりだ
類:外観によって『とても高い所から落ちる』 というイメージをつけられていたけれど、 実際に落ちる高低差は、そこまで激しいものではないようだね
類:かといってもの足りないということもない。 スタートから落下に至るまでのあいだに様々な演出をして、 しっかり緊張感を高めている
寧々:子供が乗れるようなジェットコースターを作るのは どこでもやってるけど……
寧々:映画を見たみんなが楽しめるようにしながら、 こんなにドキドキするジェットコースターにしちゃうなんて すごいな
えむ:ほえ……
えむ:(すごいなぁ……! みんなが笑顔になれるように、 本当にすっごくすっごく考えてるんだ……!)
司:うん……?
類:——おや、もしかするとあそこに見えるのが コンパス・センターかな
寧々:本当だ! 早く行こう、えむ。この子のお母さん達が待ってるかも
えむ:うん!
第 6 话:『スマイリー』エリア
ライリードリームパーク
コンパス・センター
司:はぁ……かなり寄り道をしたが、 どうにか辿り着くことができたな
えむ:この子のお父さんとお母さん、いるかな~? えーと……
迷子の少女:Mommy! Daddy!
少女の母親:Mary......!
寧々:あ……! あの人がお母さんみたい
えむ:うん! あの子、メアリーちゃんっていうんだね
類:それにしても、まっすぐに飛びついていったねえ
司:ああ。母親のほうも喜んでいるようでよかったな
少女の母親:Thank you so much for taking care of our daughter!
類:“娘の面倒を見てくれてありがとう!” だってさ
えむ:えへへ! どういたしまして! メアリーちゃんも、よかったね!
メアリー:Thank you Emu!
えむ:わっ!
メアリー:That was a fun adventure!
司:今、なんて言ったんだ?
類:“ありがとう、えむ。冒険できて楽しかった” というところかな
えむ:……えへへっ! あたしも楽しかったよ!
ミク:『あの子がニコニコしてくれて、 本当によかったね~!』
ルカ:『そうね~。 お母さん達と会えて、本当に嬉しそうだったわ~』
リン:『うんうんっ! これでみ~んな笑顔だね~♪』
司:ああ。時間はかかったが、 どうにか使命を果たすことができたな!
寧々:ジェットコースターの前から動かなかった時は どうしようかと思ったけど……
類:けれど、あの子が連れまわしてくれたおかげで、 思いがけずいろいろと学ぶことができたと思うよ
えむ:うんっ!
えむ:……あ! そろそろライリーさんとの待ち合わせの時間だよ!
寧々:あ、もうそんな時間? じゃあ移動しないとね
司:たしか『スマイリー』エリアに集合と言っていたな
類:『スマイリー』……有名な作品だけど、 あれはライリー・エンターテインメントの作品だったかな……?
えむ:みんなー! はやくはやくー!
えむ:早く行って、ライリーさんにいーっぱい ここのお話してもらおうっ!
寧々:あ……! ちょっと待ってよえむ!
『スマイリー』エリア
えむ:えっと、ライリーさんは……いた!
司:ああ、あのメリーゴーランドの前だな。 ライリーさん!
ライリー:やあ! みんな、僕らのパークを楽しんでくれたかい?
司:はい! 身をもって、このパークの 素晴らしさを体験することができました!
類:そうですね。 誰もが笑顔になれる……言葉にするだけであれば簡単です
類:ですがここは、その理念が隅々までいきわたっている。 本当に素晴らしい場所だと思いました
寧々:うん。 どのお客さんも、みんな笑顔になれてたしね
ライリー:それはよかった! 君達に来てもらった甲斐があったというものだよ
ライリー:そうだ、僕からいろいろ話を聞きたいと言ってくれていたね。 何か質問があれば——
えむ:はいはいはーい!!
ライリー:おや、元気いっぱいだね。 えむさん、どうぞ
えむ:あたしも、ここは『みんなを笑顔にしたい』っていう 気持ちがいーっぱい詰まってる場所だって思いました!
えむ:きっと、みんなを笑顔にするにはどうしたらいいんだろうって、 いっぱいいっぱい考えたんだろうなって思って……
えむ:えっと、だから……えーっと
えむ:『こうしたい』って思った時、ライリーさんはどうやって 形にしていったんですか?
ライリー:……なるほど。 それはなかなかいい質問だね
ライリー:たとえば、『ミュージックオブジャングル』のエリアを 作るのは、とても難しかった
ライリー:あそこは元々、“本物のジャングルで冒険体験ができる場所”に するために、本物の熱帯雨林の木を移植しようとしていたんだ
寧々:え? 本物の?
ライリー:ああ。お客さん達に、作品の登場人物と 同じような体験をしてもらいたかったし、 何より楽しんでほしかったからね
ライリー:けれど、ここで予算がネックになった。 熱帯植物をアメリカで維持するとなると、 管理にとんでもない費用がかかるんだ
ライリー:そのうえ、メインエリアに人手をとられて、 人員もあまり用意できなかった
えむ:(……! あたし達と一緒だ……!)
えむ:ライリーさんのところでも、人とか、お金とか、 足りなかったんですかっ?
ライリー:もちろん。映画による収益はそれなりにあったけど、 それでも使える人間も予算も限られていたよ
ライリー:だから僕らは、本来理想としていた“本物の密林”を 諦めるしかなかったんだ
えむ:……!
寧々:それは……まあ、仕方がないですよね
ライリー:でも、ただ妥協したわけじゃない
類:というと……?
ライリー:まず本物のジャングルに近づけるべく、植物学者を招いたんだ。 作り物でも、最大限ジャングルらしくなるようにね
ライリー:彼女達のおかげで外観はかなり本物に近づいた。 あとは人工の滝を作ったり、現地に近い匂いを調べたり、 ありとあらゆる方法でジャングルを再現していったんだ
類:匂いを……
類:……この木は、本物ではなくイミテーションのようだね。 しかし実際のジャングルにいるような気分になるのは なぜだろう……?
類:なるほど、だからか……
ライリー:そういったわけで、安心で安全な人工のジャングルを 作り出すことに成功し、お客さん達に 満足してもらうことができたんだよ
ライリー:現実と折りあいをつけながら、創意工夫で理想を追い求める。 そういったやりかたで、ここを作り上げていったんだよ
えむ:…………
ライリー:……おや、本社から連絡が入ったようだ。 すまないけれど、少し待っていてほしいな
寧々:……どうしたの? えむ
えむ:うえっ? ど、どど、どうしてもないよ!
司:どうもしないわけがなかろう。 思い切り顔が沈んでいるぞ
類:今日は、迷子の子と一緒にあちこち見ている時、 何かメモをしたり、考えこんでいるような顔をしていたしね
寧々:……えむ、前も言ったでしょ? 何か悩んでるなら、ちゃんと言ってよね
えむ:あ……
えむ:ごめんねみんなっ! 隠すつもりは全然なかったんだけど……
えむ:えっとね……すごいなあって思ってたんだ
寧々:すごいって……ライリーさんが?
えむ:うん。お金や人が足りなくても、『こうしたい』って思う形に 近づくために一生懸命考えてて——
えむ:あたしとは、全然違うなって……
司:んん? どういうことだ?
えむ:あたし、ずっとずっと、ワンダーステージも フェニックスワンダーランドも、 “みんなが笑顔になれる場所”にできたらいいなって思ってたの
えむ:でも……みんなが来るまで、 どうしたらいいのか全然わからなかったんだ
類:……けれど、あのナイトショーのアイディアをくれたのは、 えむくんだよ
えむ:違うよ! あれだって、ずっとやれたらいいなって考えてたけど、 ちゃんと形にしてくれたのは類くんだもん
えむ:それに類くんだけじゃないよ。 寧々ちゃんは、歌でみんなを笑顔にできるし
えむ:司くんは、司くんのキラキラで、 キャストのみんなの気持ちを変えてくれたでしょ?
えむ:……でもあたしはいつも、夢みたいなことばっかり
えむ:だからお兄ちゃん達と話してても、 全然力になれなくて……
司:えむ……
えむ:だからね、あたしも、みんなやライリーさんみたいに、 夢を形にできるようにならなきゃなって思ってたの
えむ:それで、いろいろ考えちゃってたんだ。 ……心配かけちゃってごめんね
寧々:……そうだったんだ
類:夢を、形にできるように……か。 それはたしかに必要なことではあるけれど……
司:…………
司:だが、えむ。お前は……
ライリー:待たせたね! 電話は終わったよ!
司:うおっ!?
ライリー:ん? どうかしたのかい? 何やら真剣なムードだけれど……
司:あー、そうですね。ちょっと話をしていたんですが……
えむ:だ、大丈夫ですっ! あとでまたちゃんと話しますっ!
司:……そうだな! この話はあとでじっくり話すとしよう
ライリー:そうかい? それならいいんだけど……
ライリー:——実は、このエリアに来てもらったのは、 君達にぜひ見せたいものがあったからなんだ
えむ:見せたいもの?
ライリー:ああ。——ここだよ
第 7 话:まずは一緒に大きな夢を
ライリードリームパーク
『スマイリー』エリア
えむ:ここって……
寧々:なんか、普通の場所っていうか……。 目立つアトラクションもメリーゴーランドくらいしかないし
えむ:あれ?
寧々:どうしたの? えむ
えむ:このメリーゴーランド……、 おじいちゃんみたいな感じがする!
司:おじいちゃん?
えむ:うん!
えむ:あったかくって、 見てるとニコニコしちゃって——
えむ:ワンダーステージを見てる時みたいに、 おじいちゃんが隣にいてくれるような気がするんだ
ライリー:フフ、さすがはえむさんだね
ライリー:実はこのエリアの原案になった映画『スマイリー』は、 楽之介——えむさんのおじいさんと一緒に作ったものなんだよ
えむ:えっ?
ライリー:僕と楽之介が出会ったのは、今からもう 20年も前のことなんだ——
ライリー:——僕は、元々俳優志望でね。 しかし残念ながら、そちらで大成することはできなかった
ライリー:けれどせめてエンターテインメントに関わっていたいと思って、 映画会社に入ったんだ
ライリー:そこで長い下積みを経て信頼を勝ち得ていってね、 初の映画プロデュースに挑戦することになった
ライリー:みんなにワクワクドキドキしてもらえるような 映画を作ろうと、はりきって1作目にとりかかったんだが——
若いライリー:…………
若いライリー:なぜだ……。 どうして、ありきたりな内容になってしまうんだ……
若いライリー:予算もスケジュールもしっかり用意して 優秀なスタッフも手配した。 完璧なプランのはずなんだが……
若いライリー:……駄目だ。 また、一から作り直さなくては……
若いライリー:く……! 期日が迫っているのに、クオリティが上がらない……!
若いライリー:一体どうしたらいいんだ……。 あんなに用意した予算も、撮り直しのせいで 当初の予定よりオーバーしているし……
若いライリー:子供の頃見たような、夢のある映画を作りたいんだ。 それなのに、どうして……
映画関係の友人:よう、ジャン。 映画作り、ずいぶん難航してるようじゃないか
若いライリー:ああ……君か。 監督業のほうは順調みたいだね
若いライリー:こっちは全然だ。 しっかりとプランを立てたんだが、 まるで思うような映画にならない
映画関係の友人:……ふむ。 それなら、アドバイザーを招くのはどうだい?
若いライリー:アドバイザー?
映画関係の友人:ああ。業界で噂になっている、 ある名アドバイザーがいるんだ
若いライリー:ふむ……一体どういう人物なんだ?
映画関係の友人:俺も詳しくは知らないが、日本の老人らしい。 見せた映画を気に入ると、 的確なアドバイスをくれるんだそうだ
映画関係の友人:友人に頼めば連絡することはできるが……どうする?
若いライリー:……日本の老人か……
若いライリー:(……正直、あまり期待はできないが……。 かといって、何もせずこのまま期日を迎えるわけにもいかない)
若いライリー:……わかった。 その人物を呼んでもらってもいいかい?
映画関係の友人:ああ、それじゃあ頼んでみるよ!
1週間後
???:やあ! この度はお招きいただきありがとう!
若いライリー:いえ、こちらこそありがとうございます。 私はジャン・ライリーといいます。あなたは——
楽之介:私は楽之介さ! よろしく、ジャン!
楽之介:さてさて、早速映画を見せてもらってもいいかな!? とても楽しみにしてたんだ!
若いライリー:あ、ああ……
若いライリー:(ずいぶんと子供のようにはしゃぐ老人だな)
若いライリー:(本当に、彼がアドバイザーで大丈夫だろうか……?)
楽之介:ふ~~~~む
若いライリー:ぜひ、映画を見た率直な意見を聞かせてほしい
若いライリー:どのあたりに問題があると思う? 予算と期限の許す範囲で直していこうと思う
楽之介:そうだね……単刀直入に言うならば……
楽之介:この映画には——もっと夢があるんじゃないかい!?
若いライリー:は?
楽之介:ジャン、君の夢はこれですべてなのかい!? もっと君の頭にはいろいろな可能性があるんじゃないか!?
若いライリー:ええっと……それは一体、どういう意味で……?
楽之介:たとえば、オープニング!
楽之介:設定を見る限り、主人公のスマイリーが住む“楽園の島”は、 いつでも笑顔でいられる夢の島なんだろう?
楽之介:なら君は、もっと理想的な島をイメージしていたはずだ! キラキラピカピカ! ワクワクドキドキ! 違うかい!?
若いライリー:そ、それはたしかに……。 だが……
楽之介:それなら、もっともっと夢をつめこまなければ!
楽之介:島に住む人々も、本当にCGでいいのかな!? 幸せそうに住む人間達を撮りたかったんじゃないのかい?
若いライリー:ああ、そこは本物のエキストラを使いたかったんだが……
楽之介:やはり! ならば1000人! エキストラを雇おう!
若いライリー:せ、1000人!? しかしエキストラを募っているような時間も金も——
楽之介:最高のクオリティの映画にしようじゃないか! わっはっは!
若いライリー:(な、なんだこの人は……! それができればこんな苦労はしていないんだぞ!)
若いライリー:(だが……有能なアドバイザーという話だ。 もしかするとこんな無茶を言うのも、何か考えがあるのか……?)
楽之介:さあジャン! 君の夢をもっと聞かせてくれ!
若いライリー:あ、ああ……
楽之介:うーむ、このシーンは迫力がほしいね。 いっそ実際に城のセットを作ってみたらどうだい?
若いライリー:城を!? たしかに白亜の城にしたいという気持ちはあったけれど しかし……
楽之介:ああ、クライマックスがこれでは、 観客もすーっぱい顔になってしまうねえ……
楽之介:ジャン! 君が本当にやりたいクライマックスは 他にあるんじゃないかい?
若いライリー:それは……
楽之介:ん? 草案をまとめたファイルには、 ここで楽園の島がすべて崩れ落ちると書いてあるじゃないか!
楽之介:とてもいいアイディアだよ! これを形にしていこうじゃないか!
若いライリー:…………
楽之介:エンディングはこの映画のすべての喜びを詰めこもう! そうすれば、とてもワンダフルな——
若いライリー:——もう、いい加減にしてくれないか!
楽之介:え?
若いライリー:さっきから、ずっと夢のようなことばかり……。 これは夢を売るとはいえビジネスなんだ! 予算や時間の都合があるとわかるだろう!
若いライリー:僕だって本当は、夢見ているすべてを形にしたい! この頭の中にあるもので、世界中の人を喜ばせたい!
若いライリー:だが現実問題、そんなことはできないんだ!
若いライリー:実現できない夢のようなことばかりを言って……、 あなたは本当に大人なのか!?
楽之介:ああ。大人だよ
楽之介:家族にはよく、子供のようだと言われるけどね
若いライリー:大人だというなら——
楽之介:大人は、夢を見てはいけないのかい?
若いライリー:え?
楽之介:僕はね、こう思うのさ
楽之介:本当に夢を見る者しか、 誰かに夢を与えることはできないってね
若いライリー:…………
楽之介:まずは、一緒に大きな夢を見てみようじゃないか、ジャン
楽之介:もちろん輝かしい夢を見たあとは、 びっくりするほど恐ろしい現実が待っている
楽之介:だけどその道行きも、胸の中で夢が輝き続けていれば そこまでつらいものじゃない。 少なくとも僕はそう思うよ
楽之介:だから——僕と一緒に、夢を見ないかい?
若いライリー:一緒に、夢を……?
楽之介:実際のところ、僕は君より長く夢を見ているからね。 恐ろしい現実との戦いには、慣れているのさ
楽之介:今回の映画制作費の工面とスケジュール調整については、 僕も一緒に考える。なんだったら協力もするさ
楽之介:こう見えて僕は、ちょっと顔の利く老人でね?
楽之介:だから——まずは夢のことを考えよう。 苦しむのはそのあと、一緒にだ
若いライリー:……!!
楽之介:さあ、ジャン。 まずはもう一度、手放しかけた夢を見せてくれ!
楽之介:そして現実に戻ったら、 一緒に頭を痛めようじゃないか!
若いライリー:楽之介……
若いライリー:(……夢か)
若いライリー:(たしかに僕は、現実を前にして、 思い描いていた夢を忘れかけてしまっていたようだ)
若いライリー:(……ありきたりな映画になってしまうはずだ)
若いライリー:——ありがとう、楽之介
若いライリー:僕は、僕の夢を、もう一度思いだしてみようと思うよ
第 8 话:夢も、現実も
ライリードリームパーク
『スマイリー』エリア
えむ:おじいちゃん、ライリーさんに そんなこと言ってたんだ……!
類:フフ。 えむくんのおじいさんらしいエピソードだね
寧々:うん。一緒に大きな夢を見よう……か
司:なんとも頼りになる言葉だな
ライリー:——楽之介は、何よりも、 夢を見ることを大事にしていたんだ
ライリー:だから彼は、夢を見ることを忘れていた僕に、 大事な夢を思い出させてくれた
ライリー:楽之介と一緒に映画を作った、あの体験があったからこそ、 僕はここまでやってこられたと思っている
ライリー:『本当に夢を見る者しか、 誰かに夢を与えることはできない』
ライリー:楽之介から教えてもらった この大切な言葉を伝えたかったから、 今日はここに来てもらったんだよ
えむ:夢を見る者しか……
ライリー:ん? どうしたんだい、えむさん
えむ:……おじいちゃんの言うことも、 ライリーさんの伝えたいこともすっごくわかるんです
えむ:でも、きっとおじいちゃんは…… ライリーさんが夢をなくしちゃいそうになったから、 そう言ったんだと思うんです
えむ:……でも……
えむ:……あたし、いっつも夢ばっかり見ちゃうんです
えむ:おじいちゃんとお話した時のライリーさんは、 夢がいっぱいあるけど、でも現実のことも ちゃんと考えてたんだと思います
えむ:でも、あたしは—— こうしたいな、ああしたいなっていう夢はいっぱいあるけど、 ひとりじゃなんにも形にできなくて……
えむ:だから——夢を見ることも大事だと思うけど、 あたしは現実を見なくちゃいけないって、そう思うんです!
えむ:あたしもみんなと一緒に『こうしたい』を 形にできるようにしたいから……!
司:えむ……
ライリー:……なるほど。 夢ばかり見てしまう人物は、現実を見る必要がある、か
ライリー:——たしかにそうだね
ライリー:夢を本当に形にしたいと願うのであれば、 現実もしっかりと見据えられるようになったほうがいい
ライリー:見ているだけじゃあ、夢はただの夢のままだからね
ライリー:まずは現実の自分ができることはなんなのかを知って、 夢を形にするために何が必要なのか、 どう働きかければそれが手に入るのか、考えていかなくてはね
えむ:やっぱり、そうですよね……
ライリー:けれど——それは焦らなくていいんだよ、えむさん
えむ:え?
ライリー:『夢を形にしたい』という気持ちがえむさんの中にあるなら きっと、その力は少しずつ身についていく
ライリー:大人になるにつれて、自然とね
ライリー:だから、まずは君達の目の前のこと—— 君達のショーを作ることに、真剣に向きあっていけばいいんだ
えむ:目の前のこと、に……
ライリー:ああ、そうだとも
ライリー:……ただその中で、失敗することもある。 夢を見るのが苦しくなる時もやってくるかもしれない
ライリー:僕はね、そういった時に、今えむさんが持っている “夢見る力”を手放さないようにしてほしいんだ
えむ:“夢見る力”?
ライリー:……大人になると、“夢見る力”は、どんどん衰えていく
ライリー:経験を重ねれば重ねるほど、自分の限界が見えていくんだ。 そうやっていつの間にか、夢を見るよりも先に、 『できるかどうか』ということばかり考えてしまうようになる
ライリー:かつての僕のように、ね
ライリー:夢を見続けるということは—— えむさんが思う以上に、難しいことなんだよ
えむ:……そうなんですか?
ライリー:ああ。とてもね
ライリー:それに——えむさんの“夢見る力”があったからこそ、 形になったものもあるんじゃないかな?
えむ:え? でも、あたしは何も——
司:そんなことはないっ!!
えむ:ぴゃっ!?
司:いいかえむ! よく聞け!
司:えむが持っている“夢見る力”は、 オレ達ワンダーランズ×ショウタイムにとって 欠かせないものなんだぞ!
えむ:ほぇ?
寧々:そ……そうだよ! えむが夢を見てくれたからできたことが、いっぱいあるんだよ
類:そもそも僕達は、えむくんの夢がなければ、 こうしてここにいないだろうからね
類:——えむくんは、誰も寄りつかないボロボロの ワンダーステージを、再び笑顔でいっぱいにしたいという 夢を持っただろう?
類:その夢があったから、僕達はあの場所に集ったんだ
えむ:……!!
寧々:ナイトショーだってそうだよ。 たしかにアイディアを形にしたのは類だけど——
寧々:あれだって『フェニックスワンダーランドを、 みんなが笑顔になれる場所にしたい』って えむが言ってくれたから実現したことでしょ?
えむ:寧々ちゃん……
類:例えるならえむくんは、僕達のエンジン—— 現実を変えるための大きな原動力になってくれているんだよ
司:そうだ! だからまずは卑屈にならず、その力を誇るがいい! そして少しずつ、夢を実現する力を身につけていくのだ!
寧々:うん! 一緒に頑張ろう、えむ!
類:そうだね。 僕達は幸い、それなりの実行力はあるからね
えむ:みんな……
司:しかし……えむにはどこから現実を学ばせるべきだ? 人は簡単に空を飛べないという話からか?
寧々:実際飛んでるヤツがいるから、あんまり説得力ないけどね
類:目標に対する物事の進めかたを もう少し具体的に考えられるようにするのはどうだろう?
寧々:あー、それはいいかもね。 えむ、テスト勉強も前日の暗記で 全部なんとかしてるって言ってたし
類:ふむ。 セリフを覚えるのは早いし、暗記力はかなりのもののようだから、 きっとやりかたさえ覚えてしまえばすぐ身につくんじゃないかな
えむ:(……そっか)
えむ:(あたしの夢もちゃんと、 みんなの笑顔につながってたんだね……)
えむ:——みんな~っ!!
えむ:あたし、夢も現実も、どっちも ちゃんと見ていこうって思う!
えむ:夢ばっかり見ちゃいそうになったら、 これってホントにできるのかな?ってちゃんと考えて……
えむ:現実ばっかり見ちゃいそうになったら、えっと、 おふとんに入っていっぱいいっぱい夢を見るから……!
寧々:別にふとんに入らなくてもいいけど……
えむ:だからえっと……これからも、よろしくお願いしますっ!
司:ああ! こちらこそよろしく頼むぞ、えむ!
えむ:うんっ!
えむ:う~! なんだかとってもやる気がわいてきたよ~! パチパチメララ~っ!!
司:パチパチ……メラ?
寧々:あー、燃えてるってことね
類:フフ、いつもの調子が戻ってきたようだねえ
ライリー:……ふふ
ライリー:見てるかい? 楽之介
ライリー:この子達はきっと—— これからとても大きな夢を叶えていくよ
ライリー:——さて、そろそろ閉園時間が近づいているから、 今日宿泊するホテルへ向かうとしよう
ライリー:慶介さんと晶介さんもそこに来てもらうからね。 みんなで、これからの夢の話をしようじゃないか!
司:はい!
類:ところで……どうして遊園地の経営者だった楽之介氏が、 映画制作に携わっていたんですか?
寧々:あ、そういえばたしかに……
ライリー:それはね、彼が『世界中の人を笑顔にしたい』と 考えていたからだよ
えむ:世界中の人を……?
ライリー:ああ。だからエンターテインメントに関わることならば、 どんなことでもやるし、どんな場所にでも行っていたらしい
ライリー:普通なら、どれかひとつの道を選んで進むものだが——。 本当に、楽之介らしいよ
えむ:世界中の人を笑顔に——
えむ:……そっか。おじいちゃんはいっつも、 『みんなが笑顔になってくれたら幸せだ』って言ってたけど——
えむ:『みんな』って、本当に、世界中のみんなのことなんだ……!
えむ:えへへっ! やっぱりおじいちゃんは、おじいちゃんだなぁ!
司:世界中の人を……か
司:それなら、オレと同じだな!
えむ:う?
司:オレの夢は未来のスターとして、 世界中の人を笑顔にすることだからな!
えむ:あ……!
えむ:そっかー!! だからおじいちゃんと司くんは、とっても似てるんだね!!
司:何? 似ている?
寧々:え、何。司とえむのおじいちゃんって似てるの?
えむ:うん! なんだか似てるなーって思ってたんだけど……。 きっと同じ夢があるからなんだね!
類:なるほど……同じ志の者同士、 まとう雰囲気が似通っているのかもしれないね
司:そうか……ならばやはり! オレも末は大人物ということだな!
寧々:夢が同じなだけでそうなるわけないでしょ
司:なんだとー!?
ライリー:ああ、みんな。迎えの車が来たようだよ。 一緒にホテルへ向かおう
えむ:はーい!
えむ:(世界中の人を笑顔に——)
えむ:(そんな風にできたら、きっと、すてきだろうなぁ……)
えむ:えへへっ♪ あたしも、がんばるぞーっ!
KAITO:『ずっと悩んでいるように見えたから心配だったけど……。 どうやら、胸のつかえが取れたようだね』
レン:『うん! えむちゃんが笑顔になって本当によかった~!』
MEIKO:『夢を見る力……ね。 えむちゃんにぴったりの、とってもいい言葉だわ!』
ミク:『えむちゃん達の夢があるから、 みーんな笑顔になれちゃうんだもんねっ☆』
ミク:『——がんばれ! えむちゃんっ!』