活动剧情
青空に願うユア・ハピネス!
活动ID:60
第 1 话:私がモデル!?
第 2 话:花嫁らしさを目指して
第 3 话:もうひとりの花嫁
第 4 话:祝福の衣装
結婚式場 控室
雫の声:——おまたせ、愛莉ちゃん、こはねちゃん
こはね:す、すごい……! 王子様みたい……!
愛莉:こ……こ……!
愛莉:こんなの破壊兵器だわ……!! ビジュアルの暴力よ……っ!!
雫:え?
愛莉:あーもう!! めちゃめちゃ似合ってるってことよっ!!
雫:本当? ありがとう、愛莉ちゃん! 愛莉ちゃん達も、ドレスとっても似合ってるわ
こはね:あ、ありがとうございます……!
こはね:でも私より、やっぱり雫先輩がすごいです!
こはね:そのタキシード、もともとすごく素敵でしたけど、 雫先輩が着たらもっと素敵に見えるし…… これがモデルさんの力なんですね!
雫:ふふ、ありがとう、こはねちゃん
雫:でもね、私が素敵に見えるとしたら、 それは私の力だけじゃないのよ
こはね:え? ……どういうことですか?
雫:絹谷さんから聞いたの。この衣装には、 『この服を着る人が、心から幸せを感じられますように』 っていう想いをこめているって
雫:その想いに支えられているからこそ、 私もきっと、いつも以上に輝けているんだと思うの
こはね:想いが…………
雫:ええ。今回は絹谷さんがすべてやってくれているけれど、 ヘアメイクさんや衣装デザイナーさん……。 そういうたくさんの人の想いがあるからこそなのよ
愛莉:……そうね。表に立つ人だけじゃなくて、 たくさんの人達の力が集まったからこそ魅力的に見えるのよね。 そこはモデルもアイドルも、一緒だわ!
こはね:なるほど……勉強になります!
雫:あ、そういえばそろそろ杏ちゃんも来るはずよ。 さっき髪をセットしていたみたいだから
こはね:わあ、楽しみだな……!
杏:(わ……! 雫さん、かっこいいな~……! やっぱり本物のモデルの人は違うっていうか……)
杏:(……んー。 私、ちゃんと雫さんの相手役に見えるかな?)
絹谷:杏ちゃん、どうして入口で立ち止まってるの? ほら、行こう!
杏:あ、は、はい……!
杏の声:え、えっと……。 み、みんな、おまたせ……
こはね:あ、杏ちゃん! ドレスはどう——
こはね:……!
雫:まぁ、とっても綺麗ね……!
愛莉:ええ! ドレスもティアラもすっごく似合ってるわ!
杏:本当ですか?
杏:こういうドレス着たことないんで、ちゃんと花嫁さんらしく なってるか心配だったんですけど……。 そう言ってもらえて安心できました
こはね:す……す……
杏:ん? どうしたの? こはね
こはね:——すっごく綺麗だよ、杏ちゃん!
こはね:可愛いし、綺麗だし……! とっても綺麗だよ!
杏:……ふふっ、こはねってば綺麗って言い過ぎだよ!
杏:でもありがとう! こはねも、とっても綺麗だよ!
川崎:おまたせ! 撮影のセッティングが終わったから……あら!
川崎:みんな、とっても似合ってるわね! うんうん、最高だわ!
川崎:それじゃあ撮影に入りましょ。 みんな中庭に移動するわよ
杏:はーい! ——わっ!
杏:(ヤバ! 裾踏んじゃった!)
こはね:あ、杏ちゃん……!
杏:(ダメだ、このままじゃ転んじゃう……!)
杏:……あれ?
雫:——杏ちゃん、大丈夫?
杏:雫さん!? わ、ち、近い……!
雫:あ、ごめんなさい! 倒れそうだったから、思わず支えちゃって……
杏:いえ! こちらこそすみません! 裾踏んじゃって……!
雫:ううん、気にしないで。 それより、杏ちゃんはケガしてない?
杏:は、はい……!
雫:よかったわ……! 花嫁さんがケガなんてしたら、 大事な結婚式が台無しになっちゃうもの
雫:——杏ちゃんが無事で、本当によかったわ
杏:(わ……わ~!)
杏:あ……ありがとうございます……!
こはね:わぁ……! 絵本の中の王子様とお姫様みたい……!
愛莉:雫はああやってナチュラルに距離詰めるから、 心臓に悪いのよね……
雫:それじゃ、行きましょうか杏ちゃん。 よかったら私の腕に掴まってちょうだい?
杏:は、はい! ありがとうございます!
こはね:(あれ?)
こはね:(杏ちゃん、ドレスっていうのもあるけど、 なんだかいつもと雰囲気が違うような……)
こはね:(あ……そういえば、杏ちゃん——)
杏:メイコさんみたいに綺麗な人で、 大人っぽくて、落ち着いててさ!
こはね:(じゃあ……そういうことなのかな。 ふふっ、杏ちゃんってば可愛い……)
杏:(うわーびっくりした! 雫さんすごく綺麗だから、至近距離だとドキドキしちゃうな)
杏:(……やっぱり雫さんってすごいなぁ。 大人っぽくて、タキシードみたいな服まで着こなせて)
杏:(よーし……私も、頑張らなくっちゃ!)
結婚式場前
川崎:それじゃあまずは、花嫁とブライズメイドの 写真を撮りましょうか
川崎:ブライズメイドは花嫁さんのお世話役っていわれてるけど、 花嫁さんと最も親しい友達でもあるの。 だから、結婚式の写真だって構えないで大丈夫よ
川崎:見る人が、“幸せな心のつながり”を感じられるよう、 お幸せに!っていう気持ちを持って、 一緒に楽しくすごしてちょうだい!
杏:はい!
こはね:(そっか……今から撮影が始まるんだね……!)
こはね:(う、うまくできるかな……。 雫先輩もかっこいいし、杏ちゃんも愛莉先輩も可愛いし……。 お父さん以外に写真を撮られるのなんて慣れてないし……)
こはね:ううう~……
杏:……こはね、もしかしてすごく緊張してる?
こはね:えっ!? えっと……その……
こはね:う、うん……。撮ることは多いけど、 自分が撮られることってあんまりないから……
杏:あはは、まぁそうだよね。 こういうの苦手じゃないけど、私もちょっと緊張するし
雫:大丈夫よこはねちゃん! 笑顔でね!
こはね:は、はい! そうですよね……! 笑顔、笑顔……!
杏:だ、大丈夫かな……
川崎:じゃあ、試しに軽く撮っていきましょうか! まずは——愛莉ちゃん、杏ちゃんと手をつないでくれる?
愛莉:わかりました! 杏ちゃん、いいかしら?
杏:はい、どうぞ!
川崎:……うん! いいわね! 昔からの親友みたいだわ。 それじゃ次はこはねちゃん、愛莉ちゃんと交代してくれる?
杏:こはね、頑張ろうね!
こはね:は、はい……っ!
こはね:て、手をつないで……えっと、どんな顔したらいいのかな……
川崎:ん~。そうね。 杏ちゃんが喜んでるのを見て、よかったね、って 感じた時のことを思い出してみたりするといいかもしれないわ
こはね:よかったね……。 うう……そういうことがいっぱいありすぎて、 どれを思い出したらいいのか……!
杏:真面目なこはねらしいなぁ。 そんなに緊張しなくて大丈夫だよ
川崎:モデルなんて初めてだから仕方ないわよね。 じゃあ、まずはカメラに慣れるために ひとりで撮ってみましょうか
こはね:あ、はい……
雫:こはねちゃん、少し力が入っちゃっているみたいね
愛莉:そうねえ……。 緊張がとけるといいんだけど
雫:なら、ストレッチをしたりとか、 リラックスできることをやってみるとか……?
愛莉:リラックス…………。 あ。ねえ杏ちゃん、ちょっといいかしら?
杏:え? なんですか?
愛莉:遥から聞いたんだけど、ふたりってほんっとに仲がいいんでしょ? それなら——
愛莉:……ってことをちょっと試してみたいの。 どうかしら?
杏:なるほど……。 わかりました! やってみましょう!
川崎:んー、ひとりだと余計に緊張しちゃうみたいね。 無理させちゃってごめんなさい
川崎:ちょっと撮りかたを変えてみようかしら。 ええと……
こはね:(……うう、やっぱり顔がこわばっちゃうよ……! 早くちゃんと笑えるようにならないと……!)
こはね:(でも、どうすれば——)
愛莉:すみません川崎さん! よかったら、3人で好きなポーズをとってみてもいいですか?
杏:あの、そっちのほうが自然な感じにできるかなって思うんです!
川崎:それもそうね……。 そうしたら、好きなポーズにしてもらって大丈夫よ
愛莉:じゃあ——はいっ!
こはね:えっ!? ど、どうしたんですか愛莉先輩? 急に杏ちゃんに抱き着いて……!
愛莉:杏ちゃんと相談して、より友達っぽさを出すべく、 距離を縮めてみたのよ!
杏:はい! これで大親友ですね!
愛莉:ふっふっふ……どう、こはねちゃん!? 杏ちゃんをわたしがひとりじめしちゃっていいの!?
こはね:えっ? ええっ?
愛莉:杏ちゃん、結婚おめでとう! 杏ちゃんが結婚しちゃうなんて寂しいわ……っ!!
愛莉:っていうわけで最後に思う存分ハグさせてちょうだい!
杏:うっうっ、愛莉さんありがとうございます~! 私、幸せになります~!
こはね:あ、え、えーと……
愛莉:ほら、こはねちゃんもハグしましょ! 最後のハグになっちゃうかもしれないわよ!
こはね:さ、最後の……!?
こはね:そ、そ……そんなのダメ~!
杏:わ! こ、こはね苦しいよ~!
愛莉:あ~、ずるいわよ! わたしもまぜなさ~い!
雫:ふふっ、とっても素敵な笑顔になったわね。こはねちゃん
川崎:……みんな、いい笑顔だわ! とっても幸せそう!
川崎:この調子であと何枚かいくわよ~!
杏:っあ~、楽しかった! 1年分くらい抱き着いてもらっちゃったなー♪
こはね:う……ちょっと恥ずかしかったけど……
雫:お疲れさま! こはねちゃん、とってもいい表情になっていたわ!
こはね:ほ、本当ですか? よかった……
愛莉:いろいろ手荒な感じになっちゃって悪かったわね、 こはねちゃん
愛莉:こういう空気のほうが、 肩の力が抜けるんじゃないかって思って ちょーっと遊ばせてもらったわ!
こはね:あ、いえ! 愛莉先輩のおかげで、 とってもリラックスできました! ありがとうございました!
愛莉:ならよかったわ! やっぱりみんな、笑顔が一番だもの!
杏:(こはねがリラックスできてよかった。 私も、最初より肩の力が抜けたし……)
杏:(……愛莉さん、すぐに空気を変えてくれてすごかったな。 さすがアイドルって感じ!)
杏:(よーし、雫さんとの撮影も、 この勢いで頑張るぞ!)
猫:ニャー……
杏:……あれ? 猫の声? さっきの猫かな
絹谷:ああ、さっき式場の人が言ってたんだけど、 最近この辺りに猫が居ついちゃったみたいなのよね
杏:そうなんですね……
川崎:みんな! 次の撮影場所に移動するわよー!
杏:あ、はーい!!
第 5 话:曇りだす空
チャペル前
川崎:さて、それじゃあ次はいよいよチャペル前での撮影よ! 杏ちゃん、雫ちゃん、用意はいい?
杏:はい!
雫:よろしくお願いします!
杏:(うん。さっきの撮影で肩の力も抜けたし、 きっと大丈夫……!)
杏:(大人っぽくて綺麗な花嫁さんに バッチリなってみせる!)
川崎:それじゃあ、チャペルを背景に、 互いを見つめあってもらえるかしら
川崎:お互いがお互いの幸せを願ってる、 っていう感じでお願いね
杏:(幸せを願ってる……か)
杏:(いざそう言われると、どういう顔で見たらいいのか よくわからないな……)
杏:(あ……)
杏:(すごい……。 雫さんはもうバッチリ役作りできてるみたい)
杏:(……私も、悩んでないでやってみよう! 花嫁さんらしく、落ち着いて大人っぽく——)
川崎:…………
川崎:……ポーズはいい感じね。 もうちょっと撮るわよ!
川崎:じゃあ、雫ちゃん。 杏ちゃんをエスコートしたまま階段を下りてもらっていい?
雫:ええ、わかりました!
川崎:杏ちゃん、左手でスカートを持って……うん、そう!
杏:(……うん! なんとかやれてるっぽい……!)
雫:(……杏ちゃん、さっきまでは緊張しているみたいだったけれど、 今はもう大丈夫みたいね)
雫:(だけど……何かちょっと気になるわね……。 この感じ、なんなのかしら……?)
こはね:(杏ちゃん、本物の花嫁さんみたいだなぁ……! すごい……!)
こはね:(でも……なんだろう……?)
こはね:(なんだか、いつもの杏ちゃんじゃないみたいに 見えるかも……?)
川崎:……ん~
愛莉:どうかしたんですか?
川崎:全体的に悪くないんだけど、 少し硬いっていうか……ぎこちなさがあってね
杏:え……
雫:(……やっぱりカメラマンさんも そう感じているのね)
雫:(実際、愛莉ちゃんやこはねちゃんと撮っていた時とは、 ちょっと雰囲気が違うような気がするわ)
雫:(一体どうしてなのかしら……?)
川崎:……でも、杏ちゃんと雫ちゃんなら、 きっといい写真にできると思うわ! 素材の良さを活かせるよう、頑張るわね!
川崎:じゃあ……もう少し自然体で撮りたいから、 ちょっと会話をしてもらってもいいかしら?
杏:会話……ですか?
川崎:ええ、なんでもいいわ! 今日の天気とか、好きな食べ物とか
雫:(あ……これはすごくいいチャンスね。 杏ちゃんが今どんな気持ちなのか聞けそうだわ)
雫:ふふ、じゃあちょっとおしゃべりしましょうか、杏ちゃん
杏:あ、はい!
雫:実は私、久しぶりの撮影だから、 少し緊張しちゃってるの。 杏ちゃんは大丈夫?
杏:はい、大丈夫です。 さっきの撮影でずいぶんリラックスできました
杏:でも、やっぱりドレスはなかなか慣れないですね。 ヒールとかもあんまり履きませんし……
杏:私はやっぱり普段のイベントの時みたいに、 パンツにスニーカーが一番楽だなーって
雫:イベント? あ……そういえば、遥ちゃんとみのりちゃんが話していたわね
雫:杏ちゃん達はすごいイベントを超えようとしているって
杏:はい、そうなんです! RAD WEEKENDっていうイベントなんですけど——
杏:伝説の夜って言われるくらいすごいイベントで、 みんな超えるのは無理だっていうんです。 けど、私はこはね達と一緒に超えたいって思ってて!
雫:ふふっ、そうなのね!
雫:(……杏ちゃん、すごくいい顔をしているわ)
雫:(きっと、そのイベントを超えるために、 まっすぐ頑張っているんでしょうね)
川崎:……あ、いいねその表情! そのままそのまま!
杏:あ……!
杏:(ヤバ! 今完全に素になっちゃってた! ちゃんと花嫁さんらしくしないと……)
雫:……あら?
雫:(急に表情が戻っちゃったわ。 さっきの笑顔、素敵だったのに……)
雫:……ねえ杏ちゃん。 さっきのイベントの話、もう少し聞かせてくれない?
杏:あ……はい。 えっと……
杏:(素になっちゃわないように気をつけて……)
杏:これまでは自分達のチームだけで いろんなイベントに出てたんですけど、 今は他のチームとも組んでイベントを作ってるんです
杏:個性的な人が多いんですけど、 実力があって、気持ちもひとつにできるメンバーで……
杏:このメンバーなら、いつか超えられるって 思っています
雫:……そうなのね。 ありがとう、杏ちゃん
雫:(……駄目だわ。 さっきの表情が出てこないみたい……)
雫:(どうして急に変わってしまったのかしら?)
川崎:……ありがとう! それじゃあ1回休憩にしましょうか!
杏:はぁ……。 疲れた~……
雫:ふふ。ドレスが綺麗に見える姿勢を 保たなくちゃいけないから、疲れるわよね
愛莉:ふたりともお疲れさま! 立ってるのも大変だったでしょうし、あっちのほうで座らない?
杏:そうですね。 じゃあ川崎さん達に言ってから……あれ?
愛莉:あら? なんであんな離れたところにいるのかしら?
こはね:何かふたりで話してるみたいだけど……撮影の相談かな?
雫:勝手に行ってしまうと困らせてしまいそうだし……。 声をかけてみましょうか
杏:そうですね! あの、川崎さん……
川崎:う~ん……どうすればいいのかしら。 やっぱり杏ちゃん、少し硬いのよね
川崎:杏ちゃんにはこう……すごくキラっとしたものがあるはずなのに。 私の腕が悪いのかしら……
絹谷:どうする? 撮影は夕方までできるけど、青空を背景にしたいなら、 あんまり時間は……
川崎:そうね……。時間はないけど、 杏ちゃんのキラキラした表情を引き出せるように、 限界まで頑張ってみようと思うわ!
絹谷:……わかった! じゃあ私も、サポートするね!
杏:あ…………
杏:(ちゃんと花嫁役やれてるかもって思ったけど……、 ダメだったんだ……)
杏:(その上、気をつかわせちゃって……)
杏:(ううん、できないからって落ちこんでても 何も始まらないよね)
杏:(川崎さんは期待してくれてるんだし、 最高の写真を撮れるように、私も頑張らなくちゃ……!)
杏:ちゃんと——花嫁さんらしくなれるように……!
雫:え?
雫:(……花嫁さん、らしく……?)
杏:——すみません! 私、控室に戻って、 表情とか姿勢とか、チェックしてこようと思います!
杏:すぐ戻ってきますから、 少しだけ時間ください! 失礼します!
こはね:あ、杏ちゃん!
愛莉:あ……! ちょっと、ふたりともー!?
杏:(……モデルなんて初めてだし、 うまくできなくても仕方ないのかもしれない)
杏:(でも、やるからにはちゃんと、 気持ちに応えたい……!)
こはね:杏ちゃん……! 杏ちゃん、待って……!
杏:え? あ、こはね……追いかけてくれてたの?
こはね:うん。その……よかったら、私も手伝おうと思って……!
こはね:モデルさんのことはわからないけど、 でも、杏ちゃんを見て感じたことは 伝えられるかもしれないから……
杏:こはね……心配してくれてありがとう
杏:でも……ごめん。今はちょっと集中したいんだ。 何が足りないのか、自分で確認したくって
杏:花嫁役を完璧にやれるようにするから——待ってて!
こはね:あ、杏ちゃん……!
こはね:行っちゃった……
こはね:……杏ちゃんのために、何かできないかな
???:『あら? そんなにしょんぼりした顔をして、どうしたの?』
こはね:え? この声は——
こはね:メイコさん! どうしてここに……
MEIKO:『ふたりのドレス姿をこっそり見せてもらおうと思ってね。 こはねちゃん、とっても素敵ね!』
MEIKO:『……あら? 杏ちゃんは?』
こはね:それが、実は——
MEIKO:『……なるほど。 そんなことがあったのね』
こはね:はい……。杏ちゃん、悩んでるみたいだし 私も何かできるといいんですけど……
MEIKO:『…………』
MEIKO:『それなら……こんなのはどうかしら?』
MEIKO:『こはねちゃんじゃないとできない、 とっておきの方法があるわよ?』
こはね:え? 私しかできない……? それって……
MEIKO:『ふふ、じゃあ、ちょっと耳を貸してちょうだい。 杏ちゃんが戻ってきたらね——』
第 6 话:あなたらしい花嫁に
結婚式場 控室
杏:(んー……。 表情とかポーズとか見てみても、 何がダメなのかわかんないな……)
杏:(硬い、ってどういうことなんだろう……。 もう緊張はしてないつもりなのに……)
杏:(……でも、あの時見た花嫁さんみたいにできたらきっと……!)
杏:……あー! もー全然わかんない!
杏:あーあ。 川崎さん、なんで私を花嫁役にしたんだろ……
杏:内側から光がーっていうレベルの人が撮りたいなら、 私じゃなくて雫さんみたいな人のほうが……
杏:……って、うだうだ悩んでもしょうがないよね
杏:よし、今度はスマホで撮ってみよう! 動画なら何かわかるかも……!
杏:(1日でどうにかできることじゃないだろうけど…… このまま中途半端で終わらせたくない)
杏:(絶対に——最高の1枚を撮ってもらいたい!)
チャペル前
愛莉:ん~……杏ちゃん戻ってこないわね。 ちょっと心配だわ
愛莉:それにしても……さっきのふたりの撮影は十分素敵だったのに、 なんで川崎さんは納得いかないのかしら
雫:それは……
杏:伝説の夜って言われるくらいすごいイベントで、 みんな超えるのは無理だっていうんです。 けど、私はこはね達と一緒に超えたいって思ってて!
杏:ちゃんと——花嫁さんらしくなれるように……!
雫:もしかして……
雫:——愛莉ちゃん。私、ちょっとだけ 杏ちゃんのところに行ってくるね! 少し気になることがあるの!
愛莉:あ、ちょっと……! 雫~!
雫:杏ちゃんは……。 あ……!
杏:……うーん! 違う! やっぱり問題はポーズじゃなくて表情なのかな?
杏:大人っぽい表情なら花嫁らしくなるって思ってたけど……。 それより、“相手の幸せを願う表情”っていうのを できるようにしたほうがいいのかな……
雫:(……ふふ。 杏ちゃんって、なんにでも本気で、一生懸命な子なのね)
雫:(遥ちゃんの親友っていうのも、すごくうなずけるわ)
雫:(そんな杏ちゃんのために、 私ができることは——)
雫:……杏ちゃん、少しいいかしら?
杏:あ、雫さん……! もしかして、もう休憩終わりですか?
雫:ううん、まだ休憩時間よ。 ただ、杏ちゃんと少し話をしたくて
杏:え?
雫:あのね、杏ちゃんが硬いって言われた理由が わかったかもしれないの
杏:ほ、本当ですか!? 雫さん、教えてください!
雫:ええ。もちろんよ
雫:じゃあ……ポーズをとってもらってもいいかしら? カメラマンさんに撮られているつもりで笑ってみて
杏:はい!
杏:(幸せになってほしいって思いながら…… 花嫁さんらしく、落ち着いて、優しく……)
雫:……やっぱり、そうみたいね
杏:え?
雫:杏ちゃんは、今どうしてその表情をしたの?
杏:えっと……花嫁さんって言ったら、 結婚するから幸せな気持ちでいっぱいで、 あと、落ち着いてて大人っぽいイメージなので……
杏:だから私も、そうならなきゃなって思って
雫:『そうならなきゃ』……
雫:『そう』じゃなきゃいけないなんてこと、ないのよ?
杏:え、でも素のままじゃさすがに花嫁さんっぽくは……
雫:思い出してみて、杏ちゃん。 川崎さんは杏ちゃんのどこがいいって思って オファーをしたのか
杏:んー……写真映えするとか、存在感があるとかは 言ってもらいましたけど……
杏:あと……『いつも輝いてる』って言ってたような……
雫:——私も今日杏ちゃんと話して、それをすごく感じたわ
雫:すごいイベントを超えるっていう夢を話してる杏ちゃんは、 とってもキラキラしていたもの
雫:きっと川崎さんは、 そんな希望に満ちた杏ちゃんを撮りたかったんじゃないかしら
杏:え……?
雫:さっき言っていたような、 落ち着いてて大人っぽい花嫁さんも、とっても素敵だと思うわ
雫:でもそれは、杏ちゃんじゃないわ。 ……自分じゃない誰かを演じても、 杏ちゃんの中にある、本当の輝きを出せるわけじゃないと思うの
雫:もちろん、演じることで評価される人もいるけど、 杏ちゃんはそのままの自分が求められているんだもの。 誰かを演じる必要はないのよ
杏:あ……
杏:そっか……。 私は花嫁さんになりきらなきゃって思っちゃってたけど、 川崎さんは、私を撮りたいって言ってくれたんですもんね
杏:ごめんなさい……。 私、昔見た花嫁さんが一番“花嫁らしい”んだって 思いこんじゃってたみたいです
雫:謝ることなんてないわ。憧れるイメージを持って 近づこうと努力するのは、きっとみんなやっていることだもの。 ただ——
雫:杏ちゃんはそんなことしなくても、 もう十分、素敵なものを持っているのよ
雫:いつも夢に向かってまっすぐ進める—— そういう杏ちゃんの意志の光を
杏:雫さん……
杏:えへへ……ありがとうございます!
杏:私、“憧れの花嫁さん”じゃなくて、 ちゃんと“白石杏としての花嫁さん”で撮ってもらいますね!
雫:ええ! 頑張りましょうね!
杏:それにしても、さすがモデルさんですね……! そんなこともすぐにわかっちゃうなんて!
杏:なんでそんなにサラっと見抜けちゃったんですか?
雫:……きっと、私も演じていたからでしょうね
杏:え?
雫:私ね、Cheerful*Daysにいた頃は、 ずっと自分に自信が持てなかったの
雫:みんなが私に期待をしてくれても、 それに応えることが全然できないって感じて
雫:そんな時に、プロデューサーが台本を細かく作ってくれて、 そこに書かれていないことはしゃべらないでいいって 言われて……
雫:それからは“完璧な日野森雫”を、演じるようになったの
雫:だから杏ちゃんも、もしかしたら……って思ったのよね
杏:雫さん……
雫:ふふ、急にこんな話をしちゃってごめんなさい
雫:あの時はつらいこともあったけど……。 でも、ちゃんとその時の経験を活かすことができてよかったわ
雫:……自分を、自信を持って見せられなかったからこそ、 わかることもあるのね……
杏:でも——今の雫さんには、 ちゃんと自分があるんですよね?
雫:え?
杏:私、実はMORE MORE JUMP!の配信 たまに見てるんですけど、 その時の雫さん、すごく生き生きしてますよ!
杏:あの表情は、演じてたらできないと思います
杏:きっと今は自分があって…… 『こうありたい』って思える自分に向かって、 進めてるんじゃないかなって!
雫:こうありたいって思える自分に……
コメント:『私、努力家な雫ちゃんすごく好きだな』 『わかる。ステージの上では綺麗だけど、 陰でたくさん努力してるんだよね』
雫:……ええ。 今はちゃんと——進めている気がするわ
雫:まだいろいろとうまくできないこともあるけれど……。 希望を届けるアイドルでいられるように、頑張りたいわ
雫:それに……ずっと傍で応援してくれている、 大好きな人達に誇れる自分でいたいって思うの
杏:大好きな人達に、誇れる……
杏:じゃあ、私と一緒ですね!
雫:え? 杏ちゃんも?
杏:はい! 私も、こはねや、チームのみんなや、 ……想いを見守ってくれる人達や、それから——
杏:支えてくれる街の人達にも、誇れる自分でいたいです!
杏:そのためにも、大変なことでもぶつかって、 乗り越えていかなきゃ!
雫:杏ちゃん……
雫:ええ、お互い頑張りましょう!
雫:じゃあこのあとは、自分らしく、 川崎さんが撮りたい“幸せな心のつながり”を 表現できるようにしていきましょうね
杏:あ、それなんですけど——
杏:私は雫さんが、雫さんは私が、『ありたい自分』で いられますようにって思ってみるのはどうでしょう?
雫:え?
杏:お互いの進む道を応援できれば、 “幸せな心のつながり”っていうのも 自然に出せるんじゃないかなって思って……
雫:まあ……、すごくいいアイディアだと思うわ! 頑張りましょう、杏ちゃん!
愛莉:…………急に走り出して、 何を話しに行ったのかと思ったら……
愛莉:雫ってば、いい先輩になったじゃない
第 7 话:青空に願う想い
結婚式場 控室
愛莉:ふたりともー! そろそろ休憩終わるわよー!
雫:あ、愛莉ちゃん! 今戻るね!
杏:……よし! それじゃあ気合い入れ直して、頑張りましょう!
雫:ええ!
杏:(雫さんと話したおかげで、 どういう風に撮ってもらえばいいのか、だいぶイメージできた)
杏:(あとは私らしくやれば大丈夫!)
杏:(……でもちょっと、気合い入りすぎちゃってるかもな。 肩の力はちゃんと抜いて……)
こはね:杏ちゃん!!
杏:あ、こはね! ごめんね心配かけて。私、もう大丈夫だよ!
こはね:え? 本当?
杏:雫さんと話して、自分の何がダメだったのか、 ちゃんとわかったんだ。 次は自分らしさを出していけるように、頑張るよ!
こはね:そうだったんだ……よかった……!
杏:……って言っても、考えすぎないようにーとか、 まだちょっと心配はあるけどね……
こはね:あ……
こはね:……じゃあ、杏ちゃん。 私と一緒に歌わない?
杏:え?
こはね:私ね、歌ってる時の杏ちゃんが、 一番杏ちゃんらしいって思うの!
こはね:かっこよくて、のびのびしてて、キラキラしてて……! 本当に、本当に素敵なんだよ!
こはね:だから……歌ってみるのはどうかなって思って。 ……どう、かな?
杏:——うん!
杏:(……こはね、私のために、 いろいろ考えてくれたんだね)
杏:ありがとう、こはね! それじゃあ……やろう!
こはね・杏:『♪——————!!』
雫:まぁ……!
愛莉:わ……! すっごいわね……!
愛莉:ファンフェスタの時のこはねちゃんもすごかったけど、 ふたりで歌うと、こんなにパワフルになるのね……!!
雫:…………
杏・こはね:『♪——————!!』
雫:ふふっ、杏ちゃん、すごく幸せそうだわ
雫:きっとこれが一番、杏ちゃんらしい姿なのね
チャペル前
川崎:——だんだん雲が多くなってきたわね……。 天気予報によるとこれから雨が降るみたいだし 青空の下で撮るチャンスはそう何回もなさそうだわ
絹谷:そうね……。 なんとかできるといいんだけど……
杏:川崎さん、絹谷さん! おまたせしました!
川崎:あら? 杏ちゃん、なんだか雰囲気が……
杏:迷惑かけちゃってすみませんでした! でも——もう大丈夫です!
杏:最高の私を見せられると思います!
川崎:杏ちゃん……
川崎:……わかったわ! もう一度、チャペル前で見つめあうシーンから撮りましょう!
杏・雫:『はい!』
杏:(——本気で願おう)
杏:(雫さんが、これからも遥達と一緒に、 ありたい自分でいられるように——!)
雫:(杏ちゃんが、大好きな人達と一緒に、 夢を叶えられるように——)
川崎:……すごいわ! さっきとはまるで別人みたい!
絹谷:本当……。 杏ちゃんもだけど、雫ちゃんももっと素敵になってる……
愛莉:ふふっ、ふたりともバッチリね!
こはね:はい……!
川崎:——うん、いいわね! でも……今の杏ちゃんと雫ちゃんなら、 もっといい1枚が撮れそうだわ
川崎:それじゃあ、庭園のほうへ移動して……
カラス:カー! カー!
猫:ニャー!
杏:え? 今のってカラスの声と……猫?
愛莉:そういえば、ここに来た時猫がいたわよね。 その子が喧嘩してるのかしら……?
愛莉:……あ!
雫:木の上に猫さんが……! それもあんな高いところに……
杏:あの猫——ビビだ!
こはね:ええっ!?
杏:どうして式場に……。 って、もしかしてあれ……降りられなくなってるの?
愛莉:そうみたいだわ……! でもなんであんなに高いところに登っちゃったのかしら?
雫:あ……もしかしたらカラスに襲われて、 逃げるために……?
こはね:どうしよう……。 なんだかフラフラしてるし、 落っこちちゃいそうな感じが……!
愛莉:落っこちたら一大事だわ! あ……川崎さん、式場に言って、脚立を借りてくるのは——
川崎:そうね! 今借りて——あ!
カラス:カー! カー!
こはね:あ……! またカラスが……!
杏:(今から脚立を借りてたら、間にあわないかも……!)
杏:(このまま落ちたら、ビビが大ケガして……。 ううん、もしかしたら——)
杏:(そんなの——絶対駄目!)
こはね:杏ちゃん! どうするの!?
杏:木に登れないか、試してみます!
雫:さすがに、ドレスの杏ちゃんじゃ難しいんじゃないかしら。 私が試してみるわ
杏:雫さん……ありがとうございます!
雫:……駄目ね。 掴まるところが少なすぎて、登れない……
愛莉:そうね……これは脚立を借りてきても 難しそうだわ
杏:できるとしたら落ちてきたところをキャッチするぐらいだけど、 そんなピンポイントで捕まえられるかっていうと……
杏:あ……そうだ!! スカートをこうして……
カラス:カー! カー!
ビビ:ニャー……!
愛莉:あ! 落ちちゃう……!!
杏:……っ!
杏:(あの枝からだと、落ちるのはきっと——)
杏:ここだっ!!
雫:杏ちゃん……!! ——あ!
愛莉:ちょっと、大丈夫!? ……え?
杏:あいたたた……
ビビ:……ニャ~
杏:……! よかった……!
杏:みんな! ビビ、無事だよ~!
雫:よかったわ……! 杏ちゃん、大丈夫? 掴まって!
杏:ありがとうございます! ふふっ、私今日、雫さんに助けられてばっかりですね
こはね:みんな無事でよかった……!
愛莉:それもしかして——ドレスのスカートでキャッチしたの!?
杏:はい。 これならクッションになりそうだったんで……あ!
杏:どうしよう、ドレスが汚れちゃった……。 破れたりはしてないみたいだけど、 植え込みに突っこんじゃったからだ……
川崎:よかった! 杏ちゃんも猫も、無事だったのね!
杏:あ、川崎さん、絹谷さん……。 すみません、その……
絹谷:あ、ドレスが……!
杏:本当にすみません! せっかく作ったドレスが……それに、これじゃ撮影も……
絹谷:ふふ、非常事態だもの、仕方ないわ。 服は汚れたら洗うし、ほつれたらもう一度縫えばいいけど、 猫はそういうわけにもいかないもの
川崎:ええ! それに撮影のほうは——
川崎:今の杏ちゃん達を撮れば大丈夫だから!
杏:え? それってどういう……
雫:あ……もしかして、みんなが猫さんのために 一生懸命頑張ったからじゃないかしら
こはね:猫のために?
雫:ええ、猫さんのことを心配して、 無事でありますようにって願ったでしょう?
雫:それで猫さんが助かって、 よかったなぁって気持ちにみんながなれたから——
雫:この猫さんを中心に、 “幸せな心のつながり”が生まれたような気がしたの。 川崎さんも、そのことを言ってるんじゃないかって
杏:……たしかに! そういうつながりかたもあったんだ……!
ビビ:ニャー
杏:あ、ちょっとビビ、頭すりつけたらくすぐったいってば!
雫:ふふっ。 きっとありがとうって言っているんじゃないかしら?
杏:そ、それは嬉しいんですけど……! あはは……く、くすぐったい……!
第 8 话:これからも、私らしく!
翌日
ストリートのセカイ
杏:——ってわけで、 撮影はなんとかうまくいったんだ
彰人:なんつーか……。 いろいろあったんだな……
冬弥:しかし……そのビビという猫は、 どうして式場にいたんだろうな
杏:ビビがいなくなった頃、新しい店ができる関係で 通りのトラックが多くってさ
杏:もしかしたら、間違ってそのうちの1台に 乗りこんじゃったんじゃないかなって
こはね:もしそうなら、あの辺りでトラックから降りて、 迷子になっちゃったんだろうね
冬弥:なるほど……それはたしかにありそうな話だ
彰人:で、そいつは今どうしてんだ?
杏:やっぱりビビッドストリートに帰りたかったみたいで、 私が帰る時についてきてくれてさ。 今はちゃーんとその辺りでのんびりしてるよ!
冬弥:そうか……。 よかったな
彰人:そうだな。 最終的にいい写真が撮れたみてえだし
杏:うん!
こはね:最後に見せてもらった写真もすごく良かったんだよ。 やっぱりプロのカメラマンさんってすごいんだね……!
杏:汚しちゃったドレスも、絹谷さんが綺麗に クリーニングしてくれたみたいで安心したよ~
杏:……っと、着いた着いた! こんにちはー!
crase cafe
MEIKO:あら、いらっしゃい! 杏ちゃん、撮影はどうだった?
杏:バッチリ大成功でした! それで、メイコさんにもお礼を言おうと思って
MEIKO:そうだったのね。 わざわざありがとう!
杏:あの、こはねから聞きました。 一緒に歌うといいっていうアイディアをくれたのは メイコさんだったって
杏:ありがとうございました! おかげで私らしく撮ってもらうことができました!
MEIKO:ふふ、大したことはしてないわよ
MEIKO:こはねちゃんが知ってる、 杏ちゃんが一番輝いてる瞬間を思い出してもらうのが いいんじゃないか、って言っただけだもの
MEIKO:でも……やっぱり歌っている姿が一番輝いている瞬間だったのね。 私も杏ちゃんの歌、聴きたかったわ
杏:……えへへ。 メイコさんにそう言われると、ちょっと照れちゃうな……
こはね:……ふふっ
冬弥:どうしたんだ? 小豆沢
こはね:あ……ちょっとね、前に杏ちゃんが言ってたことを 思い出してたんだ
彰人:前に言ってたこと?
こはね:うん。杏ちゃんと出会ったばっかりの頃に、 ふたりでメイコさんの話をしてたことがあったんだけど……
こはね:杏ちゃん、メイコさんに『ほら、いつまで寝てるの? もう朝よ』 とか、『しっかり食べて、今日も1日頑張ってね』 って言ってもらいたいなぁって話してたんだ
杏:えっ
こはね:それで今回も——
こはね:雫先輩と一緒にいる時はなんだか嬉しそうっていうか、 いつもより可愛い感じになってたから
こはね:やっぱり杏ちゃん、 お姉さんっぽい人には甘えたいんだなって——
杏:あー! こはねー! そういうことは今言わなくていいから……!
こはね:えっ!? あ、言わないほうがよかったかな……!?
MEIKO:ふふ、そんな風に思ってくれてたなんて、 嬉しいわ
冬弥:なるほど……白石にはそういう願望があるんだな
杏:ないない! いや全然なくはないけど……願望って言うとなんか重いでしょ!
杏:たしかにメイコさんとか雫さんみたいな 頼れるお姉さんは素敵だなって思うけど、 甘えるっていうか、私もそうなりたいっていうか——
杏:あ……
MEIKO:ん? どうしたの杏ちゃん
杏:……そっか。 私、無意識に、そうなりたいって思ってたのかも
杏:しっかりしてて、頼りになって……。 そういう人が私の憧れだから、 大人っぽい自分を変に作ろうとしてたのかもしれないな
杏:(それで、多分それは——)
杏:(凪さんがいたからだろうな)
こはね:杏ちゃん……?
杏:あ、ごめんごめん! なんでもないよ!
杏:とにかく、みんなのおかげで、 それは今の私らしくないって気づけたんだ!
杏:それに……これからなりたい自分も、改めてわかったしね!
こはね:なりたい自分?
杏:うん
杏:私、みんなに誇れる自分でいたいなって思うの。 こはねにも、彰人にも、冬弥にも、メイコさん達にも…… それから街の人達にも!
杏:だからどんなことにも全力でぶつかって、 乗り越えていきたいなって思うんだ!
杏:(それでいつか——)
杏:(いつか、絶対に超えるんだ!)
こはね:(やっぱり、杏ちゃんって……すっごくかっこいいな……!)
こはね:(うまくいかないことがあっても、駄目だってならないで、 絶対に乗り越えようって思うことができて……!)
こはね:(ふふっ、こんな可愛くてかっこいい杏ちゃんが 私の相棒だなんて、本当に嬉しいな!)
彰人:ま、お前はそうじゃなくっちゃな
冬弥:ああ。 とても白石らしいと思う
MEIKO:それじゃあ、撮影を頑張った杏ちゃんには特別に、 スペシャルメニューをプレゼントしちゃおうかしら?
杏:え?
MEIKO:——はい! 名付けて、杏ちゃんスペシャルプレートよ
杏:わぁ……! あ、チョコケーキにのってるのってラムレーズンアイスですか!?
MEIKO:ええそうよ。 杏ちゃんの好物だからのせてみたの
こはね:すっごく美味しそう……!
冬弥:……彰人、食べたいのか?
彰人:いや、そんなに物欲しそうな顔してねえだろ
MEIKO:ふふ、ミニサイズのものなら全員分あるわよ。 冬弥くんの分はビターになってるしね
彰人:マジすか
冬弥:ありがとうございます
杏:ふふっ
杏:よーし! 食べたら、みんなで練習頑張ろうね!
シブヤの公園
杏:あ~美味しかった! 今なら丸一日歌えちゃいそうだよ!
彰人:テンションが上がったんなら何よりだ。 そんじゃそろそろ練習を——
冬弥:ん? 猫が近寄ってきたが……
こはね:あ、ビビちゃん!
冬弥:何やらこちらを見上げているが……。 エサがほしいんだろうか
杏:んー……。 もしかしたら、歌ってほしいのかも
彰人:は?
杏:前、こはねには話したんだけど、 ビビって音楽がわかる猫だって言われててさ。 うまい歌はじっと聴いてくれるんだよ!
彰人:なんだそりゃ。迷信か?
冬弥:種類によっては動物も音楽を理解するという話を 聞いたことはあるが……猫もそうなのだろうか
こはね:実際どうなのかわからないけど……。 歌ってみようか?
彰人:ま、やることは変わらねえし、いいか
冬弥:そうだな。猫に見守られて歌うというのも、 楽しそうだ
杏:オッケー! それじゃあいくよー!
雫:あら……また違うところに出ちゃったわ
雫:連絡をとっても愛莉ちゃんと行き違っちゃうし……。 どうしたらいいのかしら
愛莉:雫~!
雫:あ……愛莉ちゃん!
愛莉:あんた……なんでランニングの途中に フラーっとどっかに行っちゃうのよ!
雫:ごめんなさい……。 とってもオシャレな通りがあったからつい——
雫:あら? これって……
???:『————!』
愛莉:誰かが公園で歌ってるのかしら? すごく上手ね
雫:あ……! あれって、杏ちゃん達じゃない?
愛莉:本当! 彰人くん達もいるわ! ここで練習をしてるのね
雫:みんな、すごく真剣な表情……。 すごいイベントを超えるために、頑張ってるのね
愛莉:あ……ふふっ、杏ちゃんが助けたあの子もいるわよ?
雫:本当だわ。 じっとしていて……まるで歌を聴いてるみたい
雫:ふふっ、聴き惚れちゃう気持ちもわかるわ
愛莉:ええ。 わたし達も、負けてられないわね!
雫:……愛莉ちゃん! 走りましょう! 私、今なら丸1日でも走れそうだわ!
愛莉:そうね! ……ってだからそっちは逆方向なのよ~!
杏:……はぁ! ねえ、今のかなり良かったんじゃない!?
冬弥:ああ。リズムもしっかりとれていた。 この調子でもう1回やろう
彰人:そんじゃ、今日はとことんまでやるか
ビビ:ニャー!
こはね:あ、ビビちゃんが……!
杏:ふふっ。 なんだかもう1曲って言ってるみたいだね!
杏:それじゃあビビが満足するまで、 歌っちゃうよー!!