活动剧情
Live with memories
活动ID:56
第 1 话:次のステップへ
ライブハウス
一歌:——ありがとうございました!
バックステージ
咲希:ふぃ~! みんな、お疲れさまっ!
一歌:うん、お疲れさま。 今日はお客さんの反応、すごく良かったね
穂波:みんなリズムにのってくれてたよね。 すごくライブって感じがしたなぁ
志歩:ああいう風にテンション上げてくれると、 やっぱり嬉しいね
咲希:うんうんっ! アタシもあれ見て、テンション上がっちゃったよ~♪
咲希:特に前列の人達なんて、すっごく楽しそうだったし!
一歌:あ……もしかしてそれって—— 男の子と女の子のふたり組じゃない?
咲希:そうそう! その人達!
穂波:その人達、最近いつも前列にいるよね。 今日もドラムをセットする時にちょっと目が合ったよ
志歩:私達の番が来ると、すぐ前に来てくれるんだよね
一歌:やっぱりみんなも覚えてたんだ
咲希:女の子は中学生くらいだけど、 男の子のほうはアタシ達と同じくらいだよね。 友達……なのかな?
穂波:きょうだいだと思うよ。前のライブのあと、 女の子のほうが『お兄ちゃん早く』って呼んでたから
志歩:ああ、言われてみれば雰囲気似てるかも
咲希:いつも一緒にライブに来るなんて すごく仲良しなきょうだいなんだね~!
穂波:ふふ、咲希ちゃんと司さんみたいだね
咲希:たしかに! なんだか親近感わいてきちゃった♪
一歌:あ……!
志歩:どうしたの?
一歌:あ、いや……。 ライブに来てくれて、 しかも前列で乗ってくれてるってことは……
一歌:あの人達って、私達のファンなのかな……って思って……
志歩:……いやまあ、ファンっていうか——
咲希・穂波:『たしかに……!』
志歩:え?
穂波:そうだよね……! わざわざ何回も聴きに来てくれるっていうことは、 ファンになってくれたっていうことだよね……!
咲希:すごーい! ついにアタシ達にもファンができたんだ!
一歌:うん……! 嬉しいな……!
志歩:いや、そもそもプロになろうって思ってやってるんだから、 固定のお客さんがつかないと何も始まらないっていうか……
志歩:……ま、いいか
穂波:これからも聴きに来てもらえるように頑張りたいね
咲希:うんっ! がんばろーうっ!
志歩:じゃ、反省会で次のライブの日程についても話そうか。 それと——
志歩:今後の活動についても、少し相談したいな
一歌:今後?
志歩:そう。これからバンドとして どういう展開をしていくかっていう話
咲希:おお~! なんだかおもしろそうっ!
志歩:ま、詳しい話はあとでね。 今は他のバンド見て勉強するのが優先
一歌:うん!
一歌:(これからバンドとして、 どうしていくか……か)
一歌:(最初はライブをやっても、 あんまりいい反応はもらえなかったけど——)
一歌:(今は聴きに来てくれる人が増えて、 少しずつだけど、成長できてる気がする)
一歌:(これからバンドとしてどう成長していけるかは まだわからないけど……)
一歌:(——これからもみんなと、一歩ずつ進んでいきたいな)
ファミリーレストラン
咲希:みんな、今日もお疲れさま! というわけで……かんぱーいっ!
一歌・穂波:『かんぱーい!』
咲希:それでしほちゃん先生! さっき言ってた、これからの展開って!?
志歩:近い近い。 あと、まずは今日の反省会でしょ
一歌:でも、私も早く聞きたいな。 志歩はこれからどうしようって考えてるの?
志歩:……はぁ。じゃあ、先に話そうか
穂波:ありがとう、志歩ちゃん!
志歩:まず現状の確認からね
志歩:今私達は、安定した演奏ができるようになって、 ライブも定期的にできて、 チケットノルマもある程度さばけてる
志歩:それを踏まえると—— そろそろ次のステップに進むタイミングだと思うの
一歌:次のステップっていうと……
志歩:今までは自分達の力をつけるために練習をして、 ライブに出て場数を踏むことを重視してきたけど
志歩:これからは、私達のことをもっと多くの人に 知ってもらうためにどうすればいいか、 考えていったほうがいいってこと
咲希:ふむふむ……
志歩:もちろん、今までやってきたことも ちゃんと継続しながらだけどね
穂波:そういえば、プロになるルートを説明してくれた時に言ってたね。 ライブで動員数を増やしていけば、 レコード会社にスカウトしてもらえるかもしれないって
咲希:あ、覚えてるよ! 動画サイトに曲をアップするのもいいって言ってた!
志歩:うん。プロになるにはいろんな道があるけど……。 いずれにせよ、できるだけたくさんの人に 聴いてもらえたほうがいいからね
志歩:活動するライブハウスを増やしたり、 バンドのアカウント作って動画をアップしたり……。 やりかたはいろいろあると思う
咲希:おお~! ついにLeo/need公式アカウントが誕生しちゃう!?
一歌:公式も何も、って感じだけど
穂波:もしアカウントができたら、 今までの曲もアップしてみたいね
一歌:あとは……みんなで路上ライブしてみるとか、かな。 ドラムのセッティングが大変そうだから、 難しいかなって思ってたんだけど……
志歩:進めかたを考える必要はあるけど、やってみてもいいかもね
穂波:一歌ちゃんもいろんな人に聴いてもらって、 すごく上手になってるもんね
咲希:なんだかワクワクしてきた~! じゃあ、次はこういうのやるのはどうかなっ?
一歌:……ふふっ
一歌:(みんな楽しそうだな)
一歌:(それに……ここからまた、みんなと一緒に もう一歩先に進めるって思うと、嬉しいな)
一歌:(——よし。 私達のことをたくさんの人に知ってもらえるように頑張ろう!)
一歌:(あ、でも、ただ知ってもらうだけじゃなくて……)
一歌:(……今、私達の演奏を聴いてくれてる人達のことも、 ちゃんと大事にしていきたいな)
咲希:みんな、お疲れさまー!
穂波:お疲れさま! 今日は反省会だけじゃなくて、 いろんなアイディアが出せてよかったね
志歩:うん。次は具体的に、やることの候補を絞っていこうか
咲希:はーい!
咲希:じゃあ、そろそろ帰る? 次のライブも近いし、しっかり休まなきゃ!
志歩:あれ、珍しいじゃん。 いつもはもう少し遊びたがるのに
咲希:ふふーん、だってファンが楽しみにしてくれてるかもだし! いい演奏しなきゃな~って思って!
一歌:ふふっ……そうだね。 みんな、次も頑張ろう!
2週間後
一歌:——♪ ——♪
一歌:(……今日はいつもよりお客さんが多いな。 喉の調子もいいし、後ろのほうまで声が届くように——)
一歌:♪————っ! ————っ!
一歌:(あ……。あのふたり、今日も来てくれてる。 嬉しいな)
一歌:(……あれ? でもお兄さん、なんだか元気がないような……)
ライブ後
ライブハウス前
穂波:お疲れさま。 一歌ちゃん、今日すっごくパワフルだったね!
咲希:うんうん! 後ろで聴いててもビリビリしちゃうくらいだったよ!
一歌:うん、ありがとう
志歩:ん? どうしたの一歌? 何か考えごと?
一歌:あ、別に大したことじゃないんだけど……
一歌:……今日も、あのふたりが来てたでしょ?
咲希:あ、来てたね! 今日も前列に来てくれて嬉しかったな!
一歌:うん……。 でも、ちょっとお兄さんのほう、元気がなさそうだったんだよね
穂波:そうだったの? 楽器の陰になってて、よく見えなかったな……
咲希:ん~、何かあったのかな?
???:——お兄ちゃんのバカっ!!
一歌:い、今の声……なんだろう?
志歩:喧嘩かな? たまに店の前で揉めるバンドマンもいるし……
穂波:でもあの声、どこかで聞いたことがあるような——
一歌:あ……!
第 2 话:離れ離れの兄と妹
第 3 话:私達にできること
第 4 话:向きあう勇気
第 5 话:言葉を届けるために
一歌の部屋
一歌:…………
葉太:会わない……ように……
花乃:いつかは絶対に離れなくちゃいけない時がきて……。 ……今がきっと、その時なんですよね……
一歌:(……少しだけでもいい)
一歌:(大事な人と、離れ離れになる……あのつらさを、 和らげられるように——)
一歌:……よし
一歌:(……最後まで書けた……けど)
一歌:(なんだろう……違う気がする……)
一歌:(この言葉じゃ足りない……。 そんな気がする……)
一歌:……もう一度、最初から書いてみよう
一歌:…………
1週間後
教室のセカイ
ルカ:今のは良かったわね。 息も合っていたし、勢いもあったわ
MEIKO:うん! バッチリだね
志歩:ありがとうございます。 ミクも、一歌の代わりありがとう
ミク:どういたしまして。 ところで……
一歌:……これも違う……
ミク:……一歌、新曲の歌詞作り、随分悩んでるね
レン:練習時間も歌詞作りに割いてるぐらいだしな。 ……次のライブ、もうすぐなんだっけ?
咲希:うん、そうなんだけど……。 なかなかできないみたいなの
穂波:『今すごく悲しんでるふたりに、 この言葉は届かない気がする』って……
リン:うーん、どうすればいいんだろ~?
KAITO:……何か、アドバイスできたらいいんだけど
ルカ:『会えなくなることを悲しんでるふたりに、 今の言葉は届かない気がする』…………
ルカ:……なるほどね。 なら、この問題は案外簡単に 解決できるかもしれないわ
咲希:え……!?
リン:ホントッ!? ルカ姉天才じゃーんっ!
レン:わ! 急にそばで大声出すなよな!
ミク:それでルカ、どうすればいいの?
ルカ:ふふ。 それは——悩んでいる一歌に話さないとね
一歌:……駄目だ。 これも、違う……
ルカ:——お疲れさま、一歌
穂波:一歌ちゃん、大丈夫?
一歌:あ……うん。ありがと。 みんな、練習は?
ルカ:今休憩に入ったのよ。 それより……歌詞作り、うまくいっていないみたいね
一歌:……うん。ごめん。 何度も書き直してるんだけど、どうしても届く気がしないんだ
一歌:本当に悲しい時って、 どんな言葉も、なかなか耳に入らなかったなって思いだして……
ルカ:…………悲しい、ね
ルカ:ねえ一歌。 ひとつ聞かせてちょうだい
ルカ:一歌は、すごく悲しかった時、 どんなことに心を支えられたかしら?
一歌:え……心を?
ルカ:ええ。 思い出してみて
ルカ:咲希や穂波や志歩と、 うまく話せなかった頃のことを——
咲希:アタシ達と話せなかった頃……?
一歌:……あの頃は……
一歌:私は……よく、ミクの歌を聴いてたな
ミク:ふふっ。前にもそう言ってたね
咲希:あ! じゃあその時聴いてた曲にヒントがあるとか!?
一歌:聴いてた曲は、たくさんあるけど……
一歌:でもジャンルも、詞の雰囲気もバラバラだったし、 それに似せればいいのかっていうと……
ルカ:じゃあ——曲を聴きながら、 一歌はどんなことを考えていたの?
一歌:どんなことを?
一歌:えっと……、 ミクは自由でいいなっていうことと……あとは——
一歌:……この曲は、可愛い感じだから、 咲希が気に入りそうだなとか
一歌:穂波はこういうキラキラした音が好きだから、 吹奏楽部でウィンドチャイムを任された時 喜んでたな……とか
一歌:あとは……これはベースが目立つ曲だから 志歩が弾いたらかっこいいだろうけど、 一緒にやったらまたすごい特訓になるんだろうな……とか
一歌:——そういうことを考えてた気がする
ルカ:ふふっ。 やっぱり、みんなのことを考えていたのね
一歌:あ……うん
ルカ:じゃあ咲希は、どんなことに心を支えられた?
咲希:え? アタシですか?
咲希:アタシは……アタシも、みんなのことを考えてたな
咲希:みんなのこと思い出すと、会えなくて悲しかったけど……。 でも、みんなとの楽しい思い出があるから、 早く会えるようにがんばろうって思えたんだよね
一歌:私達との、思い出——
一歌:あ……!!
リン:何かわかったの、いっちー!?
一歌:うん! 多分……!
咲希:なになに!? 今ので何がわかったの?
一歌:ええと……今咲希が言ってたけど……
一歌:大事なのは——楽しかった時の思い出なんだと思う
志歩:思い出?
一歌:うん。みんなと出会えたからできた、 楽しい……幸せな思い出
一歌:それが、私の心の中にずっと残ってて……。 ミクの歌を聴くと、いつも思い出せたんだ
一歌:すれ違ってた時はたしかにつらかったけど、 でも幸せな思い出があったから、私はずっと もう一度みんなで……って思えてた気がする
穂波:一歌ちゃん……
志歩:幸せな思い出……か
志歩:……そうだね。楽しかったからこそ苦しかったけど、 ——それがあったから諦められなかった気がする
穂波:…………
穂波:わたしは……思い出しても、何もできなかったな……
穂波:もう戻れないんだって思うとつらいばっかりで……。 みんなとの思い出を、大事にできてなかった気がする……
一歌:穂波……
MEIKO:——そんなことないんじゃない?
MEIKO:穂波だって、みんなとの思い出がすごく幸せだったから、 もう一度みんなとバンドをやろうって思えたんじゃないかな
穂波:メイコさん……
一歌:……そっか。 みんなも、そうだったんだね
一歌:(大切な人との別れは、どうしたってつらい)
一歌:(でも、一緒にいられたからできた幸せな思い出は、 きっと……心を支えてくれる)
一歌:(そうして——いつか未来につながるんだ。 私達が、また一緒になれたみたいに)
一歌:……今なら、作れそうな気がする
一歌:……みんなごめん、私、先に帰るね! 部屋で集中して書きたいから!
穂波:あ、一歌ちゃ……!
穂波:……帰るならスマホを使わなきゃいけないのに、 走って行っちゃった……
志歩:あ、廊下で気づいて押したみたい
志歩:……ふふ、なんだか昔の一歌っぽいな
KAITO:……あの感じが、昔の一歌なの?
咲希:はい! 小学校の時とか、教室にダダダダーって 駆けこんできて——
穂波・志歩:『ミクの歌ってるこの曲、みんなでやろう!』
志歩:——って言い出して、ミクの歌を急に流し出したんだよね。 懐かしいな
ミク:そうだったんだ……
ミク:……一歌はそんなに昔から、 私と出会ってくれてたんだね
穂波:……一歌ちゃんが頑張ってくれてるなら、 わたし達も、すぐ曲を作れるように用意しておきたいね
咲希:だね! 今からいっぱいアイディア出しておこう!
穂波・志歩:『うん!』
第 6 话:幸せな思い出
一歌の部屋
一歌:……この表現は違う。 もっと——
一歌:(ふたりが離れ離れになっても、 幸せだった頃の記憶を、ちゃんと思い出せるようにしたい)
一歌:(……私はあのふたりのことを知らない)
一歌:(でもきっと、幸せな思い出がたくさんあると思う)
一歌:(私は——みんなとの思い出があったから、ここまでこれた)
幼い一歌:咲希? どうしたの?
幼い咲希:……えへへ。 ずーっと、こんな風だったらいいなあって思って
幼い咲希:みんなで遊んで、たっくさんおしゃべりして、 帰り道に星見たりして……
幼い咲希:そんな風に、ずーっと みんなと一緒にいられたらいいなあって
幼い一歌:……そうだね、私もそう思う
幼い穂波:わたしも
幼い志歩:……うん
一歌:(あの時の、キラキラした思い出があったから、 私達はまた一緒になれた)
一歌:(ふたりは、今は離れ離れになる道しかないのかもしれない。 だけど——)
一歌:(幸せだった思い出を抱いて前を向けば、 いつかきっとまた、一緒に笑いあえる日がくる)
一歌:(そう思えるような曲を——届けたい)
一歌:ここは……『あなたへ』より、『あなたに』が いいな……
一歌:(……1番はこれでいけそう。 少し休憩してから、2番を書こう)
一歌:(あ、でもその前に、1番の歌詞に変なところがないか、 もう一度見直しておこうかな)
一歌:……『出会えた幸せを、数えて』……
一歌:そういえば……
一歌:(みんなと出会えたことが、 私にとっては一番の幸せだけど)
一歌:(昔——同じくらい、幸せな出会いがあったな)
幼い一歌の声:……どうしよう
幼い一歌の声:(お父さんのタブレットいじってたら、 よくわからない動画に飛んじゃった……)
幼い一歌の声:(この緑の髪の子、誰だろう?)
幼い一歌の声:(あ、曲が始まった……。 全然知らない曲だけど……)
ミク:♪————————!
幼い一歌の声:……! わぁ……! すごい!
一歌:(興奮してそのまま夜になっても眠れなくなっちゃって……。 結局次の日寝坊しかけたんだよね)
一歌:(それで急いで学校に行って、 咲希達にこの曲をみんなで演奏しようって持ちかけて……)
一歌:……ふふ。懐かしいな
一歌:(ミクの歌に出会って……。 それから、セカイでもミクに会えて……)
一歌:(……ミクがいなかったら、 今の私達は、きっとずっと違った形になってたんだろうな)
一歌:(ミクとの出会いは、 本当に、大事な大事な……)
一歌:(——そうだ。 この想いも、詞にこめてみよう)
一歌:(出会えた幸せと——これからもずっと一緒に 歌いたいっていう気持ちを)
朝
一歌:……できた……
一歌:(ルカのアドバイスのおかげだな。 よかった……)
一歌:(う……。 安心したら、眠くなってきちゃった……)
一歌:(今日は朝からセカイで練習する約束だけど……。 少し仮眠をとったほうがいいかな)
一歌:(——ううん。やっぱりこのまま練習に行こう。 すぐに曲をつけて、練習を始めなきゃいけないんだから)
一歌:(それに……。 早くみんなの感想も聞いてみたいし)
一歌:(……この曲が、ふたりの悲しい気持ちを、 少しでも和らげてくれたらいいな……)
教室のセカイ
一歌:(……集合時間の前だし、 まだ誰も来てないみたいだな。ミク達も……あれ?)
ミク:…………
一歌:……ミク、座ったまま寝てる……
一歌:(あ、うしろの黒板—— 曲のアイディアがいっぱい書いてある)
一歌:(もしかして……私が帰ったあと、 みんなと考えてくれたのかな)
一歌:……ありがとう、ミク
咲希:おっはよー!!
一歌:わっ!
ミク:ひゃっ! び、びっくりした……!
咲希:あ、いっちゃんとミクちゃんだ! おはよーっ! ふたりとも早いね~!
咲希:しほちゃん、ほなちゃん! いっちゃんもう来てるよ!
志歩:本当? ずいぶん早くない?
穂波:もしかして一歌ちゃん、徹夜したの? 体調は大丈夫?
一歌:うん。むしろちょっと元気なくらいかな
リン:あー! 声がするって思ったら、 みんなもう集まってるじゃんっ!
レン:朝から元気だなぁ
KAITO:……元気なのは、いいことだと思う
MEIKO:お、カイト、後ろのほうちょっと寝ぐせついてるよ?
KAITO:え……
ルカ:それで——歌詞のほうは、どう?
一歌:……うん! できたよ!
一歌:だから改めて——みんなに見てほしいな
一歌:(……どうしよう。 みんなずっと黙ってるけど……)
一歌:(もしかして、あんまり……)
穂波:……っ
一歌:……え!? 穂波、大丈夫!?
穂波:あ……! ごめん、大丈夫だよ。 その……バンドを組むまでのこと、少し思いだしちゃって……
志歩:……私も、自然と中学の時のこと考えてた
咲希:うん……
咲希:アタシも、会えなくって……。 でもみんなとまた一緒になれた時のこと思いだして……
咲希:——ありがとう、いっちゃん。 すっごくすてきな歌詞を書いてくれて
一歌:……! よかった……!
一歌:ミク達はどうだった?
一歌:あ……
ミク:……いい歌詞だね、一歌……
一歌:ミク……
リン:わ! ミクぴょん、大丈夫~!? レン、ハンカチハンカチ~!
レン:ちょ、リンは持ってないのかよ! あ、オレもあっちの教室に置いてきたな……
ルカ:ふふ、はい、ミク。 これを使って
ミク:あ、ありがと……
ルカ:……とてもいい歌詞だったわ、一歌。 悲しみに寄り添う、あたたかくて優しい歌ね
一歌:……ありがとう、ルカ!
咲希:よーっし! それじゃあすぐに曲、作っちゃおう!
咲希:この歌詞なら、昨日考えたメロディーが合いそうだから…… こんな感じはどうかな?
穂波:すごくいいと思う! あ、でも……もうちょっとスローテンポでもいいかも
志歩:そうだね。しっとり聴かせる感じにしたほうが この歌詞には合いそうだから、音もシンプルにして——
一歌:あ、じゃあこういうのはどうかな?
一歌:……できた
咲希:これ——すっごくいい曲じゃない!?
穂波:うん……! 一歌ちゃんの作ってくれた歌詞にぴったりだし、 イントロから胸がギュっとするし……!
咲希:もしかしたらアタシ、 弾きながら泣いちゃうんじゃ……!?
志歩:それは我慢して
一歌:ふふっ。 ……納得できる曲ができて、よかった
一歌:あ……。 あはは……お腹なっちゃった
穂波:お昼も食べないで、ずっと作ってたもんね
ミク:ふふ。みんな、お疲れさま!
レン:短時間で、こんなにいい曲ができるなんて思わなかったな。 みんなすごい集中力だったし
MEIKO:うん。みんなの本気が伝わってきたよ
一歌:ありがとう、みんな
一歌:……実は歌詞を書いてる途中、 ミク達のことを思い出してたんだ
ミク:え、私達のこと?
一歌:うん。咲希達と出会えたことは、 私にとってすごく幸せなことなんだけど——
一歌:同じくらい、 ミク達と出会えてよかったなって思ったんだ
一歌:ミク達のおかげで、いろんな音楽を知って、 私の世界はすごく広がったから
一歌:それで今はみんなとバンドを組んで、 4人でプロを目指せてる
一歌:ミク達がいなかったら、今の私はいなかったよ
一歌:……本当にありがとう、ミク。みんな。 私と出会ってくれて
一歌:こんな出会い—— 生まれ変わったってあることじゃないよね
ミク:一歌……
ミク:……一歌って、たまに急にかっこよくなるよね
咲希:あ、それわかる! イケメンいっちゃんが降臨する時あるよね!
一歌:えっ!?
KAITO:……俺も、そう思う……
ルカ:ふふっ
ルカ:あとは——この曲が、花乃ちゃん達に届くといいわね
一歌:——うん!
第 7 话:最後のライブ
ライブ当日
教室のセカイ 屋上
一歌:(……はぁ。緊張して早起きしちゃった)
一歌:(なんだかソワソワして、こっちに来ちゃったけど……)
一歌:(……ふたりとも、ライブに来てくれるといいな)
???:——一歌? こんな早くにどうしたの?
一歌:あ……
一歌:今日は約束の日だから、ちょっと緊張しちゃって。 気分転換に来たんだ。 ここにいると、気持ちがシャキっとするから
ミク:そうだったんだ。 ……で、ちゃんとシャキっとできた?
一歌:……実はまだ、ちょっと不安かも
一歌:歌詞も曲も、みんなのおかげでいいものができたけど、 ふたりに届くとは限らないし……
ミク:…………
ミク:不安なら、一緒に歌ってみる?
一歌:え?
ミク:せっかくこっちに来たんだし、声出しも兼ねてってことで。 それじゃ、いくよ?
一歌:えっ、ちょ、今から?
ミク:♪————
一歌:あ…………
一歌:(私達が作った曲だ——)
一歌:(ミクが歌ってくれると、なんだか不思議な感じがする)
一歌:(……優しい声で、胸の奥まであたたかくなって……)
一歌:……♪————
一歌・ミク:『♪————』
一歌:……やっぱりすごいな、ミクは。 一緒に歌ったら、それだけで肩の力が抜けちゃったよ
ミク:それは私の力じゃなくて、 一歌達が作った曲の力じゃない?
一歌:そう、なのかな……?
一歌:ううん、それだけじゃない気がする
一歌:やっぱり、ミクの歌には—— 不思議な力があるんだと思う
一歌:一緒に歌うと、気持ちが引き上げられるっていうか—— いつも以上の力を出せるような気がするんだ
ミク:一歌……
一歌:あっちのライブでも、ミクと一緒に歌えたらいいのにな
一歌:そうしたらもっと—— たくさんの人の心に響く歌が歌えそうな気がする
ミク:……なら、あっちでも歌おうよ
一歌:え?
ミク:だって一歌の世界にも、私がいるでしょ?
ミク:きっと向こうの私も、 一歌達のことを待ってるよ
一歌:私の世界の、ミクも——
一歌:……あ、そろそろ行かなくちゃ。 ごめんねミク、また来るよ
ミク:うん。 いってらっしゃい、一歌
ミク:応援してるよ!
ライブハウス前
花乃:…………
花乃:あ……お兄ちゃん! 来てくれたんだね。よかった!
葉太:……ああ。待たせて悪い
花乃:もう、来なかったらどうしようかと思ったよ! せっかくLeo/needの皆さんに誘ってもらったのに……
葉太:……そうだな。今日は楽しもう
花乃:……うん。 ふたりで見られるのは、最後だけど……
花乃:思いっきり楽しもうね……!
葉太:…………ああ
ライブハウス
バックステージ
一歌:……見つかった?
咲希:ん~。 暗くて見えづらいな~
穂波:あ、いたよ! あそこの、すみっこのほう!
志歩:……ふたりで来てくれたのはよかったけど……。 やっぱり、悲しそうだね
咲希:これが一緒に見られる、 最後のライブかもしれないんだもんね……
一歌:…………
一歌:(……私は、苦しんでるふたりのために、 歌うことしかできない)
一歌:(歌うことしか……。 ……ううん。そうじゃない)
一歌:(——歌を届けることは、できる!)
一歌:みんな、今日はいつも以上に全力でやろう
一歌:ふたりが離れ離れになっても、 幸せな思い出を大事にして、前に進めるように
志歩:じゃ、あれやろっか。 咲希が考えた星のヤツ
咲希:スターピースだってば! もー、しほちゃん覚えてよ~
穂波:ふふっ、じゃあ一歌ちゃん。 かけ声お願い
一歌:——うん
一歌:聴きに来てくれた人達のために、 花乃ちゃんとお兄さんのために——
一歌:全力で、頑張ろう!
咲希・志歩・穂波:『おー!』
花乃:あ……。 お兄ちゃん、次Leo/needだよ!
葉太:…………
花乃:あ……
一歌:こんにちは! Leo/needです!
一歌:——今日はいつもの曲と一緒に 新曲も作ってきました
一歌:全力でやるので——最後まで聴いてください!!
一歌:♪————っ!!
花乃:(あっ、この曲———)
花乃:(お兄ちゃんと、ここで最初に聴いた曲だ……)
花乃:(……この曲を最初に聴いた時は、すごくびっくりしたな。 まるで私達を応援してくれてるみたいで……)
葉太:(あの時は、父さんと母さんの離婚が決まって、 ずっと落ちこんでた花乃が、目を輝かせて——)
葉太:(……気づいたら俺も花乃も、笑っていたんだったな)
花乃・葉太:『…………』
一歌:——ありがとうございました!
一歌:次は、新曲です。 ここで初めて弾かせてもらおうと思います
一歌:ただ——
一歌:その前に少しだけ、 この曲に込めた想いの話をさせてください
一歌:——私達は、小学生の頃からの幼馴染みです
一歌:小さい頃は、いつも4人で一緒にいて、 朝から晩まで遊んでました
一歌:でも、ある時期を境に、 すれ違うことが増えていって……
一歌:2年近く、まったく言葉を交わさない時期がありました
花乃:え……
一歌:すれ違っていた時は、 本当に、本当につらかったです。でも——
一歌:だからこそ、 またこうやって一緒にバンドをやれるようになった時、 心の底から幸せを感じることができました
一歌:この曲は——私達と同じように、 大切な人と離れることになってしまった人達に 贈りたいと思って作った曲です
一歌:今は離れ離れになってしまっても、 出会えた幸せを胸に、前に進んで行けるように——
一歌:♪————
花乃:あ……
葉太:……!
花乃:……なんで?
葉太:なんでこんなに……思い出すんだ……
花乃:(……どうしてだろう。 お兄ちゃんがしてくれたこと、いっぱい思い出してる)
花乃:(お父さんとお母さんが喧嘩した夜に、 私が寝るまでそばにいてくれたこととか——)
葉太:(……俺の誕生日には、花乃が毎年、 手作りのケーキを作ってくれたな……)
葉太:(不器用だからだいたい変な形になってたけど、 それがなんだか楽しくて——)
葉太:(……あたたかかった)
一歌:♪————
一歌:(届いてほしい……!)
一歌:(ふたりは、お互いを大事に想ってるからこそ 一緒にいられないかもしれないけど、だけど——)
一歌:(そんなふたりが、離れていても 幸せな思い出を抱いて、前へ進めるように……!)
一歌:♪————!
一歌:……はぁ、はぁ、はぁ……
志歩:……お疲れ、一歌。 やりきれたね
穂波:お疲れさま、一歌ちゃん!
咲希:いっちゃん、最っ高の歌だったよ!!
一歌:……ありがとう。 みんなのおかげで、思いっきりできたよ
一歌:あとは——
一歌:あのふたりに……届いてたらいいな
第 8 话:輝く思い出と共に
スクランブル交差点
一歌:ふぅ……
咲希:お疲れさま、みんな! ……いっちゃん、今日はいいライブができたね!
一歌:……うん。 ありがとう、咲希
穂波:花乃ちゃん達を見届けられなかったのは、 ちょっと残念だったけど
志歩:電車の時間があるんだから仕方ないよ。 私達も片づけがあって押しちゃいそうだったし
咲希:そうだよね、直接挨拶したかったけど……。 明るい顔してたよって店長さんも言ってたし、 それだけでもよかったな!
一歌:もう、お別れしちゃったのかな。 ……あれ?
志歩:あそこにいるのって……!
葉太:……いいか、ちゃんと朝飯は食べるんだぞ。 授業で頭が回らなくなるからな
花乃:もー、わかったってば。 お兄ちゃんってばいつもそうなんだから……
花乃:ほんとに……そういうところ、昔から変わらないよね
葉太:……そうだな
花乃:……本当に、大丈夫だよ。 心配しないで、お兄ちゃん
葉太:花乃……
花乃:……それじゃあ私、行くね。 次の電車に乗らないと、遅くなっちゃうから
葉太:……ああ
花乃:バイバイ、お兄ちゃん
葉太:…………
葉太:——花乃!
葉太:——またライブに行こう!
葉太:新しい家族と仲良くなれたら……絶対に行こう!!
花乃:…………っ
花乃:うんっ! またね、お兄ちゃん!
一歌:……ふたりとも、笑ってた……
一歌:ちゃんと届いた……のかな?
咲希:——うん、きっとそうだよ! 絶対絶対そう!
志歩:絶対とまでは言えるかわからないけど……。 ——そうならいいよね
一歌:…………うん
翌日
楽器店
一歌:……これで必要なケア用品は全部かな
咲希:うん! それにしても—— 昨日のライブ、うまくいってほんっとによかったねっ!
志歩:もう、それ何回目? 昨日から100回くらい言ってるでしょ
咲希:さすがにそんなに言ってないってば! ……30回くらいじゃない?
志歩:それだって多いでしょ
咲希:嬉しいことは何回言ってもいいんだもーん♪
一歌:ふふっ。 そうかもね
穂波:いつ花乃ちゃん達が来てもいいように、 ライブ、もっと頑張らなくっちゃね!
咲希:うんっ! よーし、ふたりが楽しくなれちゃうような ハイテンションなライブをいっぱいやろーう♪
志歩:咲希はいつでもハイテンションだけどね
咲希:イェーイ♪ しほちゃんノってるかーい♪
志歩:はいはい
穂波:ふふっ
穂波:のってるって言えば……セカイに報告しに行った時の ミクちゃん達、すごく盛り上がってくれたよね
一歌:うん、ミクが『頑張ったね』って言ってくれて、 嬉しかったな……
咲希:あ、いっちゃんの目がキラキラしてる……!
志歩:通常運転って感じだね
志歩:さて……初のファンにもちゃんと喜んでもらえたことだし、 このあとは、本格的に動き出すための準備をしなくちゃね
咲希:たくさんの人にアタシ達の演奏を 聴いてもらいたいもんねっ!
一歌:うん……!
一歌:——あ……
一歌:(ミクのソフトがある……)
一歌:(『初音ミクと一緒に、世界中に君の曲を響かせよう!』 か……)
一歌:(懐かしいな……。 昔、ほしいって言ったけど、買ってもらえなかったんだよね)
一歌:(誕生日プレゼントでお願いしたけど、お母さんに、 『使いかたもわからないでしょ』って言われて……)
一歌:(あの時は、ずいぶん落ちこんだな……)
一歌:……あ
一歌:(でも……今ならアルバイトしてるから自分で買えるし、 作曲の練習にも使える)
一歌:(それに——)
ミク:きっと向こうの私も、 一歌達のことを待ってるよ
一歌:私の世界の、ミクも——
一歌:(……歌ってみたい)
一歌:(こっちでも——ミクと、一緒に)
咲希:いっちゃん? ぼんやりしてるけど、大丈夫?
志歩:そろそろレジに行くよ
一歌:え? あ……うん! 行こう!
一歌:(……やっぱり、これも一緒に持っていこう)
一歌:(いつか、ミクと一緒に、歌えたらいいな——)