活动剧情

一期一会な百鬼夜行!?

活动ID:99

第 1 话:修学旅行と百鬼夜行

昼休み
神山高校 屋上
類:——というわけで、 そのショーを是非参考にしたいと思うんだけど、どうだい?
司:う、うーむ……竹林でリンボーダンスか……。 今回のシーンにはたしかに合うかもしれんが、 もはやコントに片足を突っ込んでいるというか……
司:む! もうこんな時間か! 昼休みが終わってしまうぞ
類:ああ、もう戻らなくてはね。 ええと、次の授業はたしか……
司:全クラス、LHRだ。 うちのクラスもお前のクラスも、修学旅行の話をするはずだぞ
類:おや? どうして、もうHRの内容を知っているんだい?
司:フッフッフ! オレは学級委員だからな! 先生から前もって、修学旅行の話し合いをすると聞いていたのだ!
類:ああ、なるほど。そういうことか
類:しかし、修学旅行の話し合いか……。 早く終わるといいんだけれどね
司:せっかくの修学旅行だというのに、楽しみじゃないのか?
類:そうだねえ……。 普段足を運ばないような場所へ行けるし、 興味がない、ということはないけれど……
類:修学旅行の最中にショーをすると怒られるだろうし、 宿泊先で小道具を作っていても怒られるだろうからねえ
司:なんとなく想像はしていたが……、 お前は本当に……
司:その、いつでもショーを愛する心は尊敬するが、 たまにはそれ以外のことも楽しんでみたらどうだ?
司:高校での修学旅行は、人生でもう二度とないイベント! いわば1回きりの公演だ!
類:……ふむ。 1回きりの公演ねえ
司:ああ! そう思えば、少しは興味がわくというもの——
司:はっ!? まずい、このままでは遅刻してしまう! 戻るぞ類!
類:……ああ
類:(しかし——)
類:(修学旅行に興味、か……。 たしかに、体育祭も参加をしてみたら楽しかったけれど……)
類:(果たして今回は、どうだろうねえ)
2年B組
学級委員:——概要説明は以上です
類:(……ふむ。行先は京都で、2泊3日か)
類:(1日目と3日目が班行動で、2日目が自由行動……。 まあ、よくある形のような気がするね)
学級委員:それでは——今から、班を作ってください。 班は4人組で、自由に決めてもらって大丈夫です
類:(4人組の班……)
類:(さっき聞いた限りだと、 班のメンバーとは、行動も部屋もほとんど一緒になるようだ)
類:(となると——)
男子生徒A:よっし、班決まり~!
男子生徒B:やっぱこのメンバーだよな!
女子生徒A:5人だと駄目なのかなぁ……
女子生徒B:2、3で分かれるとか? あ、委員長に5人じゃダメか聞いてみる?
類:(やっぱりみんな、組む相手がいるようだね)
類:(僕も体育祭以来、話せるクラスメイトは増えてきたけれど、 さすがに修学旅行で僕と組もうとするような物好きは——)
???:えっとその……神代くん、ちょっといいかな?
類:ん? ええと、君はたしか……
三宅:あ、三宅だよ! 体育祭では用具係やってて……って、まあそれはいっか。 その……もしよかったらなんだけどさ
三宅:一緒の班にならない?
類:え?
三宅:あ! えーっと、急にごめん! よく知らないヤツに言われたら驚くよね
類:いや、そんなことはないけれど……。 どうして僕に?
三宅:実は、前から神代くんと話してみたくて
類:僕と……話を?
三宅:うん。僕、ガジェットとか好きでさ。 神代くんの作るドローンにずっと興味あったんだ
三宅:その……なんかいいタイミングがなかったから ちゃんと話しかけられなかったんだけど、 この機会に仲良くなれたら嬉しいなって思って
三宅:あ、他のメンバーは、あの壁際にいるふたりなんだ。 ふたりも神代くんとしゃべりたいって思ってるんだよ! 林くんと谷山くんっていうんだ
類:へえ、あそこにいるふたりが……
林:お、こっち見てるぞ。 やっぱ三宅ひとりじゃ神代は難しかったか……
谷山:援軍が必要ってことか!? よ~し、ならオレがいっちょ行ってやるか!?
類:なんだか、とてもにぎやかだねえ
三宅:あ、あはは、バタバタしちゃっててごめん……。 僕も陰キャ丸出しって感じの誘いかただし、 い、嫌だったら全然断ってもらって大丈夫だから!
三宅:でもその……神代くんと一緒に回れたら、嬉しいな!
類:——いや、誘ってもらえて嬉しいよ
類:そういうことなら、ぜひ君達の班に入れてもらいたいな
三宅:ほ……本当!? ありがとう!!
三宅:おーい! 神代くん、オッケーだって!!
類:(……まさか、僕と組みたいと言ってくれる人がいるとは)
類:(——フフ。 なんだか、不思議な感じがするねえ)
放課後
校門
司:おお類! そっちも終わったか!
類:やあ司くん、待たせたね。 それじゃあ、みんなでワンダーステージに——
類:おや? 寧々はいないのかい?
司:ああ、ついさっき連絡が来た。 先生に用事を頼まれたから、先に行っていてくれとな
司:それはそうと、修学旅行の話し合いはどうだったんだ? うちは班決めまでいったが……
類:うん。僕達のほうも班が決まったよ
類:なんと、クラスメイトに誘われたんだ。 『この機会に仲良くなれたら嬉しい』と言ってもらえてね
司:な、何ーっ!? そうなのか!?
類:おや……そんなに驚くところかな?
司:い、いや、特に深い意味はないぞ!
司:ただオレは、前に聞いたお前のあだ名が 『爆破のマッドサイエンティスト』だったから、 班に誘うような人物が現れると想像していなかっただけで……
類:まったく……それはひどいあだ名だねえ。 僕はただの演出家だっていうのに
司:いや、学校で爆破実験をするのは ただの演出家ではないと思うが……
司:だが——よかったな、類! この修学旅行で、友人らと存分に仲を深めるといい!
類:そこまで気合いを入れるようなことでもないと思うけれど…… でもまあ、楽しもうと思うよ
司:うむ! その心がけだ!
司:——ああそうだ。 2日目の自由行動はどうするか決めているか?
類:うん? 特に決めていないけれど……
司:そうか! ならば、オレと一緒に回るのはどうだ?
司:2日目はクラスに縛られず行動できるだろう? ぜひとも類と見たいものがあってな
類:僕と見たいものかい?
司:ああ。『百鬼夜行パレード』というものだ。 場所は京都の中心部から少し離れるが—— うむ、このサイトがわかりやすいな
司:このように、妖怪の仮装をした人達が練り歩く姿が 見られるらしいのだ!
類:へえ……。『誰でも参加できる妖怪仮装行列』……。 たしかに、これはなかなか興味深いねえ
司:だろう! 参加者の衣装のクオリティも高いうえに、 プロも参加をするようでな! ショーの役に立つかもしれん!
類:……フフ。 いつも僕のことばかり言うけど、 君も立派なショーフリークだねえ
類:でも——面白そうだね。いいんじゃないかな
司:よし! では、2日目はこれに決まりだな!
司:それと、もうひとつ行きたい場所がある! パレードの前にはそこに行かなくてはな!
類:へえ、どこだい?
司:ズバリ——清水の舞台だ!!
類:ああ、世界遺産として有名な清水寺だね。 どうしてわざわざ……
類:もしかして……『舞台』だからということかな?
司:そういうことだ! 未来のスターが、舞台と名のつく場所に行かずしてどうする!
類:実に司くんらしい発想だねえ
司:そうだろうそうだろう! ハッハッハッハ!
類:(しかし……)
類:(いつもとは違うメンバーでの旅行に、 司くんと見る百鬼夜行パレード……)
類:(今度の修学旅行は、 思っていたより楽しくなりそうだねえ)
宮益坂女子学園 教室
雫:ええと……
雫:清水寺のコースを選んだ人は、 この教室に集まればいいんだよね? 愛莉ちゃん
愛莉:ええ、たしかそのはずよ
愛莉:うちの学校、クラスとか班に縛られないで 好きなコースを選べるのがいいわよね~
雫:ふふ、そうだね
愛莉:日程が仕事とかぶらなかったのもラッキーだったし、 今回は思いっきり楽しんで……あら?
まふゆ:あ……日野森さん、桃井さん
まふゆ:ふたりも清水寺周辺コースを選んだの?
雫:ええ、そうなの! 朝比奈さんも同じだなんて嬉しいわ
雫:朝比奈さんはひとり? お友達は別のコースなの?
まふゆ:うん、みんな工芸体験コースを選んでて…… でも定員オーバーになったから、私が抜けることにしたんだ。 清水寺は世界遺産だから、一度見ておきたかったし
雫:あら、そうだったのね
雫:……そうだわ! それなら私達と一緒に回らない? ね、愛莉ちゃん!
愛莉:そうね! 朝比奈さんさえよければどうかしら?
まふゆ:じゃあ、お邪魔させてもらおうかな
雫:よかった! 愛莉ちゃんや朝比奈さんと一緒に旅行ができるなんて、 とっても楽しみだわ
雫:みんなで素敵な修学旅行にしましょうね!

第 2 话:イン京都!

修学旅行1日目
京都
学級委員:では今から班行動を開始します! 観光コースごとに分かれて、バスに乗車してください!
類:新幹線で2時間半……。 ようやくついたね
三宅:みんなー! 寺社仏閣コースのバスはこっちみたいだよ!
林:まずは金閣寺からだね
谷山:楽しみだな~! よっしゃレッツゴー!
三宅:うわ~! 本当に金ぴかだ!
林:金閣寺——正式名称は北山鹿苑禅寺。 金閣を中心としたこの庭園は、 極楽浄土をあらわしたと言われている……だそうだ
谷山:たしかに、こんな金ぴかの寺は 極楽にしかなさそうだよな~
類:……フフフフ
三宅:どうしたの? 神代くん。 なんだか嬉しそうだけど……
類:いやあ、少し想像していてね。 この金閣寺をステージにしたら、とても映えるだろうなあと……
類:もしここが、地上最後の楽園という設定だった場合、 ラストシーンではきっと金閣寺は爆発してしまうんだろうねえ
三宅:え!? 爆発!?
林:おお……さすが爆破のマッドサイエンティスト。 発想が違うな
谷山:うーむ、なかなかに不謹慎発言だが…… でも、この寺が爆発するってのは楽しそうだな!
類:おや。君もそう思うかい?
谷山:おう! 映画の爆破シーンとか好きだしな! 普通に見てみたいぞ!
類:ほほう、それはなかなか気が合うねえ
林:でもその場合、どういう話になるんだ?
類:そうだねえ……金閣寺を題材とした小説などもあるけれど…… それとはまったく違ったアプローチになるだろうね
類:僕ならば、あの意匠を活かしたSFをやってみたいな。 金色の楽園の象徴……そこに旅人がやってくる…… うん、なかなか悪くないね……
三宅:……ふふっ
類:……っと、すまない。 考えごとに没頭してしまったね
三宅:ううん、全然大丈夫だよ
三宅:やっぱり神代くんって、ショーが大好きなんだなって 思ってただけだから
類:……フフ。 好きなあまり、周りが見えなくなってしまうのが 困りどころだけれどね
林:うーん……。 まあ、そんなもんでいいんじゃないか?
類:え?
谷山:そうだな! めちゃくちゃ好きなものがあるって、いいことだしな!
谷山:オレの好きなアニメ監督も、ビルが壊れるシーンが好きすぎて そればっか描いてるうちにすんげえ作品作れるようになったんだ! 神代も多分そういうのだろ!
林:あ、でもさすがに神代がボーっとしてバスに乗り遅れそうな時は、 首根っこ掴んで連れてくけどな
谷山:いや、神代はデカいからオレ達じゃ連れてけないだろ。 三宅くらい細けりゃひとりで担げるだろうけどよ
三宅:え!? さすがにそれは無理でしょ! 神代くんもそう思うよね!
類:……フフフ。 あとで試してみるのも面白いかもねえ
三宅:ええ~!?
三宅:ここは学問の神様を祭ってるんだよね。 あ、『絶対合格』って絵馬がいっぱいある
林:はぁ……。 受験とか考えたくないな……
谷山:その点、神代はいいよなー。 いつもテストの点すげえいいみてーだし。 そこまで勉強しなくてもだいたいの大学いけるだろ?
類:そうだねえ。 おかげで受験を気にせずショーに集中できるからよかったよ
谷山:こ、こいつ~! ちょっとは謙遜とかしろよ~!
類:あはは、まあ事実だからねえ
類:これが枯山水の石庭か。 実際に見ると、より美しいね
類:石を島に見立て、白砂に線を描くことで水の流れを表現する——。 昔も今も、人はこうして身近な場所に ここにはない世界を描いていたのだね
三宅:そう思うと、なんだかロマンがあるよね。 それにすごく静かで落ち着いてて——
谷山:ハ……ハ……ハーックション!!!!
三宅:うわっ!?
林:お前……! 静けさが台無しだろうが!
類:……あはは! たしかにこれでは、世界が丸ごと吹き飛んでしまいそうだねえ
旅館
類:ふう。 なかなか、いい岩風呂だったね
三宅:そうだね。 でも今日は暑いから、また汗かきそうだなあ……
類:ああ、それならこれを使うといいよ
三宅:これって……小型の扇風機?
類:そう、ハンディファンだよ。 でもこれは、ただ風が出てくるだけじゃないんだ。 このスイッチを押すと——
三宅:うわっ! 何か出てきた!? これ……雪!?
類:昔、ショーで雪を降らすために装置を作ったんだけど、 いじっていたら小型軽量化がうまくいってね。 予想気温も高かったし、ちょうどいいと思って持ってきたんだ
三宅:すごい……! さすが神代くんだね!
谷山:いやー、いい風呂だったなー! お、三宅達は先に戻ってたのか
林:そろそろ布団敷かないとだけど…… このまま寝るのももったいないし、これやらないか?
類:それは……トランプかい?
林:ああ。修学旅行って言ったらやっぱこれだろ?
谷山:せっかくだし、罰ゲームもつけようぜ! 最下位は……旅館の外の自販機までジュースを買ってくること!
類:なるほど、トランプで、罰ゲームつきねえ……
三宅:いや、夜間外出は禁止でしょ? 先生に怒られるよ?
谷山:なーに真面目なコメントしてんだ! そのへんも醍醐味だろ!
類:……フフ、楽しそうでいいじゃないか
三宅:神代くんまで……!
林:よし、それじゃ決まりだ! 全員準備はいいか?
類:ああ——勝負といこうじゃないか!
林:……キングのペア! これはさすがに通らないだろ……!
類:はい、エースのペア。 あがりだよ
三宅:ええー!? また神代くんが大富豪!?
谷山:くそ……! 神代お前、イカサマしてないか!?
類:フフ。さて、どうかな?
林:大富豪は自信あったんだけどな……。 でもまあ、今回も富豪でよかったな。はい、あがり
谷山:うぐ~、このままじゃオレが罰ゲームになる……! なんとかせねば……
類:おや? 誰か来たみたいだね
司の声:類~! いるか~!?
類:おやおや、司くんかい?
谷山:お、フィニッシュのワンがきたぞ!
林:天馬、どうしたんだ?
司:ちょっとばかり視察に来たんだが…… ——よし! おとなしくやっているようだな
類:うん? どういうことだい?
司:実はさっき風呂に行っていたんだが、 その帰りに先生に呼び止められてな
司:そこで『相方は怪しいことしてないだろうな?』 と言われたのだ。日頃の行いのせいで疑われるのは 実に嘆かわしいが……念のため、見に来たというわけだ
司:だが、妙なたくらみもせずトランプで遊んでいるようだし、 問題はないとみたぞ!
司:ではオレはこれで——
谷山:うお~天馬! ちょっと待ってくれ! ……一緒にトランプをやらないか?
司:トランプか、なかなか楽しそうだな! 何をやっていたんだ?
三宅:あ、今は大富豪だよ
司:おお! それならオレも得意だぞ! ここはひとつ、大富豪天馬司を見せてやるか!
谷山:——よーっし! それじゃ、新しく天馬が入ったから今までの勝負はノーカン! やり直しだ!
三宅:ええ!? さすがにズルいんじゃない!?
類:僕は構わないよ
類:5回やって、大貧民になった数が 一番多い人が罰ゲームになるけど大丈夫かい?
司:ハッハッハ! オレは未来のスターになる男! 最下位になどなるわけがなかろう!
類:うん。今僕は、未来を予知できた気がするよ
司:それでは——勝負!!
司:ぐわ~! どうしてまた大貧民に~!!
谷山:よっしゃー! 最下位回避! それじゃあ罰ゲームは天馬ということで、ジュースよろしく!
林:すごい早さのフラグ回収だったな……
司:く……! 悔しいが、男に二言はない……!! 行ってくる!!
類:司くん、僕も同行しようか?
司:ん、なぜだ? ふたりで行ったら、余計に目立って見つかってしまうぞ!
類:いやあ、司くんの面白……雄姿を見届けたくてねえ
司:お前……絶対に楽しんでいるだろう!!
林:いいんじゃない? そっちのほうがおもしろそうだし
谷山:たしかに! みんななんだかんだ 修学旅行でもワンツーフィニッシュが何かやるんじゃないかって 期待してるみたいだしな!
司:おい、妙な期待を寄せるな! というか類もついてこようとするんじゃな~い!!
類:フフフフ……
司:笑いながら追いかけてくるな~!!
三宅:……ふふっ。 やっぱり神代くんと天馬くんがそろうと、賑やかだね

第 3 话:よく知った顔

翌朝
修学旅行2日目
類:ふわぁ……まだ眠いねえ……
司:昨日見つかって正座させられたせいで、足も痛いな……。 まったく、とんだ思い出ができてしまった……
司:だがまあ——気持ちを切り替えて楽しんでいくぞ!
司:何せ、今日は2日目! 自由行動の日だ!
類:今日はまず清水寺に行って、 それから百鬼夜行パレードを見るんだよね
司:そのとおりだ! そしてパレードまでの時間は、土産を探す時間とする!
類:了解だよ。 あ……そういえば司くん
類:三宅くん達が、パレードが始まる頃に 合流したいと言っていたんだけれど、いいかな?
類:さっき、司くんと行く話をしたら 面白そうだと言っていてね
司:おお、もちろんだ! こういったものは大勢で見るとさらに楽しいからな!
司:しかし——昨夜のトランプでも会話が弾んでいたようだし…… うむ!
司:いい友人ができたようだな、類!
類:フフ、そうだね。 クラスメイトとあんなに盛り上がったのは、本当に久しぶりだよ
司:……お! 清水寺行きのバスが来たようだ! 行くぞ、類!
類:ああ
清水寺
ミク:『うわあ~☆ すっご~い!』
リン:『でもでも、ホントにここって舞台なの? お客さんの席がないよ?』
類:ああ。客席はなくていいんだよ。 ここはご本尊に芸能を奉納するための舞台だからね
リン:『ゴホンゾン?』
類:仏様——悟りを開いた、すごく偉い人の像さ。 ほら、あちらに向かってやるんだ
レン:『へえ~! 像にショーを見せるなんて、なんだかおもしろいね!』
司:そうだな! それに……こちらも見ろ! 京都の街が一望できるぞ!
レン・リン・ミク:『ホントだ~!!』
KAITO:『類くん、 修学旅行中なのに、ミク達のお願いを聞いてくれてありがとう』
類:フフ、構わないさ。 カイトさんも、見たいところがあったらいつでも言ってほしいな
KAITO:『ありがとう、助かるよ。 でも……』
KAITO:『僕達はこのあたりで帰るよ。 人が多い場所だと、僕達が見つからないように 気をつかわせてしまうからね』
レン:『そうだね。 ボク達も、類くんと司くんに思いっきり楽しんでほしいし!』
リン:『うん! あ、でも、帰ったらお話いっぱい聞かせてほしいなぁ♪』
ミク:『だねだねっ! ふたりとも、いっぱい楽しんで、 い~っぱいすてきな思い出作ってね☆』
類:ああ、ありがとう。 それじゃあまたセカイで
ミク:『うん♪ バイバーイ!!』
類:少しだけれど、ミクくん達にも 京都を見せることができてよかったねえ
司:そうだな! 帰ったら土産話と一緒に、 名物の六つ橋も持っていこうではないか!
類:フフ、そうだね
???:——見て、愛莉ちゃん、朝比奈さん! とっても大きいわ!
司:……ん?
司:今、どこかで聞いたことのある声がしたような……
まふゆ:本当、綺麗だね。 本堂の造りもしっかりしてるし、さすが世界遺産だな
愛莉:眺めもすっごくすてきね! ……って、また動画撮ってるの?
雫:ええ! あとでみのりちゃん達にも旅行の様子を伝えたいし……あら?
雫:急に画面が真っ暗に……。 どうしたのかしら?
愛莉:え? あ、もしかして朝から撮ってたの、全部動画だったんじゃ……!?
雫:え? ダメだったかしら?
愛莉:ダメに決まってるでしょー! そんなのバッテリーがすぐ尽きるっての!
まふゆ:モバイルバッテリーがあればよかったんだけど、 朝、クラスの子に貸しちゃって……。 桃井さん、持ってる?
愛莉:わたしも置いてきちゃったのよね。 配信撮るわけでもないしって思って……
雫:ど、どうしましょう……! みのりちゃん、楽しみにしてるって言ってくれたのに……
愛莉:……はぁ、しょうがないわね。 そしたら動画はわたしがちょこちょこ撮っておいてあげる
雫:本当!? ありがとう愛莉ちゃん!
雫:それじゃあ、私はみのりちゃん達にお土産話ができるように この辺りをよく見て覚えておかなくちゃ——
雫:あら?
雫・司:『ええ……!?』 『何~~~!?』
類:おや? あなた達は……
司:マスクをしているから人違いかと思ったが……やはり雫か!
司:それに桃井愛莉も! と……シブフェスと、それから正月にも会った、えーと……
類:朝比奈さんだよ、司くん。 皆さん、どうしてここに?
まふゆ:私達は、修学旅行で来たんです。 もしかして、神代さん達も……?
司:な……!? 宮女も同じ日に修学旅行だったのか!
雫:すごい偶然ね……! まさかこんなところで司くん達に会うなんて思わなかったわ
まふゆ:司くん……
まふゆ:ふたりとも、名前で呼び合うなんて仲が良いんだね
雫:ええ! 妹同士が仲良しで
まふゆ:へえ、そうだったんだ
類:それにしても……フフ、これは不思議な縁だねえ
類:皆さんはこのあと、どこに行かれるんですか?
愛莉:わたし達の選んだコースは午後から自由行動だから、 3人で芸能神社に行こうと思ってるの
類:芸能神社……ですか?
愛莉:ええ。芸事全般——芸能の神様をまつってる神社なのよ。 ほら、わたしと雫はアイドルをやってるでしょ?
愛莉:それで朝比奈さんも誘ったら、 一緒に来てくれることになったの
司:芸能の神様……! それはいいな!
雫:司くん達は、このあとどこに行くの?
司:オレ達は、お土産を買いつつ散策をしたあと、 夕方頃に『百鬼夜行パレード』という 妖怪の仮装パレードを見にいく予定だ!
まふゆ:妖怪の……。 なんだかおもしろそうですね
雫:本当ね……! 京都らしい催しだし、私も行ってみたいわ
愛莉:夕方はお土産を買えるように、少し時間に余裕を持ってるから 行けるかもしれないわね
司:む……? 雫達は今から芸能神社に行き、 オレ達は夕方から百鬼夜行パレードに行く……
司:ならば、今から一緒に回ることができるのではないか!?
愛莉:え?
類:それは……皆さんと観光するということかい?
司:ああ! ここで会ったのも何かの縁! もしよければ、同行させてもらえないだろうか?
司:もちろん、難しい場合は断ってもらってかまわないぞ
愛莉:それは大丈夫だけど…… 天馬くん達は、このあとお土産屋さんを見るんじゃないの?
司:その点は大丈夫だ。 清水寺を見るのにもう少し時間がかかると思っていたから、 思ったより時間がある。土産は道中で買えば問題ない
愛莉:なるほど……。 たしかに、それなら行けそうね
類:あ……百鬼夜行パレードから、 僕の友達も合流することになるんですが、 それは問題ないでしょうか?
雫:ええ、私は大丈夫です
愛莉:今日はわたしたちも修学旅行に来た一学生にすぎないしね。 気にせずいきましょ!
まふゆ:ふふ、楽しい1日になりそうだね
司:よし! ならば決まりだな! 雫、朝比奈さん、桃井愛莉、よろしく頼む!
愛莉:ええ!
愛莉:……って、なんでわたしだけフルネームなのよ!
司:あ……実はその……咲希がよく 『ハッピーエブリデイだ~!』と言っていたので、 一度名前をハッピーエブリデイと覚えてしまってな……
司:なんとか名前を覚え直そうとしていたら、 『桃井愛莉』と呼ぶクセがついていたのだ。 気分を害するようなら変えようと思うが……
愛莉:そ、そうなの? まあ、そういうことなら別にいいけど……
司:そうか! 助かるぞ桃井愛莉!
愛莉:ちょ、もうちょっと小声で! 一応アイドルなんだから!
司:は! たしかにそうだな!
愛莉:……なんか、天馬くんと話してると、 バラエティ番組に出てる気分になるわね……
類:——フフ、では改めて今日はよろしくお願いします
まふゆ:よろしくお願いします、神代さん
雫:今日は1日、楽しみましょうね!

第 4 话:旅は道連れ

京都
愛莉:よーし! それじゃあ、芸能神社にレッツゴーよ!
司・雫:『おー!』
愛莉:……って思ったけど、その前にちょっといいかしら?
司・雫:『え?』
まふゆ:どうしたの? 桃井さん
愛莉:たしか、神社に向かう途中に大きめの通りがあって……。 そこのお店でお土産買ったり、お茶したりできそうなのよね
愛莉:だから神社に行く前に、その通りのお店を見ていかない? ふたりもお土産買うって言ってたし
類:ええ、もちろん構いませんよ
愛莉:よかった! それじゃ、まずはお土産屋さんのある通りに行きましょう!
司・雫:『おー!』
雫:わあ……! お店がこんなに……!
まふゆ:ええと……。地図を見た感じ、 通りの手前にお土産屋さんがあって、 奥にお茶屋さんがあるみたいだね
司:お、どうやら茶屋のあるエリアには、 最近できた人気和菓子屋があるようだな。あそこに書いてあるぞ
愛莉:和菓子!? それは絶対行きたいわね……!
愛莉:雫、あとで買いに——
雫:すごいわ……! この飴、宝石みたい!
類:ふむ、これは舞台の小道具として使えそうだな。 指輪の宝石部分にすれば、 『王が発狂とともに指輪を喰らう』なんて演出も……いいねえ……
愛莉・司:『はあ……』 『まったく……』
雫:え? そのお餅、試食してもいいんですか? それじゃあ、おひとつ頂きます!
愛莉:あ! ちょっと勝手に移動しないの! あんたスマホの充電切れてるんだから!
類:おや、あれは織物の専門店じゃないか。 いつか衣装に使ってみたいと思っていたんだよねえ
司:おい! お前も勝手にどこか行くんじゃなーい!
まふゆ:……にぎやかな日になりそうだな
愛莉:それじゃ、普段お世話になってる人達に、 お土産を買っていかないとね!
愛莉:王道は六つ橋だけど…… やっぱり、ちょっとひねりたいわよね
雫:あ! これなんてどうかしら? 『グレープフルーツグミ風・生六つ橋』よ!
司:『グレープフルーツグミ風・生六つ橋』!?
まふゆ:なんていうか……不思議な組み合わせだね……
愛莉:お土産屋の競争の中で産まれた 悲しきモンスターって感じね……
類:けれど、ちょうどいいかもしれないね。 えむくんは変わっているお菓子が好きだし、 寧々はグレープフルーツが好きだから
司:いや、さすがにチャレンジしすぎだろう!!
まふゆ:——絵名には、このあぶらとり紙がいいかな……
愛莉:朝比奈さんはそれにするの? じゃあわたしは……こっちのパフにしようかしら?
雫:ふふ、同じ2年生だし、 絵名ちゃんにもバッタリ会えたらよかったんだけど……
愛莉:さすがに難しいでしょうね~。 定時制は全日制とは違うタイミングで行くみたいだし……
愛莉:ま、その分いいお土産買ってってあげましょ!
司:うーむ……ないな……
まふゆ:天馬さんは、何を探してるんですか?
司:ああ、ゴールデン京都人形をですね……
愛莉:ゴールデン京……なんですって?
類:おそらく——金色の京都人形のことかと
愛莉:いや、そういうことじゃなくて! ないでしょそんなもの!
司:やはりそうか……検索してもないしな……。 咲希へのお土産にしようと思ったのだが
雫:あら、咲希ちゃんへのお土産なの? それなら——
雫:このカラフルなこんぺいとうはどうかしら? お星さまみたいじゃない?
司:おお、たしかに! 見た目も可愛らしいし、とてもいいな!
雫:ふふ、よかったわ。 そうだ、しぃちゃんにも買っていこうかしら
雫:こんぺいとうを食べてるしぃちゃん達…… とっても可愛いでしょうねえ
司:そうだな……! なんとも平和な光景だ……!
愛莉:まあ……咲希ちゃんにまっとうなお土産が贈られそうで よかったわ……
1時間後
司:ふぅ……土産はこんなところだろうな
まふゆ:あ、和菓子屋さんが見えてきましたね。 あそこで休憩しましょうか
愛莉:そうね! ふふ、和菓子楽しみね~♪って……
愛莉:し……雫がいない!?
司:な、何っ!? それは、大事件なのでは……!?
類:……大事件?
司:ああ、なにせ雫は——
雫の声:とっても素敵ですね……!
愛莉:あ……! あんなところに~!
店員のおじいさん:きっとお嬢さんに似合うと思いますよ
雫:ありがとうございます! でも……こんなに素敵なもの、きっと高いですよね……
店員のおじいさん:ふふ、そうでもないんですよ。 これは私が趣味で作ったものでね。 もしよければいかがですか?
雫:あ、これならお小遣いで買えそうだわ……! そうしたら、いただいてもいいですか?
店員のおじいさん:ええ、ありがとうございます!
愛莉:雫~! もう、スマホも使えないんだから、迷子になったら大変なのよ!
雫:あ、愛莉ちゃん……!
類:迷子?
司:ああ……。 雫は少々道に迷いやすくてな……
雫:ごめんなさい。 ちょっと素敵なものがあったから……
司:素敵なもの?
雫:ええ、これよ
類:これは——とても素敵な羽織ですね
類:真っ白な生地に雪の刺繍……とても丁寧に作られているな
雫:ふふ、私もこの雪の刺繍が気に入ったんです
愛莉:きれいはきれいだけど……これ、どこで使うつもりなの?
雫:普段着にするのは難しそうだから、 パジャマの上着にしようと思っているの
愛莉:こ、こんなすてきなのを パジャマ用の上着にするつもりなの~!?
雫:だ、駄目かしら?
愛莉:ダメじゃないけど…… ま、アンタらしいかもね
愛莉:みんな合流できたことだし、 和菓子屋さん行きましょっか!
司:そうだな! 休憩が終わったら、芸能神社へ向かうとしよう!
芸能神社
司:……よし、到着だ! 無事に着けてよかったな
まふゆ:それじゃあ、みんなでお参りをしようか
愛莉:オッケー! それじゃ、いくわよ~!
司:オレは世界一のスターに!!!! なる!!!!
愛莉:ちょっ……! そんな大声でお参りすることある!?
まふゆ:び、びっくりした……
類:ああ……いつものことだから気にしていなかったけれど、 普通お参りの時のお願いは、こんな大声で言わないものだね
司:そ、そうか!? 声を出したほうが神様にも伝わるのではないか!?
愛莉:ま、まあ気合は伝わってくるからいいけど……
雫:ふふ……ふふふっ
まふゆ:どうしたの? 日野森さん
雫:あ……ごめんなさい。 司くんは昔から変わらないなって思ったら、つい
類:そういえば…… 日野森さんは、いつ頃から司くんと知り合いなんですか?
愛莉:あ、たしかにちゃんと聞いてなかったわね。 結構前から仲いいみたいだけど……
雫:私と司くんは、小学生の頃からのつきあいなのよ
まふゆ:っていうことは、ふたりは幼馴染みなの?
司:うーむ。 幼馴染みというほど、よく遊んでいたわけではないが……。 まあ、近いものなのかもしれないな
雫:ええ、そうね
雫:司くんと知り合ったのは——小学校2年生の時なの

第 5 话:思い出話と友情と

芸能神社
雫:司くんと私は、1年生の頃から同じ小学校に通っていて——
雫:でも、クラスが違ったからほとんど話したことはなかったの
雫:だけど、しぃちゃんが小学校にあがった時、 しぃちゃんが咲希ちゃん——司くんの妹さんと仲良くなって、 お互いの家に遊びに行くことが増えてね
雫:それで、しぃちゃんが咲希ちゃんの家に忘れ物をしたりすると、 咲希ちゃんの代わりに司くんが持ってきてくれて——
雫:それをきっかけに、少しずつ話をするようになったの
愛莉:なるほど。 志歩ちゃんと咲希ちゃんがきっかけで仲良くなったのね
まふゆ:きょうだいがいると、 そういう関係もできるんだね
司:雫とは6年生までクラスは違ったから、 一緒に遊びに行ったりといったことはなかったが……
司:それからは、咲希づてに話を聞くこともあって 今もこうして良好な関係を続けているぞ!
類:フフ、司くんは本当に妹想いだねえ
雫:ええ、本当にそうなのよ! いつも咲希ちゃんのことをよく考えてて——
雫:あ……でも、司くんは咲希ちゃん想いなだけじゃないのよ
雫:昔からとってもおもしろくて、明るくて……
雫:それに、とっても友達想いだったの
雫:司くん、4年生の時のこと、覚えてるかしら?
司:4年生の時? むむむ……何かあっただろうか
雫:ほら、私が友達と公園で遊んでいた時、 鬼ごっこで遊ぶか、かくれんぼで遊ぶかで、 ケンカになってしまって……
司:ああ! あれか! 『雫ちゃんは私達と鬼ごっこしたいよね』 『僕達とかくれんぼしたいよね』と言われて困っていた時だな
雫:ええ、その時よ!
まふゆ:小さい頃って、そういうことよくあるよね
愛莉:それで、そのあとどうなったの?
雫:ふふ、たまたまとおりがかった司くんが、 声をかけてくれてね——
幼い司:おーい! どうしてケンカしてるんだ!
幼い司:……何? 鬼ごっこをするか、かくれんぼをするかでケンカになった?
幼い司:むむむ……よし! そういう時は……ショーだ!
幼い司:騙されたと思ってやってみるといい! タイトルはズバリ——
雫:……って言って、 『鬼ごっこの国とかくれんぼの国』っていうショーを始めたの
愛莉:鬼ごっこの国と……? 一体、どんなショーなの?
司:いつもケンカをしている鬼ごっこの国とかくれんぼの国が、 やってきた旅人によって仲直りすることができる、という話だな
まふゆ:へえ……なんだかおもしろそうな内容ですね
司:まあ最初は、 ショーってなんだ、鬼ごっこでもかくれんぼでもないぞ、 と全員にブーイングされてしまったが……
司:オレが始めたら、みんな乗ってきてくれてな。 最終的にはショーの中で鬼ごっこもかくれんぼも どっちも楽しむことができたのだ!
雫:そのあと司くん、 『雫も、雫の友達も仲直りできてよかったな』って 言ってくれて……
雫:その時思ったの。 司くんは、本当に友達想いな人なのねって
司:ハッハッハ! それほどでもないぞ!
雫:それに明るくて、勇気もあって、機転もきいて——
司:うむ! うむ!
雫:忍耐強くて、どんなことにもまっすぐで、 逆上がりができなくても居残りして練習するくらい努力家で——
司:そ……そこまで手放しで褒められると、さすがに照れるな……
類:おやおや。 司くんも、褒められて照れることがあるんだねえ
司:お前、人をなんだと思っているんだ?
類:(しかし……友達想いか)
類:(それは本当にそうだねえ)
司:だが——よかったな、類! この修学旅行で、友人らと存分に仲を深めるといい!
司:いい友人ができたようだな、類!
類:(僕にクラスの友達ができたって、 司くんに何かいいことがあるというわけでもないのに……)
類:(……いや。 その考えかたから違うのかもしれないな)
類:(司くんにとっては、 友達の幸福は、自分の幸福なんだろうね)
司:……おっと! そうこうしていたら、百鬼夜行パレードの時間が近づいてきたな。 そろそろ移動するとするか!
雫:ええ、そうね!
類:ああ。 三宅くん達にも、そろそろ向かうと伝えておくよ
百鬼夜行パレード会場
愛莉:すごい人ね! 雫、はぐれないように気をつけなさいよ?
雫:ええ! 愛莉ちゃんのうしろにくっついていくわね
まふゆ:神代さん達は、お友達と合流するんでしたよね。 大丈夫そうですか?
類:はい、大丈夫だと思います。 連絡によれば、この辺りに……
三宅:神代くーん!!
類:ああ、みんな。 無事に合流できてよかった
三宅:うん! すごい人だもんね! ……って……え?
三宅:かっ、神代くん、一緒にいるその子達は……!?
林:なんか、見たことあるような……?
谷山:というか、オレには日野森雫がいるように見えるんだが……。 それに桃井愛莉と、名前はわかんないが美人な子も……
類:ああ。 日野森さん達は、司くんの知り合いでね
司:道中ばったり会ったから、 一緒に百鬼夜行パレードを見ようという話になったのだ!
雫:皆さんが司くん達のお友達ですか? はじめまして日野森雫です
雫:今日はよろしくお願いします
谷山:て、天馬……! お前……すごいな!!
司:む? 何がだ?
三宅:……!! み、みみみ短いあいだですが、よろしくお願いします!!
司:よし! 挨拶も済んだところで、 行列がよく見える場所に移動するか!
類:ああ。 それじゃあみんな、行こうか

第 6 话:フィナーレまで共に

百鬼夜行パレード会場
まふゆ:それにしても……本当にすごい人ですね
類:この時期の名物イベントだからか、 僕達のような観光客もたくさん集まっているようですね
愛莉:えーっと、このチラシによると……
愛莉:——まず一般の人が参加できる行列が来て、 そのあとプロの造形師も参加してる本格的な行列が来るみたい
雫:あ……レンタル衣装もあるから、飛び入りの参加もできるのね
司:な、なに!? そうなのか!?
まふゆ:でも、さっき入口のほうに 『レンタル衣装の貸し出しは終了しました』って書いてあったから 参加は難しいかもしれませんね
司:な、なんと……! サイトを見た時に気づいていれば……!
類:そうだねえ……。 全員で参加することもできただろうに……
三宅:ぼ、僕はちょっと恥ずかしいけど……
谷山:でも神代達がやってるのはちょっと見てみたいな! 絶対おもしろいだろ!
雫:そうね。 司くんと神代さんが参加したら、 すごく楽しい行列になったでしょうね
類:……フフ。そう言われると、 参加できないのがますます悔しくなってしまうねえ
司:まあ……出れないならば仕方ない。 今日は観客として堪能するとしよう!
司:しかし……こうも人が多いと、落ち着いて見れないな。 もう少し人が少ない場所へ移動するか
愛莉:わかったわ! じゃあ……あっちのほうに行きましょう!
まふゆ:みんな、はぐれないように気をつけようね
雫:それじゃあ私達も——
行列参加者達:すみませーん! 大きな荷物とおりまーす!
優しそうなおばあさん:あ……!
類:っ! 荷物がおばあさんに……!
雫:あ、神代さん!!
類:大丈夫ですか?
優しそうなおばあさん:……! すみませんねえ……助けていただいて……
類:いえ。大したことはしていませんから
類:(しかし……ここは人が多くて危ないな。 どこか人どおりの少ないところに——)
類:(……! スマホが落ちて……!)
類:(まずい、ヒビが入ってしまった。 けれど今は、それよりおばあさんを——)
雫:神代さん、大丈夫ですか!?
類:日野森さん……!
雫:——おばあさん、もしどこかに行かれるんでしたら、 人が多いですし、大通りのほうまで送りましょうか?
優しそうなおばあさん:いえ、すぐそこで連れが待っているから大丈夫よ。 本当にありがとう
類:そうですか……それなら安心ですね
類:人混みで歩きづらくなっていますので、お気をつけて
雫:ふぅ……おばあさんが大丈夫そうで、よかったわ
類:そうですね。 では、僕達も……
雫:あれ……愛莉ちゃん達は……?
類:(……まさか、はぐれてしまったのか)
類:すぐ連絡を—— ……!
類:——駄目だ。 さっき落としたせいで、タッチパネルが反応しなくなってしまった
雫:え……!?
雫:ど、どうしましょう……! 私のスマホも、もう充電がなくて……
雫:あ、そうだわ! どこかで充電できないかしら? コンビニがあれば……
類:そうですね……。 司くん達を探しながら、コンビニを探しましょう
類:もしかしたらどこかで、 司くんの大声が聞こえるかもしれませんしね
雫:……ええ!
司:類~!! 雫~!! どこだ~!!!!
三宅:神代くーん! 日野森さーん!
林・谷山:『どこだ~!!』
愛莉:聞こえたら返事して~!! ……はぁ、はぁ、はぁ……
まふゆ:……人も多いし、音楽も鳴ってるから、 声がかき消されちゃうみたいだね……
司:はぁ、はぁ……。 このオレのでっかいデシベルをもってしても届かないとは……!
愛莉:雫はスマホの充電が切れてるから仕方ないとしても、 神代くんに連絡がつかないのはどういうことなのかしら……
司:わからん……。 何かに巻き込まれてないといいが……
まふゆ:ふたりとも、大丈夫かな……
まふゆ:この音……。 もしかして、パレードが始まるんじゃ……
愛莉:まずいわね……! 始まったらもっと人が増えて、 ますます見つからなくなるわ……!
司:——なんとしても見つけだすぞ
司:ふたりの安否が心配なのはもちろんのことだが……
司:せっかくの修学旅行だ。 最後にみんなでパレードを見てすごしたいではないか
司:というわけで——もう一度、類達を探すぞ!
まふゆ・愛莉:『ええ!』 『うん!』
雫:愛莉ちゃーん! 朝比奈さーん! 司くーん!
雫:愛莉ちゃ……っ
類:大丈夫ですか?
雫:すみません、ちょっと喉が……
類:……少し休みましょう。喉は大事にしないと
雫:ええ……。 でも、パレードが始まってから、人もどんどん増えていますね。 このまま合流できなかったらどうしましょう……
雫:あ、でも……。 パレードが終わったら、人もいなくなって探しやすくなるかしら?
類:パレードが終わったら……
類:(……たしかに、そうかもしれない)
類:(けれど……)
司:高校での修学旅行は、人生でもう二度とないイベント! いわば1回きりの公演だ!
三宅:でもその……神代くんと一緒に回れたら、嬉しいな!
類:もう少しだけ、頑張ってみませんか?
雫:え?
類:——修学旅行は、1回きりの公演のようなものですから
類:できれば僕は、今日のメンバーで フィナーレまで迎えたいと思うんです
雫:……そうですね。 神代さんの言うとおりだわ
雫:私も、みんなと一緒に素敵な思い出を作りたいです。 それに……
雫:きっと愛莉ちゃん達もまだ、 諦めないで探してくれていますよね
類:はい、きっと
雫:——それじゃあ、私達も頑張りましょう!
類:そうですね
類:……しかし、ただ声を上げるだけでは、 どうしてもこの喧噪にかき消されてしまう……
類:何か、いい方法があれば……。 司くん達が気づいてくれるような方法が——
観光客達:わ~! あのぬりかべ、すごいクオリティだね!
観光客達:あっちのぬらりひょんもすごいな……。 もうプロの特殊メイクみたいだよ
類:妖怪の……仮装……
観光客達:うわ! あの赤鬼、すごく目立つな! 金棒すげー!
類:目立つ……
スタッフ:衣装持参での飛び入り参加の受付、 間もなく終了とさせていただきまーす!
類:……そうか!
類:日野森さん。 ひとつ、協力してもらってもいいですか?
雫:……え?

第 7 话:みんなで一緒に

百鬼夜行パレード会場
司:そっちはどうだ!?
愛莉:やっぱり、見当たらないわ
まふゆ:パレードも半分終わったみたいだし、 このままじゃ……
三宅:……みんなで見たいって思ってたのに、残念だな……
司:……いや、まだだ! まだ終わっていない! 最後まで諦めずに——
観光客達:わあ……! 何あれ、綺麗~!
観光客達:っていうか……あの子の周りだけ雪みたいなのチラついてない!? どうやってるんだろ!?
司:……雪?
まふゆ:雪を降らせるって、一体どういう……
愛莉:あ……!! あれって——雫!?
観光客達:なんだろう……。 白い着物を羽織ってるだけなのに、本物の雪女みたい……
観光客達:あの、雪を降らせる仕掛けもすごいな!
観光客達:ていうか、あの女の子どこかで見たことあるような……?
類:——よし、それじゃあいくよ、日野森さん
雫:……ええ!
雫:(神代さんに言われたとおり、右手を上にあげて——)
類:(——今だ! 上方に最大出力!)
観光客達:すっごーい!! 雪女が雪を降らせたよ!!
類:よし……!
類:(みんな——どうか、気づいてくれ……!)
司:……ハハ
司:ハーッハッハッハ!! さすがはオレ達の演出家!! やってくれるではないか!!
愛莉:それに、雫もね! 雪女っぽい冷たい表情も雰囲気出てるし……やるじゃない!!
まふゆ:ふふ。 これなら、誰だって見つけられちゃうね
司:類~! 雫~! オレ達はここだぞ~!
雫・類:『……!!』
雫:神代さん、司くん達があそこに……!
類:ええ! 僕にも今見えました!
愛莉:パレードのゴールで、待ってるわー!!
雫:——うん!
司:いやあ、素晴らしいアイディアだったぞ、類!
愛莉:まさか、あんな方法で見つけてもらおうとするなんてね
まふゆ:うん、考えもしなかったな。 お客さん達もみんな注目してたよ
三宅:本当にびっくりしたよ! 神代くんって、やっぱりすごいんだな……!
類:フフ、お褒めにあずかり光栄だよ
類:しかし、みんな注目していたとなると——
観光客達:歩いてる時は雰囲気違いすぎてわかんなかったけど…… あの子、やっぱり日野森雫じゃない?
観光客達:だよねだよね! そう見えるよね! 話しかけてみようか?
愛莉:……! ちょっと厄介なことになりそうね
司:なに、今ならこの人混みに紛れてしまえばわからんだろう
アナウンス:続きまして、 プロの部のスタートです!
司:お! ちょうどいいタイミングだな!
司:それでは全員で、百鬼夜行パレードを見に行こうではないか!
まふゆ・雫・愛莉:『ええ!』 『うん!』
司:うおっ! あれはもう仮装のレベルではないな! 本物の妖怪のようだ!
類:ナマハゲをモチーフにしているのかな。 とてもリアルだねえ
三宅:鬼の仮装、どれもすごくクオリティが高いよね!
雫:あのろくろ首の仮装、一体どうなっているのかしら……!? 本当に首が伸びてるみたい!
愛莉:作り物の頭がリアルすぎるわね!
まふゆ:天狗の高下駄を履いて歩いてる人もいる……。 すごいバランス感覚だな
林:うわあ……口裂け女だ
谷山:あんなの夜に出会ったら絶叫して逃げ出すしかないな!
三宅:あはは……さすがにそれはないだろうけど……
類:『……私、綺麗?』
三宅・林・谷山:『うおーっ!!』
林:……って神代か!
谷山:お前、本気でビビっただろ! 三宅も腰抜かしてるし!
三宅:や、やめてよ神代くん~!!
類:あっはっは! いやあ、すまないねえ
司:おっ、見ろ類! フィナーレの妖怪神輿が来たぞ!
司:まるでクライマックスシーンだな! ……迫りくる妖怪達! 対峙するは高校生にして天才妖怪退治屋・天馬司!
類:フフ、それはなかなか面白い設定だね。 京の都を舞台にした、丁々発止のアクションが見られそうだ
司:だろう! お、あの黒い天狗は敵のボスにふさわしくないか!? いや、しかし敵と見せかけて実は味方というのも……
類:……フフ
類:(……本当によかったな)
類:(みんなと一緒に、このイベントを見ることができて)
類:(修学旅行でもなければ、 こんなメンバーで何かを見ることもないだろうしねえ)
類:(だから今は——)
類:(この1回きりのショーを、楽しもう)
類:……さて、それじゃあここでお別れですね
雫:ええ。いろんなことがあったけれど…… それも含めて、とても素敵な1日になったわ
愛莉:みんな、今日は本当にありがとう!
三宅:そ、そんな……こちらこそありがとうございます。 おかげでとっても楽しかったです
司:そうだな! 今日という日はきっと、オレ達の心のアルバムに刻まれるだろう!
類:……アルバム……
雫:ふふ、そうね!
まふゆ:それじゃあ、また——
類:——皆さん
類:最後に、集合写真を撮りませんか?
司:集合写真?
類:ああ。 この思い出を残しておくのもいいんじゃないかと思ってね
雫:……そうね、私も賛成です! あ、でも私のスマホは電源が……
愛莉:じゃあ、わたしので撮りましょ! スタッフの人に声かけてくるわ!
司:……類、どういう風の吹き回しだ? いつもはこういったことはしないだろう
類:うん、そうなんだけれどね
類:——たまにはこういうのも、いいんじゃないかと思ったんだよ
司:ああ、そうだな!
愛莉:みんな並んで並んで! 写真撮るわよ~!
スタッフ:それじゃ皆さんいきますよ~! ハイ、チーズ!

第 8 话:次はどんな出会いが

旅館
司:では——いくぞ類!
類:フフフ、望むところさ司くん
三宅:それじゃあいくよ!
三宅:枕投げ大会最終試合、天馬くん対神代くん——始め!!
司:でぇぇぇい!!!!
類:開幕早々の三連投とは恐れ入るね! だけど——
類:対三宅くんとの試合を見たからね! その技はもう対策済みさ!
林:おお!? なんだあの回避! 回転してるぞ!
谷山:すげ~! いいぞ神代!
三宅:ふ、ふたりとも、 宿のものを壊したりしたら、失格だからね!
三宅:……先に5回当たったほうが負けだけど…… これじゃ簡単には決着つかなそうだね
類:今度はこちらの番だよ! 枕の絨毯爆撃を味わってもらおう!
三宅:なっ……! 枕を全部いっぺんに上に投げて……!?
林:って、おいおいこれ……
谷山:オレ達に当たるだろ! うおっ!
司:……く。意表を突かれたが、ギリギリ当たってはいないぞ!
類:おやおや、なかなかしぶといね……。 ……ん?
林:神代~……。 こっちまで巻き込むなよな~……
谷山:そうだそうだ! というわけで、オレ達は天馬に加勢するぞ!
類:おや? これは個人戦だろう? 1対3はさすがに不公平ではないかな?
三宅:そ、そうだよ! っていうか、最初から1対1ってルールだったし——
類:仕方ない……
類:——三宅くん、君だけが頼りだよ
三宅:え!? なんでそうなるの!?
司:人数的に不利でも挑む、その心意気やよし!! 正々堂々やりあおうではないか!!
林・谷山:『おうっ!』
類:フフ……多勢でかかってきて正々堂々とは恐れ入る。 しかしこちらも負ける気はないよ。 叩きのめされる覚悟はできているかい?
司:それはこちらのセリフだ! ……いくぞ~~~!!!!
三宅:ちょ、ちょっとちょっと! さすがにこんな人数で戦ったら——
教師:お前ら~! もう就寝時間だぞ!!
司・類:『ぬあっ!?』 『おや』
三宅:やっぱり、こうなるよね……
教師の部屋
教師:さすがに2日連続でやらかしたとあっちゃ、 反省文からは逃げられんぞ
教師:その反省文を書き終わったら、呼びにこい。 ちゃんと書けてたら、お前達の部屋に帰してやる
教師:はぁ。まったく、このワンツーフィニッシュは……
司:くっ……! オレとしたことが……!
司:学級委員として、そして何より未来のスターとして 人々の規範となるべきだというのに、 2日連続で怒られるほどはしゃいでしまったとは……! 不覚!
類:たしかに、少々やりすぎてしまったねえ
類:でも……なんだか新鮮だったよ
司:新鮮?
類:ああ、今の枕投げもそうだったけれど——
類:みんなでいろんな場所に行ったり
類:トラブルを乗り越えてパレードを見たり
類:それがとても新鮮で、 ショーの準備をしている時のようにワクワクして……
類:今日、僕はみんなと過ごすことが本当に楽しいと思ったんだ
司:類……
類:これもみんな、司くんのおかげだろうねえ
司:オレの?
類:うん。 実は今日の帰り道、三宅くんに言われたんだ
三宅:はぁ……今日は楽しかったな。 神代くんと同じ班になれて、本当によかったよ!
類:そうかい? フフ、そう思ってもらえたのは喜ばしいね
三宅:うん。 神代くんのこともよく知れたし……
三宅:……実はね
三宅:転校してきた時の神代くんって、 席でドローンを改造したりして、楽しそうだったけど——
三宅:でも、たまに、 ちょっとつまらなさそうな顔をしてるなって思ってたんだ
類:……彼はそれもあって、僕に話しかけないほうがいいと 思っていたらしいんだけれど——
類:司くんと一緒にいるようになってから、 よく笑うようになったらしくてね
類:それで三宅くんも少しずつ、 僕と話してみたいと思うようになったみたいなんだ
司:なんと……そういった経緯があったのか
類:ああ
類:……実際、僕はずいぶん変わったと思うよ
類:最後に、集合写真を撮りませんか?
司:集合写真?
類:ああ。 この思い出を残しておくのもいいんじゃないかと思ってね
類:(あれだって、司くんの言うとおり、 普段の僕ならしないことだからね)
類:(ああ言ったのはきっと—— あの時間を、かけがえのないものだと思えたからなんだろうな)
類:僕はずっと、周りの人達とは ちゃんとわかりあえないと思っていたけれど
類:みんなと一緒にワンダーステージでショーをやるようになって、 考えかたや気持ちが、どんどん変わっていって——
類:今は、ショーをとおさずとも誰かとわかりあえて、 そしてその人達と笑いあいたいと、そう思えるようになった
類:だから——司くん。 僕が変わるきっかけをくれて、ありがとう
司:……そうか
司:そういうことならまずは、 どういたしましてと返しておこう!
司:だが…… それは、オレのおかげだけではないだろう?
類:え?
司:考えてもみろ。オレがどれだけお前にきっかけを与えたとしても、 お前自身が変わることを拒んでいたら、 状況は変わらなかったはずだろう?
司:お前は、輪の一員になることを楽しもうとした。 そしてその結果、お前は楽しいと思えた
司:だから……オレがどうこうじゃなく、 お前自身の選択があって、今があるのだと思っているぞ
類:……たしかにそれは、そうかもしれないね
司:それともうひとつ! お前に言わねばならんことがある!
類:なんだい?
司:その、もうすべてが終わったような口ぶりはなんだ? まだ修学旅行は終わっていないんだぞ!!
司:解散になるその瞬間まで、全力で楽しもうではないか!
類:……ああ! そうだね!
類:そうと決まれば、明日の行動をもう一度見直したいねえ。 早朝に起きて、鴨川まで散歩するのはどうだい? もちろん、先生達には許可をとってね
司:おお、それはいいな! 川べりで朝日を見る……! 青春の一幕を感じるぞ! 咲希が喜びそうなシチュエーションだ!
司:そうだ! それなら、川で水切りをするのはどうだ!
類:水切り……ああ。 たしか川に石を投げて、石を跳ねさせる遊びだよね
司:なんだ、やったことはないのか? いいか? このように投げるのだ! とうっ!
類:フフフ……なんだか妙なフォームだねえ
司:妙ではない! こうスー!っと投げると石がチョンチョンチョーン!と……
教師:なーにがチョンチョンチョーン!なんだ? 天馬~
司:ぬわーっ!! なぜ先生が!!
教師:あれだけ騒がしくして気づかれないと思ったのか!? というか、反省文が全然書けてないじゃないか!
司:あ~~いやそれは! 類と話していたら、筆が止まってしまって……
教師:……神代はもう書き終わってるようだが?
司:何っ!? る、類、お前、いつの間に抜け駆けを……!?
類:司くんに話しかけた頃には、もう終わっていたよ?
司:こ……この裏切り者~!!
教師:さっさと書け天馬! 先生だって早く他の先生との懇親会に行きたいんだぞ!
司:は、はい~!!
類:(フフ。司くんには悪いけれど……)
類:(これもまた、 僕にとっては楽しい思い出になってしまいそうだな)
類:(本当に司くんは、僕にたくさんの笑顔をくれる)
類:(……そうしてその笑顔が、 新しい友人や、新しい関係を作ってくれるんだね)
類:さて次は——どんな出会いが待っているんだろうねえ