活动剧情

KAMIKOU FESTIVAL!

活动ID:7

第 1 话:ボクと文化祭

瑞希の部屋
瑞希:……んんー。ふわぁ……
瑞希:あれ? 今って……8時? いつもより早起きしちゃったなー
瑞希:昨日は思ったより作業が早く終わって、それで……。 あ、そのまま寝落ちしちゃったんだ
瑞希:って、ほっぺにノートの跡ついてんじゃん! うわー、最悪だー……
瑞希:電話? こんな早くから誰が……って、杏?
杏:『あ、瑞希? 久しぶり! ねえ、今日って学校来ないの?』
瑞希:学校? え、でも今日って土曜日だよね?
杏:『あー……やっぱり忘れてたか』
瑞希:忘れてたって何? 今日なんかあったっけ?
杏:『今日はうちの学校の文化祭だよ!』
瑞希:あー。文化祭か。 そういえば、そんなのあったねー
杏:『あはは。もう、瑞希らしいなぁ』
杏:『クラスの準備は終わっちゃってるからやることないけど、 出し物とか模擬店たくさんあるし、顔出してみたら?』
瑞希:へー、それじゃあボクも……
瑞希:(あ、でも……)
生徒A:……あの子、うわさの子だよね?
生徒B:暁山ってなんでそんな格好してるわけ?
瑞希:(……また変に注目されて いろいろ言われたら面倒だな)
瑞希:(せっかく誘ってくれた杏には悪いけど、今日は……)
杏:『あ、今日は仮装してる子もたくさんいるんだよ。 2年生は演劇やるところ多いから、その衣装もすごくってさ!』
杏:『よっぽど派手なカッコしてないと、 今日の主役になるのは難しいかもね?』
瑞希:……そうなんだ
瑞希:(……杏、ボクに気つかってくれてるな。 『今日なら大丈夫だよ』って)
瑞希:(それなのにボクがあれこれ引きずるのは、 ちょっとカッコ悪いよね)
瑞希:そんじゃ、行ってみよっかな! いろんな衣装見られるのもおもしろそうだしね~♪
杏:『じゃあ決まりね! 午前中は店番してるから、教室で待ってるね!』
瑞希:わかった。 じゃあ、またあとでねー。ありがと、杏
瑞希:……文化祭か……
瑞希:ちゃんと行くのは——あの時以来かな
瑞希:……ってボーっとしてたらお昼になっちゃうよね。 早く行く準備しようっと!
神山高校 文化祭当日
瑞希:やっほー、杏!
杏:あ、瑞希! 待ってたよ!
瑞希:……って、何? そのTシャツ
杏:ああ、文化祭のクラスTシャツだよ。 クラスのみんなで作って、お揃いで着てるの
杏:たしか、瑞希の分もあるよ。 持ってこよっか?
瑞希:……んー、ボクはいいや
瑞希:人多いから、着替えるところ探すのもメンドくさいしね~
杏:そう? ま、別にいいけど
杏:それじゃ、さっそく文化祭まわろ!
神山高校 中庭
瑞希:へえ、どこも結構賑わってるね~。 杏の言ってたとおり、模擬店もたくさんあるし
杏:うん! うちの学校の文化祭って、 一般の来場者も多いみたいだよ?
瑞希:あ、あそこで売ってるわたあめ、すっごくカワイイ~! 買おうよ、杏!
杏:いいね! 行こっか!
瑞希:は~。模擬店、たくさんまわれたね〜。 お腹いっぱい!
杏:そうだね。 さて、そろそろクラスのほうにも——
こはね:あっ、杏ちゃん……!
杏:あ、こはね! 来てくれたんだね。 来られないかもって言ってたから、びっくりしちゃった!
こはね:えへへ。予定が思ってたより早く終わったの
瑞希:あ、もしかしてキミって、 杏がいつも話してる小豆沢さん?
杏:そう! 私の大事な相棒♪
こはね:は、初めまして……! 小豆沢こはねです
瑞希:初めまして〜。ボクは暁山瑞希だよ。 よろしくね、こはねちゃん!
こはね:は、はい、よろしくお願いします……!
杏:そうだ! せっかくだし、3人で文化祭まわらない?
こはね:い、一緒に……!? えっと、その……
瑞希:あ……
瑞希:(もしかしてこはねちゃん、 ボクがいるから緊張してるのかな?)
瑞希:(わざわざひとりで来たのも、 きっと杏と文化祭まわりたかったからだろうし……)
瑞希:(それなら——)
瑞希:あ! 今、あっちのほうにいる担任と目ぇ合っちゃった! ボク、受けてなかったテスト受けろって言われてるんだけど、 サボってるんだよね~
瑞希:ボクしばらく隠れてるから、ふたりでまわっててよ! 杏、またあとでね!
杏:え、ちょっと、瑞希!?
こはね:行っちゃった……
瑞希:ん、追いかけてこないみたいだね。 そんじゃ、ひとりでブラブラしよーっと♪
瑞希:(演劇に、映画に……。 クラスの出し物もいろいろあるんだなあ。 ん~。どれから見てみよっかな)
瑞希:(……それにしても)
瑞希:(みーんなクラスTシャツ着てるなぁ。 制服のままだと、完全に浮いちゃってるかも?)
瑞希:……でも、ま、浮いてるのは今更かな
???:ハーッハッハッハッハッハッハ!!
瑞希:え!? 何今の。笑い声?
瑞希:上にある空き教室からっぽいけど……
瑞希:うん。どーせヒマだし、見に行ってみようっと!

第 2 话:発見! 弟くん!

神山高校 教室
KAITO:『司くん、プロポーズのシーンなんだけど、 もう一度一緒にやってみないかい?』
KAITO:『この劇の重要なシーンだから、 本番前に、ここだけ確認したほうがいいと思うんだ』
司:たしかにそうだな。 念には念を入れてこそ、スターだからな!
類:じゃあ僕は相手役をやろうかな
KAITO:『膝をついて、右手に持った剣は後ろに。 左手をうやうやしく差し出して……』
KAITO:『うん、いいね。 そのまま台詞を言ってみて』
司:『ああジュリエット! 僕の太陽! どうか、この僕と結婚してほしい!!』
類:『ロミオ……。 それならば、その名を捨てて、私をとって頂戴』
司:『ジュリエット……!』
KAITO:『……うん、すごく良くなったね! これで本番もバッチリだと思うよ』
司:ああ、助かったぞ、カイト、類! 必ず学校中を…… いや、世界中を感動の渦に叩きこんでみせる!
寧々:それは無理でしょ……
司:なっ! 何を根拠に!
寧々:ロミオとジュリエットのパロディーって聞いて台本読んでみたら、 バカみたいに戦うシーンばっかりだし、話の展開も変だし……
寧々:これでどう感動すればいいわけ?
司:全く、何もわかっとらんな! 9人のロミオによる、命と真実の愛を賭けたバトルシーンは どう考えても感動するだろう!
類:ああ、あの場面は僕も好きだよ。 愛するジュリエットのために、 ひとり、またひとりと無残に散り逝くロミオ達……
類:飛び散る血潮。悲痛な慟哭。 だというのに、見ている者は何故か笑いを堪えきれない……
類:愛する者を奪いあうという悲劇を、あそこまでの喜劇に 仕立てあげた手腕は素晴らしいものだと思うよ
司:……ん? オレは悲劇のつもりで台本を書いたんだが……
KAITO:『あははは……』
寧々:あ、もうこんな時間? クラスの模擬店、手伝いに行かなきゃ
寧々:そっちももうすぐ本番なんだから、準備したら? あと、一緒にショーやってるんだから、 恥ずかしい演技しないでよね
司:このオレがそんな演技をするわけあるか!
類:ふふ、寧々は心配してくれてるんだよ。司くん
瑞希:えーっと、あの変な笑い声はこっちから……
瑞希:(あ、あの空き教室にいるのって……類?)
瑞希:(一緒にいるのは……同級生かな。 なんかすごく楽しそうじゃん)
瑞希:(昔と違って、表情が柔らかいっていうか……)
瑞希:(あ……そっか)
瑞希:(類は、仲間ができたのか)
瑞希:……ふふ。じゃあ、声かけるのはやめておこうかな
瑞希:お、このクラスはお化け屋敷やってるんだ! 飾りつけ、よくできてるな~
瑞希:(こういうの、絵名とか結構ビビりそう~。 まふゆは怖がったりしなさそうだけどね)
瑞希:(奏は……どうだろう? 驚いたとこ、ちょっと見てみたい気もするけど……)
瑞希:(なーんて、なんでみんなのこと考えてるんだろ、ボク)
瑞希:(でも、こういうのはやっぱ、友達と入ったほうが楽しいよね)
瑞希:(絵名が来てたらいいんだけど……。 あっちは定時制だし、面倒くさがって来てなさそうなんだよね)
瑞希:(いっそのこと奏とかまふゆを呼びだしてみるとか……? でも、あのふたりも来なさそうだよねー)
瑞希:(……ニーゴのみんなで文化祭まわったら、 どんな感じなんだろうな)
生徒A:東雲ー。3時からお前の当番だから、忘れるなよー
彰人:ああ、時間になったら戻る。 じゃあ任せたぞ
瑞希:……東雲?
瑞希:東雲って、もしかして……
彰人:待たせたな、冬弥
冬弥:いや、俺も来たばかりだ。 彰人のクラスは……お化け屋敷だったか
彰人:ああ。オレは受付だけだけどな。 冬弥のとこはたしか……
冬弥:わたあめ屋さんだ。 ファンシーなわたあめを売っているんだが、 作ってみると、これがなかなか面白い
彰人:そういや前に写真見せてもらったな。 しかしファンシーね……お前が作ってるところ想像できねえな
冬弥:あ……そういえば、彰人。 見たい催しがあるんだが、よければ一緒に見ないか?
彰人:見たい催し? なんだ?
瑞希:(東雲で、彰人……。 ってことは……)
瑞希:(ん~。違ってるかもだけど、話しかけちゃおっと! なんとなく似てる雰囲気あるし!)
瑞希:ねえねえ、そこのキミ!
彰人:ん?
瑞希:もしかしてキミって——絵名の弟の、東雲彰人くんじゃない?

第 3 话:演劇を見に行こう!

神山高校
彰人:え? 絵名は、たしかに姉だけど……
瑞希:ホントに!? ビンゴ~! 弟くんも神高だったんだね~!
瑞希:しかも、あのお化け屋敷のクラスの子ってことは ボクと同じ学年だよね!
瑞希:同い年なんて知らなかったなー。 絵名ってば教えてくれればよかったのに!
彰人:それで、君は一体……?
瑞希:あ、ボクは1年A組の暁山瑞希! 絵名とは……まぁ、それなりに深い仲って感じ?
瑞希:あ、隣のキミは?
冬弥:1年B組の青柳冬弥だ
瑞希:じゃあ冬弥くんだね! ふたりとも、よろしく〜
瑞希:ところで弟くん、今日って絵名は来てないの?
彰人:弟くん……
彰人:はぁ……。姉貴がどうしてるかなんて知らねえよ。 いつも通り、まだ家で寝てるんじゃねえか
瑞希:あー、やっぱそっかー。 来てるなら一緒にまわろうと思ってたんだけどな……
瑞希:しょーがない、ひとりでまわるか〜。 体育館とか行ったら、何か出し物やってるかな?
冬弥:……暁山、だったか。 誰かとまわりたいなら、一緒に来るか?
彰人・瑞希:『え?』
冬弥:もうすぐ俺の先輩がクラスで演劇をやるから、 見に行こうと思っていたんだ。よければ一緒にどうだ
彰人:あ、お前が言ってた、『見たい催し』ってそれか?
彰人:つーか、その先輩ってどうせあいつだろ?  お前が前に紹介した、司センパイ
冬弥:ああ。なんと今回、司先輩が台本を書いて、主役も務めるらしい
瑞希:へえー、おもしろそう! 劇とかあんま見ないし、見てみたいな!
瑞希:あ、もちろん、お邪魔じゃなかったらだけどね?
冬弥:司先輩の雄姿を見る人数が多い分には、構わない。 彰人はどうだ?
彰人:……まぁ、別にいいけどよ。 あいつの演劇ねぇ……
瑞希:やったー! ありがとう弟くん、冬弥くん! それじゃあさっそく、レッツゴー♪
彰人:おい、腕引っ張るな。 あとその、『弟くん』ってのは……うわ!
2年A組
瑞希:わぁ~! 人、かなり集まってるね!
冬弥:きっとみんな、司先輩の演劇を楽しみにしていたんだろうな
彰人:そうかぁ……?
彰人:それにしても『ロミオ 〜ザ・バトルロイヤル〜』ってなんだよ。 タイトルからしてB級じゃねえか
瑞希:まー、タイトルだけじゃまだわかんないし? あ、せっかくだし、一番前に座ろうよ!
冬弥:ああ、そうだな。 そっちのほうが、司先輩の演技がよく見える
彰人:冬弥、お前……メチャクチャ楽しそうだな
冬弥:そうか?
司のクラスメイト:間もなく開演となりますが、その前に注意事項をお伝えします
司のクラスメイト:本公演には、バトルシーンがあります。 最前席に座られるかたは、ご注意ください
瑞希:バトルシーン? 何するんだろ?
冬弥:わからないが、司先輩のことだ。 きっと何かすごいことをしてくれるに違いない
彰人:すごいことねぇ……
司のクラスメイト:それでは『ロミオ 〜ザ・バトルロイヤル〜』開演です!
鎖鎌のロミオ:『我が名は鎖鎌のロミオ!! 観念しろ……うぐああああ!!』
モーニングスターのロミオ:『私はモーニングスターのロミオ!! 私にかかれば他のロミオなど……ぎゃああああ!!』
最強剣のロミオ:『ふ……弱すぎる! やはりこの僕、最強剣のロミオこそ最強! 君達に、ロミオを名乗る資格はない!』
瑞希:あっはっはっはっはっ! 何これ~!
彰人:わけわかんねえ……
最強剣のロミオ:『この僕に勝とうなど、1億光年早い! あの世から出直してきたまえ!』
瑞希:あれ、1億光年って距離だよね。 間違ってない?
冬弥:いや……台本を書いたのは司先輩だから、 きっと深い意味があるに違いない
彰人:いや、絶対違うだろ……
最強剣のロミオ:『さぁ、このままばったばったと敵を倒して、 愛しのジュリエットを迎えに行こうじゃないか!』
最強剣のロミオ:『ハーッハッハッハッハッハ!』

第 4 话:先輩を探そう!

神山高校
彰人:頭痛え……
瑞希:はー、笑いすぎて疲れた〜! ほんっと、意味わかんなすぎてヤバかったね〜!
瑞希:9人のロミオが最後のひとりになるまで戦うってとこまでは 予想できたけど、まさか最後宇宙に行って概念存在になるとは 思わなかったな~
瑞希:あ、あの主役の人が冬弥くんの言ってた先輩? なんかいろんな意味で、すんごい存在感ある人だったけど……
冬弥:……とても深い話だった
瑞希:へ?
冬弥:一見するとコミカルな展開の中に、哲学的な示唆が感じられた。 ラストシーンであの曲をBGMにしたのも、 何か意味があるんだろうな……さすが司先輩
瑞希:……ねえねえ、もしかして冬弥くんて、 なんか強い催眠術でもかけられてる?
彰人:そうじゃねえ……とは思うんだが……
彰人:……この際だから聞くが、 どうして冬弥はそんなにあいつを尊敬してるんだ?
彰人:前は、『お世話になってる先輩だ』っつってたけどよ
冬弥:ああ、そうか。 彰人にも詳しくは話してなかったな
冬弥:司先輩は、俺の恩人なんだ
瑞希:恩人?
冬弥:ああ。 司先輩と俺は、親同士が知りあいだったこともあって、 小さい頃から一緒に遊んでいたんだ
彰人:そんな昔からの知りあいなのか
冬弥:それで、彰人は知っているだろうが……。 俺は小さい頃から、父親にクラシックの英才教育を施されていた
冬弥:だが、父親の指導はとても厳しくて……
冬弥:平日は朝早く起きて練習。学校から帰るとまた寝るまで練習。 休日になると朝から晩までピアノとバイオリンを弾いていた
冬弥:俺は、中学に上がる頃、とうとうその生活に耐えられなくなって、 逃げだしたいと思うようになったんだ
瑞希:そんなに厳しかったら、そうなるよね……
冬弥:それでも俺は、時間と情熱をかけて指導してくれた父親の期待を 裏切るのが申し訳なくて、逃げることを躊躇っていた
冬弥:だがそんな時――司先輩が言ってくれたんだ
冬弥:『お前の人生なんだから、お前がやりたいようにやればいい。 嫌なものは、嫌と言っていい』と
彰人:あいつが……?
冬弥:その言葉に、俺は背中を押してもらえた
冬弥:そしてそのおかげで俺は、クラシックを辞めて、 彰人と出会うことができた
冬弥:あの時の司先輩の言葉がなかったら、今の俺はいない。 だから、司先輩は、俺を変えてくれた……恩人なんだ
彰人:……なるほどな
彰人:それなら、オレも感謝しねえとな
瑞希:(……変えてくれた、恩人、か)
瑞希:(ボクも、いろいろ助けられたっけ)
冬弥:そうだ、司先輩に劇の感想を伝えないと……
瑞希:あ、じゃあ、教室入ってみる? ちょうど片づけも終わったみたいだし、会えるんじゃない?
冬弥:ああ、そうだな
司:じゃあ、あとのことはよろしく頼んだぞ! オレは次に行かねばならん!
司のクラスメイト:オッケー。お疲れ天馬くん
冬弥:あ、司先輩……!
司:おお、冬弥! よく来てくれたな!
冬弥:さっきの劇、とても良かったです。 特に——
司:あ……すまん! 急ぎの用事があるから、話はまたあとでだ! じゃあな!
冬弥:あ……
瑞希:あー、行っちゃったね。 あんなに急いでるってことは、なんか他にも出し物やるのかな?
冬弥:劇の感想をしっかり伝えたかったんだが……
冬弥:そうだ、電話を……!
冬弥:……駄目だ。留守番電話になっている
彰人:まぁ、校内ウロついて探してみればいいんじゃねえか。 あんなにうるせえんだし、すぐ見つかるだろ
冬弥:そうだな。 すまない彰人。助かる
冬弥:しかし、あっという間にどこかへ行ってしまったな。 どう探したものか……
瑞希:…………
瑞希:じゃあ——ボクも手伝おっか?
冬弥:え? だが、暁山にそこまでしてもらうのは……
瑞希:あはは、気にしないで。他にもいろいろまわろうと思ってたから、 そのついでだよ~
瑞希:それに、一緒に劇を見ようって誘ってもらえて、 嬉しかったからさ。そのお礼だと思ってよ
冬弥:そうか……。助かる
瑞希:じゃあ、ここで一旦解散して、 先輩見つけたら、冬弥くんに連絡してって伝えておくね!
瑞希:じゃ、またあとでねー!
彰人:あ、おい! 暁山! 一緒に探すなら連絡先くらい——
彰人:……ったく、今日は忙しいヤツらばっかりだな
彰人:しかし……暁山って名前、 前にどっかで噂になってなかったか?
冬弥:そうなのか?
彰人:……まあ、いいか。 オレ達も探しに行くぞ、冬弥

第 5 话:お揃いのシャツ

神山高校
瑞希:司せんぱ~い!
瑞希:う〜ん、見つからないな、司先輩……ん?
ゲーム大会司会の生徒:神高ゲーム大会、優勝者は—— 草薙寧々さんです! おめでとうございます!
ゲーム大会司会の生徒:ぶっちぎりのハイスコアで、堂々の優勝でした! それでは草薙さん、コメントをお願いします!
寧々:あ、え、えっと……あ、あ、ありがとうございます……
ゲーム大会司会の生徒:特にシューティングゲームでは、素晴らしい狙い撃ちでしたね! ズバリ、うまくなるコツはなんですか?
寧々:そ、それは……ずっと家でやってただけで……
瑞希:えっ。あれってすっごい難しいって噂の シューティングゲームだよね?
瑞希:すごいなぁ。 ボクも今度ソフト買ってやってみよっかな〜
瑞希:……じゃなかった! 司先輩、司先輩!
瑞希:んー、やっぱ見つからないな。 目撃情報はたくさんあるのに、ありすぎて見つからないなんて
クラスメイトA:あれ? 瑞希じゃん!
クラスメイトB:久しぶり~! 来てたんだね!
瑞希:あ……
クラスメイトA:そういえばさ、瑞希も言われてイヤなら、 学校くらい普通の格好で来ればいいのにね
クラスメイトB:それは思うなー。 他と違うと、みんなも気になっちゃうしね
クラスメイトA:いい子だけど、瑞希ってそういうところあるよね
クラスメイトB:わかるー。みんなに合わせらんないっていうか
瑞希:……ひっさしぶり~! なんか楽しそうだから来ちゃった♪
クラスメイトA:あれ? 瑞希、クラスTシャツ着てないの?
瑞希:あー、うん。 教室にボクの分もあったんだけど、 着替えるのもメンドくさいし、いっかなって
クラスメイトA:ふーん。ま、別に面倒なら着なくてもいいんじゃない? 文化祭でお揃いのTシャツっていうのも ベタすぎてダサいしね~
クラスメイトB:だよねー。 せっかくあるから着てるけど、ちょっと恥ずかしいもん
瑞希:…………
クラスメイトA:そうだ、瑞希ひとりなら一緒にまわんない? せっかくだしさ
瑞希:あ、ごめーん。 今ちょっと人探しててさ
クラスメイトA:そっかー、残念
瑞希:ふたりで楽しんできてよ! それじゃーね!
瑞希:…………
瑞希:お揃いはダサい、かぁ
瑞希:そんなの——お揃いになれるから言えるんだよ
神山高校 屋上
KAITO:『わぁ……!』
KAITO:『本当に、屋上からだと、文化祭の様子がよく見えるね。 ありがとう、類くん』
類:フフ、どういたしまして。 これくらいならお安い御用さ
KAITO:『でも、よかったのかい? 類くんも何か、クラスですることがあったんじゃ……』
類:いいや、特にないよ
類:個人的に、こういうイベントごとは大好きなんだけどね。 僕の提案は、クラスのみんなにはちょっと過激みたいなんだ
類:こういったものは、やはり相性が大事だね。 ……そう考えると、僕はいつも片思いをしているようだ
KAITO:『そうか……』
類:フフ。そんな顔をしないでほしいな。 今はもう、僕の想いに応えてくれる相手がいるんだ
KAITO:『それは……司くん達のことかい?』
類:もちろん
KAITO:『よかった。キミ達がそういう風に笑ってくれると、 僕達も嬉しいよ』
類:フフ。いつもありがとう、カイトさん。 だけど……昔はこんな風になるなんて、思いもしなかったよ
類:僕は、このままずっとひとりでショーをすると思っていた
類:観客さえ笑ってくれるなら、誰かに理解される必要もないと、 本気でそう考えていたんだよ
類:僕のやりたいショーは、ひとりではできないのにね
KAITO:『……おや? 足音だ。 誰かが来るみたいだよ』
類:あれは……
類:ああ……。 僕の仲間だよ
KAITO:『仲間?』
類:心の友とでも言うのかな
類:……少し、話をしてきてもいいかな?
KAITO:『ああ、もちろんだよ。 それじゃあ僕はこれで。またね、類くん』
類:また次のショーで、カイトさん
瑞希:……あれ?
瑞希:そこにいるの……類?
類:やあ。屋上で会うなんて、あの時以来だね。瑞希

第 6 话:いつかの文化祭

神山高校 屋上
瑞希:……なんで類がここにいるの?
類:瑞希こそ。 まさか文化祭に来てるとは思わなかったよ
瑞希:もー。またボクの質問に答えてないじゃん
類:フフ、そうだねえ。 とはいえ、ここにいることに大した理由もないさ
類:僕は、ここから見える景色を見にきただけだよ
類:僕は、ここから見える景色を見にきただけだよ
瑞希:…………
類:どうしたんだい? 狐につままれたような顔をして
瑞希:……別にー? 初めて会った時と同じセリフ言ってるな~って思っただけ
類:おや、そうだったかな?
瑞希:表情は全然違うけどね
類:うん?
瑞希:ところで、類、司って人がどこにいるか知らない?
瑞希:あの人、類の知りあいだよね。 今日も一緒に喋ってたみたいだし
類:司くん? 瑞希も知りあいなのかい?
瑞希:知りあいっていうか、知りあいの知りあい、かな。 ちょっと用があって探してるんだ
類:あいにくだけど、僕にはわからないな。 司くんは、突然やってきては辺りを掻きまわして消える、 嵐のような人だからね
瑞希:……たしかに、あの司って人、じっとしてなさそうだよねー
瑞希:さっき、あの人が主役の劇を見たんだけど、 内容も演技もはちゃめちゃすぎて、意味わかんなかったよ
類:フフ、だろうねえ。 司くんは、四六時中突拍子もないからね
瑞希:ねえ、類
瑞希:さっき、空き教室で練習してる類を見かけたんだけどさ、 すごく楽しそうに見えたよ
類:……ああ。 司くんと寧々と、練習をしていた時かな
瑞希:中学の頃はふたりでこうして、 屋上でぼーっとしてる時間が多かったけど——
瑞希:今は、類も普通に楽しくやってるんだなってわかって、安心したよ
瑞希:……誰?
類:おや。こんな辺鄙な場所に、他にも観客が来るとはね
瑞希:観客?
瑞希:ていうか、ボクが先にここにいたんだけど。 あとから来といて、何?
類:ああ、そうだったんだね。 それは失礼
類:名乗り遅れてしまったね。僕は神代類
瑞希:神代? ああ、あのよく噂になってる3年の……
類:知ってもらえているなんて光栄だね。 君は?
瑞希:さあね
類:そうか……。仕方ないね。 まぁ、これも何かの縁だから、よろしく。 2年生の暁山瑞希くん
瑞希:……なんで知ってるのにわざわざ聞いたわけ?
類:それはもちろん、君の口から聞きたかったからだよ
瑞希:……変な奴
類:フフ、よく言われるよ
瑞希:それで、先輩は屋上に何しに来たの?
類:僕は、ここから見える景色を見にきただけだよ
瑞希:文化祭の日に、わざわざ?
瑞希:ここから見えるのなんて、 みんなが馬鹿みたいに騒いでるところだけでしょ
類:そうだね。でも、それがいいんだよ。 みんな楽しそうだろう?
類:それぞれが、それぞれの作ったショーを楽しんでいる
瑞希:……よくわかんないけど、 楽しそうだって思うなら、あっちに行けばいいじゃん
類:そうだねえ。 そうできたら、いいんだけどね
瑞希:……はぁ
瑞希:変な奴なのは、お互いさまかもね

第 7 话:ふたりぼっちの屋上で

瑞希:あ、またいる
類:やあ瑞希くん。 今日は遅いじゃないか。もう3時間目だよ
瑞希:いや、だからなんでいつも待ってるの? ボク達何も約束してないでしょ
類:うん。今、戯曲を読んでいてね
瑞希:またボクの質問に答えてないし……
類:いやいや、今日は答えているよ。 この戯曲は、ある人物をひたすら待ち続けるという話なんだ
類:だから僕も君を待っていれば、登場人物の心情に より近づけるんじゃないかと思ったんだよ
瑞希:へー。その戯曲って、面白いの?
類:ズバリ——人によるね
瑞希:そんなの、どんな話だってそうでしょ
類:この戯曲は特にそうなんだよ。 わかりやすい結末はなくて、 解釈は、観客に委ねられるんだ
瑞希:ふーん。そういう話、嫌いじゃないけど……。 先輩って、そういうのも読むんだね。 どっちかっていうと面白いショーをやりたいんじゃないの?
類:そうだよ。だからいろいろなものを見るんだ。 面白いショーを作るためにね
瑞希:面白いショーのために、いろいろなものを、ね……
瑞希:……じゃあ、ここに来るのもそういうこと?
類:え?
瑞希:ボクみたいなのと話すのが、面白いショーを作るための いいネタになるのかなって思って
類:……うん。そうだね。 たしかに君はいいネタになっているよ
瑞希:…………
類:でも、僕にとっては、誰だってショーのネタだ。 君に限らずね
瑞希:…………。 ……あっそ
類:フフ。 思うに、僕はこういう風に、なんでもショーを中心に 考えてしまうところがいけないところなのかもしれないね
瑞希:とか言っておいて、直す気はないんでしょ
類:もちろんさ
瑞希:そのせいで、ひとりになってるとしても?
類:……ひとり。 そうだねえ……
類:孤独は、そこまで悪いものじゃないんじゃないかな
瑞希:え?
類:孤独は、僕にいろいろなものをくれたよ。 たくさんのショーを見る時間に、 様々なアイディアを考える時間に……
類:それに、屋上にいる孤独な仲間も、ね
瑞希:……孤独なのに仲間って、 矛盾してるでしょ、それ
類:フフ、たしかにね
瑞希:……孤独な仲間か
瑞希:そのうち、孤独じゃない仲間も見つかるのかな
類:さあ、どうだろう。 それは神のみぞ知る、だよ
瑞希:神様ね。 どっかにいるのかな?
類:どうだろうねえ。 ああ、それなら——
類:4時間目の終わりまで、一緒に待ってみるのはどうだい?
瑞希:……あはは。じゃ、そうしよっか。 どうせボク達、ヒマだしね~
瑞希:類には、ちゃんと仲間ができたんだね。 あの司って人とか、あと、一緒にいた女の子とかさ
瑞希:あーあ、類に先越されるとはな~。 絶対ボクのほうがコミュ力高いのに~
類:……瑞希にもいるんじゃないかい? 新しい仲間が
瑞希:え?
瑞希:……なんでそう思うの?
類:演出家としてのカン、かな?
瑞希:……あはは、何それ。 ボクにはそんなの……
瑞希:…………仲間、って言うと、 ちょっとしっくりこないけど
瑞希:でも、そんな感じの人達に会うことはできたかもね
類:フフ。そうかい
瑞希:……だからなのかな。嫌なこともたくさんあるけど、 今は、ここから見える景色も、そんなに嫌じゃないよ
類:なら、お互い、いい人間に出会えたようだね
瑞希:とはいえ、せっかくの文化祭なのに こんな場所で油売ってるところとか、 昔と全然変わってないんだけどね~
瑞希:……ん? なんか校庭に人が集まってきてない?
類:ああ、そろそろ後夜祭が始まるんだね。 聞いたところ、ダンスをしたり、ライブをしたりするそうだよ
瑞希:へー。 高校だとそういうのもあるんだね
類:……ん? 足音が聞こえるね。誰かこっちに来るみたいだ
瑞希:え? 誰だろ?

第 8 话:ボクの文化祭

神山高校 屋上
杏:あ、いた! 瑞希、探したよ! スマホ鳴らしても全然出ないんだもん
瑞希:杏?
司:おお! やっと見つけたぞ、類!
寧々:はあ……コイツと一緒に探すの、ほんと恥ずかしかった……
類:おやおや。探されているとは思わなかったよ
瑞希:これって、一体……?
冬弥:暁山。見つかってよかった
瑞希:あ! 冬弥くん!
冬弥:さっきはありがとう。 実はあのあと、すぐに司先輩と会えたんだ
瑞希:じゃあ、感想も伝えられたんだね! よかった〜!
彰人:だからもう探さなくていいって伝えようと思ったんだが、 オレ達は暁山の連絡先知らねえから、 どうしたもんかと思って……
瑞希:あ、そういえばそうだね。 ボクもうっかりしちゃってた
杏:で、そこに偶然私が通りがかったから、 一緒に探してたんだ
杏:っていうか、冬弥と彰人って、瑞希と知りあいだったんだね! 全然知らなかった
彰人:ま、今日知りあったんだけどな……
瑞希:ボク的には、杏とふたりが知りあいってのも びっくりだけどね!
瑞希:それはともかく……みんな、わざわざありがとね
杏:あ、それでね瑞希!
杏:瑞希も一緒に後夜祭行かない?
瑞希:後夜祭? でも、杏はこはねちゃんと一緒に……
杏:それなら大丈夫!  後夜祭は神高生徒だけでやるし、こはねはもう帰ったからさ
杏:ていうか瑞希ってば、 こはねが来たから気つかっていなくなったでしょ?
瑞希:え、えー? そんなことないけどー?
杏:誘っといたくせにひとりでまわらせちゃったし、後夜祭は 一緒に行けたらいいなって思ったんだけど……どうかな?
瑞希:杏……
瑞希:ありがと! それじゃ、一緒に行こっか!
司:類も一緒に後夜祭に行くぞ! 観客は多ければ多いほうがいい!
類:観客?
司:ふふ……実は、後夜祭のライブは飛び入り参加OKらしくてな。 ならば! オレが出ないわけにはいくまい!
瑞希:あ、もしかしてそれで演劇のあと、どっかに行ってたの?
司:ああ! 飛び入りするためには、 いろいろと準備をする必要があったからな!
司:ふふふ……学校中にオレの美声を響かせてやるぞ!
司:聞けば冬弥や彰人も歌えるらしいからな、 オレのバックコーラスに任命してやったぞ!
彰人:歌えるらしいって……あのなぁ
冬弥:司先輩と歌えるなんて、とても嬉しいです
類:後夜祭のライブか。 じゃあ、そろそろ僕の新作装置のお披露目をしようかな
寧々:どうせまたロクなこと考えてないんでしょ……
杏:あ、そうだ!
杏:瑞希の分のクラスTシャツも持ってきたよ! はい、これ。 もう人も少ないし、すぐ着替えられるよ
瑞希:あ……
彰人:にしても、お前のところのTシャツ、まあまあダセえな
杏:はあ? ちょっと彰人、失礼じゃない?
瑞希:……ん~。 まあ、たしかにボクのセンスとも違うかも~?
杏:え、瑞希まで!?
瑞希:ふふ、だからちょっとアレンジさせてよ。 着るなら、やっぱりカワイく着たいしね♪
杏:よーし、じゃあこれ着て、後夜祭盛り上がろ!
瑞希:(なんだか、不思議な感じだな)
瑞希:(ずっと屋上からみんなを見てたボクが、 こうしていろんな人と繋がって——)
司:よーし、それじゃあここにいるみんなで、 後夜祭に行くぞ!
司:全員、オレに続けー!!
寧々:うるさ……
類:フフ、今から装置の準備をすれば、ライブに間にあうかな?
冬弥:そうか……司先輩のバックコーラスか……
彰人:はぁ、めんどくせえな……
瑞希:(——こうやって、みんなと騒ぐのも、 悪くないなって思えるなんて)
瑞希:…………ふふっ
杏:ほら、瑞希、行こ!
瑞希:——うん! 今行く!