活动剧情

あの日、空は遠かった

活动ID:50

第 1 话:『今』を噛み締めて

ライブハウス
バックステージ
スタッフ達:マイクチェックしました! 問題ありません
スタッフ達:こっちも大丈夫です!
志歩:(——そろそろライブの開演時間か)
志歩:(ライブ前の空気はいいな。 いつも、いい緊張感がある)
咲希:みんな、もう来てるかな?
穂波:道に迷ったりしてなければ、 もう着いてるんじゃないかなって思うけど……
一歌:あ……いた! あそこ——客席の真ん中辺りにいるよ!
咲希:本当だ! はるかちゃん達、迷わないで来れてよかった~!
一歌:みのりに、こはねに——白石さんも。 一緒に来てくれたんだ
志歩:あ……
雫:ここがしぃちゃん達が出るライブハウスね! ちゃんと間に合ってよかったわ
愛莉:そうね……。 時間に余裕持って待ち合わせしておいてよかったわね
志歩:お姉ちゃん達も来てくれたみたい
穂波:ふふ、これで安心して演奏できるね
穂波:……みんなのおかげでチケットノルマも達成できて、 本当によかったな
志歩:——うん。 一歌も咲希も一緒にやってくれて、本当にありがとう
咲希:それぐらい当然だよ! だって、アタシ達は一緒にプロを目指してる仲間なんだからっ!
一歌:曲作りに、チケットノルマに……。 やることはいっぱいあるけど、力をあわせて頑張っていこう
穂波:うん……!
志歩:——そうだね
志歩:それじゃあ今日は来てくれたみんなへの感謝の気持ちもこめて いい演奏をしよう
みんな:『うんっ!』
スタッフ:Leo/needの皆さん、準備お願いします!
志歩:……私達の出番だね。 ——いこう!
杏:あ! そろそろ始まるみたいだよ!
みのり:うう……! やっと志歩ちゃん達のライブが見られるよ~!
遥:みのり、行きたいのに配信にかぶって見れないって 何回も言ってたもんね。 来れてよかったね
こはね:あ、みんなが出てきたよ……!
一歌:——皆さん、こんにちは。Leo/needです!
一歌:今日は、私達の演奏を初めて聴きに来てくれる人も、 たくさんいると思います。 そんな人達の心にも届くように、精一杯頑張ります!
一歌:——聴いてください!
一歌:♪————!
こはね:わぁ……! すごい……!
杏:やっぱり生演奏はいいね~! 気持ちいいな~!
志歩:(——うん、いい調子。 お客さん達も前より聴いてくれてる。それに——)
一歌:——♪ ————♪
志歩:(今日の演奏……みんな気持ちが乗ってる。 今までで一番、楽しそう)
志歩:(なら私も、もっと……!)
みのり:わああ……! 志歩ちゃんのベース、かっこいい~!
遥:うん。 音が体に響いてくるみたい……!
志歩:(ああ——楽しいな)
志歩:(もっと、もっと弾いていたい)
志歩:(聴いてくれるお客さん達がいて、 私と同じ夢を追いかけたいって言って 頑張ってくれるみんながいて——)
一歌:♪————!
志歩:(……昔の私が見たら、 きっと、驚くだろうな)
志歩:(昔の私は——)
???:……あーあ。 こんな空気になるなら誘うんじゃなかった
志歩:(……誰かと一緒に——この4人でまた一緒に バンドをやれるようになるなんて思えなかった)
志歩:(でも、今は——)
志歩:(すごく——幸せだ)
志歩:……はぁ……はぁ……
一歌:……ねえみんな! 今日の演奏、いつもとちょっと違った……よね?
穂波:う、うん! いつもより、思いっきりできたっていうか……
咲希:——わかるよいっちゃんほなちゃん! す~~~っごくいい演奏できたよね!!
一歌:うん。みんなの音も、歌も、ひとつになって——。 すごく気持ちよかったな
咲希:ね! ね! もっともっと弾いてたくなっちゃった!
志歩:(……みんなも、同じ気持ちで演奏できてたんだ)
志歩:——よかった
スタッフ:すみません! 次のバンドがとおるので、 楽器を移動してもらってもいいですか?
志歩:あ、はい! すみません、今片づけます
志歩:みんな、片づけたら客席のほう行くよ。 他のバンドからも勉強しなくちゃね
志歩:……ん?
志歩:…………えっ?
穂波:え? 志歩ちゃん?
咲希:わ! どこ行くのー?
神山通り
志歩:…………いない
志歩:気のせい、かな……
咲希:しほちゃーん! 急に飛び出して、どうしたの?
一歌:誰か知ってる人でもいたの?
志歩:あ……そうかなって思ったんだけど……。 単に似た誰かだったのかも
志歩:(さっき昔のこと思いだしてたから、 そのせいで見間違えたのかもな)
志歩:急にごめん。 もうすぐ次のバンドも始まるし、戻ろうか
一歌:あ、うん……

第 2 话:あの頃の私は

翌日
教室のセカイ 屋上
咲希:……というわけで! 昨日のライブの大成功を祝して——カンパーイ!!
リン:イェーイ、かんぱーいっ!!
志歩:ふたりとも、あんまりはしゃいでジュースこぼさないようにね
レン:特にリンは、うっかり転んだりしそうだからな
リン:だいじょーぶだって! ほら、ちゃーんと机に置いて、ストローで飲んでるから!
咲希:それはそれとして、レンくんも一緒に乾杯っ!
レン:ん、乾杯。 ……お、このジュースうまいな
MEIKO:にしても、屋上でライブの打ち上げなんて いいアイディアだね
穂波:昨日の帰りに、咲希ちゃんがやってみようって 提案してくれたんです
一歌:それでみんなで、 食べ物とか飲み物を持ち寄ろうってことになって——
ミク:穂波のアップルパイ、 いつ食べても美味しいね
ルカ:ミク、美味しいからってみんなの分まで 食べちゃダメよ?
ミク:そ、そんなに食べないってば
ルカ:ふふ、ごめんなさい。 あんまり美味しそうに食べるから
ミク:もう、ルカってば……
KAITO:…………
志歩:……ん?
志歩:カイトさん、どうしたんですか。 ひとりでそんな隅っこにいて
KAITO:あ……。 いや、特に何もないんだけど……
志歩:……?
KAITO:えっと……
KAITO:……打ち上げってどうすればいいか、わからなくて
志歩:え?
KAITO:あ、嫌だってわけじゃないんだけど、 ……ちょっと慣れないんだ
KAITO:——俺はひとりで楽器弾いてることが多いから。 みんなと一緒にいると、どうするのがいいのか たまにわからなくなって
志歩:そう……ですか
志歩:……でも、その気持ちちょっとわかります。 私も、ひとりでいることのほうが多かったですから
KAITO:……そうなの?
志歩:はい。 昔から自分のやりたいことは ひとりで黙々とやるタイプだったんで
志歩:まあ……誰かと一緒に何かやるのが 苦手だっていうのもありますけど
KAITO:そうだったんだ。 ……なんだかわかる気がするな
志歩:……本当は私も、大勢で騒ぐのって そんなに得意じゃないんです
志歩:でも、ここでの時間は……そうじゃなくって
KAITO:…………
KAITO:志歩にとって一歌達は、特別なんだね
志歩:……そうですね
志歩:——昨日ライブをやってる時も、 こうやってみんなとバンドをやってるのは、 本当は夢なんじゃないかって思ったりもしました
志歩:私はこういう性格で、 そのうえ、中学の時は一歌達と距離を置いてたんで
志歩:そんな自分が、今こうやってまた、 みんなと一緒にバンドを組めて、音楽ができるのは—— 夢みたいだな、って
KAITO:……そっか
咲希:し~ほ~ちゃんっ!! このポリポリ感を、しほちゃんもご賞味あれ~!!
志歩:わっ! ちょ、なに咲希……ポリポリ感?
穂波:咲希ちゃんが、新作のポリポリチップス、 志歩ちゃんにも食べてもらいたいんだって
志歩:なんだ、お菓子のことか……
リン:んん? カイト兄、しほっちとなんの話してたの?
KAITO:え……あ……。 なんの話って言われると……
リン:はっ! もしや、内緒の話だったり!?
KAITO:あ、いや、そういうわけじゃなくて……。 志歩の話をしてたんだ
一歌:志歩の話?
志歩:うん、そう。 昔は、こんな風にまたみんなでバンドできるなんて 想像もしてなかったなって話
穂波:昔って?
志歩:中学の頃だよ。 あの頃私は、ひとりでずっとベース弾いてたから
一歌:あ……
一歌:(中学の頃——)
一歌:(……あの時の……)
志歩:……一歌、穂波。 私、そんな顔させたいわけじゃないんだけど
一歌:あ……う、うん……
咲希:…………
咲希:——ねえ志歩ちゃん。 よかったら聞いてもいいかな? その時の話
志歩:え?
咲希:アタシ、中学の時は全然学校に行けてなかったから。 だから——知りたいなって思うの
咲希:志歩ちゃんがあの頃、どうしてたのか
志歩:咲希……
志歩:(あの頃の……私)
志歩:(でも、そんなの話したところで——)
ルカ:——よければ、私達も教えてほしいわ
ミク:そうだね。 志歩のこともみんなの昔のことも、聞いてみたいな
ミク:もちろん、志歩がよかったらだけど
KAITO:……うん。そうだね。 無理して話すことはないと思う
KAITO:ただ——いつか教えてもらえたら、俺も嬉しい
KAITO:昔の志歩達のことを教えてもらえたら、 もっと、みんなの力になれるんじゃないかなって ……そう思うんだ
志歩:…………
志歩:……そう、だね。 きっかけもなくて、ほとんど話せてなかったし
志歩:わかった。それじゃあ話そうか。 ——あの頃の話

第 3 话:私が選んだ孤独

2年前
宮益坂女子学園中等部 教室
志歩のクラスメイト達:みんな、お昼食べよー!
志歩のクラスメイト達:うん! あ……ねえ……日野森さんは誘わなくていいよね?
志歩のクラスメイト達:いいでしょ、誘わなくて。 あの子すぐに怒るし
志歩のクラスメイト達:ねー。この前もちょっと冗談言ってただけなのに、 友達を悪く言うなとか言いだしてさ
志歩のクラスメイト達:そうそう。 なんだっけ、望月さんとか星乃さんとかいう子が——
志歩:…………
志歩のクラスメイト達:な、なに急に……
志歩:——頼まれたってあんた達と一緒に お昼なんて食べないから
志歩のクラスメイト達:……何あれ! 感じ悪くない!?
志歩のクラスメイト達:ね! 信じらんない!
志歩:(……あの教室にいると、いつもイライラする)
志歩:(自分達と同じ考えじゃない人間は 邪魔者扱いされて……)
志歩:(……本当は、もうちょっと上手にかわせれば いいのかもしれない。でも——)
志歩のクラスメイトA:たまに別のクラスから日野森さんに会いに来てる子いるよね。 星乃さんだっけ? よく日野森さんとつきあってられるよね
志歩のクラスメイトB:ね。小学校からの幼馴染みみたいだけど……。 なんか、日野森さんと同類って感じするよね
志歩のクラスメイトA:あ、それちょっとわかるな。 ぶっきらぼうっていうか、周りのことどうでもいいっていうか
志歩のクラスメイトB:クールぶってるところがちょっと嫌だよね。 自分は他とは違うから馴れあわないぞ、みたいな感じしてさ……
志歩:(でも——無視できない。 一歌達のことよく知らないくせに、あんな風に言う奴ら——)
穂波の声:——わたしに、相談?
志歩:(! ……穂波?)
後輩:はい……。望月先輩にちょっと聞いてもらいたいことがあって。 ……いいですか?
穂波:うん。大丈夫だよ。 じゃあ、中庭で一緒にお弁当食べながら話そうか
後輩:あ……ありがとうございます!
志歩:(また吹奏楽部の後輩が教室に来てる。 ……穂波は優しいし、頼りになるからな)
志歩:…………
穂波:じゃあ一緒に……あれ? 志歩ちゃん?
志歩:(あ……まずい)
穂波:志歩ちゃん、一歌ちゃんから様子が変だって聞いたけど、 何かあったの? もし何か困ったことがあるなら 話を聞きたいなって思うんだけど……
志歩:……っ
志歩:——私に話しかけないで
穂波:え……?
志歩:これから用事あるんでしょ。 ……じゃあね
穂波:志歩ちゃん! あ……
志歩:…………はぁ
志歩:(……穂波、びっくりしてたな)
志歩:(でも……これでいいんだ。 こうしてれば、穂波や一歌には——)
一歌:あ、いた! 志歩!
志歩:……! 一歌……!
一歌:ねえ志歩、この前の『もう話しかけないで』ってどういう意味?
一歌:メッセージも読んでくれないし——。 咲希には、連絡してるの?
志歩:(咲希……)
志歩:…………
志歩:……『もう話しかけないで』っていうのは、そのままの意味
志歩:私、一歌達と遊んでる暇ないの
一歌:どうして、そんな急に……。 ちゃんと説明してくれないとわからないよ
志歩:説明することなんてない。 いいから、ついてこないで
志歩:——ついてきたら、本当に一生話さないから
一歌:……っ。志歩……!
宮益坂女子学園中等部 屋上
志歩:(……これでいい。 これで、間違ってない)
志歩:(一歌も、穂波も、すごく優しい。 これだけ冷たくしても私を気にかけて、話しかけてくれて——)
志歩:(だから…………迷惑かけたくない)
志歩:(私のせいで、ふたりに つらい思いさせることになるのは、嫌だ)
志歩:(咲希は——)
志歩:(咲希には、ふたりがいれば大丈夫)
志歩:(ふたりが笑顔でいられるなら—— きっと咲希は、笑ってくれる)
志歩:……それで、いいんだ
志歩:(……気持ちを切り替えて、ベースの練習しよう)
志歩:(ひとりの時間が増えるってことは、 練習に打ちこめる時間も増えるってことなんだから)
志歩:(プロのベーシストになるためにも、 1分でも1秒でも長く練習しよう——)
翌日 昼休み
志歩:……ふう
志歩:(屋上、蒸し暑くなってきたな)
志歩:(どこかの空き教室で弾けたらいいけど、 そんな都合のいい場所はないし)
志歩:(……仕方ない。日陰に移動しよう)
志歩:(ここなら大丈夫かな)
志歩:(よし。もう1回。 難しい曲だけど、焦らなければできるはず)
志歩:(……うん、いい調子。 このまま最後まで——)
???:楽器の、音……?

第 4 话:音が結ぶ出会い

宮益坂女子学園中等部 屋上
志歩:——よし。 初めて最後までミスしないでいけた
???:……すごい……
志歩:え? ……だ、誰?
???:あ……ごめんなさい、勝手に聴いちゃって
志歩:……別に、聴くのはいいけど……
???:そっか。 それならよかった
志歩:…………
???:…………
志歩:……まだ何かあるの?
???:あ、いや。 ただここでお昼食べようと思って
志歩:……あ、そ
志歩:(なんだか変な子だな。 ここでひとりでお昼食べる子なんていなかったし……)
志歩:(練習、しにくいな……。 かといって、他にできる場所なんてないし……)
志歩:…………
志歩:(……ま、邪魔になるわけでもなさそうだし、いいか)
翌日 放課後
宮益坂女子学園中等部 教室
志歩:(やっと授業が終わった。 今日も屋上でベースを——)
志歩:あ……
志歩:(一歌と穂波が教室の前にいる……。 あの感じ、私のこと待ってるみたい)
志歩:(……仕方ない。 後ろのほうからそっと出ていこう)
穂波:本当に、志歩ちゃんどうしたんだろうね
一歌:うん……。 理由も言わないなんて、志歩らしくないっていうか……
穂波:やっぱり何か困ってることがあるんじゃないかな。 わたし達に話せないような理由があるとか
一歌:……それなら、やっぱりちゃんと話したい。 志歩が困ってるのに何もできないなんて、嫌だ
穂波:うん、そうだね
志歩:…………
志歩:……ごめん。 一歌、穂波……
志歩:……はぁ
志歩:(……こうやって避けてることで、 ふたりにすごく心配かけてる)
志歩:(でも……)
志歩:(やっぱり、一歌達には迷惑かけたくない)
???:…………
志歩:(……また来た?)
志歩:(昼休みだけじゃなくて放課後もここに来るってことは、 部活もやってないのか)
志歩:(何しに来てるか知らないけど……まあ、いいか)
志歩:(……今は何も考えないで、 ——ベースに打ちこもう)
1週間後
???:…………
志歩:…………
志歩:(……ここのところ、ずっといるな)
志歩:(いい加減慣れてきたけど)
???:——あの
志歩:……え
???:あ、練習してるのにごめんなさい。 ちょっと聞いてもいいかな
志歩:いいけど……何?
???:……いつもひとりで弾いてるけど、 バンドとか、組んでないの?
志歩:組んでない
???:……どうして?
志歩:どうしてって……
志歩:……組む相手がいないから
志歩:……前は、組んでいいって言ってくれる子達もいたけどね
???:でも……ベースなんてひとりで弾いてても、 楽しくないんじゃない?
志歩:は? そんなことないから。 やった分だけちゃんとうまくなるし、やりがいもあるよ
志歩:それに、私はプロのベーシストになりたいから、 こういう練習は必要なの
???:……そういうものなんだ
志歩:そういうものなの
???:じゃあ——ひとりで寂しくはないの?
志歩:それは——
???:…………
志歩:……わからない。 でも——
志歩:ベースを弾いたり、音楽を聴いたりしてる時は、 不思議と大丈夫……な気がする
志歩:……話はそれだけ?
???:あ……うん
志歩:そう。 じゃあ私、練習に戻るから
???:…………
???:音楽——か

第 5 话:淡い期待

1週間後 放課後
宮益坂女子学園中等部 廊下
志歩:(今日も晴れてよかったな。 屋上、雨が降ると座れなくなるし)
志歩:(……ん? 屋上から何か聞こえてくる……?)
宮益坂女子学園中等部 屋上
志歩:——そのアコギ、どうしたの?
???:あ……。 先週買ってきたの
志歩:先週? なんでまた急に
???:この前、話を聞いて——
???:私も、音楽を始めたら、 寂しくなくなるんじゃないかって思って
志歩:…………寂しいの?
???:うーん……。 ちょっと違うかもしれないけど
???:私、ずっと転校ばっかりでさ。 この学校もいつまでいるかわからないから、 友達を作るのもなんか……面倒で
???:でもひとりでいるには時間が長すぎるなって感じるから。 だから買ってみたんだ
志歩:そう……
???:あ……でも、ここでギター弾いてると、うるさい?
志歩:それは…………
志歩:……まあ、別にいいよ。 好きに練習すれば
???:本当? ありがとう。助かる
未羽:あ……そういえば、名前言ってなかったね。 私、2年の高木未羽
志歩:……2年の日野森志歩
未羽:日野森さんか。よろしくね
志歩:うん……
生徒の声:一歌~! 今から帰るの~?
志歩:……!
一歌:あ、うん。 そっちは部活どうだった?
生徒:もうすぐ地区大会だから、先輩達気合い入っててさー! すごいスパルタだよ! 一歌も1回練習出てみてよ!
一歌:え……! わ、私はそういうのちょっと……
生徒:あはは! 冗談冗談!
一歌:ふふっ。もう、驚かさないでよね
志歩:…………
未羽:……あの子、友達?
志歩:——違うよ
志歩:…………。 ううん。友達、だった
志歩:でも、今は違う
未羽:……そう
未羽:——ベース、弾けばいいんじゃない?
志歩:え?
未羽:ベースを弾いてる時は、寂しくないって言ってたから
志歩:それは……
志歩:……うん。そうだね
志歩:——弾くよ
未羽:……う。指、痛……
志歩:……コード押さえる時は、 指の腹じゃなくて側面で押さえるといいよ
未羽:あ、ほんとだ。さっきより押さえやすい。 ありがと
志歩:
1カ月後
宮益坂女子学園中等部 教室
生徒:起立! 礼!
志歩:(……今日も行くか)
???:あ——2年の日野森さんだよね! 見つかってよかったー!
志歩:え? ええと……
軽音部部員A:あ、私達3年の軽音部なんだ!
志歩:軽音部? 軽音部はうちになかったはずじゃ……
軽音部部員B:つい最近立ち上げたんだ。 文化祭でバンド演奏したくって
軽音部部員C:でも入るはずだったベースの子が都合悪くなっちゃって……。 今、経験者を探してるんだ
軽音部部員A:そしたら噂で日野森さんが弾けるって聞いたんだよね。 私達と一緒にやってみない?
未羽:……あ。 もう下校時間か。帰らないと
志歩:…………
志歩:……あのさ
未羽:ん? どうしたの
志歩:明日からここ、来ないかも。 先輩達とバンドやることになったから
未羽:え……そうなんだ
未羽:よかったね、バンドできることになって
志歩:…………うまくやれるといいけど……
未羽:え? 何か言った?
志歩:……なんでもない。 じゃあね
未羽:あ……日野森さん!
志歩:……何?
未羽:——頑張ってね
志歩:……あ、うん
未羽:…………
未羽:……ひとりで弾くと、 ギターの音がよく聴こえるな
未羽:でもちょっと——静かすぎるかも
翌日
軽音部部員A:それじゃよろしくね、日野森さん!
志歩:はい。 よろしくお願いします
志歩:——じゃあ、早速合わせませんか。 文化祭まであと3カ月もないですし
軽音部部員B:あ、そうだね。 とりあえずやってみよっか!
軽音部部員A:はーい
志歩:(……経験者って言ってただけあって、悪くないな)
志歩:(今からしっかり詰めていけば、 文化祭当日にはもっと——)
軽音部部員A:うん! 日野森さんすっごくいいね!
軽音部部員B:だね! 一発で合わせられちゃうなんて思わなかったな
志歩:あ、どうも。 期待に応えられてよかったです
軽音部部員C:ていうか、これもう完璧じゃない? もう練習しなくていいかもね~
軽音部部員A:だね! ならいっそもう1曲増やしちゃう?
軽音部部員B:いいね! 賛成!
志歩:あ……ちょっと待ってください
軽音部部員A:ん? なあに?
志歩:今の演奏は、もう少し良くなると思うんです
志歩:ドラムのスネアにはもっと抑揚がつけられそうですし、 歌もキーボードも、サビに向けて盛り上げていけると思います
志歩:だからもう少し詰めていきませんか
軽音部部員A:あー……まあ、たしかにそうかもね
軽音部部員B:んー、じゃあとりあえずもう1回やってみる?
志歩:はい。 お願いします
1週間後
軽音部部員A:わー! ごめん、ミスっちゃった!
軽音部部員B:あはは、ドンマイドンマイ。 次頑張ろ!
志歩:…………
軽音部部員C:あ、もうすぐ下校時間だ。 片づけなくちゃね
軽音部部員A:そうだ、帰りにカフェ寄ってかない? 駅の近くに新しいのできたんだって!
軽音部部員B:いいね、行く行く!
志歩:……あの、せっかくですし、 もう少し練習していきませんか
軽音部部員B:え? でも音出せる場所なくない?
志歩:ここからちょっと歩きますけど、格安のスタジオ知ってるんで、 よかったらそこで——
軽音部部員A:んー……でもさ、たまには息抜きも大事じゃん?
軽音部部員C:そうそう。 練習が大事なのはわかるけど、そればっかじゃ疲れちゃうしね~
志歩:え……
軽音部部員A:だから日野森さんもカフェ行こうよ! どう?
志歩:あ……いえ。 私は大丈夫です
軽音部部員B:そう? じゃあ、また明日頑張ろうね!
軽音部部員C:またねー!
志歩:…………
志歩:(結局、まともに練習したのは初日ぐらいだ)
志歩:(家で個人練習しようって提案しても、 全然改善されてないし……)
志歩:(……どうすればいいんだろう)

第 6 话:黄昏に隠した願い

1週間後
宮益坂女子学園中等部 教室
軽音部部員A:あ、またミスっちゃった! ごめーん!
軽音部部員B:あはは、ほんとにそこ苦手だよねー。 あ、そういえばこの前、すっごくいいお店見つけてさ——
志歩:…………っ
志歩:……飲み物買ってきます
志歩:(……結局おしゃべりばっかりで、 全然まともな練習ができない)
志歩:(これで本当に、文化祭までに仕上げられるの……?)
志歩:あ……財布忘れてた。 取りに戻らないと
志歩:……ん?
軽音部部員C:実際うまいから言えないけどさぁ……。 日野森さんって、結構面倒臭くない?
軽音部部員A:ね。いつもピリピリしてるし。 なんか運動部の顧問みたい
軽音部部員B:まぁ真面目なんだろうけど、 こっちはプロになりたいとかじゃなくて、 文化祭で思い出作りたいだけだからな~
軽音部部員C:あはは、温度差ヤバいよね
軽音部部員A:ま、文化祭ももうすぐだし、 そこまで適当にうまくやってこうよ
軽音部部員B:だねー
志歩:——そういう考えでやってたんですか?
軽音部部員A:えっ……!
志歩:……私は先輩達も、ある程度ちゃんとした演奏をしたいっていう 気持ちなんだと思ってました
志歩:でも——そうじゃないんですか?
軽音部部員B:あーえっと、今のはちょっと口がすべったっていうか……
軽音部部員C:わ、私達だってやる気はあるよ? ただ日野森さんほど本気なわけじゃないってだけで……
志歩:……っ本気になれないとしても、 せめて直すべきところは直してください!
志歩:そうじゃなきゃ、 いい演奏なんて絶対にできません!
軽音部部員A:……何? その上から目線。 弾けるからって調子に乗らないでよ
志歩:
軽音部部員B:あ……そ、それはちょっと言い過ぎじゃない……?
軽音部部員A:だってこっちが誘ったのに、 上から目線で練習しろ練習しろって……。 何様のつもりって思わないの?
軽音部部員C:それは……まあ……
志歩:……っ
志歩:先輩達が思い出を作りたいって思うこと自体はかまいません。 ただ私は、練習で手を抜くことだけはやめてほしいんです
軽音部部員B・C:…………
軽音部部員A:……あーあ。 こんな空気になるなら誘うんじゃなかった
軽音部部員A:やっぱりこの話——なかったことにしてよ
志歩:……!
軽音部部員A:元々こっちはベース弾けるなら誰でもよかったし。 不満がある人にいてもらう必要ないから
軽音部部員B:う、うん……
軽音部部員C:そう、だね……。 日野森さんも、大変だろうし……
志歩:(……どうしていつもこうなるんだろう)
志歩:(日常生活は無理でも、 音楽でならもしかしたらって思ったのに——)
志歩:……わかりました
志歩:短いあいだですけど、 お世話になりました
宮益坂女子学園中等部 屋上
未羽:……あれ? 久しぶりだね、日野森さん
未羽:文化祭まであと少しだね。 バンドの練習は、順調?
志歩:——辞めてきた
未羽:え?
志歩:辞めたっていうか、 追い出されたんだけどね
未羽:追い出された……どうして?
志歩:あの人達と合わなくて。 やりたいこととか、音楽に対する姿勢とか……
志歩:……まあ、あの人達とじゃなくても、 きっと合わないんだろうけど
志歩:——やっぱり私、バンド組んで 誰かとやるのは向いてないんだろうな
未羽:…………
???:穂波!
志歩:あ……
穂波:一歌ちゃん、今日は委員会だったの?
一歌:うん。 穂波は部活? 今日はどうだった?
穂波:あ、後輩の演奏がすごく良くなってたんだよ。 相談に乗ってもらったからですって言われて、嬉しかったな
一歌:本当? よかったね、穂波
穂波:うん、そうなんだけど……
一歌:志歩のこと、だよね
志歩:…………
志歩:(……やっぱり、駄目なんだろうな)
志歩:(私が自分を曲げられないなら、 きっとこれからも同じようなことがおこる)
志歩:だから——
志歩:私は、ひとりでいたほうが、いいんだろうな
未羽:…………
未羽:それは……わからないんじゃないかな
志歩:え?
未羽:日野森さん、ひとりだと寂しそうだしね
志歩:……! そんなこと……
未羽:今だって、寂しそうな顔してるよ。 ……あの子達、日野森さんの友達なんでしょう?
志歩:…………
未羽:——私ね、最初は自分がなんでここに毎日来て ギター弾いてるのか、よくわかってなかったんだ
未羽:日野森さんに会った時も、 時間をつぶすためになんとなく屋上に来てたんだけど——
未羽:ひとりでベースを弾いて、平気な顔してる日野森さんが、 すごくかっこよく見えた
未羽:……音楽があればひとりでも大丈夫な気がするっていうのは、 本当だなって思ったよ
未羽:ギターを弾いていると、心が落ち着くしね。 日野森さんがいなくなってからもそれは変わらなかった
未羽:だけど——それでもやっぱり、私はここに来ちゃう
未羽:やっぱり……ひとりが寂しいんだろうね
未羽:日野森さんも、そうなんでしょう? 本当は誰かと——あの子達と、一緒にいたいんだよね
志歩:……でも……
志歩:それは……無理だから……
未羽:……そうかもね
未羽:でも——だからって諦められる?
志歩:え?
未羽:誰かとバンドをやることも、あの子達と一緒にいることも、 ……本当に諦められるの?
志歩:それは……
一歌:あ、志歩! クラス分け見た? 1年からみんな同じクラスだよ!
穂波:みんな一緒でよかった……! よろしくね、志歩ちゃん!
咲希:これから、みーんなで一緒に青春しようね! しほちゃんっ!
志歩:…………それは……
未羽:……私はね。私達は、前に進むしかないって思うんだ。 いつか“そうじゃなくなる日”がくるかもしれないって信じて
未羽:私が屋上に来て、ギターを始めたみたいに。 日野森さんがバンドを組んだみたいにさ
未羽:少しずつ、変わっていくしかないんだって思う
志歩:…………
未羽:——私、来月転校するんだ
志歩:え……
未羽:慣れてるから、そこまでショックはなかったよ。 それに——
未羽:音楽があれば大丈夫だって、今は思えるから。 だから大丈夫
志歩:…………
未羽:次の学校ではね、もうちょっと頑張ってみようと思うんだ
未羽:寂しくなったらギターを弾いて、また頑張ってみて……。 それでうまくいくかもしれないし、いかないかもしれない
未羽:でも、諦めないで——やり続けてみようと思う
未羽:だから日野森さんも……。 頑張れるといいね
未羽:——それじゃあ。また
志歩:あっ……
志歩:…………
志歩:——ねえ!
未羽:……? 何?
志歩:……ありがとう
未羽:…………。 こっちこそ、ありがとう
志歩:……誰かと一緒に——
志歩:みんなと一緒に……か
志歩:(……そんなの、無理に決まってる)
志歩:(だけど——)
未羽:でも——だからって諦められる?
志歩:…………。 諦められたら、いいのに
志歩:(——ベースを弾こう)
志歩:(私はまだどこにも進めないし……戻れない)
志歩:(だからただ、今は——弾き続けていこう)

第 7 话:諦めきれない願いがあったから

教室のセカイ 屋上
志歩:……そんな感じ。 これで、中学の時の話はおしまい
一歌:(……見てたんだ……)
一歌:(志歩は……私達を、屋上からずっと——)
一歌:(それなのに私は、何もできなくて——)
穂波:……っ
咲希:志歩ちゃん……
志歩:みんな、さっきも言ったでしょ。 そんな顔させたいわけじゃないって
一歌:だけど……!
一歌:だけど私は、志歩の気持ちなんて、 全然知らないで……
穂波:……咲希ちゃんみたいに、もっとちゃんと、 志歩ちゃんとぶつかって、話せてたら……
穂波:志歩ちゃんに、そんな寂しい思いさせずに済んだのに……!
咲希:それは違うよほなちゃん!
咲希:だって……アタシが一番、何もできなかったんだから……
志歩:だからそんなに落ちこまないでよ。 私が言いたいことは、その……
KAITO:きっと——『諦めなくてよかった』ってことだよね
一歌:え?
志歩:……うん
志歩:あの日の私は、どうしても諦められなかった
志歩:みんなから離れなくちゃって思ってたのに、 みんなと一緒にいることを、どこかで諦められなかった
志歩:そのせいでずっと苦しかったし、 また迷惑をかけちゃうんじゃないかって怖かった。 でも——
志歩:その苦しみをちゃんと抱えて、諦めなかったから 一歌と咲希にバンドに誘ってもらえて……。 こうやって今、みんなとバンドを組めたんだと思う
志歩:だから——音楽も、みんなのことも、 諦めなくてよかったなって思うんだ
穂波:志歩ちゃん……
KAITO:……ふふ
KAITO:音楽に——みんなに出会えてよかったね。志歩
志歩:……はい
咲希:……アタシも、今バンド組めて すっごくすっごく嬉しいよ! しほちゃんっ!
穂波:うん……! わたしも……っ!! う……っ
一歌:ちょ、ちょっとふたりとも、 そんなに泣きそうにならないでよ
一歌:わ、私もこういうのつられちゃうから……う……
志歩:ふふっ……。 みんな、すごい顔になってるよ?
咲希:だ、だっでぇ~!!
穂波:ふふっ
穂波:そういえば……その、屋上にいた高木さんっていう子は、 そのあとどうしてるの?
志歩:……実は知らないんだ。 本当に、屋上で会うだけの仲だったから
志歩:結局、最後までお互いのクラスも聞かなかったしね
一歌:そうなんだ……
咲希:もし会えたら、ありがとうって言いたいね! しほちゃんに『諦めないでがんばって』って 言ってくれた人だもん!
一歌:うん、そうだね。 ……今も、ギターやってるのかな?
志歩:どうだろうね。 もしかしたら、全然別のことしてるかもしれないし
一歌:まあ、それはそうだよね……
ミク:——でも、音楽でつながれた子なら、 きっと今もどこかで、つながってるんじゃないかな
志歩:音楽で……
ミク:うん。私はそう思う
志歩:……ふふ。それもそうだね。 ありがとミク
志歩:どこかでまた、会えるといいな
スクランブル交差点
咲希:ふぃ~! いっぱい食べたね~!
一歌:志歩の話も聞いて、 結局1日中打ち上げやってる感じになっちゃったね
志歩:本当は次のライブの打ち合わせする予定だったのに……。 明日は今日の分もやるからね?
穂波:うん。次のスケジュールもまかせて!
志歩:ふふ、頼りにしてるよ
一歌:あれ……? 誰か弾き語りでもしてるのかな
咲希:あ、本当だ! 女の子が弾いてるみたい!
穂波:アコースティックギターみたいだね
志歩:アコギで……?
志歩:……あ……
志歩:あの子は……

第 8 话:進んだ先にあった『今』

スクランブル交差点
未羽:♪————
志歩:…………
一歌:……いい歌だな
穂波:うん。 温かくって、すごく心にしみるね……
咲希:うう……なんだかウルウルしちゃうよ~!
志歩:…………
志歩:(優しい、音)
未羽:♪————……
未羽:……今日はありがとうございました
穂波:あ……今のが最後の曲だったみたいだね
咲希:え!? もっと聴きたかったなぁ
一歌:そうだね。 次はいつやるんだろう?
未羽:……ふぅ
志歩:あ……ねえ……!
女の子A:未羽! 今日もすごく良かったよ!
女の子B:ここでライブするの初めてなのに、 お客さん結構いたね!
志歩:あ……
未羽:ふたりとも、また来てくれたの?
女の子A:当然! 親友として未羽のライブには全通する勢いだよ!
未羽:はは、全通って。 大げさだな
女の子B:また腕上げたんじゃない? プロにスカウトされる前に、やっぱりサインもらおうかなぁ
志歩:…………
一歌:志歩? どうかしたの?
志歩:……ううん、なんでもない
志歩:(そっか……)
志歩:(高木さんも、諦めなかったんだね)
志歩:——よかったね
咲希:今の歌、なんていうんだろう? オリジナルかな?
一歌:ああいう曲、私達も作ってみたいよね
穂波:うん、わたしも……! 志歩ちゃんはどう思う?
志歩:あ……うん。 私もすごく良かったと思うから——
未羽:——あれ?
未羽:あの子達は……
女の子A:ん? 未羽、どうしたの?
未羽:…………。 ……ううん、ちょっと知ってる人に似てるような気がして
女の子B:ふーん。友達?
未羽:……友達?
未羽:——うん。そうだね
未羽:初めての友達——だったんだと思う
未羽:……よかったね、日野森さん
翌日
教室のセカイ
志歩:穂波、今遅れたよ!
穂波:あ……ごめん! もう1回やらせて!
志歩:わかった。頭からやろう。 咲希も少し走ってたから気をつけて
咲希:え? 今アタシ、走ってた? 全然わかんなかったよ~
志歩:それなら録音してたから、聴くといいよ。 ……ほら、ここ
咲希:あ、ホントだー! しほちゃんよくわかったね!
志歩:まあ、これくらいはわからなくちゃね。 一歌も、もう1回いい?
一歌:うん!
ルカ:あらあら、今日はいつになく熱い練習ね
ミク:うん。志歩のテンションに、 みんな引っ張ってってもらってるみたい
リン:よーっし! あたしもテンションあげちゃうぞー!
レン:リンはいつでも上がってるだろ
MEIKO:あはは、そうだねえ
KAITO:…………
志歩:一歌! サビ、もっと声出せるでしょ
一歌:うん! もう1回お願い!
穂波:それじゃあいくよ! ワン、ツー、スリー、フォー……
KAITO:(……誰にだって過去は変えられない。 その時感じた痛みも、なかったことにはできない)
KAITO:(思い出すたびに苦しくなることだって……きっとある)
KAITO:(でもその痛みがあったから、 志歩は今、この時間を幸せだって強く感じてる)
KAITO:(……そんな気がする)
志歩:——今のは良かった。 それじゃ忘れないうちに、もう1回やるよ!
みんな:『うんっ!』
KAITO:——本当によかったね、志歩