活动剧情
聖なる夜に、この歌声を
活动ID:8
第 1 话:『スマイリング・クリスマス』
フェニックスワンダーランド
ワンダーステージ
司:——と、いうわけでだ!
司:現在、我々ワンダーランズ×ショウタイムは フェニックス☆ショーコンテストにおいて、第3位についている
司:ステージの規模とメンバーの数からいえばまずまずの結果だ。 だが! ここで満足する我々ではない!
司:1位2位を軽々と超える素晴らしいショーを作り、 テレビCM出演へ――そして世界へ羽ばたこうではないか!!
寧々:はいはい。 次のショーの話、進めていい?
司:くっ……相変わらずノリの悪いヤツめ……
えむ:…………
類:おや、えむくんまでどうしたんだい? 何か考えごとかな?
えむ:えっ? あ、うん! 今度のショー、どんなのがいいかな~って考えてたんだ!
えむ:次はどんなショーにする? あたし、パーッてしてキラキラーッてするショーがいいなー!
類:そうだねえ。 衝撃的で眩惑的なショーにしたいねえ
司:お前ら、そんなぼんやりとしたイメージを語っている場合か
司:2位のステージとの点差はわずかだが、 1位のステージ……フェニックスステージとの票差は かなり開いてしまっているんだぞ
えむ:そうなの? ……わ! ほんとだ! 倍くらい差がついちゃってるー!
寧々:前のショーのおかげで評判はいいみたいだけど…… 1位を狙うなら、かなり巻き返さないとね
司:そのとおり。つまりのん気にパーだのキラキラーだのと ぬかしているヒマはない!
司:確実に、かつどのショーよりも観客を喜ばせることのできる、 素晴らしいアイディアを考えねばならんのだ!
司:さあ、わかったら具体的なアイディアを出せ!!
寧々:そんなこと言われても、すぐに思い浮かぶわけないでしょ……
類:いや、そういうことなら、話は早いかな
えむ:え? 類くん、もう思いついちゃったの?
司:おお、さすがはオレの見こんだ演出家! それで、どんなショーなんだ?
類:この時期だからね。 答えはシンプルに――クリスマスショーだよ
えむ・司:『クリスマスショー?』
えむ:うわ~! 楽しそう~! クリスマスなら、いっぱい歌ったり踊ったりしたいな~!
えむ:あ、サンタさんの格好して、 お客さん達にプレゼント配るのはどうかな?
司:プレゼント……そうか! プレゼントと一緒に『清き一票を』とコメントを入れれば……!
寧々:それただの買収だから
司:た、たしかに! オレはなんという、スターにあるまじき発想を……!
寧々:はぁ。わかったからいちいち騒がないでよね……
寧々:ま、この時期だし、クリスマスショーなら人も集まりそうだけど、 どんな内容にするの?
類:うん、歌がメインとなるミュージカルがいいと思うんだ。 華やかで、クリスマスらしいだろう?
寧々:ミュージカル?
類:具体的には……『スマイリング・クリスマス』なんてどうだい?
司:スマイリング――『笑顔のクリスマス』か?
類:ああ。筋書きはこうさ
類:あるところに、両親のいない孤独な少女がいた。 孤児院で暮らす少女の下には、 サンタクロースが来たことは一度もない
類:その年のクリスマスも、少女は自分の下に サンタクロースは来ないと確信していた――すると
類:なんと、少女の部屋の窓に、サンタ見習いの少年が現れたんだ
類:しかしサンタ見習いの少年は、トナカイに逃げられてしまったため プレゼントを配ることができずにいた
類:見かねた少女は、サンタ見習いの少年を助けることを決める。 こうして、少女と少年の、聖夜の冒険が幕を開ける
類:――と、こういう話さ
えむ:わ~! とってもパーッてしてキラキラッてしたお話だね~♪
寧々:うん、結構おもしろそう
司:ん? しかしこの話の主役は少女のようだが……?
司:ということは、まさかオレが少女の役を!?
寧々:さすがにこの流れでそれはないでしょ……
類:このショーは、サンタ見習いの少年と少女の、 W主演になるんだ
類:だから主役は司くんと――寧々がいいと思う
寧々:え……わたし!?
寧々:なんで急に……。少女役ならえむもやれるでしょ?
類:このショーは、少女が歌うクライマックスシーンが とても重要になるんだ
類:それなら、昔から劇団でミュージカルをやってきた寧々に 頼んだほうがいいと思ったんだよ
寧々:わたしが主役……。 でも……
えむ:やった~! 寧々ちゃんの歌がいっぱい聴けちゃうねっ♪
寧々:ちょ……まだやるって言ってないから
えむ:え? やらないの?
えむ:あたしは歌ってほしいな♪ 寧々ちゃんの歌だ~い好きだもん!
寧々:あ……ありがと
司:W主演ということならいいだろう。 もちろん、より目立つのはオレだがな!
寧々:アンタは目立つっていうか、うるさいだけでしょ
司:な、なんだと!? ちょっとばかり歌えるからといって調子に乗るな!
類:フフ。どうだい? 寧々
類:今の寧々ならきっとできるさ。 司くんもえむくんも、そう思っているしね
寧々:……ハァ
寧々:(でも、そっか。ミュージカルなら……)
寧々:……まあ、いいかな
えむ:やったー! 類くん、あたしはなんの役? トナカイさん?
類:えむくんは、プレゼントを待つ子供の役だよ。 僕はその他の役をやるつもりさ
類:ネネロボも試運転が終わったから、今回からは いろいろな役をやってもらうよ。一緒に頑張ろう
えむ:うんっ♪
司:よーし! そうと決まればさっそく練習だ! 1位目指して前進あるのみ!
えむ:みんなでがんばろわんだほ~いっ!
第 2 话:偵察!フェニックスステージ
ワンダーステージ
寧々:……へぇ、『スマイリング・クリスマス』って こういう終わりかたなんだ。いい話じゃない
司:ああ、そうだな。クリスマスにふさわしい台本だ
類:フフ、気に入ってくれたようで何よりだよ
寧々:ちゃんとしたミュージカルができるのも、ちょっと楽しみだな。 すごく久しぶりだし
えむの声:み、みんな~!! 大変だよ~!!
寧々:えむ? どうしたの、そんなに急いで
えむ:あのね! フェニックスステージでも、 クリスマスのミュージカルショーをやるんだって!
司:何!?
寧々:フェニックスステージって、あの1位の?
えむ:うん! すっごい偶然だよね! あたしびっくりしちゃった!
えむ:他のステージでもクリスマスのミュージカルショーが 見れちゃうなんて、嬉しいな~♪
司:よ……喜んでる場合か! 方向性がまるっとかぶっているんだぞ!?
司:ヘタをしたら観客の奪いあいになるかもしれん。 これはまずい……今からでもショーの内容を変えるべきか?
類:まあ、時節柄どこも同じような内容になるだろうとは 予想していたし、僕は問題はないと思うよ
寧々:あんまり他のところを気にして内容を変えるのも よくないんじゃない?
司:それは……たしかにそうだな。 敵にあわせて自分達のショーを変えているようでは、 到底勝利は掴めまい
司:だが、放っておくのもまた危うい
寧々:……? じゃあ、どうするの?
司:――フェニックスステージを、全員で偵察しに行くぞ!
フェニックスステージ
えむ:……コソっ!
えむ:コソコソコソコソ~……コソっ! 隊長! フェニックスステージに到着です!
類:うん、なかなか元気な偵察だね
司:静かにしろえむ! バレたらどうする!
寧々:そっちも声大きいから。 ちゃんと見つからないようにしてよね
寧々:それにしても、すごいステージ
えむ:フェニックスステージは、うちで一番おっきなステージだからね! ショーのキャストも一番多いし、お客さんも一番入るんだよ
えむ:今は建て替えられちゃったから、 昔とはちょっと変わっちゃったけど……
司:……フン、気に食わんな! どうせこんな金満ステージで ショーをやる連中は、設備にあぐらをかいているに違いない!
司:本物のスターがいれば、こんなカッコイイ……おほん、 こんなゴテゴテしたステージは必要ない! フェニックスステージ、恐るるに足らず!
寧々:だから声大きいってば
類:おや、役者が出そろったようだよ。 かなりの数いるねえ
???:準備はいいかしら? 冒頭のナンバーからいくわよ
えむ:あ! ちょうど歌うみたいだよ!
寧々:一体どんな歌……
???:♪――――!
寧々:……っ!?
寧々:(この歌声……なんて迫力……!)
寧々:(テクニックも段違い……けど、 それ以上に、気持ちが胸に響いてくる)
寧々:(ただ“歌がうまい”だけじゃない。 役として、完璧に歌いこなせてるって感じる)
えむ:わぁ……! とってもキラキラしてる……!
類:これは……想像以上の歌唱力だね。 彼女がこのステージの歌姫かな
司:くっ、敵ながらなかなかやるな……!
寧々:(……本当にすごい)
寧々:(わたしは……こんな風には……)
司:うーむ。かなりの完成度だったな。 このままでは苦しい戦いになるやもしれん
寧々:……うん。そう、だね
司:よし、今日はいったんワンダーステージに戻って、 今後の対策を立てることに……
???:誰がコソコソ覗いているのかと思ったら、同業者だったなんてね。 どうだったかしら? ワンダーランズ×ショウタイムの皆さん?
寧々:え?
寧々:あっ、さ、さっき歌ってた……!
司:フェニックスステージの、なんだか歌がうまいヤツ!
???:……? あなた、まさか、私を知らないなんて言わないでしょうね
司:は?
???:私はこのフェニックスステージの歌姫・青龍院櫻子!
櫻子:フェニックスステージの歌姫ということは、つまり、 フェニックスワンダーランドのナンバーワン!
櫻子:同じショーをやる人間として、私を知らないなんて 無知にもほどがあるわっ!!
司:な、なんだこの偉そうなヤツは……!
えむ:ちょっと司くんに似てるね~っ♪
類:いやあ、突然の非礼申し訳ない。 1位のショーを作った皆さんがどんな練習をしているのか、 つい知りたくなってしまってね
櫻子:あなた……神代さんだったかしら?
類:おや? 知ってもらえているなんて光栄だな
櫻子:ええ。園内のショーはすべて見るようにしているもの。 あなた達のことも知っているし、ショーも見たことがあるわ
えむ:あたし達のショー見てくれたの!? 嬉しいな~! どうだった? おもしろかった?
櫻子:演出はよかったわ。一見突拍子もないけれど、 戯曲の意図を丁寧に汲んでいて。 それにショーらしい華やかさもある
櫻子:でも――それだけね
櫻子:演技の粗は目立つし、勢いだけで完成度は低い。 私達のショーとは比べるまでもないわ!
司:なっ……!
櫻子:それに……聞けば今度は、私達と同じように クリスマスミュージカルをやるんですって?
櫻子:歌はそこにいる――草薙さん、だったかしら? その子もそれなりに歌えるようだけど……
櫻子:あなたには、私達の実力差はわかっているんじゃない? 歌ひとつとっても、あなた達が勝つ確率はゼロね
寧々:…………あ
寧々:(たしかに……この人の言うとおりだ)
寧々:(この人の歌は、わたしの歌とは違う。 なんていうか、自分の心が、ちゃんと乗ってる気がした)
寧々:(わたしじゃきっと……敵わない)
櫻子:ま、恥をかかないようにせいぜい自分達のショーを磨くことね。 それじゃあ――
司:な……な……
司:何様だ、キサマはー!!
櫻子:き、貴様ですって!?
司:たしかにうちのステージはオンボロで風が吹けば飛びそうだが、 オレ達のショーは最高だ!
司:うちの寧々の歌だって、貴様には負けておらんっ!!
寧々:あ……
櫻子:……はぁ。リーダーがあなたみたいな野蛮人じゃ、 せっかくのショーもああなってしまうわけよね
櫻子:これからも、あの“ままごと”みたいなショーを 続けていればいいわ!
寧々:……っ
寧々:……す、好き勝手、言わないでよね……
えむ:寧々ちゃん?
寧々:そ、そいつがバカなのはしょうがないけど、 『ままごとみたいなショー』なんて言われる筋合いない……
寧々:……アンタみたいなヤツには、ぜ、絶対、負けない
櫻子:……ふん。 それだけ言うなら、次のショーで見せてもらおうじゃない
キャスト:あ、青龍院さん! そろそろ休憩終わりますよ!
櫻子:それじゃあね、ワンダーステージの皆さん。 大口叩いただけのものは、見せてもらおうじゃない
寧々:…………
第 3 话:あんな風には
ワンダーステージ
司:——と、いうわけでだ!
司:我々ワンダーランズ×ショウタイムのショーで、 フェニックスステージを打ち負かすぞ!
類:おやおや。目的が変わってしまっているよ、司くん
類:僕達はみんなを笑顔にするためにショーをするんだ。 そこを忘れてはいけないよ
えむ:そうだよーっ! イライラプンプンしちゃダメっ!
司:む……むぅ。たしかにそうだな。 そこは頭を冷やさなければならん
類:うん、それがいいと思うよ。 司くんだけじゃなく……寧々もね
寧々:……うん
類:しかしびっくりしたな。 人見知りな寧々が、あんな風に怒るなんて
寧々:だって……
寧々:わたし達のショーのこと、バカにしたから
類:フフ、そうだね。 それは僕も許せないな
類:だからこの屈辱は、素晴らしいショーをすることで 晴らそうじゃないか
えむ:ショーだショーだ! 類くんの言うとおりっ!
寧々:……えむ、それってもしかして 『そうだそうだ』とかけてるわけ?
えむ:ショーだよっ!
寧々:……ふふっ。そんなの自慢気に言わないでよね
司:よし! それじゃあ気分を入れ替えて、練習を始めるぞ!!
えむ:お~っ!
寧々:♪~~~~
寧々:……どう?
類:うん、いいね。 少女の寂しさがよく表れていると思うよ
えむ:うん! とっても寂しそうで、胸がキューってしちゃった!
寧々:ありがと……
寧々:(でも、この歌じゃ、アイツの歌にはまだ……)
類:あとは、ラストシーンで歌う歌も ここで練習しておこうか
類:サンタ見習いの少年を見送った少女が、 自分の気持ちを歌い上げ、そこに雪が降る――
類:このショーの山場になるシーンだからね
寧々:うん。わかった
寧々:♪~~~~
えむ:ふわわ……キレイな声~……
寧々:(……ちゃんと歌えてる。 もう、前みたいにあがったりしない)
寧々:(でも……)
櫻子:♪――――!
寧々:(あの歌はもっと力強くて、のびのびしてて……)
寧々:(わたしは……あんな風には歌えない……)
司:それでは今日の練習はここまでだ! 全員、解散!
えむ:らじゃーっ♪
寧々:…………
類:……寧々?
寧々:え? あ、な、何?
類:浮かない顔をしているから、 どうしたのかと思ってね
類:何か心配なことがあるのかい?
寧々:それは……
寧々:……わたしの歌が、アイツに負けてる気がして
えむ:えっ?
類:あいつというのは、今日会った、青龍院くんのことかい?
類:たしかに彼女の歌声は素晴らしかった。 観客の魂にまで響く歌声と言ってもいいね
類:でも僕は、寧々の歌声は彼女に匹敵するものだと思っているよ
司:それはオレも同感だ。 寧々の歌はあの高飛車女にまったく引けをとっていない!
寧々:……みんなにはそう聴こえるのかもしれない
寧々:でも、アイツの歌は……違うの。 昔からミュージカルの歌ばっかり練習してたからわかる
寧々:うまく言えないけど、歌に乗ってるものが違う。 でも、どうすればいいのかわからなくて……
寧々:……ごめん。みんな先に帰ってていいよ。 わたし、もうちょっと練習してから帰る
えむ:寧々ちゃん……
類:…………
類:(これは演出家として、本格的に 対策を考えたほうがよさそうだね)
寧々の部屋
寧々:……はぁ。 結局全然まともに歌えなかった
寧々:わたしにあんな歌、歌えるのかな……
寧々:(ミュージカルなのに歌が良くなかったら、 ショーそのものがダメになっちゃう)
寧々:(そうしたらわたしのせいで、 コンテストに優勝もできなくなる)
寧々:(わたしのせいで……)
劇団員:草薙さん、よく今日の練習来られたよね。 あんな失敗したのに……
劇団員:誰も話しかけてないみたい。当然だよね
劇団員:みんなで練習したのに、あんな酷い失敗されたら――
寧々:……そんなの、絶対にイヤ……!
寧々:もっと練習しなくちゃ
寧々:絶対にアイツよりいい歌を歌って、 ショーを成功させなくちゃ……!
第 4 话:昔のわたしの歌いかた
ワンダーステージ
寧々:♪~~~~
寧々:……これじゃダメ。もっと抑揚をつけないと
司:おい寧々、いつまで歌ってるつもりだ? そろそろ別のシーンの練習を……
寧々:♪~~~~!
司:だー! 人の話を聞けっ!
えむ:ねえ類くん、寧々ちゃん大丈夫かな。 今日、朝からずーっと歌の練習してるよ
類:……そうだね
類:寧々、少しいいかい?
寧々:何? 今、忙しいんだけど……
類:もしかしたら、寧々の歌に足りないものが わかったかもしれない
寧々:え!? それって一体……!
類:その前に、さっきの歌をもう一度歌ってくれないかい? 推測が間違っていないか、確認したいんだ
寧々:……わかった。 じゃあ、ちゃんとステージで歌う
寧々:……ふぅ
寧々:♪~~~~
えむ:んー……やっぱり、とってもステキな歌だと思うんだけどなぁ
司:うむ。ビブラートもファルセットも見事だ。 もちろん音程が外れることはないし……
類:……やっぱり、そういうことか
類:十分わかった。 もう大丈夫だよ
寧々:それで何が足りないの? 一体どうすれば……
類:寧々は――感情を解放しきることができていないんだ
司:感情を……解放?
類:ああ。フェニックスステージの彼女とはもちろん、 司くんやえむくんとも真逆だ
類:寧々は慎重になっているんだ。 自分でも気づかない程わずかにね
類:もちろん、自分を冷静にコントロールすることは大事だ。 けれど、ショーは、役者の心の動きが何より重要になる
類:舞台上で感じた想いを素直に歌に乗せる。 だからこそ、その歌は観客に届く
類:けれど寧々は、慎重になるあまり、 それができていないんだ
類:技術的には申し分ない。 でも、彼女と大きな差があるとすれば、ここしかないと僕は思う
司:つまり……もっと肩の力を抜いて気楽に歌えということか?
類:簡単に言うと、そういうことになるね
寧々:そんなこと言われても……
寧々:じゃあどうすればいいの? どうすればもっと気持ちを解放して歌えるの?
類:おそらく……そうなってしまっている原因があるはずだ
寧々:……っ
寧々:(次のセリフが、出てこない……! どうしよう、どうしよう、どうしよう……!)
寧々:でも……でも、あれはもう、乗り越えたはずなのに
類:……やっぱり、昔のことが原因みたいだね
類:それなら、失敗する前の――昔の寧々の歌いかたが ヒントになるかもしれない
寧々:昔の歌いかた……
寧々:……そんなの……
司:……よし! 今日の練習はここまで! 全員、解散!
寧々:…………
えむ:寧々ちゃん……
司:うーむ、どうしたものか。 肝心の寧々があの調子じゃあな……
類:……いや、きっと大丈夫だよ
類:寧々なら、自分と向きあうためのヒントを、 自分で掴めるはずだ
えむ:んん~。でもやっぱり心配だな……およ?
司:ん? わ! またオレのスマホが光って――
ミク:『みんな~☆ ミクだよ♪ 元気にしてたっ?』
寧々:あ、ミク……
えむ:ミクちゃんっ! こっちに来てくれるの、久しぶりだね~!
ミク:『うんっ♪ あのね、今日はみんなにミク達の新しいショーを 見てほしいなって思って☆』
司:新しいショー? 今度はどんなのを作ったんだ?
ミク:『とーっても楽しいクリスマスショーだよ!』
ミク:『しかも――今回は新しいメンバーも出るのだ~っ!』
えむ:えっ、新しいメンバー!?
えむ:やったー!! それってだれだれ?
ミク:『ふっふっふー♪ それはセカイに来てのお楽しみ♪』
ミク:『それじゃ、みんなで一緒にセカイに――』
寧々:……ごめん。 わたし、今日はそういう気分になれなくて……
寧々:先に帰るね……
えむ:あっ……!
ミク:『あれれ? 寧々ちゃん、何かあったの?』
司:ああ、次のショーのことで、 行き詰まっていてな――
寧々:……昔の歌いかた、か
寧々:そんなこと言われても、 どうすればいいのか、わからないよ……
櫻子:あら? 誰かと思ったら、ワンダーステージの草薙さんじゃない
寧々:あ、フェニックスステージの青龍院……さん
櫻子:そんなしょぼくれた顔をしてどうしたのかしら? 私達のショーには勝てないとやっと気づいたの?
寧々:そんなこと……っ!
寧々:……そんなこと……
櫻子:…………。 そんな調子じゃ、次のショーは期待できなそうね
櫻子:いずれにせよ、このフェニックスワンダーランドで、 満足のいかないショーをするのだけはやめて頂戴
寧々:……っ
第 5 话:あの日見たショー
1週間後
ワンダーステージ
司:『さあ、次が最後の子供の家だ! 行くぞ!』
寧々:『うん。って、そんなに走らないでよね!』
類:オーケー。このシーンもバッチリだね
類:本番まであと1週間しかないし、 このまま通し稽古に入ろうか
司:おお! やっとここまで漕ぎつけたな!
司:……だが類、寧々の歌はどうなんだ? まだかなり悩んでいるようだが……
類:そうだね。 だけどこれは、技術的な問題じゃなく、寧々の心の問題だから、 僕らができるのは見守ることぐらいだよ
類:だから今は……先に進んで待っていよう
類:寧々が、歌だけに集中できるようにするためにもね
えむ:でも、待ってるだけじゃやだよ! あたしも何かできたらいいのに……
えむ:あっ
類:それなら、失敗する前の――昔の寧々の歌いかたが ヒントになるかもしれない
えむ:……じゃあ、昔のことをいっぱい思いだせればいいのかな?
えむ:ねーねちゃんっ!
寧々:わっ……! な、なに
えむ:あのね、あたし寧々ちゃんのこと、 もっと知りたいって思ったの!
寧々:え? わたしのこと?
えむ:うん! 寧々ちゃんは昔からショーやってるんだよね? どんなショーやってたの? どのショーが一番好き? それから……
寧々:ちょ、ちょっと、そんないろいろ聞かれても 答えられないってば
寧々:それに今は練習中でしょ。 本番まで時間もないんだから、そんな話また今度に……
えむ:ヤダヤダ今知りたいの~っ! おねがいおねがい! 今度あたしのたい焼きあげるからっ!
寧々:いや、たい焼きはいらないから……
類:そうしたら、ここで休憩をはさもうか。 そのあいだに話をしたらどうだい
類:思い出話に花を咲かせるのも、 たまにはいいだろう?
寧々:……はぁ。 休憩のあいだだけだからね
えむ:やったぁ!
えむ:寧々ちゃんのこと、いっぱい聞いちゃおー! じゃあ……ショーをやろうと思ったのはいつだったの?
寧々:……やりたいって思うようになったのは、小学生の時
寧々:類の家の隣にうちが引っ越してから、親同士が仲良くなったの。 それで、類の家族とうちの家族で、ショーを見に行こうってことに なったんだけど……
寧々:その時のショーが、すごく良かったんだ
寧々:なんだか夢みたいで。 終わったあと、しばらくボーっとしちゃった
寧々:それで、わたしもやってみたいって思ったの
寧々:(なのに……)
寧々:(次のセリフが、出てこない……! どうしよう、どうしよう、どうしよう……!)
寧々:(あんな失敗したせいで……)
えむ:ショーが、夢みたいかぁ……!
えむ:それ、すっっっごくわかるな~!!
寧々:え?
えむ:ショーを見て、『夢みたいだ』って思ったところ!
えむ:あたしもちっちゃい頃、おじいちゃんとショーを見てて、 夢みたいだなーって思ったの!
えむ:——ちょうどね、この席から見てたんだ
寧々:え……この席?
えむ:うん! 一番前の真ん中! あたしの特等席だよ!
寧々:そっか。 じゃあ、ちっちゃいえむがここから見てたんだね
えむ:うん! えへへ、今は寧々ちゃんと座ってるから、 なんだか不思議な感じだね~♪
寧々:ふふ、そうだね
えむ:あ、そういえば、ショーを見た日は、 夢にもショーが出てきたの!
寧々:ああ……それはわたしもあったな。 夢の中だと、自分がステージに立ってるんだよね
えむ:そうそうっ! それでいーっぱいショーして……
えむ:朝起きるとベッドの下に落っこちてるから びっくりしちゃうんだよね!
寧々:そ、それはないかな……
司:どんな寝相をしてるんだお前は……
司:しかし、寧々達も家族と一緒にショーを見てから、 ショーをやるようになったんだな
寧々:え?
司:オレも、最初に見たショーは家族と見た。 入院しがちな妹が、久しぶりに出かけられると喜んでいて……
司:そのショーで妹があんまり喜ぶものだから、 オレもこんな風に妹を笑わせられたらと思って、 ショーをするようになったんだ
寧々:……そうだったんだ
司:それからは、ずっとショーの練習をしていたな! 歌とダンスとポーズの研究をよくしたものだ
類:フフ、僕と寧々もショーを見たあとは、 よくショーの練習をしていたよ
寧々:類は昔から無茶なことばっかり言ってたけどね。 川に飛びこめとか、足でジャグリングしろとか……
類:おや? そうだったかな?
寧々:ちょっと、忘れたフリしないでよね
えむ:えへへ♪ ちっちゃいみんなのショー、見てみたいなー☆
司:幼いオレのショーならば見られるぞ! 親が映像で残していたからな!
えむ:ほんとに!? 今度見せて見せて~♪
類:幼い頃の司くんか……。 きっと演出しがいがあるだろうねえ
司:その顔はやめろその顔は
寧々:(小さい頃……か)
寧々:(ショーを知ってからは、ゲームも漫画も投げ出して、 ずっと歌ってたな)
寧々:(朝から晩まで歌ってたから、 お母さんにも怒られちゃったけど……)
寧々:(でもすごく――楽しかったな)
第 6 话:魔法をかけて
寧々の部屋
寧々:はぁ……。結局今日はしゃべってばっかりで、歌えなかったな。 本番まで時間もないのに
寧々:あ、そういえば……
司:幼いオレのショーならば見られるぞ! 親が映像で残していたからな!
寧々:……うちの親も撮ってたっけ。 わたしの練習してた時の様子とか、劇団の発表会とか……
寧々の声:お母さーん! ちょっと聞きたいんだけど……
寧々:……これで繋げたかな。 多分、このへんを再生すれば――
幼い寧々:それじゃあ、やるね?
寧々の母:はーい。パチパチパチ―
幼い寧々:『ねえ、わたしといっしょに空を飛んでみない?』
幼い寧々:『だいじょうぶよ、自分を信じて!』
幼い寧々:『わたしがあなたに、魔法をかけてあげるわ!』
幼い寧々:『♪~~~~』
寧々:ふふっ。 ヘタだなぁ。音も外れてるし
寧々:……でも、懐かしいな。 この公園にも、よく類と練習しに行ったっけ
幼い寧々:『♪~~~~』
幼い寧々:『足下を見ないで、空を見上げるのよ。 ほら! とってもキレイな虹!』
幼い寧々:『ね? 歌いたくなるでしょう?』
幼い寧々:えへへ……楽しいな……
幼い寧々:いつかステージの上で、ショーをやってみたいな
寧々:(……あの頃は、楽しかったな)
寧々:(図書館に行ったり、類の家に行ったりして、 ショーの台本を読ませてもらって……)
寧々:(なのに、あの失敗をしてからは……)
寧々:…………
幼い寧々の声:『ねえ、わたしといっしょに空を飛んでみない?』
寧々:え?
寧々:あ、また再生ボタン押しちゃってた……。 止めないと
幼い寧々の声:『だいじょうぶよ、自分を信じて!』
寧々:…………
寧々:(……なんで、演技も歌もヘタなのに、 こんなにキラキラして見えるんだろう)
寧々:(それに、すごく楽しそう)
寧々:(ショーが楽しくて仕方がないって顔で歌うから、 うまくないのに、なんだか目が離せなくて……)
寧々:(あ――もしかして)
寧々:(昔のわたしは……ショーを、思いっきり楽しんでたのかな)
寧々:(失敗なんて気にしないで、ただ、役になりきって 歌うことに夢中で……それが楽しくて仕方なかった)
寧々:(なのに……今のわたしは違う)
寧々:(劇団で1回失敗したこととか、 アイツに勝たなきゃいけないってことばっかり気にして、 思いきり楽しめてなかった)
寧々:(そんな歌は、どんなにうまく歌えても、 きっと聴いてて楽しくない)
寧々:なら……もっと精一杯楽しもう
寧々:このショーを、わたしが一番楽しもう!
幼い寧々の声:『わたしがあなたに、魔法をかけてあげるわ!』
幼い寧々の声:『♪~~~~』
寧々:……うん、ありがとう
寧々:お母さーん!
寧々の声:今から歌の練習するから、ちょっとうるさくなるかも
寧々の母の声:ええ? 夜なんだからほどほどにするのよ?
寧々の母の声:ご近所迷惑になるから……って、 神代さんちなら気にしないと思うけど
寧々の声:ふふっ、そうだね
第 7 话:セカイの新団員!?
本番3日前
ワンダーステージ
えむ:寧々ちゃん、遅いね。 大丈夫かなぁ
司:……今は準備を進めて待つしかあるまい
類:そうだね。 今回のショーの鍵になるのは寧々の歌だ
類:寧々には、自分で立ち上がってもらわなくちゃならない
司:まあ、いざとなればこのオレが、少女と少年の 一人二役W主演をやるのもいいだろう!
司:スターならばそれぐらいの芸当はできて当然……ん?
ミク:『みんな~!!』
司:うわっ! きゅ、急に出てくるんじゃない! 驚くだろう!
えむ:ミクちゃんっ♪ また来てくれたんだね!
ミク:『うん! 寧々ちゃんのことが気になって……うわわっ!?』
MEIKO:『みんなー! 元気にショーしてるかしら~♪』
司:ぬわっ! また出てきただと!?
MEIKO:『はじめまして、私はメイコよ! ついこのあいだセカイに来たから、みんなとクリスマスショーを やろうと思って誘いに来たの』
えむ:あっ! ミクちゃんが言ってた『新しいメンバー』って……
ミク:『うんっ! メイコのことだよ! 急に出てくるからびっくりしちゃった~!』
MEIKO:『ミクから元気のない子がいるって聞いちゃったからついね。 落ちこんでる時こそショーでしょう?』
MEIKO:『だから私達のクリスマスショーで、パーッと元気づけて あげようと思って♪』
MEIKO:『それで、その子はどこにいるのかしら?』
寧々:……おはよう。遅くなってごめん
えむ:あ、寧々ちゃん!
司:遅いぞ、寧々! ……調子はどうだ?
類:…………
寧々:……ごめん
寧々:心配かけて、ごめん。 でももう大丈夫。朝から練習して、万全にしてきたから
寧々:――今なら歌えるよ。昔みたいに、思いっきり
えむ:……うんっっ!! 寧々ちゃんなら絶対歌えるよ!
司:フッ。うちの歌姫ならば、それぐらいはできてもらわないとな
類:フフ
MEIKO:『あらあら、私達がはげまさなくても、 大丈夫だったみたいね?』
寧々:え? えっと、あなたは……メイコ?
MEIKO:『ええ。でも、私のことは気にしないで大丈夫よ。 今はあなた――寧々ちゃんが元気になったことが一番大事なこと なんだから!』
ミク:『うん! 寧々ちゃんが元気になってくれて、 ミクもすっごく嬉しいよ~っ♪』
寧々:……ありがとう、ふたりとも。 ミク、このあいだは誘ってくれたのに、断っちゃってごめんね
寧々:それであの……前に言ってたクリスマスショー、 わたしも一緒にやっていいかな?
ミク:『えっ?』
寧々:今のわたしの歌を、みんなに――ミク達にも 聴いてもらいたくって
ミク:『もちろんっ! みんなでショーしようっ♪ 司くん達も一緒に!』
ワンダーランドのセカイ
KAITO:ああレン、そのオーナメントをここにつけてくれるかい? それで飾りつけは終わりだよ。足場が悪いから気をつけてね
レン:オッケー! よいしょっと……うわっ!
KAITO:あ、レン! 危ない!
レン:あいたた……あれ? 痛くない?
MEIKO:もう、レンったら気をつけなきゃ。 私が支えなかったらケガしてたわよ?
レン:ありがとうメイコ! 助かったよ!
MEIKO:どういたしまして!
レン:ほら、ちょうど飾りつけも終わったところだよ
MEIKO:ふふっ。やっぱりステージの上にドーンとツリーを 置いたのは大正解ね! 見た目がパーッと華やかになるもの!
KAITO:ハハ、メイコが来てくれたから、 ここはもっと賑やかになりそうだね
MEIKO:じゃあ早速、クリスマスショーをやらない? みんなも来てくれたから!
KAITO:ああ、よかった。今日はみんな来てくれたんだね
類:見たところもう、ショーの準備は ほとんどできているみたいだね
レン:うん、バッチリ! いつでも始められるよ!
寧々:あ、あの……それなんだけど……。 そ、その……
MEIKO:みんな! 寧々ちゃんも一緒に歌っていいかしら?
KAITO:え?
寧々:わ、わたし、ちゃんと歌えるようになったから、 みんなに聴いてもらいたくて……!
寧々:だから、お、お願い!
KAITO:もちろんだよ。一緒に歌おう!
寧々:あ……ありがとう
MEIKO:それじゃあ、オープニングのナンバーを歌うのはどうかしら? 4人で歌うから、寧々ちゃんと、カイトと私と、あとは……
KAITO:じゃあ、類くん。 一緒に歌わないかい?
類:え?
寧々:……わたしからもお願い。 昔みたいに、思いっきりやれたら嬉しいな
類:フフ。ご指名とあらば、もちろんだよ
MEIKO:それじゃあ、用意はいいかしら?
寧々:……うん!!
寧々:(わたしは、ショーが大好き)
寧々:(だから、失敗するかもなんて考えないで、 勝てないかもなんて悩まないで――)
寧々:(思いっきり歌おう!)
寧々:♪~~~~
えむ:わぁ……っ!! 寧々ちゃん、すごい……!
司:はーっはっはっはっ! さすがは、我がワンダーランズ×ショウタイムの歌姫だな!
類:フフ。 久しぶりに寧々のこんな歌声を聴いた気がするよ
ミク:……えへへ
ミク:今回は、ミク達がいなくても大丈夫だったみたいだね♪
レン:ねえミク! ボク達も一緒に歌おうよ!
ミク:うんっ! キラキラなクリスマスショーにしようね~っ☆
第 8 话:メリー・クリスマス!
本番当日
ワンダーステージ
少女 (寧々):『きゃっ!? だ、誰……! もしかして、泥棒?』
少年の声 (司):『ち……違う! 僕はサンタクロースだ! 頼むから引っ張りあげてくれ、落ちそうなんだよー!』
少女 (寧々):『サ、サンタクロース……? 嘘つかないでよ。そんなものいるわけないでしょ』
少女 (寧々):『わたしのところには来たことないもの。……1回だって』
櫻子:ふん……。 こんなに寒い中、屋外ステージでよくやるわね
櫻子:(念のため様子を見に来てみたけど…… まあ、ここまではそれなりね。 歌も以前より良くなってるわ)
櫻子:(でも、この程度じゃ、うちのショーは超えられないわよ?)
サンタ見習いの少年 (司):『よし! 変装完了だ! これなら僕がサンタクロースとはバレないだろう?』
少女 (寧々):『サンタ見習い、でしょ? っていうか、 そんな格好で忍びこんだら、逆に捕まっちゃうんじゃない?』
サンタ見習いの少年 (司):『大丈夫! ……って、うわあああ!』
警備員 (類):『不審なヤツがお屋敷に入ろうとしているぞー! 全員、つかまえろ~!』
サンタ見習いの少年 (司):『な、なんでこうなるんだ~!?』
櫻子:ふふっ
櫻子:……はっ! こ、ここはそんな笑うところでもなかったわね……!
女の子 (えむ):『あっ! もしかして……サンタさん!? サンタさんって、おじいさんじゃなくて お姉ちゃんだったんだね!』
少女 (寧々):『あ、わ、わたしは、サンタじゃなくて……!』
女の子 (えむ):『え? 違うの……?』
少女 (寧々):『……えっと。 ううん、サンタかもね。プレゼントを届けに来たから』
女の子 (えむ):『わぁ……! クマちゃんだ! ありがとう~!』
女の子 (えむ):『でもね、あたしクマちゃんより、 サンタさんが来てくれたのが、一番嬉しいよ!』
女の子 (えむ):『ありがとう! サンタさんっ!』
少女 (寧々):『……ふふ。どういたしまして』
類:さあ、そろそろラストシーンだ。 小型降雪機の用意をしなくてはね
類:本当は客席にも降らせられるとよかったんだけれど…… さすがに屋外ステージでは難しかったね
サンタ見習いの少年 (司):『ふぅ、なんとかプレゼントを配り終わった。 本当に助かったよ!』
少女 (寧々):『……ふふ。どういたしまして』
サンタ見習いの少年 (司):『おっと。そろそろ夜が明けちゃうな。 それじゃあ、僕は帰るよ! じゃあね!』
少女 (寧々):『あ……。 そんなに急いで帰らなくたっていいのに……』
少女 (寧々):『そういえば、わたしはプレゼントもらえてないや。 もう……!』
少女 (寧々):『でも……ありがとう、か……』
少女 (寧々):『その言葉が、一番嬉しかったな』
少女 (寧々):『♪~~~~』
櫻子:……っ!!
寧々:(……不思議。歌が自然と出てくる)
寧々:(感じた気持ちが全部歌になって、 どんどんあふれていくみたい)
寧々:(歌うのって――こんなに楽しかったんだ)
えむ:よーし! 雪を降らせちゃうぞ~☆ ……あれ?
類:これは……!
寧々:(あれ?)
寧々:(これって……もしかして、本物の雪?)
観客:わぁ……! あの子が歌ったら、雪が降ってきた……!
寧々:(キレイ……)
寧々:(まるで本当に、空からプレゼントが届いたみたい……)
えむ:す、すご~い……!! 類くん、これどうなってるの? 類くん何かしたの?
類:いいや、僕は何もしていないよ
類:だからこれは――ただの奇跡さ
サンタ見習いの少年 (司):『おーい!』
少女 (寧々):『えっ? あ、ま、まだ帰ってなかったの!?』
サンタ見習いの少年 (司):『うん。プレゼントを渡してなかったからね! どう? 空からの贈り物、気に入った?』
少女 (寧々):『……まあ、悪くないんじゃない?』
サンタ見習いの少年 (司):『それじゃあ、また次のクリスマスに会おう! メリークリスマス!』
少女 (寧々):『うん! メリークリスマス!』
寧々:……はぁ。 いつもの10倍くらい大変だったかも
櫻子:ちょっと、草薙さん!
寧々:えっ。 あ、フェニックスステージの……
櫻子:……今日のショー、とても良かったわ。 あなたの歌声も素晴らしかった
寧々:え? あ、ありがと……
櫻子:特に最後の歌は……うっ
寧々:えっ、泣いてる?
櫻子:泣いてないわよ!!
櫻子:とにかく、私達のライバルとしては認めてあげないこともないわ! 次もいいショーを作ることねっ!
寧々:……ふふ。 思ったより嫌なヤツじゃないかもね。青龍院
数週間後
えむ:みんなー! 着ぐるみさんが、中間発表持ってきてくれたよー!
司:おお、ついに来たか! 1位は……!
司:フェ、フェニックスステージか……!
寧々:あ……
類:……おや? よく見ると、下にもうひとつ順位表があるよ
類:上のものが前回の得点と合わせた総合順位で、 下のものが今回のショーの順位だから……
えむ:あ! 今回のショーは1位だっ! 1位だよ寧々ちゃん!
寧々:え……えっ!? それ、本当!?
司:いよーしっっ!!
司:まあ、当然の結果だな! あんなキンキラしたステージのショーに負ける我々ではないっ!
類:まだ総合得点では負けているけれど……優勝は射程圏内だ。 結果は、最終決戦で決まるというわけだね
寧々:あ、あの……
寧々:みんな……ありがとう
寧々:みんなのおかげで、昔みたいに、 思いっきり歌えるようになれたの
寧々:なんだか……ちょっと早いクリスマスプレゼントをもらった みたいな気分だな
類:……フフ。 それなら、僕らももうもらってるよ。ねえ司くん?
司:ああ、そうだな!
えむ:こ~んなにニッコリ笑ってる寧々ちゃん、 初めて見れたよ~!
寧々:あ……。 ……えへへ
えむ:じゃあみんな、プレゼントもらえたってことだから―― 今日があたし達のクリスマスだねっ♪
寧々:ふふ、そうだね
司:よし! このあとはミク達への報告もかねて、 セカイでクリスマスパーティーをするのはどうだ?
えむ:おお~! 司くん、天才だねっ! あたし、ケーキいっぱい食べたーい♪
類:そうと決まれば、早速用意しなくてはね。 この降雪機は持っていけるかな?
寧々:ふふ。ショーで雪が降ったら、ミク達も喜んでくれるかもね
寧々:それじゃあ――行こう、みんな!