活动剧情
拝啓、あの頃のわたしへ
活动ID:73
第 1 话:ワンマンライブ直前!
レンタル会議室
斎藤:——ということで、当日の流れは以上になりますが、 何か気になることとかありますか?
愛莉:わたしは大丈夫だけど、みんなはどうかしら?
みのり:わ、わたしも大丈夫! これならきっと、お客さんも安心して楽しめると思いました!
遥:そうだね。 物販スタッフの人数も問題ないと思うし、私も大丈夫だよ
斎藤:それじゃあ、ワンマンライブ前の 最終打ち合わせはこれで終わりですね。 あとは当日、よろしくお願いします!
みんな:『よろしくお願いします!』
雫:……それにしても、本当にもうすぐなのね
愛莉:そうね。ここまで合宿やらグッズ制作やら がむしゃらにやってきたから、なんだか感慨深いわね
みのり:う、うん……。 ここまでいっぱいがんばってきたから、 1週間後にもう本番だって思うと……
みのり:き、緊張しちゃうな~!
遥:ふふっ、みのりにとっては初めてのワンマンライブだもんね
愛莉:でも、ここまで大きな問題もなかったし、 無事に開催できそうで本当によかったわ
雫:ええ、スタッフさんや、設営の手配をしてくれた 斎藤さんのおかげね
雫:——斎藤さん、本当にありがとうございます
斎藤:っ……!! 雫さ——雫ちゃんからそんなお言葉をもらえるなんて、 ありがたき幸せというか、もったいないというか……!
愛莉:そういうところは相変わらずね
斎藤:あっ、えっと——
斎藤:む、むしろ、お礼を言うのはこっちのほうです。 今回は、私の将来のためにもなると思って やらせてもらってるので!
みのり:将来の?
斎藤:はい。前に、大学に通いながら 制作スタッフのアルバイトをしてるってことは、 お話ししたと思うんですけど……
斎藤:実は、前のイベントを手伝わせてもらってから、 将来はアイドルをお手伝いする仕事をしたいって 強く思うようになりまして……
みのり:前のイベント、って……
雫:クリスマスにやった、ファンイベントのことかしら?
斎藤:はい、それです! もともと、そういう仕事には興味があったんですけど……
斎藤:あのイベントをやりきったあと、 『やっぱり楽しいな』『こういうのを仕事にしたいな』って すっごく強く思ったんです
斎藤:皆さんがお客さんに希望を与えているステージに 自分も関われたって実感があって、嬉しくて……!
斎藤:それで、もっとちゃんとやってみよう!って、 前よりイベントのバイトも積極的に入れて経験積みながら、 タレントのマネージャーの勉強も始めてみたんです!
雫:まあ……! そうだったんですね
みのり:(わたし達のイベントがきっかけで、夢を……)
みのり:(それって——)
遥:なんだか嬉しいね。 そんな風に言ってもらえるなんて
みのり:あ……う、うん!
愛莉:わたし達も応援してるわ。 なにか力になれることがあったら言ってちょうだい!
斎藤:ありがとうございます! 皆さんにそう言ってもらえるだけで元気がでます!
斎藤:ワンマンも、必ず成功させましょう!
斎藤:運営は私とスタッフで絶対にやり遂げますので、 皆さんは安心してステージに臨んでくださいね!
遥:——ありがとうございます
愛莉:そこまで言われたら、 わたし達も、いっそう気合いを入れないといけないわね
愛莉:MORE MORE JUMP!初のワンマンライブ…… お客さんはもちろんだけど、それだけじゃなくて わたし達もスタッフも、みんな——
愛莉:その場にいる人達全員が楽しめるような、 最高のライブにしましょ!
遥・雫・みのり:『うん!』
ステージのセカイ
リン:わあっ……! みんなのダンス、もう完璧だね!
MEIKO:ワンマンライブまで、あと1週間だったかしら? この完成度なら、問題なく本番を迎えられそうね!
ミク:がんばれ、みんな~!
遥:ふふっ、ありがとう
みのり:あ、あと1週間……。 がんばらなくちゃ……!
MEIKO:みのりちゃん、緊張が抜けないみたいね
愛莉:ええ。この前からずっとそうなのよ
みのり:だってだって、 やっぱり、もうすぐだって考えると どうしても緊張しちゃうよ~!
ミク:ふふっ、そういうみのりちゃん見てると、 本当にいよいよって感じがするね!
ルカ:でも、そんなに心配することはないんじゃないかしら
ルカ:練習もたくさんして、合宿までやって…… みんな一生懸命練習してきたわ
ルカ:みのりちゃんのパフォーマンスも、 格段に成長してるように見えるわよ
みのり:ほ、本当?
KAITO:うん、僕もそう思うよ。 ……みのりちゃんだけじゃなくて、みんなもね。 あとはステージで、みんなの全力をお披露目するだけじゃないかな
遥:ありがとうございます、カイトさん
遥:……みのりに関しては、私達もそう言ってるんですけど
みのり:ううっ……たしかに今日までにたくさん練習はしたけど、 やっぱりソワソワもドキドキもしちゃうというか、 なんというか……
愛莉:まったく、しょうがないわね
雫:ふふっ、やっぱり初めてのワンマンライブは ドキドキしちゃうわよね
みのり:えっ、雫ちゃんもそうだったの!?
遥:というか、みんなそうなんじゃないかな。 ワンマンライブはアイドルにとって最初の関門だしね
遥:……私も、すごく緊張したっけ
みのり:は、遥ちゃんもなんだ……
遥:うん
遥:——って言っても、私は当日まで ワンマンライブの持つ力に気づけてなかったんだけどね
みのり:ワンマンライブの持つ力……?
遥:ASRUNでデビューシングルを出したあと、 私達はしばらく合同ライブをメインに活動してたの
遥:でもある時、急にワンマンが決まったんだ。 本当に突然のことだったし、びっくりはしたんだけど……
遥:私はワンマンも合同ライブも同じライブだし、 お客さんに希望を届けたいって気持ちは変わらないから、って そこまで緊張はしてなかったの
遥:でも、いざ当日になってステージに立った時——
遥:さあ、初めてのワンマンライブ1曲目だよ! みんな、最後までついてきてね!
遥:(すごい歓声……。合同ライブの時とは全然違う)
遥:(……そっか。 今日は、ここにいる人全員が、私達を—— ASRUNを見るためだけに来てくれてるんだ)
遥:(ペンライトも、全員打ち合わせたみたいに 同じように動いてて——)
遥:(綺麗……)
ASRUNのファン達:遥ちゃ~ん!!
ASRUNのファン達:今日のこと、ずっと夢見てた! ワンマンやってくれて嬉しいよ~!
遥:(……すごい。 お客さんみんな、まっすぐに私達のことを見てる)
遥:(視線から、伝わってくる。 期待とか、感動とか——私達を応援したいって気持ち)
遥:(……やらないと。この期待に応えられるだけのステージを。 今の私の、全部を出して——)
遥:♪————!
遥:(——楽しい)
遥:(私達の歌に、合いの手が乗ってるわけじゃない。 私達が、ファンのみんなの合いの手に乗って踊ってる)
遥:(まるで、全員がひとつになってるみたい……。 こんな感覚、初めて——)
遥:(……そっか)
遥:(合同ライブとは違って、ここにいる全員が私達を見て、心を—— 気持ちをひとつにしてくれてるから、 深いところで繋がってる気がするんだ)
遥:(……そう、なんだ)
遥:(これが……ワンマンライブなんだ)
遥:——私の初めてのワンマンは、そんな感じだった
遥:あの感覚は、すごく特別だから…… みのりにも早く味わってほしいな
みのり:お客さんと、心の深いところで繋がる……
みのり:(そういえば、あの時わたしも……)
レン:いいな、みんなのワンマンライブ。 僕も客席で見たかったよ
ルカ:そうねえ。 私達も見れたらよかったんだけれど、難しそうよね……
愛莉:あ、それなら大丈夫よ。 みんなのために、前のほうにスペースを作っておいたから
ミク:え、本当っ!?
MEIKO:でも、平気なの? 誰かに見つかったりしたら……
雫:機材を置いている場所だし、 周りからも見えないようにするつもりだから、きっと大丈夫よ
遥:その分、周りが殺風景で申し訳ないけど……。 ステージは見えやすい特等席だから、楽しんでくれると嬉しいな
ミク:わあ……ありがとう、みんな!
リン:わたし、みんなのこと、たっくさん応援するからね!
KAITO:みのりちゃんも、緊張も全部含めて、 最初のワンマンライブ、思いきり楽しんでね
みのり:は、はい! ありがとうございます、カイトさん!
みのり:——わたし、一生懸命がんばるよ! 人生で1回しかない最初のワンマンライブ、後悔しないように!
第 2 话:思い出のディスク
みのりの部屋
みのり:ふい~! 今日もいいお湯だった~!
みのり:あ、そうだ! 忘れないうちに愛莉ちゃんから教えてもらった マッサージローラーで足コロコロしよ~っと!
みのり:これ、本当に気持ちいいんだよね! やったあと、足スッキリするし
みのり:えーっと、ここがいつも痛いところだから、 重点的にほぐさなきゃね
みのり:(あ、ここすごく張ってるなあ。 最近家でも自主練がんばってるからかな?)
みのり:(でも、いっぱいやった分、 新曲の難しいステップもできるようになったんだよね)
みのり:(他にもいろいろできるようになったことあるし、 ワンマンも絶対成功させないと——)
みのり:……ううっ、やっぱりライブのことばっかり考えちゃうな~
みのり:みんなも初めてのワンマンライブの時は 緊張したってわかって、安心したけど——
遥:あの感覚は、すごく特別だから…… みのりにも早く味わってほしいな
みのり:お客さんと、心の深いところで繋がる……
みのり:……『心の深いところで繋がる』かあ。 ちょっとわかるなあ。 だって、わたしも前に遥ちゃんと——
みのりの声:えっと……たしか、この棚の奥に……
みのり:あった! 初めて行ったASRUNのライブDVD!
みのり:……懐かしいな。 みんなで活動するようになるまで、ほとんど毎日見てたっけ
みのり:『そんなに何回も再生したら、DVD壊れちゃうわよ!』って お母さんにも言われたりして……
みのり:……えへへ。 久しぶりに再生しちゃお~っと!
DVDのテロップ:ASRUN全国ツアー『HONEY』in 東京 後楽園ドーム会場——
みのり:あ、そうそう、この会場! 初めて行って、こんなに広いんだってびっくりしたんだよね!
みのり:(……そうだ。 あの頃は、まだ中学生になったばっかりで——)
数年前
住宅街
みのり:ねえねえちーちゃん、昨日の『やったらNight!』見た!?
千尋:『やったらNight!』……って、 芸能人がお題出されていろんなことに挑戦する番組だっけ? 放送時間も深夜だった気がするし、私は見てないけど
みのり:え~っ、見てって言ったのに~! 遥ちゃん出てたんだよ~!
みのり:遥ちゃんのは体操チャレンジでね、 平均台とか鉄棒とかたくさんやって、 かっこいいしきれいですごかったんだよ!
みのり:あ、そうだ、録画してあるから明日持ってくるね! 絶対見て!
千尋:……はいはい。 ホントにみのり、桐谷遥好きだよね
みのり:だってだって、すごくかっこいいんだもん! 昨日も、できないとこ何回も何回も練習してて、 わたしもがんばらなきゃって思えたんだ!
みのり:それに、歌もダンスもすごく上手で…… とにかく、アイドルとして最強なんだよ!
千尋:……たしかに、前に歌番組で踊ってるの見た時、 体幹がしっかりしてて動きにキレがあるなって思ったな
みのり:えっ! ダンスやってるちーちゃんでもそう思うんだ!
みのり:やっぱり遥ちゃんってすごいな~! さすがは、今をときめくトップアイドル——
千尋:わっ!? ちょ、みのり……今、上から何か……
みのり:わあああっ、鳥のフンがわたしのカバンに~!!! 遥ちゃんカラーでお気に入りだったのに~!!!
千尋:だ、大丈夫? 相変わらず運悪いね……。 ほら、ティッシュ
みのり:ううっ、ありがとー、ちーちゃん……。 どうしていつもわたしばっかり……
千尋:まあ、こんな日もあるよ。 だからそんな落ちこまなくても——
みのり:…………でも、むしろラッキーなのかも
千尋:へ?
みのり:だって、鳥のフンが当たったってことは、 運がついたってことかもしれないでしょ? だから、きっとこの先いいことがあるってことだよ!
みのり:……あっ! 昨日の『やったらNight!』の視聴者プレゼントの 遥ちゃんサイン入りグッズ、当たっちゃうかも!?
千尋:……まあ、みのりが元気ならそれでいいけど……
千尋:前はこういうことあると、すぐ落ちこんでたのに、 桐谷遥のこと好きになってから、ずいぶん前向きになったよね
みのり:だって、遥ちゃんはこんなことで落ちこんだりしないでしょ?
みのり:だからわたしも、もっと前向きになって—— 遥ちゃんみたいなアイドルになるって決めたんだ!
千尋:なるほどね。そういえば、この前言ってた オーディションはどうなったの? どっかに応募するって言ってなかったっけ
みのり:あっ、それは……。 書類で落とされちゃったんだ
みのり:ASRUNの事務所だから絶対入りたいなって思って、 志望動機のとこにも『遥ちゃんみたいに歌もダンスもできる スーパーアイドルになりたいです!』って書いたんだけどなあ
千尋:そっか……残念だったね
みのり:でもでも、まだひとつしか応募してないし!
みのり:他の事務所もオーディションやってるから、 全部応募してみたら、 どこかにはいけるんじゃないかなって思うんだ!
みのり:——あ! しかも、今のわたしなら運がついてるしね!
みのり:よーしっ、帰ったら他の事務所のオーディションの書類 書いてみよ~っと♪
千尋:あはは……。頑張ってね……
みのり:ここの振りは、手を上にいっぱい伸ばしてから——
みのり:アイドルウィンクで、キメっ!
みのり:えへへっ、うまくできた~! なんだか遥ちゃんと一緒に踊れてる感じがして嬉しいな~♪
みのり:この曲の振りも、もう覚えちゃったな! 通しでも踊れちゃう気がするし
みのり:もしかしてわたし、 思ってたよりアイドルの才能あるのかも……
みのり:——って、もうこんな時間!? 『ASRUNのスラスラTime』始まってから 20分も過ぎてるっ!
みのりの母:みのり、帰ったわよ。 ちゃんとサモちゃんのお散歩してくれた?
みのり:お父さんお母さん、おかえり!
みのり:お散歩、ちゃんとしたよ! ダンスの練習する前に、いつもどおり公園を回って—— って、今はそれどころじゃなくて!
みのりの父:一体、何をそんなに慌ててるんだ?
みのり:あのねあのね、6時から遥ちゃんの番組があったの忘れてたの! 今日は重大発表があるって言ってたから どうしても見たかったのに~!
みのり:ううっ、リモコンどこだっけ!? こんな時にかぎって見つからないよ~!
みのりの父:そこのベッドの影に隠れてるのは違うのか?
みのり:あっ、ホントだあった! ありがとう、お父さん!
ASRUNのメンバー:『——ってことで、重大発表はCMのあと!』
みのり:……っ! よかった、間に合った!
遥:『大切なお知らせだから、絶対に見逃さないでね!』
みのり:遥ちゃん!
みのり:大丈夫だよ、ちゃんと見てるからっ!
みのりの母:……ふふ、まったくこの子は。 本当にASRUNに夢中ね
みのり:(重大発表って何かな? 前の曲出てから結構経ってるし、新曲だったりして……!)
みのり:ううっ、気になっちゃうね~、サモちゃんっ!
サモちゃん:わふっ!
司会の芸人:『——おまたせしました、重大発表のお時間です! それでは遥ちゃんに発表してもらいましょう!』
みのり:きたっ!
遥:『はい、私達ASRUNはこの度——』
遥:『新曲、“乙女なハニーマスタード”のリリースと共に、 全国ライブツアーが決定いたしました!』
みのり:ライブ……
みのり:お母さん、ライブだって!
みのりの母:えっ? アイドルなんだからライブくらいやるでしょう? 前もたしか、お昼のワイドショーで——
みのり:も~、そうじゃなくって!
みのり:わたし、中学生になったでしょ? だから、そろそろライブに行ってもいいんじゃないかなって!!
みのり:アイドルになるための勉強にもなるし!
みのりの母:……もう。いつも言ってるけど、 アイドルになんて、そう簡単になれるものじゃないのよ?
みのりの母:それに、中学生になったからっていうのはわかるけど……。 最近はちょっと物騒だし、 ひとりでライブに行かせるのはやっぱり怖いわね……
みのり:ええ~っ! お願い、お母さん! お金は自分のお小遣いから出すし……、 ひとりがダメなら、ちーちゃんにも一緒に行ってもらうから!
みのりの母:千尋ちゃんに? あの子はしっかりしてるし、 ついて行ってくれるなら安心だけど……。 千尋ちゃん、ASRUNに興味あるの?
みのり:そ、それは……そんなになさそうだけど……
みのり:でも、お願いしてみるよ! だからいいでしょ!?
みのりの母:うーん、そうねえ……
みのりの父:まあ、いいんじゃないか。 みのりはずいぶん前からずっと ASRUNのライブに行きたいと言っていたわけだし
みのりの父:中学生ともなれば、何事も挑戦してみる年頃だろう。 いつまでも親に守ってもらうばかりじゃ何も学べないし、 これはいい機会になるんじゃないかな
みのり:……! お父さん……!
みのりの母:……わかったわ。 千尋ちゃんと行くなら、お母さんも許してあげる
みのり:わあっ……
みのりの母:その代わり、サモちゃんのお散歩も学校の宿題も、 ちゃんと頑張るのが条件だからね
みのり:うんっ! 勉強も……、むずかしくても、ちゃんとがんばるし、 サモちゃんのお散歩も、北極にだって行っちゃうよ!
みのり:ありがとう、お父さん、お母さん!
第 3 话:ASRUNライブ予習講座!
休日
みのりの部屋
みのり:——と、いうわけで……
みのり:来たるライブに向けまして、センエツながらこのわたしが ちーちゃんにASRUN講座をさせていただきます!
千尋:……ただライブ行くだけなのに、そんなの必要なの?
みのり:絶対必要だよ! 曲とか振りとかわかってたほうが ライブも楽しめると思うし!!
千尋:まあ、それならいいけどね。 私も行くからには楽しみたいし
千尋:それに、ライブそのものには ダンスの勉強も兼ねて行ってみたかったから
みのり:よかった~! せっかくの機会だし、 ちーちゃんにとっても、わたしにとっても いいライブになったらいいね!
千尋:ふふ、そうだね
みのり:じゃ、早速お勉強タイムに入っていこっか!
みのり:まずは…… ASRUNというグループが、なぜできたかというところから!
千尋:そこから!? ライブって掛け声とか振りが大事なんじゃないの?
みのり:えっ、だって深いとこまで知ってもらったほうが おもしろいかなって……
みのり:あっ、じゃあ、曲の解釈から話す!? 新曲の『乙女なハニーマスタード』なんだけど、 これには諸説あるらしくて!!
千尋:いや、だからそうじゃなくて——!
数十分後
みのり:——ハイッ! ——ハイッ!
千尋:……はい。……はい
みのり:ちーちゃん! もっと元気にやらないと、遥ちゃん達を応援できないよ!
千尋:わかるけど、なんか思ったより恥ずかしくて……
みのり:ノリノリでやったほうが絶対楽しいよ! はいっ、ここの振りも! せーのっ
みのり・千尋:『ハニーきゅんきゅんっ!』
みのり:おーっ、さすがダンサーちーちゃん! 振りバッチリだね!
千尋:…………。 私が普段やってるのは、こういうダンスじゃないけど
千尋:でもここのサビの振り、ちょっとおもしろいな。 お客さんに一緒にやってもらえるように 他のパートより簡単になってるんだね
みのり:あ……たしかに! 意識したことなかったけど、あんまり踊れない人も 一緒にできるようにって考えてくれてるんだ!
みのり:ま、でも、わたしほどのファンになると 他のパートの踊りも完璧にできちゃうけどね!
千尋:たしかに、みのり振りコピ得意だよね。 ダンスの授業でも覚えるの早かったし
みのり:えへへ~。 アイドルを目指すものとして、 やっぱりそういう特技はないとね~
みのり:今回の新曲の振りも全部覚えちゃったし、 もし、ライブの時これを踊ったら……
ASRUNのファン達:すごいぞ、あの子! この前出たばかりの新曲だってのに、振りが完璧だ!
ASRUNのファン達:まるでアイドルみたいね! もしかしてどこかの事務所に所属してたりとかするの?
みのり:ええ~っ、そんなことないですよ! アイドルは目指してますけど、まだ全然素人で……
???:ねえ、そこのあなた
みのり:えっ……
みのり:はっ……遥ちゃんっ!? どうしてここに——
遥:『乙女なハニーマスタード』。 難しい振りなのに、完璧に覚えてくれてるんだね
遥:それに……あなたも、アイドルを目指してるんだ
みのり:そ、それは…… わたし、遥ちゃんみたいなアイドルにあこがれて……、 遥ちゃんみたいになりたいから……!
遥:……そっか
遥:実は、次のASRUNのメンバーを募集してるんだ。 あなたみたいな人がいればって思ってたんだけど……
遥:ここで見つけられてよかった。 私達と——私と一緒に、 ASRUNのメンバーとして活動しない?
みのり:え……ええっ!? い、いいんですか……!?
ASRUNのファン達:すごいわ! まさか、ここで新メンバーが決まるなんて!
ASRUNのファン達:俺、キミのこと推すよ! ここで話したこと一生忘れないから!
ASRUNのファン達:みのり! みのり! みのり! みのり!
みのり:えへへ……。 遥ちゃんに、そんなこと言われちゃったらわたし……
千尋:えっと…… とりあえず、当日客席で踊るのはやめてね……?
みのり:わかってるよ~! 突然踊ったら、他の人にも迷惑がかかっちゃうし!
みのり:(でも、もしかしてもしかしたら…… そういうチャンスも来ちゃうかも!?)
みのり:(えへへへへへ、ライブの日、楽しみだな~っ♪)
ライブ当日
ライブ会場
みのり:つ、つ、ついに来ちゃったね……!
千尋:……うん。 こういうライブ会場って、本当に広いんだね。 映像だけじゃわからなかった
みのり:ね! DVDではいつも見てたけど、 実際に来るとこんな感じなんだ……
千尋:でも、前のほうでよかったよね。 うしろのほうだと、ステージ小さすぎて見にくかったかも
みのり:そうだね。 だから双眼鏡とか持ってる人いるんだなあ……。 次来る時の参考にしよっと!
千尋:ほんとだ、双眼鏡があれば見やすそうだよね。 あ、あっちの二階席のところの人も……、 あの人なんて、ステージそんな遠くないのに持ってるよ
千尋:……っていうか、こうやって周り見ると、 みんなペンライト持ってるし、 ASRUNのTシャツ着てる人も多いよね
千尋:当たり前だけど、ここにいる人達みんなが ASRUNのファンなんだ……
みのり:うん……。 人気のグループだし、ファンが多いのはわかってたけど、 こうやって見るとすごいね……
千尋:そう考えると、なんかすごい場所だよね。 ……私、ちょっと場違いじゃない?
みのり:そんなことないよ! ちーちゃんだって、振りも掛け声も覚えてるし、 もう立派なASRUNのファンだよ!
千尋:うーん、ファンっていうのは違う気もするけど……
千尋:でも、私もグッズ買っちゃったし…… なんかなじめてる感じはするかな
みのり:えへへ、お小遣い前借りしてよかったよね! ペンライトもタオルもバッチリ準備できてるし、 あとは遥ちゃん達を応援するだけだよ!
みのり:なんだか今からドキドキしてきて——
みのり:……ちょっと、気持ち悪くなってきたかも
千尋:な、なんかわかる。なんでだろうね。 別に私達がステージに立つわけじゃないのに
みのり:……ステージに立つ……
みのり:(……そっか。当たり前だけど、アイドルは—— 遥ちゃんは、このおっきなステージに立つんだよね)
みのり:(それで、そのステージは……)
ASRUNのファン達:どこから出てくるのかな、遥ちゃん! セトリも気になるし!
ASRUNのファン達:絶対最初か最後が新曲のハニマスだよな! 見逃さないようにしないと!
みのり:(まだライブは始まってないのに、 みんなじっと……期待して見てる)
みのり:(それに、きっとこのあと…… もっとたくさんの人の目が釘付けになるよね。 その中で遥ちゃんは——いつも完璧に踊ってる)
みのり:……わたしも、アイドルになったら……
ASRUNのファン達:新曲の振り、結構難しそうだけど 生でちゃんと全部やってくれるのかな?
ASRUNのファン達:絶対やるっていうか、やんなきゃおかしいでしょ! 特に遥ちゃんなんかダンスうまいし、絶対完璧に踊り切るって!
ASRUNのファン達:……今日、はるかちゃん、どの歌やってくれるのかな? わたしの好きな歌、全部やってくれる!?
ASRUNのファン達:さすがに全部は無理だと思うけど、 きっと何曲かはやってくれるわよ
ASRUNのファン達:えー、全部やってほしいのに~……。 でも、はるかちゃん楽しみだな! わたし、いっしょに歌うんだ!
千尋:……みのり?
みのり:(アイドルになったら、できる……のかな)
みのり:(この会場ってたしか、 5万人くらいのお客さんがいるんだよね。 そんな……すごくたくさんの人達が見てる中で——)
みのり:(……もし……、もしわたしが、 たった今、ASRUNの一員になれて ステージにあがれたとしても……)
みのり:(遥ちゃんみたいに…… 完璧にステージをやり切れる自信は——)
千尋:え、これって——
みのり:……っ! 始まる……
遥:——さあ
遥:1曲目、いくよ!
第 4 话:HONEY in 東京
ASRUNのメンバー:みんなーっ、今日は来てくれてありがとーっ!
ASRUNのメンバー:ASRUN全国ツアー『HONEY』in 東京! まだまだガンガン盛り上げていくからね!
遥:普段、悲しいことや苦しいこと…… いろんなことで悩んでいる人がいると思うけど
遥:今日この時だけは全部忘れて、 この時間を、一緒に楽しんでいこう!
みのり:っ……!
みのり:(やっぱり……やっぱり遥ちゃんは……、 遥ちゃんは、すごい……!)
遥:それじゃあ——いくよ!
千尋:あ、この曲…… みのりとライブDVDで見た……
みのり:何度も練習したやつだよね!
みのり:遥ちゃんがわたしのこと応援してくれたんだもん! わたしも遥ちゃんのこと応援しなきゃ!
みのり:——ハイッ! ハイッ!
ASRUNのメンバー:ん~? 声出てないぞー!?
遥:みんな、まだまだやれるよね!?
みのり:やれるよ、遥ちゃん!!
みのり:——ハイッ!! ハイッ!!
遥:いいね! みんなの声、届いてるよ!
遥:それじゃあ私達も、全力でお返しするね!
遥:♪————!!!
みのり:(……すごい)
みのり:(わたし達の掛け声と遥ちゃんの歌声が合わさって、 1つの曲になってるみたい)
みのり:(家で練習してた時も楽しいって思ってたけど…… その時とは、全然違う……)
みのり:(それに……)
遥:みんな、声出してる!? もっと一緒に楽しもう!
みのり:(やっぱり、遥ちゃんはすごい。 全然目が離せなくて、テレビで見るよりも ずっとキラキラしてて——)
みのり:(——モヤモヤしてた気持ちも、全部飛んでっちゃうよ!)
遥:♪————!
みのり:(遥ちゃんの笑顔に、歌う姿に…… すっごくすっごく、元気がもらえる)
みのり:……わたしも、もっと一緒に歌いたい
みのり:(遥ちゃんの歌を、ダンスを、パフォーマンスを…… もっともっと、盛り上げたい……それで)
みのり:(この、好きって気持ち……。 遥ちゃんが大好きって気持ちを、遥ちゃんに届けたい——!)
みのり:遥ちゃん……
みのり:遥ちゃん、大好きだよ~~~~っ!!!
ASRUNのメンバー:みんな、ここまでついてきてくれてありがとーっ!
遥:それでは…… 悲しいけど、次が今日最後の曲です
みのり:ええっ、もう終わりなの……!?
千尋:あっという間だったね……
遥:お別れするのは、私達もすごく寂しいけど…… 今日が最高の日だったって思えるように、 最後まで盛り上がっていこう!
みのり:うん、遥ちゃん! わたしもがんばって応援するよ!
遥:それじゃあ最後は、みんなお待ちかねの——あの曲だよ!
みのり:……! もしかして、あの曲って……
千尋:新曲の……!?
遥:『乙女なハニーマスタード』!
みのり:え……っ! みんなのペンライトの色が、一気にオレンジに……!
みのり:この曲、ライブでやるの初めてなのに、 前からみんなで打ち合わせしてたみたい……。それに……
ASRUNのファン達:うお~~~!! ASRUN~~帰りたくないよ~~!!
ASRUNのファン達:ずっと応援してるからね!! ツアー、福岡も仙台も行くから!!
遥:みんなの気持ち、届いてるよ! 一緒にこの曲で全力を出し切っちゃおう!
みのり:(……みんな、この1曲に夢中になってる。 遥ちゃん達だけじゃなくて、お客さんも、みんな——)
千尋:……みのり。私、甘く見てたよ
みのり:えっ?
千尋:みのりの、『アイドルを好き』って気持ち……。 そんなに自分と関係ない誰かにハマれるなんてすごいなって、 ひとごとみたいに思ってた
千尋:いや、実際ひとごとだったんだけど……。 でも、いざこうやって自分の目で見たら……わかった
千尋:どうしてみのりが、ASRUNを……桐谷遥を好きなのか。 だって……だって——
千尋:すっごく、かっこいいもん……!
みのり:ちーちゃん……
遥:もっとみんなの声を聞かせて! せーのっ!
千尋:——ハイッ! ——ハイッ!
みのり:あ……
みのり:(うちで練習した時は、恥ずかしがってたのに……)
ASRUNのメンバー:本当にそれだけでいいの!? もっとみんなの声、聞かせてよ!
ASRUNのメンバー:ちゃんとついてきてくれてる!? ——教えて! 私達の心に届くくらい!
みのり:……、心に……?
ASRUNのファン達:ちゃんとついていってるよ~~っ!!
ASRUNのファン達:これからもついてくよ~~っ!! ずっと、ずっと大好きだから!!
遥:——ありがとう
遥:みんなの気持ち、心に届いたよ!
みのり:あ——
みのり:心に、届く……
みのり:(そっか……そういうことなんだ)
みのり:(……そっか。 この空間は、最初からそういう風に…… わたし達とアイドルが、ひとつになれるようにできてるんだ)
みのり:(わたし達がASRUNに掛ける声も、 ASRUNが掛けてくれる声も……)
遥:普段、悲しいことや苦しいこと…… いろんなことで悩んでいる人がいると思うけど
遥:今日この時だけは全部忘れて、 この時間を、一緒に楽しんでいこう!
みのり:(全部が全部、ひとつに混ざり合ってこの場所を…… この空気を作ってる)
みのり:悩んでることも、悲しいことも苦しいことも、 全部全部受け止めてもらって、 『がんばれ』って言ってもらって
みのり:まるで、心の深いところで繋がって—— わたしが応援してもらってるみたい
みのり:だから、こんなに夢中にさせられちゃうんだ……
みのり:(それで、その中心にいるのは……)
みのり:(この会場の全員を、この空気を、まとめてるのは——)
遥:♪————!
みのり:(こんなに広いステージを端から端まで何度も走って、 汗びっしょりで……でも、それがすっごくキラキラしてて)
みのり:(ずっと笑顔でわたし達の声に応えてくれて、 全力で歌とダンスを届けてくれる)
みのり:(遥ちゃんの笑顔に、歌う姿に…… すっごくすっごく、元気がもらえる)
千尋:すっごく、かっこいいもん……!
みのり:…………
みのり:……わたし、わかってなかった
みのり:これが——本当のアイドルなんだ
みのり:ASRUNの事務所だから絶対入りたいなって思って、 志望動機のとこにも『遥ちゃんみたいに歌もダンスもできる スーパーアイドルになりたいです!』って書いたんだけどなあ
みのり:この曲の振りも、もう覚えちゃったな! 通しでも踊れちゃう気がするし
みのり:もしかしてわたし、 思ってたよりアイドルの才能あるのかも……
みのり:……全然、違う
みのり:ダンスが少し踊れるからって、アイドルになれるわけじゃない。 だって——
遥:♪————!
みのり:わたしが真似してるだけのものとは、全然違う……
みのり:だからわたしも、もっと前向きになって—— 遥ちゃんみたいなアイドルになるって決めたんだ!
みのり:……そんな簡単に、なれるわけないよね……
みのり:なれ、ないけど——……
みのり:遥ちゃんみたいなアイドルになれる自信なんて、 今は……ないけど——
遥:♪————!
みのり:——やっぱり、わたしもステージに…… あのステージに立ちたい
みのり:遥ちゃんにもらったように、 わたしも誰かに元気を届けたい——
みのり:届けたい、けど——
みのり:えっ……な、何?
千尋:みのり、何ぼーっとしてるの!?
千尋:遥ちゃんだよ! 遥ちゃんが、トロッコに乗ってこっち来てくれてるよ!
みのり:え……
みのり:あ……っ…… 遥ちゃんが、こんなに近くに——
みのり:っ……!
みのり:(遥ちゃんが、わたしを見てる……?)
みのり:(遥ちゃんのキラキラの目の中に、わたしが映って——)
遥:——楽しんでる?
みのり:え……
遥:せっかく会えたんだから、 今日を一番の思い出にしようよ
遥:だから—— 難しいことは考えないで
遥:一緒に歌おう!
みのり:あ——
ASRUNのファン達:キャーッ!! 遥~~っ!!!
ASRUNのファン達:大好きだよ~~~っ!!
千尋:っ……すごかったね! こんなに近くで遥を——
みのり:……いっしょ、に……
千尋:みのり?
遥:一緒に歌おう!
みのり:…………うん
みのり:(わたしも、一緒に歌いたい。 遥ちゃんの隣で……)
みのり:(歌って——、たくさんの人に、希望を届けたい……!)
みのり:——待ってて、遥ちゃん!! わたし……わたし、絶対そこに行くから!!
みのり:いつか必ず——、絶対に……!!
遥:みんな、ありがとう!
第 5 话:本物の『アイドル』
みのりの部屋
遥:みんな、ありがとう!
みのり:……このライブが、わたしが本気で アイドルになりたいって思ったきっかけだったんだよね
みのり:本当に衝撃的で、あのあと家に帰って——
数年前
みのり:(……やっぱり……)
みのり:(やっぱり、わたし——)
みのりの父:みのり、いるのか?
みのり:えっ、お父さん、お母さん……。 わざわざどうしたの?
みのりの母:念願のASRUNのライブに行けたっていうのに、 妙に静かだったから、心配してたのよ。 何かあったの?
みのり:……何かあったっていうか……
みのり:すごかったんだ。本当に—— なんて言えばいいのかわかんないくらい、最高で……
みのりの母:ふふっ、なんだ、よかったじゃない
みのり:……うん。それで……
みのり:お母さんと、お父さんに大事な話があるんだ
みのりの父:どうしたんだ?
みのり:わたし……、わたしね。今回ASRUNのライブを見て、 本気でアイドルになりたいと思ったの
みのりの母:ふふ、それなら前から言って——
みのり:前とは違うの
みのり:本気なんだ。 明日から……ううん、今から本気で目指そうと思ってる
みのり:でも、きっと簡単じゃないし、 お母さん達にもオーディションのこととかお金のこととか、 いろいろ迷惑かけちゃうと思うから
みのり:その時は……できたら、助けてほしいなって……。 勝手なお願いだって、わかってるんだけど……
みのりの母:みのり……
みのりの父:……言いたいことはわかった
みのりの父:でも、アイドルになるのは、きっと…… いや、絶対に簡単じゃないと思うよ
みのりの父:テレビで見るキラキラした姿に憧れてアイドルを目指す子は、 みのりだけじゃなくて、全国にごまんといるだろう
みのりの父:でも、その中でASRUNのように成功するのはほんの一握りだ。 ……それ以外の子は、挫折して諦めていく世界なんだよ
みのり:そ、それはわかってる! 今のわたしじゃ、絶対無理だってことも
みのり:でも、いつかきっと——!
みのりの父:……その『いつか』が来る保証はないんだよ。 努力しても、それが必ず報われるとも限らない
みのりの父:……きっと、悲しい思いをすることも多くなる。 俺はみのりの父親として、 みのりにそんな気持ちを味わわせたくないよ
みのり:っ……
みのり:それでも……。 それでも、わたし……諦めたくない……!
みのりの父:みのり……
みのり:やる前から『できない』って諦めたくないよ。 だってそんなの……きっといつか後悔するもん。 なんであの時、やってみなかったんだろうって
みのり:それに、真剣に……一生懸命やってそれでもダメだったら、 その時は自分でも、ちゃんと納得できると思うんだ
みのり:だから、やらせてほしいの。 お父さんは、努力が報われないかもって言ったけど——
みのり:——それでもわたしは、挑戦したいよ! 難しいことでも、がんばってやってみないと できるかどうかわかんないもん!
みのりの父:…………そうか。 そこまで言うなら、お父さんは何も言わない
みのり:……!
みのりの父:これはみのりの将来のことで、最終的に決めるのはみのりだ。 だから……応援するよ
みのりの父:まずは、今言っていたように、 できることを一生懸命やってみなさい
みのり:お父さん……
みのり:……ありがとう! わたし、がんばるよ!
みのり:——その日から、いろんなこと始めたっけ。 ダンス部の先生にお願いして、 放課後にレッスンしてもらったり、筋トレとかやったり……
みのり:でも、まだまだ足りないかもってなって、 やっぱりちゃんと養成所とか通おうってなったんだけど、 入所金がすっごく高くて難しかったんだよね
みのり:それでやっぱり、自分でできるとこまでがんばってみようって オーディションたくさん受けてみたけど……
みのり:書類はとおっても面接が全然ダメだったんだよね……。 精一杯やってたつもりだったんだけどなぁ
みのり:でも……
みのり:……今のわたしは、遥ちゃんの隣に立ててる
みのり:なんか、こうやって考えてみると、 今のわたしの状況って、本当に夢みたいだなあ。 あの頃の夢も叶えられて——
みのり:……ううん。まだ叶ってないよね
みのり:わたしがなりたかったのは、 遥ちゃんみたいなアイドルだもん。 遥ちゃんみたいに、お客さんと心を繋げて——
遥:一緒に歌おう!
みのり:——見てる人に、明日をがんばる希望を届けるアイドルだもん。 だから……
みのり:今回のワンマンライブは、 わたしの夢を叶えるための最初のステージなんだ
みのり:だったら、緊張してる場合じゃないよね。 あの時の遥ちゃんみたいに、わたしも……
みのり:全力で、お客さんを夢中にさせるステージをやらなくちゃ!
ワンマンライブ当日
バックステージ
雫:……もうすぐ本番ね
ミク:『わ~……。 なんだか、わたしも緊張してきちゃった……』
KAITO:『いよいよなんだね。 僕達も始まったらステージ前のスマホから見させてもらうよ』
MEIKO:『みんな、頑張ってね。 MORE MORE JUMP!の最初のワンマンライブ、 いっぱい楽しんで!』
遥:うん。 みんな、本番前に来てくれてありがとう
愛莉:そうだ、斎藤さんから連絡があったけど、 今日のために作ってたグッズ、さっき完売したそうよ
みのり:ほ、ホント!?
愛莉:ええ。特にタオルが人気だったらしいわ! リストバンドが最後まで残ってたみたいだけど、 売り切れてよかったわね
雫:そうだったのね……! 多く作りすぎちゃったかもって心配してたけど、 ちょうどよかったみたいで安心したわ
愛莉:それどころか、この時間の完売ってなると、 むしろ足りなかったかもしれないわね
愛莉:欲しいって思ってくれる人の手に渡らないのは悲しいし、 次作る時は販売数を見直したいけど……
愛莉:とりあえず、おいときましょ。 わたし達が今考えるべきなのは、ステージのことだけだもの
遥:そうだね。チケットも完売したし、 今日は700人のお客さんが、私達を—— MORE MORE JUMP!のステージを、見に来てくれてる
愛莉:……全力でやり切りましょ
愛莉:で、どうなのよ、みのり? ここにきて緊張MAXになっちゃってるんじゃない?
みのり:き、緊張はしてるけど、大丈夫!
みのり:……さっき、こっそり客席覗いてみたんだけど、 みんな、キラキラした顔してステージ見てたんだ
みのり:それで、思い出したの。 わたしが、お客さんとしてライブ行った時もそうだったなって
みのり:どんなライブが見れるんだろう、って すっごくワクワクドキドキしてた。 ……気持ち悪くなっちゃうくらい
みのり:きっと、ここにいるお客さん達もそういう気持ちなんだよね
愛莉:みのり……
みのり:だったら、わたしもちゃんと盛り上げなきゃ。 今日、すっごく楽しかったって思ってもらえるように! だから——
みのり:がんばろうね、遥ちゃん! 今日のステージ——最後まで駆け抜けよう
みのり:……一緒に!
遥:そうだね、頑張ろう
みのり:愛莉ちゃんも、雫ちゃんも! お客さんと心を繋げて、希望を届けるステージを、 みんなに楽しんでもらおうね!
雫:……ええ
愛莉:がんばりましょ!
スタッフ:——皆さん、そろそろスタンバイお願いします!
愛莉:いよいよね
愛莉:きっとこのライブは、わたし達の一生の思い出になる。 だから……絶対に後悔しないように、 全員の全力を、全身でぶつけていくわよ
みのり・遥・雫:『うん!』 『ええ!』
雫:もっともっとたくさんの歌を!
愛莉:もっともっとたくさんの元気を!
遥:もっともっとたくさんの希望を!
みのり:もっともっとも~っと たくさんの人達に届けられるように!
みのり:もあもあ~
みのり・遥・愛莉・雫:『JUMP!』
第 6 话:ワンマンライブ開幕
ステージ
唯奈:あ……私の席、ここだ
唯奈:(会場のサイトでチェック済みだったけど、 思ってたよりステージに近くてよかった……!)
唯奈:(それにしても、ワンマンライブ……。本当に嬉しいなあ)
唯奈:(みのりちゃんを—— MORE MORE JUMP!を応援し始めてから結構経つけど、 やっとここまでこれたんだね)
唯奈:(今日、ここに来れて嬉しいな。 私も一生懸命、応援しなくちゃ)
唯奈:——頑張れ、みのりちゃん!
唯奈:(あ、あそこにいるのって、ななみんと…… 元ASRUNの真依ちゃん!? もしかして、あの辺が関係者席なのかな?)
唯奈:(それに若い人が多いけど……、 ちょっと雰囲気の落ち着いた年齢の人もいるみたい)
唯奈:あ、もしかして…… 誰かの家族だったりするのかな……?
ななみん:まさかここで真依ちゃんに会えると思わなかったよ! すっごく久しぶりだよね!
真依:ASRUNの時に、番組でご一緒した以来ですよね。 またお会いできて嬉しいです!
ななみん:ふふっ、私も! 今、舞台役者やってるって聞いたよ。 元気そうでよかった!
ななみん:……それにしても、このワンマンの空気、懐かしいな~。 アイドル辞めたことは後悔してないけど、 やっぱり、この空気は好きだなって思っちゃうよ
真依:わかります。 ……ちょっと羨ましいですよね。 信頼できる仲間とイチからものを作れるって
ななみん:アイドルって、いろんなしがらみがあったり 実はメンバーの仲が悪かったり……、 本当にいろいろ厄介なことがあるもんね
真依:はい。でもモモジャンのみんなは、 メンバーを心から信頼しあってるのが すごくわかるグループだなって思います
真依:だから私自身、純粋に応援したくなっちゃって
ななみん:うんうん、それ、すごくわかるよ。 事務所に所属してもないのに、 こんな大きなところでやれるなんて、本当にすごいことだし
ななみん:きっとこれが、MORE MORE JUMP!にとって 最初の伝説のライブになるんだろうな
真依:ふふっ、私もそう思います
ななみん:頑張ってほしいね!
斎藤:Bの5番……関係者席ですね。 ここを真っ直ぐ行ったところになります
長谷川:あ、本当だ、ここがB列ですね。 ありがとうございます、助かりました
斎藤:いえ、楽しんできてください!
斎藤:(……ふう。 物販に並んでたお客さんも無事誘導できたし、 これで開演前の準備は完了かな)
斎藤:(あとは、皆さんに全力でやってもらうだけ。 開演までの時間は——)
斎藤:——ぴったりだね
唯奈:……! 明かりが——
唯奈:始まる……!
愛莉:みんな~っ、待たせたわね! 盛りあがる準備はちゃんとできてる!?
唯奈:えっ……あれって——
雫:今日は、楽しんでもらうために精一杯頑張るわ! みんなも最後までついてきてちょうだいね!
遥:私達の初めてのワンマンライブ、 みんなにとっても最高の思い出にしようね!
唯奈:新衣装っ!?
ファン達:なああれ、配信で作ってたやつだよな!?
ファン達:やっぱり今日着てくれたんだ。 生で見れてよかった~! すっごくかわいい……!
みのり:それじゃあ、1曲目—— みんなで一緒に歌うよ~っ!
愛莉・雫:♪————
みのり:みんなーっ、会えて嬉しいよ! もっと元気出していこ~っ!
遥:♪————
みのり:一緒に! ……せーのっ!
唯奈:……っ、すごい……
唯奈:(みのりちゃんのことは、誰よりも見てる自信がある。 配信だって見逃したことはないし、クリスマスイベントの時も)
唯奈:(でも、今日のみのりちゃんは、いつもより……。 ……ううん、今まで見てきた、どのみのりちゃんより、 『私を見て』って気持ちがあふれてるみたいで——)
みのり:♪————!
唯奈:キラキラ、輝いてる……!
みのり:(お客さんが——みんな、こっち見てる)
みのり:(ミニライブの時とは、全然違う。それに……)
ファン達:みのりちゃん~!! 私も会いたかったよ~!!
ファン達:生で見れて嬉しいよ~っ!
みのり:(わたしを応援してくれる人の声が、聞こえる……)
通行人B:でもさ、もうひとりメンバーいるじゃん? なんだか素人っぽい子
通行人B:あの子、いつもパッとしないっていうか、 一般人って感じだよねー
通行人A:てか、あの3人で十分やっていけそうじゃない? なんでメンバーにいるんだろ?
みのり:(最初は、全然ダメで……。 そんな風に言われちゃうのもしょうがないなって…… もっともっとがんばらなくちゃなって、そう思ってた)
みのり:(それで、いろんなことをやって、 みんなにいろんなことを教えてもらって、やっと、今——)
ファン達:みのりちゃ~ん、こっち見て~!
ファン達:新しい衣装かわいい~! すっごく似合ってるよ~!
みのり:(わたし、やっと—— ほんの少しだけだけど、ちゃんとアイドルになれてる気がする)
みのり:(それは、きっと——)
みのり:みんな~っ! 一緒にもっともっと盛り上がっていこ~っ!
みのり:(——やらなきゃ。 わたしが憧れた、最高のステージを)
みのり:(この中にはきっと、いろんな人がいる。 前を向けなくて悲しんでる人とか、 昔のわたしみたいに、夢を追いかける覚悟が決められない子とか)
みのり:(そんな人達に—— この会場にいるひとりひとりに、 明日がほんの少し楽しくなるような希望を届けたい)
みのり:(あの時の遥ちゃんが、そうしてくれたみたいに…… わたしも、お客さんと心を繋げたい——!)
ルカ:『すごい熱量ね。 お客さん達の反応もすごいけど、何より……』
リン:『みのりちゃん、すごくいいよね。 なんだかいつもよりキラキラしてる気がする!』
レン:『実は本番に強いタイプだったのかな?』
MEIKO:『……そういうわけじゃないんじゃないかしら』
KAITO:『そうだね。きっと、あれは——』
ファン達:……みのり、すごい成長したよな。 ひとりだけ無名で未経験ってこともあって、 最初はかなり浮いてたけど
ファン達:でも今は、めちゃくちゃなじんでるよね。 ダンスも歌もうまくなったし
ファン達:きっと、配信の時だけじゃなくて、 裏でもずっとがんばってたんだろうな。 そう思うと……
ファン達:なんか、すごく推せるな
愛莉:(会場の隅々まで届けるような視線の動かしかたと、 客席のどの位置からも確認できるような、大きな動き……)
愛莉:(わたしが合宿で教えたものだけど、 ここまでモノにするなんてね。……やるじゃない)
愛莉:(おかげで、お客さんの視線がみのりに集まってる。けど……)
愛莉:(——このワンマンライブは、みのりだけのものじゃないわよ)
雫:(まだまだ、出せるはずだわ。 私も、合宿や練習でたくさん鍛えてきたんだもの)
遥:(みのりが注目されるのは嬉しいよ。 だって、私もずっと、頑張るみのりのファンだったから)
遥:(——でも)
遥:(同じアイドルとして、負けていられないね。 まだまだ——)
遥・愛莉・雫:(こんなものじゃない——!)
愛莉:……さあっ、まだまだいくわよ! 遅れないようについてきて!
雫:みんなの声、もっと聞きたいわ!
遥:声がかれちゃうくらい、いっぱい叫んでね!
真依:すごい歓声……。 700人規模の会場とは思えない……
ななみん:そうだね。 配信だとわからなかったけど、 熱量の高いファンが多いみたい。それに——
ななみん:(みのりちゃんにつられて、 全員のパフォーマンスがどんどんよくなってるっていうか…… 熱が入っていってる感じがする)
ななみん:……やっぱり、いい関係だよね。 MORE MORE JUMP!は
真依:はい。私も、こういうライブが好きだったから アイドルを目指したんだって……思い出しました
ななみん:……言われてみれば、私もそうだったな
ななみん:今日は本当に、伝説のライブになるかもね
みのり:——みんな、ありがと~っ!
愛莉:ふう~、ここまで全力で走り切ったわね。 みんなの気持ちもガンガン伝わってきたわ!
愛莉:でも……どうかしら? みんな、出し切っちゃって疲れてない!?
ファン達:まだまだいけるよ~~っ!
ファン達:もっとみんなの歌聴きたい~!
遥:ふふっ、みんなも気合い十分だね! 私達も、もっとみんなと一緒に歌いたいんだけど——
雫:お別れの時間が近づいてるから、 次の曲が、最後になっちゃうのよね……
ファン達:ええ~!
遥:でも、今日は最後の曲に行く前に、 みんなに私達の気持ちを聞いてもらおうと思ってるんだ
遥:私達みたいな、まだまだ小さなアイドルグループが、 こうやってワンマンライブまでできるようになったのは、 私達を応援してくれる、みんなのおかげだから
雫:……今日はいつも支えてもらってるみんなに、 精一杯のお礼ができればと思って歌ってきたんだけど…… 伝わっているかしら?
雫のファン:雫様の想い、届いてまーすっ!
雫:ふふっ、ありがとう。 私も、みんなの想いを感じられたわ
愛莉:そうよね。 ステージから見ても、みんなの笑顔がまぶしくて、 わたし達も元気をもらえたもの
みのり:うん、ホントにそうだよね! いつも配信が多いから、 みんなの顔をちゃんと見ることってあんまりないけど……
みのり:今日はキラキラした顔が見れて、 みんなと一緒に歌うことができて…… わたしも、すっごく楽しかったよ!
愛莉:そう、知ってる人は知ってると思うけど、 今日はみのりにとって人生で初めてのワンマンなの
愛莉:きっと、たくさんの思い入れもあるだろうし——……
愛莉:どうかしら? みんな、この場を借りてみのりの気持ち、聞きたくない?
みのり:え、ええっ!?
ファン達:聞きたい~!
ファン達:みのりちゃんの気持ち教えて~!
みのり:あ、あ、愛莉ちゃん、聞いてないよ~……!
愛莉:ふふ、こういうのは準備したら、しただけ つまらない言葉になっちゃうものなのよ
愛莉:だから、まとまらなくてもいいわ。 今のみのりの気持ちを、ありのまま…… みんなに聞いてもらいましょ!
みのり:わたしの気持ちを、ありのまま……
唯奈:……っ……
唯奈:みのりちゃ~~んっ、頑張って~~~っ!!
みのり:あ……
みのり:(唯奈ちゃん……来てくれてたんだ……)
唯奈:私、前の配信ライブでみのりちゃんが応援してくれたおかげで、 部活をもっと頑張ろうって思えたんです。 それで、この前の試合で初めてみんなに貢献できて……
唯奈:だから、今度は私がみのりちゃんの力になりたい。 頑張るみのりちゃんを応援したいって思ったんです!
みのり:……うん。 伝えるよ、わたしの気持ち。 みんなに聞いてもらいたいこと、いっぱいあるから……だから
みのり:——聞いてください!
第 7 话:ステージにかける想い
ステージ
みのり:——聞いてください!
唯奈:……みのりちゃん……
みのり:わ、わちゃしは——っ
遥:み、みのり……
愛莉:開幕から噛むなんて、ある意味才能ね……
唯奈:みのりちゃん、頑張って……!
みのり:う、ううっ…… わっ……わたしは!
みのり:わたしは、あるアイドルに憧れて……、 小さい頃から、その人みたいになりたいと思って アイドルを目指してきました……!
みのり:でも、あんまりうまくいかなくて…… オーディションを受けても、落ちてばっかりだったんです
みのり:だから、そんなわたしが、この場所に立ててるなんて……、 今この瞬間も、正直、不思議な気持ちでいっぱいで……
遥:みのり……
みのり:え、えっと……。 MORE MORE JUMP!を最初の頃から見てくれてる人は 知ってるかな?って思うけど……
みのり:その頃のわたしは、なにをやってもダメで、 みんなの足を引っ張っちゃってるんじゃないかって 不安になったこともあって……
唯奈:そ、そんなことないよ! みのりちゃん、頑張ってたよ~!
ファン達:そうだよ~!
みのり:……あ……えへへ、ありがとう!
みのり:わたしも、不安にはなってたけど、 アイドルになるっていう夢を諦めたくなかったし、それに——
みのり:MORE MORE JUMP!が大好きだったから、 このメンバーと一緒に、みんなに希望を届けたいと思って、 わたしなりに必死でやってきました……!
みのり:でも、わたし……、 みんなと活動してきて、途中で気づいたんです
みのり:アイドルっていうのは、 希望を届けるだけじゃなくて、もらうものでもあるんだって!
長谷川:希望を……もらうもの……
みのり:それと……MORE MORE JUMP!のみんなからも、 いろんなものをもらいました! アイドルとしての全部……心構えとか、技術的なこととか——
みのり:あっ、えっと、今日のパフォーマンスも、 愛莉ちゃんから教えてもらったものがたくさんあるんです!
みのり:あとは、セカイの——……じゃなくて! いつもお世話になってるアイドルの先輩達!
みのり:ダンスを見てもらったり、 悩んでる時にアドバイスをしてもらったりして…… 本当に、感謝してもしきれません!
ルカ:『……もしかして、私達のことかしら?』
ミク:『そんな風に言ってくれるなんて、嬉しいな……』
みのり:それに、今日、関係者席に座ってくれてる皆さんにも、 わたし達がここに立てるようになるまで、 たくさんたくさん助けてもらいました!
みのり:そうやって身近な人達から、 いっぱいいっぱい、たくさんのものをもらって…… 本当に、みんなにありがとうの気持ちでいっぱいなんですけど……
みのり:でも、その中でも…… わたしが、今一番、この場を借りて感謝を伝えたいのは——
みのり:ここにいる、ファンの皆さんです!
唯奈:…………!
みのり:わたし達の活動は、やっぱり普通のアイドルと違って……。 イベントを手伝ってもらったり、 他にも、いろんなことを助けてもらいましたよね!
みのり:そうだ、雫ちゃんがデザインした、このかわいい衣装も! 皆さんがいなかったら、お披露目できてなかったと思います
ファン達:すっごく似合ってるよ~~~!
ファン達:めちゃくちゃカワイイ!! 最高だよ~~!!
みのり:ありがとうございますっ! そういうことでも、本当に感謝してるんですけど……
みのり:わたしが一番元気づけられたのは、こんな……、 こんな、アイドルとしてまだまだなわたしに向けてくれる、 みんなの『応援したい』って気持ちでした
唯奈:みのりちゃん……
みのり:わたしは、自分でも全然足りてないなあって思うことが多くて みんなに応援されるのもおこがましい! ……って感じなんですけど
みのり:でも、そんなわたしにとっては、 皆さんがくれる言葉のひとつひとつが、 すっごく……すっごく大切で
みのり:心の中にポツポツ、雨みたいに染みこんでいって…… 『もっともっと、がんばりたい!』って 気持ちの花が咲いたんです
みのり:だから本当に—— 本当に、ありがとうございますっ!
ファン達:こちらこそありがとう~~!!
ファン達:ううっ、みのりちゃん応援しててよかった!! これからも……これからもずっと応援し続けるから~~!!
みのり:わわっ、そんな! こちらこそ、末永くよろしくお願いします!
みのり:……本当に嬉しいなあ。 そんなことまで言ってもらえるなんて
みのり:あっ、えっと、それで今日わたしは……、 なんだかすごく長くなっちゃったけど……
みのり:皆さんにもらったものの恩返しが 少しでもできるようにって……、 そう思ってステージに立ってます!
みのり:つ……伝わっているでしょうか!?
ファン達:伝わってるよ~~!
唯奈:……うん。 すごく……感じたよ
みのり:——えへへ、それならよかったです! わたしも、このライブをとおして、 みんなの想いをすごく感じて……
みのり:わたしの夢だった……わたしがずっと憧れてた、 お客さんと心を繋げるステージができたと思っています
みのり:これは、ここにいるみんな—— 誰が欠けてもできなかったものです。 だから、会場の皆さんと……
みのり:わたしをこのステージに立てるくらい 磨きあげてくれた、愛莉ちゃん、雫ちゃん……
みのり:そして—— わたしの憧れで、夢で……一生の目標の遥ちゃんに
みのり:最大の感謝をしたいと思います! 本当に……本当に、ありがとうございました!!
遥:……みのり、ありがとう。 素敵なスピーチだったよ
みのり:ほ、ホント? わたし、言いたいこと、ちゃんとまとまってたかな?
愛莉:ふふ、大丈夫よ。 だってほら、みんなも喜んでくれてるわ
ファン達:最高だったよ~~~!!!
ファン達:モモジャン大好きだ~~~!!!
みのり:……っ、ありがとう、みんな!
遥:……私達は、みのりを除いて全員がアイドル経験者で、 だからこそ、みのりにとっては 大変なことがすごく多かったと思う
遥:それでも、がむしゃらで一生懸命だったみのりに、 私もすごく勇気を——希望をもらってたよ
みのり:遥ちゃん……
遥:だから、今日こうして、ワンマンライブっていう、 アイドルとして大切なステージに みのりと立ててることが嬉しいんだ
遥:これからも頑張ろうね。 ……一緒に!
みのり:あ……
みのり:……————うん
みのり:やっと、ここまでこれたよ。 ありがとう、遥ちゃん……!
みのり:——夢はきーっとみのりんりん! 希望の花束、届けます! MORE MORE JUMP!花里みのり……
みのり:これからも、がんばりますので、 よろしくお願いいたします!
ファン達:……やっぱり、みのりの成長すごいな。 泣きそうになっちまったよ
ファン達:うん……推せるよね。 モモジャンって、みんな元有名アイドルだから 結構こなれ感あったけど
ファン達:みのりちゃんは違う。 アイドルの醍醐味の、ファンと一緒に成長してる感があって…… すごく、応援しがいがあるよ
唯奈:…………
唯奈:(……そうなんだよ。 みのりちゃんは頑張り屋さんで……、 だからすごく応援したくなるし、元気をもらえるんだよね)
唯奈:(みんなにも、わかってもらえて嬉しいな。 ……でも、もっと——)
唯奈:(——もっと、たくさんの人に、 みのりちゃんの良さを知ってもらいたいな……)
愛莉:さーて、それじゃあ……
愛莉:いよいよ今日最後の曲、いくわよ!
雫:みんな、全力を出し切りましょう!
遥:最後の曲は、みんなへのサプライズ! まだまだ盛り上がっていこうね!
みのり・遥・雫・愛莉:『——もっと、もっと、もーっと!』
長谷川:(……私の曲が、こんなすごいステージの最後に……)
長谷川:(この曲を作るまでには、いろいろあって…… 皆さんにも、すごく迷惑をかけたけど)
愛莉・雫:♪————
みのり・遥:♪————!
長谷川:……よかった……
レン:『……ふたりとも、大丈夫?』
ミク:『う、ううっ……。 みんなのことずっと見てきたから、 気持ちがシンクロしちゃって……』
リン:『ホントに…… ホントに、最高のステージだよ~~……!!』
ルカ:『……ふふっ、わかるわ。 本当にみんな、素敵なアイドルになったわよね』
MEIKO:『ええ。 私も希望をもらえたわ』
MEIKO:『それに……みのりちゃんの言ってた、 “アイドルは希望を届け、届けられもするもの”……。 本当に、そのとおりだと思うのよね』
KAITO:『そうだね。 アイドルはお客さんとの距離が近いし……』
KAITO:『お互いを応援しあう関係になれるのは、 本当に素敵なことだよね』
リン:『……わたし、みんながアイドルとして もっともっと大きくなってくとこ、見たいなあ……』
ミク:『……うん。 みんなならきっと、たくさんの人に 希望を届けることができるはずだもんね』
ミク:『本当に、すてきなライブに呼んでくれてありがとう、 みんな……!』
第 8 话:応援に応えるために
バックステージ
愛莉:——やり切ったわね!
みのり:うんっ! 楽しかったけど……すっごく緊張したよ~……
遥:みのりは、愛莉から突然スピーチ振られたしね
みのり:そう、それ! 愛莉ちゃんひどいよ~! ホントにホントにびっくりしたんだから!
愛莉:ふふ、ステージでも言ったでしょ。 こういうのは用意したらいい言葉にならないって
愛莉:それに、わたしはみのりなら バッチリ、キメてくれるって思ったから あの大事な場面で振ったのよ
愛莉:……まあ、しょっぱなから噛むとは思わなかったけど?
みのり:ううっ、それは言わないで~っ
雫:でも、みのりちゃんのスピーチ、 すごくよかったわよね。 それに……
雫:歌とダンスも、とっても輝いていたわ。 今まで見た中で、一番素敵だった
みのり:え、ほ、ホント?
愛莉:……そうね。同じアイドルとしては悔しいけど、 今日のステージでお客さんの視線を一番集めたのは、 間違いなくみのりだったと思うわ
みのり:ええ~っ!? それはさすがに褒めすぎだと思いますっ!
雫:そんなことないわ。今回のステージ、 もし、私がお客さんとして参加してたら みのりちゃんのことを応援したくなっていたと思うもの
遥:そうだね。 私も、久しぶりにアイドルを好きになった頃の 自分を思い出したし——
遥:——ステージでは、 みのりに負けないようなパフォーマンスをしなくちゃって 熱くなったよ
みのり:わ、わたしに、負けないような……?
愛莉:ええ。今日のステージは、みのりのおかげで全員が引っ張られて、 最高のパフォーマンスができた気がするわ
愛莉:本当に、最高のワンマンライブになってよかったわね!
みのり:な……なんでこんなに褒められてるのか 全然わかんないけど……
みのり:でもでもっ、最高のライブになったっていうのはわかるよ! だって、お客さんとちゃんと心を繋げられた感じがしたから! それで……
みのり:アイドルって、やっぱり楽しいなって思った。 ここまでがんばってきてよかったなって
遥:……そうだね
愛莉:……さてと。 それじゃあ名残惜しいけど、そろそろ着替えましょうか
愛莉:会場の片づけもしないと。 斎藤さんも待たせてるから
雫:ええ、わかったわ!
雫:……あっ、でも、その前にお水を買ってきてもいいかしら? ステージでも飲んではいたんだけど、少し足りなくて
みのり:それなら、買ってくるよ! ちょうどわたしも飲みたいって思ってたし、みんなのも一緒に!
愛莉:あら、ありがと——って、 ちょっと待って、その扉は……!
ファン達:えっ!? みのりちゃんが出てきた!
ファン達:っていうか、モモジャンみんないるじゃん!
ファン達:えっ、なになに!? もしかして、ライブ後の配信とか!?
みのり:えっ……あ……あれっ?
愛莉:はあ……。 少し見直したと思ったら、これなんだから
雫:あら……お客さんがいっぱいだわ
遥:ここの扉は、お客さんがとおる通常出口と繋がってるからね……
みのり:え~っ、そうだったの!? ご、ごめんなさ~い!
ファン達:みのりちゃんみのりちゃん! 今日のMCめちゃめちゃよかったよ!
みのり:へっ?
ファン達:ホントホント! 一生懸命なのが伝わってきて、 みのりちゃんのこともっと応援したくなって——
ファン達:——ううっ……。 思い出すと、涙が……、涙が出てきて……
みのり:えっ……
ファン達:すみません、うまく言えなくて…… でも、本当に、本当に、最高でした
ファン達:もっとみのりちゃんのことを、 たくさんの人に知ってほしいと思いました……
みのり:わたしの、ことを……
ファン達:わかるな~! あの話聞いたら、きっとみんなみのりちゃんのこと 好きになるもんね!
ファン達:そうだ、このライブって円盤化の予定ないんですか? 自分用に3枚、布教用に3枚買って もっとモモジャンのこと広めたいんだけど!
みのり:あっ、えっ、えっと……!
愛莉:残念だけど、その予定はないのよ
ファン達:えええっ、もったいない! じゃあ今日のワンマンはここにいた僕達しか 体感できないのか……!
ファン達:お願いです、次は円盤化検討してください! 今回のライブでやっぱり私、これからもモモジャンのこと ずっと推していきたいと思ったので!
ファン達:あっ、あと次はツアーとかどうですか!? 絶対全通するんで!
ファン達:あっ、それでいうと地方公演とかもしてほしいです! 地方の友達にも今日の生ライブの感動を伝えたくて……。 難しいかもしれないけど……いつか、ぜひ!
みのり:わ、わわっ……
みのり:え、えっと……ありがとうございます! そんなのまだ全然考えたことなかったけど、 そんな風に言ってもらえるなんて——
小さな女の子:みのりちゃんっ!
みのり:ふえっ?
小さな女の子:あ、あのね……あのね! いつもおうちでみのりちゃんの動画見てるんだけど……、 今日のみのりちゃん、一番キラキラしてた!
小さな女の子:それでね、すっごくかわいくてね、 だからね、わたし——
小さな女の子:みのりちゃんみたいなアイドルになる! いつか、いっしょに歌お!
みのり:あ……
みのり:——うん。待ってるね!
愛莉:みのり……
遥:——みんな、名残り惜しいんだけど…… 私達これから会場の片づけとかやらないといけないんだ
ファン達:えっ、片づけみんなでやるの!?
ファン達:ライブの後にみんなの顔見れて嬉しかった! これからもずっと応援してるから、 またこういうリアルイベントやってね!
ファン達:次の配信も待ってるよ! 合宿の時みたいな長時間配信も仕事休んで見るから!
ファン達:みんながいろんなとこで活躍するの、楽しみにしてるね!
ファン達:ホントにずっと——楽しみにしてるから!
みのり:みんな——
みのり:……うん、ありがとう!
みのりの部屋
みのり:う~ん、サッパリした~! ライブ後のお風呂ってなんかいつもと違う気持ちよさあるな~!
みのり:……なんだか、まだ胸がポカポカしてる。 これって、お風呂のおかげだけじゃないよね
みのり:それに……
ファン達:ホントにずっと——楽しみにしてるから!
小さな女の子:みのりちゃんみたいなアイドルになる! いつか、いっしょに歌お!
みのり:……えへへ
みのり:本当に楽しかったなあ、今日のライブ。 お客さんも、同じような気持ちでいてくれたらいいな……
みのり:……あ、そうだ。 SNSで感想とかつぶやいてる人とかいるかな? ちょっと見てみようっと!
みのり:ええっと、検索ワードは…… 『モモジャン ワンマン』——がいいかな?
みのり:わっ! いっぱい出てきた!
コメント:『語彙力ないけど、すごくよかった。とにかくよかった』 『いい意味で心がぐちゃぐちゃになった』
コメント:『モモジャンは初期からずっと見てるけど、 すごく成長を感じたし、応援してきてよかったと思った』
コメント:『今日のライブは、 モモジャンとファンのみんながひとつになった感じがした。 これからも、ずっと推していきたい』
みのり:よかったあ。 そう思ってもらえて
みのり:でも、こうやってみんなの感想見てると、なんか……
コメント:『ここからどんどんリアルライブ増やしてって欲しいな~』 『配信以外でも露出増やしてくれるといいんだけどな』 『わかる。難しいと思うけどテレビにも出てほしい』
コメント:『せっかくいいグループなんだから、もっと広めたいよね』 『宣伝とかガンガン打ってくれたら勧めやすいんだけど』 『ドームとか無理かな~、でも言うのはタダだよね~!』
みのり:…………。 みんな、こんなに期待してくれてるんだ
みのり:わたし達は今日が初めてのワンマンで、 まだまだ小さなグループなのに…… もっと大きくなってほしいって言ってくれてる
みのり:わたし達の活動に、みんなも夢を見てくれてて——
ファン達:——ううっ……。 思い出すと、涙が……、涙が出てきて……
ファン達:すみません、うまく言えなくて…… でも、本当に、本当に、最高でした
ファン達:もっとみのりちゃんのことを、 たくさんの人に知ってほしいと思いました……
みのり:——わたしのことで、泣いてくれる人がいた
みのり:……嬉しかったなあ。 届いたんだなって……、こんなまだまだのわたしでも、 お客さんと心を繋げることができたんだ、って……
みのり:あの時……ASRUNのライブで感じた、 応援して、応援されて、心を繋げるアイドルに…… わたしも、なれたのかなって——
ファン達:もっとみのりちゃんのことを、 たくさんの人に知ってほしいと思いました……
みのり:…………
みのり:(今までは、配信を見てくれてる人や、 イベントに来てくれるお客さん達に 希望を届けることができればいいなって思ってた)
みのり:(でも、わたしも—— できるなら、もっとたくさんの人達に希望を届けたい。 それで……ファンのみんなも、それを望んでくれてる)
みのり:だったら……
みのり:——きっと、すごく難しいことだと思うけど
みのり:もっともっと、できるようになりたいな。 地方イベントだってツアーだって、テレビ出演だって…… MORE MORE JUMP!のみんなと一緒に
みのり:それで、わたしはアイドルとして、 わたしをアイドルにしてくれた人達に——
みのり:これから、わたしを応援してくれるすべての人に 希望を届けたい……!
みのり:この先も、ずっと—— わたしが、アイドルでいる限り……!