活动剧情

隣に立つ、優しいあなたへ

活动ID:96

第 1 话:頑張りすぎちゃう雇い主

宵崎家 キッチン
穂波:ふう、これでお風呂の掃除はおしまい。 新しい入浴剤、気に入ってくれるといいな
穂波:洗濯もしたし……次は、作り置きを用意しなきゃ。 一緒にお昼も作っちゃいたいけど……何にしよう?
穂波:(そろそろ、気温が上がって体力が必要になるだろうし…… ちょっと重たくても、栄養があって元気が出るものがいいかな)
穂波:えっと、冷蔵庫には何が残ってたっけ……
穂波:——あれ?
穂波:(どうしたんだろう……。 作り置き、あんまり減ってないな)
穂波:(口に合わなかったのかな……。でも、この肉じゃが、 前は美味しいって言ってくれたんだけど)
穂波:(もしかして、体調が悪いとか? でも、さっき会った時はそんな感じしなかったな……)
穂波:宵崎さん、少しいいですか?
穂波:…………
穂波:(反応がない……。聞こえなかったのかな)
穂波:(作曲に集中してると、ノックしても返事がないことは よくあることだけど……)
穂波:(……やっぱり少し心配だな)
穂波:(本当はよくないけど……ちょっとだけ様子を見て、 大丈夫そうなら仕事に戻ろう)
穂波:——すみません、宵崎さん。 お部屋、入りますね
穂波:(あ……)
穂波:(よかった……。倒れたりはしてないみたい)
穂波:(でも、なんだろうこの感じ……。 今の宵崎さん……なんだか少し——)
穂波:(昔に、戻ったみたいな……)
奏:——望月さん?
穂波:あ……! ごめんなさい、勝手に入ってしまって
穂波:ノックしたんですけど、 反応がなかったので、少し気になって……
奏:そうだったんだ。……ごめん、気づかなくて。 ちょっと集中してたから
奏:ていうか、もうこんな時間なんだ。 そろそろお昼だね
穂波:はい。なので、お昼ご飯を作ろうと思ったんです。 けど、その……大丈夫ですか?
奏:え?
穂波:冷蔵庫を見たら、作り置きもあまり減っていなかったので。 もしかして、体調が悪いんじゃないかって思ったんです
奏:あ……そういうわけじゃないよ。 つい作業に集中しちゃって、食べるの忘れてたってだけで……
奏:ごめん。せっかく作ってくれたのに
穂波:いえ……それはいいんですけど……
穂波:そうだ。それなら…… 今日のお昼に食べたいものはありませんか?
穂波:お腹もすいているでしょうし、 宵崎さんが食べたいものを作りますよ
奏:ん……なんだろう
奏:ごめん……まだ、いいかな
穂波:え……?
奏:今作ってる曲があと少しでキリのいいところまでできるから、 もう少しやってからにしたいんだ
奏:何か作って置いといてくれれば、あとで食べるよ
穂波:……そう、ですか
穂波:(宵崎さんがやりたいって言うなら、 そうしたほうがいいとは思うけど……)
穂波:(でも——)
穂波:(今のままじゃまた、初めて会った時みたいに 倒れちゃうかもしれないし……)
穂波:あ、あの——!
奏:え?
穂波:その……やっぱり一度休んで、食事をとりませんか?
穂波:差し出がましいかもしれませんが、 体調を崩さないか、心配で……
奏:……ごめん。心配かけちゃってたね
穂波:い、いえ。すみません……。 わたしこそ、余計なこと言ってしまって
奏:ううん。……望月さんの言うとおり、 倒れたりしたら元も子もないし
奏:お昼、できたらすぐに食べるね。 作りたてのほうが美味しいし
穂波:あ……はい!
奏:このお肉……ちょっとすっぱいけど、 すっきりした味で美味しいね
穂波:ふふ。梅をあえてみたんですけど、 お口にあったならよかったです
穂波:梅って食欲増進の効果もあるって聞いたので。 これなら、少しは食べやすいかなって
奏:そうなんだ……。 いろいろ考えてくれてありがとう
穂波:いえ……
穂波:……むしろ、うるさくないですか? 体調のこととか、何度も口を出しちゃって
奏:ううん。いろいろ気にかけてくれて、 むしろ感謝してるよ
穂波:そうですか。よかった……
穂波:あの……ひとつ聞いてもいいですか?
奏:うん。なに?
穂波:その、……何かあったんですか? 今日だけじゃなくて、最近はいつもより 集中して作業をすることが多いみたいでしたけど
奏:あ……そうだね
奏:……あんまり詳しくは言えないんだけど、 今、わたしの知り合いが、その……少し大変な状況になってるんだ
穂波:大変、ですか?
奏:うん。もともと大きな悩みを抱えてる子だったから、 わたしも助けになりたいと思って 曲を作ってたんだけど……
奏:でも、最近は前よりもっと大変になってて……
奏:少しでも早く、その子の救いになれるような 曲を作りたいって思うんだ
穂波:そうだったんですね。 お知り合いのかたのために……
穂波:……誰かのために頑張るのは、 すごく宵崎さんらしくて素敵だと思います
穂波:——でも、本当に無理はしないでくださいね
穂波:きっと、そのお知り合いのかたも、 自分のために宵崎さんが体調を崩したら心配するはずですから
奏:……たしかに、そうだね
奏:ありがとう、望月さん。 気をつけるよ
翌日
宮益坂女子学園 1年B組
穂波:(宵崎さん、昨日はちゃんとお昼食べてくれてよかった。 今日もちゃんと食べてくれてるといいけど……)
穂波:(……そうだ。 次は、作業中でも食べられる料理を作ってみようかな)
穂波:(えっと、いいレシピは……)
穂波:(……あ、このサンドイッチなら 野菜もたんぱく質も摂れていいかも。 小さくカットすれば、作業中でも食べられそうだし)
穂波:(他には何か——)
???:ほーーなーーみーーちゃーーん!!!!!!
穂波:わっ! えむちゃん、おはよう。 朝から元気いっぱいだね
えむ:うん! 今日もお日さまがとーってもサニサニしてるから、 元気もりもり森のくまさんなんだ~♪
えむ:そうだ! あのねあのね! あたし、穂波ちゃんにあげたいものがあるの!
穂波:わたしに? 何かな
えむ:えへへ、じゃっじゃーん!
穂波:これって……チケット? 『フェニックス・ブライダルフェスタ』って書いてあるけど……
えむ:うん! お父さんの会社の人が考えたイベントなんだ!
えむ:おっきな会場にたくさんブースがあって、 きれいなウェディングドレスがいっぱい飾ってあったりして……
えむ:あとはえーっと……そうそう! ドレスを着たファッションショーとか、 他にもブーケ作りのワークショップなんかもあるんだよ!
えむ:穂波ちゃん、よくかわいいもの作ったりしてるし、 前にお洋服を作るのも好きだって言ってたから、 喜んでくれるかなーって思って!
穂波:わぁ……ありがとう! すごく楽しそうだね! でも、わたしがもらっちゃっていいの?
えむ:うん! お兄ちゃんが、 『関係者用のチケットが何枚か余ったから、 好きそうな人にあげていい』って言ってくれたんだ~!
えむ:だから、穂波ちゃんが楽しんでくれると嬉しいな☆
穂波:ふふ、それならありがたくもらっちゃおうかな
えむ:えへへ、よかった~!
えむ:あ、そうだ! チケットは1枚で3人まで入れるから、 よかったらお友達も誘ってね!
穂波:そうなんだ……! それじゃあ誰かに声かけてみるね。 えむちゃん、ありがとう
えむ:うん!
えむ:あっ、チャイムだ! じゃあまたあとでね穂波ちゃん!
穂波:(ブライダルフェスタか……。楽しそうだな。 でも、誰を誘おう……?)
穂波:(こういうのは咲希ちゃんが好きそうだし、 誘ったら来てくれそうだけど…… あ、でも今週の土日は家族で買い物に行くって言ってたな)
穂波:(一歌ちゃんと志歩ちゃんも、 バイトがあるって言ってたし……)
穂波:(あとは——)
穂波:(……宵崎さんは、こういうイベント興味ないよね)
穂波:(だけど……もし誘ったら、息抜きになったりしないかな。 最近、いつもより頑張りすぎてる感じがするし)
穂波:(もしかしたら、迷惑に思われちゃうかもしれないけど……)
穂波:(でも——)

第 2 话:ちょっとだけ強引に

穂波の部屋
穂波:……ブライダルフェスタ、どうしよう
穂波:(やっぱり、少しでもリフレッシュしてほしいし…… 今度宵崎さんのところに行った時、聞いてみようかな)
リン:『——ほなっちほなっち~! やっほー!』
穂波:リンちゃん? こんな時間にどうしたの?
リン:『さっきね、ほなっちがくれたファッション誌見てたんだ! それにめちゃ感動しちゃったからお礼を言いたくて!』
リン:『いつもサッキーが見せてくれるのとは 違った洋服がのってて、おもしろかったよ~☆ ホント、ありがと!』
穂波:ふふ、そうだったんだ。気に入ってもらえて嬉しいな
リン:『うんっ! 特に、ウェディングドレスの特集ページ! どれもフリフリキラキラでかわいくて、憧れちゃった♪』
穂波:そういえば、今月はブライダルの特集だったっけ。 チャペルの写真もあって綺麗だったよね
リン:『そうそう! ドレスもチャペルもキラキラしてて、 なんかおとぎ話の中って感じ!』
穂波:おとぎ話……。たしかにそうだね。 お姫さまが着てるドレスみたいで、 わたしも、ちょっと憧れちゃうな
リン:『わかる~! あたしも着てみたーい!』
リン:『それに結婚式ってさ、大切な人と “ずっと一緒にいます”って約束するんだよね?』
穂波:うん。幸せな時だけじゃなくて、 つらい時も苦しい時も、相手のために心を尽くして、 ずっとそばにいるって約束するんだよ
リン:『心を尽くして……』
リン:『それってやっぱり……すっっっごい、すてきなイベントだね!』
穂波:ふふ、そうだね
穂波:……あ、それならリンちゃんも行かない?
穂波:友達に、ブライダルフェスタっていうイベントの チケットをもらったの
穂波:ドレスの展示とか、ファッションショーとか、 他にもいろんなブースがあるみたい
リン:『へえ、楽しそう! 行きたい行きたい! 絶対行きたい~!』
穂波:それじゃあ、リンちゃんも一緒に見て回ろうね。 あ、でも……
穂波:他に人が来るかもしれないから、その時は こっそり見てもらうことになっちゃうと思うけど…… それでもいいかな
リン:『全然平気! でも、一緒に行くのはいっちー達じゃないの?』
穂波:うん。イベントの日はみんな予定があって。 だから今、別の人を誘おうか考えてたところだったんだ
リン:『へえ~、そうなんだ! どんな人なの?』
穂波:えっと……宵崎奏さんっていう、 わたしがアルバイトで家事のお手伝いをしているおうちの人なんだ
穂波:わたしよりひとつ年上なんだけど…… すごく優しい人で、いつも誰かのために頑張ってるんだよ
リン:『誰かのために、かあ……。すてきな人なんだね!』
穂波:うん。だけど……ちょっと頑張りすぎちゃうところもあって……。 少し心配なんだ
穂波:だから、たまには楽しいイベントで気分転換してもらえたらなって 思ったんだけど……
穂波:宵崎さんは、ブライダルイベントは興味ないと思うし…… 無理に誘うのもなって
リン:『そっか……』
リン:『う~ん。でも、それなら、 あたしは誘ったほうがいいって思うな!』
穂波:え?
リン:『だって、ほなっちはその人のことが心配で、 元気になってほしいって思ってるんでしょ? あたし、そういう気持ちはす~っごくすてきだって思うし!』
リン:『それにホントに興味ないかどうかだって 聞いてみないとわかんないじゃん?』
穂波:それは……たしかにそうだけど……
リン:『でしょでしょ? だから誘ってみようよ!』
リン:『あ、それと……誘ってみて、ちょっとな~って言われても、 もうひと押ししてみるといいかもよ!』
穂波:え? でも、それはさすがに迷惑なんじゃ……
リン:『んー、まあホントにヤダ!って 言ってる時に誘うのはダメだと思うけど…… 悩んでる感じなら、押したほうがいい時もあるよ!』
リン:『あたしもね、カイト兄とかがひとりで悩んじゃってる時、 気分転換しよ!って遊びに誘うことがあるんだけど…… 今はちょっとって言われることが多いんだー』
リン:『でも、お願い!って言って引っ張っていくと、 帰る頃には結構スッキリしてたりするんだよ♪』
穂波:そうなんだ……
リン:『そうそう! だから、たまには強引にいくほうが いいって時もあるって思うんだ!』
穂波:……ふふ、そうかもしれないね。 ありがとうリンちゃん
穂波:わたし……誘ってみるね
リン:『うんっ! がんばって、ほなっち!』
数日後
宵崎家 キッチン
奏:それじゃあ、今日もよろしくね。望月さん
奏:わたしは部屋に戻ってるけど、 何かあったらいつでも声かけてくれていいから
穂波:はい。あ……でも、その前に少し、 お話ししたいことがあるんですけど、いいですか?
奏:どうしたの?
穂波:えっと……実は、友達から『フェニックス・ブライダルフェスタ』 っていうイベントのチケットをもらったんです
穂波:結婚式のイベントで、 会場の中にドレスの展示場や、アクセサリーショップだったり、 ブライダル関連のいろんなブースがあるんだそうです
穂波:それで、その……
穂波:もしよければ、なんですけど……一緒に行きませんか?
奏:わたしと……?
穂波:は、はい……! こういうイベントは、 宵崎さんの好みじゃないかもしれないんですけど……
穂波:でも、少しでもリフレッシュしてもらえたらな、って……
奏:あ……
奏:……そっか、ありがとう。 気にしてくれてたんだね
穂波:い、いえ! わたしが勝手に心配してただけですし……! でも、その、もしよければ……
奏:……うん
奏:どうしようかな。 誘ってくれるのは嬉しいけど……
穂波:あ……
リン:『あ、それと……誘ってみて、ちょっとな~って言われても、 もう一押ししてみるといいかもよ!』
リン:『あたしもね、カイト兄とかがひとりで悩んじゃってる時、 気分転換しよ!って遊びに誘うことがあるんだけど…… 今はちょっとって言われることが多いんだー』
リン:『でも、お願い!って言って引っ張っていくと、 帰る頃には結構スッキリしてたりするんだよ♪』
穂波:あ、あの……きっと楽しいと思います!
穂波:えっと……覚えてますか?  前に、わたしが紫陽花を買ってきた時、 宵崎さんが気に入って部屋に置いてくれて……
奏:……うん、すごく綺麗だったね。 家の中が明るくなった気がしたよ
穂波:あ……、ありがとうございます
穂波:イベントでは、いろんな花を使ったブーケも見れるらしいんです。 もしかしたら、他にも宵崎さんが気に入る お花があるかもしれません
穂波:それに……そうだ! 結婚式場の中を見れたりもするそうですよ! ——って、あ……そ、そういうのはあまり興味ないですよね
穂波:だ、だけど……他にもたくさんブースがあって、 綺麗なアクセサリーとかもいろいろあるみたいなので きっと、見てるだけでも楽しくなれると思うんです
穂波:だから——
穂波:あ……
穂波:す、すみません。強引でしたね
穂波:でも、その……きっと楽しいと思うので、 一緒にどうでしょうか
奏:……わかった。望月さんがそう言うなら、行ってみようかな
穂波:え……
奏:たしかに、気分転換も大事だよね。 それに、望月さんがくれたみたいな、 綺麗な花があるなら、見てみたいし
穂波:あ……ありがとうございます! よかった……
穂波:それでは、今週の日曜日とかどうですか?
奏:うん。特に予定はなかったし大丈夫だと思うよ
穂波:はい! ふふ、楽しみですね
穂波:そうだ。このチケット、3人まで入れるみたいなので もし他に興味がありそうな人がいたら 声をかけていただいて大丈夫ですよ
奏:そうなんだ……
奏:それなら、ひとり誘わせてもらおうかな。 ウェディングドレスとか好きそうな子がいるんだ
穂波:はい、ぜひ!
穂波:日曜日、よろしくお願いしますね
穂波:(よかった……)
穂波:(普段、わたしが宵崎さんのためにできることは、 あまりないけど……)
穂波:(でも……せっかく来てくれるんだから、 イベントの日は、楽しんでもらえるように頑張りたいな)

第 3 话:ブライダルフェスタへようこそ!

イベント当日
スクランブル交差点
穂波:(——待ち合わせ時間、そろそろだな)
穂波:(遅れちゃダメだって思ったのもあったけど、 ……ちょっと早く来すぎちゃったな)
穂波:(えっと、宵崎さん達は——)
奏:——あ、いた。 おまたせ、望月さん
穂波:宵崎さん!
穂波:大丈夫ですよ。 わたしも、少し前に来たところですから
穂波:あと、もうひとり来るというかたは……
奏:どうだろう。 そろそろ到着するってメッセージはきてたけど……
???:あ、いたいた! おーい!
瑞希:やっほー! 奏と、それに——
穂波:あ、わたしは……
瑞希:望月穂波ちゃん! でしょ?
穂波:え?
奏:あ、ときどきわたしが話題にしてたから。 勝手に話しちゃってごめんね
瑞希:あと、絵名もね! すごくいい子だって聞いてるよ!
穂波:あ……そうだったんですね。 なんだか、少し恥ずかしいです
瑞希:あはは! でも、ボクは嬉しいよ。 噂の穂波ちゃんにようやく会えたんだもん!
瑞希:って、そうだ。自己紹介がまだだったね。 ボクは暁山瑞希。奏とは同じ音楽サークルに入ってて、 主に動画制作を担当してるんだ
穂波:はい。わたしも少しですが聞いています。 暁山さん、今日はよろしくお願いしますね
瑞希:うん。よろしく!
瑞希:あ、それと……今日は誘ってくれてありがとう! ずっと気になってたイベントだったんだよね~
穂波:いえ、わたしも友達にチケットをもらっただけなので……。 それに、賑やかなほうが楽しいですから、 暁山さんが来てくれてわたしも嬉しいです
穂波:暁山さん……? あの……どうかしました?
瑞希:ううん! 穂波ちゃんって、聞いてたとおり本当にいい子だなって思って!
穂波:え……そ、そうでしょうか……?
瑞希:ホントホント!
瑞希:奏~。こんないい子にいつもお世話してもらってるんだから、 感謝しないとダメだよ~
奏:え……あ、うん……。 ごめん、感謝はしてたんだけど……うまく伝えられてなかったかも
穂波:そんな……! 十分伝わってますよ
奏:そう、かな。 それならいいんだけど……
瑞希:——お、バス来たみたいだね。 乗ろっか!
穂波:はい。イベント、楽しみですね
瑞希:うんっ!
フェニックス・ブライダルフェスタ会場
瑞希:おお……! これが、ブライダルフェスタか~!
奏:へえ……。賑やかだね
穂波:カップルのかただけじゃなくて、 友達同士や家族連れのかたも多いみたいですね
瑞希:うんうん! いろんな人が楽しめるようになってるんだね~
穂波:ふふ、そうですね。 それじゃあ、どこから回りましょうか
瑞希:マップを見た感じだと、ここから真っすぐ行ったところに ドレスの展示場があって…… 左にいろんなアクセサリーショップが集まってて……
瑞希:——あ、結婚式場の見学なんかもできるんだって! 行ってみたいな~!
奏:本当にいろいろあるんだね……
穂波:そうですね。それに、どのブースも結構本格的みたいですし 全部じっくり見て回るのは難しそう……
瑞希:だねー……。ふたりは夕方までいられるんだっけ
穂波:はい、今日はアルバイトの日でもあるので。 夕方まではここを見て回って、 それから宵崎さんのおうちにお邪魔させていただこうかなと
瑞希:じゃあ、やっぱり全部回ってると時間足りなそうだし、 行きたいところ優先かな
瑞希:みんな、どこ見て回りたい?
奏:わたしはこのイベント詳しくないし、 ふたりの行きたいところでいいよ
穂波:わたしも、気になる場所はありますけど…… マップを見ると少し遠そうなので、 暁山さんの行きたい場所を優先していただいて大丈夫です
瑞希:ホント!? ありがとう!  なら、最初はドレスの展示、見に行ってもいいかな?
瑞希:有名なデザイナーの作ったドレスだけじゃなくて、 コンテストで選ばれた一般の人の作品とかもあるらしくて…… すっごく気になってたんだよね!
奏:そうなんだ。ウェディングドレスか……。 あんまりちゃんと見たことないし、興味あるな
穂波:ふふ、それじゃあ行ってみましょうか
ブース内 ドレス展示場
瑞希:うわぁ……!
瑞希:すごいすごいすごいよ、これ! こんなにたくさんドレスがあるなんて……! どれも本当にきれい~!
穂波:本当ですね……
穂波:こうして近くで見ると、ドレスってとっても豪華で、 なんだか圧倒されちゃいます
瑞希:あはは、たしかにそうだね! わっ、このスカート見てよ!
奏:スカート?
瑞希:これはね、プリンセスラインって言って、 童話に出てくるお姫さまみたいにふわっとしたスカートなんだよ! しかも後ろのリボンも超かわいい!
奏:たしかに、すごい大きいね
瑞希:でしょでしょ! それに、こっちなんかパンツドレスだよ! おっしゃれ~! ていうか背中のレース細か!
瑞希:わっ、これスリット入ってる! ちょっと大人な感じでいいな~
穂波:暁山さん、すごく楽しそうですね
奏:瑞希、可愛い服とか好きだから。 あんなに喜んでくれるなら、誘ってよかったな
瑞希:あはは……ふたりともごめんね! なんかすっごくテンション上がっちゃって……
穂波:いえ、お気持ちはわかりますよ。 わたしもたまに服を作ったりするので
瑞希:そうなの!? ボクも自分で服作ったりするんだ。 穂波ちゃんと結構趣味合うかも……!
奏:たしかに、ふたりは話が合うかもね。 わたしはあんまりドレスのことはわからないけど……
瑞希:え~! そう言わずに、奏にもウェディングドレスの魅力を 知って楽しんでほしいな~!
瑞希:——そうだ! ちょっとうるさくなるかもしれないけど、 解説してもいいかな? そしたら、もっと楽しめるかも!
奏:あ……うん。 じゃあ、お願いしようかな
瑞希:やった! それじゃあ、まずこのドレスのスカートなんだけど、 これはマーメイドラインって言ってね——
数十分後
穂波:ふう……ドレスの展示だけでもすごい量ありましたね
奏:うん。でも瑞希の解説のおかげで、 勉強にもなって楽しく見れたよ
瑞希:本当? よかった! それじゃ他にもいろいろ見たいところあるし—— 次の場所に行っちゃおっか!
穂波:はい!
穂波:ここは……アクセサリーショップですね。 ティアラにブレスレット、ネックレス……。 どれも本当に綺麗……
瑞希:あ、これ試着もできるみたい。 ねえ、奏。このティアラつけてみてよ!
奏:え、わたし……? いいけど……
穂波:わあ……! すごく綺麗ですよ、宵崎さん
瑞希:うん! 奏は普段あんまりオシャレしないからな~。 せっかくだし、こっちのネックレスもつけてもらおうかな。 あとこのブレスレットも!
奏:いいけど……。 う、ちょっと体が重い……
瑞希:あはは! でも、ちゃんと似合ってるよ!
穂波:ふふ、ドレスを着たら、きっと本物のお姫さまになっちゃいますね
奏:そ、そうかな……?
瑞希:ワークショップ、楽しかったね! おそろいのブレスレットもできちゃったし!
奏:ふたりとも、難しいところを手伝ってくれてありがとう。 わたしひとりだったら、うまくできなかったと思う
瑞希:それは穂波ちゃんのおかげかな。 穂波ちゃん、器用なのもあったけど教えるのも上手だよね。 なんか幼稚園の先生みたいだったよ
穂波:そ、そうですか……? 前に、実際に先生をやったからかもしれません。 ……お役に立ててよかったです
奏:あれ、なんだろう。 人が集まってるけど……
穂波:えっと、ウェディングドレスやタキシードを着ての ファッションショーをやってるみたいですね。 せっかくだし、少し覗いていきますか?
瑞希:うんっ!
瑞希:う~ん、楽しい~! これでもまだ半分も見終わってないなんて、 すごいイベントだよね!
穂波:はい、どのブースも見応えがあっておもしろかったですね。 次はどこへ——
穂波:あ……
穂波:(……もしかして、ちょっと疲れちゃったかな。 朝から歩きどおしだし……それに宵崎さん、 人混みとか苦手だもんね)
穂波:——そうだ、皆さん。この辺りに、 ブーケを展示しているコーナーがあるみたいなんです。 気になってた場所なので、みんなで行ってみませんか?
瑞希:へえ、見てみたいな! 奏はどう?
奏:あ……うん。いいけど……
ブーケ展示場
瑞希:わっ、綺麗……! ラウンドブーケに、リース、オーバルのも! いろんな種類があるね!
奏:うん……それに、なんだろう。 いい匂いがする……
穂波:きっと、生花の匂いですね。 バラやスズラン……お花の柔らかい匂いがいっぱいで…… なんだか、とっても優しい気持ちになります
瑞希:うんうん! それに、会場の奥にあるからかな。 他のところより人が少ないね。 これなら、ゆっくり見れそう
奏:うん……そうだね
奏:あ……
奏:……ありがとう、望月さん
瑞希:ふう……。だいぶ回ったね。 そろそろお昼だし、ご飯でも食べながら休憩しよっか
瑞希:この辺りで、いい感じのお店ってあるかな?
穂波:それなら、会場のそばにお洒落な雰囲気の喫茶店がありましたよ。 ご飯も美味しいって評判みたいです
瑞希:お! 流石穂波ちゃん。事前の調査もバッチリ! なら、そこにしよっか!
奏:うん
瑞希:それじゃあ、お昼もしっかり食べて、 午後もたくさん楽しもう!
穂波:はい!

第 4 话:噂の君

喫茶店
穂波:えっと、トーストセットがふたつと……
瑞希:カレーセットひとつでお願いしまーす!
店員:かしこまりました。 それではごゆっくりどうぞ
瑞希:お店、すぐ入れてよかったね。 雰囲気もいい感じだし!
穂波:ランチメニューも美味しそうですね
奏:うん。 あ……わたし、ちょっとお手洗いに行ってくるね
瑞希:オッケー! 場所わかる?
奏:奥にあるの見えてたから、大丈夫
瑞希:……お、ということは穂波ちゃんとふたりきりだね。 この機会にふたりの親睦を深めるとしますか~
穂波:ふふ、そうですね
穂波:暁山さんは、洋服や可愛いアクセサリーなんかが すごく好きなんですね。 さっき会場を歩いてて、伝わってきました
穂波:わたしも服には興味があるんですけど…… シュシュやアクセサリーなんかの小物もよく作ったりするので、 いろいろお話できると嬉しいです
瑞希:ホント!? ボクも嬉しいよ。 裁縫とかの話できる相手、なかなかいないし!
瑞希:あ……でも、ボク達先に話さなきゃいけないことあるかも
穂波:え?
瑞希:呼びかたのこと!  ずっと気になってたんだけど、瑞希でいいよ! たしか同い年だと思うし、ボクも穂波ちゃんって呼んでるしさ
穂波:え? あ、は、はい。 えっと……それじゃあ、瑞希さん、でどうでしょうか
瑞希:ん~……まだちょーっと堅いけど……。 ま、いっか! 一歩前進ってことで
瑞希:でもホント、今日は穂波ちゃんと仲良くなれて嬉しいな~♪
穂波:そ、そうですか?
瑞希:うん! 奏からもだけど、まふゆと絵名からも 穂波ちゃんの話聞いてたし、ちゃんと話してみたかったんだよね!
瑞希:特に——穂波ちゃんの仕事の話、 聞くたびにすごいな~て思ってたんだ
瑞希:奏の家で家事代行してるって話だけど、 でもほら、奏って曲作り以外に興味ないっていうか…… 集中するとご飯も抜いちゃうし、部屋も片づけないっぽいし
穂波:あ……そうかもしれませんね
瑞希:そんな奏が曲作りに集中できてるのは 穂波ちゃんのおかげなのもあるみたいだからさ。 どんな人なんだろうって、ずっと気になってたんだ
穂波:そうだったんですね。……でも、 最近は宵崎さんもずいぶん変わってきてるんですよ。 ご飯も前より食べてくれますし、外出する機会も増えましたから
穂波:それに何より、前よりよく笑うようになって、 雰囲気が柔らかくなった気がします
穂波:きっと、サークルの皆さんのおかげですね
瑞希:奏が変わったのがボク達のおかげなのかはわかんないけど……
瑞希:——でも、穂波ちゃんって、奏のこと本当によく見てるんだね
瑞希:今話を聞いただけでも、奏のこと見守ってくれてる感じがするし
穂波:そう……でしょうか?
瑞希:もしかして、何か理由とかあるの?
穂波:……昔、家事代行として働き始めた時、 宵崎さんのおばあさんに言われたんです
穂波:宵崎さんのこと、 難しい子なので大変に思われるかもしれないけど、 どうかよろしくお願いしますって
穂波:でも、それだけじゃなくて……
穂波:わたしは、宵崎さんのことが心配なんだと思います
穂波:宵崎さんと初めて会った頃……すごく苦しそうでした。 いつも、曲を作らなきゃいけない、誰かを救わないといけないって そればかりを言っていて……
瑞希:あ……
穂波:わたしは、宵崎さんがどうしてそんな風に思うのか、 詳しい事情は知りません
穂波:でも……宵崎さんがとても優しい人だっていうことは、 一緒に過ごすうちに伝わってきました
穂波:だから、たいしたことはできないかもしれないけど…… でも……
穂波:いつも誰かのために必死で頑張る宵崎さんの助けに、 少しでもなれたらなって……そう思ったんです
瑞希:……そっか
穂波:本当に、ただのおせっかいなんですけどね
瑞希:ううん。そんなことないと思うよ
瑞希:……今の話、聞けてよかったな。 穂波ちゃんが奏のこと、真剣に想ってくれてるんだってことが 伝わってきたっていうか
瑞希:穂波ちゃんみたいな子がそばにいるなら、 奏も大丈夫だなって、なんか勝手に安心しちゃった
穂波:そんな……。 わたしはたいしたことできていませんし……
瑞希:そんなことないよ! 今日だって、 奏がリフレッシュできるように連れ出してくれたんでしょ?
瑞希:そうやって気にかけてくれるだけでも、 きっとすごく奏は助かってると思うな
穂波:瑞希さん……
瑞希:特に最近はいろいろあったしさ。 ……ボクも、奏のことはちょっと気になってたんだよね
穂波:あ……それって、 もしかしてお知り合いのかたの話ですか?
瑞希:え? もしかして、何かもう聞いてた?
穂波:少しだけ……。 このあいだ、知り合いが大変な状況にあるって。 その人を助けたくて曲を作ってる、とも言っていました
瑞希:そっか。まあ……たしかに、ちょっと大変な状況ではあるんだ。 その子はすごく追い詰められてて……
瑞希:それに奏は、ずっとその子を救うって言ってたから、 ボク達の中でも一番気にかけてるんだと思う
穂波:救う……
穂波:(そっか……。やっぱり宵崎さんは、 その人を救おうって必死になってるんだ)
穂波:(……だからあの時、昔の宵崎さんみたいだって 感じたんだろうな)
瑞希:——だからさ、穂波ちゃんみたいな子が 奏のそばにいてくれてよかったって思うんだ
瑞希:少なくとも、栄養が足りなくて 倒れるなんてことはないだろうしね♪
穂波:あ……
瑞希:ボクが言うことじゃないけどさ、 これからも奏のこと、よろしくね
穂波:……は、はい!
奏:——ただいま
瑞希:あ、おかえり~奏!
瑞希:今ね、ふたりで奏の話をしてたんだよ
奏:え? わたしの……?
瑞希:そうそう! 家にいる時の奏の様子とか、 どんなご飯食べてるのかな~とか!
奏:あ……。ご、ごめん。 最近はあんまり食べられてなかったけど、ちゃんと食べるよ
穂波:ふふ、大丈夫ですよ
穂波:(やっぱり今、宵崎さんは知り合いの人のために 頑張らなきゃ……って思ってるんだ)
穂波:(わたしは……そんな宵崎さんのために何ができるのかな)
穂波:(瑞希さんや、同じサークルの人達みたいに、 宵崎さんと同じ目的のために頑張れるわけじゃない……)
穂波:(わたしにできるのは、せいぜいご飯を作ったり、 掃除や洗濯をすることだけだけど……)
穂波:(でも、せっかくこうしてイベントにも来てもらえたんだし…… せめて、今日をしっかり楽しんでもらえるように もっとたくさん頑張りたいな)
数十分後
フェニックス・ブライダルフェスタ会場
瑞希:ふう、食べた食べた~! それじゃあ、次どこ行こっか?
穂波:えっと……あと回ってないところは——
???:あー!!!
穂波:え? この声って……
えむ:穂波ちゃ~~ん!!
穂波:——えむちゃん!?
えむ:えへへ、会場で会えちゃったね! 来てくれてありがとわんだほ~い!!
えむ:あっ! 暁山さんと宵崎さんも! みんなで来てくれたんですねっ!
瑞希:ボク達のこと覚えててくれたんだ。 お正月以来かな。久しぶりだね、えむちゃん!
奏:えっと……まふゆの後輩の……
奏:そうだ、鳳さん。 来てたんだね
えむ:はい! このイベント、お父さんの会社がやってて、 あたしもいろいろお手伝いしたんです!
穂波:そうだったんだ。 えむちゃん、お疲れさま
えむ:えへへ、ありがと~! もうお手伝いは終わったんだけど……
えむ:こういうおっきいイベントがどうやって運営されてるのか、 ちゃんと勉強したいな~って思って 会場を見て回ってたんだ~!
瑞希:へ~、そうなんだ! って、あれ……お父さんの会社……?
瑞希:じゃあえむちゃんって、もしかして鳳グループの娘さんなの!?
えむ:はい!
穂波:わたしにチケットをくれたのも、えむちゃんなんですよ
奏:じゃあ、わたし達がここに来れたのは、鳳さんのおかげなんだ。 ありがとう、鳳さん
えむ:えへへ、どういたしまして!
瑞希:そうだ! ねえ、せっかくだし えむちゃんも一緒に回らない?
えむ:えっ、いいんですか!?
瑞希:うん、まだまだ回れていないところもあるし、 おすすめを教えてもらえると嬉しいな!
穂波:そうですね。お願いできるかな、えむちゃん
えむ:任せて! とっておきのおすすめ、教えるね!
瑞希:よろしくよろしく~! あ、敬語はなしでいいから、仲良くしよーよ!
奏:うん、わたしも……話しやすい感じでいいよ
えむ:ほんと!? それじゃあ……よろしくね、 瑞希ちゃん! 奏ちゃん!
えむ:ねえねえ、ドレスの展示はもう見た? どのドレスもキラキラ~ってしてて、すっごく楽しいんだよ!
瑞希:見た見た! あんまりきれいだったから、 めちゃくちゃはしゃいじゃったよ!
穂波:それにアクセサリーを見たり、ワークショップに行ったり…… ファッションショーも見たんだよね
えむ:あのファッションショー、とーっても楽しいよね~! あたしもまた見に行きたいな~♪
えむ:あとは……ウェディングドレスは着てみた!?
穂波:え? 着てみた……って?
えむ:えーっとね、会場の隣のチャペルを借りててね、 ドレスを自由に選んで着れるんだよ!
瑞希:ドレスが着れる……
瑞希:そんなの最高じゃん! 絶対行かなきゃ! ふたりもいい!?
奏:うん、いいよ。 瑞希、そういうの好きだしね
穂波:ふふ、わたしも賛成です
えむ:それじゃあ、あたし案内するね! みんなで一緒にかわいいドレス着よーう☆

第 5 话:できることを精一杯

ウェディングドレス試着場
穂波:わあ……ウェディングドレスがたくさん……!
瑞希:うわ~! あのベルラインのスカート、 すっごくふわふわ!
瑞希:ノースリーブもシンプルできれいだし、 こっちのミニのもカワイイな~!
瑞希:——ここにあるドレスどれ選んでもいいの!?
えむ:うん! 好きなのを選んで大丈夫だよ! 迷ったらスタッフさんもアドバイスしてくれるから☆
瑞希:そっか……! それじゃ、どれにしようかな~。 やっぱり王道のAライン系かな
えむ:あ、それなら、あっちにあるよ! 案内するね!
穂波:ふたりとも楽しそう……。 宵崎さんはどれにしますか?
奏:わたしは……どうしようかな。 何がいいとかわからないし、見るだけでもいいかなって
穂波:そうですか……
穂波:でも、せっかくですし着てみませんか? 普段しないようなことをしてみると、 ちょっと気分も変わるかなって
穂波:もしよければ、わたしも一緒に考えますよ。 好みを教えてもらえたら、 宵崎さんに似合いそうなのを探しますから
奏:そっか……。 なら、お願いしようかな
穂波:はい、ふたりで見ていきましょう
奏:展示を見た時も思ったけど、 ウェディングドレスって結構いろんな色があるんだね。 なんとなく、白ばっかりなのかと思ってた
穂波:白のイメージは強いですけど、 そうでなくちゃダメってことはないみたいです。 ……宵崎さんは、どんな色が好きですか?
奏:えっと、特にこれって言うのはないけど…… 着るなら落ち着いた色がいいかな。 目立つような色って、ちょっと恥ずかしい気もするし
穂波:そしたら……この辺りがよさそうですね。 少しグレーが混ざった色合いで…… うん、宵崎さんにも似合いそうです
穂波:それから……あ、これなんかどうでしょう。 レースの模様がすごく綺麗ですし——
奏:——じゃあ、これにしようかな。 ありがとう望月さん、一緒に選んでくれて
穂波:気に入ったものが見つかってよかったです
奏:うん。あ……でも、望月さんはまだ自分の分、選べてないよね
穂波:わたしは大丈夫ですよ。すぐに選べると思うので
奏:そっか……
奏:……なんか、ごめんね
穂波:え? 何がですか
奏:なんだか今日は、 望月さんに気をつかわせてばっかりいるなって
奏:このイベントに誘ってくれたこともそうだけど、 今みたいに、一緒にドレスを選んでくれたり……
奏:ブースを回ってる時も、わたしが疲れてたのに気がついて 人の少ないところに連れて行ってくれたよね
穂波:ご、ごめんなさい。 ちょっと、おせっかいでしたよね
奏:あ、ううん。そうじゃないよ。 心配してくれるのは、すごく嬉しいし
奏:ただ……仕事じゃない時でも、 いつも気をつかわせちゃってるなって思って
奏:こういうの、当たり前じゃないよね。 だから、その……ごめん
穂波:いえ……そんなの……。 わたしが好きでやっていることですから
穂波:だから、気にしないでください。 わたしはただ、宵崎さんが楽しんでくれればそれで嬉しいんです
奏:望月さん……
奏:そっか……。 ……うん、ありがとう
穂波:(宵崎さんに楽しんでほしいなと思ってたけど—— 逆に、気をつかわせちゃったみたい)
穂波:(誰かを楽しませるのって、すごく難しいな……)
瑞希:——おーい! ふたりとも、ドレス決まった?
えむ:わあ、奏ちゃん、そのドレスにするの!? すっごくきれいだね!
奏:わたしのは、望月さんに一緒に選んでもらったんだ。 鳳さんと瑞希は、もうどれにするか決めたの?
えむ:うんっ☆ あたしのは、さっき決めたよ!
瑞希:ボクのほうはまだちょっと迷っててさ~。 どっちがいいか、よかったら意見くれない?
奏:いいよ。あ、でも……望月さんはまだドレス選んでないから
瑞希:そうだったんだ。 じゃあ穂波ちゃんは自分の選んだほうがいいね!
えむ:なら、あたしが穂波ちゃんについてってあげる! 奏ちゃんは瑞希ちゃんのドレス見てあげて☆
奏:いいけど……わたし、参考になるようなこと言えるかな
瑞希:大丈夫! 思ったこと素直に言ってくれればいいからさ!
えむ:穂波ちゃん、すてきなドレスいっぱいあるから、 どんどん紹介するね!
穂波:ふふ。よろしくね、えむちゃん
えむ:え~っと……穂波ちゃん穂波ちゃん! これなんかどうかな?
穂波:わぁ、綺麗な桜色……。とっても素敵だね!
えむ:えへへ、よかった! 絶対穂波ちゃんに似合うって思ったんだ! あとねあとね、あっちにあったドレスも今持ってくるから、 ちょっと待ってて!
穂波:ふふ、ありがとうえむちゃん
えむ:…………
えむ:穂波ちゃん、大丈夫? なんだかぎゅぎゅぎゅ~ってしてるよ?
穂波:え、ぎゅぎゅぎゅ……?
えむ:えっとね……いろんなこと考えちゃって、 胸の中がぎゅ~ってなっちゃう感じ!
えむ:今穂波ちゃん、そういう顔してるなあって思って……
穂波:あ……
えむ:もしかして、なにか困ってるの? だったら、なんでも話してほしいな!
穂波:ありがとう、えむちゃん
穂波:それなら……少し、聞いてもらおうかな
えむ:……そっか。奏ちゃんにいっぱい楽しんでほしかったんだね
穂波:そのつもりだったんだけど、 かえって気をつかわせちゃったみたいで……
穂波:楽しんでもらうって、なかなか難しいんだね……
えむ:そっかあ……どうしたらいいのかな……
えむ:——あっ、そうだ!
えむ:楽しいことっていったら——やっぱりショーだよ☆ だからみんなでショーをやろっ!
穂波:ショーをやるって……わたし達が?
えむ:ふっふっふ、あたしにまかせて! いいアイディアがあるんだ~♪
十数分後
瑞希:じゃじゃ~ん! みんな見て見て! ボク、このドレスにしたんだ!
穂波:わあ……! フリルがたくさんついてて、 とっても可愛いですね!
瑞希:でしょでしょ? フリル以外はシンプルなデザインだけど、 その分ひとりでぱぱっと着替えられそうだし、 いろんなドレスを試せそうだからいいかなって思ってさ!
瑞希:けど、パステルピンクか、マゼンタか、色をどっちにするかで すーっごく悩んじゃって……。 奏にアドバイスしてもらって、パステルのにしたんだ~!
穂波:ふふ、瑞希さんにとっても似合うと思います
瑞希:えへへ、ありがと~! 穂波ちゃんはどれ着るか、もう決めた?
穂波:はい。えむちゃんのおかげで
瑞希:よかった。 じゃあ試着室行こっか!
えむ:あ、瑞希ちゃん! ちょっと待って!
えむ:実はここではね……ウェディングドレスを着るだけじゃなくて、 他にも、すっごく楽しいことができるんだよ!
奏:楽しいこと……?
えむ:うん! ここでドレスを選んだら……ななな、なんとっ!
えむ:——結婚式体験ができちゃうんだ~!!
瑞希:結婚式体験? ……なにそれ、すっごい楽しそう!
えむ:えへへ、でしょでしょ? チャペルで写真撮ったり、フラワーシャワーしてもらったり、 本物の結婚式みたいなことができちゃうの!
えむ:しかも、それだけじゃないんだよ!
えむ:普通の結婚式体験だけじゃなくて…… 参加型のショーができるんだ!
奏:ショー?
えむ:うん、結婚式体験をするふたりが主役になってやるショーなの!
えむ:お兄ちゃん達に『もっとお客さんに楽しんでもらうための アイディアはないか』って相談されて……
えむ:あたしや、司くんや寧々ちゃんや類くん、 みんなで意見を出し合って考えたんだ!
えむ:名付けて、『結婚式体験特別ショー~狙われた花嫁~』だよ!
奏:ね、狙われた花嫁……?
瑞希:類や司先輩達が考えたって…… なんか、とんでもないショーになってそうだね
穂波:あはは……たしかに……
奏:でも、ショーって難しそうだけど…… 素人ができるものなの?
えむ:大丈夫だよ、誰でも簡単にできるお話になってるから! 台本とかも読まなくてよくて……スタッフさんの言うことを 聞いてれば自然にできちゃうんだ
えむ:ショーは見るだけじゃなくて、やるのもすごく楽しいから! お客さんにいっぱい楽しんでもらえたらなって思って、 司くん達と一緒にいっぱい考えたんだ!
瑞希:そうなんだ……。 じゃあ、ボク達もやってみる? おもしろそうだしさ!
穂波:えっと……
穂波:(たしかに、これならわたし達でもショーができそう……)
穂波:(ショーをやるなんてあんまりないし、 うまくできるかわからないけど……)
穂波:(でも、これで宵崎さんが少しでも 楽しんでくれるかもしれないなら——)
穂波:わ、わたし……やってみたいです!
奏:え……本当……?
穂波:は、はい! きっと、楽しいと思うので! あの……宵崎さんもどうですか?
奏:わたしは、そういうショーってやったことないし……
瑞希:そんなのみんな一緒だって。 せっかくだし、穂波ちゃんと奏でやってみたら?
瑞希:ボク、奏がドレス着てショーやってるところ、 見てみたいな~♪
奏:み、瑞希……
瑞希:あはは! ま、もちろん無理にとは言わないよ
瑞希:でも……こんな機会滅多にないし、 奏にも目いっぱい楽しんでほしいなって思うからさ
奏:あ……
穂波:ど、どうでしょうか宵崎さん。 一緒に……
奏:……わかった。やってみるよ
えむ:本当!? やったー!
えむ:じゃああたし、スタッフさんにショーのこと話してくるね☆ 穂波ちゃんと奏ちゃんは着替えてて!
穂波:うん。よろしくね、えむちゃん!
瑞希:ふふ、楽しみだなあ、ふたりのショー! ドレス姿も見れちゃうし!
瑞希:がんばってね、奏、穂波ちゃん!
奏:う、うん……
穂波:(——宵崎さんに少しでも楽しんでもらえるように、 わたしも、一生懸命頑張ろう……!)

第 6 话:ショー開演!~狙われた花嫁~

結婚式場
瑞希:おお~! やっぱチャペルってきれいだな~!
瑞希:さてさて! 観客はここにいればいいって言われたけど…… 奏と穂波ちゃんはまだ準備中かな
瑞希:にしても……『狙われた花嫁』っていったい どんなショーなんだろ?
瑞希:司先輩や類も一緒に考えたみたいだし、 きっとヘンなショーなんだろうな~
スタッフ:——それでは、両新婦の入場です
瑞希:お! 始まった! ふたりのドレス姿、楽しみ~♪
瑞希:わ……! 穂波ちゃん綺麗~。 へえ、ベールダウンもやって……結構本格的なんだ
瑞希:あ、奏も来た……! ふたりとも、すっごく綺麗だよ~!
瑞希:そうだ! ふたりの写真撮って、あとで絵名にも見せてあげよーっと!
奏:ふう……。 これ……ちょっと歩きにくいね
穂波:ヒール高いですしね。 でも、すごく綺麗で……似合ってますよ
奏:ありがとう。望月さんが選んでくれたおかげかな
スタッフ:——それでは両新婦、誓いの言葉を
奏:誓いの言葉……? それってたしか……あの、病める時も……みたいなのだっけ
穂波:そうですね。 そういうのも、やるんですね
スタッフ:両新婦……おふたりは、病める時も、健やかなる時も、 互いに想い、心を尽くして支え合うことを誓いますか?
穂波:……えっと、その——
???:『——ちょっと待ったー!』
奏:え、なに……。鳳さん……?
瑞希:びっくりしたぁ。 えむちゃん……急に出てきたけど……
オオトリ伯爵:『その花嫁達は、ワガハイ、オオトリ伯爵がいただいていくぞ!』
穂波:お、オオトリ伯爵……?
瑞希:え、なになに? どういうこと?
スタッフ:『あれは……山奥の城に住むという吸血鬼、オオトリ伯爵だ……! 花嫁の生き血を好むって噂は聞いていたけれど…… まさか本当にいたなんて!』
スタッフ:『結婚式に現れては、気に入った花嫁を連れ去り その血を吸うという噂の怪物よね!』
スタッフ:『そんな……このままでは花嫁が連れ去られてしまうわぁ!』
瑞希:な、なるほど? 吸血鬼に狙われた花嫁……。 ショーのタイトルって、そういうこと!?
オオトリ伯爵:『ハッハッハッハ! 可憐な花嫁達よ。 ワガハイの供物となるがいいー!』
奏:えっと……これ、どうなるの……?
穂波:え? それは、その……
穂波:(わ、わたしも……ぜ、全然わからないけど……)
穂波:(でも、きっとショーはもう始まってるんだよね。 なら、ちゃんと盛り上げられるように頑張らなくちゃ……!)
穂波:『そんな……! 吸血鬼に狙われてしまうなんて……。 とっても怖い……。ど、どうしたらいいの!?』
奏:え……も、望月さん……?
瑞希:わっ、穂波ちゃんノリノリじゃん! いいね。ここからどうなるんだろ~!
オオトリ伯爵:『ふっふっふ。花嫁達よ! あそこにある鐘を見るがよいっ!』
奏:鐘? あ……庭の真ん中に鐘が……
オオトリ伯爵:『あの鐘の音を聴くと、ワガハイは恐れをなして帰ってしまうぞ! ワガハイにとっては、とっても嫌な音なのだ!』
穂波:鐘の音……
穂波:そういえば……結婚式の鐘って、 悪いものを払う力があるって聞いたことがあるかも……
オオトリ伯爵:『だがしかーし! そう簡単には鐘のもとには行かせないぞ! 我がケンゾク達よ、であえであえ~!』
奏:わっ、きゅ、吸血鬼みたいな恰好の人がたくさん出てきた……!
オオトリ伯爵:『ハッハッハッハ!  せいぜい逃げて鐘を鳴らそうとするがいい~!』
瑞希:がんばれー! 奏、穂波ちゃん! オオトリ伯爵をやっつけろー!
穂波:(そ、そうだ。オオトリ伯爵を追い払って、 宵崎さんを守らなくちゃ……!)
穂波:(と、とにかく、えむちゃんや 眷属のスタッフさん達から逃げながら、 鐘を鳴らせばいいんだよね……!)
穂波:——行きましょう、宵崎さん! あの鐘のもとまで!
奏:あ……う、うん……!
奏:はあ……はあ……はあ………
穂波:宵崎さん、大丈夫ですか?
奏:う、うん……。ドレスが重くて、走りづらい……
奏:でも、急がなきゃ追いつかれるよね……
穂波:そ、そうですね……。 あ、でも……追いかけてくる眷属の人達も、 すごくゆっくりなような……
奏:本当だ……なんでだろう
穂波:もしかしたら、わたし達に 合わせてくれてるのかもしれませんね。 ほら……ハイヒールは走りづらいですから——
奏:そっか……。意外に親切なんだね
穂波:——あ、見てください宵崎さん。 もうすぐ鐘のそばに……!
オオトリ伯爵:『——とーう!』
穂波:(え……!? えむちゃん、今、 わたし達の頭の上を跳び越えて……!?)
オオトリ伯爵:『ふふふ……。逃がさんぞ花嫁達。 貴様らはワガハイの城へと行き、 一生をワガハイに血を捧げるためだけに過ごすのだ!』
奏:そんな……鐘まであと少しなのに……
穂波:(どうしよう……。後ろから他の眷属さん達も来てる……。 このままじゃ……)
穂波:『——え、えむちゃ……いえ、オオトリ伯爵! 覚悟してください!』
穂波:え、えい——!
オオトリ伯爵:え? わあっ!
奏:(も、望月さんが……鳳さんに抱き着いて……)
穂波:オオトリ伯爵はわたしが食い止めます! 宵崎さんは、今のうちに鐘を……!
奏:え……で、でも……
穂波:わ、わたしのことは大丈夫ですから……! 宵崎さん、行ってください……!
奏:……わ、わかった……!
オオトリ伯爵:ううう……お、重い~
穂波:え!? あ、ご、ごめんねえむちゃん! 大丈夫!?
奏:はあ……はあ……はあ……
奏:(走らないと……。 鳳さん達に追いつかれる前に、鐘を……!)
奏:(それで……早く望月さんを助けなくちゃ——!)
奏:(——って、わたし、なに熱くなってるんだろ)
奏:(本当に望月さんが大変な目に遭ってるわけじゃないのに……)
奏:(でも……なんだろう。頑張らないとって感じる……)
奏:(望月さんも、鳳さんも一生懸命だからかな……。 ここにいるみんなに楽しんでほしいって、頑張ってるから……)
穂波:だから、気にしないでください。 わたしはただ、宵崎さんが楽しんでくれればそれで嬉しいんです
奏:(あ……)
奏:(ずっと、みんながわたしのことを気にかけてくれてる。 望月さんだけじゃない。瑞希や、鳳さん。 他にもたくさんの人が……)
奏:(……ちゃんと、みんなの気持ちに応えたい)
奏:(だから、わたしも——!)
奏:あ……あった! この鐘を鳴らせばいいんだよね
奏:——っ!
穂波:——この音……!
オオトリ伯爵:『ぐ、ぐぬぬぬぬぬ~! おのれ~。よくも鐘を鳴らしてくれたな~』
穂波:や、やったの……?
奏:……望月さん!
穂波:宵崎さん! ありがとうございます。鐘を鳴らしてくれて
奏:ううん。望月さんが無事でよかった。 それより、オオトリ伯爵は……?
穂波:あ、それは……
オオトリ伯爵:『うう……。鐘の音を聴くと、 ワガハイは力を失ってしまうのだ……。 これでは仕方がない……。ワガハイは城へと戻るぞ』
穂波:や、やっつけたみたいです……!
奏:そうなんだ……よかった
オオトリ伯爵:『——だが! ワガハイを追い払ったとしても、 きっとふたりの道の先には 様々な困難が待ち受けているだろう……』
オオトリ伯爵:『しかし……それも互いを想う気持ちがあれば、 どんな苦難であったとしても乗り越えられるかもしれんな』
オオトリ伯爵:『ふたりの互いを想う気持ちはとても強いと感じたぞ! ならば、きっと大丈夫だろう!』
オオトリ伯爵:『貴様達は、これからも末永く幸せに暮らすとよい! それではさらばだ! ハーッハッハッハ!!』
奏:ええっと……終わったの、かな……?
穂波:ど、どうなんでしょう
スタッフ:——以上で『結婚式体験特別ショー~狙われた花嫁~』は 終了となります。 皆さま、ありがとうございました
穂波:あ……ありがとうございました
瑞希:みんな~、お疲れさまっ!
瑞希:変な内容だったけど、すっごくおもしろかったよ! ボクも見入っちゃった♪
えむ:うんうんっ! 穂波ちゃんも奏ちゃんも上手だったよ~!
穂波:えっと、夢中でやってただけだから…… でも、ちゃんとできてたならよかった
えむ:奏ちゃんはどうだった!? 特別ショー、楽しんでもらえたかな?
奏:あ……そうだね……
オオトリ伯爵:『その花嫁達は、ワガハイ、オオトリ伯爵がいただいていくぞ!』
穂波:わ、わたしのことは大丈夫ですから……! 宵崎さん、行ってください……!
奏:(走らないと……。 鳳さん達に追いつかれる前に、鐘を……!)
奏:(それで……早く望月さんを助けなくちゃ——!)
奏:——ふふ
穂波:え……宵崎さん……?
奏:(……最初はうまくできるか心配だったし、 内容もよくわからなかったけど)
奏:(鳳さんも望月さんも、すごく一生懸命で…… みんなの『楽しんでほしい』って気持ちが伝わってきた)
奏:(わたしも、いつのまにか望月さんを助けなきゃって 必死になって——)
瑞希:奏……
奏:……うん。楽しかったよ
穂波:——!
えむ:そっか! よかった~! 奏ちゃんの笑顔と~ってもわんだほいで、 あたしも嬉しくなっちゃったよ!
穂波:はい……
穂波:わたしも、すごく嬉しいです……! 宵崎さんに楽しんでもらえて!
穂波:アドリブでショーをやるのはちょっとドキドキしましたけど…… でも……頑張ってよかった……!
奏:うん……
奏:……ありがとう、望月さん
穂波:——は、はい!
瑞希:——ねえ、そうだみんな。 結婚式の鐘って3回鳴らすって知ってた?
奏:え……そうなの?
穂波:はい。1回目は結婚する自分達に、 2回目はそれぞれのご両親に、 3回目は、来てくれたみんなのために
穂波:祝福と感謝の気持ちを込めて、 結婚するふたりが鳴らすんだそうですよ
瑞希:そうそう! だからさ、あと2回、鳴らさない?
奏:え?
瑞希:だって、さっきは1回だけだったでしょ?
瑞希:本当の結婚式じゃないけど、 でも、今日こうやってみんなで遊べて嬉しかったしさ。 誘ってくれたみんなにボクも感謝したいなって思ったんだ
えむ:わあ……!
えむ:うん! あたしも鳴らしたい! みんなが来てくれて、楽しんでくれて…… あたしもすっごくありがとうって気持ちでいっぱいだから!
瑞希:やった! 奏と穂波ちゃんは?
穂波:もちろん、やりたいです!
奏:わたしは……
奏:……うん、やってみたいな
瑞希:やった! それじゃあ、まずはボクとえむちゃんで!
えむ:うんっ!
瑞希:じゃ、いくよ——!
奏:……改めて聴くと、綺麗な音だね
穂波:ふふ、そうですね。 さっきはゆっくり聴けませんでしたから
瑞希:——奏、穂波ちゃん! ほら、あと1回ふたりで鳴らして!
穂波:では、やりましょうか、宵崎さん
奏:うん
穂波:(綺麗な音……。すごく遠くまで響くような……)
穂波:(ショーをやるなんて不安もあったけど、 でも、一生懸命やった甲斐があったな)
穂波:(宵崎さんにも、たくさん楽しんでもらえたし……)
穂波:(——感謝と祝福の鐘の音……。 この綺麗な音が、宵崎さんにちゃんと届いて、本当によかった)

第 7 话:心を尽くして

数時間後
フェニックス・ブライダルフェスタ会場
瑞希:う~ん! 今日はいっぱい遊んだなあ。 ドレスも見れたし、どのブースもめちゃくちゃ楽しかったし……
えむ:それに、ショーもすっっっっごく楽しかったよね!
瑞希:だね~! 奏と穂波ちゃんのドレス姿も綺麗だったし、 ホントいいもの見れたよ!
穂波:あはは……。ちょっと恥ずかしいですね。 けど、それを言うなら瑞希さんとえむちゃんの ウェディングドレス姿も、すごく似合ってましたよ!
奏:そうだね。あのあとふたりがやった 普通の結婚式体験も素敵だったよ
瑞希:えへへ、ボクも楽しかったよ~! えむちゃん、ありがと♪
えむ:えへへ! キラキラでふわふわなドレス、 とってもかわいかったね~☆
奏:……でも、そろそろ遅い時間になってきたね
瑞希:あ、そっか。穂波ちゃん、今日バイトあるんだっけ。 じゃあ、ぼちぼち帰りの準備しないと
瑞希:でも、帰る前にお土産だけ見に行きたいかも。 穂波ちゃん、まだ時間ある?
穂波:お土産を買うくらいなら、全然平気ですよ
瑞希:そっか。じゃあ、最後にみんなで お土産屋さん、覗いて行こっか
えむ:うん!
穂波:(あ……そうだ。すっかり遅くなっちゃったけど、 リンちゃんにイベントを見せてあげなきゃ)
穂波:えっと……ごめんなさい。 わたし、少しあっちのブースに買いたいものがあって……
瑞希:そうなの? なら、みんなで先にそっち寄ろうか
穂波:いえ……! 大丈夫です。 みなさんは先にお土産見ててください!
穂波:少し遅くなっちゃうかもですけど、あとで合流しますね
瑞希:りょーかい! じゃあ、またあとでね!
えむ:いってらっしゃい! 穂波ちゃん!
瑞希:——じゃあ、さっそくお土産見に行こっか!
瑞希:奏は何か買いたいものとかある?
奏:あ……
奏:……その前に、ふたりに相談したいことがあるんだ。 いいかな?
穂波:ふう……この辺りなら大丈夫かな……
穂波:——リンちゃん、今なら出てきて大丈夫だよ
リン:『は~い!』
穂波:ごめんね、たくさん待たせちゃって
リン:『大丈夫! 実は、ときどきこっそり顔を出して、 みんなの声聞いてたんだ~!』
リン:『ほなっちの迫真の演技、かっこよかったよ♪』
穂波:リ、リンちゃん……
リン:『あははっ! ほなっち、顔まっかっか!』
穂波:もう……。 それより、会場の中案内するね
リン:『よろしくー! ほなっちのおすすめの場所につれてってほしいな♪』
穂波:ふふ、わかった。じゃあいこっか!
穂波:まずは……このウェディングドレスの展示場かな
リン:『わ~! すっごくきれい!』
リン:『いいなぁ。あたしも着てみたいな~! ねえねえ、このドレスってなんて言うの!?』
穂波:あ、それはね——
リン:『あ! ほなっち、モデルさんがいるよ! みんなキラキラしてる~!』
穂波:ふふ、そうだね。ファッションショーをやってるみたい。 ちょっとだけ覗いていく?
リン:『うん! 見たい見たい!』
リン:『すご~い! 本物の結婚式場だ!』
リン:『ここって、結婚式体験もできちゃうんだよね!? あたしもやってみたいなぁ……』
穂波:ベールくらいなら、わたしも作れるかもしれないし…… 今度、セカイのみんなと一緒にやってみようか
リン:『ホント!? やったやった~☆』
リン:『はあ……。すっごく楽しかった~。 ほなっち、案内してくれてありがと!』
リン:『そういえば……ほなっちが言ってた気分転換してほしいって人、 今日はどうだった?』
穂波:あ……
穂波:——うん、ちゃんと楽しんでもらえたよ
穂波:リンちゃんが『誘ったほうがいい』って言ってくれたおかげだね。 本当にありがとう、リンちゃん
リン:『ホント!? よかった~!』
リン:『でも、ほなっちががんばったからだよ! 笑顔になってもらってよかったね!』
穂波:うん!
穂波:そうだ。さっきリンちゃんが選んだお土産も あとでセカイに持っていくから、楽しみにしててね
リン:『やった~☆ えへへ、楽しみだなぁ!』
リン:『じゃあ、あたしはそろそろ戻ろっかな~。 ほなっち、今日はホントにありがとっ☆』
穂波:わたしも、リンちゃんに楽しんでもらえてよかったよ。 またセカイでね!
リン:『うんっ! またね、ばいばい!』
穂波:えっと……みんなは……
穂波:宵崎さん! ここにいたんですね。 あれ……瑞希さんとえむちゃんは?
奏:おかえり、望月さん。 瑞希達なら、ふたりでお土産を見て回ってるよ
奏:わたしはちょっと疲れたから、ここで休んでたんだ
穂波:そうだったんですね。 それじゃあ、少し待っていましょうか
奏:うん
奏:——望月さん、ありがとう
穂波:え?
奏:望月さんのおかげで、今日はすごく楽しめたから
穂波:あ……
穂波:そう言っていただけて、すごく嬉しいです……!
穂波:(よかった……)
穂波:(最初はちょっと悩んだけど—— 誘ってみて、本当によかったな)
奏:あ、ごめん。メッセージだ。 誰だろう……
穂波:あの……どうかしたんですか……?
奏:あ、えっと、その…… たいしたことじゃないんだけど……
奏:前に言った、知り合いの子から連絡があって
奏:最近、その子と昼間に通話することが多いんだけど、 明日はできないって言われちゃったんだ
穂波:何かあったんですか……?
奏:ううん、委員会の仕事があるってだけだから、 何かあるわけじゃないみたい
奏:だから——大丈夫
穂波:あ……
奏:あ……本当に大丈夫だよ。 メッセージが来て、ちょっとびっくりしたってだけだから
穂波:そう、ですよね……。 ごめんなさい、わたしこそ
穂波:そうだ、何か温かいものでも飲みませんか? 少し、冷えてきましたし
穂波:わたし、買ってきますよ。 何がいいですか?
奏:ありがとう。 じゃあ、えっと……お茶がいいかな
穂波:はい。それじゃ、行ってきますね
穂波:お茶と、あとお水……。 これでよし
穂波:…………
???:『ほなっち~』
穂波:え……リンちゃん?
リン:『……ごめんね。 戻るの、ちょっと寂しいな~って思って、まだ残ってたんだ』
リン:『さっきの人……ほなっちの言ってた宵崎さん、だよね?』
穂波:あ……うん、そうだよ
リン:『……大丈夫?』
穂波:あ……
穂波:大丈夫だよ。 ただ、ちょっとだけ考えちゃったんだ
穂波:さっき、宵崎さんに笑顔になってもらえて、 わたしでも宵崎さんを元気づけられるんだって思えたんだけど……
穂波:でもそれって、ほんの少しだけなんだなって
リン:『ほなっち……』
穂波:もともとわかってたことだし、当たり前のことなんだけどね。 ちょっと元気になってもらえても、 宵崎さんが抱えてる悩みが解決するわけじゃないし……
穂波:わかってるけど——ちょっとだけ、気になっちゃったんだ
リン:『そっか……』
リン:『でも……あたしは、 今日ほなっちががんばったことはいいことだと思うな』
リン:『だって……誰かがそばにいてくれて、 自分のためにがんばってくれるって、 あたしだったらすっごく嬉しいって思うもん!』
穂波:リンちゃん……
リン:『そうだ! ねえ、ほなっち。 この前ほなっちが教えてくれた誓いの言葉の話、覚えてる?』
リン:『大切な人と、どんな時も一緒にいますって 約束を交わすって話!』
穂波:あ……うん、覚えてるよ
リン:『あたしね、あれ聞いてめちゃ感動したんだ! つらい時も苦しい時も、相手を想ってそばにいる…… それってすっごくすてきだな~って!』
リン:『だからね! もし、宵崎さんがいつもがんばってて、 つらいな~とか苦しいな~って思ってたとしても…… きっと、ほなっちがいることで楽になってると思うんだ!』
穂波:そう……なのかな……
リン:『そうだよ! だから今日ほなっちががんばったことは 絶対にいいことのはずだし……』
リン:『——いつも、ほなっちがやってることだって すごいことだって思うよ!』
穂波:え……?
リン:『だってそうでしょ? ほなっちは、ずっとそんな風に、 宵崎さんのことを想ってがんばってたんだもん!』
リン:『おいしいご飯を作ったり、お掃除や洗濯を一生懸命やったり…… そうやって、ほなっちが相手のために 心を尽くしてがんばったこと……』
リン:『それは絶対、宵崎さんの力になってたはずだよ!』
穂波:……そっか。そうかもしれないね
穂波:ありがとう、リンちゃん。 少し、元気がでた気がするよ
リン:『えへへ、よかった~! あたしもほなっちの笑顔を見れて嬉しい☆』

第 8 话:優しいあなたへ

スクランブル交差点
穂波:えむちゃん、今日は本当にありがとう
穂波:チケットをくれて、会場の案内もしてくれたおかげで、 すごく楽しい1日になったよ
えむ:うんっ! あたしもみんなと一緒に遊べて、とーっても楽しかったよ☆
瑞希:またみんなで遊びたいね~!
瑞希:カワイイ洋服とか見に行くのもいいし…… あ! みんなで裁縫やってみるのもいいかも!
穂波:ふふ、わたしも瑞希さんも教えられますからね
えむ:わあ、楽しそう! やってみたい!
奏:……そうだね、わたしはみんなより不器用だと思うけど……
奏:でも、せっかくだからやってみたいな
えむ:それじゃあ、またね! 穂波ちゃん、奏ちゃん!
穂波:うん! またね。えむちゃん、瑞希さん
穂波:……ふたりがいなくなると、 なんだか一気に静かになっちゃいますね
奏:そうだね……
奏:あ、そうだ望月さん。今日はこのまま家に来るんだよね。 もし大変だったら、休んで帰ってもらっても大丈夫だよ
穂波:いえ、大丈夫ですよ。 朝からその予定で来てますし
穂波:それじゃあ、行きましょうか
宵崎家 キッチン
穂波:ふう……。 すみません、食材の買い出しまで付き合ってもらっちゃって
奏:ううん、これくらい大丈夫
奏:こっちこそごめんね。 荷物持ちくらいは頑張ろうって思ってたのに、 望月さんの半分も持てなくて
穂波:いえ、全然平気ですよ! バンドのために鍛えてますから、結構力には自信があるんです
穂波:じゃあ、早速お料理始めちゃいますね。 宵崎さんはお部屋で休んでいてください
奏:あ……わたしも何か手伝うよ。 望月さんだって疲れてるだろうし
奏:わたしひとりだけ休んでるのも、落ち着かないから
穂波:いいんですか?
穂波:なら、一緒にお夕飯作りましょうか
穂波:——あ、その感じです。 玉ねぎは、そうやって横に切れ込みを入れてから、 縦にもう一度切っていくと、みじん切りが簡単なんです
奏:本当だ。 でも、くっついてるところある……。 ちゃんと切れてなかったみたい
穂波:ふふ、十分上手にできてますよ。 それじゃあ、あと1個はお任せしてもいいでしょうか?
奏:う、うん……。やってみる
リン:『だってそうでしょ? ほなっちは、ずっとそんな風に、 宵崎さんのことを想ってがんばってたんだもん!』
リン:『おいしいご飯を作ったり、お掃除や洗濯を一生懸命やったり…… そうやって、ほなっちが相手のために 心を尽くしてがんばったこと……』
リン:『それは絶対、宵崎さんの力になってたはずだよ!』
穂波:(リンちゃんはああ言ってくれたけど…… でも、本当にそうなのかな)
穂波:(たしかに、今日は少し宵崎さんを 元気づけられたかもしれないけど……)
穂波:(でも、こうやってご飯を作ったりするのは—— 本当に宵崎さんの力になれてるのかな)
奏:望月さん、どうしたの?
穂波:あ……いえ! なんでもないですよ。 そうだ、サラダも作っちゃいますね。 えっと、たしかキャベツがまだ冷蔵庫に……きゃっ
奏:だ、大丈夫……?
穂波:足を椅子にぶつけちゃって……。 で、でも、これくらいなんとも……
奏:そ、そっか……
奏:やっぱり、帰って来たばかりだしまだ疲れてるのかも。 少し、休憩しない?
穂波:え?
奏:実はちょうど渡したい物もあったんだ。 ちょっと待ってて
穂波:あ、は、はい……
奏:——はい、これ。 望月さんにプレゼントしようと思って選んだんだ
穂波:え……
奏:えっと、自分だけじゃあんまり自信なくて。 どんなものが喜んでもらえそうか、 瑞希や鳳さんに相談したんだけど……
奏:えっと、その……
奏:——よかったら、受け取ってくれると嬉しいな
穂波:あ……ありがとうございます。 でも……どうして?
奏:今日は、望月さんのおかげですごく楽しい1日になったから。 ちゃんとお礼をしたいなって思って
穂波:そう、だったんですね……
奏:今日、みんなと過ごして思ったんだ
奏:なんていうか……誰かがそばで自分を想ってくれることって、 すごく嬉しいんだなって
奏:そしたら、改めて望月さんに、 ちゃんと感謝しなきゃなって思ったの
奏:……家の中で、ひとりでずっと曲作りをやってると、 ときどき、すごく思いつめちゃうことがあるんだ
奏:けど、そういう時、 望月さんが声をかけてくれたり——
奏:それだけじゃなくて、望月さんが作ってくれた料理とか、 洗濯してくれた服の香りとか、 そういう何気ないことに気づくだけでも
奏:なんだかすごく、安心するんだ
穂波:宵崎さん……
奏:望月さんが、いつもそばで支えてくれてるから、 わたしは曲を作り続けられてるんだと思う
奏:だから、いつも本当にありがとう
穂波:あ……
奏:——あれ? 望月さん……どうかした?
穂波:あ……ご、ごめんなさい。 わたし、あの……嬉しくて——
穂波:すみません……。 あの、プレゼント、開けてもいいですか
奏:うん。もちろん
穂波:……これって——
穂波:(綺麗なブーケ……。いろんな種類のお花がある……。 この白い花は……ダリアかな。それにこっちはブルースター。 バラなんかもある……)
奏:ブーケ作りのワークショップがあったから、そこで作ったんだ
奏:花もいろいろ選べたから、 瑞希達にアドバイスもらいながら 自分なりに選んでみたんだけど……
奏:ど、どうかな……
穂波:——はい
穂波:とっても素敵です
穂波:(……リンちゃんの言うとおりだった)
穂波:(わたしにできることは、全部たいしたことじゃないって、 ずっとそう思ってたけど……)
穂波:(——でも、そんなことなかったんだ)
穂波:(こうやって、宵崎さんのことを想ってそばで頑張ることは、 ちゃんと宵崎さんを支える力になってたんだね)
穂波:あの、宵崎さん
奏:なに?
穂波:わたし……頑張ります
穂波:料理とか、掃除とか、洗濯とか…… そういう些細なことかもしれませんけど……でも、 これからも宵崎さんのこと、支えていきたいって思うんです
穂波:だから……これからもよろしくお願いします
奏:あ……
奏:——うん。こっちこそ、よろしく
奏:迷惑ばかりかけちゃうかもだけど…… これからもそばにいてくれたら、わたしもすごく嬉しい
穂波:はい……!
穂波:(……宵崎さんがくれたブーケ、すごく綺麗だな)
穂波:(見てるだけでも、宵崎さんの優しい気持ちが 伝わってくる気がする)
穂波:(宵崎さんの抱えてる本当の苦しみや悲しみは、 簡単には消えないかもしれないけど……)
穂波:(だけどいつか、誰かを救うっていう願いが叶って……)
穂波:(宵崎さんが、今すごく助けたいって思ってる人も救われて……)
穂波:(それでいつか、宵崎さんが、 自分の幸せを素直に願うことができる日が来るように——)
穂波:(……ううん。そんな日が、1日でも早く訪れるように)
穂波:(——これからも、そばで支えていきたいな)
穂波:プレゼント、ありがとうございます。 おかげで元気が湧いてきました!
奏:よかった。わたしも、喜んでもらえて嬉しい
穂波:……それじゃあ、また一緒に料理、作りましょうか
奏:……そうだ、望月さん。今日は一緒にご飯食べない? お腹もすいてるだろうし
穂波:え? いいんですか……?
奏:ここまで一緒に作って、わたしひとりで食べるのも なんだかもったいない気がするし……
穂波:ありがとうございます。 それじゃあ、ご一緒させていただきますね……!
奏:うん。そしたら、まずはさっきの続き……。 玉ねぎ、ちゃんと切れるようにならないと
穂波:大丈夫です。 上手にできると思いますよ
穂波:……それが終わったら、サラダも一緒に作りましょうか。 簡単ですから、きっとすぐに覚えられると思います
奏:本当? それじゃあ……よろしく望月さん
穂波:はい——!